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1/29 作成日 2016 年 4 月 5 日 2015 2016F 2017F 時価 VND24,200 売上高伸び率 -32.8% 24.9% 148.1% 目標価格 VND30,000 EPS 伸び率 -11.8% -8.1% 29.7% 52 週間の高値・安値 VND29,000/18,400 純利益率 5.4% 18.6% 17.8% EPS(VND) 2,959 2,718 3,526 目標株価までの上昇率 +24.0% BVPS(VND) 14,116 14,879 16,997 配当利回り 6.6% 配当(VND) 3,000 1,600 1,600 株式投資収益率 +30.6% PER 8.2x 8.9x 6.9x 中期傾向/下値抵抗線 上昇/VND26,800 業種 インフラ CII *同業他社 VN 指数 CII は 2001 年に設立され、2006 にホーチミン取引所に上 場した。同社はベトナム最大の最も評判の良い民間インフ ラ開発企業である。ホーチミン市 2 地区のトゥーティエム新 都心での不動産案件も開発中。 時価総額 $269mn PER(実績) 8.2x 9.8x 12.0x 外国人保有比率上限までの残り $10mn PBR(予測) 1.7x 1.0x 1.7x 30 日間平均日次売買代金 $2mn 負債比率 1.7x 1.1x 1.2x 政府の保有率 10% ROE 21.2% 10.3% 14.0% 発行済み株式数(百万株) 250mn ROA 6.6% 2.4% 2.5% 完全希薄化後株式数(百万株) 270mn * 国内建設企業に基づく *F は当社予想 再編後の強固な基盤は新たな成長期を築く。 当社は以下の理由で CII に対して投資格付けを「買い」として調査を再開する。 CII はベトナムで最も評判が良くて最大の民間インフラ企業へと発展している。15 年の経験を経 て、CII は 2015 年に、道路橋梁、水道、建設及び不動産の 4 つを中核事業とするホールディン グス(持ち株会社)への移行に成功した。橋梁・道路への投資は料金徴収所からの安定かつ安 全なキャッシュフローを生み出し、水と不動産分野への拡大計画の準備に向けた強固な基盤とな っている。 政府との良好な関係及び垂直統合でプロジェクトの獲得とより低いコストでの競争が可能になる政府からの評価が高いおかげでインフラ契約の交渉を保証された内部収益率(IRR)で有利に進 められる。さらに、グループ内の建設とサービス会社はグループ内作業のコストを抑え、同社の 入札における競争力改善に役立つ。 財務の構築は IRR を高め、キャッシュフローを改善させる。CII はプロジェクトの収入に支えられ、 安定的な建設・運営・譲渡(BOT)プロジェクトのキャッシュフローを活用、魅力的な銀行からの融 資を獲得している。これにより投下資本の回収が促進され、その結果、BOT プロジェクトの IRR は飛躍的に高まる。 トゥーティエムプロジェクトは新たな成長の原動力となる見込み。CII は約 9.6 ヘクタールの総面 積を持つ用地と引き換えに、トゥーティエムインフラ・プロジェクトへの投資に関して政府の承認を 受けた。低い仕入れコストと魅力的な立地ゆえに、同社がトゥーティエムプロジェクトから高リター ンを獲得すると当社は予測している。 高い現金配当。CII はここ 5 年間、1株当たり現金配当を 1,200~1,800 ドン(配当利回り 5%~7% に相当する)支払っている。中核事業の好業績により同社の配当目標 1,600 ドンは実施可能と考 えている。 -10% 10% 30% 50% 70% 3/2015 5/2015 7/2015 9/2015 11/2015 1/2016 3/2016 CII VNI ホーチミン市インフラ投資(CII)[BUY +31%] 再調査開始 本レポートは、キャピタル・パートナーズ証券の提携先であるベトナム大手証券会社とキャピタル・パートナーズ証券子会社のキャピタル・パートナーズ・ベトナム・ コンサルティングが共同で作成・翻訳したものです。

ホーチミンインフラ投資( CII [BUY +31%] - Capital...2016/04/05  · Mr. Pham Vu Thuc CII E&C のCEO 20 10 出所:CII VIAC (No.1) Limited Partnership, 10.1% HCMC Finance

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Page 1: ホーチミンインフラ投資( CII [BUY +31%] - Capital...2016/04/05  · Mr. Pham Vu Thuc CII E&C のCEO 20 10 出所:CII VIAC (No.1) Limited Partnership, 10.1% HCMC Finance

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作成日 2016年 4 月 5日 2015 2016F 2017F

時価 VND24,200 売上高伸び率 -32.8% 24.9% 148.1%

目標価格 VND30,000 EPS 伸び率 -11.8% -8.1% 29.7%

52 週間の高値・安値 VND29,000/18,400 純利益率 5.4% 18.6% 17.8%

EPS(VND) 2,959 2,718 3,526

目標株価までの上昇率 +24.0% BVPS(VND) 14,116 14,879 16,997

配当利回り 6.6% 配当(VND) 3,000 1,600 1,600

株式投資収益率 +30.6% PER 8.2x 8.9x 6.9x 中期傾向/下値抵抗線 上昇/VND26,800

業種 インフラ CII *同業他社 VN指数 CII は 2001 年に設立され、2006 にホーチミン取引所に上

場した。同社はベトナム最大の最も評判の良い民間インフ

ラ開発企業である。ホーチミン市 2 地区のトゥーティエム新

都心での不動産案件も開発中。

時価総額 $269mn PER(実績) 8.2x 9.8x 12.0x

外国人保有比率上限までの残り $10mn PBR(予測) 1.7x 1.0x 1.7x

30 日間平均日次売買代金 $2mn 負債比率 1.7x 1.1x 1.2x

政府の保有率 10% ROE 21.2% 10.3% 14.0%

発行済み株式数(百万株) 250mn ROA 6.6% 2.4% 2.5%

完全希薄化後株式数(百万株) 270mn * 国内建設企業に基づく

*F は当社予想

再編後の強固な基盤は新たな成長期を築く。

当社は以下の理由で CII に対して投資格付けを「買い」として調査を再開する。

CII はベトナムで最も評判が良くて最大の民間インフラ企業へと発展している。15 年の経験を経

て、CII は 2015 年に、道路橋梁、水道、建設及び不動産の 4 つを中核事業とするホールディン

グス(持ち株会社)への移行に成功した。橋梁・道路への投資は料金徴収所からの安定かつ安

全なキャッシュフローを生み出し、水と不動産分野への拡大計画の準備に向けた強固な基盤とな

っている。

政府との良好な関係及び垂直統合でプロジェクトの獲得とより低いコストでの競争が可能になる。

政府からの評価が高いおかげでインフラ契約の交渉を保証された内部収益率(IRR)で有利に進

められる。さらに、グループ内の建設とサービス会社はグループ内作業のコストを抑え、同社の

入札における競争力改善に役立つ。

財務の構築は IRR を高め、キャッシュフローを改善させる。CII はプロジェクトの収入に支えられ、

安定的な建設・運営・譲渡(BOT)プロジェクトのキャッシュフローを活用、魅力的な銀行からの融

資を獲得している。これにより投下資本の回収が促進され、その結果、BOT プロジェクトの IRR

は飛躍的に高まる。

トゥーティエムプロジェクトは新たな成長の原動力となる見込み。CII は約 9.6 ヘクタールの総面

積を持つ用地と引き換えに、トゥーティエムインフラ・プロジェクトへの投資に関して政府の承認を

受けた。低い仕入れコストと魅力的な立地ゆえに、同社がトゥーティエムプロジェクトから高リター

ンを獲得すると当社は予測している。

高い現金配当。CII はここ 5 年間、1株当たり現金配当を 1,200~1,800 ドン(配当利回り 5%~7%

に相当する)支払っている。中核事業の好業績により同社の配当目標 1,600 ドンは実施可能と考

えている。

-10%

10%

30%

50%

70%

3/2015 5/2015 7/2015 9/2015 11/2015 1/2016 3/2016

CII VNI

ホーチミン市インフラ投資(CII)[BUY +31%] 再調査開始

本レポートは、キャピタル・パートナーズ証券の提携先であるベトナム大手証券会社とキャピタル・パートナーズ証券子会社のキャピタル・パートナーズ・ベトナム・

コンサルティングが共同で作成・翻訳したものです。

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目次

企業概要 ............................................................................................................................................. 3

評判の良い民間インフラ開発企業 .................................................................................................... 3

強力な戦略的投資家 ........................................................................................................................ 4

経験豊富な経営陣 ........................................................................................................................... 5

事業分析 ............................................................................................................................................. 6

道路橋梁(B&R) .............................................................................................................................. 6

不動産 ........................................................................................................................................... 11

水道事業........................................................................................................................................ 14

建設とサービス事業 ....................................................................................................................... 17

業績と見通し...................................................................................................................................... 18

過去の業績の要約 ......................................................................................................................... 18

2016 年の見通し ............................................................................................................................ 21

5 年間の戦略計画 .......................................................................................................................... 22

バリュエーション ................................................................................................................................. 23

サム・オブ・ザ・パーツ(SOTP) ....................................................................................................... 23

建設業界との比較 .......................................................................................................................... 25

