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フードバンクは、市場に出すことはできなくとも、人々が消費するのに十分な安全性をもった食品を処理する代替案です。セカン ドハーベストジャパンは、これらの食品を炊き出し、児童養護施設、高齢者、緊急シェルター、母子家庭、ホームレス、移住労働 者などに再配分しています。食品の小売店、製造業者、輸入業者は販売することができず廃棄しなければならない食品の問題 に直面しています。企業が廃棄費用を削減するとともに、地域貢献を果たす手助けをするのがフードバンクです。セカンドハー ベスト ジャパンは2002年に非営利活動法人格を取得しており、グローバル・フードバンキング・ネットワークの会員です。 セカンドハーベストジャパンについて このニュースレターは、「ニュースキン ジャパン フォース フォー グッド基金」の助成により作成されましたよく冷えた“温かい心”を届けるために 記事:和田裕介 既に前号のニュースレターで報告しましたが、2007 年 12 月にニュースキンジャパンから 冷凍車の寄贈を受けました。それ以来、2HJ の配送力は格段に増え、さらに配送できる 品目に冷凍食品が加わり多くの施設の方たちに喜んでもらえるようになりました。 具体的には、アイスクリームや冷凍野菜、冷凍牛肉、冷凍菓子などの冷凍食品・蔵食品を寄贈してもらえるようになりました。冷凍食品は、長期間の保存ができるため 大変重宝しますが、配送を行うには冷凍食品会社の厳しい基準をクリアしなくてはなり ません。ですが、ニュースキンジャパンから寄贈されたこの冷凍車の性能は、その厳い基準も十分にクリアできるものです。これまでも問題なく、さまざまな冷凍食品メーカ ーからの寄贈を受けてきました。 冷凍品の配送が可能に 2HJ 理事長のチャール ズ・マクジルトン(左) が、ニュースキンジャ パンのゲイリースミヒ ロ社長から新車両を受 け取りました。 写真:ニュースキンジ ャパン 3 月には、理事長チャールズ・マクジルトンと新スタッフの大竹くんが東京から九州宮崎まで実に 1,000 キロ以上に及ぶ道のりを運転し、児童養護施設にアイスクリームを配送しました。その日は、その児童養護施設の新しい建物が完成し、落成式が行れる日でした。それにお祝いの意味も含めて食品をなんとか届けたかったチャールズ大竹くんは、途中、大阪、神戸などの施設にも寄りながら長い道のりを運転しました。の間、冷凍車はアイスクリーム等を一定の温度で冷凍保管し続け、しっかりと冷えた品を届けることができ、こどもたちに喜んでもらえました。現在も次々と冷凍食品の寄贈 申し込みが 2HJ に来ていますが、皆さまのサポートのおかげでそれらにも順次対応して いくことができます。 サポートをいただいている皆さまの温かい心は、“よく冷やして”2HJ が届けています。 Harvest News 2008 issue 2 Food for all people www.2hj.org 目次 新車両での冷凍食品の 配送 ……………..…………… 新倉庫スペースと ともに拡大 …………………… 大根掘り …………..………… グローバルフードバンキング ネットワーク訪問………………… ボランティアストーリー 金曜日の調理作業…………... ひと口ニュース………………. 1 2 3 4 5 6 お金の寄付 郵便口座 名義:FBJ 口座番号:00120-7-171027 銀行口座 銀行:三菱東京 UFJ 銀行 用賀出張所 (523) 口座種類:普通 口座番号:3647565 お問い合わせ先 〒111-0053 東京都台東区浅草橋4-5-1 水田ビル1F E-mail: [email protected] [email protected] HP: www.2hj.org Tel: 03-3838-3827 Fax: 03-3863-4760

Harvest News - 2HJ2hj.org/about/library/pdf/newsletter200802.pdf2 2HJの念願かなって、倉庫スペースを拡充 3月1日に、ひとつの大きな目標が実現しました。2HJは中央

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Page 1: Harvest News - 2HJ2hj.org/about/library/pdf/newsletter200802.pdf2 2HJの念願かなって、倉庫スペースを拡充 3月1日に、ひとつの大きな目標が実現しました。2HJは中央

