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1 ブランド・コミュニティにおける 顧客間コンフリクトのマネジメント ―――はじめに ―――顧客間の反発 1. 定義 2. ブランド・コミュニティにおける反発 ―――既存研究レビュー 1. ブランド・コミュニティ 2. 正当性 ―――仮説設定 ―――Study1 1. 実験計画 2. 実験 1 1)被験者 2)測定尺度 3)マニピュレーション・チェック 4)分析結果 3. 実験 2 1)被験者 2)測定尺度 3)マニピュレーション・チェック 4)分析結果 4. 考察 ―――Study2 1. 実験計画 2. 実験 3 1)被験者 2)測定尺度 3)マニピュレーション・チェック 4)分析結果 3. 考察 ―――示唆 1. コンテンツビジネスにおける示唆 2. 他の産業における示唆 ―――本研究の意義 1. 学術的意義 2. 実務的意義 3. 今後の課題 ―――謝辞 参考文献 補録―――アンケート調査票 高市班 赤塚俊介 桐生紗季 太田一馬 高市麻輝 髙柳美帆

ブランド・コミュニティにおける 顧客間コンフリクトの ...c-faculty.chuo-u.ac.jp/~tomokazu/2017_kubozemi6_1.pdfである(Muniz and O’Guinn [2001] )。ブランド・コ

