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私たちは、日頃から多くの商標に囲まれて暮らしています。

そんな商標の登録の可否を審査する「商標審査官」。

あなたも私たちと一緒に、知的財産行政に携わってみませんか。

“事業者と消費者の橋渡しをする”

CONTENTS商標課長からのメッセージ・・・・・・特許庁の組織・・・・・・・・・・・・・・・・・・知的財産権と産業財産権・・・・・・・・商標審査官の業務・・・・・・・・・・・・・・キャリアアップと研修・・・・・・・・・・審判制度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

若手審査官アンケート・・・・・・・・・・・・・・・若手審査官インタビュー・・・・・・・・・・・・・中堅審査官座談会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・商標審査官の一日・・・・・・・・・・・・・・・・・・・新人からのメッセージ・・・・・・・・・・・・・・・商標審査官のここが知りたいQ&A・・・

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街中にあふれている商標 商標は、商品やサービスの顔として、他人(他社)の商品、サービスと区別するために使用されます。街中を意識して見ると、商品のパッケージ、お店の看板、デジタルサイネージ広告など、様々な商標であふれています。 商標は、特許や意匠と違い、その権利を更新することによって、登録商標として、半永久的にその権利が継続します。現在日本では約190 万件の登録商標が現存し、その中には登録から 100 年以上経過している商標もたくさんあります。 あなたが今見ているその商標、あなたが知っているあの商標は、ひょっとしたら、100年以上の歴史と伝統のある商標かもしれません。

商標制度のあゆみ 日本の商標制度は、明治 17(1884)年 6 月 7 日に「商標条例」が制定され、同時に「商標登録所」の設置によってスタートしました。今年で 136 年となる商標制度は、明治、大正、昭和、平成、そして令和と、5つ目の時代を迎えることになりました。 日本の商標制度は、長い歴史の中で、時代のニーズとともに改善され、日本の経済発展に大きく貢献してきました。 例えば、商標法条約(平成 8 年)やマドリッド協定議定書(平成 11年)など、多くの条約にも加入し、国内は勿論、外国に出願する際の手続きが改善されました。 商標の保護対象についても、ユーザーニーズに応える形で、サービスマーク(平成 3 年)、立体商標(平成 8 年)、地域団体商標(平成 17年)、小売等サービスマーク(平成 19 年)、そして音や動きなどの新しいタイプの商標(平成 26 年)が追加されました。 令和2年4月からは、店舗等の外観や内装も商標として、適切に保護することが予定されています。

「商標を審査する」という仕事 特許庁に出願された商標を審査するのが商標審査官の仕事です。 2019 年、商標の出願件数は約 19 万件でした。商標の出願件数はここ数年増加傾向にあります。ビジネスにおける商標の重要性が益々大きくなっていることがわかります。

 商標審査官は、この出願された商標について、様々な資料・データベース等を利用して事実関係を調査し、商標法の規定や審査基準に照らして、登録商標として保護すべき商標なのか、保護すべきでない商標なのかを判断していきます。 出願した商標が登録されるか否かによって、出願人のビジネスの計画にも大きな影響を与えますので、非常に責任のある仕事です。

「商標審査官」に求められるもの 商標審査官は、商標法の規定や審査基準の知識だけが求められるわけではありません。商標の審査には、高い専門知識のみならず、需要者の視点にたった考え方や、新しい商品・サービスへの関心、新しい IT 用語やビジネス用語への理解など、多方面にわたる知識や興味が重要になってきます。 そして、商標は生き物です。ブランドの価値は変化しますので、その審査の結果も時代によって変わることがあります。例えば、みなさんの身の回りにも、当時は登録商標として登録されたものの、今では一般名称となってしまったものがたくさんありませんか。 商標審査官には、専門知識がある人、多方面にわたる知識や興味がある人、時代の変化に柔軟に対応できる人、いろいろな引き出しを持っている人が求められます。 商標審査官は少しハードルが高いなと感じた人、商標審査を極めたいというやる気があれば全く心配はいりません。特許庁には充実した研修制度がありますし、優しい先輩が指導してくれます。入庁後に学べば知識は後からついてきます。

多岐にわたる活躍の場 商標審査官は、商標の審査をしている人ばかりではありません。時に商標審査官は、商標の審査に関する業務に限らず、知的財産制度全般に関する業務や一般行政に関する業務も担います。特許庁の内外部署において、商標に関する政策の企画、法律改正、IT システムの開発に携わる場合や、在外公館、WIPO 等の国際機関などに勤務する場合もあり、商標審査官の仕事は多岐にわたります。  商標審査官は、「商標」という専門分野をコアにして、活躍しています。自分の専門分野(商標)を持って、それを極めるって、素晴らしいと思いませんか。 商標審査官に興味を持った方、是非、一緒に働きましょう。 

特許庁審査業務部商標課長高野 和行

商標課長からのメッセージ

(略歴)S62.4 特許庁入庁H7.4 商標(食品)H9.4 電子計算機業務課機械化企画室H11.7 商標(化学)H12.4 商標審査基準室H12.7 商標(化学)H13.4 外務省 (在トリニダード・トバゴ大使館)H16.4 商標(国際商標登録出願)H17.7 海外語学派遣研修H18.4 商標課商標企画専門官

H21.7 国際課H23.7 審判部(第 35 部門)H25.1 審判課審判企画室H26.10 商標(国際商標登録出願)H27.1 (独)工業所有権情報・ 研修館活用促進部H28.4 商標課商標制度企画室H29.1 商標課商標企画官H31.1 商標(化学)H31.4 商標課商標審査基準室長R1.10 商標課長

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特許庁の組織

特許庁の組織 特許庁は、経済産業省の外局の一つです。 特許庁には7つの「部」があり、私たち商標審査官が商標の審査を行う部署(審査室)は、「審査業務部」の中にあります。審査室は、主に担当する産業分野に従って、「化学・食品」

「機械」「雑貨繊維」「産業役務・一般役務」の4つの審査室と、もう1つ、マドリッド協定議定書に基づく出願を担当する

「国際商標登録出願」 という審査室に分かれています。 「商標審判官」として働いている先輩は、「審判部」に属します(第 35 部門~第 38 部門)。 また、商標審査官は、審査以外の場でも活躍する機会があり、「審査業務部」の中の商標課、「総務部」の中の秘書課、総務課、企画調査課、普及支援課、国際協力課などにも配属されています。 審査室の風景

●調整課 ●特許審査部門●意匠課 ●意匠審査部門 特許(発明)・意匠(デザイン)の出願を 以下の部門に分けて審査しています審査第一部:主に物理、光学、社会基盤、意匠関係審査第二部:主に機械関係審査第三部:主に化学関係審査第四部:主に情報、通信、電気関係

●審判課●第1部門~第34部門

●第35部門~第38部門

●審査業務課 ●出願課

●商標課商標審査基準室 商標国際分類室商標制度企画室 商標審査機械化企画調整室商標審査推進室 地域ブランド推進室

●商標審査部門化学・食品  機械 雑貨繊維産業役務・一般役務 国際商標登録出願

経 済 産 業 省

資源エネルギー庁

中 小 企 業 庁

特 許 庁

総 務 部

審 査 業 務 部

審 判 部

審査第一部~第四部

●秘書課 ●総務課 ●会計課 ●企画調査課●普及支援課 ●国際政策課 ●国際協力課

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実用新案権物品の形状、構造、組合せに関する考案を保護例/衝撃吸収のための液晶保護フィルム

商標権

使用するマーク(文字、図形など)を保護例/電話機メーカーが自社製品の信用保持のために製品などに表示するマーク

特許権自然法則を利用した、新規かつ高度で産業上利用可能な発明を保護例/長寿命、小型軽量化したリチウムイ

オン電池に関する発明

意匠権独創的で美感を有する物品の形状、模様、色彩等のデザインを保護例/携帯電話機をスマートにした形状のデザイン

知的財産権

産業財産権

商品・サービスを区別するために

知的財産権?産業財産権? 「知的財産権」という言葉、最近よく耳にしませんか? テレビや新聞等のメディアにおいて、知的財産権に関するニュースが取り上げられることが多くなるなど、近年、「知的財産権」が注目を集めています。 知的財産権とは、知的創造活動によって生み出されたものを、財産として保護する権利です。知的財産権には、例えば著作権や育成者権など、様々な権利が含まれています。 その中で、特許権、実用新案権、意匠権、商標権の4つの権利をまとめて「産業財産権」といいます。 産業財産権制度は、発明、考案、意匠(デザイン)、商標(ブランド)を保護することにより、産業の発展に寄与することを目的としています。 この産業財産権を所管している官庁が「特許庁」です。

知的財産権と産業財産権

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知的財産権と産業財産権

商標って何?

JPO

商標はこんなに役に立っています 商標とは、「事業者が、自分の商品(サービス)と他人の商品(サービス)とを区別するために使用するマーク」のことです。 企業などは、自社の提供する商品やサービスに商標を付けることによって、「これは“我が社”が作った商品です。」「“我が社”が提供しているサービスです。」というようにアピールすることができます。 消費者は、「昨日食べたお菓子と同じお菓子をまた買おう。」「私はこのメーカーの製品が好き。」というように、知らず知らずのうちに商標を目印に商品を選んでいます。 また、企業などが高品質な商品に商標を付けて販売し続けた結果、「このマークの商品は品質が良いから欲しいな。」といった消費者からの信用が商標に蓄積すれば、企業などは商標をとおして“顧客を引きつける力”を獲得することができます。一方、消費者も「この商品なら安心だ。」「この会社の製品は長持ちするんだよね。」というように、商標をとおして商品の品質をイメージして商品を選ぶこともできます。 このように、数ある商品(サービス)の中から自分が購入する商品(サービス)を選択する際に、企業などと消費者との橋渡しをするもの、それこそが「商標」なのです。 「商標」を保護することによって産業の発展に寄与し、あわせて消費者の利益を保護しているのが「商標制度」であり、これは「商標法」という法律によって定められています。

A社の携帯電話 C社の携帯電話

A社のマーク

B社の携帯電話

C社のマーク B社のマーク

のスマートフォンを買いたいな…

商 標

目印になる品質を伝える広告塔になる

は我が社の商品です!

は優れた商品です!

の商品を買いたい!

の商品なら安心!

JPO

JPO

これが「商標」

JPO

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権利を侵害されたら? もし、商標権を侵害された場合(商標をまねされた場合)には、法的手段をとることができます。 商標をまねされた商品の製造や販売の中止を求めること(差止請求)、まねされたことにより自分の商品の売り上げが落ちるなどの損害が発生した場合には、その賠償を求めること(損害賠償請求)などができます。 また、近年は海外で模倣品が作られ、それが日本に輸入される場合があります。このような場合には、税関に申し立てることにより、空港や港など、模倣品が輸入される水際で阻止することもできます(輸入差止申立)。

模倣品対策の現場から お台場からこんにちは! 私は現在お台場にある東京税関で、商標権を侵害する貨物の水際取締りの業務に従事しています。商標権の権利者から申請される偽ブランド品の輸入差止めの申立書類について、侵害品が本当に商標権を侵害していると言えるか、効果的な取締りを行うことができるかといった観点から、申請者へのアドバイスを行っています。 偽ブランド品が横行すると、正規品を扱う企業に経済的損失が発生します。さらに、薬や飲食料品、自動車部品の偽ブランド品は、私たち消費者の安全安心を脅かすものです。税関はそうした偽ブランド品を水際で取り締まるプロフェッショナルです。 安定した商標制度の確立はその国の国際的な信頼度を高めることにつながると感じます。商標制度が成熟することによりその国で売買される商品の出所が担保されるとともに、品質が劣る模倣品の取り締まりが適切に行われることが期待されます。そうした法的なインフラの整備は、発展途上国にとっては、他国の企業を誘致するうえでも必要不可欠な条件と言えます。 私たち商標審査官はそうした重要な社会的インフラたる商標法の最前線にいます。商標権という独占権の付与判断(商標審査)を行うことができる、日本で唯一無二の存在であるとともに、その経験に基づいた商標政策の立案に携わります。 さらに、商標制度が未成熟な国々の法律基盤の整備を通じて対象国の経済成長の支援をしたり、模倣品対策という権利活用の現場で権利者のサポートをしたりと、専門知識を拠り所として活躍の場を広げることができます。 皆さんもぜひ、商標審査官として、自分の可能性が広がる喜びを実感してください!