フードバンクは、市場に出すことはできなくとも、人々が消費するのに十分な安全性をもった食品を処理する代替案です。セカン

ドハーベストジャパンは、これらの食品を炊き出し、児童養護施設、高齢者、緊急シェルター、母子家庭、ホームレス、移住労働

者などに再配分しています。食品の小売店、製造業者、輸入業者は販売することができず廃棄しなければならない食品の問題

に直面しています。企業が廃棄費用を削減するとともに、地域貢献を果たす手助けをするのがフードバンクです。セカンドハー

ベスト ジャパンは2002年に非営利活動法人格を取得しており、グローバル・フードバンキング・ネットワークの会員です。

セカンドハーベストジャパンについて

このニュースレターは、「ニュースキン ジャパン フォース フォー グッド基金」の助成により作成されました。

よく冷えた“温かい心”を届けるために 記事:和田裕介

既に前号のニュースレターで報告しましたが、2007 年12 月にニュースキンジャパンから

冷凍車の寄贈を受けました。それ以来、2HJ の配送力は格段に増え、さらに配送できる

品目に冷凍食品が加わり多くの施設の方たちに喜んでもらえるようになりました。

具体的には、アイスクリームや冷凍野菜、冷凍牛肉、冷凍菓子などの冷凍食品・冷

蔵食品を寄贈してもらえるようになりました。冷凍食品は、長期間の保存ができるため

大変重宝しますが、配送を行うには冷凍食品会社の厳しい基準をクリアしなくてはなり

ません。ですが、ニュースキンジャパンから寄贈されたこの冷凍車の性能は、その厳し

い基準も十分にクリアできるものです。これまでも問題なく、さまざまな冷凍食品メーカ

ーからの寄贈を受けてきました。

冷凍品の配送が可能に

2HJ 理事長のチャール

ズ・マクジルトン(左)

が、ニュースキンジャ

パンのゲイリースミヒ

ロ社長から新車両を受

け取りました。

写真:ニュースキンジ

ャパン

3 月には、理事長チャールズ・マクジルトンと新スタッフの大竹くんが東京から九州の

宮崎まで実に 1,000 キロ以上に及ぶ道のりを運転し、児童養護施設にアイスクリーム等

を配送しました。その日は、その児童養護施設の新しい建物が完成し、落成式が行わ

れる日でした。それにお祝いの意味も含めて食品をなんとか届けたかったチャールズと

大竹くんは、途中、大阪、神戸などの施設にも寄りながら長い道のりを運転しました。そ

の間、冷凍車はアイスクリーム等を一定の温度で冷凍保管し続け、しっかりと冷えた食

品を届けることができ、こどもたちに喜んでもらえました。現在も次々と冷凍食品の寄贈

申し込みが2HJに来ていますが、皆さまのサポートのおかげでそれらにも順次対応して

いくことができます。

サポートをいただいている皆さまの温かい心は、“よく冷やして”2HJ が届けています。

Harvest News 2008 issue 2

Food for all people www.2hj.org

目次 新車両での冷凍食品の 配送 ……………..…………… 新倉庫スペースと ともに拡大 …………………… 大根掘り …………..………… グローバルフードバンキング ネットワーク訪問………………… ボランティアストーリー 金曜日の調理作業…………... ひと口ニュース……………….

1 2 3 4 5 6

お金の寄付

郵便口座

名義:FBJ

口座番号:00120-7-171027

銀行口座

銀行:三菱東京 UFJ 銀行

用賀出張所 (523)

口座種類:普通

口座番号:3647565

お問い合わせ先 〒111-0053

東京都台東区浅草橋4-5-1

水田ビル1F E-mail: [email protected] [email protected] HP: www.2hj.org Tel: 03-3838-3827 Fax: 03-3863-4760

Page 2: Harvest News - 2HJ2hj.org/about/library/pdf/newsletter200802.pdf2 2HJの念願かなって、倉庫スペースを拡充 3月1日に、ひとつの大きな目標が実現しました。2HJは中央

