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第1部トピックス
第1部第Ⅰ章
第1部第Ⅱ章
第2部
第1部参考図表 「魚離れ」が進行しています。この魚離れについては、18年度白書で「子どもが魚を好まない」こと
がその要因の1つと分析しました。
人間は成長段階によって食べ物に対する嗜好が変化しますが、子どもの頃に食べたものの記憶は、その
後の食生活に影響を及ぼします。これまで魚の消費については、年齢を重ねるほど魚を食べるようになる
「加齢効果」があるといわれてきました。しかし、魚をあまり食べていない現在の子どもが、成長するに
つれ魚を食べるようになるのか懸念されているところです。
そこで、本特集では子どもの水産物の消費動向に注目しました。まず第1節では、魚離れの現状につい
て振り返り、魚離れが健康、食生活、食文化等にもたらす影響について考察しました。第2節では、最近
注目されつつある水産物の栄養特性や魚食の効用に触れつつ、魚離れの進行を食い止めるために家庭、企
業、地域、学校に期待される取組を整理しました。そして、子どもをはぐくむ魚食の明るい未来を築くた
めに必要な課題について取りまとめました。
し
(1)肉類と魚介類の摂取量が逆転
「魚離れ」が進行しています。平成9年から19年までの1人1日当たりの魚介類と肉類の
摂取量を比較すると、魚介類の摂取量は減少傾向にある一方、肉類の摂取量は横ばいであり、
18年にはついに魚介類の摂取量が肉類を下回りました。これを年齢別に比較すると、すべて
の世代で魚介類の摂取量が減少しており、1~19歳では魚介類の摂取量が2割以上、30~49
歳では3割以上も減少しています。他方、肉類の摂取量はすべての年代で増加しており、1
~19歳、30~49歳では1割以上増加しています。
そこで本節では、魚介類及び肉類の摂取量に変化が見られた子どもに焦点を当てて、消費
者の間で魚離れが進行している要因について分析を行います。
34
第1部トピックス
第1部第Ⅰ章
第1部第Ⅱ章
第2部
第1部参考図表
魚離れの進行と子どもの魚離れがもたらす影響
110
100
90
80
70
60
0年
g/人日
資料:厚生労働省「国民栄養調査」(平成9~14年)、「国民健康・栄養調査報告」(平成15~19年)
98.294.3
92.0 94.0
88.2
82.6 84.0
80.2 80.2
平成9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19
図Ⅰ-4-1 魚介類と肉類の1人1日当たり摂取量の推移(経年変化)
肉と魚の摂取量が 逆転!
魚介類 肉類
80.377.5 78.4 78.2 76.3 77.5 76.9 77.9
80.2
80.4 82.686.7
95.9
140
120
100
80
60
40
20
0
魚 介 類
g/人日
g/人日
肉 類
資料:厚生労働省「国民栄養調査」(平成9年)、「国民健康・栄養調査報告」(平成19年)
0 20 40 60 80 100 120 140
図Ⅰ-4-2 魚介類と肉類の1人1日当たり摂取量の推移(年齢別比較)
肉類・魚介類同量のライン
総数(全体)
1~6歳
7~14歳
15~19歳
20~29歳
30~39歳
40~49歳
50~59歳
60~69歳
70歳以上
77~~1414歳歳 7~14歳
平成9年 魚介類より肉類を魚介類より肉類を 多く食べる多く食べる 魚介類より肉類を 多く食べる
肉類より魚介類を肉類より魚介類を 多く食べる多く食べる 肉類より魚介類を 多く食べる
平成19年
11~~66歳歳 1~6歳
2020~~2929歳歳 20~29歳 3030~~3939歳歳 30~39歳
4040~~4949歳歳 40~49歳
5050~~5959歳歳 50~59歳
6060~~6969歳歳 60~69歳
7070歳以上歳以上 70歳以上
1515~~1919歳歳 15~19歳
総数
(2)なぜ魚離れが加速するのか
18年度の水産白書においては、「魚離れ」の原因を、①子どもが魚を好まない、②調理が
面倒、③肉より割高と分析しました。これらの原因についてより詳しくみてみます。
ア 本当に子どもは魚を好まないのか������������������(子どもはすべての魚が嫌いではない)
