Upload
others
View
0
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
ヒューマンキャピタル2008
現場にセオリーを埋め込んだ真の営業組織強化
-インプットからインストールの事例より-
2008年07月24日
株式会社 グロービス
オーガニゼーション・ラーニング
マネジャー 西 恵一郎
2
グロービスグループは、経営に関する「ヒト」「カネ」「チエ」のインフラを構築し、ビジネスの創造と変革を実現することを目的に、4つの事業を行っています
経営に関する「ヒト」「カネ」「チエ」のインフラを構築する
法人向け人材育成事業
個人向け人材育成事業
ベンチャーキャピタル事業
書籍出版・経営研究事業
Globis Organizational Learning(GOL)
グロービス経営大学院Globis Management School(GMS)
Globis Capital Partners(GCP)
Globis Management Institute(GMI)
グロービスの事業概要
3
■ビジネスリーダー育成
・次世代経営幹部育成(若手~事業部長まで)・役員候補者育成・自社分析
■組織開発
・ビジョンマネジメント・ワークショップ・合併企業の組織統合・Way策定プロジェクト
「個人のマネジメント能力開発」と「チーム、組織の効果性向上のための組織開発」 の両面から、組織能力の向上と経営力強化をご支援してまいります。
グロービスの人材・組織開発サービス内容
■部門別
・コンサルティング営業力強化・研究開発部門対象MOT(技術経営)・新規事業開発リーダー育成・ビジネスプランニング・マーケティングプロフェッショナル育成・戦略スタッフ育成
■階層別
・管理職対象 リーダーシップ開発・昇格者研修・若手対象 論理思考力強化
■スキル開発
・論理思考力開発・コミュニケーションの思考力・問題解決力・ファシリテーション開発・質問力・マーケティングスキル・会計・戦略立案力強化
4
顧客への
アプローチ強化
ビジネスの成長を加速させる要因
企業の成長
≒
顧客基盤の拡充(獲得と深堀)
差別化できる商品開発
主要な実現手段
本日のフォーカス
5
顧客基盤拡充に向けた営業活動のプロセス
対象とする市場
ターゲット企業
提案機会
提案
受注
顧客の納得・合意を引き出す提案を行う
関係者を巻き込み、提案への段取りを行う
(ターゲット顧客の)洞察を通じて提案機会を創出する
組織として優先すべきターゲット顧客(群)を特定する
6
営業組織・個人が変われない3つの落とし穴
1. 特殊性への拘泥
2. 過去の成功体験への拘泥
3. 企業が成長することへの拘りのなさ
→変わらない理由に着目してしまう
7
ハイ・パフォーマーの3つの共通項
業界・企業特性を問わずハイ・パフォーマーに共通する
1. 視点の広さと思考の具体性
2. 行動の具体性
3. 結果に拘る粘り強さ
⇒ハイ・パフォーマーの共通行動をインストールすることで個の強化と組織強化が実現できる
※弊社ヒアリング、研修での行動観察より
今回お話しする領域
8
インプットとインストールの定義
インプット
新しい知識を理解することに加え、これまでの自分自身が経験してきたことを、新しい切り口や新しい視点から理解すること
インストール
自分自身の日々の活動と紐付けてインプットされたことを理解し、業務レベルで行動が変わること、もしくは何を変えるかの具体的イメージを持つこと。
9
インプット VS インストール
インプット
• 刺激を与える
• セオリー
• スキルを強化する
• 頭で理解する
インストール
• 刷り込む
• 実践的
• 行動変化を促す
• 体で覚える
⇒結果の違いを生む行動を理解し、具体的行動を実務で活用できるレベルまで落とし込む必要がある
10
インプット⇒インストールのプロセス
結果の違いを生む行動を理解し、具体的行動を実務で活用できるレベルまで落とし込む必要がある
スキルレベル1
日常の営業活動
具体的行動
行動の難所レベル2
レベル3
レベル4
11