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2HJ の念願かなって、倉庫スペースを拡充

3 月 1 日に、ひとつの大きな目標が実現しました。2HJ は中央線高架下の倉庫(現在の事務所のほぼ向かい)を借り、収納スペースを拡大しました。

2HJ の歴史の新しい一章を始めるためのサポートをいただいたニュースキンジャパンに多大な感謝を表したいと思います。

新規追加スペースの一階。土曜日の炊き出しプログラムの

ための備品や数百キロに及ぶお米、生鮮食料品の箱、缶

詰などを保存するスペースがあります。以前は、倉庫の中

を探して炊き出し用具を取り出すのは難儀でした。現在は

そういった用具も簡単に取り出せ、土曜日の朝の活動はと

ても簡単に準備ができるようになりました。さらに、一階には

新たに入った冷凍車を駐車するスペースが十分にありま

す。 写真:和田裕介

新スペースの2階。ハーベストパントリー専用のスペースがつ

いにできました。ここでこれから 2HJ スタッフとボランティア

が、(フードドライブなどからの)パントリー向け寄贈品の管理

を効率的に行うと同時に毎週 60 世帯以上に送っている食品

パッケージの準備を行うことができます。写真:和田裕介

みなさまに感謝 引越当日にお手伝いいただいたボランティ

アの皆さまには心より感謝申し上げます。皆さまのおかげ

で、新スペースの拡張がスムーズにいき、また土曜日の炊き

出し活動も同時に行うことができました。ボランティアが、

近のフードドライブで 2HJ に提供された寄贈品を選別してい

るところ。寄贈品は、賞味期限が切れたものがないように管

理され、ハーベストパントリーの“食材”として箱詰めされま

す。写真:パメラ・ラヴァシィオ

元の事務所スペースは、今はよりオフィスらしくなりました。そ

してここでは今後食料の保管は行いません。同様に元からあ

る倉庫は、炊き出し用具が別の場所に保管されているためよ

り機能的になりました。

土曜日の炊き出しプログラムの 後のシフトでボランティアが

後片付けを行っていると同時に新スペースの概観を眺めなが

ら転ばないように箱を動かしたり、新スペースに向けてたくさ

んの荷物を運んでいる人にぶつからないように気をつけてい

ました。写真:和田裕介■

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2HJ 大根収穫イベント ―― 農場での収穫から提供 文章/写真:パメラ・ラヴァシィオ

引き抜いて葉をカット、根をカット。列に並べる。引き抜いて葉をカット、根をカット。列に並べる。

食品工場の流れ作業のようなこの工程、実は、2月24日の日曜日、2HJ の呼びかけに答えた約20人のボランティアが行った、農場での大根収穫作業のこと。約10トンの収穫が可能な畑から 4 トンを超える量の大根を収穫し、わずか3日後の27日までには、すべての大根を2HJ の受給者に配給したのです!

翌週の日曜日、3月2日には、小学校から高校までの子供たち(と指導スタッフ)が畑に入り、さらに 2 トン以上を収穫しました。参加したのは2HJが食品を提供している複数の養護施設の子供たちで、自分の手で収穫し、とれたてを新鮮なまま食べるという貴重な体験を楽しんでいました。一方、施設のスタッフは、それぞれの施設での食事の材料に、たくさんの大根を持ち帰りました。

2HJ が、セカンドハーベストというその名のとおり、寄付される野菜のハーベスト(収穫)を行うのは、設立以来これが初めてのことでした。今年は霜が早く降りたため、大根の収穫期間が短縮され、全てを収穫できないまま整地の時期を迎えるところでしたが、幸い、良質でおいしい大根が連なる畑の一画を2HJ のために提供してもらうことができました。

2HJ の理事長チャールズ・E・マクジルトンは、昔を振り返り、「このようなイベントを実現させたいと常々思っていた」と言います。その考えが実現に向けて動き出したのは、2HJ スタッフの配島が、2HJに参加する前、宮崎県の農家で働いていた時に出会った唐沢氏(今回のイベントでの農場側の主催者)と再び交流を始めたことがきっかけでした。配島が東京に戻り、その後2人が再会した時、野菜づくりの話から、農家が自分たちのやり

方で2HJ の活動に貢献できるような機会はないだろうか、あるとしたらどのような方法がよいだろうか、という話に発展したのです。

農家は、農作物を育てるために膨大な時間と労力を費やしますが、それは、「親が子供を育て教育するのとよく似ている」と唐沢氏は言います。収穫期の人手不足や気候の変化が災いして、いままでの苦労が台無しになるのを見るのは、とても我慢ができないでしょう。ですから、2HJ と協力することは一石二鳥の 善策だと思われました。畑に残された大根を収穫できるだけでなく、新鮮でおいしい大根が加わることで食卓が豊かになると喜んでくれる人たちがいるのですから。

参加したボランティアは、疲れと寒さを感じながらも、生き生きとした様子で働いていました。体の芯まで凍えそうな冷たい風に吹き飛ばされた土を全身にかぶっていましたが、東京に戻る前に近くの温泉に立ち寄るという楽しみもありました。畑に入って自分の手で大根を収穫したことで、ひと時であっても都市生活のストレスが解消されたと、みな口をそろえて言います。そしてたとえ数時間でも、甘いいちごや青々とした草原が田舎での生活のすべてではない、というやや驚くべき発見をしたのです。農家の生活はなかなか大変なものです。時には目が見えなくなるほど、そして大量の土や砂を飲みこんでしまうほどの強い風が、私たちに農業の厳しさをも教えてくれたのでした。