「子どもが魚を好まない」といわれますが、子どもはすべての魚が嫌いなのではありませ
ん。例えば、寿司は子どもにも大変人気があります。
(社)大日本水産会の調査でも、魚を好きと答えた子どもの割合(45.9%)は嫌いと答え
た割合(10.6%)を上回っており、マグロやサーモンが好きな魚に挙げられています。
����������(骨があるから苦手)
一方、子どもは本能的に、食べづらい形態を嫌ったり、酸っぱいものや生臭いにおいのす
るものを避ける傾向にあるといわれています。(社)大日本水産会が行った調査においても、
魚が嫌いな理由として挙げられたのは「骨があるから」、「食べるのが面倒」、「食べるのに時
間がかかる」、「においが嫌い」などです。また、嫌いな魚の上位にはサバ、サンマ、アジ、
イワシなど鮮度が落ちやすく小骨が多い魚が挙げられています。
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第1部参考図表
第1節 魚離れの進行と子どもの魚離れがもたらす影響
%
資料:(株)ミツカングループ本社「お寿司の認識と接触実態に関する調査」(平成20年2月)有効回答470票
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
図Ⅰ-4-3 「お寿司にしよう」と最初に言う人は誰ですか?
子供 自分(妻) 夫 祖父母 その他 不明
43.4 30.2 24.7
0.2
0.2
1.31.31.3
マグロ(赤身)
イクラ
サーモン
トロ
玉子焼き
エビ
甘エビ
ネギトロ
納豆
ツナ %
資料:(社)大日本水産会「水産物を中心とした消費に関する調査」(平成20年) 注:全国の小学校4~6年生男女218人
資料:(株)ミツカングループ本社「お寿司の認識と接触実態に関する調査」(平成20年2月)有効回答470票
100 20 30 40 50 60 70
図Ⅰ-4-4 子どもの魚料理の 好き嫌い 図Ⅰ-4-5 子どもの好きな寿司ネタ
好き45.9%
ふつう43.6%
嫌い10.6%
61.5
54.954.9
47.747.7
35.335.3
34.934.9
34.534.5
24.724.7
54.9
47.7
44.5
41.7
35.3
34.9
34.5
33.0
24.7
イ 子どもの食をめぐる環境の変化次に、子どもの食をめぐる現状についてみてみます。
�������������� (塾や習い事で忙しい子ども)
19年において子どもが塾に通う割合は、小学校6年生で37.8%となっています。5年と比
較して、6年生を除く学年で通塾率が増加しています。
また、塾や習い事に通う子どもの帰宅時間は、午後7時までに帰宅するという回答が
44.4%と多数を占めているものの、午後9時以降の帰宅も27.6%と、3割弱の子どもが夜遅
く帰宅していることが分かります。
36
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第1部参考図表
骨がある
食べるのが面倒
食べるのに時間がかかる
においが嫌い
見た目がいや
その他
特にない %
資料:(左)農林中央金庫「親から継ぐ「食」、育てる「食」」(平成17年2月) 注:自由回答で上位15。調査対象は東京近郊に住む小学4年生~中学3年生400人資料:(右)(社)大日本水産会「水産物を中心とした消費に関する調査」(平成20年)
0 20 40 60 80件
0 5 10 15 20 25
図Ⅰ-4-6 小学生が給食のメニューで 嫌いな料理 図Ⅰ-4-7 魚料理の嫌いなところ
魚全般
ピーマン
野菜全般
レバー
サラダ
納豆
煮物
トマト
にんじん
牛乳
酢の物
ひじき
ぶどうぱん
カレー
その他
21
1414
1313
99
14
13
12
12
11
10
9
7
6
6
6
6
6
10
72.572.5
37.637.6
15.615.6
14.214.2
15.115.1
72.5
37.6
15.6
14.2
9.6
8.7
4.6
3.2
15.1
味が嫌い (パサパサしている)
味が嫌い(脂っこい、 こってりしている)
午後6時より前
午後 6~ 7時
午後 7~ 8時
午後 8~ 9時
午後 9~10時
午後10時より後
不明%
資料:文部科学省「子どもの学校外での学習活動に関する実態調査報告」(平成20年)注:全国の公立小学校(1~6年)の児童生徒の「保護者」44,276人
