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テーマ 対象 学習内容 デブリーフィングでの学習 春1 複数患者の観察と確認 新人 3人の受け持ち患者(糖尿病、肺炎、 胆石症)の申し送り後の朝の挨拶と環 境の確認 患者への挨拶と患者と環境の確認、酸素 療法の目的・適応・基準、酸素投与の際 の濃度、酸素飽和度と動脈血酸素分圧 春2 入院患者の情報をとる 新人 発熱で悪寒戦慄を訴え入院となった患 者の情報収集 看護師の身だしなみ/系統的レビュー/面 接中の態度(話す態度と聴く態度)/バイ タルサインとは/発熱のメカニズムと看護 春3 複数患者の検温 (新人編) 新人 肺炎、前立腺炎、糖尿病の患者の検温(情 報収集とアセスメント) 呼吸のフィジカルアセスメント(解剖、 生理、診察法)/呼吸メカニズム 春4 複数患者の検温 (先輩編) 2 年目〜 肺炎、糖尿病、前立腺炎、胆石腹腔鏡 下胆嚢摘出術直後の 4 人の患者の検温 (情報収集とアセスメント) 術直後の観察/成人の必要な水分量、尿 春5 新人看護師の報告を 受けて 3 〜 5 年目 3 人の患者を検温中の新人看護師から の報告・連絡・相談を受けてリーダー としての適切な判断と行動 喘息発作の分類/リーダーシップ 夏1 複数患者の夜間の検温 新人 低血糖症状が出現している糖尿病患者、 胆石症の手術待機中の患者、前立腺炎 で発熱中の患者の検温 糖尿病の基本的な知識/低血糖/インス リン療法/胆石症の基本的な知識 夏2 複数患者の巡視 新人 腹腔鏡下胆嚢摘出術当日夜の患者と酸 素や点滴治療中の肺炎患者の巡視 夜間病棟の特徴と看護師の配慮/夜間の 心身の特徴/巡視の基本/術後の一般的 な観察と腹部のドレーン 夏3 急変対応① 転倒 新人 夜間トイレに行こうとして転倒した患 者の観察と対応 転倒時の観察と対応/大腿部頸部骨折の 観察 夏4 新人看護師の報告への 対応 3 〜 5 年目 3 人の患者を検温中の新人看護師から の報告・連絡・相談を受けてリーダー としての適切な判断と行動 糖尿病の合併症/心筋梗塞の基本的な知 識と対応およびリーダーシップ 夏5 巡視後の新人看護師 からの報告 3 〜 5 年目 3 人の患者を検温中の新人看護師から の報告・連絡・相談を受けてリーダー としての適切な判断と行動 脳梗塞発症の観察と対応 およびリーダーシップ 秋1 女性部屋の検温 新人 4人の患者(喘息、不整脈、貧血、虫垂炎) の検温(情報収集とアセスメント) 貧血の知識/循環器のフィジカルアセス メント/期外収縮(心室性と心房性)の 基本的知識 秋2 急変対応② 窒息 新人 夕食摂取中の患者の窒息の発見から応 援要請と応援到着までの対応 窒息の対応/背部殴打とハイムリッヒ 秋3 急変対応③ 脳梗塞 新人 夜間巡視時の患者の異変。ろれつが回 らない、麻痺がある患者の観察と応援 要請 脳梗塞の患者の観察(神経系のフィジカ ルアセスメント) 秋4 急変対応④ 窒息 2 年目〜 窒息を発見した新人看護師からの応援 要請を受けての、リーダーとしての適 切な判断と行動 挿管の適応と介助/血液ガスの基本的な 知識/急変時のリーダーシップ 秋5 急変対応⑤ 上室性頻拍 2 年目〜 突然の上室性頻拍を起こした患者の観 察と対応 上室性頻拍の基本的な知識と対応 冬1 男女部屋の 4 人の 検温と申し送り 新人 4 人の受け持ち患者で 2 部屋に分かれ ている場合での情報収集とアセスメン 高血糖の基礎知識と対応/喘息の基本的 な知識 : 小発作 冬2 急変対応⑥ 吐血 新人 消化管出血の疑いのある貧血患者の突 然の吐血での観察と対応 出血性ショックの観察と対応 冬3 急変対応⑦ アナフィラ キシーショック 新人 前立腺炎の患者の初回抗生剤投与時の アナフィラキシーの観察と対応 アナフィラキシーショックの観察と対応 冬4 急変対応⑧ 術後腹腔ド レーンからの出血 2 年目〜 腹腔鏡下胆嚢摘出術当日夜の腹腔ド レーンからの出血時の観察と対応 胆石切除術の基礎的知識/腹部のドレー ン/出血性ショック 冬5 急変対応⑨ 感染性 ショック 2 年目〜 前立腺炎で高熱の患者の入院直後の状 態変化に対する観察と対応 感染性ショックの観察と対応 シナリオ (予定) 一覧 v

