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Oracleテクニカル・ホワイト・ペーパー 20131オラクルのSun Netra 6000モジュラー・ システム NEBS Level III認定のオープンなモジュラー・インフラストラクチャ

オラクルのSun Netra 6000モジュラー・システム...Sun Netra 6000モジュラー・システムは、次世代のスマートフォン対応のアプリケーションやサービ

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Oracleテクニカル・ホワイト・ペーパー

2013年1月

オラクルのSun Netra 6000モジュラー・ システム NEBS Level III認定のオープンなモジュラー・インフラストラクチャ

Page 2: オラクルのSun Netra 6000モジュラー・システム...Sun Netra 6000モジュラー・システムは、次世代のスマートフォン対応のアプリケーションやサービ

概要 ............................................................................................................................................................... 3

電気通信企業の環境におけるサービス・デリバリ ............................................................................. 4

サービス・デリバリにおけるブレード・アーキテクチャの展望 ............................................... 4

Sun Netra 6000モジュラー・システム ............................................................................................ 5

オープンなモジュラー・システム・アーキテクチャ ................................................................... 6

ACシャーシまたはDCシャーシの選択 ............................................................................................. 8

Sun Netra 6000モジュラー・システムの概要 ...................................................................................... 9

前面から見たシャーシ ..................................................................................................................... 10

背面から見たシャーシ ..................................................................................................................... 11

パッシブ・ミッドプレーン ............................................................................................................. 13

SPARC Tシリーズ・プロセッサベースおよびインテルXeonプロセッサベースの サーバー・モジュール .................................................................................................................... 14

オペレーティング・システムの選択と仮想化のサポート ........................................................ 17

サーバー・モジュールのアーキテクチャ ........................................................................................... 21

オラクルのNetra SPARC T4-1Bサーバー・モジュールの概要 .................................................. 21

Netra SPARC T4-1Bサーバー・モジュールの前面図と背面図 .................................................. 23

信頼性、可用性、保守性を実現するための設計 ........................................................................ 24

Netra Blade X3-2Bサーバー・モジュール .................................................................................... 27

I/O拡張、ネットワーク、ストレージ、管理 ..................................................................................... 30

PCIe ExpressModule(EM) ........................................................................................................... 30

Network Express Module(NEM) ............................................................................................... 31

Sun Netra 6000 Virtualized 40GbE NEM ...................................................................................... 33

透過的でオープンなシャーシおよびシステム管理 .................................................................... 38

Integrated Lights Out Managementによるリモート保守の簡素化 ........................................ 40

Oracle Enterprise Manager Ops Center ....................................................................................... 41

結論 ............................................................................................................................................................ 42

参考資料 ............................................................................................................................................. 42

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オラクルのSun Netra 6000モジュラー・システム

概要 電気通信企業のデータセンターでは、コア・ネットワークとサービス・デリバリの両方において、ブレード・テクノロジーの役割がますます重要になってきています。オラクルは、効率的なサービス・デリバリとコア・ネットワーク・アプリケーション向けに設計されたSun Netra 6000モジュラー・システムを提供しています。

オラクルが提供するキャリアグレードのSun Netra 6000モジュラー・システムは、過酷な条件下でも優れた処理能力、スケーラビリティ、ミッション・クリティカルな可用性を実現します。Sun Netra 6000モジュラー・システムは、SPARCプロセッサベースのブレードとインテル・プロセッサベースのブレードの両方を同時にサポートします。おもにDC電源環境向けの製品ですが、AC電源バージョンも利用できます。AC電源バージョンは通常、開発段階またはラボで使用します。

Sun Netra 6000モジュラー・システムは、次世代のスマートフォン対応のアプリケーションやサービスに加えて、OSSアプリケーションやBSSアプリケーションもサポートするものとして独自に位置付けられています。特に、Sun Netra 6000プラットフォームは安定した長期の製品ライフ・サイクルを可能にするプラットフォームであり、顧客の製品ライフ・サイクル管理を簡素化しながら、最新鋭の高パフォーマンス・ブレードを実現することで、配置するアプリケーションのROIを最大化します。

本書では、Sun Netra 6000モジュラー・システムの機能やアーキテクチャ、およびこのシステムが電気通信企業にもたらす価値について説明します。

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オラクルのSun Netra 6000モジュラー・システム

電気通信企業の環境におけるサービス・デリバリ

電気通信企業のITマネージャーは、非常に迅速なアプリケーション展開をサポートするために、ITシステムのスケーラビリティを確保する必要があります。また、どの電気通信アプリケーションの利用が今後拡大するかを予測することは非常に困難です。そのため、俊敏性に優れたアプリケーション・インフラストラクチャを構築し、リソースの迅速な再割当てを可能にする必要があります。さらに、電気通信企業ではデータセンターが急拡大することから、一般的なアプローチとして統合が実施されてきました。IT組織が利用率の低いリソースを共有プール内に統合すれば、必要に応じて重要なリソースをビジネス・クリティカルなアプリケーションに再配置できます。

これらの課題に対応するための一般的な戦略は、ブレード・サーバー・アーキテクチャ上で標準化を進めることです。この戦略によって、配置作業を迅速化し、さらに機器の管理や保守も簡素化できます。ブレード・プラットフォームを利用することで、ITマネージャーは一貫したアーキテクチャを維持しながら、各アプリケーションにもっとも適したコンピューティング・ブレードを選択できます。

サービス・デリバリにおけるブレード・アーキテクチャの展望

モジュラー・アーキテクチャ、あるいはブレード・サーバー・アーキテクチャには、キャリアグレードの可用性および管理機能と、水平方向にスケーラブルなシステムが備えるスケーラビリティおよび経済面での利点が融合されています。一般に、モジュラー・アーキテクチャには大きな成果が見込まれており、以下のような効果を発揮します。

• 計算密度の向上—ブレード・システムのラック・ユニット(RU)あたりの処理能力はラックマウント型システムよりも優れています。

• 保守性、可用性、電力効率の向上—電源、冷却、I/Oインターコネクトなどの一般的なシステム・コンポーネントの共有によって、ブレードの電力効率を高めて、保守や維持管理を容易にします。

• 複雑さの軽減—モジュラー・ブレード・アーキテクチャでは、コンポーネントの削減、ケーブルおよびコンポーネントのアグリゲーション、管理の統合を通じて複雑さを軽減します。

• サービス拡張と一括配置の迅速化—既存のサービスの拡張またはスケーリングと、シャーシおよびI/Oコンポーネントの柔軟な事前プロビジョニングを可能にします。

• コストの削減—モジュラー・ブレード・サーバーはラックマウント型システムよりも入手コストが低く、保守、管理がしやすく、迅速に配置でき、電力効率に優れています。

電気通信業界にはNEBS Level III認定などの他の業界にはないニーズがあります。NEBS Level III認定では以下のような要件が課されます。

• 消火設備

• 厳しい冷熱試験

• 振動/衝撃試験

• フェイルオーバーと冗長性

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オラクルのSun Netra 6000モジュラー・システム

Sun Netra 6000モジュラー・システム

以前のブレード・プラットフォームにおける妥協を解消するため、オラクルは、電気通信のアプリケーション層およびサービス層のニーズに焦点を置いた状態から設計を開始しました。Sun Netra 6000モジュラー・システムは、電気通信企業が運用中の既存のブレードを中断せずに処理能力やネットワーク能力を迅速に増強できるように設計されています。その結果、機器の利用率の向上、専用機器への設備投資額の削減、必要な領域に機器を移動できる柔軟性を実現できます。これによりリスクが低下し、要求の急増あるいは増加に合わせた迅速なスケーリングが容易になります。

実績あるブレード・プラットフォーム—電気通信企業のデータセンターに適応

モジュール方式を採用した革新的なアプローチと強力な機能セットを備えたSun Netra 6000モジュラー・システムは、さまざまなアプリケーションに多大な利点をもたらします。

• スケーラビリティ、拡張性、保守性に優れた多層アーキテクチャ:Sun Netra 6000モジュラー・システムを使用すると、組織は統一された単一モジュラー・アーキテクチャ上に多くのアプリケーションを配置できます。このシステムは、インテルXeonプロセッサとSPARC Tシリーズ・プロセッサを含む、オラクルのボリュームCPUアーキテクチャをサポートしています。最新のインテル・プロセッサおよびSPARCプロセッサ、大容量メモリ、高帯域幅のI/O、統合ストレージを搭載することで、非常に幅広いアプリケーションに対応しています。

新しいSPARC T4プロセッサは、前世代のSPARC T3プロセッサの約5倍のシングルスレッド・スループットを実現するため、電気通信企業は、同じSun Netra 6000モジュラー・システム・アーキテクチャを使用して新しい種類のアプリケーションを提供できるようになります。さらに、複数のシステムに対する電力と冷却のインフラストラクチャを高効率のモジュラー・システム・シャーシに統合することで、ラックマウント型サーバーよりも優れた電力効率を達成しています。その結果、占有スペースと消費電力のより小さいパッケージに、より多くの容量と機能を備えた高パフォーマンスのITインフラストラクチャが確立されます。

• 革新的なシャーシ設計:Sun Netra 6000モジュラー・システムでは、“フォークリフト・アップグレード”なしで次世代テクノロジーを最大限利用できます。I/Oモジュールを含むおもなコンポーネントはすべてホット・プラグおよびホット・スワップに対応しており、シングル・ポイント障害はありません。計算、I/O、ストレージ、電源、冷却、管理の各モジュールは、個別に保守点検、アップグレード、拡張できます。

• CPUモジュール、I/Oモジュール、ストレージ・モジュールの完全な分離:Sun Netra 6000モジュラー・システムの設計は、サーバー・モジュールとI/Oモジュールを完全に分離することで妥協を回避しています。この柔軟なアプローチを利用することで、ホストされているアプリケーションに応じて異なるI/Oオプションを各サーバー・モジュールに構成できます。I/Oモジュールはホット・プラグおよびホット・スワップに対応しており、組織はネットワーク、ストレージ、クラスタ化、およびその他のI/O機能に合わせてオラクルブランドのアダプタまたはサード・パーティのアダプタを選択できます。2種類のI/Oモジュールがサポートされています。

• 各サーバー・モジュールに対して、最大2個の業界標準のPCI Express(PCIe)ExpressModule(EM)が専用に確保されます。

• システム内に取り付けられたすべてのサーバー・モジュールでは、最大2個のNetwork Express Module(NEM)を介してバルクI/Oまたは統合I/Oを実行できます。

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オラクルのSun Netra 6000モジュラー・システム

• 拡張可能な標準ストレージ・オプション:Sun Netra 6000モジュラー・システムには、柔軟で拡張可能な各種ストレージ・オプションが含まれています。サーバー・モジュールには、ホット・プラグおよびホット・スワップに対応したハード・ディスク・ドライブ(HDD)が装備されています。

• 高効率の冷却機能:従来のブレード・プラットフォームは高温と信頼性の低さで知られていますが、この評価は不十分な冷却能力とシャーシ・エアフローを持つシステムに起因しています。温度が上がると電気的な信頼性に悪影響が及ぶばかりでなく、高温かつ非効率なシステムではデータセンターの冷却インフラストラクチャの必要性がさらに高くなるため、フットプリントと電力消費が大きくなります。これに対して、Sun Netra 6000モジュラー・システムでは冷却機能とエアフローが最適化されているため、信頼できるシステム運用と効率的なデータセンターの冷却が実現します。実際に、Sun Netra 6000モジュラー・システムは、SPARCとx86の両方のサーバー・モジュールに対して、オラクルのラックマウント型システムと同じ冷却機能とエアフロー機能を提供します。これによって信頼できるシステム運用が実現されるとともに、同等のラックマウント型サーバーと同じ高性能プロセッサとメモリを搭載する場合でも、必要な冷却インフラストラクチャは小さくて済みます。

オープンなモジュラー・システム・アーキテクチャ

Sun Netra 6000モジュラー・システムでは、モジュラー・システム・アーキテクチャに対する新たなアプローチを採用しています。このアプローチは、綿密で長期的なシャーシ設計に標準ベースのオープン・システム・アーキテクチャを組み合わせたものです。

プロセッサ・アーキテクチャを選択可能なサーバー・モジュール

Sun Netra 6000モジュラー・システムは、フルパフォーマンス、フル機能付きの幅広いSun Netra 6000サーバー・モジュールをサポートしています。多くのブレード・プラットフォームでは、サポートされるプロセッサ・アーキテクチャが限定されているため、モジュラー・システムの革新が制限され、アダプタに対し、困難なアーキテクチャの選択を強いられていました。Sun Netra 6000モジュラー・システムは、SPARCプロセッサまたはインテルXeonプロセッサに基づく各種のサーバー・モジュールから選択できます。また、Sun Netra 6000ファミリーのサーバー・モジュールは大容量メモリを搭載しており、個々のシャーシは電力効率と冷却能力に優れています。

