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加藤 俊一
Toshi KATO
ヒューマンメディア工学Human Media Engineering
情報環境ヒューマンインタフェースと体感メディア技術
GUI (Graphical User Interface)
計算機のユーザインタフェース
40年代: 電気配線+ランプ
50年代: 紙テープ + プリンタ
60年代: キーボード + キャラクタディスプレイ入出力装置の「電子」化
70年代: キーボード + グラフィックディスプレイ航空管制データのグラフ化・マップ化
GUI (Graphical User Interface)
計算機のユーザインタフェース
80年代: キーボード + マウス + ビットマップデスクトップメタファ「実世界」のモデル化と投影
90? 00? 10年代?: ビジュアルエージェント執事メタファ
00? 10年代?: 実世界インタフェース実世界メタファ
Scientific Visualization
コンピュータシミュレーションと可視化技術
70年代: データの2次元グラフ化計測・記録されたデータの把握
80年代: コンピュータグラフィックス物理法則に基づくシミュレーション忠実に可視化(2次元)
90年代: ステレオ表示可視化(2次元→3次元)人為的ルール
00年代: どこに向かう? 現実世界の中で?
Scientific Visualization
可視化技術 物理現象:物理化学法則のシミュレーション(分子運動CG)物理化学的な計測値(AMEDAS)
論理・ルール:アルゴリズム(フローチャート、アニメ)法律上の制約(建築基準法)
感性:感性モデル(相関関係、モデルの対比)
[課題1] Scientific Visualization
(ビデオ資料を見ながら)
可視化とはどういうことか?
不可視情報を可視化することによって、大幅に理解が容易になり、便利になると考えられるものを、列挙してみよう。
その理由は?
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(参考)不可視情報 そのほんの一例
(狭義) 目には見えない情報(広義) 人間が直接感じ取ることが難しい情報
赤外線・紫外線・電波 小さすぎるもの(原子・分子)、大きすぎるもの(天体・宇宙) 表面に現れてないもの(皮下、内臓、骨格;地下;水中) 振動、超音波(高周波)・低周波 流れ(水、空気;交通;情報) 温度・湿度の分布 早すぎるもの(化学反応)、遅すぎるもの(成長) 危険、安全 健康状態、体力、疲労 エネルギー 学習、知識 感情、感性
VR: Virtual Reality (仮想現実)
virtual (adj) 〔限定〕(名目上はそうではないが)実質上の、事実上の、実際上のvirtual memory(仮想記憶)
〔光学〕虚の、仮の
注意: vain (adj) 〔「カラの、実質のない」が原義〕 むなしい、中身のない;つまらない、価値のない; 虚栄心の強い、うぬぼれの強い Vanity Fair(虚栄の市)
VR: Virtual Reality (仮想現実)
Virtual Reality 人間の五感(視覚、聴覚、触覚+味覚、嗅覚)である感覚器官に知覚させるための技術
物理法則やルールに基づいた「世界」の構築× Animated cartoon physics
計算機内に現実世界を「模擬」 「投影」
参考: CG: Computer Graphics 主として視覚情報
次世代のCGをVRだと言う人もいる。
Virtual Realityの基本的な要件(1)
没入感 immersion, immersive:
全感覚(現状は視聴覚)で感じる外界が、すべて計算機制御された空間
Cf. 計算機制御された空間を、全感覚(現状は視聴覚)を通して知覚
質感
e.g. 高精細・高品位
Virtual Realityの基本的な要件(2)
インタラクティブ性 interactivity:
人間が対象・状況に働きかけられる
Cf. 特定の対象を選び出して
Cf. 対象群のおかれている状況に対して
対象・状況が人間に働きかけられる
Cf. 常時モニタ可能
Virtual Realityの基本的な要件(3)
リアルタイム性 real-time:
(相互)作用した結果を直ちに反映
Cf. (相互)作用の高速な計算
Cf. 計算結果の高速な可視化(可感化)
現実の世界と同じ時間スケールで再現
Cf. 現実の世界と同じ空間スケールで再現
Cf. 現実の世界と同じ刺激スケールで再現
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初期のVRシステム (VPL)
