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モバイルによるマーケティング革新 早稲田大学デジタルキャンパスコンソーシアム 2006.3.22(水) 早稲田大学 恩蔵直人

モバイルによるマーケティング革新 - Waseda …モバイル・マーケティングとの出会い D2Cは、2002年から「モバイル広告大賞」を実施 クリエーティブ部門とマーケティング部門に分かれて

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Page 1: モバイルによるマーケティング革新 - Waseda …モバイル・マーケティングとの出会い D2Cは、2002年から「モバイル広告大賞」を実施 クリエーティブ部門とマーケティング部門に分かれて

モバイルによるマーケティング革新

早稲田大学デジタルキャンパスコンソーシアム

2006.3.22(水)早稲田大学 恩蔵直人

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モバイル・マーケティングとの出会い

D2Cは、2002年から「モバイル広告大賞」を実施クリエーティブ部門とマーケティング部門に分かれており、前年にスタートしたモバイルの取り組みで、優れたものを選び表彰優れたモバイル・マーケティング事例を眺めながら、モバイルの大きな可能性と世界に向けての発信可能性を痛感輸入に頼ってきたわが国のマーケティングにおいて、世界に誇れる領域JMA「モバイル・マーケティング研究会」発足(2005年)

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モバイル広告大賞(マーケティング部門受賞企業)

第1回(2002年):キリンビバレッジ、ジーンズメイト、日本マクドナルド、ヤマハ、ロッテ

第2回(2003年):グリコ乳業、日本電気、サントリー、ジーンズメイト、ローソン

第3回(2004年):駅前探検倶楽部、大塚ベバレジ、花王、サントリー、テレビ朝日

第4回(2005年):アップルコンピュータ、東映ビデオ、トヨタ自動車、ナイキジャパン、マンダム、吉野家ディー・アンド・シー

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モバイルの特徴

24時間30cm以内に存在するインタラクティブなメディア

→コミュニケーション革命

周囲を巻き込む世界観

→コミュニティー革命

お財布を忘れても戻らないが、携帯電話を忘れたら引き返す

→他で代用できない

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今日のマーケティング環境

①Commodity HellGE会長ジェフ・イメルトの言葉

技術(供給内容)の違いだけでライバルを振りきれなくなってきた

②Contact Point企業と顧客との接点

購買プロセスの全てを高度化する必要性が高まってきた

③Confusion of information製品カテゴリーとアイテムの増加

消費者へのより有効な情報提供の必要性が高まってきた

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購入ステップ別の満足度(まあ満足+とても満足の割合、博報堂&早稲田大学の共同研究より)

思い立ち 店頭以外 店頭での 最終検討と

での情報収集 情報収集 購入

デジカメ 76.0 85.2 84.8 93.0口紅 78.0 72.0 84.0 93.5自動車 73.0 71.6 86.3 95.0薄型テレビ 75.0 80.9 84.5 92.5海外旅行 91.0 86.9 92.3 97.0

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購買プロセス・パターン(デジタルカメラ)

思い立ち→決定(10.0%)思い立ち→店頭検討→決定(12.5%)思い立ち→店頭検討→店頭以外検討→決定(9.5%)思い立ち→店頭検討→店頭以外検討→繰り返し→決定(29.0%)思い立ち→店頭以外検討→決定(17.5%)思い立ち→店頭以外検討→店頭検討→決定(21.5%)

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本日の講演内容

1.モバイル効果

2.モバイル・マーケティングの可能性

3.新しいマーケティングとしてのモバイル

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2.モバイル効果

企業側

タイムリーな情報発信効果

タイムリーな交換(取引)効果

個別顧客へのカスタマイズ効果

消費者側

リーン消費の実現効果

情報価値の引き上げ効果

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情報価値の引き上げ効果

ロイヤルティ化(顧客の囲い込み)購入促進

リーン消費の実現効果

タイムリーな情報発信効果

タイムリーな交換効果

個別顧客へのマスカスタマイズ効果

モバイル効果のメカニズム

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タイムリーな情報発信効果

「まさにその時」というタイミングで、ターゲット顧客に対して情報発信可能

従来のメディアでは不可能だった

「スグBOSSキャンペーン」

小田急線の「グーパス」

状況に応じて情報内容も刷新

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タイムリーな交換(取引)効果

消費者との間でタイムリーな取引を実現

モバイルの双方向性によって実現(言葉、文字、図柄)