利用可能なSun Netra 6000ファミリーのサーバー・モジュールは以下のとおりです。

• オラクルのNetra SPARC T4-1Bサーバー・モジュールには、前世代のSPARC T3プロセッサの約5倍のシングルスレッド・スループットを実現するSPARC T4プロセッサを利用した8プロセッサ・コアが搭載されています。Netra SPARC T4-1Bサーバー・モジュールは、シングルスレッドのパフォーマンスと高いマルチスレッド・パフォーマンスの両方を達成でき、さまざまな電気通信ネットワーク・インフラストラクチャのワークロードに対応します。

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オラクルのSun Netra 6000モジュラー・システム

• Netra Blade X3-2Bサーバー・モジュールには、インテリジェント・システム向けのインテルXeonプロセッサE5-2600プラットフォームをベースとした8コアCPU向けのソケットが2個搭載されています。このサーバー・モジュールで使用されているプロセッサは、インテルXeonプロセッサE5-2658 CPUです。これは、長期的な製品の信頼性を低下させることなく、周波数調整をせずに一時的な環境変動に耐えられるNEBS対応の95Wプロセッサです。Netra Blade X3-2Bサーバー・モジュール内の2基のプロセッサがインテルのQuickPathインターコネクト(QPI)テクノロジーを使用して相互に接続されており、各プロセッサに40個のPCI Express 2.0レーンを搭載することで、高帯域幅の接続をサポートしています。また、Netra Blade X3-2Bサーバー・モジュールでは24個のDIMMスロットをサポートしており、メモリ集約型のワークロードに対応します。このサーバー・モジュールは、高パフォーマンスのx86サーバーを必要とするような、条件の厳しい電気通信企業のワークロードに最適です1。

各サーバー・モジュールの詳細については、後の“サーバー・モジュールのアーキテクチャ”の項で説明します。

高帯域幅の独立したオープンな業界標準I/O

Sun Netra 6000モジュラー・システムは、真の業界標準I/Oをサポートするケーブル・ワンス(配線が1度だけで済む)アーキテクチャを確立します。ラックマウント型サーバー業界で主流のテクノロジーと同じ、標準のPCIe I/Oアーキテクチャおよびアダプタを利用しています。ブレードごとにI/Oオプションを選択でき、シャーシ全体に対するオプションに制限されることはありません。Sun Netra 6000モジュラー・システムでは、さまざまなベンダーのI/Oアダプタを使用できます。

また、各サーバー・モジュールは卓越したI/O性能を発揮します。この性能は、複数の使用可能なI/O拡張モジュールに対してサーバー・モジュールから提供される高い帯域幅(サポートされるサーバー・モジュールでは最大で合計282Gb/秒)を通じて保たれています。可用性を高めるため、サーバー・モジュールに電源やファンは搭載されておらず、シャーシ・レベルの大規模かつ効率的な電源および冷却の冗長サブシステムを利用しています。サービス・プロバイダは、アプリケーションやワークロードの要件をもっとも満たすように、独自のプロセッサ、I/O、オペレーティング・システム構成を持つサーバー・モジュールを個別に配置できます。異なるサーバー・モジュールを1台のシャーシ内で組み合わせて、必要に応じて配置および再配置することもできます。

透過的なシャーシ管理インフラストラクチャ

Sun Netra 6000モジュラー・システム内で、シャーシ監視モジュール(CMM)が各サーバー・モジュール上のサービス・プロセッサと連携することで、完全かつ透過的な管理ソリューションが形成されます。各サーバー・モジュールには直接アクセスが可能な独自の管理サービス・プロセッサが含まれており、これにはCMMを介してアクセスすることもできます。サーバー・モジュールにはOracle Integrated Lights Out Manager(Oracle ILOM)が組み込まれているため、IPMI、SNMP、CLI(シリアル・コンソールまたはSSH経由)、およびHTTP(S)を使用した管理手法がサポートされます。また、Oracle Enterprise Manager Ops Centerを使用することで、複数のシステムの検出、集約管理、一括配置を実行できます。

1 Sun Netra X6270 M2サーバー・モジュールは、今後しばらくの間、EOL(End-of-Life)製品としてサポートさ

れます。EOLサーバー製品の詳細については、http://www.oracle.com/us/products/servers-storage/servers/

previous-products/を参照してください。

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オラクルのSun Netra 6000モジュラー・システム

ACシャーシまたはDCシャーシの選択

電気通信企業が求めているのは、必要な処理性能とI/Oタイプを正確に配置でき、ニーズに合わせて効果的なスケーリングを実現するモジュラー・シャーシです。Sun Netra 6000モジュラー・システムは柔軟な構成をサポートしており、ホット・プラグとホット・スワップに対応した各種の標準モジュールで構成されています。以下に構成モジュールの例を挙げます。

• 最大10台のNetra SPARC T4-1BまたはNetra Blade X3-2Bサーバー・モジュール(任意の組合せが可能)

• ブレード専用のPCIe ExpressModule:業界標準のPCIeインタフェースをサポート

• Network Express Module:Sun Netra 6000シャーシ内のすべてのサーバー・モジュールへのアクセスを提供

• 内蔵のシャーシ監視モジュール:サーバー・モジュールに対するアクセスを透過的に管理

• ホット・スワップ対応電源モジュールと冗長ホット・スワップ対応(N+1)冷却ファン

Sun Netra 6000モジュラー・システムは、長期的に使用できるように、テクノロジーの継続的な改善を取り入れられるような設計が施されています。共通システム・コンポーネントに加えて、幅広いシャーシから選択できるため、電気通信企業はニーズに合わせて、きめ細かく、またはおおまかに容量を拡張できます。Sun Netra 6000モジュラー・システムでは、AC電源またはDC電源のシャーシを選択できます。これは、電気通信企業のデータセンターで柔軟性を確保するために重要な点です。

このシャーシの種類に応じて、すべてのサーバーとI/Oモジュールに対してAC電源またはDC電源と冷却ファンが統合されています。このアプローチを採用することで、これらのコンポーネントがサーバー・モジュールから分離されるため、効率と信頼性が向上します。シャーシ内の電源とファン・モジュールは、保守点検のしやすさとホット・スワップ対応、そして冗長性を重視して設計されています。このシャーシにより、現在だけでなく将来にわたるCPU、メモリ、I/O構成に対応した電源および冷却インフラストラクチャが確立されるため、シャーシのライフ・サイクルを何世代ものアップグレードにわたって維持できるようになります。CMM、サーバー・モジュール、EM、NEMを含むすべてのモジュラー・コンポーネントが、ホット・プラグに対応しています。また、I/Oパスは冗長方式で構成できます。

Sun Netra 6000 ACシャーシ

Sun Netra 6000 ACシャーシ(図1)は10ラック・ユニット(10U)のフォーム・ファクタで提供されており、1台の42Uラックで最大4台のシャーシがサポートされます。ACシャーシ内に2個の電源が搭載されており、それぞれの電源にAC入力回路(N+N)が付属します。

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オラクルのSun Netra 6000モジュラー・システム

図1:Sun Netra 6000 ACシャーシには2個の電源ユニット(PSU)が搭載され、10U内で最大10台のSun Netra 6000サーバー・モジュールがサポートされます。

Sun Netra 6000 DCシャーシ

通常のDCセントラル・オフィス環境に対応するために、Sun Netra 6000モジュラー・システムをDCシャーシ内にも取り付けることができます。DC電源シャーシでは電源を除いて、サポートされるサーバー・モジュールおよびI/Oモジュールの観点でACシャーシと同じ機能が提供されています。図2に示すとおり、DCシャーシには4個の電源ユニット(PSU)がN+1冗長方式で搭載されています。それぞれのPSUに、冗長電源をサポートする2個の入力回路があります。必要な入力電源ケーブルが、シャーシ上部にある1UのDC電源入力ユニットに格納されます。そのため、1台のSun Netra 6000 DCシャーシに必要となるラック・スペースは11Uになります。

図2:Sun Netra 6000 DCシャーシには4個の電源ユニット(PSU)が搭載され、さらに電源ケーブルを格納するための1Uの電源プレナムが加わります。

Sun Netra 6000モジュラー・システムの概要

Sun Netra 6000モジュラー・システムは、電気通信企業に多大なメリットをもたらします。Sun Netra 6000モジュラー・システムは従来のラックマウント型サーバーよりも優れた機能を提供し、最大の価格性能比を実現します。x86プラットフォームまたはSPARCプラットフォームから選択可能であり、他のOracleシステムと組み合わせた高密度の構成が可能になります。

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オラクルのSun Netra 6000モジュラー・システム

前面から見たシャーシ

Sun Netra 6000シャーシに搭載されるサーバー・モジュールとI/Oモジュールは、パッシブ・ミッドプレーンを介して接続されます。また、シャーシ内にはホット・スワップに対応した冗長電源およびファン・モジュールも格納されています。すべてのスロットへはシャーシの前面または背面より外部からアクセスできるため、アップグレードや保守点検が容易に実行できます。エンクロージャ内のシャーシやその他の要素の電源が入っている状態で、サーバー・モジュール、I/Oモジュール、電源、ファン・モジュールを取り付けたり取り外したりできます。この機能によって、リアルタイムで拡張を行う良い機会を得られるとともに、柔軟性が大幅に向上します。Sun Netra 6000シャーシの前面図を図3に示し、各コンポーネントについて以降の項で説明します。

図3:Sun Netra 6000 ACシャーシ(左)とDCシャーシ(右)の前面図。

オペレータ・パネル

これらのシャーシの上方にはオペレータ・パネルが配置されており、システム全体の状態が表示されます。シャーシがスタンバイ・モードまたは動作モードにあるか、過熱状態が発生しているかどうかがインジケータに表示されます。ラックまたは密集したセントラル・オフィス内のシャーシをリモートから特定する必要がある場合、押しボタン式インジケータがロケータ・ボタンの役割を果たします。シャーシ内のコンポーネントに問題または障害が発生した場合、オペレータ・パネルにこの問題が示されます。

電源モジュールと前面ファン・モジュール

電源モジュールはシャーシ前面から装着します。電源モジュールはホット・スワップに対応しており、エンクロージャ背面にあるPCIe EMと電源の両方を冷却するファン・モジュールが組み込まれています。電源に障害が発生した場合も、内蔵ファン・モジュールは格納先の電源とは別にシャーシの電源グリッドから直接通電されているため、機能し続けます。

電源モジュールによってシャーシに必要とされる総電力が供給されます。ACシャーシには2個の電源モジュールが搭載されています。1個の電源モジュールでシャーシ全体の全負荷に対応できるようにして、これらの電源モジュールをN+N構成で冗長に構成することもできます。N+Nの冗長化を実現するには、4本の電源コードすべてに通電する必要があります。両方の電源モジュールが通電されている場合、シャーシ内のすべてのシステムを電源障害から保護できます。

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オラクルのSun Netra 6000モジュラー・システム

1個の電源モジュールに障害が発生した場合や、1個の電源モジュールが抜かれた場合も、シャーシ内で稼働するサーバー・モジュールやコンポーネントに影響はありません。この保護を強化する場合、2個の電源モジュールのそれぞれをデータセンター内の異なる電源グリッドに接続するだけで、シャーシ内のすべてのシステムおよびコンポーネントに対して簡単に電源グリッドの冗長性を確保できます。

DCシャーシには4個の電源モジュールが搭載され、N+1冗長構成がとられます。それぞれのモジュールには冗長電源をサポートする2個の入力回路(A+B)があります。システムあたり4個の電源モジュールがあるため、システムあたり8個の電源入力回路が備わっています。システムによる日常的な電力消費についてより詳しい分析を得るには、以下の電力計算サイトを参照してください。

http://www.oracle.com/us/products/servers-storage/sun-power-calculators/calc/netra-6000-power- calculator-519736.html

サーバー・モジュール

Sun Netra 6000のサーバー・モジュールは最大10個まで、Sun Netra 6000シャーシ前面の電源モジュール下部に縦に挿入できます。サーバー・モジュールに応じて最大4個のハード・ディスク・ドライブ(HDD)向けスロットがあり、シャーシ前面から簡単にホット・スワップで使用できます。サーバー・モジュール前面にはインジケータLEDと高密度のI/Oポートも装備されており、簡単に使用できます。各サーバー・モジュールの前面パネルにある高密度のポートを通じて、多数のコネクタが提供されています。これらのポートは、使用可能なサーバー・モジュール・アダプタの"ドングル"ケーブルを介して使用されます。サーバー・モジュールによって異なりますが、使用可能なポートにはVGA HD-15モニター・ポート、USB 2.0ポート(2個)、DB-9またはRJ-45シリアル・ポート(サーバー・モジュールと内蔵サービス・プロセッサに接続)が含まれます。

