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クッションジャンプ
図1 クッションや輪をならべた様子 図2 クッションジャンプをしている様子
対象児童・生徒
知的障害のある児童・生徒。
分野
自立活動(主として「環境の把握」の区分)
ねらい
配置されたクッションや輪に次々と移動することで自己の身体をイメージしたり、次にどこへ行
こうかと予測したりする力を養う。
使い方
1) 手順
①クッションや輪を好きな位置にならべる。
②ならべたクッションの上や輪の中へ次々に移動する。
2) 配慮事項
○児童・生徒が一人でできない場合は本人の前方から両手を持ったり、後方から腰の辺りを支
えたり、実態に合わせた支援をする。
○次の目的の場所へ移るときのタイミングやきっかけをつかめるように促す。
効果
○身体のバランスを取りながらさまざまな活動に取り組める。
○活動のはじめと終わりが意識できる。
必要な教材
輪や座布団など。ない場合は、チョークなどで輪を書いて代用することもできる。
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?ボックス
図1 ?ボックス 図2 使用場面
対象児
肢体不自由および知的障害のある児童・生徒。
分野
自立活動(主に「環境の把握」の区分)
ねらい
教材を出し入れする箱である。教材の始まりと終わりをはっきりさせたり、次に何かが出てくる
ことを期待したり、注意を引き付けたりする目的で使用する。この教材では、箱の中で鈴などの音
の出るものを鳴らし、何の音かなどイメージする力を養うことをねらいとする。
使い方
1)手順
①子供の正面に教具を置く。
②子供の学習態勢が整える。
③箱の中の鈴などを鳴らし、「何の音だろう」などと子供に話しかける。
④子供が答えたら、その教材を提示する。
⑤正解したら、賞賛する。
2)配慮事項
①箱の中で音を出したり、一緒に箱をたたいたりすることで、より注意を引くようにする。
②鈴や、カスタネットなど、音の出る教材を使用し、音を鳴らした後、子供が十分に考える時
間をつくるようにする。
③手順⑤については、課題が達成できたか否かを伝える意味合いもあるので、このことが分か
るような方法で行う。
効果
1)音が鳴ったときに、何の音だろうと考える様子が出てきた。
2)?ボックスが出てくるだけで喜ぶ様子が見られるようになった。
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作り方
3)段ボール箱と黒の紙、白か黄色のマジックを用意する。
4)段ボールに黒い紙を貼り付ける。
5)そこに、「?」をマジックで書き込む。
図3 各部品 図4 組み立て完成図
?
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シーツブランコ
図1 シーツブランコ 図2 シーツブランコを活用している様子
対象児童・生徒
肢体不自由および知的障害のある児童・生徒
分野
自立活動(主として「環境の把握」の区分)
ねらい
前庭覚や固有覚に刺激を与え、平衡反応を引き出す。
使い方
1)手順
①児童・生徒をシーツの中央に乗せる。
②シーツの端を持ち上げ、揺らす。
③終わったら、静かに床におろす。
④もう一回やって欲しいなどの要求行動を引き出すために、少し間を取り、様子を見る。
2)配慮事項
○シーツから生徒が落ちないよう安全を確保する。
○最初は揺れに対して気持ちの悪くなる児童・生徒もいる。その場合、慣れるまで、振幅を小
さくし、ゆっくりと揺らす。
○慣れてくると多くの児童・生徒は、興奮して身体を曲げたり、反ったりするほど喜ぶ。この
場合も、振幅を小さくし、ゆっくりと揺らす。児童・生徒が落ち着いて楽しめる適度な揺れ
を探しておく。
○揺らすときはテーマソングを決めて、毎回歌う。そのことにより、児童・生徒は活動に見通
しを持つことができる。
○シーツの強度や持ち方、布団を敷いておくなど安全には十分配慮する。
効果
○平衡感覚を養うことができる。
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パネルシアター(スイミー)
図1 スイミー教材 図2 使用場面
対象児
知的障害児。
分野
自立活動(主に「環境の把握」の区分)
ねらい
集団指導の場面で、子どもたちが一緒に考えながら取り組み、ストーリーを一緒に考えていくこ
とをねらう。
使い方
1)手順
