キャッシュレスでウォークスルー
「Developers.IO CAFE」 ~小売の最新型をAWSで構築~
自己紹介 3
横田聡 1977年 東京都稲城市出身 / 中高大 バドミントン部 1998年 @家電量販店 / 店員育成 2000年 @学生ベンチャー / 授業補助 2002年 @エンジニア育成 / 新卒研修 2004年 クラスメソッド 設立 2019年 15周年
ソーシャル Facebook /satoshi7、Twitter @sato_shi
会社概要 4
クラスメソッド株式会社
企業のデジタル化支援(クラウド化、顧客体験、データ分析) 海外現地法人:ドイツ、カナダ、韓国、インド 国内拠点:東京(秋葉原、岩本町)、大阪(肥後橋)、札幌、福岡、上越、岡山、那覇 年商130億円、社員350人、資本金1億円、非上場
会社概要 5
クラスメソッド株式会社
AWSビジネス:1300社支援、 5000アカウント、10周年
技術メディア:「Developers.IO」 1.8万記事、80万UU、240万PV
認定:プレミア認定、コンサル受賞、 サポート受賞、最多プロ資格
7
クラスメソッドの企業理念
オープンな発想と高い技術力によってすべての人々の創造活動に貢献し続ける
Amazonの文化をハックせよ 9
1. 机上で終わらせない/評論だけしない 2. 成功を保証しない/大胆に挑戦する 3. 多数の実験と失敗から多くを学ぶ 4. 失敗のコストを最小化する 5. 利用者に使ってもらいフィードバックを反映 6. 学習済みモデルと優れたソフトが残る 7. 上記を高速に繰り返す
Amazonの文化をハックせよ 12
2018年5月中旬Amazon Go体験ツアー企画(有志26名で渡米)
スマホでQRをかざして入店、いつでも履歴を確認 15
どうやっているんだろう??? 16
顔?手?体?足?重さ?
温度?光波?音波?声?距離?
参加メンバー 18
横田 社内の有志8名(全員兼務)
参加メンバー 19
横田 社内の有志8名(全員兼務)
やってみよー
参加メンバー 20
横田 社内の有志8名(全員兼務)
やってみよー 楽しそうだけど仕事忙しい
スケジュール願望 21
2018/072018/05 2018/06
AmazonGo に感動
メンバー アサイン 展示したい!
プロジェクトを通じて学ぼう 23
AWSのマネージドサービスを 積極的に活用してみよう
どうやっているんだろう??? 24
ユーザー認証基盤 IoTデバイス管理 人物の検出と追跡 商品画像の学習 データの保存と分析 1クリックのボタン
社内システムと連携 セキュリティ 商品の全文検索 チャットボット 音声対応 コールセンター
インプット情報 26
1つの妄想動画1枚の妄想図
30
本日の重要ポイント1
技術や機能よりも先に体験を設計すること
モバイルアプリのアーキテクチャー検討 32
Amazon Rekognition Video 33
オブジェクト検出 シーンの推定 リアルタイム顔認識 人物の追跡
人物追跡(Multi Person Tracking) 34
Amazon SageMaker 37
学習:Deep Learning AMI
推論:API Endpoint
開発:Jupiter Notebook
画像分類(ImageClassfication) 38
3×100枚
コレハ99%オニギリダナ
エンドポイント
おにぎり画像の分類 39
Result:label -onigiri, orobability - 0.9999744
AWS IoT Core 40
機器のモニタリング データ連携のゲートウェイ 遠隔制御 認証と認可 マルチプロトコル(MQTT等) ルールエンジン SDK提供
3D LiDAR ToFセンサー 41
赤外線の反射から距離を測る 技術自動運転車によく 搭載されている注目の技術
3D LiDAR ToFセンサー 42
全体のシステムアーキテクチャーの仮説 43
ハードウェア(マイコンや重量センサー) 44
ESP32 ひずみセンサー ロードセル
先生の指導に沿って組み立てる 47
重量変化の検知とクラウド連携 48
クレジットカード決済機能を付けてみた 50
モバイルにStripe組み込み
IoT通信にソラコム使ってみた 51
Rekognitionで顔認識して入店 52
OpenPoseによる骨格検知して手伸ばしを把握 53
はじめて全てが繋がったときの映像 63
音声にも対応しました 65
Amazon Connect
横田deGOアーキテクチャー(シーズン1) 66
小売の勉強会でのお披露目、翌週に日経MJ掲載 67
課題 69
いたずらに対する耐性 複数人が同じ棚の前にいるときの正確性 QRコード以外の認証でもっとスムーズに入店 サーバー側のロジックが複雑 総合的にみてスムーズさに欠ける
70
より良い体験のために シーズン2始動
参加メンバー 71
横田 社内の有志8名(全員兼務)
やってみよー 本業の仕事マジ忙しいっす
参加メンバー 72
横田ほぼ全員交代
社内の有志8名(全員兼務)
やってみよー
スケジュール願望 73
2018/102018/08 2018/09
全員解散!新メンバー アサイン 展示したい!