宮川 元 (平成21年入庁)

知的財産権と産業財産権

商標権をもっていると・・・?

「商標権」は、こんな権利 「商標権」は、商標登録されることによって生じる権利であり、マーク(商標)と商品又はサービスとがセットになって構成されています。特許庁に出願する際に、マーク

(商標)を使用する商品又はサービスをあらかじめ指定します。「商標権」が設定されると、その指定した商品又はサービスについて、マーク(商標)を独占的に使用することができ、その効力は日本全国に及びます。権利者以外の人は、その商標と同じ商標や似た商標を使用することができなくなります。 「商標権」は 10 年間存続し、更新登録申請によって更新することができます。更新を繰り返すことにより、半永久的な権利として存続することができます。

H21.4 商標(産業役務)H24.4 商標(一般役務)H25.7 総務課情報技術統括室H27.7 商標(国際商標登録出願)H28.4 企画調査課H30.4 商標課商標審査基準室H31.4 育休 商標課商標審査基準室R1.7 財務省東京税関 総括知的財産調査官

etc.

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知的財産権と産業財産権

出願から登録までの流れ

「商標権」を取得するために 「商標権」を取得するためには、どのような手続が必要なのでしょうか。 まずは、所定の様式に従って書類を作成し、特許庁に出願をします。特許庁では、「方式審査」(書式等の審査)をした後、商標権として登録すべきか否かの「実体審査」(内容の審査)を行います。この「実体審査」が私たち商標審査官の腕の見せ所です。審査の結果、登録すべきとの判断になった場合には、「登録査定」という行政処分を行います。その後、必要な登録料を支払うと、商標権を取得することができます。 商標権が設定されると権利者に「商標登録証」が交付されます。 「実体審査」がどのようにして行われるのかについては、次のページで!

インターネットでも出願できます 特許庁は、産業財産権に関する出願を特許庁1階の受付窓口や郵送により受け付けるほか、パソコンからインターネットを利用しての電子出願も受け付けています。電子出願は、世界に先駆けて、1990 年 12 月から特許、実用新案について受付を開始しました。また、2000 年1月からは意匠、商標についても受付を開始しました。

見本

商標登録証

所判裁高最

登録査定

知通由理絶拒

ここが商標審査官の腕の見せ所

るきで録登

いなきで録登

商標審判官の仕事は23ページを参照

■出願人(代理人)■特許庁内他部署■商標審査官■商標審判官■裁判官

方式審査

実体審査 意

 見

 書

 正

 書

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登録できる場合

登録査定

商標が商品・サービスの特徴を 表したものでないこと。

ポイント1

公益に反する商標でないこと。

ポイント2

他人の登録商標や 有名な商標(ブランド)と、 紛らわしくないこと。

ポイント3

まずは出願内容をチェック!

登録できない場合

拒絶査定

少しだけ審査を体験してみよう!少しだけ審査を体験してみよう!

商標はなに? 指定商品はなに? 出願人はだれ?

提出された商標登録願を 確認します。

商標審査官の業務

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 私は現在、卸・小売や金融、建築などのサービス分野から出願される商標を審査する産業役務という審査室に所属し、担当審査官と審査の処理方針を打ち合わせしながら決裁業務を行っています。 この産業役務審査室を含めた全7つの審査室では、年間 19 万件ほどの多数の商標出願を、審査官が日々1件1件丁寧に、関係法令の下、出願された商標の識別性・類似性などに関して、商取引の実態を十分に調査し、一貫性及び客観性のある判断のもと、最終的に登録の可否を行っています。審査をしていて拒絶の理由を発見しない場合、審査官自身の名前で登録査定を通知するので、その責任は大変重いものです。 また、登録した商標を、テレビ、雑誌、インターネットを通じて、あるいは、街を歩いていて広告などを通して目にすることによって、審査の重要性、やりがいを強く感じることができます。  ところで、商標制度の歴史を振り返ってみますと、明治 17 年6月7日、最初の商標法である「商標条例」の制定から始まり、商標登録第1号は、明治 18 年、京都府の平井祐喜による、膏薬・丸薬の商標です。 また、この頁にも紹介されていますが、明治時代に登録され、現在も皆さんが見たことのあるお酒や調味料に使用している商標が今でも権利存続中であり、その歴史と伝統の重さを感じることができます。 さらに、近年は知的財産権の重要性が増す中で、平成 27 年からは、音、色彩、動き、位置、ホログラムといった新しいタイプの商標が保護対象として追加され、商標審査の内容も多様化し、大きな変化が起きている状況にあります。今後も益々発展していく商標制度の下、商標審査官としての役割は大変重要になってきています。  数年ほど前の採用パンフレットに、“街を歩けば、わたしの仕事にまた会える”という「商標審査官採用キャッチコピー」を載せたことがありますが、商標審査官の仕事は、まさにこのキャッチコピーのように、街を歩いていると、自分の行った仕事の成果に目や耳を通して触れることのできる魅力のある職業だと思っています。 今まさに就職活動をしている皆さん、 あるいは、このパンフレットを手にとって、これから将来の仕事を探そうと考えている皆さん、このようなやりがいと魅力があって、大きく言えば我が国の産業の発展に貢献することができる重要な職務、そして何より仕事の結果が目に見える形になる商標審査官を目指してみませんか?  多くの方々が、商標について関心を持ち、商標審査官を目指してくださることを期待しています。

H9.4  商標(食品)H12.4  電子計算機業務課H13.4  情報システム課H14.4  商標(機械)H15.7  (財)日本特許情報機構H17.7  商標(化学)H19.7  審判(第38部門)H20.4  審判(第37部門)H21.1  審判課審判企画室H22.4  審判(第38部門)H22.10 商標課(人事・研修・予備調     査業務担当)H25.1 商標上席審査官(食品)H26.4  商標先任上席審査官     (雑貨繊維)H27.1  商標主任上席審査官     (産業役務)H28.1  商標審査室長(食品)H30.4  商標審査監理官     (国際商標登録出願)H31.1  商標上席審査長(産業役務)

商標審査業務を担う専門家として

齋藤 貴博 (昭和58年入庁)

商標審査官の業務(審査業務)

商標登録第1号指定商品「膏薬,丸薬」出願年月日:明治17年 10月1日登録年月日:明治18年 6月2日

※現在、権利は存続していません。

 登録制度による保護は明治17年(1884年)6月7日に制定された「商標条例」が始まりで、その後改正を重ね、現在の商標法に至っています。

京都府の売薬業者・平井祐喜による商標。 誤って庖丁で指を切ってしまった人の絵です。

平井の軟膏を塗れば怪我が治る、というアピール!?

これが登録第1号!! 明治時代に登録され、現在も権利存続中。皆さんもご存知の歴史と伝統ある商標です。

権利者 キッコーマン株式会社商標登録第50131号

指定商品「しょうゆ,ソース,食酢」出願年月日:明治44年 8月15日登録年月日:明治45年 1月19日

権利者 キリン株式会社商標登録第30680号

指定商品「ビール」出願年月日:明治40年 6月21日登録年月日:明治40年 9月30日

歴 史 あ る 商 標 制 度

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入庁

審査

審査官

行政事務行政事務

官補

新人紹介p31

商標に関する様々なフィールドで活躍することができるそれが 商標審査官 です

審査業務

「審査業務」と「行政事務」 商標審査官のベースとなる業務は商標審査です。 しかし、「審査官」といっても「審査」の仕事だけをしている訳ではありません。商標審査官として培った知識や経験などの専門性をいかして、企画立案業務、法律改正業務、国際業務など、商標に関する様々な「行政」分野に携わって働いています。  このように「審査業務」と「行政事務」を両輪とする「商標行政」全体の中心となって活躍しているのが「商標審査官」です。 行政事務を行う際には、商標審査部門から離れ、商標課、秘書課、総務課、企画調査課、普及支援課、国際協力課や他省庁などで業務を行います。

商標審査官の業務

審査官補渡邊 真梨

p13

研修制度佐藤 純也

p22

国際業務寺澤 鞠子

p18

他省庁出向石戸 拓郎

p19

海外留学鈴木 駿也

p22

11

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商標審査官の業務

審判官

管理職

審査長

審査官滝口 裕子

p14

制度改正業務林田 悠子

p16

上席審査長齋藤 貴博

p10

商標課長高野 和行

p3

他省庁出向中島 光

p20

国際機関出向大塚 正俊

p20

審判官阿曾 裕樹

p23

12

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一人前の審査官を目指して、勉強の日々 商標権は、事業者のブランド構築において重要な役割を担う一方で、安易に商標権を付与することは、同業他社や消費者の経済活動を阻害するおそれもあります。特許庁の業務説明会に参加した際、私たちの生活に大きな影響を及ぼす商標を専門分野とした仕事に魅力を感じ、商標審査官を志望しました。 商標の審査においては、商標法やその関係法規、商標審査基準等に基づき、指定商品・役務の取引の実情を踏まえて、登録の可否を判断します。そのため、商標に関する専門的な知識はもちろんのこと、社会一般における様々な物事に関心を持ち、効率的に調査を行う能力も求められます。私が所属する一般役務審査室では、飲食・美容・教育等の分野におけるサービスに使用される商標の審査を行っていますが、商標に関する専門知識のない出願人の方にも理解していただけるよう、判断の根拠となる条文や取引の実情を、分かりやすい文章で説明できるように心掛けています。また、審査官の判断が、行政庁の判断として社会に影響を与えるため、過去の登録例や審決・判決例と整合性の取れた判断をすることも、審査の難しさの一つです。 このように、審査の難しさや奥深さを実感する毎日ですが、指導審査官をはじめとする上司や先輩方が、豊富な知識やノウハウを伝授してくださるため、日々成長を実感しながら審査に取り組むことができます。 そして、審査の経験を積んだ後は、より良い商標制度の構築のため、制度の企画立案や法改正、国際業務等に携わる機会もあります。私自身も、多方面で活躍される先輩審査官の後に続くことができるよう、自己研鑽を重ねたいと思います。 商標審査官は、仕事内容が魅力的なだけでなく、そこで働く審査官も優しく素敵な方ばかりです。皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしています。

様々な経験を糧に、新たな分野に挑戦 私は、雑貨繊維分野の新しいタイプの商標の審査を担当しています。新しいタイプの商標とは、色彩のみからなる商標、音商標、位置商標など今まで保護されてこなかった特殊な商標ですので、通常の商標とは異なる審査基準があり、一つ一つ慎重に審査をする必要があります。事例も少ないので、検討チームや同僚と意見を交わしたり、上司と相談しながら行っています。ファッション関連で出願の多い位置商標の審査をしたおかげで、服や靴のパーツ名などの「標章を付する位置」の呼び名にも詳しくなりました。 一方、色彩のみからなる商標の審査にはとても苦労しています。色彩は、誰でも親しみやすいものですが、簡単にいうとその色彩がどこのブランド(商標)か分かるくらい知られていることを証明するため、出願人から多くの資料が提出されます。提出する方も審査する方も大変なのですが、苦労もあるからこそ、商標審査官の仕事は、達成感のある仕事だと実感しています。 普段は、通常の商標審査と審査官補の指導審査官もしています。商標審査の特色として、商標法の法律的知識に加え、日常の雑学的知識も求められることがあります。つまり、日頃からいろいろとアクティブに過ごしていればそれも仕事に役に立つということです。審査官補には、誰もが着実に経験を積み、どのような案件でも自信をもって判断できる審査官になってもらいたいとの思いで教えています。審査官に一歩ずつ近づいていく姿をみるのは、指導審査官の醍醐味です。 何ごとにも知的好奇心をもって取り組める方は、商標審査官に向いていると思います。是非、特許庁に足を運んでみてください。

福田 洋子 (平成8年入庁)

渡邊 真梨 (平成31年入庁)

H31.4 商標(一般役務)

H12.4 商標(食品)H15.4 商標(役務)H15.10 総務課工業所有権制度改正審議室H18.7 海外語学派遣研修H19.7 企画調査課H20.4 商標(一般役務)H21.8 商標(国際商標登録出願)H23.2 商標(食品)H24.5 育休H26.10 審判(第35部門)H29.4 商標(雑貨繊維)