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1

ブランド・コミュニティにおける 顧客間コンフリクトのマネジメント

Ⅰ―――はじめに

Ⅱ―――顧客間の反発

1. 定義

2. ブランド・コミュニティにおける反発

Ⅲ―――既存研究レビュー

1. ブランド・コミュニティ

2. 正当性

Ⅳ―――仮説設定

Ⅴ―――Study1

1. 実験計画

2. 実験 1

(1)被験者

(2)測定尺度

(3)マニピュレーション・チェック

(4)分析結果

3. 実験 2

(1)被験者

(2)測定尺度

(3)マニピュレーション・チェック

(4)分析結果

4. 考察

Ⅵ―――Study2

1. 実験計画

2. 実験 3

(1)被験者

(2)測定尺度

(3)マニピュレーション・チェック

(4)分析結果

3. 考察

Ⅶ―――示唆

1. コンテンツビジネスにおける示唆

2. 他の産業における示唆

Ⅷ―――本研究の意義

1. 学術的意義

2. 実務的意義

3. 今後の課題

Ⅸ―――謝辞

参考文献

補録―――アンケート調査票

高市班

赤塚俊介 桐生紗季 太田一馬

高市麻輝 髙柳美帆

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Ⅰ―――はじめに

ブランドを愛好する消費者のコミュニティは、

ブランド・コミュニティとして企業のマーケティ

ングに活用されてきた。ブランド・コミュニティ

とは「ブランドのファンの間でつくられた集合を

もとに特定化された、地理的な制限がなくつくら

れたコミュニティである。そして特定のブランド

化された商品やサービスを囲んだコミュニティ」

である(Muniz and O’Guinn [2001])。ブランド・コ

ミュニティは企業にとって様々なメリットを持つ

ことが明らかになっている。それらのメリットの

中で最も注目されていることは、ブランド・ロイ

ヤルティの向上である( Thompson and Sinha

[2008])。

近年のソーシャルネットワークサービス(以下

SNS)の発展につれて、企業はブランド・コミュニ

ティ形成のために SNS を用いたマーケティング

を活発化させてきた。我が国の SNS 利用者の割

合は、2016 年時点で 60 代までの国民の 71.2%に

達した(総務省情報通信政策研究所 [2017])。趣味や

娯楽に関する情報を得るためにインターネットを

利用する人は全世代で 55.2%存在し、最も多い 20

代では 75.8%がそうした利用者層である(総務省

情報通信政策研究所 [2016])。なかでも SNS ユーザ

ーは、同じ趣味嗜好を持つ人と交流するために

SNS を利用している(総務省 [2015])。こうした現

状を活用しようと、多数の企業がマーケティング

に SNS を利用しているのである。大塚製薬は自

社の販売する清涼飲料水「ポカリスウェット」の

キャンペーンに SNS を活用した。ポカリスウェ

ットの公式アカウントをフォローして、特定のハ

ッシュタグをつけて写真や動画を投稿すると、抽

選でオリジナルグッズがプレゼントされるという

キャンペーンであった。

ブランド・コミュニティは SNS という交流の

場を得たことで、ブランドの価値向上の手段とし

ての立場を確立した。地理的な制限を必要としな

いブランド・コミュニティの性質は、SNS と非常

に相性が良い。例えば、資生堂は自社製品のユー

ザーに対して企業の SNS アカウントから、製品

やキャンペーンに関する情報の発信している。ま

た関心の高いユーザー向けに「SHISEIDO おめ

かし会議」というコミュニティを運営している。

このコミュニティは自社の化粧品や美容について

資生堂のファン同士で語り合う場として設けられ

ている。

また、企業はブランド・コミュニティ形成のた

めに SNS の共通の話題を抽出する機能を活用し

ている。SNS ではユーザーが自発的に「#○○ファ

ン」などを用いることで、ユーザー同士がフォロ

ーし合いコミュニティを広げていくことがある。

こうした動きを企業がブランド・コミュニティを

拡大に利用している。ディズニーは「スター・ウ

ォーズ」続編映画の公開に際して、自ら Twitter

で「#スター・ウォーズ」や「#最後のジェダイ」

などのハッシュタグを用いて発信した。「スター・

ウォーズ」のファンはそれをリツイートしたり、

同じハッシュタグを用いてツイートしたりするこ

とで顧客同士が繋がる機会を得た。こうした取り

組みは「スター・ウォーズ」に限った話ではない。

企業は SNS 上にユーザー同士が交流するきっか

けを提供することで、ブランド・コミュニティ形

成を促すことができる。

しかし SNS はコミュニティの形成に有用であ

るのと同時に、不特定多数の人間と接触すること

で、ユーザーに不快感を与えることもある。SNS

上では利用者個人の信条や選好の違いを挙げて、

他者への不快感をあらわにした発言が少なからず

見て取れる。

ユーザーが不快感を抱くことはブランド・コミ

ュニティでも発生している。特に多数の顧客が空

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間を共有する必要性のあるサービスや、ブランド

力があるため高関与な顧客が多くいるブランドに

よくみられる。アイドルグループの嵐の古参ファ

ンは、ファンの間でアラシックと呼ばれている。

彼らはコンサートの心得といった、独自の規範を

形成しており、その動きはネット上でも確認でき

る。また、急速にファン数が増加した際、彼らの

一部は、新規顧客をにわかと揶揄して、排他的な

行動をとっている。また、ラーメン二郎の愛好家

の間には独特なルールが共有されている。新規顧

客にもそのルールは強要されるため、友達が食べ

終わるまで待つ行為や、ゆっくり食べるといった

行為はヘビーユーザーに歓迎されない。このルー

ルを守れない新規顧客に対してヘビーユーザーが

直接怒りを露わにすることもある。

ヘビーユーザーがライトユーザーに対して不快

感を示されることで、ユーザー同士の対立関係が

発生する。SNS はユーザーが不快感を言葉にする

ことが容易なため、様々な問題を生み出している。

対立関係が生じたブランド・コミュニティは、

コミュニティ自体の価値が低下する。ブランド・

コミュニティのように、メンバーが能動的に関わ

るコミュニティでは、居心地の良さが求められる

(石川 [2015])。しかしユーザーにとって、自分に

敵対的な人間の属するコミュニティは居心地が悪

い。そのため対立関係に置かれたユーザーは、ブ

ランド・コミュニティから離れていく可能性があ

る。ブランド・コミュニティはユーザーのロイヤ

ルティを向上する手段であり、企業はユーザーの

離反を避けたい。ブランド・コミュニティ内の対

立関係は、ユーザーと企業の双方にとって好まし

くない。

ブランド・コミュニティにおいて代表的な対立

関係は、ヘビーユーザーと新規顧客の対立である。

ブランド・コミュニティ内では一部のヘビーユー

ザー同士で独特の規範意識を形成し、これにそぐ

わない新規顧顧客を批判の槍玉にあげる行為がた

びたび生じている。

ブランド・コミュニティに顧客間の対立が発生

したとき、企業は、新規顧客を大切にすると既存

顧客が離れていき、既存顧客を大切にすると新規

顧客が寄り付きにくいというジレンマに陥ってい

ると考えられる(図 1)。

■図―――1

ジレンマの概念図

既存顧客の維持は新規顧客の獲得に比べて容易

であるものの、既存顧客を優遇すれば新規顧客の

獲得がより難しくなるだろう。単なる既存顧客の

囲い込みのみを行っていてはいずれ成長が止まっ

てしまう。一方で、新規顧客の獲得のみに注力す

れば既存顧客の効用は低下するだろう。日本の 3

大携帯キャリアを見ても、そのことは自明である。

3 社とも他社の乗り換え顧客にばかり割引などの

キャンペーンを行ったために、長期契約の顧客か

らは不満の声が続出していた。ブランド・コミュ

ニティ内では、このような既存顧客への不満が、

企業に対してだけではなく新規顧客に対しても沸

企業

既存顧客 新規顧客

優遇 優遇

ユーザー間対⽴:無企業

既存顧客 新規顧客

優遇

企業

既存顧客 新規顧客

優遇

ユーザー間対⽴:有

離反

離反

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きおこる。「新規顧客の獲得」と「既存顧客の維持」

は双方とも企業が注目する戦略である。しかし、

この 2 つの戦略が同時に行われている場は考慮さ

れていない(Fornell [1992])。

企業はどのようにすれば新規顧客と既存顧客の

ジレンマを解決できるのだろうか。第 1 の方法と

して、ヘビーユーザーの新規顧客に対する不快感

を軽減することが考えられる。コミュニティ内に

ネガティブな感情が生じなければ、ブランド・コ

ミュニティの価値を落とさずに済む。第 2 の方法

として、不快感を示されることで新規顧客が不快

感を抱かないようにすることが考えられる。ヘビ

ーユーザーが不快感を抱いたとき、何らかの手段

で発散させなければヘビーユーザーはブランド・

コミュニティに対する不満を募らせるだろう。そ

うであるならば、新規顧客側が不快感をあらわに

されてもブランド・コミュニティのメンバー同士

で強い対立は発生しないはずである。

本研究ではヘビーユーザーがライトユーザーに

反発することで、ブランドにもたらされる影響に

ついて実証的に検討する。第 1 に、ブランド・コ

ミュニティにおいてヘビーユーザーがライトユー

ザーに反発するメカニズムを、正当性を用いてモ

デル化する。第 2 に、ブランド・コミュニティに

対する潜在顧客の態度を用いて、ヘビーユーザー

のライトユーザーに対する反発が、ブランドに与

える影響をモデル化する。

Ⅱ―――顧客間の反発

1. 定義

本研究では、「ある集団に属する消費者が、同じ

集団に属する他の消費者に対して不快感を与える

こと、そうした不快感を言語化して発する行為」

を反発と定義する。

この定義を行う上で、チャネル研究のコンフリ

クトの定義を参考にした。チャネル研究における

定義によると、コンフリクトは「人や集団が自身

の目的を達成するにあたり、他の人間や集団を邪

魔だと知覚している状態」として定義される

(Stern and El-Ansary [1977])。コンフリクトとは、

実際の状態と望んでいる状態がかけ離れているこ

とによって、二つ以上の個人、グループ、組織な

どの社会的な存在の間で生じる緊張である(Gaski

[1984])。コンフリクトの発生する原因として、二

者間の目標や目的、価値の不適合性が存在する。

コンフリクトが行動として表出する場合は、相手

の行動を妨害する、相手を傷つけるなどの敵対的

な行為として観察される(Stern [1971])。

コンフリクトと反発の最も大きな違いは、反発

行動の対象が反発行動の主体の属する集団のメン

バーであることである。

■図―――2

コンフリクト及び反発の概要

この関係を図2に示す。自覚の有無を問わず、

反発の主体は集団から反発の対象を追い出す意図

をもって反発行動を行うのである。

本研究が対象とする反発行為は、反発の主体を

特定ブランドのヘビーユーザー、反発の対象を同

一ブランドのライトユーザーとし、ブランド・コ

主体(コンフリクトを感じる⼈・反発する⼈):Ⓐ客体(コンフリクトの対象・反発の対象):Ⓑコンフリクト線・反発線:

