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*2020 年 8 月改訂(第 9 版) 2016 年 9 月改訂(第 8 版)(新記載要領に基づく改訂)
承認番号 20100BZY00213000
機械器具 51 医療用嘴管及び体液誘導管
高度管理医療機器 長期的使用胃瘻栄養用チューブ 35419003
バードPEGキット 再使用禁止
【警告】 1. 使用方法
(1) 腹部穿刺の際、主要血管、他の臓器、瘢痕化した組織を避け
て穿刺部位を選択すること。[血管や臓器の損傷、あるいは
カテーテルを適切に留置できないおそれがある。]
(2) 本品に過度な圧迫をかけないこと。[組織の損傷や圧迫壊死
に至るおそれがある。また、内部バンパが腹腔内に埋没した
り、カテーテルの意図しない抜去を引き起こすおそれがあ
る。]
(3) 本品を抜去する際、カテーテルが瘻孔に癒着している場合
は、内視鏡的に抜去すること。[カテーテルを引き抜くと、
瘻孔粘膜組織が損傷したり、あるいはカテーテルが破損する
おそれがある。]
(4) 栄養剤等を投与する前に、内部バンパが胃内に適切に留置さ
れていることを、必ず以下の複数の方法で確認すること。
[誤った留置、又は位置のずれにより、栄養剤等が腹腔内に
漏出すると、腹膜炎等の重篤な合併症を引き起こし、死亡に
至るおそれがある。]
<確認方法>
・ 胃内(胃液)の吸引
・ 生理食塩液注入後の吸引
・ X 線透視で確認
・ 内視鏡で確認
(5) 内部バンパ部を切除、あるいは離断した場合、内部バンパを
内視鏡等で確認し、速やかに回収すること。[内部バンパを
体内に放置すると、イレウスや穿孔に至るおそれがある。]
(6) 本品を経皮的に牽引して抜去する際、瘻孔に対して平行に
真っ直ぐ引き上げること。[斜めや横方向に牽引すると、カ
テーテルに過剰な力がかかり、内部バンパが破損又は離断す
るおそれがある。]
【禁忌・禁止】 1. 使用方法
・ 再使用禁止
・ 再滅菌禁止
2. 適用対象(患者)
(1) 食道に狭窄がある患者。[カテーテルの留置や抜去に支障を
きたすおそれがある。]
(2) 内視鏡の透過光が確認できない患者(例:極度の肥満、広範
囲の消化器外科手術既往例、腹水など)。[カテーテルを適切
に留置できない、あるいは血管及び臓器を損傷するおそれが
ある。]
(3) 胃瘻造設予定部位の周囲に複数回の外科手術既往がある患
者。[適切に瘻孔が形成されず、組織を損傷するおそれがあ
る。]
【形状・構造及び原理等】 1. 形状
<構成品>
本品にはプルタイプとプッシュタイプのキットがある。
・カテーテル(材質: シリコーンゴム)
・ セーフティニードル ・*シース付き穿刺針
・ セーフティスカルペル ・スネアワイヤ
・ ループワイヤ(プルタイプ)
/ガイドワイヤ(プッシュタイプ)
・ T 字ストッパ ・フィーディングアダプター
/スターボルスター
・ クランプ ・ガーゼ/割ガーゼ/ドレープ
・ 鉗子/ハサミ ・シリンジ 【使用目的又は効果】 本品は、経口で栄養摂取できない患者に、栄養剤等を経管的に補
給するために使用される胃瘻用ディスポーザブルカテーテルとそ
れを留置するための穿刺針、ガイドワイヤー等を含むセット(留
置セット)である。 【使用方法等】 1. 使用方法等
(1) 留置準備
1) カテーテル挿入予定部位を消毒し、滅菌ドレープで覆う。
2) 内視鏡を挿入する。送気を行い胃を十分に膨らませ、胃内を
観察する。
3) 胃瘻造設に適した部位を選定し内視鏡光を当てる。
4) 透過光が最も明るくなった場所を体表側より指で押すこと