授業を展開する前に、絵本などで事前に学習しておく。
①教材を子どもたちの前に配置する。
②最初に、話の展開を説明する。
③
④子供の前で教師が模範を見せる。
⑤子供の手をガイドしながら一緒に輪抜きを行う。
⑥一人でやることを促す。
⑦できたら賞賛する。
2)配慮事項
⑨ 注意を喚起させたいときは大きめの声にし、集中させたいときは小さめの声を心掛ける。
⑩ 音が無い瞬間をつくることで、メリハリを付ける。
③子どもたちが、興味をもったと時に、教材の操作を一緒に取り組む。
効果
1)注目しなかった子供が、よく見るようになった。
2)「あれ?」、「えーと」などと考えながら組む様子が見られるようになった。
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作り方
用意するもの
・ マグネットが付くホワイトボード
・ 色画用紙
・ マグネット
図3 各部品 図4 組み立て完成図
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ボール転がし
図1 図2 様子
対象児童・生徒
目で手を追って操作することが難しい児童・生徒。
分野
自立活動(主として「環境の把握」の区分)
ねらい
目と手の協応動作を引き出すことやボールを追視する力を養うことをねらう。
使い方
1)手順
①ボールを持つ
②ボールを入り口へ入れる
2)配慮事項
○最初はボールを入り口付近に置き、入れることへの成功感を十分に得られるようにする。
○徐々にボールの置く位置をかえていく。
○ボールが落ちていく様子が見えるように児童・生徒が見える位置に教材を置く。
○児童・生徒が目で追えるような長さ、速さになるように調節しておく。
効果
○ボールを持つ力が養えた。
○ボールを目で追いかけることができるようになった。
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作り方
1)児童・生徒の実態に合わせ、ボールの落ちていく長さ、速さを考えながら、材料を選ぶ。
2)各材料を接合する。
ボールの入り口
(ペットボトル)
ボールが落ちて
いく穴を開けて
おく
ボールが落ちていくよ
うに傾斜をつけて接合
する
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ビーズハンガー
対象児童・生徒
上下左右方向の認知が難しい生徒。
分野
自立活動(主として「環境の把握」の区分)
ねらい
ビーズハンガーを作るための教材。上下左右方向の認知が難しい生徒がビーズを摘んで的に入れ
ることにより、ビーズハンガーを作成することができる。的に入れることにより、手指の巧緻性や
空間認知の向上などをねらう。
使い方
1)手順
①針金ハンガーを台にセットする。
②台の穴から出ている針金ハンガーにビーズを通す。
2)配慮事項
①生徒が作業しやすい台の高さに調節する。
②ビーズを摘むときに生徒の見やすい場所にビーズを置く。
③完成したときに達成感が味わえるようにする。
効果
1)手指の巧緻性の向上。
2)ビーズハンガーができあがる期待感。
図1 教材を使ってビーズハンガー作りをしている様子 図2 教材にセットされたビーズハンガー
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作り方
1)スノコを針金ハンガーに合わせた大きさに切断
2)予め上板に針金ハンガーの先が出るように穴を開けておき、針金ハンガーが固定できるよう
に支柱と上板をとめる
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キャスターカー
図1 キャスターカー 図2 使用している様子
対象児童・生徒
肢体不自由および知的障害のある児童・生徒。
分野
自立活動(主として「環境の把握」の区分)
ねらい
乗り物に対する期待感から、要求行動を引き出すことをねらいとしている。また、動く乗り物な
ので、自分でバランスを取ることもねらうことができる。
使い方
1)手順
①キャスターの付いた乗り物を用意する。
②「乗りたい人?」など問いかけることにより、乗り物に乗る期待感を高める。
③安全に留意し児童・生徒を乗せる(場合によっては教員と一緒に乗る)。
④児童・生徒の様子を見ながら、キャスターカーを動かす。
2)配慮事項
○目的地が認識できる児童・生徒であればスタート地点、ゴール地点がわかりやすいように設
定しておく。