背面から見たシャーシ

Sun Netra 6000 ACシャーシ(図4)およびDCシャーシ(図5)の背面からは、I/Oモジュールのパッシブ・ミッドプレーンの裏側にアクセスできます。N+1ホット・スワップ対応のファン・モジュールも、シャーシの背面から取り付けられています。PCIe EMおよびNEM用のスロットが配置されています。I/Oモジュールはすべてホット・スワップに対応しており、サーバー・モジュールに対するI/Oをサポートします。

図4:Sun Netra 6000 ACシャーシの背面図。

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オラクルのSun Netra 6000モジュラー・システム

図5:Sun Netra 6000 DCシャーシの電源プレナムの背面には8個の電源入力回路があります。

PCIe ExpressModule(EM)

Sun Netra 6000シャーシの背面上部には、ホット・プラグおよびホット・スワップに対応したPCIe EMスロットが20個配置されています。これらのスロットはペアで使用され、パッシブ・ミッドプレーンを経由して、それぞれ対応するサーバー・モジュールを接続します。EMにより、SAS、GbE、10GbE、ファイバ・チャネル、イーサネット/ファイバ・チャネルの組合せを含む各種の通信方式を利用できます。各サーバー・モジュールに適した、きめ細かく制御できるファブリック接続を実現するために、サーバー・モジュールごとに異なるEMを選択できます。

Network Express Module(NEM)

Sun Netra 6000シャーシの背面には、最大2個のNEM用スペースがあります。NEMはシャーシ内に取り付けられたすべてのサーバー・モジュールに対して同じI/O機能を提供します。すべてのサーバー・モジュールにI/Oを提供することで接続を簡素化するとともに、多くの場合、低コストのI/Oソリューションを実現します。すべてのサーバー・モジュールは高速のポイント・ツー・ポイント接続を介して、パッシブ・シャーシ・ミッドプレーンの向こう側にある構成済みの各NEMに直接接続されます。使用可能なNEMの詳細については、本書の後半で説明します。

シャーシ監視モジュール(CMM)

シャーシ監視モジュールは、Sun Netra 6000シャーシの背面左側にあるNEMスロットの左に配置されており、シャーシに対するリモート監視機能と集中アクセス・ポイントを提供します。CMMには内蔵ネットワーク・スイッチが含まれており、このスイッチによって、CMMのイーサネット・ポートと個々のサーバー・モジュールの管理ポートに対するLANアクセスが提供されます。個別のサーバー・モジュールの管理は完全に透過的に、CMMからは独立して実行されます。

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電源インレット

前面に搭載された2個の電源モジュール内の電源コア数に応じて、Sun Netra 6000 ACシャーシの背面から4個の電源インレット(プラグ)を使用できます。内蔵ケーブル・ホルダーは、不注意でケーブルが抜かれた場合の不測の電源損失を防止します。それぞれのケーブルに200–240VAC、20Aの回路が必要であり、各シャーシに電源を供給するためには少なくとも2回路が必要になります。N+Nの完全冗長性を実現するには、4回路が必要です。DCシャーシのそれぞれのPSUには冗長電源をサポートする2個の入力回路(A+B)があります。システムあたりの電源入力回路数は合計で8個です。各回路の通常動作時における電圧範囲は–48VDCから–60VDCです。動作時の最小入力電圧は–39.5VDC、最大入力電圧は–72VDCです。各入力回路の最大DC電流は60Aです。

ファンとエアフロー

シャーシのエアフローは全体的に前面から背面に向かい、電源モジュール内にマウントされた前面のファン・モジュールと背面のファン・モジュールによって制御されます。背面のファン・モジュールはすべてN+1冗長でホット・スワップに対応しており、各Sun Netra 6000シャーシに6個のファン・モジュールが付属しています。それぞれの背面ファン・モジュールは2個の冗長インライン・ファンで構成されています。前面ファン・モジュールはシャーシ前面から空気を取り込んで電源に向けて送風し、EMおよびNEMスペースを通じて排気します。背面ファン・モジュールはシャーシ前面から空気を取り込み、背面を通じて排気します。シャーシ内のすべてのファンが最高速度で稼働すると、このシャーシは最大で1,000立方フィート/分(CFM)のエアフローをシャーシに送風できます。

パッシブ・ミッドプレーン

Sun Netra 6000シャーシのパッシブ・ミッドプレーンは基本的に、シャーシ内の各種モジュール間を結ぶワイヤーとコネクタの集合です(図6)。アクティブ・コンポーネントが含まれないため、これらのプリント配線基板は何百万時間または何百年にわたって、きわめて高い信頼性を維持します。パッシブ・ミッドプレーンはサーバー・モジュールとI/Oモジュール間を電気的に接続します。

電源およびファン・モジュールを除く前面および背面のすべてのモジュールは、パッシブ・ミッドプレーンに直接接続されています。電源はバス・バーを介してミッドプレーンに接続され、ケーブル・ハーネスを介してAC入力に接続されています。DCモジュールではアダプタが提供されています。冗長ファン・モジュールはそれぞれに3枚のファン・ボードのセットに接続されており、ファン速度の制御やその他のシャーシ・レベル機能がここに実装されています。それぞれPCIe EMを冷却する前面ファン・モジュールは、ブラインドメイト・コネクタを介してシャーシに接続されています。ミッドプレーンのおもな機能は以下のとおりです。

• すべてのサーバー・モジュールに機械的な接続ポイントを提供します。

• 顧客による交換が可能な各モジュールに対して電源から12VDCを供給します。

• 各モジュールのシステム管理バス・デバイスとCMMへの電力供給のために3.3VDCの電力を供給します。

• 各サーバー・モジュール上のPCIeルート・コンプレックスからシャーシ内に取り付けられたEMおよびNEMに対するPCIe 2.0インターコネクトを提供します。

• シャーシ管理ネットワークに対してサーバー・モジュール、CMM、NEMを接続します。

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オラクルのSun Netra 6000モジュラー・システム

図6:サーバー・モジュールは高速のポイント・ツー・ポイント・リンクを介して、パッシブ・シャーシ・ミッドプレーンの向こう側にあるPCIe ExpressModule

およびNetwork Express Moduleと通信します。

各サーバー・モジュールには、冗長シャーシ電源グリッドからミッドプレーンを介して電力が供給されます。また、ミッドプレーンはシャーシ内のI2Cネットワークへの接続を提供することで、ファンおよび電源のステータスや各種の温度センサーを含むシャーシ環境を各サーバー・モジュールが直接監視できるようにします。さらに、サーバー・モジュールごとに多数のI/Oリンクがミッドプレーンを経由しています。

各サーバー・モジュール接続の一般的な性能と帯域幅は次のとおりです。

• 各サーバー・モジュールからそれぞれの専用EMへと接続されたミッドプレーンのx8 PCIe 2.0リンク(2個)。

• 各サーバー・モジュールからそれぞれのNEMへと接続されたミッドプレーンのx8 PCIe 2.0リンク(2個)。

• 2個のギガビット・イーサネット・リンク(それぞれがいずれかのNEMに接続)

• 4個のx1 Serial Attached SCSI(SPARC向けSAS1)リンク(2個がパッシブ・ミッドプレーンを介して各NEMスロットに接続)

SPARC Tシリーズ・プロセッサベースおよびインテルXeonプロセッサベースのサーバー・モ

ジュール

計算量、メモリ、I/O量が多く要求の厳しいアプリケーションをホストできるかどうかは、最終的には実際のサーバー・モジュールの特性によります。革新的なSun Netra 6000シャーシを利用することで、広範なアプリケーションに対応する強力なサーバー・モジュールを用意するという点において、設計者は大幅な柔軟性を得ることができます。

サーバー・モジュールの前面パネルのデザインは物理的に似ていて、2個または4個のディスク・ベイをサポートしています。サーバー・モジュールの内部アーキテクチャを問わず、シャーシの任意のスロットで任意のサーバー・モジュールを使用できるため、このように意図的に一貫したデザインが施されています。前述のとおり、すべてのサーバー・モジュールで同じミッドプレーン・コネクタを使用しており、すべてのサーバー・モジュールのI/O特性が類似しています。

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選択可能なプロセッサおよびオペレーティング・システム

Sun Netra 6000モジュラー・システムでは、SPARC Tシリーズ・プロセッサまたはインテルXeonプロセッサから選択でき、さまざまなアプリケーションや要件に対応できます。組織のニーズにもっとも適したプラットフォームや、既存の環境に調和するプラットフォームを自由に選択できます。異なるアーキテクチャのサーバー・モジュールを1台のSun Netra 6000シャーシ内で組み合わせることも可能です。

アプリケーションのパフォーマンスを最大化するために、サーバー・モジュールは要求の厳しいアプリケーションをサポートできる十分な処理能力とメモリ容量を備えています。表1に、プロセッサ、コア、スレッド、メモリ容量などの、サーバー・モジュールの性能を示します。

表1:Sun Netra 6000サーバー・モジュールでサポートされるプロセッサとメモリ容量

サーバー・

モジュール

プロセッサ・タイプ プロセッサ数 プロセッサの処理速度 サーバー・モジュールあたりの最大コア数/

スレッド数

メモリ・スロット数

Netra

SPARC

T4-1B

8コアのSPARC T4

プロセッサ

1 2.85GHz 8コア/64スレッド 16個のDDR3 DIMM

スロット

Netra

Blade

X3-2B

8コアのインテル

Xeon プロセッサ

E5-2658 CPU

2 2.1GHz 8コア/16スレッド 24個のDDR3 DIMM

スロット

卓越したI/Oスループット2

Sun Netra 6000サーバー・モジュールは、優れたI/O機能と豊富なI/Oオプションを提供しており、非常に高いI/Oスループットを必要とするアプリケーション向けにモジュラー・サーバーを利用できます。

• サーバー・モジュールあたり最大282Gb/秒のI/Oスループット2を、32レーンのPCIe 2.0 I/O、複数のGbEリンクおよびSAS-2リンクを介して達成できます。各サーバー・モジュールからSun Netra 6000シャーシ内のパッシブ・ミッドプレーンにI/Oが送信され、さらにパッシブ・ミッドプレーンに接続されたI/Oデバイスに送信されます。

• サーバー・モジュール上では2.5インチのSAS-2ディスク・ドライブがサポートされます。

• 各サーバー・モジュールで専用のホット・プラグ対応PCIe EMスロットが2個(Sun Netra 6000シャーシ全体では20個)配置されているため、ブレードごとにきめ細かくI/Oを構成できます。

• NEMによって、複数のサーバー・モジュール間でのバルクI/Oが可能になり、I/O機能が集約されます。Sun Netra 6000シャーシあたり最大2個のNEMがサポートされます。各NEMスロットでは、各サーバー・モジュールに対するPCIe x8接続または高帯域幅のXAUI接続と、GbE接続、2個のSAS-2リンク接続に対応します。

2詳細については、表2を参照してください。

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表2に、各サーバー・モジュールからパッシブ・ミッドプレーンを経由する際のスループットを示します。

表2:Sun Netra 6000サーバー・モジュールのミッドプレーンのスループット

サーバー・モジュール EMへのPCI Express

リンク

NEMへのPCI Express

リンク

ギガビット・イーサネット・

リンク

その他のリンク 帯域幅合計

Netra SPARC T4-1B

サーバー・モジュー

64Gb/秒(2個のx8 PCIe

2.0リンクによる)

64 Gb/秒(2個のNEMリ

ンクと2個のXAUIリン

クまたは4個のNEMリ

ンク、4個のx8 PCIe 2.0

リンクによる)

1Gb/秒(2個のリンクによる) 6Gb/秒(4個の

SAS-2リンクに

よる)

282Gb/秒

Netra Blade X3-2B

サーバー・

モジュール3

64Gb/秒(2個のx8 PCIe

2.0リンクによる)

64 Gb/秒(2個のNEMリ

ンクと2個のXAUIリン

クまたは4個のNEMリ

ンク、2個のx8 PCIe 2.0

リンクによる)

1Gb/秒(2個のリンクによる) 6Gb/秒(4個の

SAS-2リンクに

よる)

