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-21- G3-03 を育 する を育 する を育 する を育 する ― 第2学 して ― ,第2学 して, を育 する した。そ ,そ する するこ よさを感 きるよう するこ あるこ らかに った。また,こ に学 があり,そ ために があるこ かった。 キーワード キーワード キーワード キーワード 学, よさ, ,演 じめに じめに じめに じめに する び, らい して されている。しかし,多く って 題を ける いが大き あり,そ われた より られた けられるこ が多い。 13 第2学 306 った。そ ,学 えを 確に めるこ が大 えた 46%だった に対し, った が大 えた わずかに11% あった。 また, 学を学 を「 いから」 えた ,そう より 題を する を活 しよう する意 いこ かった( 1)。 そこ に学 がら めていく るこ にした。 第2学 」において, よさに てて し, して, を育 する する。 について について について について く, らえ されている。一 する 学を する学 れる われており, を「 題を したり, げたりする きに活 する らえる。 また, から「演 「一 」「多 く。それぞれ ように らえている。 ・演 …… しい 確かめたこ して, く。 ・一 …ある にだけ を,より つよう える。 ・多 から 題を らえ, る。 よさ よさ よさ よさ を育 するに ,そ よさ を感 させるこ が大 ある。こ によって まり, を意 して学 めるように に, くこ きる。 つく 0 20 20 20 20 40 40 40 40 60 60 60 60 80 80 80 80 数学を学ぶ目的を, 数学を学ぶ目的を, 数学を学ぶ目的を, 数学を学ぶ目的を, 上段…「数学の勉強が面白いから」と答えた生徒 上段…「数学の勉強が面白いから」と答えた生徒 上段…「数学の勉強が面白いから」と答えた生徒 上段…「数学の勉強が面白いから」と答えた生徒 下段…「数学の勉強が面白いから」と答えなかった生徒 下段…「数学の勉強が面白いから」と答えなかった生徒 下段…「数学の勉強が面白いから」と答えなかった生徒 下段…「数学の勉強が面白いから」と答えなかった生徒 ・分かっていることを基に ・分かっていることを基に ・分かっていることを基に ・分かっていることを基に して,筋道を立てて考え して,筋道を立てて考え して,筋道を立てて考え して,筋道を立てて考え る。 る。 ・いつでも成り立つことを ・いつでも成り立つことを ・いつでも成り立つことを ・いつでも成り立つことを 説明したり, 問題の解き 説明したり, 問題の解き 説明したり, 問題の解き 説明したり, 問題の解き 方や手順をまとめたりす 方や手順をまとめたりす 方や手順をまとめたりす 方や手順をまとめたりす るようにしている。 るようにしている。 るようにしている。 るようにしている。 ・問題が解けたとき,他に ・問題が解けたとき,他に ・問題が解けたとき,他に ・問題が解けたとき,他に もっと分かりやすい方法 もっと分かりやすい方法 もっと分かりやすい方法 もっと分かりやすい方法 がないかを考える。 がないかを考える。 がないかを考える。 がないかを考える。 学を学 えき

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G3-03 中学校数学

数学的な見方や考え方を育成する授業の在り方数学的な見方や考え方を育成する授業の在り方数学的な見方や考え方を育成する授業の在り方数学的な見方や考え方を育成する授業の在り方 ― 第2学年「図形の調べ方」の指導を通して ―

倉敷市立西中学校 教諭

森 田 圭 一

研究の概要研究の概要研究の概要研究の概要

本研究では,第2学年「図形の調べ方」の授業実践を通して,数学的な見方や考え方を育成する授業の在り方

を研究した。その結果,その単元で指導する数学的な見方や考え方を焦点化すること,数学的な見方や考え方の

よさを感得できるよう段階的に指導することが効果的であることが明らかになった。また,この学習指導を行う

には生徒が主体的に学習に取り組む必要があり,そのために問題解決的な学習を行う必要があることも分かった。

キーワードキーワードキーワードキーワード 中学校数学,数学的な見方や考え方のよさ,問題解決的な学習,演繹,図形

ⅠⅠⅠⅠ はじめにはじめにはじめにはじめに

数学的な見方や考え方の育成は,数学的に処理する

能力の育成と並び,小・中・高等学校の算数・数学教

育のねらいとして重視されている。しかし,多くの生

徒にとっては問題を解ける解けないが大きな関心事で

あり,その意識は,解決の過程で使われた数学的な見

方や考え方より得られた結果に向けられることが多い。

平成13年6月に倉敷市立西中学校第2学年306名を

対象に実態調査を行った。その結果,数学の学習では,

答えを正確に求めることが大切だと答えた生徒は全体

の46%だったのに対し,筋道の通った考え方が大切だ

と答えた生徒はわずかに11%であった。

また,数学を学ぶ目的を「数学の勉強が面白いから」

と答えた生徒は,そうでない生徒よりも,問題を解決

する際に数学的な見方や考え方を活用しようとする意

識が高いことも分かった(図1)。

そこで,本研究では,生徒が主体的に学習しながら

数学的な見方や考え方を高めていく授業の在り方を探

ることにした。

ⅡⅡⅡⅡ 研究の目的研究の目的研究の目的研究の目的

第2学年「図形の調べ方」において,数学的な見方

や考え方とそのよさに焦点を当てて指導計画と指導方

法を工夫し,授業実践を通して,数学的な見方や考え

方を育成する授業の在り方を研究する。

ⅢⅢⅢⅢ 数学的な見方や考え方について数学的な見方や考え方について数学的な見方や考え方について数学的な見方や考え方について

1111 数学的な見方や考え方数学的な見方や考え方数学的な見方や考え方数学的な見方や考え方

数学的な見方や考え方の明確な定義はなく,様々

なとらえ方がなされている。一般には,数学の問題

を解決するときや数学を構成する学習活動の中に現

れると言われており,本研究では,数学的な見方や

考え方を「問題を解決したり,数学の概念や原理・

法則を創り上げたりするときに活用する見方や考え

方」ととらえる。

また,本研究では,単元の学習内容から「演繹」

「一般化」「多面的」の三つの数学的な見方や考え方

に重点を置く。それぞれの数学的な見方や考え方は,

次のようにとらえている。

・演繹……条件や正しいと確かめたことを根拠に

して,結論を導く。

・一般化…ある場合にだけ成り立つ性質を,より

広い場合で成り立つよう考える。

・多面的…様々な視点から問題をとらえ,考察す

る。

2222 数学的な見方や考え方のよさ数学的な見方や考え方のよさ数学的な見方や考え方のよさ数学的な見方や考え方のよさ

数学的な見方や考え方を育成するには,そのよさ

を感得させることが大切である。このことによって

意欲が高まり,数学的な見方や考え方を意識して学

習に取り組めるようになるとともに,数学の有用性

にも気付くことができる。

つく

0000 20202020 40404040 60606060 80808080%%%%

数学を学ぶ目的を,数学を学ぶ目的を,数学を学ぶ目的を,数学を学ぶ目的を,   上段…「数学の勉強が面白いから」と答えた生徒   上段…「数学の勉強が面白いから」と答えた生徒   上段…「数学の勉強が面白いから」と答えた生徒   上段…「数学の勉強が面白いから」と答えた生徒   下段…「数学の勉強が面白いから」と答えなかった生徒   下段…「数学の勉強が面白いから」と答えなかった生徒   下段…「数学の勉強が面白いから」と答えなかった生徒   下段…「数学の勉強が面白いから」と答えなかった生徒