中期トレンド ....................................................................................................................................... 26

財務諸表 ........................................................................................................................................... 27

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HOLD 企業概要

評判の良い民間インフラ開発企業

2001 年 12 月にホーチミン市人民委員会傘下のホーチミン市ファイナンス投資会社(HFIC)、ホーチミン市

タインニエンスンフォン生産・貿易・輸出入サービス社(VYC)及びホーチミン市投資・サービス会社

(INVESCO)の 3 社の出資により設立された。現在、ホーチミン市をはじめ、ベトナムで最も評判が良く、最

大の民間インフラ開発企業へと発展している。CII は、インフラ投資の社会化という国の方針の実現に大

きく貢献している。

2006 年 5 月、CII は 3000 億ドン(1300 万米ドル)の資本金でホーチミン証券取引所(HSX)に正式に上場

した。それ以来、CII は業容拡大ための資本調達を目的として多数の金融商品を発行した。2011 年、ゴー

ルドマン・サックスに 4000 万米ドルの転換社債(転換時期は 2015 年と 2016 年第 1 四半期)を発行割当

した。2012 年、同社はアヤラ・コーポレーションを戦略的な株主としても迎え入れた。

図表 1:2011 年以来、CIIは 6 つの主要な取引を通じて 2 億 2100 万米ドルの調達に成功した

出所:CII

図表 2:資本金増加と歴史的なマイルストーン

出所:CII

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HOLD

2013 年、CII は事業再編を行って持ち株会社になった。2015 年時点で同社は持ち株会社への移行をほ

ぼ完了し、現在、道路橋梁、水道、建設及び不動産の 4 つの中核事業に力を注いでいる。

2015 年 12 月 31 日時点で本業に特化している子会社 7 社、連結合弁会社 5 社に直接投資している。各

子会社において、CII は通常少なくとも 51%の持ち株比率を維持し、要職(取締役会長か CEO)を少なくと

も一つ又は双方とも保持している。直接の投資先の他、同社は子会社を通じて他の子会社 14 社と連結

合弁会社 6 社にも投資している。

CII ホールディングスの設立により、インフラ・プロジェクトの全段階を収益的に完工する能力は向上してい

る。

図表 3:組織図

出所:CII

強力な戦略的投資家

CII にはアマシャム・インダストリーズ・リミテッド(ドラゴン・キャピタル)、ベトナム・オマーン投資(Vietnam

Oman Investment=VOI)、アヤラ・コーポレーション、ホーチミン市ファイナンス会社(HFIC)を含む、国内

外の有名な大手法人株主が数社いる。また、メトロ・パシフィック・トールウェイズ(Metro Pacific Tollways

=MPTC)やベトナム工商銀行(ビエティンバンク)等の他の出資者も迎え入れている。

これらの投資家の存在は同社の株式及び債券発行による資金調達の強力な援軍になり、さらに CII の効

率的な経営維持の一助になる。ゴールドマン・サックスやドラゴン・キャピタルの大手金融機関、MPTC(フ

ィリピンの大手インフラ投資会社)、マニラ・ウオーター(フィリピンの水道事業大手)に加え、全ての企業は

同社の企業経営及びガバナンス(企業統治)に参加している。例えばゴールドマン・サックスとアヤラは CII

の投資委員会、MPTCは CII 道路橋梁投資株式会社(CII B&R)の取締役会のメンバーを任命した。

Bridge & Road

CII ownership: 81.5%

Established in 2001

Listed on HSX

Ticker: LGC

Water

CII ownership: 55.9%

Established in 2004

Listed on HSX

Ticker: SII

Real Estate

Projected CII

ownership: 51%

Plan to establish and

list in 2016/17

Engineering

&Construction

CII ownership: 99.5%

Established in 2000

Services

(Internal services)

CII ownership:

100%

Established in 2001

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図表 4:株主構成

出所:取引所のデータ

タンタムマー(Tan Tam Ma)投資株式会社は 2015 年 11月に設立され、現在 CIIの株式の 4.39%を保有し

ている。2016 年 3 月 14 日に開催された投資家向け会議にて、タンタムマーのレー・ブ・ホアン会長は CII

の会長も兼任しているが、タンタムマーは CII の子会社でも連結対象会社でもないと CII の経営陣は述べ

た。タンタムマーは CII の株式への投資のために、経営者側の個人パートナーの数名と従業員たちから

資金提供を受けている。

経験豊富な経営陣

CII は、国内外から専門家を集めた有能かつ経験豊富な経営チームを有している。主要な重役の殆どは

20 年以上の経験があり、CII での経験は 10 年以上になる。

図表 5:経営陣

取締役会 CII での役職 経験年数 CIIでの経験年数

Mr. Le Vu Hoang 会長 40 以上 15

Mr. Dang Ngoc Thanh 副会長 30 以上

(HFICの副 CEO)

Mr. Le Quoc Binh 取締役/CEO 20 以上 15

Mr. Gerardo C.Ablaza, JR 取締役 40 以上

(マニラ・ウオーターの社長)

Mr. Nguyen Hong Son 取締役 40 以上

(VOIの CEO)

Ms. Nguyen Mai Bao Tram 取締役/ 副 CEO 20 以上 15

Mr. Dominic Scriven

取締役 30 以上

(ドラゴン・キャピタルのファンド創設

者)

Mr. John Eric Francia 取締役 20 以上

(アヤラの専務)

Mr. Nguyen Quang Thanh 取締役

20 以上

(HFICプ

ロジェク

ト評価部

部長)

その他重役

Mr. Duong Quang Chau CIIの投資担当責任者 20 以上 14

Ms. Nguyen Thi Thu Tra CIIの CFO 10 以上 10

Ms. Nguyen Quynh Huong CIIの資金管理とプロジ

ェクト開発担当責任者 10 3

Mr. Nguyen Van Thanh CII B&R の CEO 25 14

Mr. Denn C.G.Espanola CII B&R の副 CEO 20

(SCT 高速道路の副社長)

Mr. Truong Khac Hoanh CIIホールディングスの

副 CEO、SIIの CEO 15 5

Mr. Ronnie D. Lim SIIの副社長 10 以上

Mr. Pham Vu Thuc CII E&Cの CEO 20 10

出所:CII

VIAC (No.1) Limited Partnership, 10.1%

HCMC Finance and Investment (HFIC),

9.6%

Goldman Sachs, 10.7%

Dragon Capital, 8.2%

Ayala, 4.5% Tan Tam Ma

Investment JSC, 4.4%

Others, 52.6%

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HOLD 事業分析

道路橋梁(B&R)

2014 年、CII はルーザー機材製造・電機株式会社(コード:LGC)の事業再編を行って子会社化し、CII ホ

ールディングスから 7 プロジェクトを移し、CII道路橋梁(CII B&R)に社名変更した。現在、CII B&Rは合計

投資額 6 兆ドン(2 億 6600 万米ドル)となる橋梁・道路プロジェクト 6 件と、合計 22.3 兆ドン(9 億 9600 万

米ドル)の投資額となる建設中プロジェクト 3 件 を抱えている。

2015 年第 1 四半期、CII はフィリピンの一流インフラ事業者メトロ・パシフィック・トールウェイズ(MPTC)に

LGC 株式 3000 万株を売却し、LGC 転換社債 1 兆 200 億ドン(4500 万米ドル)(一株当たり 18,000 ドンの

価格で LGC の普通株に転換可能)を発行した。2016 年中に転換完了すると、MPTC は CII B&R の株式

の 44.9%を保有し、CIIは同 52.1%を保有することになる。

業界の見通し:劣悪な道路交通状況の改善には輸送インフラへの大型投資が必要

ベトナム政府が同国の経済発展の優先課題にしているように、充実したインフラはビジネス環境の改善に

とって非常に重要である。2011 年までの 10 年間、インフラは GDP の約 10%という高い投資比率を維持し、

その数量と利用頻度は急速に高まった。その後、ベトナム政府が独立行政法人国際協力機構(JICA)か

らの大きな支援を得て、インフラ開発に強く力を注いだ結果、多くのインフラ・プロジェクトが立ち上がった。

それにも拘らず、長期的な見通しから見ると、ベトナムのインフラは限界がある。世界経済フォーラム

(WEF)の国際競争力レポートはベトナムのインフラは急速な経済成長のために手が回らない状態である

と指摘し、道路の質を重度の懸念事項としている。

図表 6:ベトナムのインフラのランキング

2011 2012 2013 2014

道路の質 123 120 102 104

鉄道の質 71 68 58 52

港湾の質 111 113 98 88

空港の質 95 94 92 87

全体 123/142 119/144 110/148 112/144

出所:国際競争力レポート(WEF)