初めてのイベントは成功に終わり、すべての参加者にとって、有意義で勉強になる、そして何よりも楽しい経験となりました。2HJ では、新たに生まれた農家の方との協力関係を継続し、将来的には、さらにほかの農場とのつながりを築いていくことも視野に入れています。

また、2HJ はこのイベントを年2回程度の定期的な活動にしていこうと計画しています。私ももう一度、自分の体を使って働く、貴重な機会を得られることを楽しみにしています。その時には再び、地平線の向こうにそびえ立つ、雪に覆われた北アルプスの広大な景色を眺めることができるかもしれません。そのような日の終わりには、本当に実りの多い1日を過ごすことができたという、滅多にはない穏やかで満足した気持ちをもう一度味わいながら、倒れるように眠りに着くことになるでしょう。■

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地味ですが、大切な仕事 ―― 金曜日の下ごしらえ

文章/写真:吉田由佳里 ちょっと自慢させてください。ご飯にポテトサラダ、卵焼き、おひた

しなどの副菜、それに暖かいスープ。

これ、毎週土曜日に上野公園で行っている2HJの炊き出しなんです。その日に使用できる食材によりメニューが異なる場合もありますが、それにしても、なかなか手が込んでいるでしょう?

土曜日の炊き出しでの配給は、毎週ゆうに400食を超え、用意する食料はかなりの量になります。それには、炊き出し当日の調理だけでは間に合わないため、前日の金曜日にあらかじめ野菜を切ったり茹でたりといった下ごしらえをしています。

毎週金曜日、朝9時頃から、2HJ事務所にボランティアが集まり始めます。長机2脚とガス炊飯器を事務所脇の道端にセットし、包丁とまな板を持ったらいざ作業開始。その日に利用可能な生鮮野菜をおひたしやスープに使いやすい大きさに切っていきます。

また、ガス炊飯器でお湯を沸かし、ミックスベジタブルや小松菜などの冷凍野菜、また肉や卵、じゃがいもなどがあれば、それも茹でていきます。

調理場は戸外。冬場は相当に冷えますが、作業は和やかなムードで進められていきます。道端での作業のため、通りがかりの方に、この野菜どうするの?と尋ねられ、炊き出しや2HJの説明をすることもしばしば。

参加するボランティアは、主婦、大学生、親子連れ、外国人、転職の合間の社会人、会社を休職中の方など様々です。参加の動機、頻度、年齢や宗教などもそれぞれ異なりますが、現場では同じボランティア同士。作業はいたってシンプルなので、コミュニケーションを楽しみながら協力して下ごしらえを進めます。

「世の中には、天から与えられた使命を持って誕生してくる人間がいる。たとえば、ガンジーやマザーテレサ、瀬戸内寂聴など。もしそういう事があるとしたら、チャールズ氏もそのひとりかもしれない。そのような直感をもってボランティアに来るようになりました。」1年前ごろから、毎週金曜日の調理に参加を続けるミッション・エルザさん。続けてこう語ります。「地球上には、飽食の国と貧困の国がある。他者のためにちょっとずつ愛を与えてあげられたら、心豊かな人生になるでしょう。」

なお、野菜をはじめ、炊き出しで使用されるほぼすべての食料は寄付で賄われており、2HJでは調味料など 小限のもののみを購入しています。

廃棄される運命にあった食料は、2HJへの寄付を経て、食料を必要とする人々の元へ届けられます。大部分の食料はそのまま、児童養護施設、女性シェルター、老人ホームなどの諸団体に配送され、それら団体から個人へ提供されます。また、寄付された食料の一部は、エルザさんなど金曜日のボランティアによる下ごしらえの後、土曜日の炊き出しで暖かい食事へと生まれ変わり、直接、栄養を必要とする人々の手に渡っていきます。

飽食の社会から一歩を踏み出して、余った食料を必要なところへ再配分する社会へと。善意、という言い方は大げさかもしれませんが、たくさんの企業と個人が、「社会の一員であること」を認識するところから始まる、エキサイティングな新しい社会システムの試み。その一端に、あなたもぜひ参加してみませんか?■

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グローバル・フードバンキング・ネットワーク(GFN)を訪問して