・分かっていることを基に・分かっていることを基に・分かっていることを基に・分かっていることを基に    して,筋道を立てて考えして,筋道を立てて考えして,筋道を立てて考えして,筋道を立てて考え    る。る。る。る。

・いつでも成り立つことを・いつでも成り立つことを・いつでも成り立つことを・いつでも成り立つことを    説明したり, 問題の解き説明したり, 問題の解き説明したり, 問題の解き説明したり, 問題の解き    方や手順をまとめたりす方や手順をまとめたりす方や手順をまとめたりす方や手順をまとめたりす    るようにしている。るようにしている。るようにしている。るようにしている。

・問題が解けたとき,他に・問題が解けたとき,他に・問題が解けたとき,他に・問題が解けたとき,他に    もっと分かりやすい方法もっと分かりやすい方法もっと分かりやすい方法もっと分かりやすい方法    がないかを考える。がないかを考える。がないかを考える。がないかを考える。

図1 数学を学ぶ目的と数学的な見方や考え方

えき

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数学的な見方や考え方のよさは,数学的な見方や

考え方をしたら能率的に処理できるようになった,

簡潔に表現できるようになったなど,機能的な面を

重視する。本研究では,よさの観点として「早い」

「簡単」「確実」「分かりやすい」の四つを挙げた。

また,数学的な見方や考え方をすることで感じる

面白さや美しさ,不思議さ,驚きなどの情意的な面

も大切にする。

ⅣⅣⅣⅣ 指導計画と指導方法の工夫指導計画と指導方法の工夫指導計画と指導方法の工夫指導計画と指導方法の工夫

1111 数学的な見方や考え数学的な見方や考え数学的な見方や考え数学的な見方や考え方を育成する指導計画方を育成する指導計画方を育成する指導計画方を育成する指導計画

(1) 指導する数学的な見方や考え方の焦点化

どの学習内容も学ぶ価値があるからこそ教材とし

て位置付けられている。ここでは,その価値を,ど

のような数学的な見方や考え方が使われ,そこにど

のようなよさが認められるのかという観点から分析

する。そして,単元内及び単元間の系統性と関連性

を考えながら焦点化し,重点を置く数学的な見方や

考え方を明確にする。単元「図形の調べ方」におけ

る実践では,「演繹」「一般化」「多面的」に重点を置

いた。

(2) 数学的な見方や考え方の段階的な育成

数学的な見方や考え方は,そのよさの感得と相ま

って徐々に育成することができる。そこで,数学的

な見方や考え方を育成する指導を,よさの感得を考

慮して「気付き」「実感」「習熟」の3段階で考える

ことにする(図2)。各段階は,

「気付き」…数学的な見方や考え方を知り,その

よさに気付く段階

「実感」……数学的な見方や考え方を体験し,そ

のよさを実感する段階

「習熟」……数学的な見方や考え方を活用し,習

熟を図る段階

この3段階を踏まえて,指導計画(表1)を立てた。

表1 単元「図形の調べ方」(第一次,第二次)指導計画

重点的に指導する数学的な見方や考え方とそのよさ 次 時 学習内容 演繹 一般化 多面的

第 1 時

○対頂角の性質 【気付き】【気付き】【気付き】【気付き】 平角が180 ゚であることを根拠にして対頂角が等しいことを説明すると,分かりやすく確実であることに気付く。

【気付き】【気付き】【気付き】【気付き】 一般化すると,対頂角はいつ

でも等しいことを説明できることに気付く。

第 2 時

○平行線と角

第一次

第 3 時

○練習 【実感】【実感】【実感】【実感】 対頂角及び平行線と角の性質

を根拠にして正しい角度の求め方を説明すると,分かりやすく確実であることが分かる。

【気付き】【気付き】【気付き】【気付き】 多面的に考えて比較すると,

それぞれのよさが分かり,更に考えを広げたり高めたりすることができることに気付く。

第 1 時

○三角形の内角の和

【習熟】【習熟】【習熟】【習熟】 対頂角及び平行線と角の性質

を根拠にして,三角形の内角の和が180゚であることを分かりやすく確実に説明できる。

【実感】【実感】【実感】【実感】 一般化すると,三角形の内角と外角の性質がいつでも成り立つことを説明できることが分かる。

第 2 時

○多角形の内角の和

【習熟】【習熟】【習熟】【習熟】 一般化して,すべての多角形

の内角の和の公式を導くことができる。

【実感】【実感】【実感】【実感】 五角形の内角の和の求め方を

多面的に考えて比較すると,それぞれのよさが分かり,更に考えを広げたり高めたりすることができることが分かる。

第 3 時

○三角形の内角 ○多角形の外角の和

【習熟】【習熟】【習熟】【習熟】 平角が180 ゚であることとn角形

の内角の和を根拠にして,n角形の外角の和が360 ゚であることを分かりやすく確実に説明できる。

【習熟】【習熟】【習熟】【習熟】 一般化して,すべての多角形の外角の和が360゚であることを導くことができる。

第二次

第 4 時

○練習 【習熟】【習熟】【習熟】【習熟】 問題を多面的に考察できる。

他の人の考えのよさが分かり,更に考えを広げたり高めたりすることができる。

70707070゚゚゚゚

30303030゚゚゚゚

CCCC

AAAA

BBBB

20202020゚゚゚゚

30303030゚゚゚゚

80808080゚゚゚゚

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2222 数学的な見方や考え方の育成を支数学的な見方や考え方の育成を支数学的な見方や考え方の育成を支数学的な見方や考え方の育成を支える問題解決える問題解決える問題解決える問題解決

