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スラップのコンビネーション。まず親指を振り上げて…… サムピングを弾く。この時、プルの準備もしておく。 親指を弦から離しながら、人差指を1 弦に引っ掛けて…… アタック感のあるサウンドを生み出そう! 〜コラム 9 〜 ここでのテーマは、サムピングとプルのコン ビネーションだ。サムピングは P.36 対応の解 説で説明したので、ここではプルの解説をし よう。プルは人差指( 中指を使う人もいる)を 弦の下に潜り込ませて弦を引っ張り上げて、ア タック音を出すテクニックだ。引っ張る時には、 弦を切るぐらいの勢いをつけるとよいだろう。 スラップは、通常サムピング( ルート音 )とプ ル( オクターブ上のルート音)のコンビネーショ ンを使 って、“ ンペッ、ンペッ……”というパー カッシブなサウンドを出す(写真①)。し たがって、親指が弦を叩いた時に、人差指を 弦の下に潜り込ませておくとよい。プルのタイ ミングが遅れるとグルーヴ感が悪くなるので、 人差指を素早く動かすように心掛けよう。 弦を切るぐらいの勢いで 引っ張り上げよう ! 3 文字の言葉を歌って リズムに正確に乗るべし! 松フレーズは、サムピングとプルのコンビ ネーションをさらに強化するためのエクササイ ズだ。3 連符フレーズなので、基本的に“ シブ ヤ ”などの 3 文字の言葉を当てはめてリズムを 取る【 註】 が、“ シブヤ ”のどの部分にプルが 入るのかを理解しておくことが大切だ(図1)。 このフレーズでは、各小節とも1 拍目は“ ヤ ”、 2 拍目は“ブ”、3 拍目は“シとヤ”、4 拍目は “ブとヤ”の位置にプルが入る。実際に演奏 する時には、4 分音符で足踏みを入れながら、 “ シブヤ、シブヤ〜 ”と歌いながら演奏してみ てほしい。自分の声とベース・プレイがピッタリ 合うように弾き込むべし! ここでは、サムピ ングとプルのコンビネーションと 3 連符に正確 に対応できるリズム感を養おう。 サムピングがバス・ドラムで、プルがスネア !? スラップとドラムの密接な関係 スラップが生み出されたきっかけは、ある日、 バンドのリハーサルにドラマーが来られなかっ た時に、ラリー・グラハムがサムピングでバス・ ドラム、プルでスネアを表現したことだと言わ れている。この話の真偽はわからないが、こ のエピソードを実践することがスラップ上達の 近道になる。つまり、ベーシストはスラップを 演奏する時には、ドラマーの役割を兼ねると いう意識を持つとよいのだ( 図2 )。このこと を頭に入れて、サムピングとプルのコンビネー ションを練習すれば、自然とグルーヴ感を高 めることができるだろう。 【言葉を当てはめてリズムを取る】音符に言葉を当てはめてリズムを取る方法は、非常に有効的な手段だ。休符にも言葉を当てはめてみると、リズムを一定に取ることができるので、ぜひ実践してみよう。

サムピングがバス・ドラムで、プルがスネア!? ス …スラップのコンビネーション。まず親指を振り上げて…… サムピングを弾く。この時、プルの準備もしておく。親指を弦

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Page 1: サムピングがバス・ドラムで、プルがスネア!? ス …スラップのコンビネーション。まず親指を振り上げて…… サムピングを弾く。この時、プルの準備もしておく。親指を弦

スラップのコンビネーション。まず親指を振り上げて…… サムピングを弾く。この時、プルの準備もしておく。

親指を弦から離しながら、人差指を1弦に引っ掛けて…… アタック感のあるサウンドを生み出そう!

〜コラム9〜

 ここでのテーマは、サムピングとプルのコンビネーションだ。サムピングはP.36対応の解説で説明したので、ここではプルの解説をしよう。プルは人差指(中指を使う人もいる)を弦の下に潜り込ませて弦を引っ張り上げて、アタック音を出すテクニックだ。引っ張る時には、弦を切るぐらいの勢いをつけるとよいだろう。スラップは、通常サムピング(ルート音)とプル(オクターブ上のルート音)のコンビネーションを使って、“ンペッ、ンペッ……”というパーカッシブなサウンドを出す(写真①〜④)。したがって、親指が弦を叩いた時に、人差指を弦の下に潜り込ませておくとよい。プルのタイミングが遅れるとグルーヴ感が悪くなるので、人差指を素早く動かすように心掛けよう。

弦を切るぐらいの勢いで引っ張り上げよう!

3文字の言葉を歌ってリズムに正確に乗るべし! 松フレーズは、サムピングとプルのコンビネーションをさらに強化するためのエクササイズだ。3連符フレーズなので、基本的に“シブヤ”などの3文字の言葉を当てはめてリズムを取る【註】が、“シブヤ”のどの部分にプルが入るのかを理解しておくことが大切だ(図1)。このフレーズでは、各小節とも1拍目は“ヤ”、2拍目は“ブ”、3拍目は“シとヤ”、4拍目は“ブとヤ”の位置にプルが入る。実際に演奏する時には、4分音符で足踏みを入れながら、“シブヤ、シブヤ〜”と歌いながら演奏してみてほしい。自分の声とベース・プレイがピッタリ合うように弾き込むべし! ここでは、サムピングとプルのコンビネーションと3連符に正確に対応できるリズム感を養おう。

サムピングがバス・ドラムで、プルがスネア!?スラップとドラムの密接な関係

 スラップが生み出されたきっかけは、ある日、バンドのリハーサルにドラマーが来られなかった時に、ラリー・グラハムがサムピングでバス・ドラム、プルでスネアを表現したことだと言われている。この話の真偽はわからないが、このエピソードを実践することがスラップ上達の近道になる。つまり、ベーシストはスラップを演奏する時には、ドラマーの役割を兼ねるという意識を持つとよいのだ(図2)。このことを頭に入れて、サムピングとプルのコンビネーションを練習すれば、自然とグルーヴ感を高めることができるだろう。

【言葉を当てはめてリズムを取る】 音符に言葉を当てはめてリズムを取る方法は、非常に有効的な手段だ。休符にも言葉を当てはめてみると、リズムを一定に取ることができるので、ぜひ実践してみよう。