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1 資料2 ワッセナー・アレンジメント合意による 非リスト品目向け規制について (「通常兵器キャッチオール規制」) (補足説明) 平成18年12月1日 安全保障貿易管理小委員会 制度改正ワーキンググループ

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1

資料2

ワッセナー・アレンジメント合意による非リスト品目向け規制について

(「通常兵器キャッチオール規制」)

(補足説明)

平 成 1 8 年 1 2 月 1 日安全保障貿易管理小委員会制度改正ワーキンググループ

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○大量破壊兵器に関しては、その拡散防止のため、その開発、製造等に用いられるおそれのある貨物等について、予め品目を設定する「リスト規制」とともに、リスト規制対象品目以外のものについても、大量破壊兵器関係に用いられることについて一定の要件に合致するときには輸出規制の対象となる制度(「キャッチオール制度」)が40ヶ国において採用されてきている。我が国においても、2002年4月からキャッチオール制度を導入。

○通常兵器に関しては、ワッセナー・アレンジメント(注) によりリスト規制品目が設定さ

れてきたが、更に2003年12月のワッセナー・アレンジメント総会において、リスト規制対象品目以外のものについても、軍事用途に用いられるおそれがある場合には規制対象とすることを内容とする合意がなされた。

なお、その後もワッセナー・アレンジメントでは、更に「軍事用途」に限らず非リスト規制品が輸出されることにより国家の主要な安全保障上の利益を害するような場合には規制の対象に取り込むことについて、検討が続けられている。

(注)ワッセナー・アレンジメントは、地域の安定を損なうおそれのある通常兵器の過度の移転や蓄積を防止する観点から輸出管理を行うための国際合意。1996年に発足し、現在、40ヶ国が参加。

リスト規制対象品目以外に係る規制

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大量破壊兵器 通常兵器

国際的一般認識 大量破壊兵器は、一般に、製造・保有が認められるものではない。

通常兵器は、国防上、製造・保有すること自体は認められている。

関係する国際レジーム NSG(Nuclear Suppliers Group)等 ワッセナー・アレンジメント(WA)

輸出管理の目的 ・大量破壊兵器の拡散防止 ・通常兵器の過度の蓄積の防止・地域紛争の防止

関係する汎用品の輸出規制

リスト規制及び非リスト規制(キャッチオール)

リスト規制及び非リスト規制(キャッチオール?)

大量破壊兵器と通常兵器の輸出管理

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Participating States will take appropriate measures to ensure that their regulations require authorisation for the transfer of non-listed dual-use items to destinations subject to a binding United Nations Security Council arms embargo, any relevant regional arms embargo either binding on a Participating State or to which a Participating State has voluntarily consented to adhere, when the authorities of the exporting country inform the exporter that the items in question are or may be intended, entirely or in part, for a military end-use.*

If the exporter is aware that items in question are intended, entirely or in part, for a military end-use,* the exporter must notify the authorities referred to above, which will decide whether or not it is expedient to make the export concerned subject to authorisation.

For the purpose of such control, each Participating State will determine at domestic level its own definition of the term “military end-use”.* Participating States are encouraged to share information on these definitions. The definition provided in the footnote will serve as a guide.

Participating States reserve the right to adopt and implement national measures to restrict exports for other reasons of public policy, taking into consideration the principles and objectives of the Wassenaar Arrangement. Participating States may share information on these measures as a regular part of the General Information Exchange.

Participating States decide to exchange information on this type of denials relevant for the purposes of the Wassenaar Arrangement.

*Definition of military end-useIn this context the phrase military end-use refers to use in conjunction with an item controlled on the military list of the respective Participating State.

Statement of Understanding on Control of Non-Listed Dual-Use Items(Agreed at the 2003 Plenary)

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ワッセナー・アレンジメント合意による非リスト規制のポイント

ポイント① 非リスト規制品を武器禁輸国向けに輸出する場合に、輸出国当局が輸出者にその品目が「軍事用途」(military end-use)に用いられるかもしれない旨の通知(inform)をしたときは、その輸出には許可(authorisation)が必要となる。

ポイント② 輸出者が、その品目が「軍事用途」に用いられると知っている(aware)ときは、輸出者は当局に連絡(notify)せねばならず、当局はその輸出を許可制の対象とするか否かを決定する。