的な学習的な学習的な学習的な学習

(1) 問題解決的な学習の各過程における留意点

数学では問題解決的な学習が重視されており,数

学的な見方や考え方を高められることが,多くの先

行研究に示されている。本研究でも,問題解決的な

学習を取り入れ,その過程は,「問題の把握」「問題

の解決」「振り返り」とする。

それぞれの過程における留意点を次に示す。

① 「問題の把握」の過程

問題の意味を的確に把握し,問題に対する興味や

解決したいという意欲を持つことを目指す。そのた

めに,ポイントを押さえた図の見方や条件・結論の

確認の仕方を指導する。また,生徒に発見させたこ

とを問題にしたり,コンピュータプレゼンテーショ

ンで問題を提示したりするなどの工夫をする。

② 「問題の解決」の過程

問題の図を見て,既習内容を生かそうとしながら,

少しでも自分の考えが持てることを目指す。そのた

めに,授業の始めに既習内容を振り返り,それを活

用しやすいように短冊に書いて常に黒板に掲示して

おき,数学的な見方や考え方の活用を促す。

③ 「振り返り」の過程

問題解決の過程を振り返り,活用した数学的な見

方や考え方も大切な学習事項の一つであることを意

識させることを目指す。そのために,答え合わせで

は,答えだけでなく解決の過程も説明させる。また,

「学習のまとめ」として,1時間の授業を振り返り,

分かったことや大切だと感じた見方や考え方を自由

に記述させる。

(2) 数学的な見方や考え方を育成する各段階における

指導上の留意点

数学的な見方や考え方を育成する「気付き」「実

感」「習熟」のそれぞれの段階での指導について,特

に重点を置く学習過程とその留意点を表2にまとめ

た。太枠で囲んでいる部分が重点を置く学習過程で

ある。

表2 数学的な見方や考え方を育成する3段階の授業それぞれにおける指導上の留意点

数学的な見方や考え方を育成するための3段階の授業

「気付き」の段階の授業 「実感」の段階の授業 「習熟」の段階の授業

問 題 の 把 握

・幾つかの解き方が考えられ,対象とする数学的な見方や考え方を使うとそのよさが感じられる問題を設定する。

・問題の理解や条件・結論の確認は,全体で行う。

・本時に学習する数学的な見方や考え方を全体で確認し,意識させる。

・解決しやすい問題を設定する。 ・問題の理解や条件・結論の確認は,全体で行う。

・本時に学習する数学的な見方や考え方を全体で確認し,意識させる。

・徐々に複雑な問題を設定する。 ・問題の理解や条件・結論の確認は,個人で行う部分を増やしていく。

問 題 の 解 決

・自分や友だちの発想を記録させるために,様々な考え方が記入できるワークシートを用意する。

・生徒の自由な発想を生かすために,分度器やはさみなどの道具を用意する。

・問題解決の見通しを持つところまでは一斉指導を行い,その後は自力解決させる。

・全員が問題を解決できるように机間指導をし,一人一人に解決できた喜びを味わわせ,よさを実感させる。

・個別にヒントを与えたり,途中までの解決方法を示したり,グループ学習に切り替えたりして,自力解決を支援するが,できるだけ自力解決できるよう見守る。

問題解決の各過程における留意点

振 り 返 り

・幾つかの考え方を発表させ,それらを比較する中で対象とする数学的な見方や考え方とそのよさに気付かせる。

・気付いた数学的な見方や考え方とそのよさをまとめる。

・答えの求め方をできるだけ多くの生徒に説明させ,活用した数学的な見方や考え方を確認させる。

・実感した数学的な見方や考え方のよさをできるだけ多くの生徒に発表させ,一人一人が感じたよさを全員に共有させる。

・答え合わせは教師が行い,答えだけでなく解決の過程も確認させる。

・ワークシートを集め,一人一人の解決の様子を確認する。

こんな考え方をしたら,こんな考え方をしたら,こんな考え方をしたら,こんな考え方をしたら,きっと能率的に解けるわ。きっと能率的に解けるわ。きっと能率的に解けるわ。きっと能率的に解けるわ。

こんな考え方をしたら,こんな考え方をしたら,こんな考え方をしたら,こんな考え方をしたら,きっと能率的に解けるわ。きっと能率的に解けるわ。きっと能率的に解けるわ。きっと能率的に解けるわ。

気付き気付き気付き気付き気付き気付き気付き気付き

実感実感実感実感実感実感実感実感

習熟習熟習熟習熟習熟習熟習熟習熟

なるほど。このように考なるほど。このように考なるほど。このように考なるほど。このように考えると,確かに分かりえると,確かに分かりえると,確かに分かりえると,確かに分かりやすいなぁ。やすいなぁ。やすいなぁ。やすいなぁ。

なるほど。このように考なるほど。このように考なるほど。このように考なるほど。このように考えると,確かに分かりえると,確かに分かりえると,確かに分かりえると,確かに分かりやすいなぁ。やすいなぁ。やすいなぁ。やすいなぁ。

ふ~ん。こんな数学ふ~ん。こんな数学ふ~ん。こんな数学ふ~ん。こんな数学的な見方や考え方が的な見方や考え方が的な見方や考え方が的な見方や考え方があるのね。あるのね。あるのね。あるのね。

ふ~ん。こんな数学ふ~ん。こんな数学ふ~ん。こんな数学ふ~ん。こんな数学的な見方や考え方が的な見方や考え方が的な見方や考え方が的な見方や考え方があるのね。あるのね。あるのね。あるのね。

やっぱり,このように考えるやっぱり,このように考えるやっぱり,このように考えるやっぱり,このように考えると分かりやすいなぁ。これかと分かりやすいなぁ。これかと分かりやすいなぁ。これかと分かりやすいなぁ。これからどんどん使っていくぞ。らどんどん使っていくぞ。らどんどん使っていくぞ。らどんどん使っていくぞ。

やっぱり,このように考えるやっぱり,このように考えるやっぱり,このように考えるやっぱり,このように考えると分かりやすいなぁ。これかと分かりやすいなぁ。これかと分かりやすいなぁ。これかと分かりやすいなぁ。これからどんどん使っていくぞ。らどんどん使っていくぞ。らどんどん使っていくぞ。らどんどん使っていくぞ。

図2 数学的な見方や考え方を育成する3段階の 指導過程

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ⅤⅤⅤⅤ 授業の実際授業の実際授業の実際授業の実際

「気付き」「実感」「習熟」の各段階の授業の実際を,

「演繹」の育成を図った授業を例に示す。

1111 「気付き」の段階の授業(第一次第1時)「気付き」の段階の授業(第一次第1時)「気付き」の段階の授業(第一次第1時)「気付き」の段階の授業(第一次第1時)

本時は,幾つかの解き方を比較しながら,「演繹」

とそのよさに気付くことを目指す。

まず,対頂角が等しくなりそうなことに気付かせ,

それを確かめる方法を自由に考えさせた。実際に角

度を測って等しいことを確かめたり,角をはさみで

切って重ねたりする生徒が多く,文字や記号を使っ

て演繹的に考える生徒は少なかった。

そこで,「振り返り」の過程では,まず,考えた方

法を生徒に発表させ,次に,それぞれのよさを四つ

の観点で比較した。比較する中で,生徒は,測った

り重ねたりする方法は簡単で分かりやすいが,確実

さの点では文字式で等しいことを示す方法が最も優

れていることに気付くことができた。また,この「演

繹」のよさは,今後の学習活動で最も大切にすべき

ことも理解できた。「学習のまとめ」にも,この「演

繹」よさについての記述が多かった(図3)。

2222 「実感」の段階の授業(第一次第3時)「実感」の段階の授業(第一次第3時)「実感」の段階の授業(第一次第3時)「実感」の段階の授業(第一次第3時)