AWS Step Functionsによる状態管理 75
全てのセンサーは独立動作 ステートマシンを活用して ロジックがシンプルに
Amazon SageMaker オブジェクト検出のモデル作成 76
Amazon SageMaker オブジェクト検出のモデル作成 77
機械学習における社内の会話例 78
画像の辺の長さ: 512、エポック数:20
データ情報:学習+検証6000枚(元画像60枚)検出対象:'カロリーメイト', 'のど飴', 'お茶', ‘スニッカーズミニ', 'ソイジョイ', 'うまい棒'
見積もり時間 : 30分、見積もり費用 : $9
インスタンスタイプ : ml.p3.8xlarge x 1台
Amazon Greengrassによるエッジコンピューティング 79
SageMakerで作成された学習モデルをエッジ側Jetson内のGreengrassにデプロイ
エッジGPUでサクサク動かす 81
測距センサーをマイコンとつなげる 82
100円ショップで結束バンドや組み立てラックを調達 83
複数センサーによる協調動作の確認(LEDで死活確認) 84
オシロスコープとテスター(電圧チェック) 88
木を切る、ネジ留めする、組み立てる 89
動作モニタリング用のWebアプリ開発 91
横田deGOアーキテクチャー(シーズン2) 94
課題 96
手組みによる壊れやすさ ネットワークの接続性 より精度の高い推定
97
2018年10月 より良い体験のために シーズン3始動
参加メンバー 98
横田半分ぐらい交代の有志8名
(一部専任!)
やってみよー
スケジュール願望 99
2018/122018/10 2018/11
全員解散!新メンバー アサイン
実店舗で試したい!
ネットワークの安定性、電源の確保、高速応答 102
WiFiかBLE(Bluetooth)か?電源確保か電池利用か?有線LANかシリアルか?機械学習か信号処理か?
動体検知1(腕と向きの検知) 103
動体検知2(棚に高速に腕を差し込む検知) 104
動体検知3(2人が同時に腕を差し込む検知) 105
106
本日の重要ポイント2 実際のお客様からのフィードバック得ること
横田deGoのシーズンX始動 108
秋葉原発 レジレス キャッシュレス ウォークスルー モバイルオーダー カフェ併設 社員食堂 店舗オープン予定 スポンサー多数
コンセプトを実現する店舗を見つける 109
秋葉原オフィス周辺の飲食店や物販店100件以上確認して10件程度を内見居抜き物件、契約書条件実験店舗として営業できるのかどうかオーナー交渉2018年12月1日に契約締結完了
コンセプトを実現する店舗を見つける 110
店長やスタッフの採用 什器の用意(コーヒーマシン、冷蔵庫/冷凍庫) 保健所や消防署への届け出(給排水、給排気) 店舗設備の充実(切り文字看板、マイク、スクリーン) 営業時間、鍵管理、出退勤管理、メニュー作成、仕入れ 集客、総客、リピーター、キャンペーン
2018年12月にやったこと 111
店長を社員採用、スタッフ5名採用 保健所や消防署への立会い日程確定 設備工事(看板、マイク、スクリーン、ネットワーク、有線、電源、椅子、机、クリーニング、ゴミ廃棄) 本番アプリのモック
店舗オペレーション定義風動画 112
113
クラスメソッドは年末年始に16連休突入
年末年始に事業の数字を考える 114
初期費用(原価償却) 固定費(家賃、ネット、有線) 変動費(スタッフ、食材) 顧客単価(初回、リピーター、頻度) 損益(1時間あたり何杯のコーヒーを…)
マーケティングを考える 115
オンラインの体験をオフラインで 立地が不利(路地に入った目立たない店舗)
116
2019年1月中旬から全員が本気を出す
社内のスーパークリエイターが複数名アサインされる 117
顧客向けアプリ開発(iOS、Android) スタッフ向けオーダー管理アプリ(iPad) デジタルサイネージ(iPod Touch) 継続的デリバリー環境(CI/CD、Dev/Stg/Prd) ロゴやグッツのデザイン(ブランドロゴ) 社内にテスト配信(Test Flight等)
1ヶ月間で全部作り上げるために 118
標準化や正規化よりも顧客体験を重視 お伺いを立てるクライアントは居ない 実現したい体験から各自議論して仕様に落とす 各自勝手にオンラインMTG、翌日には動作確認 社内リリースして全員でテストを繰り返す 監視システムや動作チェックツールを自作
Developers.IO CAFE 119
2019年2月12日店舗をオープン
Developers.IO CAFE 120
Developers.IO CAFE 121
Developers.IO CAFE 122
123
技術検証:6ヶ月店舗とIT:2ヶ月
1日目の結果 126
クレカ新規登録:113名 売上:2.5万円 客単価:400円 購入回数:122回
127
Developers.IO CAFEの本番インフラ費用知りたいですよね?
