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2015/10/21

株式会社日立製作所 IoTビジネス推進統括本部井内秀則

ネットワークビジネスを変革する広域SDNテクノロジー

～O3 プロジェクトの取り組みについて～

マルチレイヤ統合制御／パケットトランスポート制御技術の紹介


O3プロジェクトにおける、日立の研究開発の歩み

■日立は、PTN(パケットトランスポートノード)のSDNを担当

– 初年度は、既存網からSDNへのmigration技術(ルータエミュレーション、トランスポートエッジへのサービス配備等）に注力

– 二年目以降は、物理障害から論理障害へのマッピング、及び障害からの復旧を中心にresilientなＳＤＮ実現のための技術を開発中

– 2015年３月に、パケットトランスポート装置の実機がなくても、PTNのSDN制御・管理技術を学習できるように、マルチレイヤオーケストレータ(MLO)SDNアプリ、SDNコントローラの抽象化I/F、ネットワークエミュレータにいたるまでオープンソース化

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O3プロジェクトの初年度にあたる、SDN JAPAN 2013にて日立が発表した、

将来ネットワークアーキテクチャを示す。

■ トランスポート層，ネットワークサービス層，ネットワーク制御層の３層構造

■ NWサービス層：仮想ネットワークとNW機能仮想化（NFV）による柔軟性

■ ＮＷ制御層の協調・連携による全体最適化と３ｒｄパーティエコシステムの実現エンドユーザ

サービス提供者

社会インフラ事業者

端末

エンドユーザ

仮想化ネットワーク

コンシューマNW M2Mネットワーク・・・

トランスポート

光伝送パス・パケット伝送・・・

モバイルNW

スイッチングルーティング

トラヒック管理制御基盤(TMS)

可視化予兆検知API提供・・・

仮想化ネットワーク・・・

宅内装置スマートフォン PC

ユーザアプリユーザアプリセンサM2M

タブレットセンサメータ

スマート情報・・・

エンドユーザ

ユーザアプリ

・・・

仮想化ネットワーク

SDNコントローラ

ルータエミュレート

API

提供

ネットワークサービスコントローラ

トランスポートコントローラ

ネットワークスライ

ス

ユーザアプリ

ネットワーク機能仮想化（NFV）管理制御

オンデマンドデプロイ

API提供・・・

トランスポート層

ネットワークサービス層

ネットワーク制御層

基盤間協調・連携

基盤間協調・連携

オートスケーリング

社会インフラとしてのネットワーク制御基盤とは

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ネットワーク統合制御（オーケストレータ）

ルートサーバ(PCE)

SDNコントローラ(L2)

設定IPプロトコル IPプロトコル

l仮想的なL3機能により、レイヤ間の連携制御を実現するルートサーバ機能l レガシー（ＳＤＮ非対応）/他社装置の統合収容を実現するインターフェーサl広域ＮＷにおける既存装置に対し、ＳＤＮ技術の適用が可能

IPルータ

既存装置との間のL3機能を提供することで、SDN対応機器とのNW統合を可能

とする

SDN対応ルータ

SDNコントローラ(IP)