資料:文部科学省「地域の教育力に関する実態調査」(平成18年)注:小学校(2年生、5年生)、中学校(2年生)2,174人
0 5 10 15 20 25%
0 10 20 30 40 50
図Ⅰ-4-8 学年別にみた通塾率の変化 図Ⅰ-4-9 塾や習い事から帰宅する時間
小学6年
5年
4年
3年
2年
1年
72.572.521.4
14.3
11.4
9.9
41.7
17.517.5
31.133.3
23.6
17.521.4
14.119.3
12.12.3
5年19年
37.8
26.2
15.9
23.0
17.7
������� (増える孤食)
仕事が忙しいために長時間労働となったり、塾や習い事をする子どもが増えていることか
ら、家族とともに食事をする機会が減少しています。夕食を誰と一緒にとるか聞いた調査の
結果をみると、子どもだけ若しくは一人で食べる「孤食」の割合が増加しています。
家族と一緒にとる食事は、家族団らんの場であり、子どもが規則的でバランスの良い食事
をとる習慣や食事のマナーといった基礎的な食習慣を身に付ける貴重な時間です。以前は大
家族の家族構成に応じて多様な料理・味覚を味わう機会がありました。また、食べものの好
き嫌いはその食品自体の好き嫌いだけではなく、食べる環境によっても味の感じ方が異なり、
その影響を受けることがあります。「食べず嫌い」の場合、家族の他の者が新鮮な水産物を
おいしそうに食べている様子を見て、食べられるようになるケースもあります。しかし、核
家族化・少子化が進み、家族が一緒にゆっくり食事をとる機会が減少した現在の食卓におい
ては、簡便に調理が可能で子どもが好む肉料理を調理・食する機会が増加していると考えら
れます。
ウ 親の食をめぐる環境の変化子どもは魚の食べにくさを敬遠しているのであって、すべての魚が嫌いなのではないこと
がうかがわれます。では、なぜ魚離れが進行するのか、家庭での調理・食に焦点を当ててみ
てみます。
��������� (調理時間がない)
単身・2人世帯の増加や共働き世帯の増加等、ライフスタイルが変化したことにより、調
理にかける時間が減少しています。そのため、調理が面倒だと思われている魚介類は敬遠さ
れる傾向にあることが魚離れの1つの原因だと考えられます。
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第1部参考図表
第1節 魚離れの進行と子どもの魚離れがもたらす影響
資料:(独)日本スポーツ振興センター「平成17年度及び平成12年度児童生徒の食生活等実態調査結果」注:17年度は小学5年生6,205人、12年は5,754人
% 0 20 40 60 80
80
100
% 0 20 40 60 100
図Ⅰ-4-10 夕食を誰ととるか
平成17年度
12年度
小学校全体
家族そろって食べる おとなの家族の誰かと食べる 子どもだけで食べる 一人で食べる その他
平成17年度
12年度
中学校全体
56.5 32.8 4.6 2.23.9
2.01.4
1.337.557.8
54.8 28.7 4.9 6.9 4.8
2.35.11.638.952.1
���������� (下処理ができない)
民間会社の調査において、20代以上の年代も7割以上の人が、魚料理は「おいしい」と感
じています。また、「3~4年前と比べて好きになった食材」については、20代の若者が
「魚」と答えた割合が最も多くなりました。しかし、下処理ができない人の割合は若い人ほ
ど高くなっています。さらに、女子大学生に聞いたアンケート調査でも、6割の学生が魚を
さばいたことがないと回答しています。
これまで料理や食に関する知識は母から子へ伝承されてきました。しかし、核家族化が進
んだことにより、家庭内での伝承の機会が減ってきたことも影響しているといえます。
���������(後片付けが面倒)
農林漁業金融公庫(現日本政策金融公庫)が行った調査で、「焼き魚」を作らない主婦が
1割以上存在することが明らかとなりました。その理由は、「後片付けが面倒」、「魚の匂い
を残したくない」となっています。また、「生ゴミの始末に困る」といったことも、魚を家
で調理する機会を減少させる要因となっているといえます。
���������������� (子どもの好みを中心とした食卓)