インプット⇒インストール レベル1
スキルレベル1
日常の営業活動
具体的行動
行動の難所レベル2
レベル3
レベル4
12
スキルの強化
顧客視点の獲得
顧客とのコミュニケーション
・マーケティング・経営戦略・ビジネスプラン
・交渉力・プレゼンテーション・論理思考力
⇒ 考え方は非常に理解できた、分かりやすかった
⇒ 理解しても実務で行動できるまでは距離がある・・・
13
インプット⇒インストール:レベル2
結果の違いを生む行動を理解し、具体的行動を実務で活用できるレベルまで落とし込む必要がある
スキル
行動の難所
行動の難所(陥りやすいポイント)と関連付けてスキルを強化する
レベル1
レベル2
日常の営業活動
具体的行動レベル3
レベル4
14
行動で考える意味合い(氷山モデル)
行動
スキル:能力・知識
意識・考え方
最終的に働きかけたい対象
⇒ どういうスキルを身に付けるか?ではなく、どういう行動を変えたいか?で考える
研修の目的となりやすいもの
↑目に見える
↓目に見えない
15
難所を踏まえた育成:大手SI企業 A社
顧客の納得を・合意を引き出す提案を行う
関係者を巻き込み、提案への段取りを行う
(ターゲット顧客の)洞察を通じて提案機会を創出する
想定されるソリューション
提案機会の洗い出し
A社
業界・顧客への洞察
顧客の納得を・合意を引き出す提案を行う
関係者を巻き込み、提案への段取りを行う
(ターゲット顧客の)洞察を通じて提案機会を創出する
戦略
IT
業務プロセス
顧客
提案機会を考える際に陥りやすい行動特性=行動の難所
• 想定リスクを押えておらず提案内容に現実味が出ない・顧客に言われたこと
を提案機会だと捉えてしまう
組織として優先すべきターゲット顧客(群)を特定する
組織として優先すべきターゲット顧客(群)を特定する
16
難所を踏まえた育成:大手SI企業 A社
想定されるソリューション
提案機会の洗い出し
A社
業界・顧客への洞察
戦略
IT
組織業務プロセス
人
企業文化
(A社の)競合
(顧客の)
競合 顧客
政府(規制)
経済
技術 社会
ハイパフォーマーとの視点の違い⇒育成のポイント
• 意思決定者が想定するリスクを押さえたソリューションを構築する• 業界・顧客に対して
深く広く考える
• 顧客から見て、競合と比べて自社の強みが何かを考える
⇒陥りやすい行動を乗り越えるためにスキルを強化する
17
参考:営業プロセスの難所
顧客の納得を・合意を引き出す提案を行う
関係者を巻き込み、提案への段取りを行う
(ターゲット顧客の)洞察を通じて提案機会を創出する
組織として優先すべきターゲット顧客(群)を特定する
・「顧客を絞る=顧客を捨てる」の意識が働き、結局全方位対応になってしまう
・自社都合の強みは語れるが、競合と比較して自社の強みが語れない
・顧客に言われたことが提案機会だと捉える
・提案内容がどの企業でも代わり映えしない
・想定リスクを押さえておらず提案内容に現実味が出ない
・顧客の意思決定者にアプローチできない
・社内のリソースが思うように確保できない
・課題とソリューションが繋がって見えない
・結局ソリューションの紹介になってしまう
※弊社研修での参加者の行動、25社へのヒアリングを通じて作成
18
レベル2のポイント
行動の難所と紐付けたスキル付与が、実務での行動を引き起こす
19
インプット⇒インストール:レベル3
結果の違いを生む行動を理解し、具体的行動を実務で活用できるレベルまで落とし込む必要がある
具体的行動
スキル
行動の難所
求められる具体的行動に合わせてスキルをインストールする
レベル1
レベル2
レベル3
日常の営業活動
レベル4
20
大手SI企業B社:営業戦略力強化
Day3 Day4 Day5 Day6Day2
発表
発表・FB
ターゲット業界・自社分析
発表・FB
資料まとめ
業界分析仮説構築
分析から攻略プラン
中間発表・FB
FB内容修正と攻略プランの考察
仮説と今後の作業作成
資料まとめ
最終発表
全体のストーリー見直しと資料まとめ
オリエンテーション
Day1
AM
PM
集合研修日