商標審査官の業務(審査業務)

商標審査業務

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商標審査官の業務(審査業務・行政事務)

多様な働き方に寄り添う職場 「働き方改革実行計画」が平成 29 年にまとめられ、ワンオペ育児が問題となるなど、将来の働き方について考えさせられた人も多いのではないでしょうか? 私は、育児時間、フレックスタイム、テレワーク(在宅勤務)の三種類の制度を使いながら、仕事と育児家事の両立を図っています。各種制度を利用できる環境は本当に有り難いと思いますし、恵まれた環境にあると実感しています。職場には出産後も仕事を続けている先輩、同僚がたくさんいるので、仕事だけでなく育児に悩む時も相談に乗ってもらい、精神的に救われることが多々あります。いつも温かく支えてくれる職場の方々には感謝の気持ちでいっぱいです。 また、育児で時間的制約がある中でも、様々な仕事にチャレンジし、スキルアップを図る機会があることは魅力的であると感じます。私は今、新しいタイプの商標の審査を担当しています。新しいタイプの商標は、平成 27 年 4 月に施行されたばかりの制度であるため、審査の前例が少なく悩むことも多いですが、審査長や他審査室のチームメンバーとコミュニケーションを密に取りながら審査を進めています。自分が登録した案件が新聞やテレビで取り上げられた経験もあり、やりがいを感じると同時に身の引き締まる思いがします。 長い社会人生活の間には、仕事上の責任以外にも、子育て、介護等、様々な責任を担う時期があるかと思います。ここは、人生の各段階に応じて多様な生き方に寄り添ってくれる職場だと感じています。まずは業務説明会に足を運んでみてください。職場の雰囲気の良さが伝わってくるのではないかと思います。

商標審査官の立場から考えるシステム開発 現在、私は商標に関するシステム関係の業務を行っています。 商標の審査とシステム関係の業務が結びつかない方も多いとは思いますが、商標の審査をするにあたり、迅速かつ効率的な審査業務を行うため、システムによるサポートは欠かせません。 主な仕事内容は、システムを使用するユーザーである商標審査官と、民間のシステム開発業者との間で、システム開発要望や課題に対する解決策をどのように進めていくのかといった調整作業や、システム開発の進捗管理、システム開発要望のための事務手続作業です。(自らプログラミングをするわけではありません。) 今まで商標審査官として使っていたシステムを、どのようにしたらより使いやすくなるのか、これまでの審査経験から、ユーザーである商標審査官の視点を踏まえて、関係者とシステム開発を進めていくことができる、とてもやりがいのある仕事です。また、商標審査官の立場からシステムを、システムの立場から商標審査をといったように、両方の立場から、一連の業務のつながり、重要性等を考えながら、仕事を進めていくことができる点も、この業務の魅力の一つだと感じています。 なお、システムというと難しい専門的な用語が多く飛び交うイメージもあると思いますが、不安な方でも、いろいろなシステム研修が用意されており、受講しやすい環境も整っているため、安心して業務に取り組んでいただけると思います。 このパンフレットを見て、「商標審査官」という仕事に少しでも興味を持っていただければ嬉しいです。皆さんと一緒に仕事ができる日を楽しみにしております。

大房 真弓 (平成20年入庁)

滝口 裕子 (平成15年入庁)

H19.4 商標(役務)H21.7 商標課商標審査機械化調整室H23.7 商標(食品)H24.8 産休・育休 H26.11 商標(機械)H30.4 商標(産業役務)

H20.4 商標(機械)H23.4 商標(産業役務)H24.10 商標課商標国際分類室H26.10 商標(産業役務)H28.4 商標(国際商標登録出願)H29.7 総務課情報技術統括室

商標審査を支える仕事

一人前の審査官を目指して、勉強の日々 商標権は、事業者のブランド構築において重要な役割を担う一方で、安易に商標権を付与することは、同業他社や消費者の経済活動を阻害するおそれもあります。特許庁の業務説明会に参加した際、私たちの生活に大きな影響を及ぼす商標を専門分野とした仕事に魅力を感じ、商標審査官を志望しました。 商標の審査においては、商標法やその関係法規、商標審査基準等に基づき、指定商品・役務の取引の実情を踏まえて、登録の可否を判断します。そのため、商標に関する専門的な知識はもちろんのこと、社会一般における様々な物事に関心を持ち、効率的に調査を行う能力も求められます。私が所属する一般役務審査室では、飲食・美容・教育等の分野におけるサービスに使用される商標の審査を行っていますが、商標に関する専門知識のない出願人の方にも理解していただけるよう、判断の根拠となる条文や取引の実情を、分かりやすい文章で説明できるように心掛けています。また、審査官の判断が、行政庁の判断として社会に影響を与えるため、過去の登録例や審決・判決例と整合性の取れた判断をすることも、審査の難しさの一つです。 このように、審査の難しさや奥深さを実感する毎日ですが、指導審査官をはじめとする上司や先輩方が、豊富な知識やノウハウを伝授してくださるため、日々成長を実感しながら審査に取り組むことができます。 そして、審査の経験を積んだ後は、より良い商標制度の構築のため、制度の企画立案や法改正、国際業務等に携わる機会もあります。私自身も、多方面で活躍される先輩審査官の後に続くことができるよう、自己研鑽を重ねたいと思います。 商標審査官は、仕事内容が魅力的なだけでなく、そこで働く審査官も優しく素敵な方ばかりです。皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしています。

様々な経験を糧に、新たな分野に挑戦 私は、雑貨繊維分野の新しいタイプの商標の審査を担当しています。新しいタイプの商標とは、色彩のみからなる商標、音商標、位置商標など今まで保護されてこなかった特殊な商標ですので、通常の商標とは異なる審査基準があり、一つ一つ慎重に審査をする必要があります。事例も少ないので、検討チームや同僚と意見を交わしたり、上司と相談しながら行っています。ファッション関連で出願の多い位置商標の審査をしたおかげで、服や靴のパーツ名などの「標章を付する位置」の呼び名にも詳しくなりました。 一方、色彩のみからなる商標の審査にはとても苦労しています。色彩は、誰でも親しみやすいものですが、簡単にいうとその色彩がどこのブランド(商標)か分かるくらい知られていることを証明するため、出願人から多くの資料が提出されます。提出する方も審査する方も大変なのですが、苦労もあるからこそ、商標審査官の仕事は、達成感のある仕事だと実感しています。 普段は、通常の商標審査と審査官補の指導審査官もしています。商標審査の特色として、商標法の法律的知識に加え、日常の雑学的知識も求められることがあります。つまり、日頃からいろいろとアクティブに過ごしていればそれも仕事に役に立つということです。審査官補には、誰もが着実に経験を積み、どのような案件でも自信をもって判断できる審査官になってもらいたいとの思いで教えています。審査官に一歩ずつ近づいていく姿をみるのは、指導審査官の醍醐味です。 何ごとにも知的好奇心をもって取り組める方は、商標審査官に向いていると思います。是非、特許庁に足を運んでみてください。

福田 洋子 (平成8年入庁)

渡邊 真梨 (平成31年入庁)

H31.4 商標(一般役務)

H12.4 商標(食品)H15.4 商標(役務)H15.10 総務課工業所有権制度改正審議室H18.7 海外語学派遣研修H19.7 企画調査課H20.4 商標(一般役務)H21.8 商標(国際商標登録出願)H23.2 商標(食品)H24.5 育休H26.10 審判(第35部門)H29.4 商標(雑貨繊維)

商標審査官の業務(審査業務)

商標審査業務

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 商標法をはじめとした産業財産権制度や審査基準は、時代の変化やユーザーのニーズに応じて見直しや改正が必要となります。商標審査官は、こうした見直しや検討業務にも、商標のスペシャリストとして携わります。

商標制度の改正 商標行政を担う部署では、産業財産権制度における商標制度についてのニーズや課題を調査し、より良い制度の実現を目指して検討を進めています。 これまでも、地域団体商標や著名商標の保護など、商標保護に関する様々なニーズに応じて商標制度の在り方の検討や見直しを行ってきました。 最近では、「音」や「動き」などの新しいタイプの商標を保護対象に追加する法改正を行いました。

審査基準の改訂 商標審査基準は、「商標法」における審査に関する規定を適用する際の一般的な指針をまとめたものです。特許庁では、審査基準を策定・公開することにより、審査が適切かつ公平に行われるよう担保するとともに、有識者やユーザー等からの意見を踏まえた改訂も行っています。

商標審査官の業務(行政事務)

時代のニーズに合わせた制度作り

権利者 株式会社ワコール商標登録第5804316号指定商品「被服 他」出願年月日:平成27年4月1日登録年月日:平成27年11月6日

商標には、文字商標、図形商標、立体商標、これらの結合商標などのタイプがありますが、特許法等の一部を改正する法律(平成26年5月14日法律第36号)により、商標法が改正され、

「動き商標」「ホログラム商標」「色彩のみからなる商標」「音商標」「位置商標」が、新しいタイプの商標として登録が可能となりました。

平成27年4月1日の出願受付開始から、令和2年3月末までに1,884件の出願があり、そのうち511件が登録になりました。 ※数値には国際商標登録出願を含まない。

権利者 エプソン販売株式会社商標登録第5813496号

新 し い タ イ プ の 商 標

指定商品「インクジェットプリンター用インキ,プリンター 他」出願年月日:平成27年4月1日登録年月日:平成27年12月18日

権利者 株式会社トンボ鉛筆商標登録第5930334号指定商品「消しゴム」出願年月日:平成27年4月1日登録年月日:平成29年3月10日

権利者 株式会社セブンーイレブン・ジャパン商標登録第5933289号指定役務「飲食料品の小売又は卸売の業務において

行われる顧客に対する便益の提供 他」出願年月日:平成27年4月1日登録年月日:平成29年3月17日

色彩のみからなる商標

色彩のみからなる商標

動き商標動き商標 音商標音商標

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商標審査官の業務(行政事務)

地域ブランドの保護による地域活性化を支援 「人口急減」「超高齢化」「東京一極集中」といったネガティブな言葉が飛び交う中、日本の各地域においては、特色ある地域づくりの一環として、地域の工芸品、農林水産物、ご当地グルメといった「地域の名物」を活かすための地域ブランド化の取組が盛んに行われています。 「地域の名物」のブランド力を高めるためには、他の地域のものと差別化を図るとともに、模倣品対策を行うことが重要です。特許庁では、地域ブランドの保護による地域活性化の取組の支援を目的として、14 年前から「地域団体商標制度」を運用しており、2020 年 1 月末時点で 675 件の地域ブランドが地域団体商標として登録されています。「特許庁が地域活性化を支援??」と驚かれた方もいるかもしれませんが、誤解を恐れずに言えば、特許庁が地域活性化の支援に携わることのできる唯一のツール、それが「地域団体商標制度」です。 地域ブランド推進室では、制度説明会の実施、出願検討団体からの個別相談対応、制度周知用パンフレットや冊子の作成、地域団体商標を取得した団体の活動をサポートする事業の実施など、地域団体商標制度の普及啓発と利活用促進に関する様々な業務を実施しています。地方に出張し、団体や関係者の方の生の声を聞く機会も多くありますので、施策を検討する際に自分で集めた「現場」の生の声を踏まえて検討することができるのも地域ブランド推進室の業務の面白さです。 入庁する前はまさか自分が地域活性化に関わる業務に携わることになるとは思いもしませんでしたが、時代のニーズとともに特許庁の業務も変わりますので、皆さんが入庁する頃にはまた新たな業務が誕生しているかもしれません。どのような種類の業務においても商標という専門分野を軸に自信を持って取り組むことができるのも商標審査官の魅力だと思います。