設定

アクセス網

L2網

SDN非対応ルータ

SDN非対応ルータ

ＳＤＮ非対応網ＩＰ網

ＳＤＮコントローラ

ｲﾝﾀﾌｪｰｻ

インターフェース変換を行うことで、レガシー/他社

装置のＳＤＮ制御を行う

設定

L2SWL2SW

【広域ＳＤＮ、既存NW接続（マイグレーション技術）】

L2SWSDN対応ルータ

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ノードエリア1

ノードエリア2

ノードエリア3

PTNエリア4

ノードエリア5

ノードエリア6

EdgeGWEdgeGW

ｺﾝｼｭｰﾏ

ﾓﾊﾞｲﾙ

ﾃﾞｰﾀｾﾝﾀﾕｰｻﾞＡ障害

PTN ネットワーク

復旧面復旧面

現用系現用系

ﾋﾞｼﾞﾈｽ

制御シナリオ群

現用系仮想NW設計

復旧面仮想NW設計

帯域優先

遅延優先

帯域優先

遅延優先

端点間

エリア内

Protection設計

ネットワーク統合制御（オーケストレータ）ユーザＡネットワーク要件

ユーザＡネットワーク要件

･･･

ユーザA

ユーザn

現用：帯域優先現用：帯域優先

復旧：帯域優先復旧：帯域優先

Protection：エリア内Protection：エリア内

制御制御

GWコントローラ

リソースプール部

ネットワーク構成機能

帯域優先現用系

エリア内Protection

帯域優先復旧面

ノードコントローラ

制御制御

シナリオコントローラ（マルチレイヤ/マルチドメイン）

連携I/F連携I/F

SDNコントローラ（個別ネットワーク設計・管理） vNW(Virtual Network)：仮想ネットワークを示すオブジェクト

vNode：仮想デバイスを示すオブジェクト

vPort： vNode上に配置され、他vNodeとの接続口となるオブジェクト

vLink： vPort間を接続するオブジェクト

vPath：複数のvNode間をvLinkを経由して接続するオブジェクト

オブジェクトによるリソース管理

vNode

vNode vNodevPortvPort

vPortvPort

vPort vPortvNW

vLink

vPath

l ユーザ毎のネットワーク要件をもとに、ネットワーク統合制御部（オーケストレータ）に具備された制御シナリオ群により、マルチレイヤのネットワーク機能を生成・構築

l マルチレイヤの複数の装置から構成されるNW資源を一元管理するために、抽象化された論理モデルによるリソース管理を行い、マルチレイヤ間の調停を行う

l ネットワーク統合制御部により、各レイヤ機器の設定をワンストップで実現可能

ﾘｿｰｽ取得

ＳＤＮコントローラ遅延量復旧時間

【障害からの自動回復のためのオーケストレータ技術】

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PTN向けSDNシミュレータの実装

SDNシミュレータ用ネットワーク定義Excelツール画面

SDNシミュレータ画面

画像(c)2014 TerraMetrics, 地図データ(c)2014 AutoNavi, Google, Kingway, SK planet,ZENRIN

動作フローl PTNトランスポートネットワークの構成定義情報をExcelのGUIで作成(design)l多重障害発生時の迂回経路を予め全計算して、切替面として保持(provisioning)l多重擬似障害発生により迂回経路に切り替わることをGUI上で確認(operation)

（注）多重障害の深刻度によっては、迂回経路が計算できないケース有

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Excelは，米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です


ＰＡＣ

(物理装置制御)

ＶＲＭ

(仮想リソース制御)

SDNコントローラ

警報情報

ＰＮ

リソースプール(物理)

ＰＴＮ

ＯＴＮ

ＯＴＮ

ＰＴＮ

ＰＴＮ

ＯＴＮ

障害

警報情報

リソースプール(仮想)

【サービス事業者向けのネットワーク監視・管理技術】

■物理警報情報と論理警報情報の対応関係はＳＤＮコントローラが保持

VRM: Virtual Resource ManagerPAC: Physical Appliance Controller

PTN: Packet Transport NodeOTN: Optical Transport Node 6


【マルチレイヤオーケストレータ（ＭＬＯ）技術】

ＳＤＮ Controller（IP Router） Logical

ＮＷ

LogicalＮＷ

ＳＤＮ Controller（IP-MPLS/ＰＴＮ）

ＳＤＮ Controller（ＯＴＮ）

Virtualized ＶＰＮ/Ｉｎｔｅｒｎｅｔ-ＡＳ, etc.

IP Router Network Packet Transport Network WDM Network

Router Router

Router

ＰＴＮ

ＰＴＮ

ＰＴＮ

ＰＴＮ

TransportEdge

TransportEdge

ＯＴＮ

ＯＴＮ

ＯＴＮ

ＯＴＮ

Multi-Layer OrchestratorCore Logic

(MLOサーバ）

Single Domain

＝

＝

＝

ＳＤＮアプリケーション

＝

Application Core Loｇｉｃ(MLOクライアント)

NBIs

API

MLOは、I/Fとして、SDNコントローラNBIとアプリケーション

APIを有する

■複数のレイヤからなるネットワークを統合管理するSDNアプリケーション

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マルチレイヤオーケストレータ(MLO)の実装

MLOによる仮想ネットワーク管理モデルの実装

開発コンセプトl MPLS-TPネットワーク制御インターフェース（API）策定によるSDNアプリケーションの開発加速l 入力要求解析機構による論理リソース管理l 資源調停スライス管理によるオペレーション自動化l 高応答論理資源管理（内部キャッシュ）によるネットワークDBアクセス高速化特徴l 抽象化アーキテクチャ: MLO においては，物理レイヤに対する抽象化APIの提供、及びネットワークOS

（OdenOS）APIによる異なる管理ポリシーを持つレイヤに対するAPIを抽象化しており、マルチベンダ環境でのDeployが容易

l 「サービス事業者向け仮想化」をほぼ実現: MLOを利用するサービス事業者が利用できる仮想ネットワークは、通信事業者の物理ネットワークをほぼ隠蔽

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スライス 4

物理NW

スライス 3スライス 2スライス 1

制御管理NWOrchestrator

エッジエッジ

仮想ネットワーク管理モデル


迂回ルート

スライスリスト

OSS版マルチレイヤーオーケストレータのＧＵＩ

■ノード障害の表示(赤色）と迂回経路(黄色）の半自動化設定（例）

フローリスト障害ノード

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ネットワークエミュレータ

(lagopus-docker)

ネットワーク制御サーバ

(psdtnc+RYU)

マルチレイヤオーケストレータ

(mlo-srv)

mlo

-net

※ O3プロジェクトのOSSダウンロードサイトhttp://www.o3project.org/en/download/index.htmlからmlo-neｔを取得できます

ネットワーク運用監視サーバ

(Zabbix)

MLO・Zabbix連携による障害回復システム構成

①障

害ア

ラー

ム検

出

障害

③論理スライス/論理フロー切り替え指示

②アラームＡＰＩ

④物理スライス/物理フロー切り替え指示

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ZabbixはZabbix LLCの商標です。

http://www.o3project.org/en/download/index.html


• ITシステム（例：Zabbix）との連携により、MLOをSoS(System of Systems)の研究開発ツールとしての活用例をご紹介した。

• 広域SDN基盤を活用した、いわゆる「サービス卸し」の実現性をPoCにより検証中であり、技術的な問題はクリアしつつある。

• 今後、ＳＤＮビジネスモデル、及び異業種とのコラボを実現するエコシステムの構築が求められるが、ネットワークに対する要求条件がサービス毎に著しく異なるIoTとNetwork Softwarelizationの実現を目指すSDNとの親和性は高い。

まとめ

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謝辞: この研究発表は、総務省の委託研究

「ネットワーク仮想化技術の研究開発」の成果です。

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