現在、道路交通は旅客輸送需要の 91%、貨物輸送需要の 63%を占めている。しかし、高速道路は依然手

が回らない状態で、ベトナムの道路の 40%は劣悪もしくは極めて劣悪な状態にある。2015 年~2020 年の

輸送需要の年間伸び率(CAGR)は貨物が約 11%、旅客が約 8%であると予測されている。また、当社の予

測では、自動車販売台数が 2015 年~2030 年に年率 10%の割合で伸びるため、交通の整備に一層圧力

が掛かる。一方、新しい道路の開発投資は現在、総需要の 61%しか満たしていない。そのため、インフラ

システム開発のための大型投資は、短中期的に少なくとも今後 10 年間は必要である。

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HOLD

図表 7:輸送需要 図表 8:新車販売台数

出所:ベトナム自動車工業会(VAMA)、当社

輸送インフラ産業内において、道路橋梁は投資額の貢献度合が最も高い。このため、政府はまず、この

副次産業の開発に一層注意を払うと当社は考えている。

図表 9:インフラ投資額(10 億米ドル) 図表 10:道路橋梁の年間投資額

出所:BMIの 2015 年第 4 四半期

ベトナム政府はインフラ開発需要を満たすために、BOT 及び BT の官民パートナーシップ(PPP)を利用し

ている。

2011 年~2015 年の間、ベトナム建設省はインフラ開発において好成績を収め、これが飛躍的な進歩にな

った。同省は 370 兆 2830 億ドン(190 億米ドル弱)の資金調達に成功し、その内 33%は BOT 方式(プロ

ジェクト起ち上げ・運営・譲渡)や PPP方式(官民パートナーシップ)といった投資からの調達額である。

2016 年~2020 年の期間、輸送業界に必要な年間投資資本は 90~100 億米ドルであり、その内民間及

び外国からの投資額が 34%を占めると予想される。政府は主要な経済センター、重点経済地域と交通の

拠点(特に、ホーチミン市、ハノイ市とその周辺)を優先して、一体的で近代的な輸送システムの構築に力

を注ぎ続けるだろう。これは CII や CIENCO 1、LICOGI、CC1 のような大手ブランド企業にとって絶好の機

会になるだろう。

-

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

2001 2005 2010 2015E 2020F

Passenger (million passengers)

Freight (billion tons)

-

200,000

400,000

600,000

800,000

1,000,000

2013 2014 2015 2020F 2025F 2030F

Others

CommercialVerhicles

0

1

2

3

4

5

6

7

8

2014 2016F 2018F 2020F 2022F 2024F

Transport infrastructure Others

53%

56%

58% 59% 60% 60%

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

2014 2016F 2018F 2020F 2022F 2024F

Bridges & roads investment (bn USD)

% Bridges & roads / Transport

旅客顧客(百万人)

貨物(10 億トン)

その他

商用車

輸送インフラ その他 道路橋梁への投資額(10 億米ドル)

輸送に対する道路橋梁の比率

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図表 11:インフラ建設の投資額

2011 年~2015 年 2016 年~2020 年

調達総額:190 億米ドル

不足額:60 億米ドル

資金需要総額:450~500 億米ドル

ODA:100~120 億米ドル

予算:200~250 億米ドル

不足額:100~150 億米ドル

CIIの完成済みプロジェクト

金額:2 億 9000 万米ドル(不足額の 5%相当)

地域:ホーチミン市、ニントゥアン省、ビンズオン

省、ティエンザン省

CIIの進行中プロジェクト

金額:10 億米ドル弱(不足額の 10%相当)

地域:ホーチミン市、ニントゥアン省、ティエンザ

ン省、ベンチェー省

出所:運輸省、CIIのデータ、当社

インフラにおける巨大な資本需要を満たすために、ベトナム政府は官民パートナーシップ(PPP)の形で投

資を規制する法令 15/2015/ND-CP 号を公布した。PPP 計画は様々な契約を通じて民間セクターから資

金源を誘引することを目標としている。

政府は BOT 及び BT プロジェクトを魅力的にすべく、幾つかの対策を実施している。同プロジェクトはプロ

ジェクト期間の最初 15 年間に優遇税率(0%~5%~10%)を受けられる。それに加えて、道路通行料も上昇

の過程にあり、次の料金改定は 2016 年と 2019 年に行われる見通し。

図表 12:通行料(一チケット当たりベトナムドン、VAT税込み)

車種 通達 159 号の公布

前 通達 159 の公布後

グループ 1(12 席未満乗用車、2 トン未満トラック、バス) 10,000 15,000 - 52,000

グループ 2(12~30 席の乗用車、2~4 トンのトラック) 15,000 20,000 - 70,000

グループ 3(31 席以上の乗用車、4~10 トンのトラック) 22,000 25,000 - 87,000

グループ 4(10~18 トンのトラック、20 フィートのコンテナー) 40,000 40,000 - 140,000

グループ 5(18 トン以上のトラック、40 フィートのコンテナー) 80,000 80,000 - 200,000 2016 年以降、現状と価格指数、運輸省の提案に基づき、財務省は料金に関する法律の原則に則り、3 年毎に同通達に明記された通行料を調整す

る。

出所:通達 159/2013/TT-BTC号、当社

CII:強力なプロジェクト案件を抱えるベトナムの大手道路橋梁(B&R)開発業者

CII は 15 年以上の経験を持ち、成功プロジェクトがブランドの証しになっている。同社は既に 6 つのプロジ

ェクト(現在料金を徴収している段階)を終え、今後、数多くのプロジェクトを抱える。リストに載るプロジェク

ト群により、今やベトナム最大で最も評判の良い民間インフラ企業の 1 つである同社の主導的地位は、確

固たるものとなるだろう。

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HOLD

図表 13:CIIの B&R プロジェクトリスト

出所:CII、当社

CII は強力な競争力を有する

CII と競合している輸送インフラ投資企業は多くあり、その殆どは国営企業である。CII は資金調達と市場

における強力な地盤固めを維持できると当社は確信している。運輸省の 2015 年 7 月 31 日付けの公文

書 10023/BGTVT-TC によると、料金所全 86 ヶ所の内、現在運営中は 42 ヶ所あるという。CII は 4 ヶ所を

運営しており、確固たる競争面での優位性及びプロジェクト実行の優れた実績により、近い将来にもう 1 、

2 ヶ所増やすことが可能だと考えられる。限られた予算額を考えると、民間部門からの資金調達は必須で

ある。特に、PPP に関する法令 15 号により、殆どのインフラ・プロジェクトは入札の通過が必要である。そ

のことが同社の透明性と強い実行力、運営力と資金調達力ゆえに、プロジェクトを獲得する大きな機会を

CII にもたらす。

さらに、同社はエンジニアリング・建設(E&C)子会社と共に通行料徴収権を所有しているため、プロジェク

トのバリューチェーン全体を管理し、全ての段階で収益を生み出すことができる。社内リソースの有効利

用と関係当局への積極的な関与を後ろ盾に、適切に管理された資産を所有することで、今やハノイ高速

道路拡大やファンラン-タップチャム迂回路第 2 フェーズ、チュンルオン・ミートゥアン高速道路等のより大

規模な案件に取り組むことができる。

CII はまたフィリピンの大手インフラ持ち株会社である戦略的株主、MPTC の専門知識も生かす。これは

CIIが B&R プロジェクトの効率な運営を維持し、様々なインフラ資産を開発し続けることに役立つ。

ProjectsForm of

InvestmentLocation

CII B&R's

Ownership

Investment

Capital

(USDmn)

Construction

Timeline

Concession

Period

DT 741 BOT Binh Duong 100.0% 34 2009-2034

Rach Chiec Bridge BOT HCMC 99.5% 47 2013-2017

Saigon 2 Bridge BT HCMC 90.0% 56

Rach Mieu Bridge BOT Ben Tre 49.8% 21 2009-2022

Phan Rang - Thap

Cham phase 1BOT Ninh Thuan 100.0% 28 2013-2026

Phan Rang - Thap

Cham phase 2BOT Ninh Thuan 100.0% 80 2016-2034

Hanoi Highway

Expansion phase 2BOT HCMC 99.9% 262 2010-2017 2018-2029

Binh Trieu Project

Phase 2BOT HCMC 100.0% 71

2017-2030

Trung Luong - My

Thuan Expressway BOT Tien Giang 10.0% 649 2015-2018 2019-2032

Highway 60 Expansion

(Rach Mieu phase 2)BOT Ben Tre 49.8% 80 2016-2017 2018-2034

National Highway 1

ExpansionBOT Khanh Hoa 120

National Highway 1

Upgrade and

Expansion

BOT Ha Tinh 98

National Highway 1

Expansion in Thua

Thien Hue province

BOT Hue 97

Can Tho - Phung Hiep BOT Can Tho 81

Completed Projects

2016 Strategic Projects

Pipeline Projects

Payments made every

6 months in 5 years

(2014-2018)