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テーマ 対象 学習内容 デブリーフィングでの学習

春1 複数患者の観察と確認 新人3 人の受け持ち患者(糖尿病、肺炎、胆石症)の申し送り後の朝の挨拶と環境の確認

患者への挨拶と患者と環境の確認、酸素療法の目的・適応・基準、酸素投与の際の濃度、酸素飽和度と動脈血酸素分圧

春2 入院患者の情報をとる 新人 発熱で悪寒戦慄を訴え入院となった患者の情報収集

看護師の身だしなみ/系統的レビュー/面接中の態度(話す態度と聴く態度)/バイタルサインとは/発熱のメカニズムと看護

春3 複数患者の検温(新人編) 新人 肺炎、前立腺炎、糖尿病の患者の検温(情

報収集とアセスメント)呼吸のフィジカルアセスメント(解剖、生理、診察法)/呼吸メカニズム

春4 複数患者の検温(先輩編) 2 年目〜

肺炎、糖尿病、前立腺炎、胆石腹腔鏡下胆嚢摘出術直後の 4 人の患者の検温

(情報収集とアセスメント)

術直後の観察/成人の必要な水分量、尿量

春5 新人看護師の報告を受けて 3 〜 5 年目

3 人の患者を検温中の新人看護師からの報告・連絡・相談を受けてリーダーとしての適切な判断と行動

喘息発作の分類/リーダーシップ

夏1 複数患者の夜間の検温 新人低血糖症状が出現している糖尿病患者、胆石症の手術待機中の患者、前立腺炎で発熱中の患者の検温

糖尿病の基本的な知識/低血糖/インスリン療法/胆石症の基本的な知識

夏2 複数患者の巡視 新人 腹腔鏡下胆嚢摘出術当日夜の患者と酸素や点滴治療中の肺炎患者の巡視

夜間病棟の特徴と看護師の配慮/夜間の心身の特徴/巡視の基本/術後の一般的な観察と腹部のドレーン

夏3 急変対応① 転倒 新人 夜間トイレに行こうとして転倒した患者の観察と対応

転倒時の観察と対応/大腿部頸部骨折の観察

夏4 新人看護師の報告への対応 3 〜 5 年目

3 人の患者を検温中の新人看護師からの報告・連絡・相談を受けてリーダーとしての適切な判断と行動

糖尿病の合併症/心筋梗塞の基本的な知識と対応およびリーダーシップ

夏5 巡視後の新人看護師からの報告 3 〜 5 年目

3 人の患者を検温中の新人看護師からの報告・連絡・相談を受けてリーダーとしての適切な判断と行動

脳梗塞発症の観察と対応およびリーダーシップ

秋1 女性部屋の検温 新人 4 人の患者(喘息、不整脈、貧血、虫垂炎)の検温(情報収集とアセスメント)

貧血の知識/循環器のフィジカルアセスメント/期外収縮(心室性と心房性)の基本的知識

秋2 急変対応② 窒息 新人 夕食摂取中の患者の窒息の発見から応援要請と応援到着までの対応 窒息の対応/背部殴打とハイムリッヒ

秋3 急変対応③ 脳梗塞 新人夜間巡視時の患者の異変。ろれつが回らない、麻痺がある患者の観察と応援要請

脳梗塞の患者の観察(神経系のフィジカルアセスメント)

