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インダストリアル・エンジニアリング 第2回 IEの定義 福岡工業大学情報工学部 システムマネジメント学科 田嶋 拓也

インダストリアル・エンジニアリング 第2回 IEの定義t-tajima/ie/no2.pdfIEの定義 インダストリアル・エンジニアリングとは 日本インダストリアル・エンジニアリング協会の定義

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インダストリアル・エンジニアリング第2回 IEの定義

福岡工業大学情報工学部システムマネジメント学科

田嶋 拓也

IEの定義

インダストリアル・エンジニアリングとはIEE:Institute of Industrial Engineersの定義

What is industrial engineering? (IIE official definition)

Industrial engineering is concerned with the design, improvement and installation of integrated systems of people,

materials, information, equipment and energy. It draws upon specialized knowledge and skill in the mathematical,

physical, and social sciences together with the principles and methods of engineering analysis and design, to specify,

predict, and evaluate the results to be obtained from such systems.

IEは人、もの、情報、設備、エネルギーを統合したシステムの設計、改善、設置に関するものである

そのシステムから得られた結果を明示し、予測し、評価するために工学的分析と設計の原理と方法と共に数学、物理、社会科学の専門知識と技術を利用する

IEの定義

インダストリアル・エンジニアリングとは

日本インダストリアル・エンジニアリング協会の定義(JIIE:The Japan Institute of Industrial Engineering)

IEは、価値とムダを顕在化させ、資源を最小化することでその価値を最大限に引き出そうとする見方・考え方であり、それを実現する技術です仕事のやり方や時間の使い方を工夫して豊かで実りある社会を築くことを狙いとしており、製造業だけでなくサービス産業や農業、公共団体や家庭生活の中でも活用されています(2008年10月)

IEの定義

インダストリアル・エンジニアリングとは

メイナード(H.B.Maynard)※の定義

IEとは、製品やサービスの生産と配給に関する、人間を含んだすべての要素に適用されるエンジニアリング・アプローチである

※メイナードはMTM法(methods-time measurement)を開発した一人MTM法については教科書p.136~を参照

IEの定義

インダストリアル・エンジニアリングとは

教科書の定義(幾つかの定義を踏まえて※)

IEとは、最適ワーク・システムを志向するエンジニアリング・アプローチであるすなわち、人間・機械・ものおよび情報を統合し、

最適(最経済)なワークシステムを設計・確立することである

※この定義に至った経緯は教科書p.2~6を参照

IEの定義

インダストリアル・エンジニアリングとは

IE ≒ 管理的エンジニアリング

ワーク・システムの定義

ワークシステムにかかわる言葉の定義

ワークすべての人間の目的的活動または努力をいう

目的的活動(行動)特定の目標への到達を目指してそれに向って行われる行動(ブリタニカ国際大百科事典より)

システムある目的のために相互依存的に関係づけられた事物の複合体

ワーク・システムの定義

定義

ワーク・システム仕事に必要な諸要素の複合体であり、直接的には人間、機械、ものおよび情報から構成される仕事の仕組み

普遍的価値尺度で評価される製品またはサービスの生産と配給にかかわるさまざまなレベルの活動すべてを指す

1人の仕事でも集団の仕事でもレベルが異なるだけで仕事という点は変わりない

ワーク・システムの定義

マンデルのワーク・ユニットの定義(仕事の階層構造)

※教科書p.7より

ワーク・システムの定義

仕事のプロセス(≒システム)の階層構造の例

ワーク・システムの定義

ワークシステムの例

作業者が ボール盤で 鉄板に 孔をあける

主体 客体手段

間接機械系

直接機械系

機械

人間

もの

ワーク・システムの定義

ワークシステムの例

作業者が ボール盤で 鉄板に 孔をあける

主体 客体手段

動的構成要素

情報

=・文書による命令・口頭による指示・マニュアル・意思・反射・プログラム・慣行

ワーク・システムの定義

仕事とは

人間ー機械系による目的的変換

変換(人間ー機械系による)

インプット

初期状態

アウトプット

目的状態

IEの歴史的展開

第1期:産業革命期(18世紀半ば)~19世紀中後半

ホイットニー(E.Whitney)

「互換性原理」 意図的に実用上差し支えないゆとり(公差)を各部品に与え、互いに交換できる性質を持たせた

「合理化の3s」 専門化(Specialization) 単純化(Simplification) 標準化(Standardization)

大量生産・大量処理の先駆けになった

IEの歴史的展開

第2期:19世紀後半~第1次世界大戦期

テイラー(F.W.Taylor)「時間研究(Time Study)」 1日の公正な仕事量(標準作業量)を求め、作業方法の改善、標準化を行った

ギルブレス(F.B.Gilbreth)「動作研究(Motion Study)」 最良の動作方法と所要時間を求めた

初めて合理的な「計画に基づく管理」が行われた

IEの歴史的展開

第3期:1920年代~第2次世界大戦期

ホーソン実験(The Hawthorne Experiments)「モラール(志気)の発見」 人間のやる気の存在が確認された

(モラールは組織全体の志気を意味する)

シュハート(W.A.Shewhart)「統計的品質管理」 サンプリング理論による抜き取り検査方式の導入 さまざまな管理図法の適用

IEの歴史的展開

第4期:第2次世界大戦後

「コンピュータの出現」

「情報科学(Information Science)の発展」

「経営科学(Management Science)の発達」 ORを中心とした応用IE(モダンIE)の登場

IEの歴史的展開

IEの体系

藤井春雄著:「よく分かるIE七つ道具の本」より

グループ議論

内容予習課題を元に行う

• 教科書を全体的にパラパラと眺めてみて、気になる所、面白そうな所、興味が持てそうな所に付箋を貼っておく(ページ数が分かるように)

2~5人でグループを作る

グループメンバの取り上げた箇所の記述とその理由を聞き、それ以外のメンバがどう思ったか、どう考えたかをまとめる(もちろん疑問や質疑応答の内容も含めて良い)

これをメンバ全員分行い、所定の用紙にまとめる(記述枠が足りなかったら裏面も使用可)