文章/写真:チャールズ・マクジルトン

グローバル・フードバンキング・ネットワーク(GFN)がテキサスのサンアントニオにて毎年恒例のフードバンクに関する研修を 近行いました。この研修は、世界中から集まるフードバンクにとって一堂に会し、 新のフードバンク事情を学ぶと同時に、それぞれの問題や成功について共有する機会になりました。今年は GFN が、一歩進んで参加者の要望を満たしてくれました。各研修日の後に、GFN からアンケートが手渡され、次の日のカリキュラムは参加者の回答に合わせて修正されました。参加者がフードバンクの基本的な説明よりも、議論をする場をもっと設けてほしいということが週の始めのうちに明らかになるや、GFN は各セッションにディスカッションタイムを設けてこれに応えました。

16 人のフードバンカーが 10 カ国から発展レベルにおいてあらゆる状況を代表して集まり、研修に参加しました。中には、長年活動をしており、一日に数トンもの食品を提供するフードバンクもありました。逆に、これから食品の引き取りと配送のためのシステマチックな方法を作り上げて行こうという段階のフードバンクもありました。GFN が 2 名のフルタイムスタッフを派遣し深くかかわっている南アフリカでは、独立した食品の引き取り活動から、全国的なフードバンクネットワーク構築への転換期にありました。南アフリカの食品引き取り活動の代表者や南アフリカ政府代表者が出席しており、南アフリカの事例が も魅力的でした。各代表者が自分たちのフードバンクで起こっていること、直面している課題、また多様な利害関係者間の需要や利益をバランスさせていくという非常に難しい問題についてそれぞれの見解を持っていました。GFN がこのような各フードバンクの発展をいかに手助けしていくのかは、とても興味ぶかいです。

GFN のアジア代表メンバーとして、2HJ はフィリピンの代表者を参加させるという役割を担いました。フィリピンのフードバンク活動は、始まったばかりで、フィリピン代表者にとって、類似の社会経済的課題を持つ国の代表者に会えたことは、そのような国がどうやってフードバンクを成長させてきたかを知る上でとても役立ちました。2HJ にとっても今回の研修旅行は、ネットワーク構築を進め、GFN のサポーターであるケロッグや P&Gといった企業とのつながりを作れた点でよい機会でした。P&G は、アジアでも寄付を検討しており、2HJ にアジア地域での指導的役割を期待しています。

テキサス 大のスーパーマーケットチェーンであり、メキシコにも出店している H-E-B が、2007 年と 2008 年に自社の本部で GFN の研修を主催してくれました。本部の敷地を歩き、従業員と話していると、真に先進的な企業がどのような企業なのかといったことの意味がわかってきました。H-E-Bは、自社のビジネスにしっかり取り組みながら、フードバンク活動にも関わり、革新的なプログラムを始めて、100万ドルという値段で1時間に25,000食を生産する機能を持つモバイルキッチン(写真)の購入や、自社の再生センターを使って大量の食品を毎日テキサスやメキシコのフードバンクに寄贈するなど、助けを必要とする人々に手を差し伸べてきました。それに加えて、H-E-B では、顧客がフードバンクに直接お金を寄付できるように募金プログラムも備えています。

このような研修やネットワーク育成の機会は、2HJ にとってとても重要です。こういった機会から見えてくるのは、他のフードバンクも私たちの問題を共有し、他国で新しくフードバンク活動が始められる場合に、私たちから援助をすることもできるということです。■

出動する配給車 H-E-B が、自然災害などに見舞われた地域への救済品の提供を行う際、この移動キッチンで現場での食品提供を行います。写真:ブルース・ホール

スケールの違い サンアントニオフードバンクは、年間 14,000 トンもの食品を配送しています。 写真:ブルース・ホール

Page 6: Harvest News - 2HJ2hj.org/about/library/pdf/newsletter200802.pdf2 2HJの念願かなって、倉庫スペースを拡充 3月1日に、ひとつの大きな目標が実現しました。2HJは中央

作製協力 編集長:パトリシア・デッカー 記者:チャールズ・マクジルトン, パメラ・ラヴァシィオ, 吉田由佳里, 和田裕介 写真提供:ニュー スキン ジャパン, パメラ・ラヴァシィオ, 和田裕介 翻訳/編集:パトリシア・デッカー, ジョセフ・ハイルマン, マット・トライボー, 関 美穂, サミュエル・デイビス, 吉田由佳里, 和田裕介レイアウト:パトリシア・デッカー