プログラムの目的
部門戦略立案のプロセスと全体を通じた考え方を理解するソリューションありきではなく、顧客ニーズを基点に発想する仮説・検証を繰り返して論拠を強める習慣を身に付ける
研修日
外作業
業界・自社の情報収集とまとめ
関係者へ
ヒアリング
追加情報収集
資料提出事前課題
資料まとめ
資料まとめ
ヒアリングのまとめ
講師FB
講師FB
仮説-検証-FBのサイクルを繰り返し必要な行動を培う
21
レベル3のポイント
1.何をどの程度行うべきか基準が埋め込む
2.プロセス毎の体の動かし方を理解する– ファクトを押さえる習慣と押さえ方を身に付ける
3.業務に近い状況・プロセスで検討を行い、実務での再現性を持たせる
– 研修の検討プロセスと業務プロセスを合わせる
22
個へのインストールから、組織へのインストールに繋げていくためには
23
インプット⇒インストール:レベル4
結果の違いを生む行動を理解し、具体的行動を実務で活用できるレベルまで落とし込む必要がある
日常の営業活動
具体的行動
スキル
行動の難所
日々の営業活動と紐付けてスキルを行動にインストールする
レベル1
レベル2
レベル3
レベル4
24
なぜ営業ツールと整合が必要なのか?
IT 人
組織
プロセス
制度
組織文化
外部環境
あるべき営業の行動
整合が取れていないことが多い
⇒営業の効果を高めるために“システム”と“人・組織”からそれぞれアプローチしているが、両者が整合しないと定着しない
企業戦略
25
システムと育成の連携
商談管理リード管理マーケティング
年度目標
⇒ MKT施策
リードへのアサイン
⇒リードへのコンタクト
⇒案件化⇒ コンタクト ・・・ コンタクト⇒
-重複確認-担当割り
確度:20ニーズ確認
確度:80意思決定者へのアクセス
受注までのプロセス
・・・
受注⇒
確度:100契約書締結
活動情報 活動情報 活動情報情報 情報定性情報インプット
アウトプット-コンタクト結果-リアクション
年間の売上見込み
●CRMシステムを活用した営業活動
定性情報
マーケティング施策
1
3
①効率的なプロセス、KPIIを導入出来る②入力するメンバーが正しく情報を入力出来る
③上司がレビューしてビジネス成功させることが出来る
2
●背後にある考え方
26
システムと育成の連携
●システム
商談管理
年度目標
⇒MKT施策
リードへのアサイン
⇒リードへのコンタクト
⇒案件化
⇒ コンタクト ・・・ コンタクト⇒
-重複確認-担当割り
確度:20ニーズ確認
受注までのプロセス
・・・
受注⇒
確度:100契約書締結
活動情報 活動情報 活動情報情報 情報定性情報インプット
アウトプット-コンタクト結果-リアクション
年間の売上見込み
定性情報
マーケティング施策
リード管理マーケティング
年度目標
情報
⇒ MKT施策
⇒受注までのプロセス
インプット
アウトプット 年間の売上見込み
定性情報
マーケティング施策
27
システムと育成の連携
●システム
顧客名: ●●株式会社 【現状取引額】 ●●M(05年度実績)
目標: ●●M
7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月
意思決定会議(時期・関係者)
部内会議
経営会議
訪問回数 2 3 2 2 3 2 1 2 1
訪問回数
時期
顧客理解と具体的な定量目標
年間活動計画
具体的年間計画と振り返りメモ
SCM
受注活動を進める上で知らないといけないこと受注に向けた活動計画
顧客の関係図とキーパーソンの特定
顧客の計画スケジュール
顧客の文脈研修案件名
月別の具体的活動(進捗中・成功:青、問題あり:黄、失敗:赤)
■2006年度 顧客戦略シート 部署名:●●部 担当者:●● 作成日:●●年●●月●●日
パッケージソフト
自社が最優先で攻略するDMU/インフルエンサー
実現目標
分かったこと活動計画(概要)と各活動における成功の基準
●優先するDMU/インフルエンサーとどのような関係を構築したいか?(到達目標)
●到達目標を実現するために何から着手すべきか?