で、胃内腔の隆起を内視鏡下で確認し、穿刺予定部位を決定
する(図 1)。
図 1
5) 内視鏡のワーキングチャンネルを通じて付属のスネアワイ
ヤを挿入し、穿刺予定部位の下で待機する。
6) 付属のセーフティニードルをシリンジに取り付け、穿刺予
定部位に皮下局所麻酔を施す。
7) セーフティニードルのヒンジを前方に押し出し、ニードル
シールドを針先に被せることで針をロックする(図 2)。こ
の状態でニードルをシリンジから取り外す。万一、ニードル
シールドが動かない場合は、針先に注意しながらニードル
を回してシリンジから取り外す。
図 2
内部バンパ ワイヤ部 ダイレータ部
a) プルタイプ
b) プッシュタイプ
ヒンジ
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SD-101-017
8) 付属のセーフティスカルペルの安全ロックがロックされる
まで、刃先を前方に押し出す。
9) セーフティスカルペルを用いて、穿刺予定部位に 1 cm 以上
の皮膚切開を加える。
10) セーフティスカルペルのスイッチ(★印)を押す。安全ロッ
クが解除され、刃先が自動的に収納される(図 3)。
図 3
11) 皮膚と皮下組織をゆっくりと剥離する。
(2) カテーテルの留置
・ プルタイプの留置方法
1) 皮膚切開部位を通じて、シース付き穿刺針(以下、穿刺針)
を内視鏡で確認しながら胃内へ穿刺挿入する。
2) 胃内で待機していたスネアワイヤで穿刺針を把持する。
3) 穿刺針から内針を抜去してシースを残す。
4) ループワイヤのループ部をシースを通じて胃内に挿入す
る。
5) スネアワイヤを一旦弛め、胃内に挿入されたループワイヤ
をしっかりと把持する(図 4)。
*図 4
6) ループワイヤをスネアワイヤで把持したまま、内視鏡と共
に患者の口腔外に引き出す。これによりループワイヤは患
者の胃内から咽頭を通って口腔外に出る。
7) ループワイヤをスネアワイヤから外し、十分に引き出した
後、カテーテルとループワイヤを下記の要領で連結する(図
5)。
a) カテーテル末端のワイヤ部内にループワイヤを通した
後、さらにループワイヤ内に内部バンパを通してカテー
テル全体を引き出す。
b) カテーテルのダイレータ部を親指と人差指で把持し、
ループを締めることで連結部を形成する。
図 5
8) 水溶性潤滑剤をカテーテルに塗布する。
9) 腹部切開部位から出ているループワイヤを片手で把持し、
ゆっくりと引っ張ることでカテーテル先端を口腔内に引き
入れ、切開部位を通じて、シースとともに体外に引き出す
(図 6)。
図 6
10) 内視鏡を再度挿入し、内部バンパが胃前壁に接し、適切に留
置されていることを確認する(図 7)。内視鏡は挿入したま
まの状態にし、胃粘膜又は皮膚が過度に圧迫されていない
ことを確認しながら、以降の操作を行う。
図 7
11) カテーテル及び体表に付着した水溶性潤滑剤を十分に拭き
取る。
12) カテーテルを固定する。この際、カテーテルを体表から約 30
cm のところで切断する。また、付属の鉗子を用いて、付属
の T 字ストッパあるいはスターボルスターを体表に接する
まで進めて固定する(図 8)。
図 8
13) 必要に応じて付属のクランプを取り付け、付属のフィー
ディングアダプターを取り付ける。
・ プッシュタイプの留置方法
1) プルタイプの留置方法 1) ~ 3) に従い、胃内への穿刺針挿
入、スネアワイヤによる穿刺針の把持、及び内針の抜去を行
う。