ポイント③ 「軍事用途」は、各国の武器リスト(military list)上の規制品に関連して使用することであり、各国がそれぞれ国内的に定義を決定する。

ポイント④ 武器禁輸国としては、(i)国連安保理の武器禁輸国※のほか、(ii)それぞれの地域における武器禁輸国が対象となる。

※国連安保理決議による武器禁輸国リベリア、コートジボワール、アフガニスタン、ソマリア、ルワンダ、コンゴ民主共和国、スーダン、イラク、シエラレオネ、レバノン、北朝鮮

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リスト規制品・非リスト規制品の範囲イメージ

リスト規制品

リスト規制品のスペックダウン品

キャッチオール規制の対象範囲

非リスト規制品 食

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○ 規制品の製造に用いられる貨物の多様性

武器リストの規制品

素材・部品

触媒

製造装置

製造装置

部 品

製造工場 整備道路

製造工場製造装置

セメント

整備道路

直 接間 接

規制品と関連して使用される品目の範囲規制品と関連して使用される品目の範囲

製造

素材

触媒

製造装置

部 品

部品

測定装置 部 品 製造装置

製造工場

製造装置

鉄板

素材

潤滑油 素材 部 品 特殊鋼

測定装置 潤滑油

注:規制品の開発や使用についても、同様な多様性が認められる。

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欧米における非リスト品規制の状況

○欧州においては、EUが既に通常兵器関係のキャッチオール型制度を導入しており、更に国によっては独自に追加的制度を導入している。制度の仕組みは、当局による輸出許可必要との通知(インフォーム)を基軸としたもの。

○米国では、通常兵器関係のキャッチオール型制度は導入されていない。非リスト規制品についての規制案を現在、パブリックコメント受付手続中。規制案は、ワッセナー・アレンジメント合意への対応のみならず、米国の対中姿勢(中国の軍事力強化に実質的に貢献する輸出を防止する一方で、対中貿易の円滑化を図る)を前提としている(注)。

(注)この対中姿勢を具体的に示すものとして、一定額($5000)を上回る輸出等について中国政府の需要者証明書(End-Use Certificate)を要件化することとともに、緩和策として一定要件の下に検証済み需要者(Validated End-User)向け許可の導入を提案している。

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○EUにおいて2000年から導入

○制度概要(1)規制対象品目は「リスト品目以外の汎用品」(即ち「キャッチオール」型)

(2)規制対象仕向地は国連安保理決議による武器禁輸国の他、EUやOSCE(欧州安

全保障・協力機構)が決定する武器禁輸国(2006年1月時点 12ヶ国)

(3)上記(1)(2)を満たす輸出が「軍事用途」に用いられる(又は用いられうる)として当局

から通知(インフォーム)を受けた場合に輸出許可が必要とされる。なお、加盟国から違法に輸出された軍事品目リスト対象品目を輸出する場合には、

(2)の地域に限らず、当局から通知(インフォーム)を受ければ輸出許可が必要とされ

る。

(4)輸出者が「軍事用途」に用いられるものであることを知っている(know)ときは、当局に連絡しなければならない。当局はこれを受け、(3)の通知を行うか否か判断する。

(5)「軍事用途」は①加盟国の軍事品目リスト掲載品目への組込、②軍事品目リスト掲

載品目の開発、生産、保守のための製造、試作、分析用機器、部品、③軍事品目リスト掲載品目の製造工場における未完成品の使用。

欧州の通常兵器キャッチオール制度の概要

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○ワッセナー・アレンジメントの合意に対し、軍事的エンドユース向け非リスト規制として15ヶ国を対象に導入を検討。そのうち、特に中国向けについて本年7月にドラフト案が提示され、現在パブリックコメント受付手続中(期限:本年12月4日)。