(社)大日本水産会の調査において、母親が献立について誰の好みを反映させるのか聞い
たところ、「子ども」が最も多くなりました。38
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第1部第Ⅰ章
第1部第Ⅱ章
第2部
第1部参考図表
30
25
20
15
10
5
0
%
資料:(独)日本スポーツ振興センター 平成7年度及び平成17年度「児童生徒の食生活等実態調査結果」
10分未満 61分以上 10~20分 21~30分 31~40分 41~50分 51~60分
図Ⅰ-4-11 夕食の調理時間
17年度 7 年度
0.2 0.32.3 1.9
14.6
25.9
20.6 20.6
25.4
11.0
18.9 18.9
28.4
8.6
資料:日経産業地域研究所「魚介類の消費動向調査」(平成20年)回答数1,030人資料:(社)大日本水産会「水産物を中心とした消費に関する調査」(平成20年)回答数321名
% 0 20 40 60 80 100
図Ⅰ-4-12 魚に対する印象と下処理ができるか 図Ⅰ-4-13 女子大学生の魚料理経験
20代
30代
40代
50代
60代
41.7
76.276.2
71.871.8
74.374.3
76.248.1
71.859.2
65.562.6
68.974.3
78.285.9
魚料理はおいしい 下処理(内臓除去や三枚おろしなど)ができる 魚料理の経験 魚をさばいた経験
ある67%
ない33%
ある39%ない
61%
同調査で、子どもは魚料理よりも肉料理を相対的に好む傾向にあることが分かっています。
魚よりも肉を好む子どもの嗜し
好に合わせたおかずを提供する傾向にあることも、魚離れの一
因といえそうです。
このように、家庭では調理時間がない、魚をさばけない、魚より肉を相対的に好む子ども
の好みに合わせるといったことが、家庭において肉の調理が多くなる傾向にある要因といえ
ます。
(3)子どもの魚離れがもたらす影響
ア 子どもの健全な発育にも影響近年、魚の脂に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)
といった体内で合成される量が非常に少ない機能性成分が、胎児や子どもの脳の発育に重要
な役割を果たすことが分かってきました(42ページ参照)。
母乳には発育に必要な栄養素がバランスよく豊富に含まれることから、母乳による育児が
乳児にとって最適な栄養源であることは良く知られています。
ただし、最近の研究成果によると、DHAを添加した人工乳を生後まもない乳児に摂取さ
せることで、網膜や視神経の発達が促され、発達指数や知能指数を上昇させることが明らか
になっています。
また、妊娠中にDHAやEPAなどのオメガ3系不飽和脂肪酸を摂取した妊婦から生まれた
子どもの知能指数は、摂取しなかった子どもに比べ高いという米国の研究成果もあります。
39
第1部トピックス
第1部第Ⅰ章
第1部第Ⅱ章
第2部
第1部参考図表
第1節 魚離れの進行と子どもの魚離れがもたらす影響
%
資料:(社)大日本水産会「水産物を中心とした消費に関する調査」(平成20年)
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
図Ⅰ-4-14 夕食の献立は誰の好みを反映させることが多いか
夫の好み 自分の好み 子どもの好み 家族の好みというよりも、 栄養バランスを第一に考えている その他
10.0 18.3 38.6 28.8 4.4
35
30
25
20
15
0n=875 n=4923 n=1798
%
言語知能指数が低レベル群に
入る児の割合
資料:Hibbeln JR, et al : Maternal seafood consumption in pregnancy and neurodevelopmental outcomes in childhood (ALSPAC study) : an observational cohort study, Lancet, 369 (9561), 578-585 (2007)
ほとんど魚介 類を食べない
魚介類は週 340g未満摂取
魚介類は週 340g以上摂取
妊娠中の母親の魚介類摂取量
生後42か月
図Ⅰ-4-15 妊娠中の母親の魚介類摂取量が生後42か月及び8歳の子どもの言語知能指数に及ぼす影響
35
30
25
20
15