時代の変化に即したより魅力的な商標制度に 商標制度は何のためにあるのでしょうか。商標法第1条には、「この法律は、商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを目的とする。」と規定されています。産業の発達に寄与するためには、商標制度が時代の変化に即しているか、ユーザーにとって使いやすいものになっているか、不断の見直しが必要です。 私は現在、商標制度企画室で、商標制度が産業の発達に寄与する、より魅力的なものとなるよう、日々業務に取り組んでいます。 具体的には、制度改正に関する業務として、諸外国の制度や国内外のユーザーニーズの調査、見直しが必要な項目の検討、有識者会議に向けた資料や改正条文案の作成などを行っています。制度改正に伴うシステム改造や手続・審査運用の変更についても、関係部署と連携を図りながら対応を進めます。 このような国内法令の改正に加えて、各国・地域との経済連携協定の交渉にあたり、商標に関する条文案を検討するという業務もあります。我が国の企業が海外でより活動しやすい環境となるよう意識しながら、国内法との整合性を入念にチェックします。商標の国際登録に関するマドリッド制度についても、WIPO 本部での会合に参加し、各締約国の代表とともに、より使いやすい制度とするための議論を行っています。 日々の業務では、これまでの審査の経験(マドリッド制度に基づく海外からの出願や、音商標、位置商標といった新しいタイプの商標の審査等)が大いに役立っています。商標審査官としての自分の知識や経験を生かしながら、関係者と力を合わせ、制度をより魅力的なものにしていくことは、とてもやりがいがあります。

渡辺 航平 (平成22年入庁)

H22.4 商標(化学)H25.4 商標(国際商標登録出願)H26.7 商標課商標制度企画室H28.7 商標(国際商標登録出願)H29.4 普及支援課産業財産権専門官 商標課地域ブランド推進室H30.8 育休H30.9 普及支援課産業財産権専門官 商標課地域ブランド推進室

林田 悠子 (平成14年入庁)

H18.4 商標(化学)H20.7 商標課企画調査班H22.4 商標(機械)H22.7 海外大学派遣研修 (ロンドン大学クイーンメアリー校)H23.7 商標(国際商標登録出願)H24.4 商標課商標企画専門官H26.4 商標(国際商標登録出願)H28.4 商標(一般役務)H29.5 育休H30.7 商標課商標制度企画室

「地域団体商標マーク」平成30年に策定され、商品の更なるPRや

模倣品の流通防止に役立てられる。

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商標審査官の業務(行政事務)

国際的な協力と商標制度の調和に向けて インターネットの普及や経済のグローバル化が進み、日本の企業の経済活動は日本国内だけではなく海外でも行われるようになりました。それに伴い、商標の役割も国際的になっています。 一方、商標制度は、その国の歴史、文化、経済状況などに合わせて、国ごとにそれぞれ多少異なった制度になっています。また、途上国などでは、商標制度が十分に整備されていない国もあります。 このような各国の商標制度やその運用について、国連の一機関である世界知的所有権機関(WIPO)における会議や、商標五庁(日本国特許庁、米国特許商標庁、欧州連合知的財産庁、韓国特許庁、中国国家知識産権局)の会合の場において、制度・運用の調和に向けた議論が盛んに行われています。私たち特許庁は、このような議論をリードし、また、商標制度の整備に向けた途上国への各種支援も行っています。

世界に向けて簡便に商標出願ができる制度「マドリッド協定議定書」 外国で商標権を取得するためには、その国に直接出願する方法と、マドリッド協定議定書という条約に基づいて出願する方法があります。 直接出願する場合は、国ごとにその国の法律に従い、その国の定める言語によって書類を作成し出願する必要があります。 一方、マドリッド協定議定書に基づく出願は、統一された様式で一つの言語(英語、フランス語又はスペイン語。日本国特許庁を本国官庁とする場合には英語。)により書類を作成すれば、一度に複数の国に対して出願ができます。

世界知的所有権機関(WIPO)

スイス・ジュネーブ

途上国への支援

世界知的所有権機関(WIPO) 知的財産保護の国際的な促進及び 知的財産に関する条約の管理・運営

日本、米国、欧州、韓国、中国が商標五庁会合(TM5)を実施

マドリッド協定議定書

グローバルに展開する商標制度

通報 世界知的所有権機関(WIPO)

出願 出願書類日本国特許庁

世界知的所有権機関

日本国特許庁

欧州連合知的財産庁

米国特許商標庁

韓国特許庁

中国国家知識産権局

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国際的な視点で商標制度を考える 私は、現在、商標審査業務を離れ、国際協力課という部署で商標に関する国際業務を担当しています。 主な業務内容は、海外特許庁とのやり取りなど、国際的な場面における特許庁商標部門としての窓口をイメージしてもらうと分かりやすいと思います。そのため、海外特許庁などと直接メールなどで連絡を取り合う毎日です。ただし、窓口としての業務だけでなく、国際会合のための資料作成、国際的な場面で商標が話題になる際の対処方針の検討や、会合開催のための調整など、業務内容は多岐に渡ります。 最近は、国際会合も充実しており、商標という大きなテーマのもと、各国の商標制度、審査実務などについて、二国間・複数国間で議論する場面も増えているので、日本の制度だけでなく、各国の制度についても触れる機会が多く、大変興味深く勉強になっています。日本の商標制度をさらに発展させていくためには、国際的な視点で考えることが必須なので、国際的な側面から日本の商標制度発展に携わることができることに、楽しさと同時にやりがいを感じています。 商標審査官には、審査業務だけではなく、商標行政という専門的なフィールドにおいても、活躍できる機会があり、また、そういった業務を通して、商標審査官以外の専門性を持った庁内外の多くの人達と仕事をすることができることも大きな魅力の一つだと感じています。

専門性を軸に国際業務にも携わる  私は現在、商標に関する国際業務を担当しています。特許庁は、商標が諸外国で適切に保護・活用される環境を整備することで、企業のグローバルな経済活動を支援することを目的として、国際事業にも積極的に取り組んでいます。そのため、年間を通じて様々な国際会議・条約交渉が予定されています。また、海外知財庁の商標審査官を受け入れ、日本の商標制度を紹介する研修も実施しています。 具体的な業務内容は、これら会合に向けた対処方針・条文案の検討や会議資料の作成、研修講師などですが、これらの用務のため自ら海外出張する機会もあります。また、日本で開催する場合には、会合の企画・運営も行います。 国際業務の対応には、目標の達成に向けて、海外知財庁・国内関係部署の双方と入念な調整・準備を要します。特に海外知財庁相手では、文化の相違や突発的事情から想定通りにいかないことも多くあります。また、会議等では、英語でやりとりする場面も多く、苦戦することも少なくありません。しかし、そのたびに同僚と戦略を練ったり、海外知財庁と協力することで、ユーザーに裨益する調和的な商標制度を作っていけることは、国家公務員ならではの醍醐味であり、無事に任務が終了したときの達成感もひとしおです。 商標審査官には、このように、商標という専門性を軸として、グローバルに働く機会もあります。私自身は、2年前にスペインで行われた欧州連合知的財産庁が主催するセミナーに参加し、また、英語研修を受講するなど、若手のうちからこうした様々なチャンスを与えてもらえる環境も、特許庁の良さ・強みだと思います。 皆さんが商標審査官に興味を持ってくださり、将来一緒に働けたらとても嬉しいです。そのときを楽しみにしています。

吉澤 拓也 (平成19年入庁)

H19.4 商標(役務)H22.4 商標(国際商標登録出願)H24.4 国際課模倣品対策班H26.7 商標(国際商標登録出願)H27.7 財務省東京税関    総括知的財産調査官H29.7 海外大学派遣研修    (サンタクララ大学ロースクール)H30.7 商標(一般役務)H30.10 国際協力課商標政策班

寺澤 鞠子 (平成26年入庁)

H26.4 商標(産業役務)H29.4 商標(化学)H30.7 商標課商標制度企画室

商標審査官の業務(行政事務)

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地方での知財行政の担い手として 現在、私は経済産業省の地方支分部局(地方の出先機関)の1つである九州経済産業局の知的財産室というところで業務を行っています。 地方の出先機関としての九州経済産業局は、経済産業省の業務を分掌する機関として、いわば「ミニ経済産業省」として九州地域の特性、産業構造に即した経済産業行政を行う機関であり、知的財産室も出願の受理や審査は行いませんが、九州地域に寄り添った知的財産行政を行う「ミニ特許庁」として幅広い知的財産に関する業務に携わっています。 商標審査官として採用され、入庁以降は商標の審査業務が業務経験の大半を占める私にとって、審査業務以外の行政事務に携わることはとても良い経験になっています。 具体的な日々の業務としては、例えば、知財を知らない中小企業や団体等に対して知財制度の普及・啓発を行ったり、知的財産権を取得はしているものの活用が不十分な者に対しては事業活動のなかでしっかり知財を活用してビジネスがうまくいくよう支援を行ったり、補助金の活用を検討したりしています。 これら日々の業務は、行政官としてのスキルを大きく向上させるとともに、商標審査以外の特許に関することや、支援施策制度全般に関することといった特許庁職員としての成長にもつながっています。そして、制度の普及・啓発や知的財産権取得後の活用促進は、審査業務で深く関わる“出願 ⇒ 審査 ⇒ 登録”の前後をなす部分であり、今後の審査業務にも生かせるものと実感しています。 私は九州にゆかりがなく、初めて九州で生活をしており、業務の中で九州の経済状況や産業構造を学ぶとともに、地域ブランドにもつながる九州の食や観光にも多く触れ、見聞を広めています。商標審査官としての専門性を軸に、地方でも活躍できる機会があることは、商標審査官の魅力の1つだと思います。

他省庁にも広がる商標審査官の活躍の場 農林水産省に出向し、地理的表示(GI)保護制度に関する業務の取りまとめ担当の課長補佐として働いています。 「地理的表示」(GI : Geographical Indication)とは、地域に根付いた伝統的な農林水産物・飲食料品等のブランド名称を保護することを目的とした知的財産制度です。ブランドの保護という観点では商標とも親和性の高い制度ということができますが、TRIPS協定においては商標とは別個の概念として位置づけられており、法的な保護の形態やエンフォースメントの主体など、様々な部分で、GI にしかない制度思想を見ることができます。 実は、我が国におけるGI制度の発足は2015年(平成27年)とまだ日が浅く、そのため、制度の運営、特に審査に当たっては、商標のように先人により積み重ねられた審判決例などに知恵を借りることができません。日々、試行錯誤しながら制度を運営しているというのが実態ですが、このような苦労も、制度の草創期だからこそ感じられる貴重な経験なのかもしれません。また、そのような状況において、特許庁の審査官としてこれまで得た経験・ノウハウ・人脈は想像以上に役立つものです。 商標審査官の活躍の舞台は何も特許庁に限られるものではありません。ぜひ様々な舞台で経験を積み、知財制度全体の発展に結びつけていただければと思います。

石戸 拓郎 (平成19年入庁)

H24.4 商標(雑貨繊維)H27.4 商標(国際商標登録出願)H28.10 商標課企画調査班H30.4 九州経済産業局知的財産室

H19.4 商標(繊維)H20.4 商標(雑貨繊維)H22.4 商標(機械)H23.12 商標課地域団体商標・小売等役務    商標推進室H24.4 内閣府原子力災害対策本部 原子力被災者生活支援チームH24.6 経済産業省情報通信機器課H26.10 秘書課H28.7 海外大学派遣研修    (ミネソタ大学ロースクール)H29.7 商標(国際商標登録出願)H29.11 農林水産省知的財産課

神前 博斗 (平成24年入庁)

商標審査官の業務(庁外で活躍する先輩たち)

特許庁外にまで広がる活躍の場

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商標審査官の業務(庁外で活躍する先輩たち)

国連の専門機関の一員として 私は、2018 年 8 月より、スイス・ジュネーブに本部を置く世界知的所有権機関(WIPO)に出向しています。WIPO は、バランスのとれた利用しやすい国際的な知的財産権制度の発展を担当する国連の専門機関であり、私はその機関の中で商標の国際登録制度であるマドリッド制度を管理・運営する部署に所属しています。 主な業務としては、マドリッド制度に関する情報発信、制度の利用促進やユーザーサポート等を担当しています。現在、世界 122 か国がこの条約に加盟しており、それらの国々の官庁やユーザーに対して、制度利用の働きかけや支援を行っています。日本政府は知的財産分野における途上国・新興国への国際協力・技術支援を目的とした拠出金(ファンド)を支出しているため、当該ファンドに基づく事業(セミナーやトレーニングワークショップ等)を計画・実行する任務も担っています。セミナー等のスピーカーとして世界各国に飛び回ることも多く、忙しくも非常に充実した日々を送っています。 入庁して約 20 年の間に様々な業務に携わりましたが、それらの経験を通じて組織に成長させてもらったなと実感しています。それぞれの部署で経験してきた業務で、常に学び考えるチャンスを与えてもらいました。また、特許庁は部下の意見にも積極的に耳を傾け、自由闊達な議論を行える雰囲気があります。人間的な魅力にあふれる方々と働きつつ、常に柔軟性を持ちながら個人の能力を高めていける点は、特許庁で働く上での大きな魅力です。 商標審査官といっても審査業務以外にも様々な活躍の場があり、私のように国際機関に派遣されるチャンスもあります。商標という専門性を軸に、多様な業務を経験することができるのが商標審査官の醍醐味だと思います。