282Gb/秒

a RAID拡張モジュール(REM)とファブリック拡張モジュール(FEM)を搭載したサーバー・モジュール

エンタープライズ・クラスの機能

従来型のブレード・サーバーとは異なり、Sun Netra 6000サーバー・モジュールは、より優れた信頼性と可用性を実現するために多数のエンタープライズ機能を提供しています。

• 各サーバー・モジュールでホット・プラグに対応しています。

• ディスクの容量はサーバー・モジュールによって異なりますが、利用できる場合(2ディスクまたは4ディスクのモデル)、ディスクはホット・プラグに対応し、RAIDコントローラのオプションが提供されます3。

• ホット・スワップ対応の冗長ファンがシャーシに配置されているため、部品数が減少し、サーバー・モジュール内にファンが存在しないことにより信頼性が向上します。

• ホット・スワップ対応の冗長電源モジュールがシャーシに配置されているため、個々のサーバー・モジュール内には電源は配置されていません。

3 REMは、Netra SPARC T4-1BおよびNetra Blade X3-2Bサーバー・モジュールでサポートされます。

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オープンな透過的管理

Sun Netra 6000モジュラー・システムは、以下のような堅牢で包括的な一連の管理機能を提供します。

• 各サーバー・モジュール専用のILOMサービス・プロセッサ:ブレード・レベルでの管理を実現

• シャーシ監視モジュール:サーバー・モジュール管理機能に直接アクセスできる機能

• Oracle Enterprise Manager Ops Center(x86サーバー・モジュールに含まれるオプション):サーバー・モジュールの検出と、OSプロビジョニングおよびバルク・アプリケーション・レベルのプロビジョニングを実行

オペレーティング・システムの選択と仮想化のサポート

最大の柔軟性と投資保護を実現するため、このサーバー・モジュールは各種のオペレーティング・システムをサポートしています。その例を以下に挙げます。

• Oracle Solaris OS

• Linuxオペレーティング・システム(Oracle Linux、64ビット版Red Hat、SUSEなど)

• Microsoft Windows

また、サポートされる仮想化ソフトウェアの例を以下に挙げます。

• Oracle VM

• VMware

Netra SPARC T4-1Bサーバー・モジュールでのOracle VM Server for SPARCのサポート

Oracle VM Server for SPARC(旧名Sun Logical Domains)は、チップ・マルチスレッド化(CMT)テクノロジーを利用するSPARCプロセッサを搭載したすべてのSPARCサーバーおよびNetra SPARCサーバーでサポートされ、完全な仮想化レイヤーを実現します。複数ある仮想マシンのそれぞれに独自のオペレーティング・システム・インスタンスが含まれており、それぞれの仮想マシンで、仮想化されたCPU、メモリ、ストレージ、コンソール、暗号化デバイスを利用できます。Oracle VM Server for SPARCアーキテクチャでは、ハイパーバイザと呼ばれる小さなファームウェア・レイヤーによって安定した仮想マシン・アーキテクチャが確立され、ここにオペレーティング・システムを書き込むことができます。このように、それぞれの論理ドメインは完全に分離されています。1つのプラットフォーム上に作成できる仮想マシンの最大数は、システム内に物理的に取り付けられたハードウェア・デバイス数ではなく、基盤となるハードウェア・アーキテクチャとハイパーバイザの機能によって異なります。たとえば、Netra SPARC T4-1Bサーバーは最大64個の論理ドメインをサポートしており、個別の論理ドメインごとに独自のオペレーティング・システム・インスタンスを実行できます4。

4この方法は技術的に可能ですが、一般的に推奨されていません。

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Oracle VM Server for SPARCの利点を活用することで、組織は複数のオペレーティング・システムを1個のサーバー・モジュール上に同時に配置するという柔軟性を得られます。さらに、管理者は仮想デバイス機能を利用することで、論理ドメイン上にホストされているソフトウェア・スタック全体を物理マシン間で転送できます。また、論理ドメインはOracle Solaris Zonesをホストすることで、両方のテクノロジーの分離、柔軟性、広範囲の粒度、管理機能を得られます。SPARC Tシリーズ・プロセッサが誇る業界有数のCMT機能とOracle Solaris OSの両方を論理ドメインに緊密に統合することで、Oracle VM Server for SPARCテクノロジーは柔軟性を高め、ワークロード処理を分離するとともに、サーバー利用率の最大化を促進します。

すべてのサーバー・モジュールに対するOracle Solarisサポート

使用できる各種オペレーティング・システムの中で、Oracle Solarisは大規模なエンタープライズ配置に理想的なOSです。Oracle SolarisはすべてのSun Netra 6000サーバー・モジュールでサポートされており、パフォーマンス、効率、信頼性を向上する機能が特定のハードウェア専用に提供されています。以下に説明するとおり、影響を受けるプロセッサは機能ごとに異なります。

Oracle SPARC Tシリーズ・プロセッサ・テクノロジーのサポートとスケーラビリティ

Oracle Solaris OSは、SPARCプロセッサベースのシステム(Netra SPARC T4-1Bサーバー・モジュールなど)が提供する大量のリソースの余力を活用するために、特別に設計されています。実際に、Oracle Solaris OSでは、SPARCプロセッサベースのシステムの利用率、可用性、セキュリティ、パフォーマンスを最適化するための以下のような新機能が提供されています。

• CMT認識—Oracle Solaris 10およびOracle Solaris 11の各OSバージョンではSPARC T4プロセッサの階層が認識されるため、スケジューラを使用して、使用可能なすべてのパイプラインに対して効果的な負荷分散を実施できます。たとえば、すべての物理プロセッサ・ストランドを論理プロセッサ(チップあたり最大64個)として使用する場合も、Oracle Solarisではサポートするコアおよびスレッド間の相関関係を把握し、アプリケーションのパフォーマンスを向上できるようにスレッドを迅速かつ効率的に導入します。

• きめ細かな管理—Oracle Solaris OSには、個別のプロセッサおよびスレッドを専用割当て、有効化、無効化する機能が備わっています。新しいSPARC T4プロセッサがOracle Solaris 11の新しい"クリティカル・スレッドAPI"をサポートすることで、オペレーティング・システムはクリティカル・スレッドを認識して、自身でシングル・プロセッサ・コアに割り当てることができます。その結果、重要度の低い他のスレッドと競合することなく、最高のパフォーマンス・レベルでクリティカル・スレッドを実行でき、スレッド型アプリケーションの全体的なパフォーマンスが高速化します。また、プロセッサ・セットなどの標準のOracle Solaris OS機能によって、論理プロセッサのグループを定義し、このグループに対してプロセスまたはスレッドをスケジューリングする機能が提供されます。

• インタフェースのバインディング—Oracle Solarisでは必要に応じて、プロセスや個々のスレッドをプロセッサまたはプロセッサ・セットにバインドできるため、大幅な柔軟性が得られます。

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• ハードウェア・アクセラレータ機能を使用した暗号化による仮想化ネットワークおよびI/Oのサポート—Oracle Solarisには、SPARC T4プロセッサ上のコンポーネントおよびサブシステムに対するサポートと仮想化テクノロジーが含まれています。高パフォーマンス・ネットワーク・アーキテクチャの一環としてCMT認識型のデバイス・ドライバが提供されているため、仮想化フレームワーク内で実行されるアプリケーションはI/Oデバイスおよびネットワーク・デバイスを効果的に共有できるようになります。ハードウェア・アクセラレータ機能を使用した暗号化は、Oracle Solaris暗号化フレームワークと、すべてのSPARC T4プロセッサに含まれるコア内のハードウェア・アクセラレータによってサポートされます。

Oracle Solaris Zonesによる統合、セキュアなパーティション化、仮想化

Oracle Solaris Zonesは、システム・リソースを効率的に管理し、システムを仮想化し、分離されたセキュアで完全な実行環境をアプリケーションに提供するために連携するテクノロジー・グループで構成されています。Oracle Solaris Zonesを使用すると、大量の処理リソースをパーティション化し、サーバー・モジュールに割り当てることができます。Oracle Solaris ZonesとOracle Solarisのリソース管理機能は、SPARCベースとx86ベースの両サーバー・モジュール上にあるOracle Solarisフェアシェア・スケジューラと連携します。

• Oracle Solaris Zones—Oracle Solaris Zonesを使用すると、実行中のアプリケーションに対して分離されたセキュアな環境を作成できます。ゾーンは、1つのOracle Solarisインスタンス内に作成された仮想化オペレーティング・システム環境です。アプリケーションとプロセスをシステムの残りの部分から切り離すために使用できます。このように分離することで、ゾーン内のプロセスが別のゾーンで実行されているプロセスによって妨げられることがなくなるため、セキュリティと信頼性が向上します。

• リソース管理—Oracle Solarisで提供されるリソース管理ツールを使用すると、管理者はCPUサイクルなどのリソースを特定のアプリケーション専用に割り当てることができます。マルチコア・マルチプロセッサ・システム(Sun Netra 6000サーバー・モジュールが提供するシステムなど)のCPUをプロセッサ・セットとして論理的にパーティション化し、リソース・プールにバインドできます。また最終的に、Oracle Solaris Zoneに割り当てることもできます。リソース・プールには、CPUリソース消費の重複を避けるためのワークロードの分離機能があります。また、クラス割当てのスケジューリングとプロセッサ・セットに対する永続的な構成メカニズムも存在します。さらに、リソース・プールの動的機能を使用すると、管理者はワークロード要求の変化に応じてシステム・リソースを調整できます。

Oracle Solaris DTrace機能を使用したライブ・ソフトウェア環境の計測とチューニング

本番システムで、重大でないエラーや平均以下のパフォーマンスが発生した場合、最近の分散ソフトウェア環境は非常に複雑なため、正確に根本原因を分析することがきわめて難しい場合があります。残念ながら、この問題に対する従来の解決手法のほとんどが不十分で時間のかかるものであったため、多くのアプリケーションが潜在的なパフォーマンス・レベルには遠く届かないままになっていました。

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SPARCとx86プラットフォームの両プラットフォームで提供されているOracle Solaris DTrace機能では、アプリケーション・アクティビティとカーネル・アクティビティのいずれも動的に計測してトレースすることができ、さらにはJava仮想マシン(JVM)5で稼働しているアプリケーション・コンポーネントをトレースすることもできます。Oracle Solaris DTraceを使用すると、開発者および管理者はシステム全体を調査してその動作を把握し、多数のソフトウェア・レイヤーにまたがるパフォーマンスの問題を突き止めたり、異常な動作の原因を特定したりできます。トレースは、オペレーティング・システム・カーネルを動的に変更し、関心のある個所で追加データを記録することで実施できます。何よりも優れている点は、Oracle Solaris Dtraceはいつでもすぐに使用できるにもかかわらず、未使用時はシステム・パフォーマンスに影響がないことです。そのため、特に本番システムの監視と分析に効果的です。

Oracle SolarisでのNUMAの最適化

オラクルのNetra SPARC T4-1BおよびNetra Blade X3-2Bサーバー・モジュール上にある各プロセッサによってメモリが管理される場合、この実装はNon-Uniform Memory Access(NUMA)アーキテクチャに相当します。すなわち、プロセッサは、そのプロセッサ自体が管理するローカル・メモリに、別のプロセッサが管理するメモリにアクセスするよりも高速でアクセスできます。Oracle Solarisでは、特にNUMAアーキテクチャでのアプリケーション・パフォーマンスの向上に役立つテクノロジーが提供されます。

• メモリ配置の最適化(MPO)—Oracle Solaris 10およびOracle Solaris 11の各OSバージョンでは、MPOを使用してサーバーの物理メモリ全体にわたるメモリの配置状況を改善することで、パフォーマンスが向上します。MPOにより、システム内の適切なバランスを維持しながら、メモリが、そのメモリにアクセスするプロセッサにできる限り近い位置に配置されます。結果として、MPOにより、多数のデータベースとエンタープライズ・アプリケーションの実行速度が大幅に向上します。

• Hierarchical Lgroup Support(HLS)—HLSにより、Oracle SolarisのMPO機能が強化されます。HLSを使用することで、Oracle Solarisは、より複雑なメモリ待機時間の階層を持つシステムのパフォーマンスを最適化できます。Oracle Solarisでは、HLSを通じてメモリとの距離を識別できるため、アプリケーションにおける待機時間がもっとも短くなるようにリソースを割り当てることができます。特定のアプリケーションがデフォルトでローカル・リソースを使用できない場合、Oracle Solarisでは、HLSを利用して、もっとも近くにあるリモート・リソースを割り当てます。