2) 付属のガイドワイヤをホルダから約 60 cm 引き出し、柔軟
な方を先頭にシースを通じて胃内に挿入する。
3) スネアワイヤを一旦弛め、挿入されたガイドワイヤの先端
から 2 ~ 3 cm の箇所をしっかりと把持する(図 9)。
*図 9
4) ガイドワイヤをスネアワイヤで把持したまま、内視鏡と共
に患者の口腔外に引き出す。これによりガイドワイヤ先端
は患者の胃内から咽頭を通って口腔外に出る。
5) カテーテルのダイレータ部を真っ直ぐに伸ばした後、ダイ
レータの端を患者の口腔外に出ているガイドワイヤ先端に
被せていく。
6) カテーテルに水溶性潤滑剤を塗布する。
7) カテーテルが咽頭部を通過し胃内に挿入されるまで、ガイ
ドワイヤの両端をしっかりと把持する。カテーテルをさら
に押し進めることで、テーパ先端部が切開部位を通じて
シースとともに体外に押し出される(図 10)。
図 10
8) カテーテルが腹壁を通過した後、ガイドワイヤを患者の口
腔外に抜去する。
*
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SD-101-017
9) プルタイプの留置方法 10) ~ 13) に従って、以後の操作を
行う。
(3) カテーテルの抜去
・ 内視鏡的抜去法
1) 内視鏡を挿入する。送気を行い胃を十分に膨らませ、胃内を
観察する。
2) スネアワイヤを挿入し、体表上の T 字ストッパあるいはス
ターボルスターを弛める。
3) カテーテルをゆっくりと回転させ、胃内に 1 ~ 2 cm ほど
ゆっくりと押し込む(図 11)。
4) スネアワイヤで内部バンパと胃壁の間のカテーテルを把持
する(図 12)。
図 11 図 12
5) カテーテルを体表の近くで切断し、スネアワイヤで把持し
たまま内視鏡と共に抜去する。
・ 経皮的抜去法
1) 外観上カテーテルに破損が無いこと、また、瘻孔が十分に形
成されており、カテーテルが回転することを確認する。
2) 瘻孔に水溶性潤滑剤を十分に塗布する。カテーテルをゆっ
くりと回転させ、胃内へ 1 ~ 2 cm ほどゆっくりと押し込
む(図 13)。
図 13
3) タオル、ドレープ又はガーゼ等で瘻孔部を軽く覆う。
4) カテーテルを手の甲で巻きつけながら、手指で瘻孔部のカ
テーテルを強く把持し、もう一方の手で腹部を押さえる(図
14)。
図 14
5) 把持したカテーテルを、一定の力で瘻孔に対して平行に
真っ直ぐに引き上げる。このとき、カテーテルを斜めや横方
向に牽引しない様、注意する。同時に、腹部を手で押さえる
ことで、内部バンパが畳み込まれて瘻孔を通過し、カテーテ
ルが抜去される(図 15)。
図 15
・ 外科的抜去法
内視鏡的もしくは経皮的に抜去できない場合には、外科的に
切開してカテーテルを取り除く。
2. 使用方法等に関連する使用上の注意
(1) 全般的な注意
1) 本品に鉗子等の鋭利な器具との接触、あるいは牽引、屈曲等
の負荷をかけないこと。[本品が破損するおそれがある。特
にプルタイプのカテーテルでは、ダイレータ部が断裂する
おそれがある。]
2) 留置時及び内視鏡的抜去法により抜去する際は送気を行
い、胃を十分に膨らませておくこと。[胃壁と腹壁が分離す
るおそれがある。]
(2) 留置時の注意
1) 腹部への皮膚切開が小さいと、カテーテルを体外に引き出
す(押し出す)際、切開部の筋膜が抵抗となる場合があるた
め注意すること。
2) シース付きセーフティ穿刺針を把持する際、キンクしない
様、注意すること。[ループワイヤもしくはガイドワイヤが
通過しなくなるおそれがある。]