A

B

コンフリクト 反発

B

A

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ミュニティ内における顧客間の対立構造を取り扱

う。

2. ブランド・コミュニティにおける反発

ブランドのヘビーユーザーが反発行為を行う背

景として、社会的アイデンティティがある。特定

の集団の成員である個人は、自己と所属する集団

を同一視することで自己概念として社会的アイデ

ンティティを形成することが知られている。社会

的アイデンティティを形成した個人は、自尊心を

維持するために、自身の属する集団をひいきする

と同時に、外集団に対して差別的な対応をとる

(Tajfel and Turner [1979], 久保田・吉田 [1995])。そ

して、ブランド・コミュニティは、社会的アイデ

ンティティを形成する同一視の対象になる

(Algesheimer, Dholakia, and Herrmann [2005])。社

会的アイデンティティはコミュニティへの参加欲

求、コミュニティへの参加意図、参加行動を媒介

して最終的なブランド行動に到達する(Bagozzi

and Dholakia [2006])。

しかし、ユーザーがブランド・コミュニティ内

で仲間として認められるには、ブランドの愛好以

外にも何らかの条件があると考えられる。同一の

ブランド・コミュニティ内では、ブランドのユー

ザー全員が必ずしもひいきされていないからであ

る。現実には反発行為は同一ブランドを愛好する

ユーザー間でも発生している。

そこで、本研究では、アイドルや音楽や創作な

どのコンテンツビジネスを研究対象とする。なぜ

なら、コンテンツは複数のユーザーが時間、空間

を共有する場をもっている場合や、ユーザーの関

与が強い場合が多いからである。そのためユーザ

ー同士の接触の機会が増え、反発行為は発生しや

すくなる。

Ⅲ―――既存研究レビュー

1. ブランド・コミュニティ

ブランド・コミュニティの持つメリットに関し

て、様々な研究が蓄積されている。ブランド・コ

ミュニティは「ブランドのファン同士で作られた

社会的な関係をもとに特定化された、地理的な制

限がなく作られたコミュニティである。そして特

定のブランド化された商品やサービスを囲んだコ

ミュニティ」である(Muniz, and O’Guinn [2001])。

ブランド・コミュニティに参加することにより、

消費者はブランドに関して獲得できる情報量が増

加する。そのため、新製品の採用可能性が高まる

効果があることが報告されている(Thompson and

Sinha [2008])。また、ブランド・コミュニティのメ

ンバー同士がブランドの情報を共有して、製品や

サービスに関するトラブルに対して相互に助言を

与え合うなどの行動を確認している(McAlexander,

Schouten, and Koenig [2002])。従来は販売員やカス

タマーセンターが業務として担ってきた役割をユ

ーザーが担うことにより、製品、サービスの購買

後においてもブランド・コミュニティは顧客に対

する影響力を持つのである。

ブランド・コミュニティに対して企業が介入す

ることにより、企業そのものの活動を向上させる

動きも活発である。Panasonic は自社ノートパソ

コンブランド「レッツノート」の製品改良に際し、

ブランド・コミュニティでユーザー同士が自由に

交わす意見を活用している。(森田 [2003])ネスレ

社は自社のブランドの「ネスカフェ」を軸とした

ブランド・コミュニティの運営を行い、顧客自身

に製品を市場に浸透させるよう促すことでプロモ

ーションに利用している(山本 [2009])。ブランド・

コミュニティの利用価値が明らかになるにつれ、

ブランド・コミュニティを活用する企業側の成果

だけではなく、参加する消費者の意識や行動の解

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明にも関心が向けられるようになってきている

(宮澤 [2011])。

ブランド・コミュニティの維持、活性化につい

て研究が蓄積される一方で、新たなブランド・コ

ミュニティのメンバー獲得についての研究は極め

て少ない。消費者が購買の意思決定に利用する情

報を求めてブランド・コミュニティに参加するこ

とは明らかにされている(Hung and Li [2007], Ba-

gozzi and Dholakia [2006])。しかし、どのようにし

てブランド・コミュニティが新たなメンバーを受

け入れるかに言及している論文は発見できなかっ

た。ブランド・コミュニティを規定する要素とし

て「同類意識」、「儀式と伝統」、「道徳的責任」の

3 つが存在するのだが、これら 3 つの要素は個々

のブランド・コミュニティによって現れ方が異な

る(Muniz and O’Guinn [2001])。1そのため、汎用的

な指標を用いてブランド・コミュニティの規模を

把握することは困難である。このことは、ブラン

ド・コミュニティへ参加するとき、単にブランド

のユーザーであるだけでは、既存顧客からの承認

が得られないことからも明らかである。

2. 正当性

正当性の研究は、目新しさを持つために社会に

受容されにくい主体が、正当性を獲得することで

社会に受容されやすくなることを説明したものが

多い。正当性とは「主体の行動が、ある社会に構

成された規範・価値・信念・定義のシステム内で、

望ましい・真っ当である・適切であるとされる一

般的な認知または想定である」と定義される

(Suchman [1995])。

正当性は社会科学の研究で広く利用される概念

の一つである。そのため、正当性は共有財の管理

1 「儀式と伝統」 とは、 コミュニティのメンバーがそ

のブランドの歴史やブランド・ストーリー, またコミ

ュニティのしきたりなどを共有することである。同時

権をめぐる制度的基盤と認知的基盤の相互作用

(野波・加藤 [2012])をはじめとした政治や法律の

分野から、国際会計基準の検討(真田 [2009])のよ

うな会計分野まで、分野を選ばず用いられる。正

当性は組織の適切性、受容性、および好ましさを

社会的に審判する(Zimmerman and Zeitz [2002])。

また、人間の振る舞いにも正当性は適用される。

怒りには社会的に共有されたルールがあり、この

ルールに基づいて個々の怒りの正当性が評価され

る(Averill [1993])。さらに、表出された怒りに正

当性がないと判断されると、新たな怒りが生じる

(大渕 [1993])。

マーケティングの分野においてはイノベーショ

ンの普及に正当性を応用する研究が盛んである。

鈴木 [2013] はイノベーションの普及者がフレー

ミング活動によって、イノベーションを正当化す

るプロセスについて検討している。例えば、1990

年代以降に拡大した「自分へのご褒美」消費は当

初は社会からは否定的に捉えられていた。しかし

複数の業界の企業が「自分へのご褒美」消費にフ

レーミングを用いて正当性を与えることで消費拡

大を促進した。新規ベンチャー企業が社会での地

位を確立した企業と提携すること、あるいは社会

で評判のいい人材を獲得することで、市場での正

当性獲得が可能であることも明らかになっている

(Raghunath, Rajesh and Jaideep [2008])。さらに正

当性を獲得したベンチャーは、そうでないベンチ

ャーに比べてより多くの利益を獲得できることも

明らかになっている。

しかし、ブランド・コミュニティにおいて、ユ

ーザーに正当性を適用した研究はない。新規ユー

ザーは、ブランドを利用しはじめて日が浅く、ブ

ランド・コミュニティにおいて目新しさがある。

そのため、ブランド・コミュニティを一つの社会

に、コミュニティの内外にそれを伝達することである (Muniz and O'Guinn [2001])。

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として考えたとき、新規ユーザーがブランド・コ

ミュニティ内で正当性を獲得すれば、コミュニテ

ィのメンバーとして受容されやすくなると考えら

れる。

本研究は、仲間意識の獲得には「コミュニティ

内の規範の順守」が影響を及ぼしていると考える。

そこで正当性を用いて、ライトユーザーの正当性

の獲得が、ヘビーユーザーの反発感情に与える影

響について検討する。

Ⅳ―――仮説設定

本研究は、正当性を活用してヘビーユーザーが

ライトユーザーへ反発するメカニズムと、その帰

結をモデル化する。

ブランド・コミュニティを規定する要素の中で

も「儀式と伝統」は正当性と大きく関係があると

考えられる。なぜならこの 2 つはコミュニティ内

に共有される決まり事によって定義されるからで

ある。そのため、ライトユーザーは正当性を獲得

することで、ブランド・コミュニティのメンバー

として認められるものと考えられる。したがって

以下の仮説を提唱する。

仮説 1:ライトユーザーが正当性を獲得してい

るとき、獲得していないときに比べて、ヘビーユ

ーザーの反発は小さくなる。

しかし、ユーザーがコミュニティに参加する前

に、コミュニティ内の暗黙の了解を把握すること

は困難である。コミュニティの新規メンバーは、

正当性を獲得しないままコミュニティに参加する

ため、ほとんどが反発を受けることになる。だが

現実には、すべての新規メンバーがコミュニティ

から反発されるわけではない。

そのため、正当性の無い状態でブランド・コミ

ュニティに参加しても反発を和らげる要素がある

ものと考えられる。その要素があるために、新規

メンバーはコミュニティ内で暗黙の了解を把握し

ていなくても、コミュニティのメンバーから反発

を受けずに済む。この作用がある要素として、親

密性が考えられる。

人間は親密性を感じる人に対しては寛容に対応

するものである。実際に友人や恋人のような親密

に思っている相手には怒りを感じても許しやすい

傾向にある。一方で見知らぬ人のような親しくな

い間柄では許しにくい傾向にあることも分かって

いる(McCullough [2001], 日比野・吉田 [2006])。し

たがって以下の仮説を提唱する。

仮説 2:ライトユーザーが正当性を獲得してい

ないとき、ヘビーユーザーとライトユーザーの間

に親密性があると、ヘビーユーザーの反発は親密

性が無いときよりも小さくなる。

ブランド・コミュニティでは、コミュニティの

メンバーである期間が長いほど、格の高いメンバ

ーであるとみなされる傾向がある。ブランドを長

期的に愛好しているメンバーほど製品の購買回数

も多くなり、ブランドを経済的に支援しているか

らである。そうした自負からか、ヘビーユーザー

はメンバー歴が浅いライトユーザーを格下として

とらえがちである。

企業がすべての顧客に平等に対応すると、ヘビ

ーユーザーはライトユーザーに対して不公平だと

感じる。投資額が異なるにもかかわらず、ヘビー

ユーザーはライトユーザーと平等の購買機会しか

与えられないためである。こうした状況は、ヘビ

ーユーザーのライトユーザーに対する羨望を誘発

する。

ヘビーユーザーはライトユーザーに羨望を感じ

たとき、ライトユーザーに正当性があっても反発

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すると考えられる。羨望には良性の妬みと悪性の

妬みが存在する。良性の妬みは自分自身を高める

などポジティブな働きがある。一方、悪性の妬み

を感じると、優れた相手を貶めたり傷つけたりす

ることや,相手が何かで失敗することを望むよう

になる(Neu [1980], Van, Zeelenberg and Pieters

[2009])。ライトユーザーに悪性の妬みを感じたヘ

ビーユーザーは、例えライトユーザーが正当性を

獲得していても反発行動をとるだろう。したがっ

て以下の仮説を提唱する。

仮説 3:ライトユーザーが正当性を獲得してい

るとき、ヘビーユーザーがライトユーザーに羨望

を抱くと、ヘビーユーザーの反発は羨望を抱かな

いときよりも大きくなる。

仮説 1、仮説 2、仮説 3 をモデルとして示した

ものが図 3 である。

■図―――3

Study1 の概念モデル

ヘビーユーザーの反発は、減少はしても完全に

はなくならない。なぜなら、ブランド・コミュニ

ティの外にいる人間に、暗黙の了解を完全に周知

させることは難しいためである。そのため、仮に

企業が周知を促したとしても、すべてのブランド・

コミュニティの新規メンバーが規範を熟知してコ

ミュニティに参加することはあり得ない。

反発行為を目にした潜在顧客は、自身も反発さ

れることを恐れてブランドから離れてしまうかも

しれない。潜在顧客はヘビーユーザーよりもライ

トユーザーに似ている。自身と似たライトユーザ

ーがヘビーユーザーから反発されている様子を見

たとき、潜在顧客は「ブランド・コミュニティに

参加したら自身も反発されるかもしれない」と考

えるだろう。よって以下の仮説を提唱する。

仮説 4: 潜在顧客がヘビーユーザーのライトユ

ーザーに対する反発を見たとき、ブランドに対す

る態度は下がる。

しかし、潜在顧客が反発行為を気にしなくなれ

ば、企業は反発の悪影響を気にせずに済む。新規

メンバーがコミュニティへの参加をためらわなく

なれば、ヘビーユーザーの不快感を反発で発散さ

せつつ新規メンバーも獲得できる。そのためには、

潜在顧客が反発の影響は小さいと考えるか、自身

は反発されないと思ってもらう必要がある。

メンバー同士の同質性が高いブランド・コミュ

ニティに対して、潜在顧客は参加をためらうと考

えられる。グループのメンバーがグループの同質

性を高めようとすると、そのグループは排他性の

高い集団となってしまう(長谷川 [2014])。このこ

とを経験的に知る潜在顧客は、メンバーの同質性

が高いコミュニティを排他性が高いコミュニティ

だと判断し、反発を恐れてブランド・コミュニテ

ィに参加しない可能性がある。

ブランド・コミュニティのユーザーが多様であ

れば、潜在顧客は反発を気にしないであろう。つ

まりブランド・コミュニティの同質性を下げるこ

とで、ブランド・コミュニティが排他的になるこ

とを防げられると考えられる。したがって以下の

仮説を提唱する。

ライトユーザーの

正当性

ヘビーユーザーのライトユーザーに対する

羨望

仮説2

ヘビーユーザーのライトユーザーに対する

反発

仮説1

ヘビーユーザーとライトユーザーの

親密性

仮説3

(—)

(-)

(+)

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仮説 5:ヘビーユーザーの反発があるとき、潜

在顧客がユーザーに多様性を感じると、ブランド

に対する態度は多様性を感じない時よりも高くな

る。

仮説 4 と、仮説 5 をモデルとして示したもの

が図 4 である。

■図―――4

Study2 の概念モデル

Ⅴ―――Study1

ブランドは製品に付与されるものであるが、製

品とは有形の提供物だけではない。マーケティン

グの考え方では、顧客の欲求やニーズに応えるも

のであれば、無形であっても製品とみなされる。

例えば、コンテンツの他にも、人やサービス、イ

ベント、場所、情報などの無形の製品が市場に投

入されている(Kotler and Keller [2008])。

そこで本研究では、実証研究の題材として、コ

ンテンツのブランド・コミュニティを用いる。そ

して、ヘビーユーザーの反発がライトユーザーに

与える影響とその帰結について検討する。コンテ

ンツはファンコミュニティとして強力なブラン

ド・コミュニティを形成できる。そのため、ブラ

ンド・コミュニティで生じるユーザーのコンフリ

クトを研究するには最適な題材である。コンテン

ツを取り扱うことで、すべての製品に対する示唆

を見出す。

Study1 では仮説 1、2、3 を実証的に吟味する。

1. 実験計画

提唱した仮説の妥当性を吟味するために、

Study1 では「三代目 J Soul Brothers」のファン

を対象とした 2 度の実験を実施した。

本研究では「三代目 J Soul Brothers」が研究の

題材として適切であると判断した。「三代目 J Soul

Brothers」は 2010 年にメジャーデビューした。

デビューから 4 年後にリリースしたアルバムがオ

リコンチャート 4 週連続 1 位という快挙を成し遂

げ、さらに日本レコード大賞も受賞した。この年

開催されたライブツアーでは約 40 万人を動員し

た。この経緯から、2014 年以降ファンが急増して

いると推測され、ファンのコミュニティ内でヘビ

ーユーザーからライトユーザーに対する反発が生

まれているものと考えられる。

実験 1 と 2 はともに、被験者をランダムに 4 つ

のグループに分けた 2×2 の被験者間計画である。

Study1 では反発に影響を与える独立変数を 3

つ用いた。1 つ目の独立変数は正当性であり、ラ

イトユーザーがコミュニティに入っていく際に

「正当性を獲得している」/「正当性を獲得してい

ない」、の 2 つのカテゴリーを含んでいる。2 つ目

の独立変数は親密性であり、ヘビーユーザーがラ

イトユーザーと「親しい間柄である」/「親しい間

柄ではない」、の 2 つに分けた。3 つ目の独立変数

は羨望であり、ヘビーユーザーがライトユーザー

に対して「羨望を抱いている」/「羨望を抱いてい

ない」、の 2 つである。

統計技法には二元配置分散分析を採用し、統計

パッケージとして Stata SE/15.0 を使用した。

ヘビーユーザーのライトユーザーに対する

反発

潜在顧客の

知覚多様性

仮説5

潜在顧客の

態度

仮説4(-)