本時は,生徒が「演繹」を活用して問題を解決し,

そのよさを実感することを目指す。

授業の始めに,前時までの学習内容を復習した。

生徒に,これまでに確かめた性質と「演繹」につい

て発表させ,発表に合わせて短冊を掲示していった

(写真1)。

次に,対頂角及

び平行線と角の性

質を使って解決で

きる問題を設定し

た。これは角度を

求める問題で,ほ

とんどの生徒が自

力で正しく答えら

れた。しかし,答えだけを書いている生徒が多かっ

たので,答えの求め方を書かせた。

「振り返り」の過程では,答えの求め方を複数の

生徒に説明させた。そして,演繹的に説明してみて

感じたことを発表させた。「今まで習ったことを使

ったら考えやすかった」などの感想が出て,全体で

「演繹」のよさを共有することができた(図4)。

写真1 黒板に掲示した短冊

対頂角が等しいことを,対頂角が等しいことを,対頂角が等しいことを,対頂角が等しいことを,確かめよう。確かめよう。確かめよう。確かめよう。

対頂角が等しいことを,対頂角が等しいことを,対頂角が等しいことを,対頂角が等しいことを,確かめよう。確かめよう。確かめよう。確かめよう。

【「気付き」の段階の授業】【「気付き」の段階の授業】【「気付き」の段階の授業】【「気付き」の段階の授業】

問題の把握問題の把握問題の把握問題の把握問題の把握問題の把握問題の把握問題の把握

問題の解決問題の解決問題の解決問題の解決問題の解決問題の解決問題の解決問題の解決

いろいろな方法で確かいろいろな方法で確かいろいろな方法で確かいろいろな方法で確かめよう。めよう。めよう。めよう。

いろいろな方法で確かいろいろな方法で確かいろいろな方法で確かいろいろな方法で確かめよう。めよう。めよう。めよう。

分度器,はさみ,のりなどは分度器,はさみ,のりなどは分度器,はさみ,のりなどは分度器,はさみ,のりなどは自由に使っていいよ。自由に使っていいよ。自由に使っていいよ。自由に使っていいよ。分度器,はさみ,のりなどは分度器,はさみ,のりなどは分度器,はさみ,のりなどは分度器,はさみ,のりなどは自由に使っていいよ。自由に使っていいよ。自由に使っていいよ。自由に使っていいよ。

本当に等しいかどうか,今日本当に等しいかどうか,今日本当に等しいかどうか,今日本当に等しいかどうか,今日はそれを確かめてみよう。はそれを確かめてみよう。はそれを確かめてみよう。はそれを確かめてみよう。本当に等しいかどうか,今日本当に等しいかどうか,今日本当に等しいかどうか,今日本当に等しいかどうか,今日はそれを確かめてみよう。はそれを確かめてみよう。はそれを確かめてみよう。はそれを確かめてみよう。

対頂角は,どうも対頂角は,どうも対頂角は,どうも対頂角は,どうも同じ大きさに見え同じ大きさに見え同じ大きさに見え同じ大きさに見えるんだけど・・・。るんだけど・・・。るんだけど・・・。るんだけど・・・。

対頂角は,どうも対頂角は,どうも対頂角は,どうも対頂角は,どうも同じ大きさに見え同じ大きさに見え同じ大きさに見え同じ大きさに見えるんだけど・・・。るんだけど・・・。るんだけど・・・。るんだけど・・・。

(第一次第1時 対頂角)(第一次第1時 対頂角)(第一次第1時 対頂角)(第一次第1時 対頂角)

それぞれの確かめ方にそれぞれの確かめ方にそれぞれの確かめ方にそれぞれの確かめ方にはははは,どんなよさがあるかな。どんなよさがあるかな。どんなよさがあるかな。どんなよさがあるかな。

それぞれの確かめ方にそれぞれの確かめ方にそれぞれの確かめ方にそれぞれの確かめ方にはははは,どんなよさがあるかな。どんなよさがあるかな。どんなよさがあるかな。どんなよさがあるかな。

確かめたり,説明したり確かめたり,説明したり確かめたり,説明したり確かめたり,説明したりするときに,最も大切にするときに,最も大切にするときに,最も大切にするときに,最も大切にしなければならないことしなければならないことしなければならないことしなければならないことは何だろう。は何だろう。は何だろう。は何だろう。

確かめたり,説明したり確かめたり,説明したり確かめたり,説明したり確かめたり,説明したりするときに,最も大切にするときに,最も大切にするときに,最も大切にするときに,最も大切にしなければならないことしなければならないことしなければならないことしなければならないことは何だろう。は何だろう。は何だろう。は何だろう。

・早い ・簡単・早い ・簡単・早い ・簡単・早い ・簡単・分かりやすい・分かりやすい・分かりやすい・分かりやすい

・早い ・簡単・早い ・簡単・早い ・簡単・早い ・簡単・分かりやすい・分かりやすい・分かりやすい・分かりやすい

振り返り振り返り振り返り振り返り振り返り振り返り振り返り振り返り

・簡単・簡単・簡単・簡単・分かりやすい・分かりやすい・分かりやすい・分かりやすい

・簡単・簡単・簡単・簡単・分かりやすい・分かりやすい・分かりやすい・分かりやすい ・・・・確実確実確実確実・・・・確実確実確実確実

測ったり,重ねたり測ったり,重ねたり測ったり,重ねたり測ったり,重ねたりすると,ずれることすると,ずれることすると,ずれることすると,ずれることがあるわ。があるわ。があるわ。があるわ。

測ったり,重ねたり測ったり,重ねたり測ったり,重ねたり測ったり,重ねたりすると,ずれることすると,ずれることすると,ずれることすると,ずれることがあるわ。があるわ。があるわ。があるわ。

いろんなやり方があいろんなやり方があいろんなやり方があいろんなやり方があるけど,文字式で角るけど,文字式で角るけど,文字式で角るけど,文字式で角度を表してみて納度を表してみて納度を表してみて納度を表してみて納得しました。得しました。得しました。得しました。

いろんなやり方があいろんなやり方があいろんなやり方があいろんなやり方があるけど,文字式で角るけど,文字式で角るけど,文字式で角るけど,文字式で角度を表してみて納度を表してみて納度を表してみて納度を表してみて納得しました。得しました。得しました。得しました。

私は,分度私は,分度私は,分度私は,分度器で角度を器で角度を器で角度を器で角度を測ってみる測ってみる測ってみる測ってみるわ。わ。わ。わ。

私は,分度私は,分度私は,分度私は,分度器で角度を器で角度を器で角度を器で角度を測ってみる測ってみる測ってみる測ってみるわ。わ。わ。わ。

僕は,切っ僕は,切っ僕は,切っ僕は,切って重ねてみて重ねてみて重ねてみて重ねてみるよ。るよ。るよ。るよ。

僕は,切っ僕は,切っ僕は,切っ僕は,切って重ねてみて重ねてみて重ねてみて重ねてみるよ。るよ。るよ。るよ。

一つの角を一つの角を一つの角を一つの角を∠aとして,∠aとして,∠aとして,∠aとして,他の角を表他の角を表他の角を表他の角を表してみます。してみます。してみます。してみます。