秋4 急変対応④ 窒息 2 年目〜窒息を発見した新人看護師からの応援要請を受けての、リーダーとしての適切な判断と行動

挿管の適応と介助/血液ガスの基本的な知識/急変時のリーダーシップ

秋5 急変対応⑤ 上室性頻拍 2 年目〜 突然の上室性頻拍を起こした患者の観察と対応 上室性頻拍の基本的な知識と対応

冬1 男女部屋の 4 人の検温と申し送り 新人

4 人の受け持ち患者で 2 部屋に分かれている場合での情報収集とアセスメント

高血糖の基礎知識と対応/喘息の基本的な知識 : 小発作

冬2 急変対応⑥ 吐血 新人 消化管出血の疑いのある貧血患者の突然の吐血での観察と対応 出血性ショックの観察と対応

冬3 急変対応⑦ アナフィラキシーショック 新人 前立腺炎の患者の初回抗生剤投与時の

アナフィラキシーの観察と対応 アナフィラキシーショックの観察と対応

冬4 急変対応⑧ 術後腹腔ドレーンからの出血 2 年目〜 腹腔鏡下胆嚢摘出術当日夜の腹腔ド

レーンからの出血時の観察と対応胆石切除術の基礎的知識/腹部のドレーン/出血性ショック

冬5 急変対応⑨ 感染性ショック 2 年目〜 前立腺炎で高熱の患者の入院直後の状

態変化に対する観察と対応 感染性ショックの観察と対応

シナリオ(予定)一覧

v

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2 シナリオの使いかた

 シナリオとは、効果的なシミュレーション学習をねらって指導者が設計する、体系化された計画のすべてをさします。 本シナリオ集の前書となる『看護のためのシミュレーション教育はじめの一歩ワークブック』(2013 年 , 日本看護協会出版会)では、シナリオをフォーマットで示しました。うれしいことに、そのシナリオに基づいて実際にトレーニングを行っている指導者、行いたいと申し出てくる指導者がいます。そしてそんな指導者らが行うトレーニングをスーパーバイズしていくなか、文字だけで埋めたフォーマットでは伝わらないものがあるということを感じています。 臨床で多忙な指導者らがもっとトレーニングを行いやすいようにするには、どのようなシナリオを提示すればよいのかと思案して、このシナリオ集を作成しました。 このシナリオ集では、指導者が実践しやすいように、以下の点に特徴をもたせています。

1.このシナリオ集に登場する患者さんは男性部屋4名、女性部屋4名の計8名です。各シナリオでは、

これら8人の患者さんが状況や状態を変えて登場します。8人の患者さんはⅡ章(p.11〜)に紹

介しています。情報を熟読し、8人の患者さんを把握してください。

2.同じ患者さんでも目標と状況や状態を変化させて、先輩看護師たち(経験2年目〜5年目を想定)

のトレーニングが行えるようにしてあります。

3.前書『ワークブック』で「シナリオデザインシート」として示した内容は、ブリーフィングで指導

者が説明する「目標」「患者の紹介」「課題」についてスライドとして示しました。また、本文では

実際の指導者のブリーフィングのポイント説明を吹き出し(  )で示しています。

4.前書『ワークブック』で「シミュレーションアウトライン」で示していた「患者の状況」はイラス

トで示し、指導者らが打ち合わせを行うときに使用しやすくしました。模擬患者(声役)やオペレー

ター役が練習や準備をするときにも使いやすくなっています。

1.気に入ったシナリオをまずは指導者全員で全部読む。

2.シナリオは、学習者のレディネスを十分に考慮して選ぶ。実際に行う学習者に応じて、目標や患者

情報、課題、事前学習などを修正してもよいでしょう。

3.目標や課題を修正した場合には、「患者状況」や、アウトラインシートの「目標に準じた学習者に

期待する動き」「ファシリテーターのかかわり・留意点」、デブリーフィングガイドシートも見直し

てみましょう。

4.「デブリーフィングガイドシート」のデブリーフィングポイントには、各シナリオで押さえておき

たい基礎知識も載せています。デブリーフィングの際の知識の確認に使用してください。

▶ 工夫した点

▶ 使い方の手順

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5.物品は各施設で準備できるものに変更したり、準備できないものは、「あること」「やったこと」な