(+)

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2. 実験 1

(1)被験者

実験 1 ではシナリオ実験を実施した。

グループの振り分けは 4 種類の質問票をシャッ

フルした上で、ランダム割当(random assignment)

になるよう、質問票を配布した。

実験は以下の通りである。事前に被験者の「三

代目 J Soul Brothers」のファンとしての特性を知

るためにファン歴と熱中度を測定した。

次にシナリオとして、仮想の人物「タカハシさ

ん」が最近「三代目 J Soul Brothers」のファンに

なっており、ファン歴が浅いことを提示した。そ

の際、被験者と「タカハシさん」が親しい間柄で

あるシナリオと、被験者と「タカハシさん」は見

知らぬ間柄であるシナリオを用意した。さらに、

ファン歴の浅い「タカハシさん」が「三代目 J Soul

Brothers」のファンコミュニティ内で浸透してい

るルールを守って正当性を獲得しているシナリオ

と、それを守らず正当性を獲得していないシナリ

オを用意した。これらを組み合わせて 4 つのグル

ープに提示した。最後に「タカハシさん」へ「反

発」を抱いたかを被験者全員に回答してもらった。

実験 1 は 2017 年 10 月 7 日の「三代目 J Soul

Brothers LIVE TOUR 2017 “UNKOWN

METROPOLIZM”」に訪れているファンを対象に、

東京ドーム周辺で質問票を用いた実地調査による

実験を実施した。被験者は 83 名で有効回答数は

83 であった。

実験 1 の流れは図 5 に示される通りである。

■図―――5

実験 1 の流れ

(2)測定尺度

分析に用いられる構成概念に関する質問項目は、

先行研究をもとに設定した。「熱中」の質問項目に

は Karasawa [1991] の集団同一視尺度を代理の

測定尺度として用いた(α=0.87)。また、「反発」

の質問項目には高木 [2003] の否定的対人感情尺

度の嫌悪感の項目を代理の測定尺度として用いた

(α=0.96)。2 つの尺度は 7 点リカート尺度で測定

された。

質問票の内容は補録を参照されたい。

(3)マニピュレーション・チェック

実験を行うにあたり、被験者にマニピュレーシ

ョンが利いているのかを確かめるために、マニピ

ュレーション・チェックを実施した。

正当性に関するマニピュレーション・チェック

は Suchman [1995] の正当性の定義より尺度を作

成し、7 点リカート尺度を用いた(α=0.93)。t 検

定を実施した結果、1%水準で有意だった(正当性

三代⽬JSBへの熱中度

ランダム割当

正当性なし/親密性あり③‐A

正当性なし/親密性なし③‐B

正当性あり/親密性あり③‐C

正当性あり/親密性なし③‐D

ライトユーザーへの反発度④

正当性のマニピュレーション・チェック⑤

親密性のマニピュレーション・チェック⑥

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なし:M=2.66, 正当性あり:M=4.63, t(81)=-5.39, p=0.00)。

また親密性のマニピュレーション・チェックには

下斗米 [2000] の尺度を用い、7 点リカート尺度で

測定した(α=0.91)。t 検定を実施した結果、1%水

準で有意だった(親密性なし :M=2.71, 親密性あ

り:M=3.67, t(81)=-2.74, p=0.01)。

t 検定の結果、グループ間に平均値の差がある

ことが確認されたので、マニピュレーションは成

功したものと判断される。

(4)分析結果

仮説 1 は、正当性の主効果が有意であることが

示されれば仮説が支持されたとみなされる。仮説

2 はライトユーザーが正当性を獲得していない時

における親密性の単純主効果が有意であること、

また、ライトユーザーが正当性を獲得していない

時において親密性がある時に親密性がない時より

もヘビーユーザーの反発が低くなることが示され

れば、仮説が支持されたとみなされる。

分析の結果、正当性に関する主効果は 1%水準

で有意であった(F(1,79)=21.22, p=0.00)。一方で、

交互効果は非有意であった(F(1,79)=0.19, p=0.66)。

さらに、ライトユーザーの正当性がない時におけ

る親密性の単純主効果も非有意であった(親密性な

し:M=3.83, 親密性あり:M=3.43, t(79)=-0.86, p=0.39)。

グラフは図 6 に示される通りである。

実験 1 の結果から、ライトユーザーが正当性を

獲得した場合、正当性を獲得していない場合に比

べて反発されないことが分かった。また、ヘビー

ユーザーがライトユーザーと親しい間柄だったと

しても、ライトユーザーが正当性を獲得していな

ければ反発されるということが分かった。

2 ヘビーユーザーだけを調査対象とするために、熱中

■図―――6

実験 1 の分析結果

3. 実験 2

(1)被験者

実験2は実験1と同様、「三代目J Soul Brothers」

のファンを対象とした。

実験 2 は実験 1 で実施した実地調査に加えて、

サンプルサイズを大きくするためにGoogle Form

を用いたウェブ実験を実施した。2

実験を行うにあたり、実地調査による実験とウ

ェブ実験は同等に扱ってもよいかを確かめるため、

t 検定を行った。実験で用いられた質問項目の回

答に実地調査の被験者とウェブの被験者で差がな

いことが示されれば同等のデータとして扱っても

よいこととなる。その結果、正当性(ウェブ:M=4.18,

実地 :M=3.38, t( 128 )=-2.34, p=0.02)、羨望(ウェ

ブ:M=3.2, 実地:M=2.78, t(128)=-1.53, p=0.13)、反発

(ウェブ:M=2.55, 実地:M=2.61, t(128)=0.19, p=0.85)

のいずれも有意ではなかった。

これらの結果により、平均値に差はないという

帰無仮説は棄却されなかった。したがって、実地

調査によるデータとウェブによるデータを同等に

扱うものとする。

グループの割当については実地調査では実験 1

と同様の方法を用いた。ウェブ実験では誕生月を

用いた。誕生月は性別や年齢などに影響を受けな

度が 2 以下の回答者は分析から取り除いた。

親密性:無

正当性

反発

無 有

親密性:有

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いため、被験者のランダム割当のために適切な変

数である。

実験の流れは以下の通りである。事前に、実験

1 と同様にファン歴と熱中度を回答してもらった。

次にシナリオとして仮想の人物「タカハシさん」

が最近「三代目 J Soul Brothers」のファンになっ

ておりファン歴が浅いことを提示した。その際、

「タカハシさん」が次の「三代目 J Soul Brothers」

のコンサートに当選している中で、被験者が同じ

コンサートに当選したシナリオと落選シナリオを

用意した。さらに、ファン歴の浅い「タカハシさ

ん」が「三代目 J Soul Brothers」のファンコミュ

ニティ内で浸透しているルールを守って正当性を

獲得しているシナリオとそれを守らず正当性を獲

得していないシナリオを用意した。これらを組み

合わせて 4 つのグループに提示した。最後に「タ

カハシさん」へ「反発」を抱いたかを被験者全員

に回答してもらった。

実験 2 は 2017 年 10 月 18 日の「三代目 J Soul

Brothers LIVE TOUR 2017 “UNKOWN

METROPOLIZM”」に訪れているファンを対象に

東京ドーム周辺で質問票を用いた実地調査による

実験と、10代から20代の「三代目J Soul Brothers」

ファンを対象にウェブ実験を実施した。被験者は

実地調査 80 名、ウェブ 50 名の計 130 名である

が、有効回答数は 127 であった。

実験 2 の流れは図 7 に示される通りである。

(2)測定尺度

実験 2 でも実験 1 と同様に、集団同一視尺度

(α=0.81)と否定的対人感情尺度の嫌悪感の項目

(α=0.95)を測定尺度として用い、それらを 7 点

リカート尺度で測定した。

質問票の内容は補録を参照されたい。

■図―――7

実験 2 の流れ

(3)マニピュレーション・チェック

正当性に関するマニピュレーション・チェック

は実験 1 と同様の尺度を用い、t 検定を実施した

(α=0.95)。その結果、1%水準で有意だった(正当

性なし :M=2.60, 正当性あり :M=4.87, t( 125 )=-8.26,

p=0.00)。また羨望のマニピュレーション・チェッ

クには Smith, Parrott, Diener, Hoyle, and Kim

[1999] の DES(Dispositional Envy Scale)項目を用

いて測定した(α=0.79)。t 検定の結果、5%水準で

有意だった(羨望なし:M=2.65, 羨望あり:M=3.25, t(125)