投資方式 場所 CII B&R

持ち株比率 投資額

(百万米ドル) 工期 運営期間 場所

5年後、6ヶ月毎

に支払い

完成済

2016年戦略プロジェクト

パイプラインプロジェクト

プロジェクト

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HOLD

CII は幾つかの戦略を用いてプロジェクトの IRR と流動性を高めている

政府からの評価の高さはインフラ契約の有利な交渉に役立つ。BOT 契約は内部収益率(IRR)が保証さ

れ、損失リスクから守られる。CII の自己資本投資は最低年率約 12~16%のリターンを保証されている。通

行料が保証 IRR に届かない場合、政府は料金徴収期間を延長する。

その後、CII は金融仕組み商品を通じてプロジェクトの IRR を改善する。料金徴収が本格的に始まると、

CII は料金徴収額予測に基づき銀行融資のアレンジを行う。契約の保証 IRR 及び CII のプロジェクト管理

の評判により、プロジェクトローンの金利は 9%~11%の範囲で決まり、契約の IRR を優に下回る。さらに、

銀行融資によって CII の投資資金の回収は著しく速まるため、IRRは飛躍的に高まる。その収益は他のプ

ロジェクト投資に効果的に利用が可能となる。

図表 14:成功した融資再構築取引

出所:CII

新規 BOT プロジェクトの貢献による売上増

同社の予想に基づけば、交通量の増加及びファンラン・タップチャムの第 2 フェーズプロジェクトによって、

道路橋梁セグメントの売上高が 2016 年に前年比 18%増加する見通しである。

ハノイ高速道路拡大という大規模プロジェクトとチュンルオン・ミートゥアン高速道路プロジェクトは 2018~

2019 年の開通が予想されており、CIIに大きな売上と利益をもたらすと見込まれている。

図表 15:料金徴収の状況

備考:ラッチ・チェック橋とハノイ高速道路は同じ料金所を利用、ファンラン・タップチャム第 1 フェーズと第 2 フェーズは同じ料金所を利用。

出所:CII、当社

ProjectPrior to

20122013 2014 2015 2016 2017 2018 2019

2020

onwards

DT 741

Rach Chiec Bridge

Rach Mieu Bridge

Phan Rang - Thap Cham phase 1

Phan Rang - Thap Cham phase 2

Hanoi Highw ay Expansion phase 2

Binh Trieu phase 2

Trung Luong - My Thuan Expressw ay

Highw ay 60 Expansion (Rach Mieu phase 2)

プロジェクト 2012年

以前

2020年

以降

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HOLD

不動産

CII は現在、ホーチミン市東部のトゥーティエム新都市エリアの高級住宅プロジェクトの開発に注力してい

る。トゥーティエムプロジェクト以外にも、152 番ディエン・ビエン・フー複合ビルとダイヤモンドリバサイドア

パートという 2 件の不動産プロジェクトを抱えている、が両プロジェクトとも現在注力中のトゥーティエムプ

ロジェクトより規模は小さい。

図表 16:CIIの不動産プロジェクト

出所:CII、サヴィルズの 2015年第 4 四半期、当社

業界見通し:ホーチミン市の高級不動産

ホーチミン市の分譲マンション販売戸数は 2014 年比 109%増の 36,200 戸となり、その取引件数は 2015

年に過去最高水準に達した。高級物件は全体の 3 分の 1 超を占め、過去数年を大きく上回った。不動産

市場全体の押上げ要因の中で、ホーチミン市東部をはじめ中央ビジネス地区の周辺地域におけるインフ

ラ整備の改善を強調したい。中央ビジネス地区に近い有望な地域であるトゥーティエム新都心だけでなく

地下鉄路線の建設を含むインフラ開発の進展が加速している。価値プレミアムを獲得するために、これら

の開発地域近くに戦略的に配置されている案件が増えている。

CBD

1筆の土地を開発

残りの土地(7ヘクタ

ール)は:35%は売

却、30%はプロジェク

ト開発企業、35%は

自社開発

CIIの現在計画

第 2 区におけるトゥ

ーティエムプロジェ

クト(9.6 ヘクタール)

ビンタイン区における 152番ディ

エン・ビエン・フー(0.6ヘクタ

ール)

3.8 km

12 km

3.3 km

第 8 区におけるダイヤモンドリバ

サイド(4.1ヘクタール)

ヴォー・ヴァンキエット大通りが輸送

の支え

トゥーティエムレークビュー

(1.4ヘクタール)

用地と引き換えに、インフラ・プロジェ

クトに投資する

プロジェクト:105戸、80-150 m2/戸

A グレード: 2,500-2,700 USD/m2

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図表 17:ホーチミン市のマンション取引件数(戸) 図表 18:ホーチミン市のタイプ別内訳(マンショ

ン販売の%)

出所:CBRE、当社(内側から: 2012年、2013 年、2014 年と 2015 年)