Oracle Solaris ZFSファイル・システム

Oracle Solaris ZFSファイル・システムでは、世界初となる128ビットのファイル・システムによってデータ管理を劇的に進歩させることで、複雑なストレージ管理の概念を自動化および統合し、無限のスケーラビリティを実現します。Oracle Solaris ZFSは、I/Oの発行順序に関する従来の制約をほぼすべて解消するトランザクション・オブジェクト・モデルに基づいており、劇的なパフォーマンスの向上が実現されます。また、発見されにくいデータ破損の検出と修正を行う64ビットのチェックサムですべてのデータが保護され、データの整合性が維持されます。

5 "Java仮想マシン"および"JVM"という用語は、Javaプラットフォーム向けの仮想マシンを指します。

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セキュアで堅牢なエンタープライズ・クラスの環境

Oracle Solaris Binary Compatibility Guaranteeにより、既存のアプリケーションを変更せずに引き続き実行できるようにサポートされるため、投資が保護されます。また、マルチレベルの認証セキュリティによって、Oracle Solaris環境が侵入から保護されます。さらに、オラクルの提供する包括的な障害管理アーキテクチャによって、Oracle Solarisの予測的自己修復機能などの要素がハードウェアと直接通信できるようになるため、計画停止時間と計画外停止時間の両方が削減されます。

サーバー・モジュールのアーキテクチャ

Sun Netra 6000モジュラー・システムは、最新のテクノロジーを利用し革新的なシャーシ設計を最大限に活用するフル機能のインタフェースを通じて、高パフォーマンス、大容量、圧倒的なI/Oレベルを実現します。Netra SPARC T4-1BおよびNetra Blade X3-2Bサーバー・モジュールのアーキテクチャについてはこの項で説明します。また、PCIe ExpressModule、Network Express Modules、シャーシ監視モジュールについては本書の後半で説明します。

オラクルのNetra SPARC T4-1Bサーバー・モジュールの概要

Netra SPARC T4-1Bサーバー・モジュールは、2.85GHzのシングル・ソケット・プロセッサであるSPARC T4ベースのブレード・モジュール(8コア、64スレッド)です。新しいSPARC T4プロセッサは前世代のSPARC T3プロセッサと比較して、シングルスレッドのパフォーマンスは5倍に向上しており、さらに業界屈指のマルチスレッド・パフォーマンスも維持しています。Netra SPARC T4-1Bサーバーには、DDR3 DIMMを使用して最大256GBのメモリに対応する16個のDIMMスロットが搭載されているため、シングルスレッド・ワークロードとマルチスレッド・ワークロードに対して非常に高いメモリ帯域幅が提供されます。

図7に、Netra SPARC T4-1Bサーバー・モジュールのマザーボード設計を示します。

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図7:オラクルのNetra SPARC T4-1Bサーバー・モジュールのマザーボード設計。

オラクルのNetra SPARC T4-1Bサーバー・モジュールの特徴は、コンパクトなブレード・サーバーであることです。組織はNetra SPARC T4-1Bを既存のSun Netra 6000シャーシに追加するだけで処理能力とI/Oを柔軟にスケーリングできます(表3)。

注:現在、2種類のFabric Express Module(FEM)がサポートされています。 1. インテルによるXAUI 2. PCIe Gen2パススルー(利用可否は今後決定、RR後) このように複数の選択肢があるため、この図ではFEM内で複数の接続を示しています。詳細については、T4-1Bシステムのテクニカル・プレゼンテーションを参照してください。

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表3:Netra SPARC T4-1Bサーバーの寸法と重量

サーバーの寸法

高さ:327.2mm(12.9インチ)(ブレード)

幅:44.5mm(1.8インチ)

奥行:511.7mm(20.1インチ)

重量(ディスク4台、メモリ完全搭載):7.4kg(16.4ポンド)

Netra SPARC T4-1Bサーバー・モジュールは、以下の主要コンポーネントで構成されます。

• 1基のSPARC T4プロセッサ(8コア、2.85GHzで動作)

• 最大256GBのメモリを16個のDDR3 DIMMスロットに搭載(8GBおよび16GB DDR3 DIMMをサポート)

• 2個のオンボード10/100/1000Mb/秒イーサネット・ポート

• 2個の専用x8 PCIe Express Moduleスロット

• 2個のx8 PCIeスロット。オプションのファブリック拡張モジュールで使用(適切なネットワーク拡張モジュールと共に使用してください)

• 2個のUSB 2.0ポート(ドングル・ケーブルを接続する2個の外部ポート)

• 最大2個のディスク・ドライブ・スロット(一般的なSAS-2ディスク・ドライブをサポート)

• ILOM 3.0システム・コントローラ

Netra SPARC T4-1Bサーバー・モジュールの前面図と背面図

Netra SPARC T4-1Bには以下のような外部機能があります。

• システムとコンポーネントのステータス・インジケータ・ライト。システムに関するロケータ(白)、要サービス(黄)、およびアクティビティ・ステータス(緑)をレポート(前面に配置)

• システムの前面パネルから挿入可能なホット・プラグ対応SAS-2ディスク・ドライブ

• 2個のUSB 2.0外部ポート(ドングル・ケーブル経由で接続)

• VGAビデオ・ポート

• 2個の管理ポート(ILOM 3.0システム・コントローラと共に使用)。RJ-45シリアル管理ポートからILOM 3.0コントローラにデフォルトで接続可能(ネットワーク管理ポートはILOM 3.0システム・コントローラへのRJ-45 10/100Base-T接続をオプションでサポート)

図8に、Netra SPARC T4-1Bサーバー・モジュールの前面図と背面図を示します。また、図9に、上記の機能の一部について、Netra SPARC T4-1Bサーバー・モジュール上での関連性を示します。

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オラクルのSun Netra 6000モジュラー・システム

図8:Netra SPARC T4-1Bサーバー・モジュールの前面パネルと背面パネル。

図9:Netra SPARC T4-1Bサーバー・モジュールのコンポーネントの位置。

信頼性、可用性、保守性を実現するための設計

Netra SPARC T4-1Bサーバーは、ネットワーク・サービスのアップタイムを最大化します。冗長コンポーネントや、データの整合性、障害の分離、エラー修正の自動化機能が搭載されているため、SPARCプロセッサベースのサーバーの堅牢性が向上します。オンライン保守機能や保守手順の簡素化によって、計画停止の必要性がなくなります。さらに、広範な障害管理機能および自己修復機能によって、計画外停止時間とリカバリ時間が短縮されます。

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SPARC Tシリーズ・プロセッサは大量のスレッドに対応するマルチソケットのシステムオンチップ(SoC)として設計されています。また、この設計はNetra SPARC T4-1Bサーバーのコンポーネント数

の少なさに直結しています。SPARC Tシリーズ・プロセッサではプロセッサ・ダイ自体に高度なサーバー機能が統合されています。たとえば、待機時間の短いデータ転送を可能にする2個の8レーンPCIe Generation 2インタフェース、ワイヤー・スピードの暗号化を実現する各コア上のストリーム処理ユニット(SPU)、Fused Mul/Add(FMADD)命令を使用し完全にパイプライン化された浮動小数点ユニットなどの機能が挙げられます(図10)。SPARC Tシリーズ・プロセッサにはマルチソケット機能、キャッシュ・コヒーレンシ・リンク、FB-DIMMシングルリンク・フェイルオーバーの処理機能も備わっています。

図10:マルチプロセッシングSPARC Tシリーズ・プロセッサのSoC設計では、大量の処理能力、I/O、ネットワーク、暗号化機能が1つのダイ上に組み込まれて

います(図はSPARC T4プロセッサの設計)。

SPARC Tシリーズ・プロセッサのSoC設計によって、追加のASICを使用してオンボード・コンポーネントを接続する必要性がなくなります。そのため、Netra SPARC T4-1Bサーバーで障害が発生する可能性のある部品やピンの数は、複数のシングルスレッドのデュアル・コアまたはクアッド・コアのプロセッサを搭載した従来型の多くのサーバーよりも少なくなります。

可用性の向上:冗長性、保守性、自己診断

エラー状態を修正するために必要となるシステムの中断を最小限に抑えることで、システムやホストされたITサービスの可用性が向上します。Netra SPARC T4-1Bサーバーには、システム運用の継続に影響を及ぼさずに保守手順を最後まで実行するための多くの設計上の機能が備わっています。

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ホット・スワップ対応の冗長コンポーネントとRAID機能

オラクルのNetra SPARC T4-1Bサーバーは、高水準のアップタイムと障害からの高速リカバリを実現するように構築されています。シャーシに取り付けられている、ホット・スワップおよびホット・プラグに対応するハード・ドライブやファン・ユニット、電源も、保守性と可用性の向上に役立ちます。システムが冗長コンポーネントで構成されているため、管理者はシステムの運用を継続しながら、ソフトウェア・コマンドを使用して、ディスク、電源、ファン・ユニットの取外しや交換を行うことができます。

Netra SPARC T4-1Bサーバーに組み込まれたRAID機能によって、追加コストなしでデータの冗長性を確保し、パフォーマンスを改善できます。Netra SPARC T4-1BサーバーはオンボードのハードウェアRAID 0/1をサポートしており、任意の2台の内部ドライブ間でデータのストライプ化またはミラー化を実行できます。さらに、Oracle Solarisが稼働するNetra SPARC T4-1Bサーバーでは、ソフトウェアRAID機能も利用できます。たとえば、Oracle Solaris ZFSを内部または外部のストレージ・デバイスに使用することで、シャーシを越えて柔軟性と冗長性を確保できます。

堅牢なSPARC T4プロセッサ

障害管理機能は最初にUltraSPARC T2 Plusプロセッサ向けに設計されました。それ以降、SPARC T3プロセッサ、SPARC T4プロセッサの順に、SPARC Tシリーズ・プロセッサで活用されています。SPARC T4プロセッサには、コア、スレッド、内蔵I/Oルート・コンプレックス、プロセッサ・コヒーレンシ・リンク、専用の暗号化ユニットおよび浮動小数点ユニット(FPU)などの主要な要素に対する障害監視およびリカバリの機能が搭載されています。保守作業を迅速化するために、障害メッセージ内で、注意の必要な現場交換可能ユニット(FRU)、システムへの影響、推奨する修正処理について明示されます。

• スレッドとコアのオフライン化:SPARC T4プロセッサには、CPUエラーの診断機能が搭載されており、隣接するスレッドやコアに影響を及ぼさず、また実行中のネットワーク・サービスを中断せずに、スレッド・レベルおよびコア・レベルでオフライン化を実行できます。すべてのスレッドで共有されているプロセッサ・リソース内部の障害の発生時には、適切な障害の分離を実行するために、コア全体がオフライン化されます。オフライン化されたCPUはリソース・キャッシュに保存され、プロセッサが交換されない限り、再起動時にもオフラインのままになります。

• コヒーレンシ・リンク:コヒーレンシ・リンクは、SPARC T4プロセッサ内部のソケット同士を接続し、キャッシュ・データの整合性を維持します。

• メモリ:SPARC T4プロセッサのメモリ・サブシステムは、メモリ・バンク・レベル、DDR3 DIMMレベル、ページ・レベルでの診断を実行し、ページ・リタイアメント機能も備えています。さらに、各メモリ・チャネルには複数の高速シリアル・レーンがそれぞれの方向で搭載されており、シングルレーンの自動フェイルオーバーをサポートしているため、過度なエラーのためにレーンに障害が発生した場合にも運用を継続できます。

• I/Oサブシステム:SPARC T4プロセッサには、I/OサブシステムおよびPCIeファブリックの障害管理と診断の機能があります。ルート・コンプレックス自体の診断に加えて、プロセッサではOracle SolarisのPCIeファブリック診断に関する追加サポートも利用できます。

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• ストリーム処理ユニット:暗号化処理を実行するストリーム処理ユニットのいずれかの診断で障害が検出された場合、オフライン化機能によって、障害の発生したデバイスが暗号化ドライバで利用される事態を防ぎます。一方で、他のプロセッサ・コア上で稼働中の暗号化ユニットは引き続き利用でき、プロセッサ・スレッドもアクティブのままになります。

Netra Blade X3-2Bサーバー・モジュール

Netra Blade X3-2Bサーバー・モジュールは、前世代のSun Netra X6270 M2サーバー・モジュールに基づいて、8コアのインテルXeonプロセッサE5-2658 CPUを2基サポートすることで機能拡張しています。最新のCPUによってコア数が増加するのに加えて、このサーバー・モジュールでは低電圧のDDR3 DIMMを使用する24個のDIMMソケットをサポートすることで、メモリ集中型アプリケーションに対応しています。前面パネルにある前面からアクセス可能なSAS-2ベースのベイを介して、最大4台のハード・ディスク・ドライブ(HDD)を取り付けることができます。ファブリック拡張モジュールとRAID拡張モジュールもサポートされており、柔軟なストレージ・オプションとI/O接続オプションを選択できます。