データグローブ
ヘッドマウントディスプレイ
立体視
奥行きの知覚
筋肉: 水晶体(レンズ厚)、両眼の輻輳角
画像: 両眼視差、運動視差
画像: 陰影、テクスチャなど
ランダムドットステレオグラム
遠近法
ネッカーのキューブ
立体視
両眼視差(人間)
左目・右目の距離×輻輳角→距離(と大きさ)
立体視
視差をつけた撮影(機械)
左目・右目の距離×輻輳角→距離(と大きさ) を再現する感じさせる
[実験1]立体視
視差をつけた画像の計算・生成(CG)
左目画像 右目画像
[実験2]立体視
運動視差による奥行きの知覚
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東京タワー
六本木ヒルズ
[実験3]奥行きと遠近感
ポンゾの錯視
奥行き知覚は「視差」だけではない
(参考)ネッカーのキューブ
http://www.p.u-tokyo.ac.jp/~kitajyo/projects.html
立体視
コンピュータビジョン
カメラの輻輳角
対応点マッチング
テクスチャ解析
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立体視
バーチャルリアリティ
両眼交互刺激
刺激の限界提示時間(上限)と解像度(密)
両眼同時刺激
解像度(粗)
バーチャルリアリティ
両眼交互刺激
限界提示時間(上限)解像度(密)
液晶シャッター
偏光メガネ
赤青メガネ(モノクロ)
Head Mounted Display 時分割表示+液晶シャッターメガネ
(参考)3Dテレビの方式(アクティブシャッター)
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20100209_347880.html
(参考)パナソニックの工夫
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(参考)3D映画
たくさんの方式があります。詳しくは、画像処理システム論(後期)で!
上映方式
RealD
XpanD
Dolby 3D
IMAX Digial 3D
3D方式
•アナグリフ方式
•干渉フィルター方式
•直線偏光フィルター方式
•円偏光フィルター方式
•液晶シャッター方式(アクティブシャッター)
偏光スクリーン+偏光メガネ
CAVE(多面ディスプレイ) WALL(大画面)+Head Tracking
広視野角ディスプレイ
全天周・広視野角ディスプレイ
コンテンツ(大画面・遠景)を工夫すれば「奥行き」を感じる
視差を与えれば「立体感」を感じる
+ ビデオ資料
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裸眼立体視の仕組み
レンティキュラーレンズによる両眼同時刺激
空間解像度(粗)
裸眼立体ディスプレイ(WoW)
裸眼立体ディスプレイ(Synthagram) 球状裸眼立体視ディスプレイ(prospecta)
See-through type Head Mounted Display(透過型HMD)
See-through type Head Mounted Display(透過型HMD)
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力覚ディスプレイ(Phantom) 力覚(加速度)+視覚
Virtual Reality Ride (Simulation Ride)
力覚(加速度)+視覚
加速度感(スピード感)と視覚のマルチモーダル性
嗅覚ディスプレイ
VR: Virtual Reality (仮想現実)
Virtual Realityを利用した入力・操作
利用者→システム
計算機内部に構成された仮想世界に「働きかけ」
視覚: アイカメラ(視線)聴覚: 音声触覚: 力の向き・強さ、
位置(Data Glove, Data Suit, 磁気センサ)、速度(加速度)
データグローブ&データスーツ
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Motion Capture(1) Motion Capture(2)
Motion Capture(3)ユビキタス空間内での動作の検出 OpenCVを使った顔認識
OpenCV: インテルが開発・公開しているオープンソースのコンピュータビジョン(画像処理・画像認識)のライブラリ
景色の中から人間の顔(らしい部分)を検出する機能も提供されている。
OpenCVを使った顔認識
http://yamashita.dyndns.org/blog/face-detection-with-opencv/
視線入力装置
顔を抽出できれば、視線も検出できる!