一つの角を一つの角を一つの角を一つの角を∠aとして,∠aとして,∠aとして,∠aとして,他の角を表他の角を表他の角を表他の角を表してみます。してみます。してみます。してみます。

図3 「気付き」の段階の授業の流れ

どうやって答えを求めたどうやって答えを求めたどうやって答えを求めたどうやって答えを求めたのか発表しよう。のか発表しよう。のか発表しよう。のか発表しよう。

どうやって答えを求めたどうやって答えを求めたどうやって答えを求めたどうやって答えを求めたのか発表しよう。のか発表しよう。のか発表しよう。のか発表しよう。

振り返り振り返り振り返り振り返り振り返り振り返り振り返り振り返り

分かっていることを基に分かっていることを基に分かっていることを基に分かっていることを基にして,筋道を立てて説明して,筋道を立てて説明して,筋道を立てて説明して,筋道を立てて説明してみて,どんなことをしてみて,どんなことをしてみて,どんなことをしてみて,どんなことを感じたかな。感じたかな。感じたかな。感じたかな。

分かっていることを基に分かっていることを基に分かっていることを基に分かっていることを基にして,筋道を立てて説明して,筋道を立てて説明して,筋道を立てて説明して,筋道を立てて説明してみて,どんなことをしてみて,どんなことをしてみて,どんなことをしてみて,どんなことを感じたかな。感じたかな。感じたかな。感じたかな。

僕は,錯角の性質僕は,錯角の性質僕は,錯角の性質僕は,錯角の性質と同位角の性質をと同位角の性質をと同位角の性質をと同位角の性質を使いました。使いました。使いました。使いました。

僕は,錯角の性質僕は,錯角の性質僕は,錯角の性質僕は,錯角の性質と同位角の性質をと同位角の性質をと同位角の性質をと同位角の性質を使いました。使いました。使いました。使いました。

私は,同位角の性質私は,同位角の性質私は,同位角の性質私は,同位角の性質だけで解けました。だけで解けました。だけで解けました。だけで解けました。私は,同位角の性質私は,同位角の性質私は,同位角の性質私は,同位角の性質だけで解けました。だけで解けました。だけで解けました。だけで解けました。

分かっていることから分かっていることから分かっていることから分かっていることから少しずつ考えていけば,少しずつ考えていけば,少しずつ考えていけば,少しずつ考えていけば,必ず答えが見えてくるよ。必ず答えが見えてくるよ。必ず答えが見えてくるよ。必ず答えが見えてくるよ。

分かっていることから分かっていることから分かっていることから分かっていることから少しずつ考えていけば,少しずつ考えていけば,少しずつ考えていけば,少しずつ考えていけば,必ず答えが見えてくるよ。必ず答えが見えてくるよ。必ず答えが見えてくるよ。必ず答えが見えてくるよ。

【「実感」の段階の授業】【「実感」の段階の授業】【「実感」の段階の授業】【「実感」の段階の授業】(第一次第3時 練習)(第一次第3時 練習)(第一次第3時 練習)(第一次第3時 練習)

問題の把握問題の把握問題の把握問題の把握問題の把握問題の把握問題の把握問題の把握

,∠a=30゚

∠bは何度だろうか。∠bは何度だろうか。∠bは何度だろうか。∠bは何度だろうか。

∠bの大きさ∠bの大きさ∠bの大きさ∠bの大きさを求めるのね。を求めるのね。を求めるのね。を求めるのね。150150150150 ゚゚゚゚よ。簡単!よ。簡単!よ。簡単!よ。簡単!

今日は,答えを求めるだけでは今日は,答えを求めるだけでは今日は,答えを求めるだけでは今日は,答えを求めるだけではなく,答えの求め方を筋道を立なく,答えの求め方を筋道を立なく,答えの求め方を筋道を立なく,答えの求め方を筋道を立てて説明できるようにしよう。てて説明できるようにしよう。てて説明できるようにしよう。てて説明できるようにしよう。

今日は,答えを求めるだけでは今日は,答えを求めるだけでは今日は,答えを求めるだけでは今日は,答えを求めるだけではなく,答えの求め方を筋道を立なく,答えの求め方を筋道を立なく,答えの求め方を筋道を立なく,答えの求め方を筋道を立てて説明できるようにしよう。てて説明できるようにしよう。てて説明できるようにしよう。てて説明できるようにしよう。

問題の解決問題の解決問題の解決問題の解決問題の解決問題の解決問題の解決問題の解決 ・今まで学んだことを基・今まで学んだことを基・今まで学んだことを基・今まで学んだことを基にして考えればいい。にして考えればいい。にして考えればいい。にして考えればいい。

・分かってることを書き・分かってることを書き・分かってることを書き・分かってることを書き込み,図をじっくり見る。込み,図をじっくり見る。込み,図をじっくり見る。込み,図をじっくり見る。

・今まで学んだことを基・今まで学んだことを基・今まで学んだことを基・今まで学んだことを基にして考えればいい。にして考えればいい。にして考えればいい。にして考えればいい。

・分かってることを書き・分かってることを書き・分かってることを書き・分かってることを書き込み,図をじっくり見る。込み,図をじっくり見る。込み,図をじっくり見る。込み,図をじっくり見る。

なぜ∠bはなぜ∠bはなぜ∠bはなぜ∠bは150150150150 ゚゚゚゚なのか,なのか,なのか,なのか,求め方を筋道を立てて求め方を筋道を立てて求め方を筋道を立てて求め方を筋道を立てて説明しよう。説明しよう。説明しよう。説明しよう。

なぜ∠bはなぜ∠bはなぜ∠bはなぜ∠bは150150150150 ゚゚゚゚なのか,なのか,なのか,なのか,求め方を筋道を立てて求め方を筋道を立てて求め方を筋道を立てて求め方を筋道を立てて説明しよう。説明しよう。説明しよう。説明しよう。

図4 「実感」の段階の授業の流れ

Page 5: G3-03 中学校数学 数学的な見方や考え方を育成する授 … · - 23 - あるのね。 実感 22 数学的な見方や考え方の育成を支数学的な見方や考え方の育成を支数学的な見方や考え方の育成を支える問題解決える問題解決

- 25 -

3333 「習熟」の段階の授業(第二次第1・3時)「習熟」の段階の授業(第二次第1・3時)「習熟」の段階の授業(第二次第1・3時)「習熟」の段階の授業(第二次第1・3時)