ブラジルと日本の橋渡しを担う こんにちは!皆さんは「総領事館」をご存じですか? 総領事館は世界の主要な都市に置かれ、その地域の在留邦人の保護、政治・経済その他の情報の収集、日本の広報活動等を行うところです。大使館や総領事館等(在外公館といいます)は外務省に属していますが、実は世界中の在外公館で様々な省庁の出身者が、それぞれの得意分野を生かして外交活動を行っています。 私は現在、ブラジルの在リオデジャネイロ日本国総領事館で経済担当をしています。具体的には、現地の経済情勢に関する情報の収集・分析(私は主に石油・天然ガス、鉄鉱石等の資源ビジネスに関する動向・各種規制状況の調査等)、日本企業への支援(情報提供、関係機関への働きかけ)、病院や慈善団体に対する無償の資金援助を行っています。また、商標審査官のバックグラウンドを生かし、リオデジャネイロにあるブラジル産業財産権庁や世界知的所有権機関のブラジルオフィスと連絡を取り合い、彼らとの間で知財情勢についての意見交換や情報収集、政府間交渉の事前折衝等も行っています。 近年では情報通信ネットワークのグローバル化が進み、他国のメディアにも容易にアクセスすることができる世の中となりましたが、だからこそ、外交官であることを生かして実際に現地で活動している人々と接し、彼らの考え方や生の声を他国に先んじて日本へ届けることが、本国での意思決定において重要な役割を果たしていると日々の業務を通じて実感しています。 特許庁で得ることができる知財の知識や経験は世界で通用します。これを読んでいる皆さんが、近い将来、商標審査官として様々なフィールドで活躍する日を心待ちにしています。Até mais, tchau!

中島 光 (平成18年入庁)

H21.4 商標(一般役務)H23.4 商標(機械)H25.10 九州経済産業局特許室H27.10 商標(産業役務) 普及支援課産業財産権専門官H29.4 工業所有権情報・研修館 知財戦略部H30.4 商標(食品)H31.4 商標(国際商標登録出願)R1.6 外務省(在リオデジャネイロ 日本国総領事館)

大塚 正俊 (平成14年入庁)

H19.4 商標(機械)H21.7 海外大学派遣研修 (米国ワシントン大学)H22.7 総務課工業所有権制度 改正審議室H24.7 商標(国際商標登録出願)H25.7 世界知的所有権機関 (WIPO日本事務所) H28.1 商標課品質管理班H30.8 世界知的所有権機関 (WIPO本部)

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まずは「審査官補コース研修」から 特許庁に採用されると、まず「審査官補コース研修」を受講します。この3か月間の研修で商標審査の基本を学びます。その後、「審査官コース研修(前期・後期)」を受講します。 これらの研修の傍ら、審査官補として先輩の審査官の指導を受け、実際に審査の仕事を行います。審査の経験を積み、かつ、研修を修了すると、入庁から原則4年後に「審査官」に昇任します。「審査官」になると、先輩の審査官から独立し、自分の判断で審査を行います。自分で判断すると言っても、難しい案件については、同僚や先輩に気軽に相談できます。 その後、更に経験を積むと、「審判官」、「管理職」へと昇任していきます。 同僚と勉強会をしている商標審査官補たち 

指導審査官による実務指導

入庁後、商標審査官補の期間(原則4年)は、実務経験豊富な指導審査官による指導を受けながら審査を行います。

 商標に関する法律や制度についての知識がほとんどなく、不安を抱えて入庁しましたが、中尾さんが私の能力に応じて的確かつ丁寧なアドバイスをしてくださり、当初の不安が払拭され、確実に能力が向上していると感じます。また、審査実務以外でも、特許庁の施策や商標行政等を教えてくださり、社会における特許庁の役割を実感しています。

佐藤 篤至 (平成30年入庁)

 登録/拒絶の判断や起案文のほか、調査に不足はないか、非効率な調査をしていないかなどもチェックしています。佐藤君を含め審査官補の皆さんには、指導審査官から審査のやり方・考え方を詳細に教わることで、どんな出願にも臨機応変に対応できる力を身につけていってほしいと思います。

中尾 真由美 (平成19年入庁)

キャリアアップと研修

管理職審判官審査官審査官補(原則4年)入庁

局派遣研修

海外大学派遣研修

審査官補コース研修

審査官コース研修(前期・後期)

審査応用能力研修

審判官コース研修

管理者研修

民間企業派遣研修

法律研修

語学研修(英語・第二外国語・短期集中型)

大学派遣聴講

庁内現場実習

税関研修

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Page 23: HW -ù * ç = K % ® H % = · あなたが今見ているその商標、あなたが知っているあの商標は、 ひょっとしたら、100年以上の歴史と伝統のある商標かもしれません。

まずは「審査官補コース研修」から 特許庁に採用されると、まず「審査官補コース研修」を受講します。この3か月間の研修で商標審査の基本を学びます。その後、「審査官コース研修(前期・後期)」を受講します。 これらの研修の傍ら、審査官補として先輩の審査官の指導を受け、実際に審査の仕事を行います。審査の経験を積み、かつ、研修を修了すると、入庁から原則4年後に「審査官」に昇任します。「審査官」になると、先輩の審査官から独立し、自分の判断で審査を行います。自分で判断すると言っても、難しい案件については、同僚や先輩に気軽に相談できます。 その後、更に経験を積むと、「審判官」、「管理職」へと昇任していきます。 同僚と勉強会をしている商標審査官補たち 

指導審査官による実務指導

入庁後、商標審査官補の期間(原則4年)は、実務経験豊富な指導審査官による指導を受けながら審査を行います。

 商標に関する法律や制度についての知識がほとんどなく、不安を抱えて入庁しましたが、中尾さんが私の能力に応じて的確かつ丁寧なアドバイスをしてくださり、当初の不安が払拭され、確実に能力が向上していると感じます。また、審査実務以外でも、特許庁の施策や商標行政等を教えてくださり、社会における特許庁の役割を実感しています。

佐藤 篤至 (平成30年入庁)

 登録/拒絶の判断や起案文のほか、調査に不足はないか、非効率な調査をしていないかなどもチェックしています。佐藤君を含め審査官補の皆さんには、指導審査官から審査のやり方・考え方を詳細に教わることで、どんな出願にも臨機応変に対応できる力を身につけていってほしいと思います。

中尾 真由美 (平成19年入庁)

キャリアアップと研修

管理職審判官審査官審査官補(原則4年)入庁

局派遣研修

海外大学派遣研修

審査官補コース研修

審査官コース研修(前期・後期)

審査応用能力研修

審判官コース研修

管理者研修

民間企業派遣研修

法律研修

語学研修(英語・第二外国語・短期集中型)

大学派遣聴講

庁内現場実習

税関研修

大学派遣聴講について  大学派遣聴講とは、特許庁職員が大学に派遣され、自ら選択した特定分野の科目を聴講する研修です。特許庁で業務を行いながら、大学に通い、学生と同じ講義を受けることができます。 私は、昨年(2019 年)4 月から 1 年間、東京大学法学部で「行政法」及び「民事訴訟法」を受講しました。二つの科目は商標審査・審判や行政庁としての業務に関連が深い内容と言えます。各法の諸概念・構造、各種手続を学び、多くの判例・学説から考察を深める講義は、法律の勉強経験に乏しい私にとって、新鮮さと挑戦しがいがありました。研修を通して審査実務のみからでは得られない視点の獲得に繋がり、より知見を広めたいという意欲醸成のきっかけとなったと感じています。 私の場合は週に 2 日、特許庁から大学に行き、授業を受けてから特許庁に戻るという生活を送るこれまでに無いハードなスケジュールになり、業務の効率化や時間管理の必要性を実感しました。 日々業務改善に取り組み、上司や同じ部署の職員の理解・支援を得て、無事に研修を修了することができました。法律の修得に加え、様々な業務上の気付きを得られる貴重で有意義な経験を積めたと思います。 皆さんも入庁した際には、ぜひ積極的に研修を受講し、知識を深めてみませんか。

加藤 百宇 (平成23年入庁)

H23.4 商標(産業役務)H26.4 商標(機械)H28.7 商標課商標制度企画室H30.7 商標(化学)H30.10 商標課商標国際分類室

審査官補&審査官コース研修について 一人前の商標審査官になるためには、「審査官補コース研修」、「審査官コース研修(前期・後期)」を修了しなければなりません。 入庁してすぐに始まる「審査官補コース研修」では、基礎的な社会人マナー、国家公務員としての倫理、産業財産権法の概要、審査に必要な審査基準などを学びます。初めて学ぶことが大半であり、正直不安に思うところもありましたが、同期の多くが産業財産権法、審査についてゼロからのスタートであるため、共に切磋琢磨していくことができました。 入庁2年目に行われる「審査官コース研修(前期)」では、商標法のみならず、特許法実用新案法 、意匠法、審査に関連する条約、審査実務等について、「審査官補コース研修」よりも更に深い内容を学びます。また、筆記試験があるため、合格するためには多くの自習が必要となり、同期と一緒に勉強し、時には議論を交わすこともありました。研修を終えてみると、自分の知識と審査能力の向上を大いに実感することができました。 この他にも、語学研修や地方経済産業局派遣研修など様々な研修制度が充実し、自分を成長させていくチャンスが多分にある職場ですので、これからも自己研鑽に励んでいきたいです。

佐藤 純也 (平成29年入庁)

H29.4 商標(一般役務)

海外大学派遣研修について 現在、私は米国ワシントン州シアトルにある、ワシントン大学ロースクールに客員研究員として在籍し、米国商標制度について研究しています。 商標出願の審査に必要な知識は、商標審査官補である間に研修と実務を通じて勉強してきました。しかし、商標審査官は、行政官として商標制度の運営・改善にも関わりますから、審査実務とは異なる形で商標制度を見ることになります。そのために、制度への理解をより深めたいと考え、この海外大学派遣研修への参加を希望しました。 日本と米国の商標制度は、似たような目的を持ちながらも、それを達成する手段において異なる点が少なくありません。米国制度の利点・欠点を学ぶことを通じて、日本の制度をどのように動かしていくのかを考えることのできる機会は、将来必ず役に立つものと思います。 大学では、米国のみならず欧州・アジアの学生や、シアトルを本拠地とする企業から、商標に対する様々な考え方を聞くことができ、これも得がたい機会だと感じています。 特許庁が育てる商標の専門家、それが商標審査官です。皆さんも、スペシャリストを目指して一緒に働いてみませんか?