JR東海の「エキスプレスE予約」

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個別顧客へのマスカスタマイズ効果

セグメントではなく、個を対象

ただし、マスの効果を実現

ジーンズメイトでは購買履歴をモバイルで蓄積し、モバイルでクーポンなどを配布して販促

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情報価値の引き上げ効果

1600:80:12の法則多くの商業情報は価値がない

タイムリーな情報提供効果とマスカスタマイズ効果によって、情報価値がアップ

メッセージフリーによって送られてくる情報は、伝統的な広告情報よりも価値が高く、レスポンスも高い

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リーン消費の実現効果

旅行代理店に行って何十分も待たされたあげく、希望する宿が取れなかった。

質問に対する店員の答えが要領を得ていなかった。

店員が自分の仕事を優先し、こちらへの対応を後回しにしていた。

製品を入手するまでの購買プロセスに対する満足水準は、それほど高くはない。

購買プロセスを革新させ、リーン消費を実現する。

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自動車ディーラーにおける購買プロセスの革新

自動車ディーラーに注目し、顧客が車を修理してもらうプロセス、つまり整備工場を探し、修理してもらった車を自宅へ持ち帰るまでを8つのステップに分け、各ステップの所要時間を一覧表にまとめた。

生産プロセスと同様に、消費のプロセスを地図のように詳細に描いてみる。

プロセスは平均で120分要するが、そのうち価値創造に費やされる割合は53%。

各ステップを見直し、不要な部分を取り除くことにより、総所要時間は69分となり、価値創造の時間は94%にまで跳ね上がった。

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購買プロセスの革新がもたらすもの

電話がかかってきた段階で、問題点を予め診断し、車の到着と同時に診断を確認する。

顧客は待ち時間が短縮され、その場で修理の手続きを完了できるので、何度も電話をかけなくてよくなった。

ろくすっぽ調べることなく技術者に丸投げすることをなくしたので、整備工場での対応(部品と工具一式を準備しておく)が迅速になった。

多くの顧客に対応できるようになり、再修理のために戻ってくる車の数は減った。

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価値創造の時間(53%)

所要時間120分

69分

94%

リーン・プロセス導入前

導入後

リーン消費の実現による効果

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ホギメディカルの事例

1961年4月、東京都港区に設立された会社で、資本金は71億2300万円。従業員数は710人。医療用向け消耗品、医療器具、医療用不織布製品を製造・販売している。

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新製品「オペラマスター」

手術向けキット製品(手術用消耗品を組み合わせたもの)に、情報管理システムと物流システムを連動させた。

医療機関に設置された専用端末に手術予定を入力すると、キット製品がオンライン発注される。

医師別、症例別にカスタマイズが可能。

翌週分の手術計画を木曜日に入力。

⇒最短納期4日、1セットから対応可能。

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手術の時間/在庫ロスを排除看護士の時間ロス: 3人で作業しても2~3時間かかっていたものが、手術の15分前に梱包を開くだけ。手術の時間ロス:部材の取り違いが約3%、手術は中断され可能手術回数が制限される。

(3回取り違いがあると、1手術あたり45分の時間的ロス、金額にすると4~6万円の損失)。在庫ロス:大規模病院では部材の期限切れなどで年間1億円の在庫を廃棄。導入された病院における看護士1日当たりの平均業務時間は、10時間から9.6時間へ減少。

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ホギメディカルの拡大

現在26病院と契約済み。全国に手術を手がける医療機関は約9,000。ホギメディカルは医療機関数が1,000~1,500に集約されると見ている。

経営力がある病院に手術が集中するので、そういった医療機関に拡販をする予定。

1病院あたり年間3億円以上のキット製品売り上げにつながる計算。

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情報価値の引き上げ効果

ロイヤルティ化(顧客の囲い込み)購入促進

リーン消費の実現効果

タイムリーな情報発信効果

タイムリーな交換効果

個別顧客へのマスカスタマイズ効果

モバイル効果のメカニズム

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2.モバイル・マーケティングの可能性

モバイルは、様々なマーケティング局面にインパクトを与えることができる。

1.セールス・プロモーション

2.リサーチ(商品開発)

3.ブランド・マネジメント

4.顧客管理

5.クチコミの誘発

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1.セールス・プロモーション

モバイルを用いて、ターゲット層にクーポンやプレミアムを提供する。プレミアムでもクーポンでも、新しいセールス・プロモーション展開が可能。

ロッテの事例:「Ghana」チョコレートの購入者に好きな着メロを1曲プレゼント。このキャンペーンによって、ロイヤルユーザーを囲い込み、若年層の開拓にも成功。

ジーンズメイトの事例:iモードサイトの『とくするメニュー』にクーポンを出稿。コスト効率の良いキャンペーン。

サントリーの事例:メッセージフリーで11時頃販促キャンペーンを配信。シールのシリアル番号をWebで登録すると1ポイント獲得。1ポイントで4コマ漫画がプレゼントされ、10ポイントで「俺だけジャン」が当たる。

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広告主:ロッテ Ghana着信メロディプレゼントキャンペーン

サイトにアクセスすると

着信メロディがもらえる!