QuickGlance3 アイトラッキングシステム
例: キーボード・音声に代わる文字入力手段(マルチモーダルインタフェース)
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視線追尾システム
VIEW-TRACKER
(例)飛行機操縦の視線解析水平メーターと着陸する位置を何度も確認している様子が分かる。http://www.ditect.co.jp/appli/case_025_00121.html
(参考)ちょっと未来の視線検出
Interactive Data Eyeglasses、フラウンホファー研究機構(ドイツ) 現状のヘッドマウントディスプレイの問題は「高い・重い・でかい・人間工学的じゃない」。
彼らはアイトラッキング機能を備えたCMOSチップを19.3 x 17mmというサイズで設計。このチップをメガネのヒンジに取り付ければ、どこかを見つめたり視線を動かしたりするとコンテンツの選択やスクロールが行えるメガネが出来るという目論見です。
「私達はメガネを、新しいアプリケーション分野が登場するような、双方向で対話的ものとしたいのです」と、同機構のMichael Scholles博士。
メガネはPDAなどと接続することで表示コンテンツを取得、コンテンツはメガネに埋め込まれたマイクロディスプレイに投影されます。マイクロディスプレイは環境光に負けないコントラストにするため、OLEDを利用。着用者からすると、1メートル先に像があるように見えるとのことです。
http://www.fraunhofer.de/EN/bigimg/2009/rn06fo3g.jsp http://japanese.engadget.com/2009/06/05/bidirectional-data-eyeglass/
(参考)ちょっと未来の視線検出「自動車技術展 人とくるまのテクノロジー展2009」運転者状態認識システム(東芝、参考出展)
http://robot.watch.impress.co.jp/docs/news/20090528_170341.html
画像処理で、ドライバーの顔の向きから視線を検出し、注視している装置やエリアなどをシステムが認識していることを教えてくれる。 ドライバーの頭部全体のワイヤーフレームモデルを作成 作成したワイヤーフレームモデルと、その時々の頭部の映像を照合 ドライバーの顔の向きを推定 顔の向きをもとに視線の方向を推定 最終的に注視方向を推定する (将来) 個人認証 (将来) 開眼状態検出(=居眠りの検出) (将来) 表情認識
ドライバーの状態を認識し、安全で快適な運転環境を提供するシステム
将来:ドライバーの状態や嗜好に応じた情報提供を行なう
「自動車技術展 人とくるまのテクノロジー展2009」運転者状態認識システム(東芝、参考出展)
「自動車技術展 人とくるまのテクノロジー展2009」運転者状態認識システム(東芝、参考出展)
頭のワイヤーフレームモデル顔の輪郭顔の向き
目の抽出
虹彩の抽出これらを総合して「視線」
http://robot.watch.impress.co.jp/docs/news/20090528_170341.html
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(参考)次世代メディアデザイン アイコンタクト(ATR)
単眼視線推定技術
広視野・高解像度カメラで捉えた画像から3次元眼球および虹彩モデルを生成し、カメラ画像と照合して眼球中心と虹彩を結ぶ視線方向を推定する。
1台のカメラ画像で視線推定が行え、かつ生成したモデルから視線方向を直接推定するためキャリブレーション作業が不要。
(将来の応用)来場者の視線を検出することにより、見ている場所や商品に関する情報提供が行える。新製品のプロモーション用途やミュージアムメディアとしての応用を目指している。
(参考)次世代メディアデザイン アイコンタクト(ATR)
VR: Virtual Reality (仮想現実)
インタフェースの多様化:人間の五感(視覚、聴覚、触覚+味覚、嗅覚)を通してインタラクションするための技術
物理法則やルールに基づいた「世界」の構築計算機内に現実世界を「模擬」 「投影」
システム→利用者計算機内部に構成された仮想世界を「体験」
利用者→システム計算機内部に構成された仮想世界に「働きかけ」
VR: Virtual Reality (仮想現実)
Virtual Realityを利用した出力・提示
システム→利用者
計算機内部に構成された仮想世界を「体験」
視覚: Head Mount Display、液晶シャッター、広視野角
聴覚: ステレオ音源、触覚: 力覚ディスプレイ、
位置、速度(加速度)
VR: Virtual Reality (仮想現実)
Virtual Realityを利用した入力・操作
利用者→システム
計算機内部に構成された仮想世界に「働きかけ」
視覚: アイカメラ(視線)聴覚: 音声触覚: 力の向き・強さ、
位置(Data Glove, Data Suit, 磁気センサ)、速度(加速度)
バーチャルリアリティ
「視差」
自分の体(位置・大きさ)を基準とした量→ 立体に見える& 対象の「絶対的な大きさ」も知覚
→ コンテンツ制作上の課題
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[宿題1] Virtual Realityの基本要件
世間的に「VR」と思われているシステムをいくつか取り上げて、VRの基本要件から批評してみよう。 没入感
インタラクティブ性
リアルタイム性
(例)アーケードゲーム、運転シミュレータ、ミクロアドベンチャー、など
Star Tours (Tokyo Disney Land)Storm Rider (Tokyo Disney Sea)
感覚
没入感・立体感
インタラクティブ性
なぜ、多人数で乗り込むのか?