=-2.21, p=0.03)。

したがって、グループ間の平均値の差を確認し

たため、マニピュレーションは成功したものと判

断される。

(4)分析結果

仮説 3 は、ライトユーザーが正当性を獲得して

いるときにおける羨望の単純主効果が有意である

こと、またライトユーザーが正当性を獲得してい

三代⽬JSBへの熱中度

ランダム割当

正当性なし/羨望あり③‐A

正当性なし/羨望なし③‐B

正当性あり/羨望あり③‐C

正当性あり/羨望なし③‐D

ライトユーザーへの反発度④

正当性のマニピュレーション・チェック⑤

羨望のマニピュレーション・チェック⑥

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るときにおいて羨望がある時にない時よりもヘビ

ーユーザーの反発が高くなることが示されれば、

仮説が支持されたとみなされる。

分析の結果、正当性に関する主効果は 1%水準

で有意であった(F(1,123)=26.36, p=0.00)。羨望に関

する主効果は 5%水準で有意であった(F(1,123)=3.97,

0.05)。一方で交互効果は非有意であった(F(1,123)

=0.02, p=0.89)。さらに、ライトユーザーの正当性

がある時における羨望の単純主効果は非有意であ

った(羨望なし:M=1.48, 羨望あり:M=2.11, t(123)=1.46,

p=0.15)。グラフは図 8 に示される通りである。

■図―――8

実験 2 の分析結果

実験 2 の結果から、ライトユーザーが正当性を

獲得していたとしてもヘビーユーザーはライトユ

ーザーに羨望を抱くと反発をすることが分かった。

つまり、ライトユーザーは正当性を獲得していた

としても、ヘビーユーザーが羨ましいと感じる行

動をすると反発されることが分かった。

4. 考察

実験 1 の分析結果より、「正当性」は仮説の通り

主効果が確認された。したがって仮説 1 は支持さ

れた。すなわち、ライトユーザーが正当性を獲得

3 株式会社マーケティングアプリケーションズが提供

するアンケートサービスである。インターネット調査

しているときそうでないときよりも、ヘビーユー

ザーはライトユーザーに対して反発しにくくなる

ことが明らかになった。これは仮説 1 で述べた通

りライトユーザーがコミュニティ内に存在する規

範や価値を理解し正当性を獲得することで、ヘビ

ーユーザーの反発が抑えられたものと考えられる。

一方で、ライトユーザーが正当性を獲得してい

ない時における親密性の単純主効果は非有意だっ

た。したがって仮説 2 は棄却された。親密である

相手に対しては寛容になりやすいとされていたた

め、ライトユーザーが正当性を獲得していなかっ

たとしてもヘビーユーザーと親しい間柄では反発

は弱まると考えていた。しかし結果から、たとえ

親しい間柄でも正当性の獲得が重視され、正当性

を獲得しなければ反発されてしまうことが見出さ

れた。

次に実験 2 の分析結果より、正当性、羨望の主

効果は共に有意だったものの、交互効果と単純主

効果は非有意であった。したがって仮説 3 は棄却

された。ヘビーユーザーがライトユーザーに対し

てうらやましいと思う気持ちは正当性獲得の影響

を大幅に弱めるとは考えられない。しかし、ライ

トユーザーへの羨望はライトユーザーが正当性を

獲得しているか否かにかかわらず、ヘビーユーザ

ーの反発を生むものであることが考えられる。

Ⅵ―――Study2

1. 実験計画

Study2 においては、仮説の経験的妥当性を吟味

するために、「アンとケイト」を用いたウェブ実験

を実施した。3

Study2 は、被験者をランダムに、4 つのグルー

モニターにはおよそ 746 万人がいる。

羨望:無

正当性

反発

無 有

羨望:有

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プに分けた 2×2 の被験者間実験である。1 つ目の

独立変数は反発であり、ヘビーユーザーがライト

ユーザーに対して「反発をしている」/「反発をし

ていない」の 2 つのカテゴリーである。2 つ目の

独立変数は知覚多様性であり、潜在顧客がコミュ

ニティの「多様性を知覚している」/「知覚してい

ない」の 2 つに分けた。

グループの振り分けには Study1 のウェブ実験

と同様にランダム割当になるよう、誕生月を使用

した。

実験の流れは以下の通りである。研究に一貫性

を持たせるために Study2 も「三代目 J Soul

Brothers」を題材にした。はじめにシナリオとは

関係なく、潜在顧客のみを抽出するために「三代

目 J Soul Brothers」に関する商品の購買の有無の

回答を得た。

次にシナリオとして、被験者が「三代目 J Soul

Brothers」に興味を持ち、インターネットで「三

代目 J Soul Brothers」について検索をしたという

状況を提示した。その際、「三代目 J Soul Brothers」

のヘビーユーザーがライトユーザーに対して反発

しているコメントを見るシナリオと、反発のない

コメントを見るシナリオを用意した。反発ありの

シナリオを見せたグループには「三代目 J Soul

Brothers」のファンコミュニティ内で特定のファ

ンに対して不快感を抱いた経験がある人は全体の

35%を占めているということも提示した。4さらに

「三代目 J Soul Brothers」のファンの多様性を示

すシナリオと、多様性を示さないシナリオを用意

した。最後に「三代目 J Soul Brothers」に対する

「態度」の回答を被験者全員から得た。

実験 3 の流れは図 9 に示される通りである。

4 Study1 の実地調査で「正当性なし」シナリオに割

り当てられたヘビーユーザーの中で、反発が 4 点以上

■図―――9

実験 3 の流れ

2. 実験 3

(1)被験者

Study2 は潜在顧客を対象にした。ウェブ実験は

2017 年 10 月 25 日から 26 日の 2 日間に、10 代

から 30 代の全国の男女を対象に実施した。被験

者は 332 人であるが、そのうち、購買経験のない

266 人を抽出した。さらに同じ回答を続けており、

シナリオをよく読んでいないと判断されるものを

除外したため、有効回答数は 179 であった。

(2)測定尺度

分析に用いる構成概念の質問項目は、先行研究

をもとに設定した。「態度」の質問項目には

Mitchell and Olson [1981] の測定尺度を用い、7

点リカート尺度で測定された(α=0.95)。

質問票の内容は補録を参照されたい。

の回答者の割合がおよそ 35%だった。

三代⽬JSBに関連する商品の購買経験

ランダム割当

反発なし/知覚多様性あり③‐A

反発なし/知覚多様性なし③‐B

反発あり/知覚多様性なし③‐C

反発あり/知覚多様性あり③‐D

三代⽬JSBへの態度④

反発のマニピュレーション・チェック⑤

知覚多様性のマニピュレーション・チェック⑥

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(3)マニピュレーション・チェック

まずマニピュレーション・チェックを実施した。

反発のマニピュレーション・チェックは鈴木・小

川 [2005]、杉山・坂本 [2006] の被受容感尺度を用

い、7 点のリカート尺度で測定した(α=0.96)。被

受容感尺度を反発の代理の尺度として用いた理由

は、被験者がヘビーユーザーのライトユーザーに

対する反発を見た際に、ライトユーザーがコミュ

ニティ内においてヘビーユーザーに受け入れられ

ている、と被験者は感じないと考えたからである。

t 検定を実施した結果、1%水準で有意だった(反

発なし:M=3.55, 反発あり:M=2.68, t(177)=4.48, p=0.00)。

また多様性のマニピュレーション・チェックでは

ファンの属性に多様性がどの程度見られたかを問

う質問項目を設けた(α=0.88)。反発と同様に 7 点

リカート尺度で測定した。t 検定を実施した結果、

片側検定を見たところ 5%水準で有意だった(反発

なし:M=4.38, 反発あり:M=4.78, t(177)=-1.78, p=0.03)。

したがって、グループ間に平均値の差があるこ

とが確認されたので、マニピュレーションは成功

したものと判断される。

(4)分析結果

仮説 4 は、反発の主効果が有意であることが示

されれば仮説が支持されたとみなされる。仮説 5

はヘビーユーザーがライトユーザーに反発してい

る時における知覚多様性の単純主効果が有意であ

ること、また、ヘビーユーザーがライトユーザー

に反発している時に潜在顧客が多様性を知覚した

時に多様性を知覚しない時よりも潜在顧客のコン

テンツに対する態度が高くなることが示されれば、

仮説が支持されたとみなされる。

分析の結果、反発の主効果は非有意だった(F

(1,175)=0.52, p=0.47)。同じく知覚多様性の主効果も

非有意だった(F(1,175)=0.01, p=0.91)。一方で、有

意な交互効果と単純主効果が確認された。反発と

知覚多様性の交互効果が 1%水準で有意であった

(F(1,175)=16.32, p=0.01)。また反発なしにおける知

覚多様性の単純主効果は 10%水準で有意であっ

た(多様性なし:M=4.42, 多様性あり:M=3.97, t(175)=-

1.76, p=0.08)。さらに反発ありにおける知覚多様性

の単純主効果は 5%水準で有意であった(多様性な

し:M=3.84, 多様性あり:M=4.61, t(175)=2.22, p=0.03)。

グラフは図 10 に示される通りである。

■図―――10

実験 3 の分析結果

以上の結果から、ヘビーユーザーがライトユー

ザーに反発している場合、潜在顧客がコンテンツ

のユーザーに多様性があると知覚したほうがして

いないときに比べて、潜在顧客の態度を上昇させ

ることがわかった。一方で、ヘビーユーザーが反

発していない場合は潜在顧客がコンテンツのユー

ザーの多様性を知覚しないほうが態度を高めるこ

とがわかった。

3. 考察

実験 3 では、有意な単純主効果と交互効果が確

認された。すなわち、ヘビーユーザーの反発があ

るとき、潜在顧客が、ユーザーが多様であると感

じていないと、潜在顧客のブランドに対する態度

知覚多様性:無

反発

態度

無 有

知覚多様性:有

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が下がるといえる。

よって仮説 4 は棄却されたが、仮説 5 は支持さ

