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2005/3/22 Inverse Manufacturing Forum 1
インバース・マニュファクチャリングによる製品3Rシステムの高度化
独立行政法人 産業技術総合研究所
増井 慶次郎
資料 4
2005/3/22 Inverse Manufacturing Forum 2
• インバース・マニュファクチャリングとは、「循環型生産」のためのコンセプトであり、製品ライフサイクル全体として資源・エネルギー消費量、廃棄物、および環境負荷を最小化するような、循環型の製品ライフサイクル・システムを構築することを目的とする。一言で言えば、資源・エネルギーを極限まで有効活用するということである。
• 製品のライフサイクルの設計とそのライフサイクルの管理がインバース・マニュファクチャリング実現のための鍵である。
インバース・マニュファクチャリングの基本コンセプト
2005/3/22 Inverse Manufacturing Forum 3
ライフサイクル設計の流れ
ビジネスモデルの策定 環境目標の策定 製品コンセプトの作成
3Rの戦略を決定(ライフサイクル・オプションのベストミックスを選択)
プロセス設計生産プロセス使用プロセスメンテナンスプロセス回収プロセスリサイクルプロセスなどの設計
製品設計分解性リサイクル性アップグレード性
などの要素設計技術
ライフサイクル評価(LCA、LCCなど)
実システムの実現
従来の環境配慮設計
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モノからサービス:資源を出来るだけ消費しないでユーザーの満足できるサービスを提供するビジネスモデル
経済性、品質の確保、および、環境負荷を最小化する最適な3R戦略の決定(ライフサイクル・オプションのベストミックス)
これらのビジネスモデルとライフサイクル・オプションを実現する製品設計とプロセス設計
ライフサイクル設計のポイント
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特性に応じたライフサイクル設計
物理寿命価値寿命販売期間製品カテゴリーの寿命使用量・廃棄量使用方法・ユーザー製品の構造回収システム
ビジネスモデル3R戦略
(最適ライフサイクル・オプションの選択)
製品設計
プロセス設計
製品のライフサイクル特性 ライフサイクル設計
提供しようとするサービスや媒体としての製品の特性に応じて、無理のないライフサイクルの設計が重要
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ケミカルリサイクル
ライフサイクル・オプション アップグレード
リサイクル材使用
メンテナンス(アップグレード)
サーマルリサイクル
中古品として再利用
水平リサイクル
カスケードリサイクル
製品への組込
スペアパーツ利用
カスケードリユース
機能維持
省エネ
小型化・軽量化
共通化
リユース部品使用
マテリアルリサイクル
部品・ユニットリユース
製品リユース(リマニュファクチュアリング)
再使用
リデュース
メンテナンス(長寿命化)
省資源
歩留向上
脱物質化
ライフサイクル・オプションの分類
リサイクル
リユース
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リサイクル
ライフサイクル・オプションの適用条件
以下の四式を満たす部分(α,β,γ,δは戦略的に決定する定数)
(1)(モジュール物理寿命-モジュール使用時間)/製品物理寿命>α
(2) リユースコスト/(製造コスト+処理リサイクルコスト)<β(3) リユースモジュール価値/要求価値>γ(4) 限界リユース率>δ
回収エネルギー>処理に必要なエネルギー減容化の重要度が、燃焼により発生するCO2やエミッション
の問題に比べて重要
○ ○ × ×
リデュース
省資源
意匠部分
価値寿命部分
特に式(3)が支配的(d価値/dt<0)
リサイクルすることによりバージン材やエネルギーの使用が減る場合
リユース
物理寿命部分
構造部分 消耗部分機能部分
特に式(1)が支配的
アップグレード
長寿命化
○ ○ ○ ○
× × ○ ○
マテリアルリサイクル
サーマルリサイクル
ケミカルリサイクル
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量の拡大
共用化
時間
台数販売台数
廃棄台数
時間の拡大
固定化(多世代設計)
同一機種リユース可能
リユース先無し
限界リユース率
リユース率(実効率)=製品回収率×対象部品の歩留まり(良品率)×限界リユース率
(機種間共通設計)
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製品次世代製品
限界リユース率向上のためのライフサイクル設計
性能
時間
製品シリーズ内機種間リユース
世代間リユース
部品の固定化
部品の共用化
議論の対象
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ライフサイクル管理のための製品提供形態
レンタル/リース
販売/購入(現在)
ユーザーによる保守をサポート
適合する製品の特徴特 徴
使用(保守)履歴が明確使用終了(回収)時期が明確同じ機種が同時期に集まるため、
処理が容易複数のユーザーが利用するため、
稼働率が高い専門家による保守がしやすい
利用期間が限定的製品がサービス提供の媒体購入すると高額保守が必要
例:自動車、複写機、パソコン
販売後ライフサイクル管理なし使用(保守)履歴が不明使用終了(回収)時期が不明
本体が長寿命重量が大きい、または据付式
保守が容易な設計交換部品が標準化されている
例:エアコン、冷蔵庫、照明
保守しないと短寿命になったり、効率が低下する製品をメーカーが管理し、ユーザーの保守をサポート
LCA及びLCCの観点から製品交換が望ましい場合に情報を提供
形 態
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ライフサイクル管理情報を利用した循環システムの例
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まとめ
現 在 高度化
環境配慮設計(製品設計の工夫)
ライフサイクル設計(ビジネスモデルからの検討)
3R(廃棄物のリサイクル)
ライフサイクル・オプションの最適化(設計時に3Rを作り込む)
製品の製造・販売(製造業)
製品ライフサイクルを通じたサービスの提供
(ライフサイクル産業)
リサイクル率(製品の何%リサイクルしたか)
再使用率(製品に再利用材を何%使用したか)