34
データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 東京大学大学院医療情報学 大江和彦 データ利活用のための政策と戦略 -より良きデータ利活用社会のために- Web事前公開用(暫定版)

データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

  • Upload
    others

  • View
    1

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

データの共有と利活用

ヘルスケアデータ戦略

東京大学大学院医療情報学

大江和彦

データ利活用のための政策と戦略-より良きデータ利活用社会のために-

Web事前公開用(暫定版)

Page 2: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

日本での医療のIT化の歴史

1970

1980

1990

2000

2010

医事会計紙レセプト作成

臨床検査部門

処方/検査指示(オーダリングシステム)

医療画像管理(PACS)

電子カルテ

地域情報ネットワーク

マイコン(1974)8ビットPC

16ビットPC

インターネットWeb

タッチパッドPCスマートフォン

携帯電話の普及

電子医療データの連携と多目的利用

電子レセプト

Copyright(c)2018 Kazuhiko Ohe, The University of Tokyo

Page 3: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

普及率

電子カルテシステム(EHR)普及状況(H20,23,26 厚労省医療施設静態調査(全病院))

施設数70%

全病院数(一般病院) 約7500〜7700

34%

22%

14%

Copyright(c)2018 Kazuhiko Ohe, The University of Tokyo

Page 4: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

厚生労働省 全国保健医療情報ネットワーク・ 保健医療録共有サービス関係 参考資料よりCopyright(c)2018 Kazuhiko Ohe, The

University of Tokyo

Page 5: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

電子カルテシステム (and オーダシステム)

医師の入力オーダー・電子カルテ

オーダーやカルテ記録

オーダー情報

オーダー情報

検査結果

レポート作成実施結果

LAN

オーダ情報

画像検査結果

臨床検査部門

画像検査部門

カルテ情報検査結果etc

メイン診療サーバ

各部門サーバ(検査・放射線・薬剤・・・)

医事会計サーバ

会計情報患者登録基本情報

会計伝票入力患者基本情報登録

レセプトデータDPCデータ

電子カルテデータオーダシステムデータ

Copyright(c)2018 Kazuhiko Ohe, The University of Tokyo

Page 6: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

各社ばらばらの電子カルテデータを標準化する「SS-MIX2標準ストレージ」

各社のばらばらなデータ形式の電子カルテシステム

SS-MIX2標準ストレージ

各医療機関

患者基本識別情報処方注射血液尿検査結果入退院・外来受診

HL7 標準化コード標準化

標準化

HL7 v2.5 国際標準規格 ISO IS 27931:2009厚生労働省標準規格Copyright(c)2018 Kazuhiko Ohe, The

University of Tokyo

Page 7: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

SS-MIXの導入の地域分布(SS-MIXコンソーシアム調べ)

Copyright(c)2018 Kazuhiko Ohe, The University of Tokyo

Page 8: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

http://www.info.pmda.go.jp/kyoten_iyaku/db_kiban.html

データベース規模 400万人

MID-NET事業 (PMDA 厚労省医薬・生活衛生局)

北里大NTT病院G徳洲会病院G

Copyright(c)2018 Kazuhiko Ohe, The University of Tokyo

Page 9: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

SS-MIX2標準ストレージを活用した多目的臨床データ登録システム(MCDRS)

の考え方

共用DBシステム

各医療機関の電子カルテ

SS-MIX2標準ストレージ

各医療機関

自動取り込み一部 手入力

研究課題固有の登録データ項目

共通登録データ項目

臨床DB管理運用センター(学会・多施設研究チーム)

データ解析

臨床研究者

さまざまな臨床研究でのデータ活用

Webベースの症例データ登録

Copyright(c)2018 Kazuhiko Ohe, The University of Tokyo

Page 10: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

SS-MIX2標準化ストレージ

J-CKD-DB

電子カルテ(ベンダー製品)

DWH(ベンダー製品)

電子カルテ

DWH

電子カルテ

DWH

形式:HL7検査: JLAC10薬剤: HOT

抽出

SS-MIX2

SS-MIX2

慢性腎臓病DB(日本腎臓学会) J-CDK-DB

標準化されたデータの登録

電子カルテ

DWH

J-CKD-DB事業資料より引用(柏原直樹先生ご提供)

Copyright(c)2018 Kazuhiko Ohe, The University of Tokyo

Page 11: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

NCGM-日本糖尿病学会 100施設の登録を目指した糖尿病症例登録クラウド構築事業(愛称: J-DREAMS)