鈴木 駿也 (平成25年入庁)

H25.4 商標(機械)H28.4 商標(国際商標登録出願)H29.4 総務課H30.5 出願課国際意匠・商標出願室H31.4 商標(化学)R1.7 海外大学派遣研修(ワシントン大学)

キャリアアップと研修

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「商標審判官」の仕事 出願人は、審査官の審査結果に不服がある場合、更なる審理を特許庁に対して求めることができます。これを「審判請求」といいます。審判請求されたときに活躍するのが「審判官」です。審判官は、3人(又は5人)で1組の合議体を構成し、審査官の審査結果の可否について審理し、結論を出します。

訴訟の被告として法廷に立つ? 審判官の審理結果について、出願人がなおも不服がある場合には、東京高等裁判所の中にある「知的財産高等裁判所」へ出訴することができ、最終的には「最高裁判所」へ上告することもできます。訴訟になると、担当の審判官は、特許庁長官の「指定代理人」として、法廷に立つことになります。 このような業務を行う「審判官」には、十分な審査経験と、所定の研修の修了など、 より高度の専門性が求められます。

商 標 審 判 官 に つ い て

審判請求 出訴 上告 所判裁高最

所判裁等高産財的知

審判での合議の様子

特許庁審判廷

法理論を実践する最先端の現場 特許庁の「審判官」は、職務内容がそのまま官職名になっていますが、一般の方にとっては仕事の内容はイメージしにくいかと思います。とはいえ、経験を積んだ審査官のキャリアパスでもありますので、皆様の将来の仕事の選択肢として、少し詳しく説明いたします。 まず、特許庁の仕事は、審査官の行う審査で終わりではなく、その審査判断を是正するため、審査の上級審のような位置づけで審判制度が設けられています。この審判制度において事件の審理を担当するのが「審判官」であり、英語では「Administrative Judge」、つまり行政機関である特許庁における裁判官のような職種です。審判事件の審理は、中立性や公平性、客観性を保つため、裁判手続に準じた手続の下で進行・判断(審決)されます。 さらに、審決に不満のある出願人は知財高裁に出訴することが可能ですが、特許庁側が訴えられた場合には、審決の正当性を主張するために、特許庁側の代理人として審判官が出廷することになります。 このように、「審判官」は、裁判官や弁護士のような役割を果たす仕事です。法理論を実践する最先端の現場に身を置き、審理進行のために民訴法を含めた幅広い法律知識も要求されますので、法律に携わる仕事がしたいと思っている方にはピッタリです。知識と経験が日々蓄積され、成長を実感できるはずです。 特許庁は、知財の専門家の育成には大きな実績があります。その実績とは、研修制度や自己研鑽だけでなく、周りの職員からのサポートも大きな役割を担っています。是非一度、どんな人たちが働いているのか特許庁に見学に来てみてください。自分も一緒に仕事をしてみたい!と思ってもらえたら嬉しいですね。 皆様と共に働くことができる日を楽しみにしています。

阿曾 裕樹 (平成11年入庁)

H15.4 商標(役務)H17.10 総務課工業所有権    制度改正審議室H19.8 海外大学派遣研修    (フランクリン・ピアース・ロースクール    現ニューハンプシャー大学法科大学院)H20.12 商標課商標制度企画室H23.4 世界知的所有権機関(WIPO)H25.7 商標(国際商標登録出願)H28.10 審判(第37部門)H30.7 審判部訟務室

審判制度~第一審の重責を担って~

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若手審査官インタビュー入庁2・3年目の若手審査官に、志望動機や職場の雰囲気について聞いてみました!

大岩 優士(平成30年入庁)H30.4 商標(雑貨繊維)

斉藤 康平(平成31年入庁)H31.4 商標(食品)

-本日は、受験生が気になる話題についてざっくばらんにインタビューしていきたいと思います。みなさんどうぞよろしくお願いします。まず初めに、みなさんがなぜ、数ある企業・官公庁の中から特許庁を選んだのか、教えてください。田添 私が商標審査官を志した理由は、高い専門性とそれを活かせる場が幅広いところに魅力を感じたからです。審査業務はもちろんのこと、商標の専門家として国際業務や審判業務など、自身の専門性を発揮できる場が多岐に渡る点に惹かれました。

古里 私も同じです。審査官として職人のような専門性を持つことができ、かつ、商標分野における採用やシステム関係、法整備に関わる仕事まで、本当に幅広い分野に携わることのできる職種は他にない!と思いました。

斉藤 僕は法学部出身なので、法律に

携わる仕事に就きたいという想いを持っていたことから、この仕事に惹かれました。商標の審査において、行政処分の一つである審査を自分の名前で行うことができるというのはとても魅力的でした。

大岩 あとは、説明会に参加した時、様々な経験をされている職員の方々が「事業者と消費者の橋渡し」となる「商標」の仕事について、楽しそうに話をする姿を見て、自分自身もこんなキャリアを歩みたい!と強く感じたことも入庁の決め手になりました。

-みなさん、特許庁に希望を抱いて入庁されたのですね。ちなみに、入庁前と入庁後で感じたギャップはありましたか?斉藤 いい意味で印象は変わりました。何度か説明会には参加していたので、雰囲気の良さは感じていたのですが、入ってみると想像以上にアットホームな職場でした。

田添 本当にそう思います。審査室の方や先輩だけではなく、仕事でなかなか関わる機会がない職員の方々も気さくに話しかけてくださって。とても相談しやすい環境なので、安心して業務に取り組めています。

大岩 僕も入庁前は、商標の審査業務は一人で淡々と審査を進めるイメージを持っていましたが、入庁してみると、自分が説明会で感じていた以上に風通しの良い職場でしたね。例えば、判断に迷う商標の審査を担当した際には、指導してくださる審査官をはじめ、周りの職員の方に相談できる環境が整っ

ていますし、時には熱い議論が行われていて、すごく活気のある職場です!

古里 その通りだと思います。また、一緒に働く方々の年齢層が多様なので、プライベートではあまり関わりの持てない方々と話す機会も多く、自分にはない物の見方や、知識を得ることができ、とても刺激的な毎日を過ごすことができています。

-入庁された後も、良い印象を持たれているようですね。とはいえ、やはり日々の業務は順風満帆というわけにはいかないと思います。審査官として難しさを感じる点はありますか。古里 審査業務で自分の課題だなと思うのは、「想像力が必要」という点です。審査をする際には、自分の視点ではなく、「こういう時は世間の人はこう感じるかもしれない」といった想像を元に、その理由の証拠を集める仕事が多いため、多角的視野を養うことを意識しています。

斉藤:そうですね。僕は特に、2つの商標が

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髙橋 梨理子

若手審査官インタビュー

斉藤 そうですね。僕は特に、2つの商標が似ているか否かの判断をする際に難しさを感じています。先に登録されている他人の商標と似ている商標は登録ができないのですが、「なぜその商標同士が『似ている』と判断したのか」を、客観的かつ説得力を持って説明をすることがなかなか難しいと感じています。指導審査官の先輩と相談をしながら、日々説明のスキルを磨いている最中です。

田添 私は、出願される商標は様々なタイプがあり、とても複雑で、審査が一筋縄でいかないところが難しいなと感じます。

大岩 商標出願をする際には、その商標を使用する商品・サービスを指定する必要がありますが、それがまた奥深い分野でして(笑)。商標だけでなく、指定された商品・サービスについても明確な記載か否かの審査を、専門辞書等を使って行いますが、自分の知識不足を感じる瞬間が多くあります。頭を悩ませることが多い分、日々新しい知識を学んでいる実感があるので、知的好奇心旺盛に業務を行っています!

田添 商品・サービスについての審査は、法律の知識だけでなく、その商品・サービスに関する幅広い知識が求められるので手強いですね。その反面、学んだことがダイレクトに自身の審査経験となって積み上がっていく実感を得やすく、いつも面白さを感じています!

-みなさん、様々な点に難しさを感じつつも、同時に面白さを感じながら業務にあたっているようですね。では次に、みなさんが特に商標審査官のやりがいを感じるときはどんなときですか。田添 自分が審査した商標を、日常生活で発見した時ですね。特に、審査で苦労した商標を以前街で見かけたときは、嬉しくなって商品を思わず購入してしまいました(笑)。仕事の成果を身近な日常生活で感じられるのは、商標審査官ならではだと思います。

大岩 「商標」は、目にしない日はないと言っていい程身近な存在です。だからこそ、メディアに取り上げられ話題になることも多くあります。そんな「商標」の登録の可否を審査する僕たち商標審査官の仕事はまさにここでしかできない仕事であり、自分が審査を担当した商標を街で見かけたときは大きなやりがいを感じますよね。

斉藤 僕がやりがいを感じるのは、仕事を通じて、商標の専門家として一歩一歩着実に成長していることを実感できているところです。また、商標という専門分野を軸にして、法律の改正や国際業務といった仕事にも携われるため、それも大きなやりがいだと思います。

古里 同感です。「こういう商標まで登録することのないように、条文内ではわざわざこういう言い回しをしているのか」「実はこの条文とこの条文は対応関係にあったのか」「商標の世界では、この商品とこの商品は似ている商品として分類されているのか」など、この仕事はいくつもの小さな気づき・学びを毎日のように得る仕事なので、やりがいを感じやすいのかもしれません。

-では最後に、商標審査官を目指して入庁しようか迷っている人に一言お願いします。大岩 商標審査官は、商標の専門家としての軸を持ち、審査業務のみならず、法律改正や国際関連業務など多岐にわたる業務を経験することができます。まさに「ここでしかできない仕事」であって、努力次第で可能性が無限に広がる職場だと実感しています。ぜひ、あなたの知的好奇心を最大限に生かし、一緒に特許庁で働きましょう!お待ちしております!

斉藤 被ってしまいますが(笑)、商標の審査というのはここでしかできな

い!と言う点でとても魅力的だと思います。また社会的な影響力も大きく責任のある仕事です。その一方で、それをサポートしてくれる職場環境が整っており、安心して仕事に取り組むことができる、バランスの取れた組織です。

田添 商標審査官は、商標の専門家・スペシャリストとして、法律の知識だけでなく、様々な分野の知識を身につけることができます。また、審査業務以外にも専門性を活かして行政事務に携わることもできます。職業人生で自分の得意分野をつくりたい!という方にとってはとても魅力的な職場ですよ!

古里 ここは自分次第で何でも挑戦できる場所です。自分で知識や経験を増やしていけばいくほど、商標の専門家という軸を強固にして、あらゆる可能性を追求することのできる商標審査官は、自分がどうなりたいかまだ明確でない人にこそ知ってほしい職種です。

-みなさま本日はありがとうございました。ということで、これを読み切ったそこのあなた、ぜひ特許庁に足を運んでみてください、お待ちしております!

田添 佑奈(平成31年入庁)H31.4 商標(化学)

若手審査官インタビュー

古里 唯(平成30年入庁)H30.4 商標(食品)

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H19.4 商標(役務)H21.6 経済産業省商務情報政策局    文化情報関連産業課H23.7 商標(雑貨繊維)H24.4 商標課企画調査班H26.5 商標(国際商標登録出願)H27.4 官民人事交流H29.4 商標(国際商標登録出願)H29.7 商標課審査推進企画班

H20.4 商標(雑貨繊維)H22.4 商標(一般役務)H23.7 経済産業省商務情報政策局    文化情報関連産業課H25.8 商標(一般役務)H25.9 産休・育休H27.4 商標課品質管理班H28.7 商標(一般役務)H28.8 産休・育休H30.5 商標(機械)

H16.4 商標(食品)H19.4 商標(機械)H19.7 商標課企画調査班H20.7 海外語学派遣研修H21.4 商標(機械)H22.4 外務省(在トリニダード・    トバゴ日本国大使館)H25.4 商標(雑貨繊維)H26.5 育休H26.7 商標課品質管理官    審査業務部審査業務企画官H27.4 商標課商標審査基準室    審査業務部審査業務企画官H28.4 (独)工業所有権情報・研    修館知財人材部H28.10 農林水産省知的財産課H29.11 商標課企画調査班

渡邉 潤(平成15年入庁)

吉沢 恵美子(平成17年入庁)

藤村 浩二(平成12年入庁)

~現在の仕事の内容~吉沢 機械審査室で機械分野の審査をしています。機械分野とざっくばらんに言っても、「ねじ」のような一部品から車、飛行機まで幅広いです。ついこの前は土木機械器具についてひたすら調べていたこともありました(笑)。最近は、コンピュータソフトウェアやアプリケーション関連の出願も多いですね。

渡邉 審査推進企画班で審査官が円滑な審査を行うために、審査運用を見直すべき部分はないか、システム対応をすべき部分はないかといった内部的な検討とともに、対外的には適正な出願を促進できる方策がないかの検討を行っています。審査に関するデータ分析、審査官や他の専門部署との対話を通じてアイデアを練って、それを実行に移すことが主な仕事です。ちょっと意外なものとしては、商標審査の補助ツールとして最近流行りのAI(人工知能)技術を活用できないかという検討も行っています。

藤村 企画調査班で商標課・商標審査部門を含めた「全体調整」と「その他業務」全般を担当しています。予算・定員要

求、国会・マスコミ対応、実施庁目標・審査処理計画の策定等の業務に加え、突発的に生じた課題・問題や苦情への対処に取り組んだりしています。最近は、商標審査行政に変革が求められているところ、新しい取組をどんどん企画・実行していく必要が生じており、おかげさまで大繁盛しています!