どにして構いません。長くシミュレーション教育を展開していくためにもコスト面で無理をしない

ようにしましょう。

6.設営についても、各施設の状況に合わせて工夫してください。ラボやトレーニングのための部屋が

ない施設では、空いている個室やカンファレンス室など、各施設で実現可能な部屋を使って行って

も構いません。

7.シナリオ全体の内容を理解したら、必ず指導者の役割を決め、それぞれの役割を共通理解としてお

きましょう。また、ファシリテーターとデブリーファーは、シナリオの「目標」と、「目標に準じ

た学習者に期待する動き」、「デブリーフィングガイド」(学習者に何をどこまで学習させたいのか

という点)を、すべての指導者らが理解して実際のトレーニングに臨めるように、αテスト*1 や

βテスト*2 を行う準備を進めます。実際の臨床では、なかなか指導者全員が一同に集まることが

難しい場合もあると思いますが、当日や前日に集まって、必ず、αテストだけでもするようにしま

しょう。

8.実際のトレーニングが終わってからは、必ずトレーニングのデブリーフィングを行って改善点を

ディスカッションし、次回のトレーニングに活かすようします。ここは、一番大切な部分です。こ

れを繰り返すことで、指導者のスキルが向上します。

*1αテスト:指導者間で学習者役を決めて行うシナリオのテストラン。主に全体的な流れ、環境や物品について検証する。*2 βテスト:実際の学習対象者に近い学習者を立てて行うシナリオのテストラン。目標、患者の状況、学習者に求めるシ

ナリオ内の課題や時間、デブリーフィングの内容と時間、指導者のかかわり方などについて検証する。

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基礎情報 氏名 秋山 太郎 年齢 98 歳 性別 男

患者氏名

秋山 太郎 T□年6月10日 98歳 男

入院期間 平成  年  月  日〜    年  月  日

職 業 元 農業 血液型 B型RH+ 保険:国保

感染症 なし アレルギー 薬( なし ) 食物(   なし   ) その他(   なし   )

診断名:肺炎・脱水 入院時主訴: 発熱・咳・痰・呼吸苦

既往歴高血圧・脂質異常症ノルバスク2.5mg 1日1錠朝内服7年前:右被殻出血・左半身不全麻痺

現病歴1週間前より咳・痰があり、自宅で様子をみていたが、昨日夜から38度台の発熱あり、咳嗽激しく、食事摂取時のむせ込みが強く、食事摂取・飲水が難しくなり受診。採血・胸部レントゲンの結果、肺炎と診断。加療目的で入院

自宅での状態:食事中むせ込むことあり入院時検査:血液・尿・喀痰培養・胸部レントゲン

家族歴・家族構成・キーパーソン

 キーパーソン:秋山 勇大(長男)

身長165cm 体重57kg【ADL状況】立位動作:つかまるところがあれば数分可能移乗動作:介助移動動作:屋内外車椅子(自操)排泄動作:尿意・便意あいまい(全介助)     日中トレーニングパンツ     夜間おむつ使用     排便:1回/2日     (寝る前:センノサイド2mg 2錠服用中)     排尿:日中6回夜間は2回交換食事動作:自己摂取可能(スプーン)入浴動作:全介助(シャワーチェア使用)更衣動作:全介助整容動作:洗面・歯磨きセッティングで可能

【身体障害の有無】視力障害:老眼

補助具の使用(字を読むときのみ眼鏡使用)聴力障害:難聴(左耳)

補助具の使用(なし、大きく・はっきり伝えると通じる)

言語障害:軽度ろれつ難意思疎通:できる歩行障害:左半身不全麻痺:車椅子使用嚥下障害:ややむせる     義歯:あり(上・下)

精神的・社会的・経済的背景病気・入 院について: 妻・長男より→ 高齢なので、回復するか心配。これまでな

んとか元気になったが、心配。来月、孫の結婚式があるので元気になってほしい

収入源:年金・妻が管理住環境:2階建(2世帯住居)

1階に夫婦で住んでいる(住宅改修済みバリアフリー) 2階に長男家族が住んでいる

福祉サービスの利用状況:要介護3デイケア週3回福祉用具レンタル(車椅子・ベッド)