「習熟」の段階の授業は1~2回実施することを

原則とし,個人で考える内容を徐々に増やしながら

数学的な見方や考え方の習熟を図っていく。

第1回(第二次第1時)の問題は,三角形の内角

の和が180゚であることを説明する問題である。まず,

実測と三角形の画用紙をちぎって三つの角を合わせ

る方法で教師が説明した。生徒は,これらの方法に

対して,ここは「演繹」を活用すべき場面であるこ

とを指摘した。

次に,ワークシートに従って条件・結論を整理し,

対頂角や平行線と角の性質を活用しようと考え始め

た。しかし,元の図のままではこれらの性質を使う

ことができないために,多くの生徒が戸惑っていた。

そこで,これらの性質を使えるようにするためには

補助線を引けばよいことに全体指導で気付かせ,そ

の後は自力解決させた。また,途中からはグループ

学習を取り入れた。答え合わせは,生徒に考え方を

板書させ,各自の解答を振り返らせた(図5)。

「習熟」の段階の第2回(第二次第3時)は,解

決のほとんどを個人で行うことにした。

本時は,n角形の外角の和を求めることを問題に

し,答えだけでなく和を求める過程も説明できるよ

うにするよう言及した後,個人で解決させた。

適宜,個別にヒントを与えていたが,進度の差が

開いてきたので考察を中断させ,途中までの考え方

を全体で確認した。最初に図をかいて問題の意味を

確認してから,n角形の内角の和の公式を基にして

筋道を立てて考えればよいことを指導した。

個別指導を続け,10分程後に,再度考え方を全体

で確認した。より具体的なヒントとして,n角形の

内角の和は180゚×(n-2)であること,一つの内角

とその外角の和は180゚であること,n角形にはn個

の角があるので(内角の和)+(外角の和)=180゚×n

となることの3点を確認した。できるだけ個別に考

える時間を長くとり,答え合わせは,教師から答え

と解決の過程を示した。授業後にワークシートを集

めて一人一人の解決の様子を確認した(図6)。

>> >>グループで考えよう。グループで考えよう。グループで考えよう。グループで考えよう。グループで考えよう。グループで考えよう。グループで考えよう。グループで考えよう。

答え合わせをして,自分答え合わせをして,自分答え合わせをして,自分答え合わせをして,自分

の説明を振り返ろう。の説明を振り返ろう。の説明を振り返ろう。の説明を振り返ろう。

答え合わせをして,自分答え合わせをして,自分答え合わせをして,自分答え合わせをして,自分

の説明を振り返ろう。の説明を振り返ろう。の説明を振り返ろう。の説明を振り返ろう。

振り返り振り返り振り返り振り返り振り返り振り返り振り返り振り返り そうか。そう考えそうか。そう考えそうか。そう考えそうか。そう考えればいいんだね。ればいいんだね。ればいいんだね。ればいいんだね。サンキュー。サンキュー。サンキュー。サンキュー。

そうか。そう考えそうか。そう考えそうか。そう考えそうか。そう考えればいいんだね。ればいいんだね。ればいいんだね。ればいいんだね。サンキュー。サンキュー。サンキュー。サンキュー。

・三角形の内角の和・三角形の内角の和・三角形の内角の和・三角形の内角の和がががが180180180180゚であることが゚であることが゚であることが゚であることが説明できた。説明できた。説明できた。説明できた。

・確かめたことを使う・確かめたことを使う・確かめたことを使う・確かめたことを使うのは大切だと思った!のは大切だと思った!のは大切だと思った!のは大切だと思った!

・三角形の内角の和・三角形の内角の和・三角形の内角の和・三角形の内角の和がががが180180180180゚であることが゚であることが゚であることが゚であることが説明できた。説明できた。説明できた。説明できた。

・確かめたことを使う・確かめたことを使う・確かめたことを使う・確かめたことを使うのは大切だと思った!のは大切だと思った!のは大切だと思った!のは大切だと思った!

【「習熟」の段階の授業】【「習熟」の段階の授業】【「習熟」の段階の授業】【「習熟」の段階の授業】(第二次第1時 三角形の内角の和)(第二次第1時 三角形の内角の和)(第二次第1時 三角形の内角の和)(第二次第1時 三角形の内角の和)

問題の把握問題の把握問題の把握問題の把握問題の把握問題の把握問題の把握問題の把握

問題の解決問題の解決問題の解決問題の解決問題の解決問題の解決問題の解決問題の解決

対頂角や平行線と角の対頂角や平行線と角の対頂角や平行線と角の対頂角や平行線と角の性質を使えるようにする性質を使えるようにする性質を使えるようにする性質を使えるようにするために,補助線を引こう。ために,補助線を引こう。ために,補助線を引こう。ために,補助線を引こう。

対頂角や平行線と角の対頂角や平行線と角の対頂角や平行線と角の対頂角や平行線と角の性質を使えるようにする性質を使えるようにする性質を使えるようにする性質を使えるようにするために,補助線を引こう。ために,補助線を引こう。ために,補助線を引こう。ために,補助線を引こう。

三角形の内角の和が三角形の内角の和が三角形の内角の和が三角形の内角の和が180180180180゚であることの説明の゚であることの説明の゚であることの説明の゚であることの説明の仕方を考えよう。仕方を考えよう。仕方を考えよう。仕方を考えよう。

三角形の内角の和が三角形の内角の和が三角形の内角の和が三角形の内角の和が180180180180゚であることの説明の゚であることの説明の゚であることの説明の゚であることの説明の仕方を考えよう。仕方を考えよう。仕方を考えよう。仕方を考えよう。

三角形の内角の和が三角形の内角の和が三角形の内角の和が三角形の内角の和が180180180180゚であ゚であ゚であ゚であることを確かめてみるよ。まず,ることを確かめてみるよ。まず,ることを確かめてみるよ。まず,ることを確かめてみるよ。まず,分度器で測って,次に,角を分度器で測って,次に,角を分度器で測って,次に,角を分度器で測って,次に,角をちぎって並べてみて・・・・。ちぎって並べてみて・・・・。ちぎって並べてみて・・・・。ちぎって並べてみて・・・・。

三角形の内角の和が三角形の内角の和が三角形の内角の和が三角形の内角の和が180180180180゚であ゚であ゚であ゚であることを確かめてみるよ。まず,ることを確かめてみるよ。まず,ることを確かめてみるよ。まず,ることを確かめてみるよ。まず,分度器で測って,次に,角を分度器で測って,次に,角を分度器で測って,次に,角を分度器で測って,次に,角をちぎって並べてみて・・・・。ちぎって並べてみて・・・・。ちぎって並べてみて・・・・。ちぎって並べてみて・・・・。

先生。それでは先生。それでは先生。それでは先生。それでは確実な説明に確実な説明に確実な説明に確実な説明になりません!なりません!なりません!なりません!

先生。それでは先生。それでは先生。それでは先生。それでは確実な説明に確実な説明に確実な説明に確実な説明になりません!なりません!なりません!なりません!