3) カテーテルを腹壁から引き出す(押し出す)際、抵抗がある
場合は、止血鉗子等を使用して切開部の筋膜を追加剥離す
ること。[抵抗がある状態でカテーテルを引き出す(押し出
す)と、ループワイヤが破損し、患者及び術者が負傷するお
それがある。]
(3) 抜去時の注意
抜去後、新しいカテーテルへの交換を行わない場合は、密閉式
のドレッシングを施すこと。瘻孔は 24 時間以内に閉鎖する。
(4) 投与時の注意
1) 栄養剤及び水分の投与は、胃瘻造設から 24 時間以上経過し
た後に開始すること。
2) 栄養投与の前後は、必ず微温湯によりフラッシュすること。
[栄養剤等の残渣の蓄積により本品が閉塞するおそれがあ
る。]
3) 本品を介して散剤等(特に添加剤として結合剤等を含む薬
剤)を投与する際は、本品が閉塞しないよう注意すること。
4) 栄養剤等の投与あるいは微温湯などによるフラッシュ操作
の際、操作中に抵抗が感じられる場合は操作を中止するこ
と。[本品の内腔が閉塞した状態で栄養剤等の投与あるいは
フラッシュを行うと、カテーテル内圧が上昇し、カテーテル
が破損又は断裂するおそれがある。]
(5) 本品の管理に関する注意
1) カテーテルの開存性を保つため、汚れや詰まりが認められ
る場合は必要に応じて交換すること。
2) カテーテルとフィーディングアダプター及び栄養ラインと
の接続部は定期的に清拭し、清潔に保つこと。また、本品を
使用していないときは、フィーディングアダプターの
キャップが閉じられていることを定期的に点検すること。
[接続部に付着した汚れ・油分等により、投与中にフィー
ディングアダプター及び栄養ラインとの接続が外れるおそ
れがある。また、投与休止中においてはフィーディングアダ
プターのキャップが外れやすくなり、胃内容物の漏出、皮膚
壊死や感染が生じるおそれがある。] 【使用上の注意】 1. 重要な基本的注意
本品の閉塞を解消する際は、以下の点に注意すること。[本品が
破損又は断裂するおそれがある。]
(1) 容量が 10 mL より大きいシリンジを使用してフラッシュする
こと。
(2) スタイレット等を使用しないこと。
(3) 上記(1)の操作を行っても本品の閉塞が解消されない場合は、
本品を抜去すること。
2. 不具合・有害事象
(1) 不具合
・ 意図しない抜去
・ 内部バンパの位置のずれ又は移動
・ カテーテルあるいは内部バンパの破損又は離断
・ 閉塞
・ 抜去困難
(2) 有害事象
・ 腹膜炎
・ 敗血症
4/4
SD-101-017
・ 胃出血
・ 他臓器への誤穿刺
・ バンパー埋没症候群
・ 幽門狭窄
・ 胃食道逆流症
・ 小腸閉塞(イレウス)
・ 小腸穿孔
・ 胃壁と腹壁の早期分離
・ 下痢、食欲不振
・ 感染
・ 胃潰瘍(カテーテル留置に起因するもの)
・ 瘻孔周囲のスキントラブル(発赤、皮膚潰瘍、圧迫壊死、肉
芽形成)
・ 胃結腸瘻
・ 胃排出機能低下
・ 瘻孔周囲からの栄養液又は薬剤の漏出
・ 胃内容物の漏出 【保管方法及び有効期間等】 1. 保管方法
直射日光を避け、乾燥した涼しい場所で保管すること。
2. 有効期間
使用期限は外箱に記載。
<耐久性>
卓上試験の結果、本品のカテーテルは、30 日間の胃酸への浸漬シ
ミュレーション後、カテーテルの引張強度に関連する性能要件を
満たすことを確認している。
【製造販売業者及び製造業者の氏名又は名称等】 製造販売業者 : 株式会社メディコン
外国製造業者 : C. R. バード社
C. R. Bard, Inc.
国名 : アメリカ合衆国
*連絡先 : 0120-036-541(カスタマーサービス)