• 電子カルテデータとの連携による、効率的な症例登録

• 匿名化されたデータが、暗号化通信によりクラウドセンターに蓄積

• 統一された項目による多施設の大規模糖尿病症例データベース

• 研究テーマに基づき、施設横断的症例データを提供・活用

• 糖尿病臨床研究の分析支援

・標準化されたカルテを用いることによる糖尿病診療の質の改善合併症進展リスク因子の検索、合併症進展抑制効果の期待される介入の同定

・糖尿病薬の副作用について発生頻度やリスク因子の確認・糖尿病についてのunmet needsの発見

100施設の登録に向けて、実証試験を約30施設、数万人で実施

これまでの症例収集の考え方の転換

• 自動収集項目を中心に収集

• クリニックからの収集項目(簡易項目)と、大規模な病院からの収集項目の設定(通常項目)

• 簡易項目は、症例把握に

• 通常項目は、そのまま研究利用

SS-MIX2ストレージ

電子カルテ

インターネット

各医療機関

糖尿病多施設

症例データベース

症例分析

糖尿病臨床研究推進拠点

自動蓄積

効率的作成

電子カルテ

データ連携

糖尿病多施設症例蓄積拠点

糖尿病クラウドセンター

症例登録ポータル

匿名データ暗号化通信(SSL/VPN)

症例分析結果

症例データ

セキュリティ装置(FW)

日本糖尿病学会

• 各教育認定施設への連絡• 収集項目の検討• 研究テーマの検討・選定• その他各種支援の検討

協力・連携

解析センター

Page 12: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

選択した検査値と同じ日付の検査結果を自動転記

Copyright(c)2018 Kazuhiko Ohe, The University of Tokyo

Page 13: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

電子カルテでの入力を自由記載から定型入力へ

Copyright(c)2018 Kazuhiko Ohe, The University of Tokyo

Page 14: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

パーソナルゲノム情報と臨床情報を統合管理する健康医療情報の標準化基盤

電子カルテシステムSS-MIX2標準ストレージ

医療機関

基本識別情報処方 注射血液尿検査結果入退院・外来受診病名情報

電子カルテ記載心電図波形とレポート内視鏡 病理検査 がん登録心臓カテーテル検査

臨床情報統合データベース

パーソナルゲノムDB

パーソナルゲノム

将来の連結解析

SS-MIX2拡張ストレージ

臨床症例データベースへ

Copyright(c)2018 Kazuhiko Ohe, The University of Tokyo

Page 15: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

ライフデータと医療データとの連係へ

医療機関

各社バラバラの電子カルテシステム

SS-MIX2ストレージ

血圧

自己血糖測定

体重

問診票

生活圏での健康情報SS-MIX2準拠

パーソナルライフデータストレージ

必要時に連携

医療機関からの情報と生活圏の情報を

連携できる新しい健康医療情報利用の

標準化インフラの構築

(クラウド)

標準化

内部データファイルはHL7:国際標準ISO IS27931(厚労省標準規格)準拠

HL7

Copyright(c)2018 Kazuhiko Ohe, The University of Tokyo

Page 16: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

Phase 2(2016-2018) 生活圏での健康医療データを

異なるクラウドDB間で交換する標準整備

血圧

自己血糖測定

体重

生活圏での健康情報

SS-MIX2準拠PLS

(クラウド)

(クラウド)

タニタ健康DBオムロン

健康DB

医療機関

電子カルテシステムSS-MIX2ストレージ

必要時に連携

Copyright(c)2018 Kazuhiko Ohe, The University of Tokyo

Page 17: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

膨大で広範になってしまった医学知識を集めきれない、覚えきれない、利用しきれない

機械的に生成される膨大な医療データを分析しつくせない時代に

構造的・体系的な知識

事実の知識ルール(A→B)知識

論文データベース

症例報告データベース

電子教科書電子ガイドライン

論文や資料

電子化医療データの

爆発的増加

電子カルテ

膨大な医療画像電子カルテの記述

時系列検査結果

Copyright(c)2018 Kazuhiko Ohe, The University of Tokyo

Page 18: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

今の電子カルテの問題 —入力問題ー

診療行為の医学的意図や判断根拠がほとんど記載されない• AssessmentとPlan: カルテに自由文で記載されるか、記載されな

い。

• オーダ入力時に根拠情報(たとえば検査結果や病名)と紐付け記録はない

患者状態の観察・収集情報(検査からの解釈含む)

• 何をどのように書くかは医療者の自由意志に任されている(身長、血圧、アレルギー情報、既往歴、家族歴、現病歴、症状...患者に現に存在する病名)