れた。ヘビーユーザーが反発していても、潜在顧

客がコンテンツのユーザーに多様性があることを

知覚すると、そのコンテンツは様々な人を受け入

れてくれると感じ、コミュニティに入ることが容

易であると認識したことで、潜在顧客の態度は上

がったと考えられる。一方でヘビーユーザーが反

発していないときに潜在顧客がコンテンツのユー

ザーに多様性を感じると、潜在顧客のコンテンツ

に対するイメージが薄れすぎてしまうことで態度

が低くなってしまったのではないかと考えられる。

Ⅶ―――示唆

1. コンテンツビジネスに対する示唆

本研究の結果から、コンテンツビジネスとそれ

以外の産業に対して、実務的示唆を導き出すこと

ができる。

コンテンツビジネスに対しては 2 つの示唆があ

る。第 1 の示唆として、ヘビーユーザーに優遇措

置をとることで潜在顧客の反発を抑えるだけでな

く、新規顧客を獲得することができる。ヘビーユ

ーザーへの優遇措置とは、例えば、企業がヘビー

ユーザー向けコンサートチケットの先行販売やヘ

ビーユーザー限定イベント、グッズ販売を行うこ

とが挙げられる。こうした試みを企業が実行する

ことにより、ライトユーザーと差別化され、ヘビ

ーユーザーとしてのプライドを保つことが可能に

なる。これにより、彼らのライトユーザーに対す

る妬み感情は軽減し、反発を抑えられると考えら

れる。さらに、これまでの企業が行ってきたヘビ

ーユーザーへの優遇措置は彼らの離反を防ぐため

のものであった。しかし本研究より彼らを優遇す

ることは反発を抑え、新規顧客獲得を容易にする

ものであり、将来を見据えた戦略であるといえる。

第 2 の示唆として、ライトユーザーにラベリン

グをすることでヘビーユーザーがライトユーザー

の正当性を認識することができる。ラベリングと

はある事物や状況に命名することで、その事物や

状況をカテゴライズし認知や記憶しやすくするも

のである(Becker [1973])。ライトユーザーに対す

るラベリングとして、例えば、ライトユーザーが

ファンコミュニティに入る際に、企業が作成した

試験を実施し、彼らに対してコミュニティ内の規

範や価値を問うというものが考えられる。試験を

通過したライトユーザーに証明書を与え、ラベリ

ングを行う。これにより、まずライトユーザーが

コミュニティの規範、価値を理解することができ、

彼らに正当性獲得の機会を与えることができる。

さらに、証明書を与えることで、彼らが正当性を

獲得しているか否かをヘビーユーザーが知覚する

ことが容易になる。

2. 他の産業における示唆

他の産業であっても、強力なブランド・コミュ

ニティであれば、同様の示唆を得ることができる。

つまり、強力なブランド・コミュニティがあるブ

ランドでも顧客間コンフリクトがおこると、新規

顧客がブランド・コミュニティ内に入ってくるこ

とができなくなるため、そのマネジメントが重要

になる。例えば、Apple 製品は強力なブランド・

コミュニティを持っている。Apple 製品のブラン

ド・コミュニティは顧客間で製品知識を補完した

り、アクセサリの一部を貸し借りしたりと顧客に

とって非常に魅力的である。こうした顧客同士で

影響を与えあうコミュニティ内で反発が生じると、

ヘビーユーザーの離反にとどまらず、潜在顧客の

態度にも負の影響をもたらす場合があることが本

研究を通して明らかになった。したがって、これ

以後は強力なブランド・コミュニティを持つブラ

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ンドにおける顧客間コンフリクトのマネジメント

についての示唆を述べる。

第 1 の示唆として、ヘビーユーザーがライトユ

ーザーに反発する場合でも、潜在顧客にユーザー

の多様性を訴求することで潜在顧客の態度が高ま

るであろう。例えば、広告によってユーザーの多

様性を訴求するとで、ブランド・コミュニティ内

の様々な顧客の存在を示すことができる。潜在顧

客がユーザーの多様性を知覚すると、そのコミュ

ニティはどんな人も受け入れてくれると感じ、潜

在顧客自身もコミュニティに入りやすいと認識す

るであろう。

第 2 の示唆として、製品の認知度が低い時はタ

ーゲットを明確にして新奇性を訴求することで潜

在顧客の態度が高まる。反発がない時とは、ブラ

ンドがあまり認知されておらず、ライトユーザー

が少ない時と考えられる。市場拡大前はライトユ

ーザーが少ないからこそ、反発は少ないだろう。

こうした段階のブランドの場合、多くのライトユ

ーザーがコミュニティに入ってくる市場拡大後の

ように、ユーザーの多様性を訴求するのでは潜在

顧客の態度は下がってしまう。画一的なイメージ

を訴求することで、ターゲットにイメージが明確

に伝わり、潜在顧客の態度は高まるのであろう。

したがって、ブランド・コミュニティの規模によ

って、広告の訴求点を変化させることが重要であ

る。

Ⅷ―――本研究の意義

1. 学術的意義

本研究には 3 つの学術的意義がある。第 1 の意

義は顧客間コンフリクトという現象をモデル化し

たことである。これまでのコンフリクトの研究で

は、企業と企業や企業と顧客の関係に終始し、顧

客間に言及した論文は存在しない。本研究が顧客

間コンフリクトの影響とマネジメント方法を明ら

かにしたことによって、実務的にも重要な研究領

域を新たに拓くことに成功した。

第 2 の意義は、ブランド・コミュニティ研究に

おいて正当性概念を用いた点である。既存研究で

はブランド・コミュニティと正当性概念は別の文

脈で研究されており、双方を考慮した研究は存在

しない。本研究はブランド・コミュニティと正当

性概念を関連づけた。この点は大きな学術的貢献

と言えるであろう。

第 3 の意義は、ブランド・コミュニティの正の

影響だけなく、負の影響に着目したことである。

ブランド・コミュニティの既存研究では、コミュ

ニティの正の影響のみに焦点を当てている。しか

し、本研究ではコミュニティの負の影響を発見し、

その負の影響をコントロールしなければ、他の変

数に大きな影響がもたらされることが示唆された。

2. 実務的意義

本研究は、顧客間コンフリクトの正しいマネジ

メントが、既存顧客の離反防止だけでなく、新規

顧客の獲得につながることを明らかにした。これ

まで企業は既存顧客の獲得と、新規顧客の獲得が

トレードオフであると考えてきた。しかし、本研

究はこうした知見が誤りであることを示している。

さらに、本研究はブランド・コミュニティの規模

によって、企業が訴求すべきブランドイメージが

異なることを明らかにした。よって、本研究は今

後の企業のマーケティング戦略立案に一石を投じ

るものである。

3. 今後の課題

本研究では、コンテンツビジネスである「三代

目 J Soul Brothers」を題材に用いて実験を行っ

た。しかし、Apple 製品のような、強力なブラン

Page 18: ブランド・コミュニティにおける 顧客間コンフリクトの ...c-faculty.chuo-u.ac.jp/~tomokazu/2017_kubozemi6_1.pdfである(Muniz and O’Guinn [2001] )。ブランド・コ

18

ド・コミュニティを持つ製品にまで一般性がある

かを直接的に実証することはできていない。した

がって、本研究の結果が製品におけるブランド・

コミュニティ内でも当てはまるかについて、更な

る研究が必要である。

また、本研究はヘビーユーザーがライトユーザ

ーに反発しているという現象をモデル化した。し

かし、これがコミュニティに生じる顧客間コンフ

リクトをすべて捉えているかは不明である。ヘビ

ーユーザーの反発に対するライトユーザーの視点

も研究する必要がある。

さらに、本研究ではライトユーザーがコミュニ

ティ内において、正当性を容易に獲得するための

施策を提案した。しかし、企業側の彼らに対する

操作は、新たな反発を生む可能性がある。この点

に関しては実証的に検討できておらず、具体的な

解決策も明示できていない。そのため、ユーザー

に与える影響について今後の研究課題としたい。

Ⅸ―――謝辞

本研究を進めるにあたって、ご指導していただ

いた指導教授をはじめ、協力してくださった先輩

の皆様、同輩、実験に協力していただいた被験者

の皆様に厚く御礼申し上げます。

(19,698 字)

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21

補録

ファンコミュニティに関するアンケート(既存顧客用 親密性)

※三代目 J Soul Brothers のコンサート会場付近で、三代目 J Soul Brothers のグッズを所有している人

(既存顧客)をヘビーユーザーと定義し、誕生月ごとにランダムに A、B、C、D の4つのグループへ分類を

した。

質問 A

以下の仮想のストーリー を読んで 、質問にお答え下さい。

あなたとタカハシさんは、「三代目 J Soul Brothers」が好きという共通点で

話が合う。

タカハシさんはファン歴が浅いため、ファンの間での常識や暗黙の了解に対する

知識がほとんどない。タカハシさんが後日コンサート会場に行った際は、自作のペ

ンライト・うちわ・ボードを使用し、メンバーが歌っている間に好きなメンバーの

名前を呼ぶことを楽しみにしていた。

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22

質問 B

以下の仮想のストーリー を読んで 、質問にお答え下さい。

以下の質問について、

「全くそう思わない:1」から「とてもそう思う:7」の 7 つ

のうち、必ず 1 つの数字のみを〇で囲んでください。

とてもそう思う

そう思う

どちらかといえばそう思う

どちらともいえない

どちらかといえばそう思わない

そう思わない

全くそう思わない

タカハシさんがうっとうしいと思う 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんを不快な存在だと思う 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんのことが嫌いだ 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんのことがむかつく 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんを軽蔑する 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんは最近「三代目 J Soul Brothers」のファンになった。