Netra Blade X3-2Bサーバー・モジュールは、前世代のSun Netra 6000サーバー・モジュールを引き継ぎ、以下のような多くの拡張機能を提供しています。

• 8コアのインテルXeonプロセッサE5-2658 CPUのサポート

• 全体的にSAS Gen-2信号生成に対応

図11に、Netra Blade X3-2Bサーバー・モジュールの上面図を示します。

図11:Netra Blade X3-2Bサーバー・モジュールには、インテルXeonプロセッサE5-2600シリーズの8コアCPU向けのソケットが2個搭載されています。

インテルXeonプロセッサE5-2600製品ファミリーのインテルXeonプロセッサE5-2658 CPU

最新のインテルXeonプロセッサE5-2600シリーズの導入で、インテルは32nmの製造プロセスを継続しましたが、コアの処理能力が6プロセッサ・コアから8プロセッサ・コアに強化され、また、ダイのキャッシュも増強されています。Netra Blade X3-2Bサーバー・モジュールは、インテルXeonプロセッサE5-2658 CPUをベースとしています。E5-2658 CPUは、インテルXeonプロセッサE5-2600製品ファミリーに含まれる製品です。インテルXeonプロセッサE5-2658 CPUは、95W、2.1GHzで動作する8コアのプロセッサであり、NEBS環境向けに設計されています。周波数の調整をせずに一時的な環境変動に耐えることができ、長期的な製品の信頼性を低下させることもないため、電気通信アプリケーションに適しています。

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新しいインテルCoreマイクロアーキテクチャは、インテルXeonプロセッサE5-2600製品ファミリー全体で使用されています。このCoreマイクロアーキテクチャは高度にモジュール化されており、幅広い環境でさまざまなアプリケーションのニーズと価格に対応できるようになっています。最大20MBの共有L3キャッシュがあり、内蔵のPCIe 3.0をサポートします。また、インテル・ターボ・ブースト・テクノロジーとインテル・ハイパースレッディング・テクノロジーを利用しており、4チャンネルのDDR3メモリ・コントローラ(各チャネルで最大3個のDIMMを制御)を備えています。CPU-CPU間およびCPU-I/O間の高速サブシステム通信のために、2個の双方向QuickPathインターコネクトも用意されています。

図12:インテルXeonプロセッサE5-2600製品ファミリーは最大8コアで、内蔵メモリ・コントローラ、2個の双方向QuickPathインターコネクト、内

蔵PCIe コントローラを備えています。

これらの新しいインテル・プロセッサは、帯域幅を多く使用するスレッド型アプリケーションのパフォーマンスを最適化することを目的としており、そのマイクロアーキテクチャには、以下のような重大な技術革新が施されています。

• インテルQuickPathテクノロジー—プロセッサとI/O間での高速のポイントツーポイント・インターコネクトを実現します。インテルQuickPathインターコネクトは、高帯域幅と短い待機時間の両方を実現する設計でプロセッサ間をリンクします。ポイントツーポイント・インターコネクトであるため、プロセッサはメモリやI/Oにアクセスするときに1個のバスで競合することはなく、バスの帯域幅を奪い合うこともないため、スケーラビリティが向上します。各QPIポートにはリンクあたり6.4GT/秒~8.0GT/秒をサポートする一方向のリンクが2個あり、最大16GB/秒の帯域幅を各方向で実現します。合計帯域幅は32GB/秒になり、これまでのバス設計を大幅に上回ります。

• 複数のプロセッサ・コア—インテルXeonプロセッサE5-2600製品ファミリーのマイクロアーキテクチャでは、ダイあたり4コア、6コアまたは8コア搭載されています。

• 内蔵DDR3メモリ・コントローラ—内蔵メモリ・コントローラには1600MT/秒のチャネルが4個配置され、各チャネルで最大3個のDIMMがサポートされます。マルチソケット・システムの各プロセッサが、ローカル・メモリ(ローカルのメモリ・コントローラに接続されたもの)とリモート・メモリ(他のプロセッサに接続されたもの)にアクセスできるため、このプロセッサ設計ではNUMAスタイルのメモリ・アーキテクチャが構築されます。

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• 内蔵I/Oコントローラ—前世代のインテル・プラットフォームでは、PCIe I/Oは個別のI/Oハブ・コントローラによって処理されました。新しいインテルXeonプロセッサE5-2600製品ファミリーでは、プロセッサ・ダイ上にPCIeが内蔵されるため、I/O待機時間が短縮します。また、新しいプロセッサでは新しいPCIe 3.0仕様がサポートされ、PCIeの帯域幅が大幅に向上します。

• 高度なキャッシュ・モデル—インテルXeonプロセッサE5-2600製品ファミリーには20MBのLast Level Cacheが搭載され、このキャッシュは複数のプロセッサ・コアで共有されます。

• 仮想化の強化—仮想化テクノロジーが組み込まれていることにより、I/Oデバイスの仮想化がハードウェアベースで支援され、仮想化の効率性が向上し、仮想化サーバー内の接続性とセキュリティが強化されます。

• インテル・ハイパースレッディング・テクノロジー—1個のコアで2個の仮想スレッドを実行するため、スレッドを多用するアプリケーションのパフォーマンスが向上します。

• インテル・ターボ・ブースト・テクノロジー—マルチスレッド・ワークロードとシングルスレッド・ワークロードの両方で、プロセッサ、システムの消費電力、およびサーマル・ヘッドルームを活用することで、パフォーマンスを向上します。ターボ・ブースト機能では、サーマル・ヘッドルームが利用できる場合に、通常のパフォーマンス・レベルを上回るコアあたり最大9個の速度ビン(900MHz)によって、日和見的にパフォーマンスを向上できます。インテル・ターボ・ブースト・テクノロジーとインテル・ハイパースレッディング・テクノロジーを使用できるかどうかは、プロセッサ・モデルによって異なります。

• インテル・インテリジェント・パワー・テクノロジー—プロセッサ・ワークロードが減少したときに、不要なコンポーネント(コア、キャッシュ、メモリ)をスリープ・モードにして、消費電力を低減します。

サーバー・モジュールのアーキテクチャ

図13に示すとおり、Netra Blade X3-2Bサーバー・モジュールは2基のインテルXeonプロセッサE5-2658 CPUを、インテルのQuickPathインターコネクト・テクノロジーを使用して相互に接続する構成をサポートします。各インテルXeonプロセッサE5-2658 CPUには、4個のDDR3チャネル(チャネルあたり最大3個のDIMM)を含むメモリ・コントローラが内蔵されています。各プロセッサには40個のPCI Express 2.0レーンもあり、これらのレーンはFEMソケットに接続しています。このFEMソケットから、最大2個のPCI Express 2.0 x8インタフェースまたはXAUI接続を介して、NEM接続のためにシャーシ・ミッドプレーンに接続されます。その他の2個のPCI Express 2.0 x8インタフェースは、EM接続のためにパッシブ・ミッドプレーンに接続されます。

1個のx4 PCI Express 2.0がオプションのRAID拡張モジュールにインタフェースします。このRAID拡張モジュールは、ミッドプレーンへのSAS-2リンクを保持し、内蔵HDDをホストします。インテルC602J I/Oコントローラ・ハブはSATA接続とUSB接続の機能を提供し、さらにASPEEDサービス・プロセッサへのインタフェースにもなります。インテルXeonプロセッサE5-2658 CPUは、インテルI350ギガビット・イーサネット・コントローラ(旧名Powerville)とも直接相互作用します。このコントローラから、2個のギガビット・イーサネット・インタフェースを介してパッシブ・ミッドプレーンに接続します。インテルC602Jには内部USBコネクタも備わっています。

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図13:Netra Blade X3-2Bサーバー・モジュールでは、インテルXeonプロセッサE5-2600シリーズCPUとSAS-2ストレージ・デバイスが新たにサポートされて

います。

I/O拡張、ネットワーク、ストレージ、管理

変化する要求に対応するためにシステムの用途変更、拡張、改修を行う場合は特に、これまでの投資を保護する必要があります。この際にモジュラー・システムが重要な役割を担うことができ、組織のニーズが変化しても保有するインフラストラクチャから最大限の利益を引き出すことができます。より重要なこととして、モジュラー・システムではI/O、ネットワーク、または管理の選択肢を制限するような恣意的な制約は取り除かれます。特に、Sun Netra 6000モジュラー・システムはマルチベンダー対応のオープンな業界標準と調和するように設計されており、特定のコンポーネント、トポロジ、または管理シナリオが指定されることはありません。

PCIe ExpressModule(EM)

業界標準のI/Oは、ラックマウント型の水平方向にスケーラブルなサーバーにとって不可欠ですが、これまでブレード・プラットフォームでは定義されていません。残念ながら、業界標準のI/Oが定義されていないため、顧客は少ないオプションに対して多くのコストを支払ってきており、最終的にはベンダー1社の技術革新の制限を受けてきました。多くの従来型のブレード・プラットフォームとは異なり、Sun Netra 6000モジュラー・システムではPCIe ExpressModuleを利用します。PCIe EMは、PCI SIGが策定した業界標準のフォーム・ファクタです。このアプローチによって、複数の拡張モジュール・ベンダーが提供する豊富な拡張モジュール・オプションを利用できるようになり、単一ベンダーの技術革新による囲い込みを避けることができます。

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パッシブ・ミッドプレーンは、EMとサーバー・モジュール間の接続を実装するものであり、物理的にはEMのペアを個々のサーバー・モジュールに割り当てています。図14に示すとおり、EM0とEM1

(一番右とその左)はサーバー・モジュール0に接続されています。EM2とEM3はサーバー・モジュール1に、EM4とEM5はサーバー・モジュール3に接続されており、以下同様に続きます。各EMにはx8 PCIe 2.0リンクが配置され、このリンクを介して関連するサーバー・モジュールに接続されています。リンクのI/Oスループットは最大64Gb/秒です。EMはPCI SIGが策定した標準に従ってホット・プラグに対応しており、シャーシを開いたりサーバー・モジュールを取り外したりせずに、顧客だけによる交換が可能です。

図14:8レーン(x8)PCIeスロットには、Sun Netra 6000シャーシ内のサーバー・モジュールあたり最大2個のPCIe ExpressModuleを装着できます。

業界標準のPCIe EMフォーム・ファクタを採用しているため、以下のような複数の接続タイプをEMで利用できます。

• ギガビット・イーサネットおよび10GbE(クアッド・ポート[銅線]およびデュアル・ポートの10GbE SFP+)

• ファイバ・チャネル(デュアル・ポート8Gb/秒ファイバ・チャネルとデュアル・ポート1Gb/秒イーサネットの組合せ)

• SAS(8ポート)

Network Express Module(NEM)

これまでは、個々のサーバー・モジュールにさまざまなI/Oアクセス方法を提供することは困難でした。多くのブレード・プラットフォームでは通常、利用可能なオプションに制約があり、多くのオプションで特定のトポロジーと管理機能が指定されています。そのため、データセンターの管理者はこれらの制約のあるブレード・サーバー・プラットフォームを既存のネットワークに統合するのは困難だと気づき、あるいは組織で選択したネットワーク・ファブリックに新しいスイッチ・ハードウェアを組み込むことに抵抗を示しました。

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Sun Netra 6000モジュラー・システムは、ある特定のNetwork Express Module(NEM)フォーム・ファクタを使用することによってこの問題を解決します。これによって、システム内のすべてのサーバー・モジュールに対して構成可能なネットワークI/Oが提供されるようになります。NEMはパッシブ・ミッドプレーンを介して、取り付けられているサーバー・モジュールのすべてに接続するため、高密度で構成可能なI/Oを配置するためのスペース効率に優れたメカニズムであり、シャーシ全体に対して統合されたバルクI/Oオプションを提供します。

ファブリック拡張モジュール(FEM)

ファブリック拡張モジュールは、Sun Netra 6000サーバー・モジュール上のインタフェースにアクセスするためのモジュールです。一部のケースでは、FEMは単純に、プロセッサ側かサーバー・モジュール側のいずれかに存在するインタフェースにアクセスできるようにします。また、FEMを使用することで、NEMの機能や接続を補完する追加機能(10GbEネットワークを介した代替I/Oなど)を利用できるようにもなります。FEMの柔軟性によって、さまざまなネットワークやI/Oのファブリック・インタフェースを使用してパッシブ・ミッドプレーンに接続して、利用可能なNetwork Express Moduleに接続できます。