○ドラフト案概要(1)規制対象品目は非「キャッチオール」型の限定47品目

(2)規制対象仕向地は中国を含む15ヶ国

中国、北朝鮮、ベトナム、ミャンマー、アフガニスタン、イラン、シリア、ベラルーシ、スーダン、ソマリア、コートジボアール、リベリア、ジンバブエ、キューバ、ハイチ

(3)上記(1)(2)を満たす輸出が「軍事用途」向けであると知っている(know)場合、

もしくは、当局から通知(インフォーム)を受けた場合に輸出許可が必要とされる。

(4)「軍事用途」は米国軍事リスト品目や国際軍事リスト品目への組込、製造、設計、

開発、維持、操作、設置、配置、修理、オーバーホール又は改造のための使用。

米国における通常兵器関係非リスト規制導入の検討

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米国提案の品目(47品目)の概要

カテゴリー 品目例 カテゴリー 品目例

原材料等 劣化ウラン、構造複合材等製造装置、ファイバー、フィラメント、混合物、作動油、油圧オイル 等

情報セキュリティ 暗号装置、暗号法、解読装置、関連ソフト、関連技術

材料加工 ベアリング、数値制御工作機械、非数値制御工作機械、歯車用工作機械、寸法測定装置

センサーレーザ CO2レーザー、半導体レー

ザー、固体式レーザー、自由電子レーザー、光センサー材料

エレクトロニクス オシロスコープ、特殊加工装置、電子部品製造装置、エレクトロ検査試験装置 等

航法関連 ナビ装置、ナビ試験製造装置、関連技術、関連ソフト

コンピュータ コンピュータで0.1WT以上、

プログラム証明ソフト、関連ソフト、関連技術

海洋関連 水中ビジョンシステム、静止カメラ、ストロボ光システム、水中カメラ、ゴムボート、船舶用エンジン、ライフジャケット、水中ライト 等

電気通信 電気通信機器、電気通信試験装置、光ファイバー用プリフォーム 等

推進装置 航空機用ガスタービンエンジン、振動試験装置、関連ソフト、関連技術

(注)品目例で示された各品目のうち大半のものは、性能等スペックが限定されており、事実上米国のリスト規制品目のスペックダウン品にあたる。

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我が国における「リスト規制」と「キャッチオール規制」我が国における「リスト規制」と「キャッチオール規制」

注1:用途が大量破壊兵器(「核兵器等」=核兵器、軍用化学製剤・細菌製剤・これらの散布のための装置、これらを運搬できるロケット等)の開発、製造、使用又は貯蔵(「開発等」)であるおそれがある場合に輸出許可が必要。

注2:本表は貨物の輸出について示しているが、技術提供の場合も同様。

規制対象 規制の内容 大量破壊兵器関係 通常兵器関係

リスト品規制

用途を問わず、一定範囲の品目は輸出許可を必要とするもの

大量破壊兵器関係品目のリスト規制(輸出令別表一の2~4項)

大量破壊兵器関係品目のリスト規制(輸出令別表一の1項,5~15項)

非リスト品規制

リスト規制品以外でも、用途によって輸出許可を必要とするもの(キャッチオール規制)

大量破壊兵器キャッチオール制度注1(輸出令別表一の16項)

未規制

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○リスト規制品以外の貨物が、大量破壊兵器等の開発等に用いられるおそれがある場合に、輸出許可を必要とするもの。

①用途が大量破壊兵器の開発等又はその他の一定の行為(「別表行為」)→ 用途要件

②需要者が大量破壊兵器の開発等に関係している(用途に係るおそれを推定させるため) → 需用者要件

我が国の大量破壊兵器キャッチオール制度我が国の大量破壊兵器キャッチオール制度

客観要件(輸出者側で把握している事情注により判定)

インフォーム要件(当局側が輸出者に輸出許可必要を通知)

注:輸出者が入手した文書等における記載・記録や輸入者から受けた連絡。

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☆大量破壊兵器等の開発等そのものではないが、それに非常に関連の

深い活動(※いわゆる別表行為)についても、用途要件として規定。

☆大量破壊兵器等の開発等そのものではないが、それに非常に関連の

深い活動(※いわゆる別表行為)についても、用途要件として規定。

① 核燃料物質、核原料物質に関する開発等、又は核融合に関する研究

② 原子炉の運転(発電用の軽水炉を除く。)又はその部分品若しくは付属装置の開発等

③ 重水の製造

④ 核燃料物質の加工

⑤ 使用済燃料の再処理

⑥ 軍若しくは国防に関する事務をつかさどる行政機関が行う、又はこれらの者から委託を受けて行われる行為であって以下のもの

・化学物資に関する開発若しくは製造・微生物、毒素、遺伝子に関する開発等・ロケット若しくは無人航空機に関する開発等・宇宙に関する研究

貨物等が以下の活動に使用される場合は許可申請が必要

別表行為別表行為

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大量破壊兵器キャッチオール制度の運用大量破壊兵器キャッチオール制度の運用