130
事件は現場で
起こっている
こんなトラブルがありました 131
注文したけど取りに来ない 無銭 PCメールをブロックしている 外国人観光客 ネットワークが落ちる
各種Pay対応 135
Apple Pay / Google Pay Amazon Pay LINE Pay WeChat Pay Alipay 等々…
136
本日の重要ポイント3高速に改善を繰り返すこと
全員が店舗に集まって様々な意見を反映させる 137
エンジニア お客様 店舗スタッフ
店舗現場の声を反映
現金が使えない 138
開店後しばらくの間は、7割のお客様が直帰してました。「現金使えないなんて頭おかしいんじゃないの!?」と罵る方も居て店舗スタッフに心理的負担を掛けて申し訳ない一方で、「現金が必要ないって最高ですね!!」と全スタッフからの称賛の嵐。 開店後1ヶ月経ち、事前にアプリを入れて来店されるお客様の割合が増え続けている。お客様も慣れてきた。
お客様は慣れると戻れない 139
最近はリピーターが増えた。カフェの商圏は50mぐらい。繰り返しご利用頂くことが大事。モバイルオーダーに慣れると列に並ぶのが苦痛になり、レジで現金を出すのが恥ずかしくなり始める。今はレジがつらい。
家の例)蛇口、トイレ、食器洗い、洗濯機 交通の例)駅の改札、新幹線の切符、タクシー支払い
モバイルオーダー 140
アプリをインストールすることで、リモートから注文に対応している。注文時に決済を確定(キャプチャ)。 注文が入り次第、ドリンクを用意する。取りに来ないお客様は、店長の気分で閉店後に返金(リファンド)。 プリペイドカードの残高が足りないと注文自体ができない。 予約注文機能を作ったらオーソリ後にキャプチャかな? 匿名でモバイルオーダーは実現できるのか?
ウォークスルー 141
QRコードを使ってウォークスルー開始。エリアを出ると自動的に決済予約(オーソリ)。意図しない購入などがあった場合には、お客様が自分で返金(リファンド)。1時間後に確定処理(キャプチャ)。 本当は入店時にオーソリしたいが、最近のクレカはオーソリ時に通知が飛ぶため、体験として気持ち悪い。今後どうするか要検討。 エリア出てすぐキャプチャするとリファンド時に手数料が掛かる。お客様がカジュアルにリファンドできるような仕掛け。 匿名でウォークスルーはあり得るのか。準匿名の線引きは?
電子マネー 142
交通系/流通系の電子マネーが日本国内で一定レベルのシェアがある。しかし、非対面(レジ無し)で非同期(リモート)の決済には対応していない。 新興勢力のQR系Payでも非同期の決済には対応してないことが多い。(現在片っ端から調査中) 電子マネーは対面が必須。(ピッとやる) 非同期を実現したい。(ポストペイ) 信用とは何か考えることが多くなった。。。。w
144
2019年5月多くの方に使って頂くために
シーズン4始動
スケジュール願望 145
2019/072019/05 2019/06
ソフトの 横展開
ハードの 横展開
プラットフォーム化
手作りから生産委託して量産へ 146
手作りから生産委託して量産へ 147
プリント基盤の設計と量産 148
人物の動きの検知をリアルタイムに 149
152
2号店coming soon…
Amazon Go は技術よりも体験がスゴかった 154
方針:Amazonになったつもりで考える 手段: ・体験を考える(Design Thinking) >Experience First 動画で要件定義 ・文化を考える(Our Leadership Principles) >Fast Improvement Cycle 高速改善サイクル。完成は無い。 >Customer Feedback 実店舗での本物のお客様の声を重視する。 > Think Big, Fail First より大きく遠くを見て、今失敗する。 ・技術を考える(with AWS) > Digital Twin リアル情報をネットに、ネット機能をリアルに。
本質的な課題にフォーカスする
プロジェクト「横田deGo」の1年間 155
2018年5月 Amazon Go@シアトルに感動 6月 社内有志でプロトタイプ作成(Season 1) 7月 小売業界関係者向けに発表 10月 自社イベントで発表( Season 2) 11月 実店舗の契約 2019年1月 アプリ開発と店舗開発 2月 1号店オープン「Developers.IO CAFE」( Season 3) 3月 毎週機能追加、毎週体験の改善 4月 ソフト面のプラットフォーム化開始( Season 4) 5月 ハード面のプラットフォーム化開始
高速改善 サイクル
事業会社なのか?IT企業なのか?もう境界は無い 156
ハード開発
店舗運営 海外展開
プリント基板
Think Big
Amazonの文化をハックせよ 158
1. 机上で終わらせない/評論だけしない 2. 成功を保証しない/大胆に挑戦する 3. 多数の実験と失敗から多くを学ぶ 4. 失敗のコストを最小化する 5. 利用者に使ってもらいフィードバックを反映 6. 学習済みモデルと優れたソフトが残る 7. 上記を高速に繰り返す
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Amazon re:MARSにてAmazon Goの構成図が公開されました!
Amazon Go “Very Simple” Architecture 161
参照元:https://www.youtube.com/watch?v=jthXoS51hHA
Amazon Goで使われている技術 162
https://towardsdatascience.com/how-the-amazon-go-store-works-a-deep-dive-3fde9d9939e9
Developers.IO CAFE “Very Simple” Architecture 163
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後出しで評価することは重要じゃない。実際にやってみる体験が大事なんだよ。