・確かめたことを使う。・確かめたことを使う。・確かめたことを使う。・確かめたことを使う。・文字を使う。・文字を使う。・文字を使う。・文字を使う。・・・・でも,このままで・・・・でも,このままで・・・・でも,このままで・・・・でも,このままで

は対頂角も同位角は対頂角も同位角は対頂角も同位角は対頂角も同位角もないし・・・・。もないし・・・・。もないし・・・・。もないし・・・・。

・確かめたことを使う。・確かめたことを使う。・確かめたことを使う。・確かめたことを使う。・文字を使う。・文字を使う。・文字を使う。・文字を使う。・・・・でも,このままで・・・・でも,このままで・・・・でも,このままで・・・・でも,このままで

は対頂角も同位角は対頂角も同位角は対頂角も同位角は対頂角も同位角もないし・・・・。もないし・・・・。もないし・・・・。もないし・・・・。

・線を伸ばしてみよう。・線を伸ばしてみよう。・線を伸ばしてみよう。・線を伸ばしてみよう。・平行線を引くと,同位角,・平行線を引くと,同位角,・平行線を引くと,同位角,・平行線を引くと,同位角,

錯角の性質が使える。錯角の性質が使える。錯角の性質が使える。錯角の性質が使える。

・線を伸ばしてみよう。・線を伸ばしてみよう。・線を伸ばしてみよう。・線を伸ばしてみよう。・平行線を引くと,同位角,・平行線を引くと,同位角,・平行線を引くと,同位角,・平行線を引くと,同位角,

錯角の性質が使える。錯角の性質が使える。錯角の性質が使える。錯角の性質が使える。

図5 「習熟」の段階の授業の流れ(1)

・・・・n角形の内角の和の公式n角形の内角の和の公式n角形の内角の和の公式n角形の内角の和の公式を使って,外角の和を求を使って,外角の和を求を使って,外角の和を求を使って,外角の和を求めることができた。めることができた。めることができた。めることができた。

・分かっていることを基にし・分かっていることを基にし・分かっていることを基にし・分かっていることを基にして,筋道を立てて考えるて,筋道を立てて考えるて,筋道を立てて考えるて,筋道を立てて考えることができた。ことができた。ことができた。ことができた。

・・・・n角形の内角の和の公式n角形の内角の和の公式n角形の内角の和の公式n角形の内角の和の公式を使って,外角の和を求を使って,外角の和を求を使って,外角の和を求を使って,外角の和を求めることができた。めることができた。めることができた。めることができた。

・分かっていることを基にし・分かっていることを基にし・分かっていることを基にし・分かっていることを基にして,筋道を立てて考えるて,筋道を立てて考えるて,筋道を立てて考えるて,筋道を立てて考えることができた。ことができた。ことができた。ことができた。

答え合わせをして,答え答え合わせをして,答え答え合わせをして,答え答え合わせをして,答えと考え方をノートにまとと考え方をノートにまとと考え方をノートにまとと考え方をノートにまとめよう。めよう。めよう。めよう。

答え合わせをして,答え答え合わせをして,答え答え合わせをして,答え答え合わせをして,答えと考え方をノートにまとと考え方をノートにまとと考え方をノートにまとと考え方をノートにまとめよう。めよう。めよう。めよう。

振り返り振り返り振り返り振り返り振り返り振り返り振り返り振り返り

全体で確認するよ。全体で確認するよ。全体で確認するよ。全体で確認するよ。全体で確認するよ。全体で確認するよ。全体で確認するよ。全体で確認するよ。

ババババッッッッ

チチチチリリリリ!!!!

ババババッッッッ

チチチチリリリリ!!!!

間違え間違え間違え間違えちゃっちゃっちゃっちゃったーたーたーたー

間違え間違え間違え間違えちゃっちゃっちゃっちゃったーたーたーたー

あああありりりりゃゃゃゃ

????

あああありりりりゃゃゃゃ

????

n角形の場合は・・・ ・問題の意味は把握できたかな?・問題の意味は把握できたかな?・問題の意味は把握できたかな?・問題の意味は把握できたかな?・・・・n角形の内角の和の公式を基にn角形の内角の和の公式を基にn角形の内角の和の公式を基にn角形の内角の和の公式を基に

して,筋道を立てて考えてみよう。して,筋道を立てて考えてみよう。して,筋道を立てて考えてみよう。して,筋道を立てて考えてみよう。・・・・(内角の和)(内角の和)(内角の和)(内角の和)++++(外角の和)(外角の和)(外角の和)(外角の和)=180=180=180=180゚と゚と゚と゚と

なるね。なるね。なるね。なるね。

・問題の意味は把握できたかな?・問題の意味は把握できたかな?・問題の意味は把握できたかな?・問題の意味は把握できたかな?・・・・n角形の内角の和の公式を基にn角形の内角の和の公式を基にn角形の内角の和の公式を基にn角形の内角の和の公式を基に

して,筋道を立てて考えてみよう。して,筋道を立てて考えてみよう。して,筋道を立てて考えてみよう。して,筋道を立てて考えてみよう。・・・・(内角の和)(内角の和)(内角の和)(内角の和)++++(外角の和)(外角の和)(外角の和)(外角の和)=180=180=180=180゚と゚と゚と゚と

なるね。なるね。なるね。なるね。

【「習熟」の段階の授業】【「習熟」の段階の授業】【「習熟」の段階の授業】【「習熟」の段階の授業】(第二次第3時 多角形の外角の和)(第二次第3時 多角形の外角の和)(第二次第3時 多角形の外角の和)(第二次第3時 多角形の外角の和)

問題の把握問題の把握問題の把握問題の把握問題の把握問題の把握問題の把握問題の把握

問題の解決問題の解決問題の解決問題の解決問題の解決問題の解決問題の解決問題の解決

内角の次は外角のこと内角の次は外角のこと内角の次は外角のこと内角の次は外角のことが気になったんだね。が気になったんだね。が気になったんだね。が気になったんだね。内角の次は外角のこと内角の次は外角のこと内角の次は外角のこと内角の次は外角のことが気になったんだね。が気になったんだね。が気になったんだね。が気になったんだね。

今日は,できるだけ一人今日は,できるだけ一人今日は,できるだけ一人今日は,できるだけ一人で,分かっていることをで,分かっていることをで,分かっていることをで,分かっていることを基にして,筋道を立てて基にして,筋道を立てて基にして,筋道を立てて基にして,筋道を立てて考えていくよ。考えていくよ。考えていくよ。考えていくよ。

今日は,できるだけ一人今日は,できるだけ一人今日は,できるだけ一人今日は,できるだけ一人で,分かっていることをで,分かっていることをで,分かっていることをで,分かっていることを基にして,筋道を立てて基にして,筋道を立てて基にして,筋道を立てて基にして,筋道を立てて考えていくよ。考えていくよ。考えていくよ。考えていくよ。

よよよよし,し,し,し,ややややるるるるかかかか

よよよよし,し,し,し,ややややるるるるかかかか

ままままかかかかせせせせてててて!!!!

ままままかかかかせせせせてててて!!!!