○仕向地・・・・・・我が国同様の輸出管理を実施している国(26カ国)を除き、全地域向けに適用

○対象貨物・・・・リスト規制品、食料、木材以外の全品目(ただし、輸出者向けの参考情報として、「おそれの強い貨物例」(40品目)を公表している)

○需要者要件については、入手したパンフレット等に加え、輸出者向けの情報として大量破壊兵器の開発等に関与する懸念のある外国企業リスト(当局が作成する「外国ユーザーリスト」)に記載されているものが判定の基礎となる。これに該当する場合、当該貨物の用途が核兵器等の開発等や別表行為でないことが明らかである場合注を除き、輸出許可が必要となる。

○大量破壊兵器キャッチオール制度の適用の有無について輸出者の相談に応ずるため、「事前相談」が実施されている。

注:これを判定するため、「明らかガイドライン」が設けられている。

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・リン酸トリブチル(TBP)

・周波数変換器

・質量分析計又はイオン源

・電圧又は電流の変動が少ない直流の電源装置

・大型の真空ポンプ

・耐放射線ロボット

・放射線測定器

・口径75mm以上のアルミニウム管

・高周波用のオシロスコープ及び波形記憶装置

・大型発電機

・微粉末を製造できる粉砕器

・ジャイロスコープ

・ロータリーエンコーダ

・大型トラック

(トラクタ、トレーラー、ダンプを含む)

・クレーン車

・カールフィッシャー方式の水分測定装置

・プリプレグ製造装置

・噴霧器を搭載するよう設計された

無人航空機(UAV)

・UAVに搭載するよう設計された

噴霧器

・炭素繊維・ガラス繊維・アラミド繊維

・チタン合金

・マルエージング綱

・しごきスピニング加工機

・数値制御工作機械

・アイソスタチックプレス

・フィラメントワインディング装置

・振動試験装置

・遠心力釣り合い試験器

・耐食性の圧力計・圧力センサー

・TIG溶接機、電子ビーム溶接機

・人造黒鉛

・大型の非破壊検査装置

・耐食性の反応器

・耐食性のかくはん機

・耐食性の熱交換器又は凝縮器

・耐食性の蒸留塔又は吸収塔

・耐食性の充てん用の機械

核兵器への

転用懸念

ミサイルへの

転用懸念

核・ミサイルへの転用懸念

1.これらの貨物を輸出又は技術の提供を行う際には、懸念相手先等において核兵器等の開発等を助長することがないよう、輸出者等において特に審査を慎重に行うことが必要。

2.外国ユーザーリスト掲載企業に対しこれらの貨物の輸出又は技術の提供を行う場合は、リスト上の懸念種別(核兵器・化学兵器・生物兵器・ミサイル)と、貨物・技術の懸念用途が一致するか否かのチェックを行うことが有益。

大量破壊兵器の開発等に用いられるおそれの強い貨物例

・密閉式の発酵槽

・遠心分離器

・凍結乾燥機

・噴霧器を搭載するよう設計された無人航空機(UAV)

・UAVに搭載するよう設計された噴霧器

生物兵器へ

の転用懸念

化学兵器へ

の転用懸念

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・客観要件に該当するかどうか等、輸出者が判断に迷う場合については、経済産業省に事前に相談を行うことが可能。

・導入から3年間、年間200件の相談が行われたが、最近制度の定着もあり、相談件数が大幅に減少。最近は窓口で平均毎月40件ほど対応しているが、実際に事前相談として受理しているのは毎月5件程度に留まっている。

・客観要件に該当するかどうか等、輸出者が判断に迷う場合については、経済産業省に事前に相談を行うことが可能。

・導入から3年間、年間200件の相談が行われたが、最近制度の定着もあり、相談件数が大幅に減少。最近は窓口で平均毎月40件ほど対応しているが、実際に事前相談として受理しているのは毎月5件程度に留まっている。

☆ 事前相談件数

注:相談受理件数内の数字は、取り下げられたもの等もあり一致しない。

事前相談制度事前相談制度

2002 2003 2004 20052006

1~10月総計

430 502 524 424 430 2310

146 210 192 72 48 668

許可申請必要 32 30 25 31 25 143

許可申請不要 107 173 147 37 16 480

窓口対応件数

相談受理件数

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1. 輸出国に懸念がある(懸念4ヶ国:イラン、イラク、北朝鮮、リビア)