http://www.tokyodisneyresort.co.jp/tdr/japanese/fun/movie/#/movie/tdl_021
http://www.tokyodisneyresort.co.jp/tdr/japanese/fun/movie/#/movie/tds_014
Star Trek Experience (Las Vegas Hilton)
感覚
没入感・立体感
インタラクティブ性
(*)Borgのアトラクションでは、簡易ゴーグルを使用
(*)このアトラクションは終わってしまいましたぁ!
(参考資料)過去の記録から
YouTubeでいっぱい見つけました:
Star Trek The Experience, Klingon Encounter
http://www.youtube.com/watch?v=0E_PWjqn_ik&NR=1
Star Trek The Experience Borg Invasion 4D (メイキング)
http://www.youtube.com/watch?v=e0Hbd3oXBR8&feature=related
Micro Adventure (Tokyo Disney Land)
感覚
没入感・立体感
インタラクティブ性
なぜ、観客が小さくならないといけないのか?
http://www.tokyodisneyresort.co.jp/tdr/japanese/fun/movie/#/movie/tdl_042
Magic Lamp Theater (Tokyo Disney Sea)
感覚
没入感・立体感
インタラクティブ性
なぜ、主たるコンテンツ(登場人物)がジーニーなのか?
http://www.tokyodisneyresort.co.jp/tdr/japanese/fun/movie/#/movie/tds_028http://www.fujifilm.co.jp/disneysea/flash_top.html
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バズ・ライトイヤーのアストロブラスター(Tokyo Disney Land)
感覚
没入感・立体感
インタラクティブ性リアルタイム性
http://www.tokyodisneyresort.co.jp/tdr/japanese/fun/movie/#/movie/tdl_032
予告(1) VR施設の見学会
訪問先: 加藤研究室
牧野研究室@情報
樫山研究室@都市
日程は調整中
VR機器、Scientific Visualization
Mobile, wearable and ubiquitous情報環境
感性工学、他
予告(2) 特別講演会&デモ
宮原誠先生(東工大特任教授)
7月11日?
深い感性の工学
深い感動を呼び起こす音響・映像とは?超高忠実度の音響・映像システム名作・名演奏の超高忠実伝送
予告(3) 特別講演会
矢吹瑛明さん(パイオニア)
日程は調整中
高度情報化社会の技術やビジネスのあり方についての研究家・ビジョナリスト&セレンディピティ
予告(4) 特別講演会
小阪裕司さん
日程は調整中
感性を大事にしたビジネスのデザインの仕方・実践の仕方を説く超売れっ子コンサルタント&エバンジェリスト
参考図書
情報処理学会編「エンサイクロペディア情報処理2000-2001」第4章マルチメディアとバーチャルリアリティ
野村、澤田「バーチャルリアリティ」朝倉書店、1997年。
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[講義資料]
本年度の資料http://www.indsys.chuo-u.ac.jp/~kato/HM11/
昨年度までの資料http://www.indsys.chuo-u.ac.jp/~kato/HM10/http://www.indsys.chuo-u.ac.jp/~kato/HM09/http://www.indsys.chuo-u.ac.jp/~kato/HM08/http://www.indsys.chuo-u.ac.jp/~kato/HM07/http://www.indsys.chuo-u.ac.jp/~kato/HM06/など
みなさんのレポート&コメントも、順次、アップ・公開してますよ~!