○児童・生徒がバランスを崩し、転倒しないように動かす速度には十分留意する。
効果
○問いかけに対して笑顔や「はい。」と言って応える様子が見られるようになった。
○乗り物に安定して乗ろうとするので、平衡感覚が養えた。
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作り方
1)適当な板や人が座ることのできる台、台を引くためのロープなどを準備する
2)それら各部品を接合し、完成。
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あやつりダック
図1 あやつり人形
対象児
注目したり、追視したりすることが難しい段階の子供。
分野
自立活動(主に「環境の把握」の区分)
ねらい
見ていることは多くても、実際は集中力が続いていなかったり、興味をもっていても見続けるこ
とが難しかったりする子供に、動きのある操り人形を使い、見るという活動に興味をもち、さらに
見て楽しめる物を増やすことをねらいとしている。
使い方
1)手順
①子供の正面に教具を置く。
②子供の学習態勢が整える。
③あやつりダックを提示する。
④歌などに合わせながらあやつりダックを操作する。
⑤子どもたちのそばに行き、踊りを見せる。
2)配慮事項
⑪ なかなか集中して見ない場合は、その子供のそばまで行き、見せるようにする。
⑫ 子供がやりたいと要求したときは、一緒に操作する。
効果
・集中して見ることができなかった子供が、少しずつ興味をもち、見るようになってきた。
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作り方
1)ベニヤ板または段ボールなどの厚紙、釣り糸を用意する。
2)ベニヤ板または段ボールを切り抜く。
3)木を十字にし、あやつる部分を作る。
図2 各部品 図3 組み立て完成図
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大型絵本
図1 大型絵本 図2 使用場面
対象児
小さな絵本などに注目することが難しい子供。
分野
自立活動(主に「環境の把握」の区分)
ねらい
通常の絵本ではサイズが小さい為、1対1のかかわりでの読み聞かせではいいのだが、集団での
活動になると、興味をもったり、関心を寄せたりすることが難しい。大型絵本は、絵のサイズが大
きくなっているため、注目しやすくし、興味・関心を引き出しやすくなる。
使い方
1)手順
①子供の正面に教具を置く。
②子供の学習態勢が整える。
③はじまりのテーマソングなどを歌い、注意を促す。
④子供の前で、ゆっくり読み上げる。
2)配慮事項
①注意を喚起させたいときは大きめの声にし、集中させたいときは小さめの声を心掛ける。さ
らに、ページを変えるときなどに、音が無い瞬間をつくることでメリハリを付け、より効果
的に見聞きすることを促す。
②「ドンドン」、「コロコロ」などの擬態語・擬声語を多く取り入れ、子供に言葉への興味・関
心を引き出すことをねらう。
効果
1)見慣れない、大きい絵本ということもあり、絵本に興味関心をもつ子供が多かった。
2)擬態語・擬声語を多く取り入れたことで、注目する子供が増えた。
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作り方
1)子供が見やすい大きな厚紙や段ボールを用意する。
2)折り紙などの色紙を切り抜き、そこに張り物語を作る。
3)それらを綴じ込んでいく。
図3 各部品 図4 組み立て完成図
作り方
1)生徒の実態に合わせて大きめの厚紙を用意し、そこに絵と文字を書く。
2)厚紙にパンチで穴を開け、バラバラにならないようにとめる。
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型はめ
図1 型はめ 図2 型がはまった状態
対象児童・生徒
肢体不自由および知的障害のある児童・生徒。
分野
自立活動(主として「環境の把握」の区分)
ねらい
形、色の弁別など
使い方
1)手順
①型をはずして見せて、型枠だけを児童・生徒の前に置く。
②型を 1つ手渡し、「同じものはどれ」と言って、型枠に入れるよう促す。
③できるようになったら、いくつかの形の型を児童・生徒の前に並べ、型枠を1つだけ提示し、
「同じものをとって」と言う。
④他にも色、大きさなどの弁別にも使える。
2)配慮事項
○児童・生徒にとって見やすい位置に提示する。
効果
○形の弁別ができるようになった。
○色の弁別ができるようになった。