ⅰ) Z社がA国向けに、大型トラックを輸出したいが、懸念4ヶ国の一つであり、「懸念貨物例」に

記載があるため、事前相談をした。

2. 最終需要者又は輸入者が外国ユーザーリストに掲載されている

ⅰ) メーカーYは、ボルト&ナットの輸出についてB国のX社からオーダーを受けたが、相手が外

国ユーザーリストに掲載されているため、事前相談をした。

ⅱ) W社は、光学薄膜形成装置の輸出についてC国のV社と商談中であるが、相手V社の大株

主が外国ユーザーリストに掲載されていたので、事前相談をした。

事前相談の事例事前相談の事例

・ 事前相談の内容は様々であるが、その大宗は需要者にかかる懸念情報となっている。

・ 輸出貨物に関する直接の懸念情報はほとんどなく、企業が潜在的かつ広範囲なリスクの回避に苦慮している様子が認められる。

・ モーターグレーダー(地ならし車両)やボルト・ナット等、直接大量破壊兵器等の開発等に使用

されないが間接性の高い貨物についての事前相談がある。【2-ⅰ)、4-ⅱ)、5-ⅱ)】

・ 事前相談の内容は様々であるが、その大宗は需要者にかかる懸念情報となっている。

・ 輸出貨物に関する直接の懸念情報はほとんどなく、企業が潜在的かつ広範囲なリスクの回避に苦慮している様子が認められる。

・ モーターグレーダー(地ならし車両)やボルト・ナット等、直接大量破壊兵器等の開発等に使用

されないが間接性の高い貨物についての事前相談がある。【2-ⅰ)、4-ⅱ)、5-ⅱ)】

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3. 最終需要者が軍又は軍事産業ⅰ) 商社Uは、D国向けバスのシャーシを輸出するに当たり、最終需要者が軍であることから、

メーカーより経済産業省に事前相談をするよう依頼された。

ⅱ) 商社Tは、S社製の通信機器用部品制動装置をE国のメーカーR社に輸出しようと していたが、R社のホームページに国防産業に係わっているとの情報が掲載 されており、当該設備が軍用品生産に使用されるおそれがあるため、事前相談 してきた。

4. 最終需要者又は輸入者に(外国ユーザーリスト以外の)懸念情報があった

ⅰ) 商社Qが、P社製ピックアップ車両を情報機関の職員 の移動や荷物の運搬に使用するとの説明の信憑性に懸念があり、また、書面では平和利用の誓約が出来ないとの連絡が入り、事前相談した。

ⅱ) 商社OはN社製モーターグレーダー(地ならし車両)をF国のM社に道路の修復工事に使用

するため輸出したいが、M社に一般的な懸念情報が見つかったため事前相談した。

5. 転用された場合に機微となる可能性があるもの

ⅰ)メーカーLは、走査型電子顕微鏡をG国に輸出したいが、需要者に一般的な懸念情報が見

つかったため、当該機器を使用して核開発に関与するおそれが有るとして事前相談をした。

ⅱ)メーカーKは、旋盤をH国に輸出するに当たり、使用目的に欠陥検出器機の部品製造とあ

り、この需要者は原子力関連製品の製造・販売をしていることから、核兵器開発に寄与する

おそれが有るとして事前相談に至った。

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1. キャッチオール制度一般に関する相談(多数有り)ⅰ)キャッチオール制度について教えてほしい。ⅱ)キャッチオールのチェックが必要というので相談に来た。

2. キャッチオール制度の個別の点に関する照会ⅰ)経済産業省のホームページを見たが××の点がよくわからない。ⅱ)商品の数が多くてチェックが大変なので、包括チェックといった制度は

無いか。ⅲ)食品添加物は対象になるのか。

受理に至らなかった相談の事例受理に至らなかった相談の事例

・ 窓口相談の多くは、キャッチオール制度の理解が十分でないことや、相談の対象となる懸念がないことから事前相談に至っていない。

・ 製本機械や防寒コートの裏生地用繊維等、規制抵触を恐れて直接の大量破壊兵器開発等とは相当乖離のある相談も見られる。【5-ⅱ)、5-ⅲ)】

・ 窓口相談の多くは、キャッチオール制度の理解が十分でないことや、相談の対象となる懸念がないことから事前相談に至っていない。

・ 製本機械や防寒コートの裏生地用繊維等、規制抵触を恐れて直接の大量破壊兵器開発等とは相当乖離のある相談も見られる。【5-ⅱ)、5-ⅲ)】

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3. 特段の懸念がない相談ⅰ)キャッチオールの相談は経済産業省へ行くように税関で言われた。ⅱ)問題はないと思うが、輸出できるとの経済産業省の了解がほしい。ⅲ)メーカーZがA国向けに、小型風力発電機等を輸出したいが、何か問題が