本書の執筆時点でSun Netra 6000シャーシ向けに利用できるNetwork Express Moduleについては、特定のサーバー・モジュールで必要となるFEMと共に、以降の項で説明します。

Sun Netra 6000シャーシには2個のNEMが取り付けられており、さまざまなサーバー・モジュール上のGbEインタフェースおよび10GbEインタフェースへのパススルー・アクセスを提供します。本書の執筆時点で利用可能なSun Netra 6000 NEMは以下のとおりです。

• Sun Netra 6000 GbE 10ポート・パススルーNEM

• Sun Netra 6000 Virtualized 40GbE NEM

• Sun Netra 6000 Ethernet Switched NEM 24p 10GbE

高度なネットワーク機能を利用するには、一部のNEMでファブリック拡張モジュールをサーバー・モジュール内に取り付ける必要があります。さまざまなサーバー・モジュールをSun Netra 6000 NEMに接続するためのFEMの部品番号を表4に示します。

Sun Netra 6000モジュラー・システムと共に構成するためにさまざまなNEMを利用でき、サーバー・モジュール上に位置するGbEインタフェースへのパススルー・アクセスが可能になります。また、他のI/Oプロトコル機能も利用できます。

表4:ファブリック拡張モジュールの要件

サーバー・モジュール Sun Netra 6000 Ethernet Switched NEM 24P 10GE Sun Netra 6000 Virtualized 40GbE NEM

Netra SPARC T4-1Bサーバー・

モジュール

X4871A-Z 7100633

Netra Blade X3-2Bサーバー・モ

ジュール

X4871A-Z 7100633

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Sun Netra 6000 GbE 10ポート・パススルーNEM

10GbEのネットワークを必要としないアプリケーションの場合は、Sun Netra 6000 GbE 10ポート・パススルーNEMが効果的なソリューションを実現します。単一のSun Netra 6000 GbE 10ポート・パススルーNEM(図15)には10個のGbEパススルー・ポートが搭載されており、これらのポートから、すべてのサーバー・モジュール上の2個のGbEインタフェースのいずれかにアクセスできます。各サーバー・モジュールの2個目のインタフェースには、シャーシに2個目のNEMを追加することでアクセスできます。

図15:Sun Netra 6000 GbE 10ポート・パススルーNEMには10個のGbEパススルー・ポートが搭載されています。

Sun Netra 6000 Virtualized 40GbE NEM

Sun Netra 6000 Virtualized 40GbE NEMは、管理をほとんど必要とせずに、仮想化された40GbEまたは10GbEのアクセスを実現します。Sun Netra 6000シャーシとシームレスに統合するように設計されたオラクルのSun Netra 6000 Virtualized 40GbE Network Express Moduleは、Sun Netra 6000シャーシ内の10台のサーバー・モジュール(ブレード)のすべてに対する、業界初の完全に仮想化された40GbEのネットワーク・アグリゲーションです。Webサーバー、アプリケーション・サーバー、データベース・サーバーなどのワークロード向けのスケーラブルなI/Oスループットを必要とするような、仮想化された複数のブレードを接続するための、理想的なネットワーク・インタフェースです。

Sun Netra 6000 Virtualized 40GbE NEMは多機能型のPCIe 2.0接続モジュールであり、仮想化された40GbEまたは10GbEのネットワーク接続、1台のシャーシ内で複数のモジュールを格納するためのSAS-2ストレージ接続のサポート、および1GbEのパススルーが統合されています。このNEMは、データセンターのネットワークを簡素化する独自性の高いプラットフォームであり、スイッチの管理のための余計なコストが発生しません。オラクルが設計した40GbE NIC ASICを利用して、Sun Netra 6000シャーシ内の10台のサーバー・モジュール間で、40GbEまたは2個の10GbEによるネットワーク接続を仮想化します。その結果、ケーブル数が10分の1に減少してネットワークが簡素化されます。また、新たなスイッチ・レイヤーが加わることもありません。図16に、NEMのハードウェア・アーキテクチャを示します。

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オラクルのSun Netra 6000モジュラー・システム

図16:Sun Netra 6000 Virtualized 40GbE NEMはシャーシ・レベルでアグリゲーションを実行し、最適な冗長性を確保します。

Sun Netra 6000 Virtualized 40GbE NEMでは構成可能なオプションが提供されるため、ブレード内での優れた通信性能のみを必要とするアプリケーションから、仮想化された高い帯域幅を必要とするアプリケーションまで、さまざまなタイプのワークロードに応じて最適化できます。これらのワークロードの例として、データ送信量は少なく、待機時間は短くするために高速ネットワークを必要とするようなWebサーバーやアプリケーション・サーバーなどのワークロード、大量のデータを断続的に送信するエンタープライズ・アプリケーションやデータベースなどのワークロードが挙げられます。デフォルトでは、ブレードは利用可能な帯域幅を均等に配分し、ブレード間のユニキャスト・トラフィックが他のブレードから参照されないように、プライバシー・モードで稼働します。また、事前の決定に基づいて、任意のブレードまたはすべてのブレードに対して帯域幅を構成することも可能です(全帯域幅の1%の増分で指定)。NEMでサポートされる侵入フィルタリングおよびVLANを使用して、ブレードからのユニキャスト・トラフィックとブロードキャスト・トラフィックの両方に対してセキュリティ・オプションを設定できます。

Sun Netra 6000 Virtualized 40GbE NEMでは、スモール・フォーム・ファクタ・プラガブル(SFP)+ポートまたは10/100/1000ツイストペア・イーサネット(TPE)ポート経由での外部デバイスへの接続をサポートしています。最大2個のSFP+ポートを2個の10GbEとして使用できます。4個のSFP+ポートを使用してQSFPから4個のSFP+へのスプリッタ・ケーブルを配線した場合、40GbEのリンクが確保されます。

Sun Netra 6000 Virtualized 40GbE NEMフォーム・ファクタによって、バルク・リモートI/Oを配置できます。この結果、ツールを使用しない取付け/取外しが可能になり、より小さなスペースに優れたパフォーマンスと機能性を集約しながら、ネットワークの高スループットも実現できます。ケーブル数が削減されるため、データセンターのスペースを効率的に利用できるようになります。

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オラクルのSun Netra 6000モジュラー・システム

このNEMの取付けや管理は簡単です。Sun Netra 6000モジュラー・システムの柔軟なアーキテクチャは全体的に、I/O、計算、システム管理やシャーシ・インフラストラクチャ向けの、ホット・プラグに対応したコンポーネントを基盤としています。NEMモジュールを含む重要なコンポーネントはすべてホット・スワップに対応し、冗長化されているため、エンタープライズ・クラスの信頼性、可用性、保守性(RAS)を実現します。Sun Netra 6000 Virtualized 40GbE NEMにより、データセンターの効率とアップタイムを大幅に改善し、総所有コスト(TCO)を削減できます。

NEM上のSFP+ポートに接続するには、パススルーPCIe 2.0ファブリック拡張モジュール(販売部品番号7100633)がサーバー・ブレードで必要になります。

Sun Netra 6000 Ethernet Switched NEM 24p 10GbE

Sun Netra 6000 Ethernet Switched NEM 24p 10GbEは、10GbEのアグリゲーションを実現する以外にも、Sun Netra 6000シャーシと互換性のある、待機時間が短くアクティブな非ブロック型10GbEスイッチを提供します。24ポートの10GbEスイッチ・チップをベースとしたNEMはレイヤー2/レイヤー3エッジ・スイッチとして動作するため、適切なラックや大規模なスイッチと組み合わせて、非ブロック型の高密度10GbEファブリックを構築できます。標準のシングルハイトNEMフォーム・ファクタ内にスイッチが完備されるため、大幅な統合とコスト削減が可能になります。NEMのブロックレベル図と、対応する背面パネルの写真を図17に示します。

このスイッチは、10GbE接続を介してSun Netra 6000ファミリーのサーバー・モジュールをサポートするように設計されており、この10GbE接続はSun Dual 10GbE PCIe 2.0ファブリック拡張モジュールによって実現されます。

図17:Sun Netra 6000 Ethernet Switched NEM 24p 10GbEには24ポートの10GbEスイッチが配置され、各サーバー・モジュールに対して非ブロック型の10Gb

アクセスが可能になります。

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オラクルのSun Netra 6000モジュラー・システム

各Sun Netra 6000 Ethernet Switched NEM 24p 10GbEを使用して、シャーシ内に取り付けられた各サーバー・モジュールに10GbEで接続できます。2個のNEMをSun Netra 6000シャーシ内に取り付けることで、各サーバー・モジュールに対する冗長10GbE接続が実現されます。

非ブロック型のスループットを達成するために、各NEMでは背面パネルを通じて、以下のコネクタで構成される合計14個の外部10GbE接続を使用できます。

• 2個のSFP+コネクタ

• 3個の4x QSFP(クアッドSFP)コネクタ

NEMによるスイッチ統合に加えて、互換性のあるラックまたはエンタープライズ・スイッチに接続する場合には、4x QSFPコネクタによって大規模なケーブル統合も実現されます。内蔵の36ポートSAS-2エクスパンダから、2個のSAS-2接続を介してシャーシ内の各スロットに接続します(外部SASポートは、本記事の執筆時点ではサポートされていません)。

オラクルのモジュラー設計の方針と一貫しているために、NEMは管理しやすく、以下のような標準インタフェースやネットワーク・プロトコルに対応できます。

• 統合シャーシ管理

• Webブラウザ・インタフェースおよび標準コマンドライン・インタフェース(ILOMシェル)

• 複数のユーザー権限

• シングル・サインオン

• シャーシ監視モジュールによるILOMのサポート

• 環境監視

• 業界標準との互換性があるL2/L3ネットワーク・スタック

• CLIとコマンド・セット

いくつかのサーバー・モジュールでは、Sun Dual 10GbE PCIe 2.0ファブリック拡張モジュールを利用してNEMに接続します。FEMはデュアル10GbEインタフェースを介してサーバー・モジュールに接続します。FEMについて図18に示します。

図18:Sun Dual 10GbE PCIe 2.0 FEMには2個の10GbEインタフェースが搭載されています。

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オラクルのSun Netra 6000モジュラー・システム

1台のSun Netra 6000シャーシを超えた10GbEサーバー・ネットワークの拡張

Sun Netra 6000 Ethernet Switched NEM 24p 10GbEでは、複数のサーバー・モジュールを搭載した1台のシャーシ内で10GbEの接続を実現しますが、さらにこれを別のSun Netra 6000シャーシとリンクして、サーバー・モジュール環境の規模を大幅に拡大できます。Sun Netra 6000 Ethernet Switched NEM 24p 10GbEを備えるサーバー・モジュールを含む複数のシャーシを、少数のQSFP間ケーブルを使用して相互に接続して、高帯域幅、短い待機時間、多数のノード数によるサーバー構成が可能になります。さらに拡張して非常にノード数の多い環境に対応するために、Sun Network 10 GbE Switch 72pトップオブラック1RUスイッチを使用して、サーバー・モジュールを含む10GbE構成の多数のシャーシをまとめて接続できます。これは待機時間の短い72ポートのカットスルー10GbEスイッチであり、16個のQSFPポートと8個のスイッチ・ポートが搭載されています。単純なネットワーク構成例について図19に示します。

図19:Sun Netra 6000シャーシを搭載したラック。1個のQSFPアップリンクを介して、24p NEMスイッチと1個のNEMが相互接続されています。また、72pス

イッチを使用して16個のサーバー・ラックを24p NEMから1個の72pスイッチに接続しています。ポート・アグリゲーションを構成することで、さらに帯域幅

を拡大できます。

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シャーシ内ストレージとストレージの拡張

サーバー・モジュールではさまざまなストレージの拡張オプションを利用できます。個々のサーバー・モジュールには、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)などの内部拡張オプションがそれぞれ独自に搭載されます。さまざまなサーバー・モジュールでサポートされるストレージ・オプションについて、表5に示します。

表5:サポートされるシャーシ内ストレージ

サーバー・モジュール アーキテクチャ SAS HDD

Netra SPARC T4-1Bサーバー・モジュール SPARC T4 2

Netra Blade X3-2Bサーバー・モジュール インテルXeonプロセッサE5-2658 4

サーバー・モジュールのハード・ディスク・ドライブ(HDD)

Sun Netra 6000モジュラー・システムでサポートされるサーバー・モジュールのすべてで、オプションのホット・スワップ対応2.5インチSASハード・ディスク・ドライブがサポートされます。Serial Attached SCSIドライブでは高パフォーマンスと高密度を実現できます。最大160万時間の平均故障間隔(MTBF)によるキャリアグレードの信頼性が確保されます。