• 情報の大部分は自然言語による自由記載、一部は半定型的に記録

• 一度入力した情報をアップデート・精緻化するタイミングがない

Copyright(c)2018 Kazuhiko Ohe, The University of Tokyo

Page 19: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

今の電子カルテの問題 ー出力問題ー

知りたい情報がどこにいつ記録されているか不明 たとえば病名情報は散在記録

• 病名登録(電カル≈レセプト)、DPC入力、手術オーダーや検査オーダの付帯的情報・・・定型/コード化

• 放射線画像診断報告、病理報告、生体検査報告(内視鏡検査報告、超音波報告...)、診療情報提供書、診断書、入院時サマリー、退院時サマリー、看護基本データ・・・半定型

• 診療経過記録の文中記載(現病歴のなかなど)・・・FreeText

知りたい事柄についての時系列の要約情報が得られない 注目したいトピック(Problem)についての記録だけを取り上げられ

ない

• たとえば特定の症状(例:腰痛) について、それがいつ訴えられ、それに対して何がなされ、現在はどうなのか

ProblemListが管理できていない

Copyright(c)2018 Kazuhiko Ohe, The University of Tokyo

Page 20: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

日常の電子カルテ判読作業こんな電子カルテでよいのか?

電子カルテを開いてもこの患者が何の病気なのかよく分からないぞ・・・

何故この薬が処方されているの?どこ見ればそれが書いてあるの?

当たり前さ! 電子カルテの病名はそんなものさ。

よーく経過記録と検査報告書をめばどこかに書いてあるさ。

出されている薬と、された治療内容がわかれば、医者は病名なんてだいたい分かるもんだよ。

Copyright(c)2018 Kazuhiko Ohe, The University of Tokyo

Page 21: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

次世代電子カルテデータ内容に求められる8カテゴリー

1. 患者集団を特定するための病型・病態・ステージ・重症度・症状型等の表現

型情報 (61)2. 標準化された医療データのストレージ(29)3. 医薬品副作用(22)4. 多施設での処方情報の構造化データ(14)5. 患者から直接収集されるQOLを含む患者視点のアウトカム情

報(13)6. 意思決定・選択の理由(12)7. 診療上の意思決定に用いられる患者のゲノム情報 (12)8. DNRを含む患者の治療方針決定に関わる意向 (2)

Kennell TI Jr, Willig JH, Cimino JJ:Clinical Informatics Researcher's Desiderata for the Data Content of the Next Generation

Electronic Health Record, Appl Clin Inform. 2017 Oct;8(4):1159-1172

(数字)は引用論文数

Copyright(c)2018 Kazuhiko Ohe, The University of Tokyo

Page 22: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

分析する観点からの医療ビッグデータの課題

• RWでは、重要な情報の大部分は実は構造化されておらず、多くの場合、非構造化テキストの形式である

– 例:電子メール、ドキュメント、顧客からの問い合わせの音声記録、会議の議事録など → 非構造化テキスト

• 医療でも

– 確かに経時的な検査結果、コード化されたフィールドなど、構造化されたデータソースが多数存在する。

• → 例) SS-MIX2標準化ストレージ

– 最も重要なデータの一部は、臨床医のテキストによるメモに含まれている。

• 臨床医の所見、患者との問診から得た情報、診断結果や検査依頼の根拠、種々の検査結果から下した結論、その他多くの情報

– これらのデジタル保管は進んでいるが、ほとんど分析できていない。• → 例)SS-MIX2拡張ストレージの試みCopyright(c)2018 Kazuhiko Ohe, The

University of Tokyo

Page 23: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

医療テキストビッグデータ

医療における、最も重要な情報が蓄積されている未活用の膨大なデータソース

• 知識発掘ができるこの膨大なデータソースの活用をいかに実現するか?

• そのために必要なデータソース側の工夫は何か?