サヴィルズの 2015 年第 4 四半期レポートによると、2016 年~2018 年に 2 区は 2 番目に大きいマンショ

ン供給地区であり、約 8700 戸のマンションを抱え、総供給戸数の 13%を占める見通しである。優れた都市

計画と設立・進化したインフラ(例:ハノイ高速道路、ドンバンコン通り、マイチト大通り、トゥーティエム新都

心)により、大手デベロッパーの 2 区での動きは活発化している。大半のプロジェクトは好立地、総合的な

都市計画と高規格商品を求める高所得層を狙った A 級のものである。高級物件の供給が 2 区で一貫し

て増加している中、トゥーティエム新都心は総合計画及び同地域と CBD を繋ぐ新しい橋から最大の恩恵

を受けることにより、トゥーティエム他の地域にはない有利な立場にある。

図表 19:ホーチミン市 2 区におけるトゥーティエム新都心

出所:CII

-

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015

High-end

Mid-range

Affordable

高級

中級

一般

トゥティエム新都心の総面積は 657 ヘクタールで、サイゴン川のそば、繁華街の反対側に位置し、1 区、

4 区、7 区、ビンタイン区に面し、9 区に接する。開発工事が完了すると、この地域はホーチミン市の中

心ビジネス街として 1 区と置き代わるだろう。

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不動産が再編後の CII の新たなビジネスハイライト

トゥーティエムプロジェクトの魅力的な特徴

ホーチミン市の人民委員会は、総面積約 9.6 ヘクタールのゾーン 3・4 号における河岸地区と引き換えに、

CII がトゥーティエムゾーン 3・4 号へのインフラ・プロジェクトに投資することを承認した。同社はインフラへ

の総投資額が約 2 兆 6000 億ドン(1 億 1600 万米ドル)になると見積もっている。これは同社にとり、低投

入コストで住宅プロジェクトを開発するまたとない機会だ。同社は 2016 年末までに全ての用地受入を見込

んでいる。

2016 年第 2 四半期に、同社はトゥーティエムの用地の一つを開発したトゥーティエム・レイクビュー・プロジ

ェクトの販売を開始する。当社は CII がこのプロジェクトからの売上高及び利益の 50%を今年計上し、残り

は来年に計上すると予想している。

図表 20:トゥーティエム・レイクビュー

土地面積(m2) 14,059.5

総床面積(m2) 18,000

正味床面積(m2) 14,800

土地利用率 1.28

住宅床面積 95%

商業床面積 5%

最大階数 4

地階数 1

アパート数 105

アパート平均面積 125 m2

工事期間

2016年第2四

半期~2017

年第3四半期

販売開始 2016年第2四

半期

出所:CII

トゥーティエムの残り 7 ヘクタールの用地について、同社がこの用地の 35%を海外投資家に売却し、35%を

自社開発し、残りの部分を海外投資家と協力して開発する計画がある。計画の詳細は明らかにしていな

い。

当社は、トゥーティエムと 2 区での低投入コスト及びトゥーティエム厖大な需要により、CII がトゥーティエム

プロジェクトから得られる利益率は高いと見ている。

577 不動産株式会社(NBB)買収の可能性

当初は 2015 年に、CII は 577 不動産株式会社(NBB)の株式の 51%まで買い取り、NBB を CII ランドに組

み込む計画だった。この子会社は CII の不動産プロジェクトの投資・開発を行う。現在、CII は NBB 株式

の 19.99%を保有している。しかし、NBB の外国人株主が CII の買収提案に同意しないため、実施時期は

まだ未定である。

NBB の強みはホーチミン市 8 区、ビンチャン区及びクアンガイ省、ビントゥアン省、クアンニン省にある低

価格で投入した広大な土地(総面積 847 ヘクタール)である。しかし、NBB にはこれらの土地が持つ可能

性を解き放つのに十分な資本がない。それに対して、CII にはこの弱点を埋め合わせる資源がある。

更に、CII には交通システムと水道インフラ全体を十分習得した利点があり、当社はこの買収が両社に相

乗的な価値を生むと考えている。

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水道事業

CII は子会社のサイゴン水インフラ株式会社(SII)を通じてホーチミン市及び近隣の省に水道の供給、水

道インフラの建設・サービスに関わっている。

SII の認可資本は 5837 億ドン(2590 万米ドル)で、そのうち、CII は 55.9%を保有している。2013 年に、SII

はフィリピンで最古かつ最大のコングロマリットの一つ、アヤラ・コーポレーションの子会社、マニラ・ウォー

ターを戦略的な投資家として迎え入れた。SII とマニラ・ウォーターとの契約によると、一定の条件を満たす

と、SII はマニラ・ウォーターに追加の 610 万株を発行し、マニラ・ウォーターの株式保有率を 31.5%から

38.0%にする一方で、CIIの保有率は 51%に低下する。

業界の見通し:人口の増大を背景に淡水の需要が拡大している

水道はベトナム政府が既に約束したミレニアム開発目標の一つであり、ベトナムの社会経済生活の中で

重要な役割を果たしている。しかし、高い人口の伸び率及び都市化率は後進的な水道インフラシステムに

大きな圧力となっている。ベトナム統計局(GSO)によると、2015 年にベトナムの人口は前年比 1.07%増の

9170 万人となっており、世界で 13 番目に人口が多い国となった。2015 年の都市化率は 34.3%の高水準

に達し、淡水を使用することができるのは人口の約 60%。その上、毎年、約 15 億 m3 の廃水が河川や運

河に流れているのにその 7%しか規格に従って処理されていない。淡水使用及び環境改善への需要が高

まっている。

図表 21:きわめて高い廃水処理需要 図表 22:深刻なベトナムの給水不足

出所:CII

建設省によると、高い人口の伸び率、急速な都市化率と FDI(外国からの直接投資)企業の継続的な工業

団地への進出は、既存の水道インフラシステムに大きな圧力になる。事実、ベトナムの給水設備は不十

分なだけではなく、廃水処理との連携も足りない。ベトナム上下水道協会(VWSA)によると、配水網が処

理施設と連携して改善されていないため、2015 年の漏水による売上ゼロの水道率は約 25%で、2014 年

の 28~30%を下回ったが、世界平均の約 15%に比べるとはるかに高い。その上、水処理施設、飲料水を

供給する送配水網への投資が不十分なため、給水設備能力には限界がある。

7%

93%

Current sewage treatment

Current demand of wastewater treatment

38%

62%

Supply shortage Current supply capacity現在の処理される廃水

現在の廃水処理の需要

供給不足 現在の供給能力

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図表 23:大都市と地方における水道受給の大きなギャップ

出所:CII

深刻な給水不足により、2016 年~2019 年に、ベトナム大都市での清浄水の価格は年間 10~12%の割合

で上昇することが見込まれており、全国の給水業者の力強い見通しへとつながっている。

図表 24:ハノイの平均給水価格(VND/m3、VAT

を含まない)

図表 25:ホーチミン市の平均給水価格(VND/m3、

VATを含まない)

出所:ベトナム統計局、CII、当社

2020 年までに人口の 95%に安全な水の供給を可能にするために、政府はベトナムの水道インフラの改善

と拡大を目指しており、CIIのような給水投資企業には多くの機会がある。

36% 38%

24%

8%

28%

40%

30%

18%

10% 12%

28%

-

500,000

1,000,000

1,500,000

2,000,000

2,500,000

3,000,000

3,500,000

HCMC Hanoi DongNai

BinhDuong

LongAn

Gia Lai CanTho

LamDong

Hue Ba Ria -VungTau

DaNang

Estimated demand (m3) Current supply capacity (m3)

Non-revenue water rate

-

3,000

6,000

9,000

12,000

15,000

18,000

2012 2013 2014 2015

First 10m3 consumed 10-20m3 consumed

20-30m3 consumed Over 30m3 consumed

-

3,000

6,000

9,000

12,000

15,000

18,000

21,000

2014 2015 2016P 2017P 2018P 2019P

First 4m3 consumed 4-6m3 consumed

Over 6m3 consumed

年平均成長率 16% 年平均成長率 10%

予測需要(m3)

無収入水道率無収水率

現在の供給能力(m3)

ホーチ

ミン市

ハノイ ドンナ

イ省

ビンズ

オン省

ロンア

ン省

ザライ

カント

ラムド

ン省

フエ市 バリア・

ヴンタ

ウ省

ダナン

最初の 10m3 10~20m3

20~30m3 30m3超

最初の 4m3 4~6m3

6m3 超

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HOLD

図表 26:水道インフラへの投資額(10 億米ドル) 図表 27:都市給水開発の目標

出所:BMIの 2015 年第 4 四半期レポート、JICA、ベトナムの都市環境管理に関する研究レポート

多忙なプロジェクトスケジュールに乗って水道事業を実現していく CII

SII は廃水削減、汚水処理と配水網への投資を拡大し続けている。以下の活動は SII の水道事業全体の

掌握、つまり水道プロジェクトのすべての段階で利益を得られるようにする野心の表れである。

図表 28: SII の水道事業への投資

出所:CII

25%

18%

15%

0

20

40

60

80

100

120

140

2015 2020P 2025P

Unit demand (L/person/day)

Non-revenue warer rate (%)

Project / Company

Maximum

capacity

(MLD)

SII's

Ownership

Investment

Capital/ Legal

Capital (USDmn)

Status

BOO Thu Duc

(water Plant)300 7.3% 71.1 Operating

Tan Hiep 2

(water plant)300 43.0% 53.3 Under construction

Enviro

(service - water facilities supply)85.0%

0.1

(legal capital)Operating

Asia Water

(service - NRW reduction)51.0%

0.9

(legal capital)Newly established

Cu Chi

(distribution network)150 100.0% 118.2

Operating during

construction phase

Tan Hoa

(service - distribution network)125 28.7%

2.2

(legal capital)Operating

Spring

(NRW reduction)75.0% 16.9 Pipeline

Tan Hoa - Lo Gom

(wastewater)51.0% 185.8 Pipeline

West Saigon

(wastewater)51.0% 60.1 Pipeline

Saigon Pleiku

(water plant)30 55.0% 10.3

Operating (Starting to

generate revenue)

Saigon Dankia

(water plant)30 90.0% 4.7 Operating

Long An

(water plant + distribution)53 23.3%

4.98

(legal capital)Operating

Can Tho 1

(water plant + distribution)122 12.1%

12.4

(legal capital)Operating

Can Tho 2

(water plant)53 77.0% 11.6 Soon to be constructed

Gia Lai

Lam Dong

Long An

Can Tho

HCMC

0.00

0.05

0.10

0.15

0.20

0.25

2014 2016F 2018F 2020F 2022F 2024F

年平均成長率 11%

需要(リトル/1人/1日)

無収入水道率無収水率(%)

プロジェクト 最大受入額

(百万ドン)

SSIの持

ち株比率

投資資本/法的

資本(百万米ドル) 状況

稼働中

工事中

稼働中

新規設立

工期稼働中

稼働中

パイプライン

パイプライン

パイプライン

稼働中

(売上げ発生)