~特に印象に残っている仕事~藤村 直近でいうとデザイン経営プロジェクトの業務ですね。ユーザーの行動分析的なヒアリングを基に新たな施策を考えていく取組をしており、その一環で、中小企業の方々や中小企業に近い存在である税理士等にしっかりとヒアリングをさせていただきました。思っていた以上に「生の声」は非常に刺激的でしたね。もちろんこれまでもユーザーの声・ユーザー目線を意識して施策を行ってきましたが、実際にヒアリングで得た情報や感覚を基に自分たちが行っている施策を見直すと、やはり課題が溢れるように見えてきて。現在は、気づいたところからどんどん新たな企画を練ったり、既存の施策を軌道修正したりしています。特許庁全体で「デザイン経営」に取り組んでいるので、業務改善の動きが益々取り組みやすい環境になっていて、非常にやりがいを感じています。他の部署発のプロジェクトにも商標代表として関わらせていただき、充実度はかなり高いです!

渡邉 官民人事交流で、民間企業での業務を経験させていただいたことが、人生経験としても非常に貴重な機会として印象深いです。商標が実際のビジネスの中でどのように役に立っているのか、使われているのかを知ることができて、大変勉強になりました。商標が出願されるまでには想像以上に多くのリソースが割か

れていて、機微な判断・決断がされていることに驚いた記憶があります。一件一件の商標の重みを直接見聞きできたことで、自らの審査を振り返るきっかけにもなり、商標審査官としてさらにステップアップできたと思っています。

吉沢 私は品質管理担当だったときですね。商標課に品質管理担当ができてまだ間もない頃で、「私が審査の品質を管理するなんて、そんな大それたこととんでもない!」って初めは思いましたけど、出願人にアンケートを取って、審査官が発する通知に対する不満や改善点を洗い出して、分析したり、各審査官の審査実務の質が向上するように、マニュアルを作成したり、今までの経歴では経験したことのない新鮮な業務ばかりだったと思います。ひと昔前は「お役所仕事」とか言われて、役所の仕事って利用者の声を顧みないってイメージでしたけど、今はそういう時代ではなくて、民間企業と同じようにサービスの向上や、利用者の視点に立った取組みをしていかないといけないんだなって改めて考えさせられた良い機会になったと思います。

藤村 審査以外の業務を経験することで、見識が広がり考え方が柔軟になっ

中堅審査官座談会

 

商標審査官としてのキャリアを積み、商標行政の舵取りを担う中堅審査官に今までの経験や、家庭と仕事の両立などのお話を伺いました。

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て、再び審査をするときに役立っているなと感じています。

~家庭と仕事の両立~吉沢 私は、①育児のための短時間勤務、②フレックス制度、③テレワーク(在宅勤務)、④看護休暇、⑤月一年休などの、現在行われている制度をフル活用しており、家庭と仕事をばっちり両立できていると自信をもって言えます!

 ①まず、育児のための時短勤務を取得して、毎日定時よりも1時間早く帰宅しています。この制度のおかげで、余裕をもって夕飯作りができるので、子供たちに毎日手作りの夕飯を提供できています。 ②③そして、週に一度テレワーク(在宅勤務)とフレックスを組み合わせて自宅で仕事をしています。通勤時間が無くなる分、フレックスで勤務開始時間を早くして、早めに業務を終了し、夕方にできる空き時間は、病院への通院、自分のリラックスタイムに充てています。ほとんどが自分のリラックスタイムですが、これが、毎日の活力になるので、もう欠かせません(笑)。 ④看護休暇も本当に助かる制度です。子供が二人いて、病気になるときは下の子で3日、上の子で2日と一週間お休みが続くこともあり、年休だけだと間に合わないため、この制度を活用しています。 ⑤月一年休も、子供の保育園行事で休まなければならないとき、気兼ねなく休めるのでありがたいです。

藤村 自分の場合は仕事・家庭だけでなくて、趣味・仕事以外の社会活動を含めた4つかな?どれも大事でどれも最大限充実させたい性格なので、その時々の状況に応じて自分的に最適なワークライフバランスに近づけられるよう意識しています。欲張りなので常に時間が不足気味ですが、充実感を得られる自分なりの最適バランスを実現できているのは、本当にありがたいですね。家族と職場に感謝です。特に、子供が産まれたときに1か月間の育児休業を取得して、しっかり育児できたのは、本当に良かったですね!最近は自分の携帯電話で職場のメールをチェックできるようになるなど、業務改善を図ったものが実を結んできているので、時間の使い方をさらに工夫して、もう少し欲張ったワークライフバランスを目指していきたいと思っています。

渡邉 各種制度が整備されていることはもちろんですが、こうした制度を使いやすくしてくれている周囲の理解とサポート体制があってこそ両立ができるものですよね。私も育児のためにフレックス制度を利用していますが、どうしても勤務時間内に対応できない業務が発生するときもあります。そのような時には、同僚にサポートしてもらうことで助けても

らっています。その恩返しというわけではないですが、勤務時間中は、限られた時間内で成果を上げられるよう、生産性を強く意識して業務に取り組んでいます。

育休育児休業のこと一定期間の休業(子が3歳まで)

月1年休月1回以上の年次休暇取得を促す特

許庁の取組

育児時間勤務時間の始めか終わりの2時間を限度とする休暇(子が未就学まで)

子の看護休暇負傷、疾病にか

かった子の世話等のための休暇

(子が未就学まで)

~商標審査官の魅力~

藤村 理想的なワークライフバランスを考える上でも仕事から充実感を得られるということが一番大事だと思っていますが、その点商標審査官は大きなアドバンテージを持っていると思います。「商標」という軸を持って専門性を追求できるので、目の前の業務のひとつひとつが、自分の身となっていくのを強く実感することができるという魅力があります。しかも、「商標」をめぐる状況はどんどん変化していますので、常に走り続けていかなければいけないですし。職場の雰囲気も、自分のアイデアを提案・実現したりしやすい雰囲気があるので、そういう点でも充実感が半端ないです!

吉沢 たくさんありますが、今あえて言うのなら、「仕事の裁量度」ですね!商標審査官は、他の行政官と比べて一人一人が専門家で、一件一件、出願を自分のペースで調査、判断して自己完結することができるので、家庭のことを考えて仕事の配分をうまく調整できるところが、本当にありがたいです。子供が5歳と2歳で手がかかる時期ですので、仕事を言い訳にせず、仕事にも育児にも全力投球できるところが魅力です。このような職業、なかなか無いと思います。それから、商標の出願は世相を映す鏡のようなものですので、新しい商標や新しい商品

に出会って、商品やサービスが世に出る後押しができるのも魅力的!自分は商品開発に携わっていませんが、その商標を登録すると、自分も開発者の一人になったような気分になったりして(笑)。今後、「これは秀逸!お見事!」って思える商標や「これすごい!画期的!」って思える商品・サービスに巡り合えるのが楽しみです。

渡邉 商標審査官の仕事は、出願人のビジネスプランに大きな影響を及ぼします。責任重大ですが、一件一件の審査がビジネスのお手伝いになっているので、やり甲斐は特大です。OJTでしっかり勉強して一人前の審査官になれば、入庁して3~4年後から、このような重要な仕事に携わることができるというのは魅力だと思います。責任ある仕事をする以上、自己研鑽が必要ですが、研修制度をはじめ、そのための環境が充実しているのも素晴らしいことだと思います。それと、一歩職場の外に出れば、どこに行っても専門知識でお役に立てますし、商標を通して様々な業界の方と話ができます。商標審査官は見聞を広める必要がありますが、いろいろな業務を経験しながら、商標をベースとして専門性を高めていけることも魅力です。

藤村 このパンフレットをご覧になっている皆さん、是非一度商標審査官の業務説明会等に足を運んでみてください。そして、商標審査官がどのような仕事をしているのか、沢山話を聞いてください。きっと魅力的な仕事だと感じてもらえる自信があります!

中堅審査官座談会

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齋藤 寛斗Saito Hiroto所属:化学

岩葉 瑞季Iwaba Mizuki

所属:機械

大西 桃菜Onishi Momona所属:雑貨繊維

Q1 志望動機は?商標の審査を通して、企業の利益を守ることができ、延いては産業の発展に貢献できる点にやりがいを感じ、志望しました。また、商標審査官は専門性の高い仕事でありながら、様々な分野に触れることができる点も大きな魅力でした。Q2 出身学部・専攻は?理学部 生命理学科Q3 学生時代に熱中していたことは?旅行、ランニング、アニメ鑑賞やボードゲーム等、時間のある間に自分が興味を持っていたことに触れて、趣味を増やしていました。

Q4 就活中に心掛けていたことは?宿や移動手段の下調べや確保等、余裕をもって行うようにしていました。また、試験本番、試験勉強で疲れたと感じたときや、集中力が続かないときはしっかり休憩を取るよう意識していました。Q5 志望先を迷っている学生に一言様々な説明会に足を運んでみてください。志望先の意外な一面も発見できると思います。また、長く勤める職場なので、自分の性格や、やりたい仕事に一番合うと思うところを選ぶのが大事だと思います。悔いのないよう、頑張ってください。

Q1 志望動機は?海外で買い物に行った時に、語学力が乏しくても商標のおかげで欲しいものを買うことができました。商標審査官として適切な商標審査をすることで、日本に来た外国人の方が安心して買い物ができるように商標を守りたいと思い、志望しました。Q2 出身学部・専攻は?法学部 法学科Q3 学生時代に熱中していたことは?裁判劇を制作・上演するサークルの活動です。脚本や舞台演出、広報まですべて学生で行っており、私は舞台監督として、舞台の裏方スタッフと協力して舞台演出を作り上げ

ました。公演が終わった後の達成感は忘れられません!Q4 就活中に心掛けていたことは?「足を動かすこと」と「考えること」の両方を続けることです。説明会にたくさん足を運び、実際に話を聞き、どんな点が良かったか?そう思うのはなぜか?を考える、ということをしていました。志望先の選択だけでなく、面接対策としても大事だったと思います。Q5 志望先を迷っている学生に一言たくさんの問いを自分に投げかけてあげてください。自分は何を良いと思うのか?なんで自分はそれを良いと思うのか?と考えて、是非周りの人に考えを話してみてください。納得するまで考え切って選んだ選択は、きっと自信を持てるはずです!

Q1 志望動機は?説明会で、業務内容を楽しそうに話す職員の方の雰囲気や、業務の専門性の高さを知り、商標の専門家として働くことをかっこいいと感じたからです。さらに、その専門性を活かし、審査業務以外にも多様な仕事に挑戦でき、成長できる環境が魅力的でした。Q2 出身学部・専攻は?法学部 刑事訴訟法Q3 学生時代に熱中していたことは?サイクリングです。夏休みには、仲間と共に北海道を巡りました。そこで見た景色や、地元の方の温かさは忘れられません。何より、広大な土地で自転車を漕いでいるときの爽快感は格別で、とても楽しかったです。

Q4 就活中に心掛けていたことは?説明会等で、聞いた事に加え、自分が感じた事を大切にし、忘れないようにノートにまとめていました。面接時も、説明会で自分が感じたことを素直に話しました。時には直感も大事にすることで、自分に合った環境に出会えると思い、心掛けていました。Q5 志望先を迷っている学生に一言様々な説明会に足を運び、沢山の人の話を聞いてみてください。少しでも気になる職場があれば、すぐに行動することが大切です!説明会で出会う職員の方はもちろん、身近な大人の方のお話も、自分の職場を選ぶうえで大変参考になります。皆さんが納得のいく選択ができるよう、応援しています。

1年目商標審査官補からの1年目商標審査官補からのメッセージメッセージ

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Page 33: HW -ù * ç = K % ® H % = · あなたが今見ているその商標、あなたが知っているあの商標は、 ひょっとしたら、100年以上の歴史と伝統のある商標かもしれません。