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サントリー キャンペーン:BOSS 「スグBOSSキャンペーン」

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2.リサーチ&商品開発

モバイルならではのレスポンスの良さを活かして、リサーチの可能性を引き上げる。

ローソンの事例:消費者参加型の商品開発を実施。2000サンプル程度が12時間で集まった。「塩気が強すぎる」「チーズが多すぎる」「値段が高い」「レタスは美味しい」などの『240円玄米パンサンド』→「塩気を控え」「シュゼットハムからロースハムに」「マヨネーズを自家製に」「チーズを控えめに」「230円に」変えるなどして商品開発を実施。

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3.ブランド・マネジメント

ターゲット層に、キャラクターやジングルを長期にわたり露出させることで、ブランドとの関係を強化できる。

ブランドの再活性化や新規ブランドの立ち上げに、大きな効果を期待することができる。

グリコ乳業の事例:コンビニ世代に向けて、落ちゲームを提供。30周年を迎えた「プッチンプリン」ブランドが再び若者層に浸透。

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広告主:グリコ乳業 プッチンプリン30周年キャンペーン

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4.顧客管理

モバイルは単に売上げを促進したりブランドを構築するだけではなく、顧客管理を実現することもできる。

ジーンズメイトの事例:顧客が提示したケータイクーポンをバーコード化することにより、顧客の会員番号と購買情報を統合。

Aさんは、いつ、どのような情報により、何を購入したのかが明らかになる。これにより、同社のクーポンキャンペーンは期間限定の販売促進ではなく、顧客管理を実現するシステムへと進化。

Page 32: モバイルによるマーケティング革新 - Waseda …モバイル・マーケティングとの出会い D2Cは、2002年から「モバイル広告大賞」を実施 クリエーティブ部門とマーケティング部門に分かれて

広告主:株式会社ジーンズメイト キャンペーン:ケータイを活用したCRMへの取組

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5.クチコミの誘発

その場で提示できるというモバイルの特性は、ターゲット層における水平的なクチコミ効果を誘発することができる。

アップルコンピュータの事例:テレビ広告で用いられた曲の着信メロディやイメージアニメーションを待ち受けにダウンロードできるようにした。

吉野家の事例:豚丼のキャラクター「吉ブー」を誕生させた。店舗に行くと、店頭POPで吉ブーの「お店限定待ち受け画面」がもらえる。

サントリーの事例:メッセージフリーで「振り振りアプリ」を配信。自慢の待ち受け画面が友達同士で回覧される。ダウンロードユーザーは、平均すると2.5人で楽しんだ。

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吉野家ディー・アンド・シー「吉ブー」プロモーション アップルコンピュータ

Green Purple

Bule

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株式会社サントリー「The Shake!振り振りアプリ」プレゼントキャンペーン

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3.新しいマーケティングとしてのモバイル

過去に様々な言葉を冠するマーケティングが生まれている。だが、その多くは使命を果たすと、マーケティングの中にとけ込んでゆく。

その一つに、需要の加熱を抑制する「デマーケティング」がある。上高地では釜トンネルから先の区間、マイカーによる進入が禁止されている。

モバイル・マーケティングは、どのようになるのだろうか。

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考えられるシナリオ

1.デマーケティングのように使命を果たした段階で、マーケティングの中にとけ込んでゆく。

(マーケティングへの包摂)

2.リレーションシップ・マーケティングのようにマーケティングにおける一つの研究領域を生み出す。

(新しい研究領域の構築)

3.広告論のように、マーケティング内で独立した学問体系を構築する。

(独自の学問領域の成立)

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特徴を訴えたマーケティングMass (Traditional) MarketingDemarketing (1971)Social Marketing (1971)Service Marketing (1981)Relationship Marketing (1983) Mega Marketing (1986)Time Based Marketing (1988) One to One Marketing (1993) Real Time Marketing (1995)Aesthetic Marketing (1977)Permission Marketing (1999)Experiential Marketing (2000)Buzz (Word-of-mouth) Marketing (2000)Holistic Marketing (2002)

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Mobile Marketingへの進化

MobileMarketing

One to OneMarketing

TraditionalMarketing

カスタム化 →

リアルタイム化

Just in Time Marketing

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新しい研究領域を構築するための条件

典型的な事例の存在

サービス:リッツ・カールトン、ノードストローム、ディズニー

JIT:トヨタ、セブンイレブン、デルOne-to-One:リーバイス、カスタムフット新たな枠組みの存在(顧客生涯価値、顧客シェア、サービス・プロフィット・チェーン)

研究者の存在(書籍や論文の発表)