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パートナーの皆様への感謝

主な食糧提供企業:コストコ ホールセール◆ ニチレイ◆CP◆ハインツ日本◆マスターフーズ◆ Eco Business◆ひかり味噌◆テング ナチュラル フーズ◆Fujimamas◆ネスレ ジャパン◆Foreign Buyers Club◆有限会社 ファー・イースト・トレーダー◆デリカフーズ株式会社◆キューピー株式会社◆ケンコーマヨネーズ株式会社◆株式会社鮒忠◆株式会社山形屋海苔店◆エグザクト株式会社◆株式会社カーブスジャパン◆ハーゲンダッツジャパン株式会社◆日本アンカー株式会社◆株式会社壱番屋◆大和証券株式会社◆新光証券株式会社◆メリルリンチ日本証券株式会社◆ニュー スキン ジャパン◆株式会社マルハン 寄付・出資協力企業:リーマン・ブラザース ◆ モルガン・スタンレー◆在日アメリカ商工会議所 ◆ニュー スキン ジャパン◆FIT for Charity◆ステート・ストリート◆Tokyo American Club Women’s Group◆コストコ ホールセール◆アリサンオーガニックセンター◆クレディ・スイス・ファースト・ボストン◆Mr. Kei Sato◆Seisen International School Hunger Fast◆Seisen International School Social Outreach◆小百合の寮◆Orrick◆電通◆フィリップモリス◆Black Ale Pub ◆オルカ・ワイン◆UBS証券会社 商用車提供:メルセデス・ベンツ・ファイナンス(株)◆ビーコン コミュニケーションズ 後援団体:ビーコン コミュニケーションズ◆ギャビン・アンダーソン・ジャパン◆川崎陸送株式会社◆Kuehne + Nagel◆Yokosuka Naval Base Chiefs’ Association 教会:聖アルバンズ教会 (St. Albans)◆東京ユニオン教会 (Tokyo Union Church)◆ウエスト東京ユニオン教会◆六本木教会 学校:東京インターナショナル・スクール◆清泉インターナショナル スクール◆アメリカン・スクール・イン・ジャパン◆聖心会 (Sacred Heart)◆西町インターナショナルスクール◆マリスト・ブラザーズ・インターナショナル・スクール◆東京韓国学校◆ カネディアン・アカデミー

2HJひと口ニュース( 新の出来事)

2 月

7–8 神戸の施設に食品を配送 8–9 名古屋のボランティアグループに食品配送 18 フードバンクフィリピンとの電話会議 22 神戸の施設に食品を配送 24 初の大根掘りを開催(埼玉県岡部の畑にて

4 トンの大根を 20 人以上のボランティアと ともに収穫し、施設に提供)

24 夜半に 2HJ が親しくしていたダンボール回収 業の渡辺さんが亡くなりました。

27–28 フードバンク沖縄の発展を支援するため沖縄 を訪問

29 座間の興生会相模台病院にて、将来の 倉庫スペース及び協力関係の構築について 話し合いました

3 月 1 新倉庫スペースに引っ越しました。約 30 人

ボランティアが参加して、終日作業を手伝って くれました

2 埼玉県岡部にて 2 回目となる大根掘りを開催。小百合の寮の子供たちなどが収穫に参加しました。 全部で 2 トンの大根を収穫しました

2–10 テキサス、サンアントニオにて H-E-B 主催の、2 回目となるグローバル・フードバンキング・ネットワークのフードバンク研修に参加

11–14 2HJ スタッフとボランティアが、幕張メッセにおけるFOODEX JAPAN 2008 のブースを設置して、情報を提供しました

14 FOODEX JAPAN 2008 にて、特別講演会を行いました 15 九州、宮崎の児童養護施設の落成式に出席 27 フード・アドバイザリー・ボードの会合 27 フードバンクフィリピンとの電話会議 28 関西と名古屋にて食品の引き取りと配送 29 年次総会 30 長野の諏訪にて食品配送、フィリピン人女性会議に参加

4 月 8 Bay FM に出演 9–28 理事長チャールズ・マクジルトンが日本のフードバンクと貧困についてピースボートにて講演

新スタッフの2人、2HJ で働くことで楽しいことは? 事務局 蜂屋絵里子「私は主に事務所にいることが多いので、引取・配達などが円滑に進むよう心がけています。事務所にいると外部関係者の方々と接することは少ないですが、毎日事務所に届くたくさんの食べ物を受け取ったり、『食べ物届きました、ありがとう』という電話や手紙を頂くことで、いつも心が温まります」。配送スタッフ大竹正寛「2HJ のスタッフやボランティアの仲間と楽しみながら前向きに活動できることです」 写真:和田裕介