●とりわけ重要となるアクションは何か?
到達目標を実現するための課題/難所
備考欄(成功・失敗からの学び/特記事項等を記入)
■外部環境の変化:顧客企業に特に影響を及ぼす外部環境の変化は?
■内部の問題:外部環境を踏まえた顧客企業の課題は?
■日本ユニシスの提案機会は?
既存
異PJ/異チャネル
■定性目標
●上記目標をどのように実現していくかの行動計画のステップを記述
●●常務
情報システム部●●部長
経営企画部
●●部長
DMU(意思決定者)
インフルエンサー
※他社が実施をしている場合は競合名を記入
実現時期2008年06月
予算
見直し?
契約
●●基盤システム(IBM)
パッケージ
●M
●●リーダ
●●リーダ
方向性決定(部内予算)
内容検討
概要決定
提案・詳細検討
概要設計内定上位層との関係作り
決定
方向性検討 詳細設計
最優先するDMU/インフル
業務の関心事
システムの関心事
ベンダーに求める点
システム投資へのスタンス
NULに対する認識
競合と関係
井元常務 前川部長 細田氏 D氏
SCM
●M
CRM
●M
競合 自社
(顧客の)
競合 顧客
政府(規制)
経済
技術 社会
●アカウントプラン
年度目標
情報
⇒ MKT施策
⇒受注までのプロセス
インプット
アウトプット 年間の売上見込み
定性情報
マーケティング施策
●セオリー
28
日常活動にインストール:外資製造企業 C社
⇒システム・営業ツール・セオリーを営業プロセスにインストールすることで、施策の意図と言葉レベルで共通認識が浸透する
セオリー
実務事例
システム営業ツール
・日常の営業プロセス・営業のワークシート・システム
・顧客基盤の拡大に必要な戦略のセオリー(FW.考え方)
・顧客との取引を拡大させた社内の成功事例
29
プログラム詳細
取組み概要
Day2セオリーを活用した仮想顧客への提案
Day1セオリーを押さえ視点を広げる
企業事例を用いて、戦略を考えるフレームワークの確認と提案機会を行うための視点を押さえる(セオリーの習得)
仮想顧客への提案を行う中で、提案機会を創出する考え方を着想する
Day3・4営業プロセス・システムとセオリーを紐付けた活動への落し込み
・「実務事例」を題材にセオリーを活用して提案機会を分析する
・特定した提案機会からビジネスを拡大するための具体的行動を考える
・営業ツールの意図とセオリーの整合性の紹介
•各参加者の担当顧客の提案機会の洗い出しと攻略に向けた行動の議論
インプット インストール
顧客の納得を・合意を引き出す提案を行う
関係者を巻き込み、提案への段取りを行う
(ターゲット顧客の)洞察を通じて提案機会を創出する
組織として優先すべきターゲット顧客(群)を特定する
顧客の納得を・合意を引き出す提案を行う
関係者を巻き込み、提案への段取りを行う
(ターゲット顧客の)洞察を通じて提案機会を創出する
組織として優先すべきターゲット顧客(群)を特定する
30
セオリーをインストールして
営業組織を強化するポイント
31
営業組織強化のポイント
• 効果的な営業を再現性高く実現するために、自社組織の状態把握と今後どの程度インストールすべきかを把握する
• 結果の違いを生む行動を理解し、具体的行動を実務で活用できるレベルまで落とし込むことが必要
• 具体的行動の再現性を持たせるためには、行動の基準(程度問題)の埋め込みと、プロセスの中での体の動かし方を理解することが重要
• 個人の強化から組織強化に繋げるためには、施策の意図に留まらず、日常の使用言語レベルで意図が刷り合う必要がある
32
株式会社グロービスオーガニゼーション・ラーニング
情報・通信グループ マネジャー西 恵一郎
TEL : 03‐5275‐3695e-mail : [email protected]
URL : http://gol.globis.co.jp/