稼働中

稼働中

稼働中

着工間近

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HOLD

強力な社内リソース及びプロジェクトのパイプラインを背景に、長期的な競争優位に

政府との関係及び国内外からの資金調達に関して、SII は CII ホールディングスから強力な支援を受けて

いる。それに加え、戦略的投資家のマニラ・ウォーターの参加により、SII はたっぷり支援を受けられる。ま

た、SII はエンヴィロやアジア水道などの社内リソースの開発に成功し、水道事業のバリューチェーンを実

現している。これらのすべてが長期的にこの潜在成長力のある事業において、CII の競争優位要因になる

と思われる。

既存のサイゴン・ダンキア浄水場に加え、2015 年 5 月から稼働しているサイゴン・プレーク浄水場は、同

社の将来の売上高に大きく貢献すると予想される。

プロジェクトの大半が建設中であるため、SII が短期的に高い利益を生み出すことはない。この水道事業

セグメントは、2018-2019 年から売上と利益で CIIホールディングスに相当貢献するものと考えている。

建設とサービス事業

CII E&C と CII サービスは、CII が効率的にプロジェクト実行し、好業績を達成するための重要な社内リソ

ースである。チュンルオン・ミテゥアン高速道路、BT トゥーティエム、クチ配水網など、進行中のプロジェクト

が将来確実に収益を生み出すことが予見できるため、この事業の見通しは明るい。

CII E&C は、落札または直接指名を通じ、CIIのプロジェクト、その他に照明の建設及び同サービスを提供

している。CII によると、大半の取引がグループ内の取引だが、政府が BT と BOT プロジェクトの建設に対

して一定の純利益率(最低 6%)を保証しているため、同社は利益を計上することができる。インフラ建設の

実施に加え、CII E&C はアパート、オフィスビルや住宅などの民間プロジェクト建設も目標にしている。従

って、今度の不動産プロジェクトは同社の能力と経験を試すだけでなく、CII サービスが売上高・利益を伸

ばす機会でもある。

CII サービスは、CII プロジェクトへ料金収受サービス、メンテナンスとツリーケアサービスを提供するため

に、2001 年に設立された。同社は、コストを節約し、料金所の実際コストを政府との契約で許可されたレ

ベルより低く維持するために、CII の料金所 5 箇所の内 4 箇所を管理している。同社はグループの中で最

も小さく、CIIの売上高・利益への貢献も小さい。

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HOLD 業績と見通し

過去の業績の要約

料金収受とインフラ建設が売上高に最も寄与している

ファンラン・タップチャム 2 号、ハノイ高速道路の拡張などの大規模のプロジェクトの成功により、料金収受

とインフラ建設事業からの売上が大幅に伸びた。特に、2015 年に SII が CII ホールディングスに成功裏に

統合された後、水事業が CII の業績に寄与し始めた。

2015 年、連結売上高が前年比 33%減少したが、それは 2014 年に BT サイゴン端第 2 号橋梁及び BT 都

市間道路 25B 号から約 1 兆 7000 億ドン(7500 万米ドル)が計上されたためである。BT 契約の条項によ

り、同社は同売り上げ並びに同額の売上原価を計上した(売上総利益をゼロで計上)。この 2 件の BT 投

資の利益は、政府定期払い込みに基づく金融収益として計上された。

図表 29:連結売上高(10 億ドン) 図表 30:売上高の構成

2014 年 BT プロジェクトの 1 兆 7000 億ドンを除く 2014 年 BTプロジェクトの 1 兆 7000 億ドンを除く

出所:CII、当社 出所:CII、当社

CII は 2015 年税引き後純利益が前年比 61%増の 6250 億ドン(2800 万米ドル)となり、好業績を達成した。

その背景には、金融収入(同 65%増)の 1 兆 300 億ドン(4600 万米ドル)があるが、その内 3310 億ドン

(1500 万米ドル)は関連会社への投資の再評価から、又 2200 億ドン(1000 万米ドル)はメトロ・パシフィッ

ク・トールウェイズ(MPTC)に額面を上回る価格で転換社債を発行することによりもたらされた。

2015 年税引き後純利益には CII 道路橋梁投資(LGC)3000 万株の MPTC への売却(2015 年第 1 四半期

に完了)による手取金 1810 億ドン(800 万米ドル)が含まれないことには留意が必要だ。通達第 202/2014

号に従い、この金額は利益剰余金に計上された。

一つの BOT プロジェクトの投資・料金体系変更(同社の MPTC への義務に影響)に対する 2015 年第 4

四半期計上の 970 億ドン(400 万米ドル)相当の引当金は、2016 年に繰り戻す見込みである。

2011 2012 2013 2014 2015

-

500

1,000

1,500

2,000

年平均成長率172%

2012A 2013A 2014A 2015A

-

500

1,000

1,500

2,000

Construction Real estateToll collection WaterServices Others

建設

料金収受

サービス

不動産

その他

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HOLD

金融収益の影響により税引き後純利益が変動しやすい

金融収益の影響により、CII の税引き後純利益は極めて不安定であった。同社は多くの長期的な金融投

資を行っていたが、そのほとんどが主要事業セグメントで展開する法人である。金融費用に関して、インフ

ラ・プロジェクトが非常に資本集約的なものであるため、支払利息は高水準であった。プロジェクトが営業

開始に至らない場合、高水準の支払利息を部分的に相殺する金融収入がなければ、CII は損失を被る可

能性が高い。従って、当社はこれらの投資からの金融収益を特別損益ではなく、同社の通常収益と見做

す。

図表 31:金融収入の構成 図表 32:金融収益(10 億ドン)

出所:CII、当社

魅力的な配当利回り

上場以来、CII は株式配当を行っていないが、2011 年~2015 年 1 株当たり 1200~1800 ドンの高水準の

現金配当を実施していたので配当利回りは 5~7%と魅力的であった。同社は、今後数年間少なくとも 1600

ドンの配当支払いを維持する見込みである。

図表 33:CIIの承認された配当

出所:CII、当社

2012 2013 2014 2015

0%

50%

100%

Others

Gain on investment

Interest income from bank deposits and loans

Dividend and profit received

Interest/ Income from BT, BOT projects

Gain on issuance of exchangeable bonds

Gain on re-measurement of investment in subsidiaries

2012 2013 2014 2015

(1,500)

(1,000)

(500)

-

500

1,000

1,500

Financial expenses

Interest Expense

Financial income

1,800 1,800

1,200 1,200 1,400

1,600

7.4% 7.4%

5.0% 5.0%

5.8%

6.6%

0.0%

1.0%

2.0%

3.0%

4.0%

5.0%

6.0%

7.0%

8.0%

0

1,000

2,000

3,000

4,000

2010 2011 2012 2013 2014 2015

Dividend (VND/share) Dividend / Current stock price配当金(VND/株) 配当利回り

金融費用

支払利息

金融収益

その他

投資利益

銀行預金/貸付からの金利収入

受取配当金/利益

BT, BOTプロジェクトからの利息/収益

EB債発行手取金

子会社投資再評価による利益

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HOLD

洗練された金融商品を通じて資金調達

CII は、銀行借入、普通社債、株式売買契約、株式発行などの一般的な手段と共に、2006 年以来、資本

集約的なプロジェクトの資金調達のために転換社債を利用することに精通している。同社は、将来の安定

的なキャッシュフローを基に橋梁・道路プロジェクトに関する債務再編を実行することで、投資資金活用の

ノウハウを向上させ、その結果内部収益率(IRR)を高めることになった。このような金融商品は多くの投資

家にとって複雑なものであるが、当社はこれが CIIの切り札となる能力であると考えている。

2015 年末、貸借対照表に 7950 億ドン(3500 万米ドル)相当の転換社債が計上されたが、その内 2500 万

米ドル相当はゴールドマン・サックスによって保有され、又ホーチミン市インフラ投資会社(HFIC)が保有し

た 440 億ドン相当は 2016 年 1 月に転換された。

図表 34:CIIの転換社債(CB)

CB 社債権者 期間

(年) 利率 2014 年 2015 年 2016 年

270億ドン HFIC 5 11~13%

1 株当たり 1 万ドン

の価格で 270万株

に転換

440億ドン HFIC 5 11~13%

1 株当たり 18800 ド

ンの価格で 240 万

株に転換

2500 万米ドル GS 5 4%

1 株当たり 18800 ド

ンの価格で 3000 万

株に転換

1500 万米ドル GS 5 4%

1 株当たり 1 万ドン

の価格で 3300 万株

に転換

1兆 820 億ドン CII41401 5 12%

1 株当たり 11000 ド

ンの価格で 7100 万

株に転換

1 株当たり 11000 ド

ンの価格で 7000 万

株に転換

残は 2180 億ドン

出所:CII、当社

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HOLD

2016年の見通し

10 億ドン 2015A 2016F 前年比 % 説明

売上高 1,750.9 2,186.2 24.9%

料金収受 569.9 689.3 21.0% ファンラン・タップチャム 2プロジェクトの営業開始及び DT741 プロジェクトが寄与

建設 565.7 177.0 -68.7% 主にチュンルオン・ミテゥアン、ハノイ高速道路の拡張、トゥーティエム(BT)などの

大規模なプロジェクト

不動産 24.9 407.0 1533.1% テゥティエム・レークビューの 50%が譲渡

水 447.1 906.0 102.6% 主にクチ、タンホア、タンヒエップなどのプロジェクト

サービス・その他 143.3 6.9 -95.2% 2015 年、低マージンで 1340 億ドン相当の照明設備の販売を計上

売上総利益 589.1 807.3 37.0%

販売・管理費 205.2 201.8 -1.7%

経常利益 383.9 605.5 57.7%

金融収入 1,030.0 947.0 -8.1%

支払利息 448.9 400.6 -10.8%

税引き前利益 936.8 1,151.9 23.0%

税引き後利益 791.6 990.9 25.2%

税引き後純利益 624.6 746.8 19.6%

EBITDA 756.6 1,020.9 34.9%

売上総利益率% 33.6% 36.9% 328 bps

経常利益率% 21.9% 27.7% 577 bps

EBITDAマージン % 43.2% 46.7% 349 bps

純利益率% 35.7% 34.2% -151 bps

※Fは当社予想

当社は、CII の 2016 年税引き後純利益は前年比 20%増の 7470 億ドン(3300 万米ドル)と予測するが、そ

の内、50%は同社が MPTC に対して発行した 4300 億ドン(1900 万米ドル)相当の LGC の転換社債のプレ

ミアムである。一時的な利益(18 頁参照)を除き、2016 年税引き後純利益は前年比 2 倍になると予想して

いる。

2017 年に関し、当社は CII がトゥーティエム都市領域インフラ建設プロジェクトから 2 兆 6000 億ドン(1 億

1600 万米ドル)の売上を計上することで、売上高が前年比 148%増加すると予測している。この BT プロジ

ェクトはトゥーティエムの用地で支払われるため、売上総利益はゼロで計上され、その結果、同社の売上

総利益率と経常利益率は低下すると予想している。更に、不動産事業に関して、当社の予想売上高と予

想利益はトゥーティエム・レークビュー・プロジェクト及び残りの用地の 3 分の 1 の販売に基づいて予測し

ている。従って、当社の予想に基づき 2017 年 1 株当たり利益(EPS)は前年比 30%増加すると見込んでい

る。

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HOLD

5年間戦略計画

CII のビジネスモデルは、再編後、徐々に安定し成果を挙げているが、それには BOT プロジェクトのため

の投資準備が早期に完了したこと、効率的な料金収受の態勢あるいは、外国人投資家や戦略的パートナ

ーから高い関心を集めたこと等が含まれる。

社内外の機会を確実に捉えるために、CII は 5 年間の戦略計画を発表した。同社は以下に注力する予定

である。

1) 既存のプロジェクト(特にトゥーティエム・プロジェクトへの投資案件の開発)