Copyright(c)2018 Kazuhiko Ohe, The University of Tokyo

Page 24: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

現在主流の電子カルテ

Copyright(c)2018 Kazuhiko Ohe, The University of Tokyo

医療者が診察で考えたことを日付順にワープロ入力して、あとで日付順に見られるようにしただけの

「フリーテキスト 医療日記システム」

Page 25: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

次世代電子カルテに必要なもの

• すぐれた入力インタフェイス– 音声認識、画像認識

– 利用者と患者の状況に合わせた入力方法

• IoTとの接続によるデータ収集– とれるデータは可能なかぎりIoTからデータ収集

• データの自動クレンジング、自動構造化、自動標準化

• ともに考える機能– 後半な医学知識をベースにした考える機能

• ゲノム・動画・ライフログなどマルチモーダル統合管理

• 全データの時系列可視化

Copyright(c)2018 Kazuhiko Ohe, The University of Tokyo

Page 26: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

医療行為の自動記録に向けて

https://book.mynavi.jp/macfan/detail_summary/id=41742 より写真引用

膨大な数のカメラ、IoT対応機器で記録の自動化を図る

音声認識

センサー

Copyright(c)2018 Kazuhiko Ohe, The University of Tokyo

Page 27: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

医療画像、ゲノム情報の価値を高める臨床情報とアノテーション(所見注釈)情報を

後付けでなく構造情報として画像やゲノム情報とリンクして生成・管理できる

電子カルテにむけて

AI研究開発に医療画像やゲノム情報だけ集めても役にたたない

Copyright(c)2018 Kazuhiko Ohe, The University of Tokyo

Page 28: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

連携

SS-MIX2ストレージ

HL7

医療SS-MIX2と連携する

パーソナルライフストレージの構築日本総合システム(株)との共同研究

医療機関

Copyright(c)2018 Kazuhiko Ohe, The University of Tokyo

Page 29: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

患者・医療者の実施行動をIoT、ウエアラブルセンサ、音声認識など

あらゆるセンサーネットワークを

最大限活用し自動記録できる電子カルテにむけて

医療者により定型的に実施され記録するが、記録漏れがでる:服薬や注射の実施情報や速度等の情報、計画にもとづく看護ケア

血圧

自己血糖測定

体重

医療機関だけでなくあらゆる生活圏での

健康情報へSS-MIX2準拠医療行為実施ログ

ストレージ(クラウド)

Copyright(c)2018 Kazuhiko Ohe, The University of Tokyo

Page 30: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

未来型カルテは対話型問診システム と連動できる

AI医療システム

問診項目• 頭痛の有無

有ならその部位

• ・・・• ・・・

外部知識

はい、少し。

腹痛はありますか?

どのあたりでしょう?

えっと・・・

「みぞおち」のあたりですか?

臨床医学知識データベース

厚労省事業において大江研究室で構築済み(2009−2015)

医学知識LilakDB大江研究室での開発した医学知識DB

IT問診による健康医療情報の収集

パーソナルライフデータストレージ

Copyright(c)2018 Kazuhiko Ohe, The University of Tokyo

Page 31: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

診療経過の時系列可視化時系列でみたい条件の可視化

結果の可視化

Copyright(c)2018 Kazuhiko Ohe, The University of Tokyo

Page 32: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

時系列で各イベントの関連を可視化

自然言語で記述された退院時サマリーの表構造化手法TEXT2TABLE とその評価 外池 昌嗣1) 大熊 智子1) 荒牧 英治2) 三浦 康秀1) 杉原

大悟1) 増市 博1) 大江 和彦3) Copyright(c)2018 Kazuhiko Ohe, The

University of Tokyo

Page 33: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

次世代電子カルテ医療者と患者が共に参加する

Learning Healthcare Systems(LHS)

の基盤環境の提供へcollaborative, real-time, individual EBM

"A learning healthcare system is one that is designed to generate and apply thebest evidence for the collaborative healthcare choices of each patient andprovider;医療者と患者がともに考えて意思選択するためのベストな根拠を生成できるシステムをデザインするto drive the process of discovery as a natural outgrowth of patient care;and to ensure innovation, quality, safety, and value in healthcare”

Cited from :Institute of Medicine(US) Round table on Evidence-Based Medicine, the Learning Healthcare System: Workshop Summary, National Academies Press(US), Washington(DC), 2007. Copyright(c)2018 Kazuhiko Ohe, The

University of Tokyo

Page 34: データの共有と利活用 ヘルスケアデータ戦略 · 2 標準ストレージ. 各医療機関. 自動取り込み. 一部手入力. 研究課題固有の. 登録データ項目

Copyright(c)2018 Kazuhiko Ohe, The University of Tokyo薬局 クリニック

介護機関病院

医療情報 健康情報

標準化された健康医療情報

SS-MIX2ストレージSS-MIX2PLS

健康管理のための自分の健康医療情報

医療のための個人健康医療情報

医学研究のための匿名化健康医療情報

データ解析サービス

産業界

匿名加工された健康医療情報

研究開発とビジネス利用のための情報空間

個人識別可能な個人ごとの健康医療情報

自己管理と医療サービスのための情報空間

my情報管理サービス

PHR(個人へのサービス事業者)

フィジカル空間

サイバー空間

Society5.0

家庭と職場

AI-HIPLANET

コンセプト健康医療介護情報空間の形成と

AIクラウドベースの情報利活用サービス・研究支援環境により医療と社会を根底から変える

Society5.0