有ると困るので相談に来た。

4. キャッチオール規制の対象とならない懸念事項にかかる相談ⅰ)ホワイト国の軍向けの輸出をしたい。

5. 懸念に具体性の無い相談ⅰ)商社YがB国向けに、パイプのストック販売をしたいが、隣が懸念国で迂回

輸出を危惧するメーカーXが、経済産業省の了解が必要と言っている。ⅱ)C国(懸念国)へ、製本専用の機械を輸出したいが問題があるのか相談。ⅲ)繊維メーカーWが、D国の服飾メーカーから軍の防寒コートの裏生地に使

用する合成繊維布の引き合いがあり相談。

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インフォーム件数及び事例インフォーム件数及び事例

・インフォーム件数は、最近の北朝鮮のミサイル発射等を踏まえて急増。懸念の状況に応じた

行政の機動的対応に、効果的であることを示している。

・インフォーム件数は、最近の北朝鮮のミサイル発射等を踏まえて急増。懸念の状況に応じた

行政の機動的対応に、効果的であることを示している。

☆ 事前相談件数

2002 2003 2004 20052006

1~10月総計

14 12 5 11 42 84インフォーム件数

☆ インフォーム事例

・ 直流電源装置 ウラン濃縮への転用懸念あり (罰金200万円、懲役1年)

・ 凍結乾燥機 生物兵器開発への転用懸念あり

・ 大型トラック ミサイルの発射への転用懸念あり

・ クレーン車 ミサイルの発射への転用懸念あり

・ カールフィッシャー水分計 ミサイル推進薬の開発への転用懸念あり

☆ インフォーム事例

・ 直流電源装置 ウラン濃縮への転用懸念あり (罰金200万円、懲役1年)

・ 凍結乾燥機 生物兵器開発への転用懸念あり

・ 大型トラック ミサイルの発射への転用懸念あり

・ クレーン車 ミサイルの発射への転用懸念あり

・ カールフィッシャー水分計 ミサイル推進薬の開発への転用懸念あり

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事前相談に対して、許可申請要と回答したケースのほとんどは、需要者に

関する懸念。

事前相談に対して、許可申請要と回答したケースのほとんどは、需要者に

関する懸念。

(単位:件数 2005年1月~2006年10月末)

事前相談で許可申請必要と回答した際の懸念内容事前相談で許可申請必要と回答した際の懸念内容

56

0

3

21

32輸出者が入手した文書等(外国ユーザーリストを除く)

外国ユーザーリスト掲載

事前相談で許可申請要と回答した件数

用途要件

需要者要件

別表行為

核兵器等の開発等

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許可申請要の場合、追加の情報収集等で懸念が解消される場合もあり、許可申請に対して適宜許可が出されている。 他方、インフォームの場合、汎用性の高い商品の他国向け輸出の場合を除き、申請はわずかであり許可は行われていない。

許可申請要の場合、追加の情報収集等で懸念が解消される場合もあり、許可申請に対して適宜許可が出されている。 他方、インフォームの場合、汎用性の高い商品の他国向け輸出の場合を除き、申請はわずかであり許可は行われていない。

(単位:件数 2005年1月~2006年10月末)※許可要回答のうち1件については現在審査中

注2: 昨年後半、特定の懸念情報に基づき汎用性の高い貨物にインフォームを行ったことから、同種の貨物について懸念の低い仕向国向けに輸出申請が反復して行われ、許可がなされている。( )内はこれを除いた件数。

許可要回答/インフォームの許可件数許可要回答/インフォームの許可件数

注1: インフォームを受けた貨物と同内容の輸出を行う場合にはそれぞれ許可が必要となるため、1件のインフォームにつき複数の申請がある事例あり。

不許可

取り下げ

許可要回答 25 20 2 2

インフォーム要件

53(4)

45(0)

4(4)

4(0)