あなたとタカハシさんは面識がない。

タカハシさんはファン歴が浅いため、ファンの間での常識や暗黙の了解に対する

知識がほとんどない。タカハシさんが後日コンサート会場に行った際は、自作のペ

ンライト・うちわ・ボードを使用し、メンバーが歌っている間に好きなメンバーの

名前を呼ぶことを楽しみにしていた。

Page 23: ブランド・コミュニティにおける 顧客間コンフリクトの ...c-faculty.chuo-u.ac.jp/~tomokazu/2017_kubozemi6_1.pdfである(Muniz and O’Guinn [2001] )。ブランド・コ

23

質問 C

以下の仮想のストーリー を読んで 、質問にお答え下さい。

以下の質問について、

「全くそう思わない:1」から「とてもそう思う:7」の 7 つ

のうち、必ず 1 つの数字のみを〇で囲んでください。

とてもそう思う

そう思う

どちらかといえばそう思う

どちらともいえない

どちらかといえばそう思わない

そう思わない

全くそう思わない

タカハシさんがうっとうしいと思う 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんを不快な存在だと思う 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんのことが嫌いだ 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんのことがむかつく 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんを軽蔑する 1 2 3 4 5 6 7

あなたとタカハシさんは、「三代目 J Soul Brothers」が好きという共通点で

話が合う。

タカハシさんのファン歴は浅いが、ファンの間での常識や暗黙の了解はよく把握

している。タカハシさんが後日コンサート会場に行った際は、公式グッズのみを使

用し、メンバーが歌っている間に好きなメンバーの名前を呼んだりすることはなか

った。

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24

質問 D

以下の仮想のストーリー を読んで 、質問にお答え下さい。

以下の質問について、

「全くそう思わない:1」から「とてもそう思う:7」の 7 つ

のうち、必ず 1 つの数字のみを〇で囲んでください。

とてもそう思う

そう思う

どちらかといえばそう思う

どちらともいえない

どちらかといえばそう思わない

そう思わない

全くそう思わない

タカハシさんがうっとうしいと思う 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんを不快な存在だと思う 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんのことが嫌いだ 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんのことがむかつく 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんを軽蔑する 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんは最近「三代目 J Soul Brothers」のファンになった。

あなたとタカハシさんは面識がない。

タカハシさんはファン歴は浅いが、ファンの間での常識や暗黙の了解はよく把握

している。タカハシさんが後日コンサート会場に行った際は、公式グッズのみを使

用し、メンバーが歌っている間に好きなメンバーの名前を呼んだりすることはなか

った。

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25

以下の質問について、

「全くそう思わない:1」から「とてもそう思う:7」の 7 つ

のうち、必ず 1 つの数字のみを〇で囲んでください。

とてもそう思う

そう思う

どちらかといえばそう思う

どちらともいえない

どちらかといえばそう思わない

そう思わない

全くそう思わない

タカハシさんがうっとうしいと思う 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんを不快な存在だと思う 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんのことが嫌いだ 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんのことがむかつく 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんを軽蔑する 1 2 3 4 5 6 7

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26

マニピュレーション・チェック(既存顧客 親密性)

仮想のシナリオを踏まえて、以下の質問に答えてください。

以下の質問について、

「全くそう思わない:1」から「とてもそう思う:7」の 7 つ

のうち、必ず 1 つの数字のみを〇で囲んでください。

とてもそう思う

そう思う

どちらかといえばそう思う

どちらともいえない

どちらかといえばそう思わない

そう思わない

全くそう思わない

タカハシさんの行動は三代目 J Soul Brothers のファンコミュ

ニティにとって適切だと思う

1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんの行動は三代目 J Soul Brothers のファンコミュニ

ティの中ではまっとうなものだと思う

1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんの行動は三代目 J Soul Brothers のファンコミュニ

ティにとって望ましいと思う

1 2 3 4 5 6 7

以下の質問について、

「全くそう思わない:1」から「とてもそう思う:7」の 7 つ

のうち、必ず 1 つの数字のみを〇で囲んでください。

とてもそう思う

そう思う

どちらかといえばそう思う

どちらともいえない

どちらかといえばそう思わない

そう思わない

全くそう思わない

あなたはタカハシさんと親しいと思う 1 2 3 4 5 6 7

あなたはタカハシさんのことをよく理解していると思う 1 2 3 4 5 6 7

あなたとタカハシさんは深いところでつながっていると思う 1 2 3 4 5 6 7

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ヘビーユーザー判定用の質問

以下の質問について、

「全くそう思わない:1」から「とてもそう思う:7」の 7 つ

のうち、必ず 1 つの数字のみを〇で囲んでください。

とてもそう思う

そう思う

どちらかといえばそう思う

どちらともいえない

どちらかといえばそう思わない

そう思わない

全くそう思わない

「あなたは典型的な三代目 J Soul Brothers のファンだ

ね」と言われたとしたら、その表現は当たっていると思

う。

1 2 3 4 5 6 7

あなたの三代目 J Soul Brothers のファンコミュニティ

への所属意識は強い方だと思う。

1 2 3 4 5 6 7

あなたは三代目 J Soul Brothers のファンであることに

プライドを感じている。

1 2 3 4 5 6 7

あなたは三代目 J Soul Brothers のファンコミュニテ

ィに愛着を感じている。

1 2 3 4 5 6 7

Page 28: ブランド・コミュニティにおける 顧客間コンフリクトの ...c-faculty.chuo-u.ac.jp/~tomokazu/2017_kubozemi6_1.pdfである(Muniz and O’Guinn [2001] )。ブランド・コ

28

ファンコミュニティに関するアンケート(既存顧客用 羨望)

※スクリーニングによって抽出したヘビーユーザーを誕生月ごとにランダムに A、B、C、D の4つのグル

ープに分類した。

質問 A

以下の仮想のストーリーを読んで、質問にお答え下さい。

あなたは次の「三代目 J Soul Brothers」のコンサートチケットに応募したところ、残念

ながら落選してしまいました。

落選が分かった直後に Twitter をみたところ、以下のようなツイートを見つけました。

タカハシさんは最近「三代目 J Soul Brothers」を好きになったので、ファン歴が浅くフ

ァンの間での常識や暗黙の了解について知識がほとんどありません。

そのため、タカハシさんはコンサート会場に行った際は、自作のペンライト・うち

わ・ボードを使用し、メンバーが歌っている間に好きなメンバーの名前を呼ぶことを

楽しみにしているようです。

Page 29: ブランド・コミュニティにおける 顧客間コンフリクトの ...c-faculty.chuo-u.ac.jp/~tomokazu/2017_kubozemi6_1.pdfである(Muniz and O’Guinn [2001] )。ブランド・コ

29

以下の質問について、

「全くそう思わない:1」から「とてもそう思う:7」の 7 つ

のうち、必ず 1 つの数字のみを〇で囲んでください。

とてもそう思う

そう思う

どちらかといえばそう思う

どちらともいえない

どちらかといえばそう思わない

そう思わない

全くそう思わない

タカハシさんがうっとうしいと思う 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんを不快な存在だと思う 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんのことが嫌いだ 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんのことがむかつく 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんを軽蔑する 1 2 3 4 5 6 7

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質問 B

以下の仮想のストーリーを読んで、質問にお答え下さい。

以下の質問について、

「全くそう思わない:1」から「とてもそう思う:7」の 7 つ

のうち、必ず 1 つの数字のみを〇で囲んでください。

とてもそう思う

そう思う

どちらかといえばそう思う

どちらともいえない

どちらかといえばそう思わない

そう思わない

全くそう思わない

あなたは次の「三代目 J Soul Brothers」のコンサートチケットに応募したところ、当選

したことが分かりました。

当選が分かった直後に Twitter をみたところ、以下のようなツイートを見つけました。

タカハシさんは最近「三代目 J Soul Brothers」を好きになったので、ファン歴が浅くフ

ァンの間での常識や暗黙の了解について知識がほとんどありません。

そのため、タカハシさんはコンサート会場に行った際は、自作のペンライト・うち

わ・ボードを使用し、メンバーが歌っている間に好きなメンバーの名前を呼ぶことを

楽しみにしているようです。

Page 31: ブランド・コミュニティにおける 顧客間コンフリクトの ...c-faculty.chuo-u.ac.jp/~tomokazu/2017_kubozemi6_1.pdfである(Muniz and O’Guinn [2001] )。ブランド・コ

31

質問 C

以下の仮想のストーリーを読んで、質問にお答え下さい。

タカハシさんがうっとうしいと思う 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんを不快な存在だと思う 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんのことが嫌いだ 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんのことがむかつく 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんを軽蔑する 1 2 3 4 5 6 7

以下の質問について、

「全くそう思わない:1」から「とてもそう思う:7」の 7 つ

のうち、必ず 1 つの数字のみを〇で囲んでください。

とてもそう思う

そう思う

どちらかといえばそう思う

どちらともいえない

どちらかといえばそう思わない

そう思わない

全くそう思わない

タカハシさんがうっとうしいと思う 1 2 3 4 5 6 7

こタカハシさんを不快な存在だと思う 1 2 3 4 5 6 7

こタカハシさんのことが嫌いだ 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんのことがむかつく 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんを軽蔑する 1 2 3 4 5 6 7