主治医からの説明と疾患・治療に対する理解主治医より: 症状・採血・胸部レントゲンの検査結果から誤

嚥性肺炎・脱水が考えられます。肺炎の治療として点滴・抗生剤治療を行っていきます。また、低酸素状態もあり酸素投与も開始していきます

家 族:   高齢なので心配。なにか変化があったらすぐに連絡がほしい。元気に回復してほしい。以前の入院で転んだことがあったので転倒が怖い。付き添いが必要なら付き添います

治療計画誤嚥性肺炎加療目的入院

治療:薬物療法(点滴・抗生剤)  酸素療法  リハビリ療法(呼吸RH)

検査:採血・胸部レントゲン

35歳

60歳

30歳3歳

肺癌70歳

50歳

60歳 63歳

20歳 18歳 12歳

48歳60歳

脳出血70歳

75歳肺癌

18歳

40歳

肺癌65歳

70歳心不全

15歳

50歳

30歳 36歳

52歳

53歳

12歳

10歳

57歳 55歳

25歳

60歳肺癌 78歳 認知症 高血圧

54歳 高血圧

20歳

10歳

42歳

90歳

50歳高血圧55歳68歳

高血圧66歳

38歳

11歳

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設定状況 秋山 太郎 98 歳、男 165cm / 57kg

氏名 秋山 太郎 年齢 98 歳 性別 男

病日3日目のバイタルサイン

血 圧 = 140/68mmHg 体 温 = 36.8℃

脈拍数 = 78回/分 整 SpO2 = 96%(3Lカニュラ)

呼吸数 = 24回/分

左半身麻痺

SpO2モニタ

O2 3L

顔色不良

難聴

右中下葉副雑音あり痰の喀出あり 黄色痰多量

おむつ使用

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表 3-2 デブリーフィングガイドシート目 標 デブリーフィングポイント 目 安

① 複数患者の情報を把握することができる

Q1:記録類と申し送りから各患者の入院目的と現在の状態の何を把握して患者のもとに行かなければならなかったのかを、各患者ごとにディスカッションしてまとめてみましょう

A1:秋山さん:誤嚥性肺炎/呼吸状態(酸素量、型、体位、呼吸回数、SpO2)/点滴の内容・速度・残量 藤さん:糖尿病の血糖コントロール/食事の種類/運動療法/インスリンの投与時間と量/血糖測定の時間と経過/入院後の低血糖症状の有無/食事摂取量山城さん:前立腺炎/熱型/前立腺炎の自覚症状/点滴の内容・速度・残量

1 人目のシミュレーション後

② 各患者の状態に応じた検温ができる

Q2:部屋に入って挨拶し、全員の第一印象を把握することができましたか?どの順番で検温を行いましたか?次に行うとしたらどの順番で行えばよいのでしょうか?ディスカッションしてまとめてみましょう

A2:秋山さんは左半身麻痺があり、点滴も挿入中、自力での体位変換も難しく、また呼吸状態も不安定なことから優先的に観察する。ざっと 3 人の顔色などを確認し、藤さんには低血糖症状がないか、山城さんには倦怠感、体熱感などを聞き、体温を測定しておいてもらうなどしてから秋山さんの検温を実施し、その後、藤さん、山城さんの検温を行うことにしてもよい。

Q3:バイタルサインとはなんですか?バイタルサインの代表的な項目を挙げてください。話し合ってもよいですよ

A3:押さえておきたい基礎知識 3-1 バイタルサインQ1(p.100)参照

Q4:①意識を司っているのはどこですか?意識状態はどのようなスケールでアセスメントしますか?②脈拍と血圧は循環系です。循環系の役割はなんですか?③動脈と静脈の血管の構造の違いは?④脈拍と血圧とはなんですか?また、脈拍では数以外に何を観察しますか?脈拍数と血圧の正常値は?

A4:学習者らがまとめてから、資料(押さえておきたい基礎知識 3-1Q2 参照)を出して学習する

Q5:各患者さんの検温では何を優先して観察をしましたか?次に行うとしたらどのように観察したらよいでしょう。行ったことを振り返り、次回のために各患者で観察すること・その順番をディスカッションしてまとめてみましょう

A5:イラスト 3-1 ~ 3-3(p.94-96)参照

Q6:秋山さんの観察を、呼吸の解剖・生理の知識、フィジカルアセスメントの知識と技術を使用して行えましたか?秋山さん

2 人目のシミュレーション後

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