齋藤 寛斗Saito Hiroto所属:化学

岩葉 瑞季Iwaba Mizuki

所属:機械

大西 桃菜Onishi Momona所属:雑貨繊維

Q1 志望動機は?商標の審査を通して、企業の利益を守ることができ、延いては産業の発展に貢献できる点にやりがいを感じ、志望しました。また、商標審査官は専門性の高い仕事でありながら、様々な分野に触れることができる点も大きな魅力でした。Q2 出身学部・専攻は?理学部 生命理学科Q3 学生時代に熱中していたことは?旅行、ランニング、アニメ鑑賞やボードゲーム等、時間のある間に自分が興味を持っていたことに触れて、趣味を増やしていました。

Q4 就活中に心掛けていたことは?宿や移動手段の下調べや確保等、余裕をもって行うようにしていました。また、試験本番、試験勉強で疲れたと感じたときや、集中力が続かないときはしっかり休憩を取るよう意識していました。Q5 志望先を迷っている学生に一言様々な説明会に足を運んでみてください。志望先の意外な一面も発見できると思います。また、長く勤める職場なので、自分の性格や、やりたい仕事に一番合うと思うところを選ぶのが大事だと思います。悔いのないよう、頑張ってください。

Q1 志望動機は?海外で買い物に行った時に、語学力が乏しくても商標のおかげで欲しいものを買うことができました。商標審査官として適切な商標審査をすることで、日本に来た外国人の方が安心して買い物ができるように商標を守りたいと思い、志望しました。Q2 出身学部・専攻は?法学部 法学科Q3 学生時代に熱中していたことは?裁判劇を制作・上演するサークルの活動です。脚本や舞台演出、広報まですべて学生で行っており、私は舞台監督として、舞台の裏方スタッフと協力して舞台演出を作り上げ

ました。公演が終わった後の達成感は忘れられません!Q4 就活中に心掛けていたことは?「足を動かすこと」と「考えること」の両方を続けることです。説明会にたくさん足を運び、実際に話を聞き、どんな点が良かったか?そう思うのはなぜか?を考える、ということをしていました。志望先の選択だけでなく、面接対策としても大事だったと思います。Q5 志望先を迷っている学生に一言たくさんの問いを自分に投げかけてあげてください。自分は何を良いと思うのか?なんで自分はそれを良いと思うのか?と考えて、是非周りの人に考えを話してみてください。納得するまで考え切って選んだ選択は、きっと自信を持てるはずです!

Q1 志望動機は?説明会で、業務内容を楽しそうに話す職員の方の雰囲気や、業務の専門性の高さを知り、商標の専門家として働くことをかっこいいと感じたからです。さらに、その専門性を活かし、審査業務以外にも多様な仕事に挑戦でき、成長できる環境が魅力的でした。Q2 出身学部・専攻は?法学部 刑事訴訟法Q3 学生時代に熱中していたことは?サイクリングです。夏休みには、仲間と共に北海道を巡りました。そこで見た景色や、地元の方の温かさは忘れられません。何より、広大な土地で自転車を漕いでいるときの爽快感は格別で、とても楽しかったです。

Q4 就活中に心掛けていたことは?説明会等で、聞いた事に加え、自分が感じた事を大切にし、忘れないようにノートにまとめていました。面接時も、説明会で自分が感じたことを素直に話しました。時には直感も大事にすることで、自分に合った環境に出会えると思い、心掛けていました。Q5 志望先を迷っている学生に一言様々な説明会に足を運び、沢山の人の話を聞いてみてください。少しでも気になる職場があれば、すぐに行動することが大切です!説明会で出会う職員の方はもちろん、身近な大人の方のお話も、自分の職場を選ぶうえで大変参考になります。皆さんが納得のいく選択ができるよう、応援しています。

1年目商標審査官補からの1年目商標審査官補からのメッセージメッセージ

佐々野 舟馬Sasano Shuma所属:一般役務

光本 隆Mitsumoto Takashi

所属:雑貨繊維

櫻井 亮太Sakurai Ryota

所属:食品

Q1 志望動機は?雰囲気の穏やかな職員の方 と々共に、商標審査についての確かな専門性を身につける環境が整っている点に惹かれました。知的創造の活発な社会を「商標のプロ」として目指していきたいと思い、志望しました。Q2 出身学部・専攻は?情報学群 知識情報・図書館学類Q3 学生時代に熱中していたことは?アカペラサークルに所属していました。大会やライブに向けて練習することに夢中でした。小さい頃から大好きだった「歌」に真剣に取り組めた4年間は、とても有意義な時間でした。

Q4 就活中に心掛けていたことは?「あの事聞き忘れた!」という後悔をしないために、事前に質問をある程度考えてから説明会に臨むよう心がけていました。「準備をしている」という安心感のもと、落ち着いて話を聞くことが出来ました。Q5 志望先を迷っている学生に一言働いている自分を想像した上で説明会に出席すると、漠然と話を聞くときよりも「疑問点や好印象を覚える点」が見えやすくなると思います。情報収集をして、精一杯考えて、悔いのない選択をしてください!

Q1 志望動機は?商標審査という専門的な仕事を通じて、様々な知識を身に付けられることに魅力を感じました。また、商標という一つの軸を持ちながら、商標行政や審判業務など多岐にわたって挑戦できることにも惹かれました。Q2 出身学部・専攻は?経営学部 経営学科Q3 学生時代に熱中していたことは?ヨーロッパのサッカーを見ることです。深夜に友人たちと集まってテレビ観戦で盛り上がったことは、今振り返ると貴重な時間だったと感じています。

Q4 就活中に心掛けていたことは?「自分のやりたいことはなにか」という主観的な目線と、「自分にできることは何か」という客観的な目線の二つを意識することです。特に、客観的に自分を見るのは難しかったので、友人に自分の印象を聞いて回りました。Q5 志望先を迷っている学生に一言直感は重要です。特許庁の説明会に参加した時、「ここは自分に合うかもしれない」と漠然と思ったことを覚えています。もちろん仕事内容など様々なことを考慮すべきですが、迷って決められないときは直感に頼るのも一つの方法だと思います。

Q1 志望動機は?説明会に参加して、職員の方々の仲の良さそうな明るい雰囲気に惹かれました。普段の生活の中でも身近な存在である「商標」に元々興味があり、その専門家として働くことができるという点から商標審査官を志望しました。Q2 出身学部・専攻は?法学部 法律学科Q3 学生時代に熱中していたことは?バスケットボールに熱中していました。サークルやクラブチームに所属して練習で技術を磨き、試合でプレーするとともに、バスケットボールを通じて多くの人々と

出会うことができました。Q4 就活中に心掛けていたことは?試験勉強の期間を含め公務員の就活は長期戦ですので、途中で力尽きないためにも息抜きは大切にしていました。疲れを感じた時は友人と話したり体を動かしたりして気分転換し、集中力を継続できるようにしていました。Q5 志望先を迷っている学生に一言あまり興味のない職種の説明会にも行ってみることをお勧めします。新たな発見があるかもしれませんし、他との比較にもなります。選択肢を絞らず情報をたくさん集めて、その中から自分に合った職場を選んでください!

東 眞歌Azuma Mika

所属:産業役務

Q1 志望動機は?新しい商標の報道で特許庁に興味を持ち説明会に通いました。審査体験を通して判断の難しさに挑戦しがいを感じたこと、立法的・司法的な業務にも携わることができる商標の専門性の高さに惹かれたことから商標審査官を志望しました。Q2 出身学部・専攻は?法学部 法律学科Q3 学生時代に熱中していたことは?アルバイトと趣味のミュージカル鑑賞です。様々な経験を積みたいと思い、多いときには3種類のアルバイトを掛け持ちしていました。合間を縫ってミュージカルを観に行き、同じ

作品に通い詰めては世界観に浸ることもよくありました。Q4 就活中に心掛けていたことは?メリハリをつける生活を心掛けていました。筆記試験を控えているときは、時間や問題数を区切って勉強し、飽きや疲れが出ないよう工夫しました。また、遊ぶと決めた日は中途半端に勉強せず目一杯楽しみ、次の日から気持ちを切り替えていました。Q5 志望先を迷っている学生に一言多くの方と話をすることが良いと思います。説明会で職員の方からお話を聞くこともそうですが、友人同士で話をすることで、自分は何を軸に仕事をしたいのか、より明確になりました。納得のいく選択ができるよう応援しています。

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Q.商標審査官になるためにはどうしたらいいですか。特許庁では、国家公務員採用一般職試験(行政区分)合格者の中から「産業財産権」あるいは「特許庁」に興味ある方に対して採用面接を実施して採用を決定しています。商標審査官として採用されるためには、特に必要な知識や資格はありません。入庁後の研修で十分身につけることができます。出身学部・学科にもこだわりません。なお、国家公務員採用試験の詳細は人事院地方事務局(所)にお問い合わせください。

Q.商標審査官の採用状況を教えてください。過去5年間の採用実績は以下のとおりです。

Q.採用後の処遇について教えてください。採用後の処遇(令和 2 年 4 月1日現在)

  【給与】 初任給:218,640 円(行政 ( 一 )1-25 の場合)      期末手当・勤勉手当(いわゆるボーナス):1 年間に俸給等の約 4.45 月分      上記に加え、本府省業務調整手当があわせて支給される。また、このほか、次のような諸手当が支給される。      扶養手当:扶養親族のある者に、配偶者(月額 6,500 円)、子(月額 10,000 ~ 15,000 円※)等      ※年齢制限あり(満 22 歳に達する年度の3月まで)      住居手当:借家(賃貸のアパート等)に住んでいる者等に、月額最高 28,000 円      通勤手当:交通機関を利用している者等に、1 箇月当たり最高 55,000 円

  【勤務時間・休暇】      勤務時間は、原則として、1 日 7 時間 45 分で、土・日曜日及び祝日等は休みです。      休暇には、年 20 日の年次休暇(4 月 1 日採用の場合、採用の年は 15 日)のほか、病気休暇、特別休暇(夏季・      結婚・出産・忌引)及び介護休暇があります。      また、ワーク・ライフ・バランス(仕事と家庭生活の両立)支援制度として、テレワークや育児休業制度等      があります。

Q.特許庁での官庁訪問は、事務職員と商標審査官の両方を受けることはできますか?残念ながらできません。どちらか一方のみ受験可能です。どちらも魅力的な仕事ですので、両方の業務説明を受けていただき、どちらを官庁訪問するか、十分検討していただきたいと思います。※商標審査官を受験される方は、官庁訪問の際、「商標審査官」の受付へお越しください。

商標審査官のここが知りたい Q&A

令和2年

7 (3)

平成28年 平成29年 平成30年 平成31年(令和1年)

8 (3) 8 (3) 12 (6) 10 (5)

( )は女性内数

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文部科学省日本郵政公社

霞ヶ関ビル

JTビル

内閣府

橋新至

丸ノ内線

千代田線

南北線

8番出口

3番出口

アメリカ大使館

外堀通り

り通田桜

線谷比日

り通田祝

至赤坂

国会議事堂

総理官邸

合同庁舎4号館

財務省

虎ノ門駅

溜池山王駅

国会議事堂前駅

霞ヶ関駅N

A-

13

口出番

5番出口

経済産業省

至日比谷

文部科学省 日本郵政  

経済産業省

霞が関ビル

内閣府

橋新至

谷比日至

銀座線

丸ノ内線

千代田線

南北線

8番出口

3番出口

アメリカ大使館

外堀通り

線谷比日

至赤坂

国会議事堂

総理官邸

合同庁舎4号館

財務省

虎ノ門駅

溜池山王駅

国会議事堂前駅

霞ケ関駅N

A-

13

口出番

5番出口特許庁本庁舎

JTビル(審判部)

経済産業省別館(審判部)

新虎通り虎ノ門ヒルズ

●丸ノ内線・千代田線・日比谷線/霞ケ関駅(出口A-13番)より徒歩7分

●丸ノ内線・千代田線/国会議事堂前駅(出口3番)より徒歩5分●銀座線/虎ノ門駅(出口5番)より徒歩4分

●南北線・銀座線/溜池山王駅(出口8番)より徒歩5分

特許庁庁舎

玄関 ロビー

審判廷 最上階からの眺望

庁舎紹介

アクセス

私たちが働いている特許庁の庁舎を紹介します。特許庁は日本でただ一つ、東京の霞が関にあります。私たち商標審査官が主に働いているのは、6階のフロアです。庁舎内には、国際会議や審議会が行われる特別会議室、裁判所のような審判廷、また、売店や食堂などの設備も整っています。

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