透過的でオープンなシャーシおよびシステム管理

ブレード・プラットフォームでは、多くの場合、管理機能が欠如していました。あるいは、管理者が、特定のブレードまたはプラットフォームに固有の管理インフラストラクチャをやむを得ず採用していました。この問題に対応するため、Sun Netra 6000モジュラー・システムでは、柔軟で幅広い管理オプションが提供されます。

シャーシ監視モジュール(CMM)

シャーシ監視モジュールは、シャーシで共有されるコンポーネントおよび機能のすべてを管理するための主要なポイントであり、一連の管理インタフェースを提供します。各サーバー・モジュールには独自のサービス・プロセッサが搭載されており、他のSunサーバーと同様のリモート管理機能が実現されます。それぞれのLights Out Managementサービス・プロセッサを通じて、個々のサーバー・モジュールでIPMI、HTTP、CLI(SSH)、SNMP、ファイル転送インタフェースを利用でき、これらのインタフェースには CMM上のイーサネット管理ポートから直接アクセスできます。各サーバー・モジュールに、管理ネットワークで使用するためのIPアドレスが(手動またはDHCP経由で)割り当てられます。

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オラクルのSun Netra 6000モジュラー・システム

CMMネットワーク機能

各Sun Netra 6000モジュラー・システムには単一のCMMモジュールが付属しており、このCMMモジュールの構成時には個別のIPアドレスが静的な手段またはDHCP経由の動的な手段により割り当てられます。CMMによってシャーシ(またはシェルフ)の監視および管理の機能一式が提供され、さらにサーバー・モジュールの管理機能にアクセスできるようになります。また、CMMはHTTPおよびCLIの“パススルー”インタフェースをサポートしており、これらのインタフェースを使用して各サーバー・モジュールに透過的にアクセスできます。CMMでは、単一のシリアル・ポート経由で各サーバー・モジュールにアクセスできます。このポートには、さまざまなLOMインタフェースのいずれかを構成できます。CMMには以下のような管理機能があります。

• IPMIサテライト・コントローラの実装:サーバー・モジュールのBMC機能からシャーシの環境センサーにアクセスできるようになります。

• CLIインタフェースおよびIPMIインタフェースを介した環境およびインベントリの直接管理

• CMM、ILOM、NEMのファームウェア管理

• IPMI、SNMP、HTTPのリンクやコマンドライン・インタフェース(CLI)SSHコンテキストを使用したブレードのパススルー管理

CMM内部の管理ネットワークは、パッシブ・ミッドプレーンを経由して、各サーバー・モジュール上のローカルの管理プロセッサを外部の管理ネットワークに接続します。

CMMアーキテクチャ

CMMの一部は非管理対象スイッチとして機能します。このスイッチは、リモート管理ネットワーク・トラフィック専用として動作するため、管理者はサーバー・モジュールのリモート管理機能にアクセスできます。CMM内のスイッチには、各サーバー・モジュールと各NENに接続し、さらにCMM自体に搭載されたサービス・プロセッサにも接続するネットワーク・インタフェースが1個配置されています。図20に、Sun Netra 6000 CMMの画像とブロックレベル図を示します。

図20:CMMには各サーバー・モジュール、2個のNEM、およびCMM自体に接続する管理ネットワークが搭載されています。

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オラクルのSun Netra 6000モジュラー・システム

CMMは、シャーシの電源制御や、インフラストラクチャ・コンポーネント(電源モジュール、ファン・モジュール、サーバー・モジュール、NEMなど)のホット・プラグ操作などのさまざまな管理機能を提供します。CMMはサーバー・モジュールLOM構成のパイプとして動作し、ネットワーク・アドレスや管理ユーザーなどの設定を実施したり参照したりできます。

Integrated Lights Out Managementによるリモート保守の簡素化

エラー通知に遅延が発生すると、運用の再開までにより多くの時間が必要となります。また、厄介なシステム保守作業によりシステム停止時間が長引き、新たなシステム構成問題が発生する可能性もあります。ILOM 3.0ソフトウェアおよびNetra SPARC T4-1BとNetra Blade X3-2Bの各サーバー・モジュール上に組み込まれたサービス・プロセッサによって、リモート・システム管理が容易になり、管理が簡素化され、保守作業が迅速化します。

サービス・プロセッサは、サーバーのスタンバイ電源を使用して、サーバーとは独立して稼働します。そのため、ILOMのファームウェアとソフトウェアは、サーバーのオペレーティング・システムがオフラインになった場合や、サーバーの電源がオフになった場合でも、動作し続けます。

Integrated Lights Out Managerは以下のサーバー・モジュールの状態を監視します。

• CPUの温度状態

• ハード・ドライブのステータス

• エンクロージャの温度状態

• ファンの速度とステータス

• 電源のステータス

• 電圧の状態

• Oracle Solarisウォッチドッグ、ブート・タイムアウト、サーバーの自動再起動イベント

Integrated Lights Out Managerを利用することで、管理者は専用のイーサネット接続経由でSun Netra 6000サーバー・モジュールの監視と制御を行うことができます。Integrated Lights Out Managerは、セキュア・シェル(SSH)、Web、Integrated Platform Management Interface(IPMI)によるアクセスをサポートします。専用のシリアル・ポート経由でターミナルまたはターミナル・サーバーに接続して、Integrated Lights Out Manager機能を利用することもできます。ILOMのコマンドライン・インタフェースとブラウザベースのインタフェースによって、地理的に分散したマシンや物理的にアクセスできないマシンのリモート管理が容易になります。さらに、Integrated Lights Out Managerでは、一般的にはサーバーのシリアル・ポートに物理的に近接している必要のある診断の操作をリモートで実行できます。Integrated Lights Out Managerは、ハードウェアの障害と警告、および他のサーバー関連のイベントに関するアラートを電子メールで送信するように構成できます。

Oracle Integrated Lights-Out Management(Oracle ILOM)システム・コントローラ

オラクルのすべてのx86サーバーおよびSPARCプロセッサベースのブレードに搭載されているOracle ILOMサービス・プロセッサはシステム・コントローラとして動作し、リモートの管理を容易にします。このサービス・プロセッサは、他のSunのモジュラー・サーバーやラックマウント型のx86サーバーで使用される実装に似ています。そのため、Sun Netra 6000サーバー・モジュールは、既存の管理インフラストラクチャと容易に統合できます。

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オラクルのSun Netra 6000モジュラー・システム

Netra SPARC T4-1BとNetra Blade X3-2Bの各サーバー・モジュールは、リモートのキーボード/ビデオ/マウス/ストレージ(RKVMS)機能と内蔵のILOMサービス・プロセッサの両方を提供します。この機能により、システム管理者は、完全なリモート・メディアを含めて、グラフィカル管理機能を完全にリモートから使用してサーバー・モジュールを管理できます。この革新技術によって、ソフトウェアの更新やパッチ適用といった管理作業が大幅に簡素化されます。特に、管理者はOracle x86およびCMTブレード・サーバーを一貫した方法で管理できます。

Oracle Enterprise Manager Ops Center

データセンター・インフラストラクチャは、ローカルとリモートの管理機能に加えて俊敏性と柔軟性も備え、リソースを迅速に配置するだけでなく、必要に応じて合理的な再配置も実行できる必要があります。Oracle Enterprise Manager Ops Centerテクノロジーによって、ITインフラストラクチャ管理プラットフォームが提供されるため、何千もの異種システムの管理を統合し、自動化できるようになります。ライフ・サイクルおよび変更管理を改善するため、Oracle Enterprise Manager Ops Centerはアプリケーションとそのホスト・サーバー(Sun Netra 6000モジュラー・システムを含む)の管理をサポートしています。

Oracle Enterprise Manager Ops Centerにより、管理者がシステムの論理グループ全体で標準化された作業を実施できるようになるため、インフラストラクチャのライフ・サイクル管理が簡素化されます。また、ベアメタル・システムが自動的に検出されてグループ化されるため、単一のシステムに対する処理と同じくらい容易に、グループ全体に対する処理を実施できます。Oracle Enterprise Manager Ops Centerでは、ファームウェアとオペレーティング・システムのリモート・インストールと更新を実行できます。Oracle Enterprise Manager Ops Centerは、以下のOSをサポートしています。

• x86プラットフォーム上のOracle Solaris 10および11

• Oracle Linux

• Oracle Solaris 8、9、10、11(SPARCシステムで稼働)

• Red HatおよびSUSEのLinuxディストリビューション

さらに、Oracle Enterprise Manager Ops Centerでは、ハードウェアとソフトウェアの両方に対して、ファン、温度、ディスク・レベル、電圧レベルの他、スワップ領域、CPU使用率、メモリ容量、ファイル・システムなどの重要な監視を完全に自動で行うことができます。ロールベースのアクセス制御を使用すると、ITスタッフが特定のユーザーに対して特定の管理権限を付与できます。コマンドライン・インタフェース(CLI)と使いやすいグラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)の両方を統合した便利な混合ユーザー・インタフェースによってリモート・アクセスが提供されるため、事実上どこからでもシステムを管理できます。

Oracle Enterprise Manager Ops Centerにより、Sun Netra 6000モジュラー・システムに高度な管理および監視機能が提供されます。リモート管理インタフェースによってシャーシ内のサーバー・モジュールが検出され、あたかも個別のサーバーであるかのように表示されます。この方法では、サーバー・モジュールが個別のラックマウント型サーバーとまったく同様に表示されるため、管理者は操作、詳細インベントリ、ステータスに関して同じページを使用できます。検出されたサーバー・モジュールは論理グループとして体系化されるため、個々のモジュールに加えて、格納先のシステム・シャーシおよびラックを簡単に特定できます。

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オラクルのSun Netra 6000モジュラー・システム

また、サーバーをグループ化することで、複数のサーバー・モジュールにわたってOSを配置するといった機能を実行できるようになります。それと同時に、個別のサーバー・モジュールを、シャーシ内の残りのサーバー・モジュールとは別に管理することもできます。この柔軟性によって、同じシャーシに配置されたその他のサーバー・モジュールとは要件が異なるサーバー・モジュールを管理できるようになります。

Oracle Enterprise Manager Ops Centerソフトウェアを介して利用できる機能には、オペレーティング・システムのプロビジョニング、ファームウェアの更新(BIOSとILOMサービス・プロセッサのファームウェア)、状態監視などがあります。また、Oracle Enterprise Manager Ops Centerに含まれるフレームワークを使用すると、管理者は容易にインベントリ情報にアクセスできるため、サーバーのグループ化機能を使用して複数のサーバーにおけるジョブ実行タスクを簡素化できます。

結論

オラクルの革新的なテクノロジーとオープン・システムのアプローチによって、モジュラー・システムは電気通信プロバイダにとって魅力的なシステムとなっています。仮想化によるインフラストラクチャの統合から、次世代携帯電話向けのキャリアグレードの動的なアプリケーションの配置まで、オラクルのSun Netra 6000モジュラー・システムは、テクノロジーの配置および管理に対して不可欠な柔軟性を維持しながら、モジュラー・アーキテクチャに期待される利点を、すべてNEBS Level III認定に従って実現します。

標準とオープン・システムに基づくオラクルのアプローチによって、選択肢が提供されるとともに妥協が回避され、業界で広く受け入れられている革新技術の利点を生かしたプラットフォームが実現します。将来的な投資保護を目的として設計されたシャーシを利用すると、組織は文字どおり1度配線するだけで、必要に応じて配置オプションを変更し、望みどおりにサーバー・モジュールを組み合わせることができます。x86プロセッサまたはSPARCプロセッサに基づくオラクルのサーバー・モジュールに加え、さまざまなオペレーティング・システムがサポートされているため、オラクルおよびオラクル以外のキャリアグレード・アプリケーションに対して、容易に最適なプラットフォームを選択できます。また、業界標準のI/Oオプションと複数のストレージ・オプションによって柔軟性が実現するとともに、個々のサーバー・モジュールではトップレベルのスループットが達成されます。ネットワーク接続と管理は透過的に行われるため、Sun Netra 6000モジュラー・システムは既存のネットワークおよび管理インフラストラクチャに簡単に適合します。

オラクルのSun Netra 6000モジュラー・システムは、ブレード・アーキテクチャの核心をついた製品です。

参考資料

オ ラ ク ル の Sun Netra キ ャ リ ア グ レ ー ド ・ シ ス テ ム 全 体 の 詳 細 に つ い て は 、http://www.oracle.com/jp/goto/netraを参照してください。

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オラクルのSun Netra 6000モジュラー・システム

2013年1月、バージョン3.0

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