0n=584 n=3493 n=1330
%
言語知能指数が低レベル群に
入る児の割合
ほとんど魚介 類を食べない
魚介類は週 340g未満摂取
魚介類は週 340g以上摂取
妊娠中の母親の魚介類摂取量
8歳
この他にも米国では、オメガ3系不飽和脂肪酸の効用を示す研究が公表されており、子ど
もの健康と脳の機能発達への効果が注目を集めています。
さらに、魚油やDHAの摂取が精神活動に及ぼす影響についても研究が進んでいます。心
理的なストレス下にある学生を対象とした実験において、DHAを摂取したグループは対照
群よりも敵意性が低いという結果も得られています*1。
こうした研究結果を踏まえると、水産物の摂取量が大きく減少することは、子どもの健全
な発育に影響を及ぼすことになるかもしれません。
イ 日本の食文化への影響はしは日本の食卓になくてはならない道具であり、はしを上手に使うためには、微妙な指
の使い方、力加減が必要です。特に魚は骨を取り除くため細かな動きが必要です。日本人は
幼い頃から、家族との食卓の中でこの高度な技術を習得していました。しかし、現在、昔か
ら機能的と伝えられてきたはしの持ち方をする児童(下記5)は半分程度となっています。
正月のお節せち
料理の中には水産物を使った料理がたくさんありま
す。作物が豊かに実るようにとの願いが込められた田づくり、腰
が曲がるまで長生きできるようにとの思いが込められたエビ等、
それぞれに意味が込められています。しかし、お節料理を食べな
い家庭が2割存在するという調査結果もあります*2。
子どもの魚離れは、はしの使い方や伝統的な日本料理に込めら
れた日本人の心など、日本の食文化を子どもに伝える機会を減少
させていくのではないかということが懸念されています。
40
第1部トピックス
第1部第Ⅰ章
第1部第Ⅱ章
第2部
第1部参考図表
*1 Hamazaki T, et al:The effect of docosa-hezaenoic acid in aggression in young adults. A placebo-contorolled double-blind study, J, Clin . Invest., 97(4),1129-1133(1996)
*2 マイボイスコム定期アンケート(おせち料理)19年1月(回答者数10,450人)。
60
50
40
30
20
10
0
%
資料:(独)日本スポーツ振興センター「平成17年度 児童生徒の食生活等実態調査結果」
図Ⅰ-4-16 食事の時のはしの持ち方(小学生)
男子
女子
1 2 3 4 5 6 7 8 その他
5.1 5.3
20.9
54.3 56.2
5.02.7 2.7 2.7 1.3 2.1 3.5 3.3
0.1 0.0
7.1 8.9
18.9
ウ 長期的には日本の水産業の発展にも影響子どもの頃に食べたものの記憶は、大人になってからも影響を与えます。また、近年、年
齢を重ねるほど魚を食べるようになる「加齢効果」が低下していることから、子どもが成長
して成人した時には、現在よりもさらに魚離れが拡大すると予想されます。
さらに、子どもが海や魚と触れる機会が減少しています。これは、獲れたての鮮度の良い
魚のおいしさやさばき方を知る機会が減少し、魚や生産者とのつながりについて知る機会が
減少することを意味します。こうしたことも魚離れに拍車をかけていると考えられます。
今後このような状況が続けば、国内で持続的に活用でき、国民に安定供給できる水産資源
の利用度が低下し、長期的には、持続的な発展を目指す水産業への影響も懸念されます。
41
第1部トピックス
第1部第Ⅰ章
第1部第Ⅱ章
第2部
第1部参考図表
第1節 魚離れの進行と子どもの魚離れがもたらす影響
資料:(独)国立オリンピック記念青少年総合センター「青少年の自然体験活動等に関する実態調査」(18年6月)注:全国の公立小学校6年生(回収率:平成17年 5,403人、平成10年 5,575人)
80%
0 20 40 60 100
図Ⅰ-4-17 子どもの自然体験活動
平成17年
10年
海や川で貝をとったり、魚を釣ったりしたこと
何度もある 少しある ほとんどない
80%
0 20 40 60 100
平成17年
10年
海や川で泳いだこと
26.8 34.1 39.1
20.034.945.2
44.4 33.7 21.9
8.127.564.4