えーえーえーえーえーえーえーえー

前の授業で,多角形の内角前の授業で,多角形の内角前の授業で,多角形の内角前の授業で,多角形の内角の勉強をしたから,次は外角の勉強をしたから,次は外角の勉強をしたから,次は外角の勉強をしたから,次は外角のことを知りたいわ。のことを知りたいわ。のことを知りたいわ。のことを知りたいわ。

前の授業で,多角形の内角前の授業で,多角形の内角前の授業で,多角形の内角前の授業で,多角形の内角の勉強をしたから,次は外角の勉強をしたから,次は外角の勉強をしたから,次は外角の勉強をしたから,次は外角のことを知りたいわ。のことを知りたいわ。のことを知りたいわ。のことを知りたいわ。

正しいと確かめた性質正しいと確かめた性質正しいと確かめた性質正しいと確かめた性質の活用を考えよう。の活用を考えよう。の活用を考えよう。の活用を考えよう。

正しいと確かめた性質正しいと確かめた性質正しいと確かめた性質正しいと確かめた性質の活用を考えよう。の活用を考えよう。の活用を考えよう。の活用を考えよう。

n角形の外角の和を求n角形の外角の和を求n角形の外角の和を求n角形の外角の和を求めよう。めよう。めよう。めよう。n角形の外角の和を求n角形の外角の和を求n角形の外角の和を求n角形の外角の和を求めよう。めよう。めよう。めよう。

君は,問題の意味を把握君は,問題の意味を把握君は,問題の意味を把握君は,問題の意味を把握できているかな?できているかな?できているかな?できているかな?君は,問題の意味を把握君は,問題の意味を把握君は,問題の意味を把握君は,問題の意味を把握できているかな?できているかな?できているかな?できているかな?

図6 「習熟」の段階の授業の流れ(2)

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ⅥⅥⅥⅥ 成果と課題成果と課題成果と課題成果と課題

1111 数学的な見方や考え方のよさの感得数学的な見方や考え方のよさの感得数学的な見方や考え方のよさの感得数学的な見方や考え方のよさの感得

重点を置いて指導した「演繹」「一般化」「多面的」

の数学的な見方や考え方のよさを感得できたかどう

かを,事前と事後の調査から考察した(図7)。

よさを感得し

たと感じている

生徒が増えてお

り,特に「演繹」

の伸びが大きい。

また,毎時間の

「学習のまと

め」に,「三角形

の内角の和は180゚と当たり前に思っていたことを,

もっと深く考えることで,すごく納得できた」「いろ

んな考え方をすると,簡単な解き方が出てきた」「何

角形でも内角の和は計算で求められることが分かっ

た」などと多くの生徒が記述しており,授業の様子

からも手ごたえを感じている。

しかし,図7から分かるように,数学的な見方や

考え方のよさを感得した生徒の割合は低い。よさを

感得できる指導法について研究を深める必要がある。

例えば,「演繹」という言葉は生徒にとって難解で

あると考え,一切使わなかった。代わりに,「分かっ

ていることを基にして,筋道を立てて考える」と表

現してきた。しかし,言葉を使わなかったことで,

生徒にとってはこの数学的な見方や考え方を表現す

る適切な言葉がなく,かえって分かりにくくしてし

まったのではないかと思われる。正しく意味を伝え

た上で「演繹」という言葉を使いながら授業を展開

することも一つの方法として考えられる。

2222 数学的な見方や考え方の育成数学的な見方や考え方の育成数学的な見方や考え方の育成数学的な見方や考え方の育成

次に,「演繹」「一般化」「多面的」の三つの数学的

な見方や考え方が育成できたかどうかを比較した

(図8)。「一般化」「多面的」については,問題を解

くときに活用するようになったと答える生徒は増え

たが,「演繹」については逆に減少した。「習熟」の

段階の授業の

「学習のまとめ」

に,「具体的に角

度を求める問題

は簡単だが,説

明する問題は難

しい」という記

述が見られた。「習熟」の段階は,数学的な見方や考

え方を自分で活用できるようになることをねらって

いるが,「実感」の段階からのギャップが大きく,自

力で活用するのは難しいと感じる生徒が多かったた

めではないかと思われる。「実感」から「習熟」の段

階へのスムーズな移行を考える必要がある。

例えば,「実感」の段階では具体的な角度を求める

問題を扱ったが,文字を用いて角度を求める問題に

したり,「習熟」の段階の個別指導を更に充実させた

りすることなどが考えられる。

一方,「演繹」と関連が深いと思われる数学的な見

方や考え方を考察すると,演繹的に考えるために必

要な,条件の明確化,図形化,記号化が伸びている

ことが分かった

(図9)。「演繹」

の習熟までは難

しかったがその

よさには気付き,

これを活用しよ

うとしている生

徒の様子がうか

がえる。また,「学習のまとめ」に,単なる数学的な

知識だけの記述から,その知識の意味や使い方を記

述する生徒が徐々に増えてきた(図10)。

これらのことから,数学的な見方や考え方を活用

しながら論理的に考え,問題解決の過程を大切にし

ようとする生徒が徐々に増えてきたと感じている。

ⅦⅦⅦⅦ 終わりに終わりに終わりに終わりに

本研究では,数学的な見方や考え方の育成を図った

が,言葉一つをとってみても「数学的な見方や考え方」

の定義すら難しく,改めてこのテーマでの研究の大変

さを感じた。しかし,研究を通して,数学的な見方や

考え方を育成する一つの方向性が見えてきた。今後も,

平素から数学的な見方や考え方を育成する授業を大切

にしていきたい。

【第一次第1時】 対頂角の性質が分かった。 ↓ 【第一次第3時】 図から同位角や錯角を見付けて,その ↓ 性質を利用すると問題が解けることが ↓ 分かった。 【第二次第1時】 平行な線を引くといろいろな性質が使

えて,三角形の内角の和は180゚だと確 かめられた。

図10 「学習のまとめ」の記述の変化

%%%%

上段…事前   下段…事後上段…事前   下段…事後上段…事前   下段…事後上段…事前   下段…事後

多面的多面的多面的多面的

一般化一般化一般化一般化

演 繹演 繹演 繹演 繹

0      20     40     60     80 0      20     40     60     80 0      20     40     60     80 0      20     40     60     80

図7 数学的な見方や考え方のよさを感得した生徒

%%%%

上段…事前   下段…事後上段…事前   下段…事後上段…事前   下段…事後上段…事前   下段…事後

多面的多面的多面的多面的

一般化一般化一般化一般化

演 繹演 繹演 繹演 繹

0      20     40     60     80 0      20     40     60     80 0      20     40     60     80 0      20     40     60     80

図8 問題の解決に数学的な見方や考え方を活用する生徒

%%%%

上段…事前   下段…事後上段…事前   下段…事後上段…事前   下段…事後上段…事前   下段…事後

記号化記号化記号化記号化

図形化図形化図形化図形化

条件の条件の条件の条件の明確化明確化明確化明確化

0      20     40     60     80 0      20     40     60     80 0      20     40     60     80 0      20     40     60     80

図9 「演繹」に関連が深い数学的な見方や考え方を活用する生徒

(使用イラストは MPC「スクールイラスト集」「スクールイラスト集 3」より)