あなたは次の「三代目 J Soul Brothers」のコンサートチケットに応募したところ、残念

ながら落選してしまいました。

落選が分かった直後に Twitter をみたところ、以下のようなツイートを見つけました。

タカハシさんは最近「三代目 J Soul Brothers」を好きになりました。ファン歴は浅い

もののファンの間での常識や暗黙の了解はよく知っています。

そのため、タカハシさんはコンサート会場に行った際は、公式グッズのみを使用し、

メンバーが歌っている間に好きなメンバーの名前を呼んだりすることはありませんで

した。

Page 32: ブランド・コミュニティにおける 顧客間コンフリクトの ...c-faculty.chuo-u.ac.jp/~tomokazu/2017_kubozemi6_1.pdfである(Muniz and O’Guinn [2001] )。ブランド・コ

32

以下の質問について、

「全くそう思わない:1」から「とてもそう思う:7」の 7 つ

のうち、必ず 1 つの数字のみを〇で囲んでください。

とてもそう思う

そう思う

どちらかといえばそう思う

どちらともいえない

どちらかといえばそう思わない

そう思わない

全くそう思わない

タカハシさんがうっとうしいと思う 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんを不快な存在だと思う 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんのことが嫌いだ 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんのことがむかつく 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんを軽蔑する 1 2 3 4 5 6 7

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質問 D

以下の仮想のストーリーを読んで、質問にお答え下さい。

以下の質問について、

「全くそう思わない:1」から「とてもそう思う:7」の 7 つ

のうち、必ず 1 つの数字のみを〇で囲んでください。

とてもそう思う

そう思う

どちらかといえばそう思う

どちらともいえない

どちらかといえばそう思わない

そう思わない

全くそう思わない

あなたは次の「三代目 J Soul Brothers」のコンサートチケットに応募したところ、当選

したことが分かりました。

当選が分かった直後に Twitter をみたところ、以下のようなツイートを見つけました。

タカハシさんは最近「三代目 J Soul Brothers」を好きになりました。ファン歴は浅い

もののファンの間での常識や暗黙の了解はよく知っています。

そのため、タカハシさんはコンサート会場に行った際は、公式グッズのみを使用し、

メンバーが歌っている間に好きなメンバーの名前を呼んだりすることはありませんで

した。

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タカハシさんがうっとうしいと思う 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんを不快な存在だと思う 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんのことが嫌いだ 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんのことがむかつく 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんを軽蔑する 1 2 3 4 5 6 7

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マニピュレーション・チェック(既存顧客 羨望)

仮想のシナリオを踏まえて、以下の質問に答えてください。

以下の質問について、

「全くそう思わない:1」から「とてもそう思う:7」の 7 つ

のうち、必ず 1 つの数字のみを〇で囲んでください。

とてもそう思う

そう思う

どちらかといえばそう思う

どちらともいえない

どちらかといえばそう思わない

そう思わない

全くそう思わない

あなたの現在の境遇に満足していない 1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんが簡単にチケットを入手しているのをみて悔しく

思う

1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんに対するうらやましいという気持ちがあなたを苦

しめる

1 2 3 4 5 6 7

以下の質問について、

「全くそう思わない:1」から「とてもそう思う:7」の 7 つ

のうち、必ず 1 つの数字のみを〇で囲んでください。

とてもそう思う

そう思う

どちらかといえばそう思う

どちらともいえない

どちらかといえばそう思わない

そう思わない

全くそう思わない

タカハシさんの行動は三代目 J Soul Brothers のファンコミュ

ニティにとって適切だと思う

1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんの行動は三代目 J Soul Brothers のファンコミュニ

ティの中ではまっとうなものだと思う

1 2 3 4 5 6 7

タカハシさんの行動は三代目 J Soul Brothers のファンコミュニ

ティにとって望ましいと思う

1 2 3 4 5 6 7

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ファンコミュニティに関するアンケート(潜在顧客向け)

※三代目 J Soul Brothers に関連する商品の購買経験のない回答者を、誕生月ごとにランダムに A、B、C、

D の4つのグループに分類した。

質問 A

以下の仮想のストーリーを読み質問にお答えください。あなたは三代目 J Soil Brothers に興味を持ったと

します。SNS でこのグループについて調べていると、以下のようなコメントを見ました。

あなたは三代目 J Soil Brothers についてどう思いますか?

最も当てはまるものを選んでください。

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質問 B

以下の仮想のストーリーを読み質問にお答えください。あなたは三代目 J Soil Brothers に興味を持ったと

します。SNS でこのグループについて調べていると、以下のようなコメントを見ました。

以下の質問について、

「全くそう思わない:1」から「とてもそう思う:7」の 7 つ

のうち、必ず 1 つの数字のみを〇で囲んでください。

とてもそう思う

そう思う

どちらかといえばそう思う

どちらともいえない

どちらかといえばそう思わない

そう思わない

全くそう思わない

よいグループだと思う 1 2 3 4 5 6 7

このグループを好意的に思う 1 2 3 4 5 6 7

このグループをこころよく思う 1 2 3 4 5 6 7

このグループはクオリティが高い 1 2 3 4 5 6 7

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さらに調べていくと、三代目 J Soil Brothers には小さな子どもからご年配の方まで幅広いファンがいるこ

とを知りました。

あなたは三代目 J Soil Brothers についてどう思いますか?

最も当てはまるものを選んでください。

以下の質問について、

「全くそう思わない:1」から「とてもそう思う:7」の 7 つ

のうち、必ず 1 つの数字のみを〇で囲んでください。

とてもそう思う

そう思う

どちらかといえばそう思う

どちらともいえない

どちらかといえばそう思わない

そう思わない

全くそう思わない

よいグループだと思う 1 2 3 4 5 6 7

このグループを好意的に思う 1 2 3 4 5 6 7

このグループをこころよく思う 1 2 3 4 5 6 7

このグループはクオリティが高い 1 2 3 4 5 6 7

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質問 C

以下の仮想のストーリーを読み質問にお答えください。あなたは三代目 J Soil Brothers に興味を持ったと

します。SNS でこのグループについて調べていると、以下のようなコメントを見ました。

また、三代目ファンを対象に調査をおこなったところ、 特定のファンに対して不快感を抱いたことがある

と答えた人は全体の 35%を占めました。

あなたは三代目 J Soil Brothers についてどう思いますか?

最も当てはまるものを選んでください。

以下の質問について、

「全くそう思わない:1」から「とてもそう思う:7」の 7 つ

のうち、必ず 1 つの数字のみを〇で囲んでください。

とてもそう思う

そう思う

どちらかといえばそう思う

どちらともいえない

どちらかといえばそう思わない

そう思わない

全くそう思わない

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質問 D

以下の仮想のストーリーを読み質問にお答えください。あなたは三代目 J Soil Brothers に興味を持ったと

します。SNS でこのグループについて調べていると、以下のようなコメントを見ました。

また、三代目ファンを対象に調査をおこなったところ、 特定のファンに対して不快感を抱いたことがある

と答えた人は全体の 35%を占めました。

さらに調べていくと、三代目 J Soil Brothers には小さな子どもからご年配の方まで幅広いファンがいるこ

とを知りました。

よいグループだと思う 1 2 3 4 5 6 7

このグループを好意的に思う 1 2 3 4 5 6 7

このグループをこころよく思う 1 2 3 4 5 6 7

このグループはクオリティが高い 1 2 3 4 5 6 7

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あなたは三代目 J Soil Brothers についてどう思いますか?

最も当てはまるものを選んでください。

以下の質問について、

「全くそう思わない:1」から「とてもそう思う:7」の 7 つ

のうち、必ず 1 つの数字のみを〇で囲んでください。

とてもそう思う

そう思う

どちらかといえばそう思う

どちらともいえない

どちらかといえばそう思わない

そう思わない

全くそう思わない

よいグループだと思う 1 2 3 4 5 6 7

このグループを好意的に思う 1 2 3 4 5 6 7

このグループをこころよく思う 1 2 3 4 5 6 7

このグループはクオリティが高い 1 2 3 4 5 6 7

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マニピュレーション・チェック

仮想のシナリオを踏まえて、以下の質問に答えてください。

以下の質問について、

「全くそう思わない:1」から「とてもそう思う:7」の 7 つ

のうち、必ず 1 つの数字のみを〇で囲んでください。

とてもそう思う

そう思う

どちらかといえばそう思う

どちらともいえない

どちらかといえばそう思わない

そう思わない

全くそう思わない

新規のファンは既存のファンから受け入れられている 1 2 3 4 5 6 7

新規のファンは既存のファンから大切にされている 1 2 3 4 5 6 7

新規のファンは既存のファンから理解されている 1 2 3 4 5 6 7

以下の質問について、

「全くそう思わない:1」から「とてもそう思う:7」の 7 つ

のうち、必ず 1 つの数字のみを〇で囲んでください。

とてもそう思う

そう思う

どちらかといえばそう思う

どちらともいえない

どちらかといえばそう思わない

そう思わない

全くそう思わない

三代目のファンは性別や年齢を問わず様々な人がいると思う 1 2 3 4 5 6 7

三代目は様々な人から愛されていると思う 1 2 3 4 5 6 7

三代目のファンは多様であると思う 1 2 3 4 5 6 7