2) 建設が完了し料金収受期間に入った既存の BOT・BTプロジェクトを確保する

3) 官民パートナーシップ(PPP)を通じて大規模プロジェクトに参加する可能性を調査する

4) 水関連事業における国営企業の民営化のプロセスに参加する

財務面では、CII は負債比率を縮小し、また長期的に 20~25%の年利益成長率及び最低 16%の現金配当

を維持することを目標としている。それに加え、同社は資金調達のために新規の金融商品を導入する予

定である。同社は商業銀行と協議の上 2016 年第 2 四半期に流動性が保証された社債を発行する見込

みである。予定発行総額は 7000 億ドン(3100 万米ドル)で、償還期限は 2~7 年である。表面利率は 12

ヶ月物銀行金利に 1%を上乗せし、利払いは 3 ヶ月毎である。この商品は市場では新しいものであるが、

当社はこれが将来のインフラ開発プロジェクトに投資するために低コストで資金調達をする方法だと見て

いる。

当社は当該戦略が今後の成長過程において強固な基盤を形成し、CII 株式の魅力を高めるものと考えて

いる。

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HOLD バリュエーション

サム・オブ・ザ・パーツ(SOTP)

当社はサム・オブ・ザ・パーツ(SOTP)の分析方法を適用し 30,000 ドンの適正価値を得たが、31%の投資

収益率(配当利回り 7%を含む)で「買い」を推奨する。

当社の目標株価は現在の発行済み株式数に基づき次の二点は考慮していない。①12%という魅力的な

利率のため CII41401 の社債権者が転換せず満期まで保有することを前提とした、②25,300 ドンを超えな

い購入価格で CII が 4040 万株を買い戻すことを計画している。一方、自己株買いは株式発行から 6 ヶ月

経過後のみ可能との法規制があるため少なくとも 7 月 27 日以降にしか行われないと考える。

図表 35:サム・オブ・ザ・パーツ

10 億 VND 分析方法 適正価

値 CII の保有率

CII への貢献価

B&R プロジェクト(1) DCF 5,091 (3) 2,333

不動産(2) 簿価、DCF、NAV、時価総額 4,276 (3) 3,485

CII E&C PER 775 100% 771

SII PBR 1,525 56% 853

(+)その他資産

2,502

(+)現金

253

(-)負債総額

-2,477

(-)転換社債

-218

純資産 7,501

発行済み株式数

250,344,407

目標株価(一株当たり VND)

30,000

注)(1)ビンチエウ橋第 2 フェーズ、ラックチェック、ハノイ高速道路拡大、ファンラン・タップチャム第 1、第 2 フェーズ、ラックミエウ橋

及びサイゴン橋

(2)トゥーティエム、152 番ディエン・ビエン・フー、ダイヤモンドリバサイド、577 不動産(NBB)

(3)プロジェクトによって保有率は様々。

出所:当社

全ての B&R プロジェクトは予測期間内に一定のキャッシュフローをもたらすため、株主資本コストで FCFE

を適用し同事業の適正価値を算出する。

図表 36:CIIの株主資本コスト

ベータ 0.82

市場リスク・プレミアム % 8.5

リスクフリー率 % 6.3

資本コスト % 13.3

出所:ブルームバーグ、当社

図表 37:目標株価に対する資本コストの感応度

11.3% 11.8% 12.3% 12.8% 13.3% 13.8% 14.3% 14.8% 15.3%

31,400 31,000 30,600 30,300 30,000 29,700 29,400 29,100 28,800

出所:当社

不動産事業(トゥーティエムプロジェクト)に関しては、実施行程が明確な案件であるトゥーティエムレークビ

ュープロジェクトに対しては DCF 方法が適切で、販売の進捗状況を明らかにすることができる。一方で、7

ヘクタールの残り土地に対してはコストと市場価格に基づく NAV 方式を適用する。

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HOLD

図表 38:目標株価に対するトゥーティエムの残り土地の市場価格(一平方メートル当たり百万ドン)予測に

対する感応度

48 51 54 57 60 63 66 69 72

26,700 27,600 28,400 29,200 30,100 30,900 31,800 32,600 33,400

出所:当社

水道事業について、サイゴン水インフラ(SII)は潜在性の高い事業を展開しているものの殆どのプロジェク

トが建設中であるため、当社は PBR方式を適用する。

図表 39:SIIの同業他社

ブルームバ

ーグ銘柄

(百万米ドル)

時価総額

過去 12 ヶ

月の売上

高 増減率(%)

過去 12 ヶ

月の税引

き後利益 増減率%

負 債 /

自己

資本 ROE

過 去

12 ヶ月

PER

前四半

PBR

CTI VN 32.4 38.3 120% 3.3 359% 379% 17.6% 10.5x 1.7x

SEB VN 24.0 9.0 97% 3.1 94% 129% 26.5% 8.0x 2.0x

SJE VN 18.9 51.1 -15% 4.8 142% 109% 34.1% 3.9x 1.2x

CCI VN 9.3 16.5 -27% 1.0 52% 0% 10.8% 7.3x 0.7x

LHC VN 8.0 18.5 14% 1.2 20% 8% 18.2% 5.1x 1.1x

VSI VN 8.9 35.3 134% 1.7 173% 7% 16.6% 6.4x 1.0x

平均値 16.9 28.1 54% 2.5 140% 105% 20.6% 6.9x 1.3x

中央地 14.1 26.9 55% 2.4 118% 59% 17.9% 6.9x 1.1x

SII VN 64.9 26.3 588% 5.4 804% 127% 11.9% 12.0x 1.6x

SIIの 2016 年の予測簿価 10 億ドン 1,336

中央 PBR 1.1x

SIIの株主価値 10 億ドン 1,525

出所:ブルームバーグ、当社

CII の E&C は未上場である。比較可能な上場同業他社を選択の上、PER 方式を適用し同事業の価値を

評価する。

図表 40:CII E&Cの同業他社

ブルームバ

ーグ銘柄

( 百万米 ド

ル)

時価総額

過去 12 ヶ

月の売上

増 減 率

(%)

過去 12 ヶ月

の税引き後利

益 増減率%

負 債 /

自己

資本 ROE

過 去

12 ヶ

PER

前 四

半 期

PBR

CTD VN 374.3 607.5 79% 29.6 103% 0% 22.8% 11.9x 2.6x

THG VN 18.2 31.1 33% 2.5 238% 103% 30.8% 7.4x 2.0x

PPI VN 11.2 19.5 25% 1.4 40% 78% 6.7% 5.0x 0.5x

BCE VN 8.8 22.4 -17% 1.1 19% 25% 6.4% 8.8x 0.6x

CMS VN 6.4 15.5 -11% 0.8 16% 21% 11.8% 4.9x 0.7x

VCC VN 5.2 44.7 14% 1.1 33% 122% 21.9% 4.9x 1.3x

HU1 VN 3.2 27.6 -15% 0.4 1% 119% 5.1% 8.8x 0.4x

QTC VN 2.7 5.9 10% 0.4 6% 13% 18.3% 7.4x 1.3x

平均値 53.7 96.8 15% 4.7 57% 60% 15.5% 7.4x 1.2x

中央値 7.6 25.0 12% 1.1 26% 52% 15.1% 7.4x 1.0x

CII E&Cの 2016 年予測税引き後利益 10 億ドン 105

中央 PER 7.4x

CII E&Cの株主価値 10 億ドン 775

出所:ブルームバーグ、当社

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25/29

HOLD

建設業界との比較

当社は、CII と建設業界で同水準の売上高と ROE を持つ上場企業数社と比較した。しかし、これらの企業

は、異なる中核事業と成長力のため本来同業他社とは言えない。そのため、当社の CII に対するバリュエ

ーション評価ではマルチプル方式は考慮しない。

図表 41:選択された上場建設企業

ブルームバ

ーグ銘柄

(百万米ドル)

時価総額

過去 12 ヶ

月の売上

高 増減率(%)

過去 12 ヶ

月の税引

き後利益 増減率%

負 債 /

自己

資本 ROE

過 去

12 ヶ月

PER

前四

半期

PBR

CTD VN 374.3 607.5 79% 29.6 103% 0% 22.8% 11.9x 2.6x

VCG VN 196.3 361.4 -3% 14.3 5% 61% 5.3% 14.5x 0.8x

HUT VN 95.1 99.8 -19% 7.1 -38% 215% 10.6% 7.7x 0.7x

HBC VN 62.5 226.0 45% 4.0 28% 191% 9.9% 13.1x 1.3x

FCN VN 43.5 73.8 23% 6.3 9% 107% 18.7% 6.9x 1.3x

SDT VN 21.3 71.0 27% 4.1 19% 115% 8.5% 6.2x 0.5x

平均値 132.2 239.9 25% 10.9 21% 115% 12.6% 10.1x 1.2x

中央値 78.8 162.9 25% 6.7 14% 111% 10.3% 9.8x 1.0x

CII VN 269.3 77.8 -33% 27.8 61% 173% 21.2% 7.4x 1.6x

出所:ブルームバーグ、当社

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26/29

HOLD 中期トレンド

評価

株価チャートは 2016 年の初めから形成された中期的な上昇傾向を維持している。

一方、短期的には、株価チャートは多くのリスクに直面し調整局面に入る可能性がある。中期指標におい

ては、反落する気配はなく上昇傾向が継続的に維持される見通しであるのは、ポジティブな点である。

株価チャートが 24,200 ドンを完全に突破する場合、中期の上値抵抗線である 26,800 ドンに向かう可能性

がある。

推奨

中期投資家は株価チャートが 24,200 ドンを大幅に超えた場合に購入でき、あるいは 23,000 ドン前後の株

価で買い増しできると考えている。

2016 年 4 月 4 日時点 (VND/ 株)

中期分析時間軸 3 ヶ月から 6 ヶ月

中期上値抵抗線 26,800

中期下値支持線 22,000

中期傾向 上昇

出所:当社

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27/29

HOLD 財務諸表

損益計算書 (10 億ドン) 2015A 2016F 2017F 貸借対照表(10 億ドン) 2015A 2016F 2017F

売上高 1,751 2,186 5,424 現金及び現金同等物 1,757 (261) (977)

売上原価 (1,162) (1,379) (4,395) 短期投資 481 481 481

売上総利益 589 807 1,029 売掛金・受取手形 1,369 913 456

販売費 (28) (24) (20) 棚卸資産 751 836 1,179

一般管理費 (178) (178) (242) その他流動資産 306 306 306

支払金利前税引前利益(EBIT) 384 606 768 流動資産総額 4,665 2,275 1,445

金融収益 1,030 947 1,088 固定資産総額 3,348 6,681 8,849

金融費用 (618) (401) (404) -減価償却 (1,089) (1,504) (2,028)

その内支払利息 (449) (401) (404) 固定資産(減価償却後) 2,259 5,177 6,821

連結会社株式損益 141 0 0 長期投資 7,956 7,908 7,860

その他の損益 937 1,152 1,451 その他固定資産 186 186 186

税引き前利益 (145) (161) (197) 固定資産総額 10,401 13,271 14,867

法人税 792 991 1,254 資産合計 15,066 15,545 16,313

少数株主持分前税引後利益 (167) (244) (287)

少数株主持分 625 747 967 買掛金 185 206 291

少数株主持分控除後の純利益

(会社発表) 94 406 967 短期借入金 717 488 219

EBITDA 757 1,021 1,291 その他流動負債 761 771 812

基本 EPS(会社発表値、VND) 2,959 2,718 3,526 流動負債総額 1,664 1,466 1,322

基本 EPS(調整済(1)、VND) 385 1,461 3,526 長期借入金・社債 8,098 7,880 7,954

完全希薄化後 EPS (2)(VND) 2,195 2,617 3,395 その他長期負債 662 662 662

負債合計 10,424 10,008 9,938

比率 2015A 2016F 2017F 優先株式 0 0 0

成長性 払込資本金・発行済み資本金 2,281 2,602 2,602

売上成長率 % -32.8% 24.9% 148.1% 追加株式資本・資本剰余金 184 184 184

支払金利前税引前利益成長率 % 127.5% 57.7% 26.8% 利益剰余金 810 1,140 1,692

税引き前利益成長率 % 56.0% 23.0% 26.0% その他持分 (55) (55) (55)

EPS成長率 %(調整後) -11.8% -8.1% 29.7% 少数株主持分 1,422 1,666 1,953

一株当たり純資産成長率 % -1.7% 5.4% 14.2% 自己資本合計 4,641 5,537 6,375

総資本(負債+資本) 15,066 15,545 16,313

収益性

売上総利益率 % 33.6% 36.9% 19.0% キャッシュフロー(10 億ドン) 2015A 2016F 2017F

EBIT マージン % 21.9% 27.7% 14.2% 現金の期首残高 1,567 1,757 (261)

EBITDAマージン % 43.2% 46.7% 23.8% 純利益 747 967

少数株主持分控除後純利益率 % 5.4% 18.6% 17.8% 減価償却費 415 523

ROE % 21.2% 21.1% 23.3% 運転資本の増減 392 198

ROA % 6.6% 6.5% 7.9% その他の調整 (569) 41

営業活動によるキャッシュフロー (260) 986 1,729

効率性

在庫日数 236 221 98 純資本支出 (3,333) (2,168)

売掛金回収日数 285 152 31 純投資 48 48

買掛金支払日数 58 55 24 投資活動によるキャッシュフロー (3,041) (3,285) (2,120)

現金循環化日数 463 319 104

配当金の支払額 (416) (416)

流動性 ∆ 株式資本 321 0

流動比率(倍) 2.8x 1.6x 1.1x ∆ 長期負債 361 73

当座比率(倍) 2.4x 1.0x 0.2x ∆ 短期負債 (229) (269)

現金比率(倍) 106% -18% -74% その他の財務活動によるキャッシ

ュフロー 244 287

総資産負債比率% 59% 54% 50% 財務活動によるキャッシュフロー 3,492 281 (326)

負債比率% 190% 151% 128% 現金の増減額

純負債/純資産比率% 152% 156% 144% 現金の期末残高 190 (2,019) (716)

インタレスト・カバレッジ・レシオ 86% 151% 190% 配当金の支払額 1,757 (261) (977)

出所:CIIの年次財務諸表、F は当社の予測。(1) 調整は特別損益項目及び一時的な収益を除いた利益に基づく。(2)転換社債のために発行される株式を含む。

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HOLD

格付けと評価方法

絶対的で長期的な格付け:当社の推奨は、市場との相関評価ではなく、(目標株価-時価)/時価+配当利回りという計算

式で算出された株式のトータルリターンに基づいている。

格付け 定義

買い 今後 12 ヶ月間におけるトータルリターン(配当を含む)が+20%以上であると予想

する場合。

アウトパフォーム(O-PF) 今後 12 ヶ月間におけるトータルリターン(配当を含む)が+10%から+20%の間で

あると予想する場合。

マーケットパフォーム(M-PF) 今後 12 ヶ月間におけるトータルリターン(配当を含む)が-10%から+10%の間で

あると予想する場合。

アンダーパフォーム(U -PF) 今後 12 ヶ月間におけるトータルリターン(配当を含む)が-10%から-20%の間で

あると予想する場合。

売り 今後 12 ヶ月間におけるトータルリターン(配当を含む)が-20%以下であると予想

する場合。 格付け無し 対象銘柄は調査部より分析される可能性があるが、自発的な理由、または当社

が企業に対し合併や戦略的取引の助言を行うなどの特定条件下で法令や社内規

定の遵守の観点から格付けや目標株価の設定を行わない場合。

格付け中断 格付けや目標株価の設定を行うための基本的な情報が不十分な場合。前回の格

付けと目標株価(ある場合)は同銘柄に対して無効になる。

別段の定めがない限り、株価変動のパラメーターは資本の増加を反映するものであり、有効期限は 12 ヶ月である。将来に

おける株価変動は一時的に時価と目標株価に、上方または下方に差異を引き起こす可能性もある。そのため、株価変動の

パラメーターは柔軟に解釈される必要がある。

目標株価:殆どの場合では、目標株価はアナリストの評価による当該株式の現在の適正価値に等しい。目標株価はアナリ

ストの予想した状況が現実となりカタリストが機能し、市場がそれを認識した時に取引される価格である。しかしながら、カタ

リストが欠けているために市場が期間内に評価をしないとアナリストが考えた場合、目標株価は適正株価と異なることがあ

る。従って、殆どの場合では、当社の推奨は現在の市場の株価と当社の現在の適正株価の差異の評価である。

評価方法論:目標株価を算出するために、アナリストは割引フリー・キャッシュ・フロー及び比較分析など様々な評価方法を

駆使している(但し、これらの方法に限定することではない)。評価方法の選択は当該業界、当該企業、当該株式の特徴お

よび他の条件に依存する。企業の評価は下記の一つ、または複数の方法の組み合わせによって行われる。(1)倍数に基づ

くモデル(P/E, P/キャッシュ・フロー, EV/売上, EV/EBIT, EV/EBITA, EV/EBITDA)、類似企業との比較と歴史的な評価のア

プローチ、(2)割引モデル(DCF, DVMA, DDM)、(3)価値の分割アプローチまたは資産に基づく評価方法、(4)経済利益アプロ

ーチ(残存収益、EVA)などである。評価モデルは GDP 成長、金利、為替レート、原料価格とその他の経済に対する仮定と

当該企業の特定のリスクなどに依存している。また、市場の心理も企業の評価に影響を与える可能性がある。株式の評価

はまた期待感に基づいて、期待感は予告なく、素早く変化し、それぞれの業界の特定の技術開発に依存している。

リスク:過去のパフォーマンスは必ずしも将来の結果を示すものではない。為替レートはこのレポートに記載された証券また

は関連の投資商品のバリュー・価格または収入に悪影響を与える可能性がある。

キャピタル・パートナーズ証券株式会社

調査部

[email protected]

本レポートは、キャピタル・パートナーズ証券の提携先であるベトナム大手証券会社とキャピタル・パートナーズ証券子

会社のキャピタル・パートナーズ・ベトナム・コンサルティングが共同で作成・翻訳したものです。本レポートは、信頼でき

ると考えられる公開情報に基づき作成されたものですが、その内容の正確性及び完全性を保証するものではありませ

ん。本レポートに記載された内容等は作成時点のものであり、今後予告なく変更されることがあります。本レポートは投

資の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を意図するものではありません。本レポートに含まれる情報の

ご利用にあたっては、投資家ご自身の判断と責任でご利用下さい。

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商 号 等 キャピタル・パートナーズ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 62号

加入協会 日本証券業協会

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