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ＩＤＷからＤＷＧ形式への保存方法

ＩＤＷからＤＷＧ形式への保存方法

Inventor で図面化したドキュメント（idw）を DWG 形式に変換する手順について紹介します。

Inventor の「コピーに名前を付けて保存」の機能だけでは、画層や寸法スタイル、文字スタイル

の設定が、一般的に AutoCAD Mechanical（以下、ACM）で使われる設定と異なるため、その

ままでは AutoCAD や ACM で編集するには不便です。ここでは、ACM で使われる設定に合

わせて変換する手順を紹介します。

1. 準備

DWG 形式へ変換したい図面ドキュメント（idw）を開きます。

ここでは、図のような図面をサンプルとして使用します。

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2. コピーに名前を付けて保存

「コピーに名前を付けて保存」で、DWG 形式に変換します。その時のオプション設定について

説明します。

2.1. ファイル名の指定

「コピーに名前を付けて保存」の実行で、上記ダイアログが表示されるので、ファイルの種類

で、「DWG ファイル」を選択します。

2.2. オプションの設定

その後、ダイアログボックス右側にある「オプション」を選択します。

2.3. エクスポートオプションの設定

ファイルのバージョンは、目的に合わせて指定します。ここでは、AutoCAD Mechanical 2004 を

選択し、次へ進みます。

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そのまま、次へ進みます。

2.4. エクスポート先の設定

図のように設定します。

テンプレートファイルには、何も設定しません。

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2.5. 割り当てオプション

エクスポート先の設定ダイアログ上の「割り当てオプション…」を選択すると、この画面が表示さ

れます。ACM を使用する場合は、[AutoCAD Mechanical の画層名を使う] にチェックを入れま

す。そのほかの設定はデフォルトのままとします。

2.6. 保存を完了

最後に[完了]ボタンで、保存を実行します。

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3. AutoCAD の処理

Inventor の図面が DWG ファイルに変換されたので、次は AutoCAD のコマンドを使って、設定

を修正します。

3.1. ファイルを開く

AutoCAD で、DWG ファイルを開きます。サンプルの図面は以下のようになっています。

一見、問題無さそうですが、背景を黒にして表示すると、色化けしているのがわかります。

文字スタイルや寸法スタイル、オブジェクトの

色の設定が適切でないためです。

また、使われていない文字スタイルや寸法ス

タイル、線種が出来ています。

3.2. VIEWRES

VIEWRES コマンドを実行し、円のズーム時の精度を高くします。

コマンド: VIEWRES 高速ズームを行いますか? [はい(Y)/いいえ(N)] <Y>: 円のズーム実行時の精度 (1-20000) <100>: 5000

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3.3. 規格を JIS に設定

オプションのダイアログボックスから、AM 規格タグを選択し、規格を JIS 規格にします。

3.4. ＰＵＲＧＥ

PURGE コマンドを実行し、使われていない文字スタイル、寸法スタイル、線種などを削除しま

す。

PURGE コマンドを複数回実行して、不要のスタイルを全て削除します。

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3.5. ＣＡＤ標準仕様

CAD 標準仕様の機能を使って、寸法スタイルや画層スタイルを標準の設定に修正します。

STANDARDS コマンドで、CAD標準仕様のダイアログを表示します。

＋ボタンを押して、標準仕様ファイルを選択します。

標準仕様ファイルは、普段使っているテンプレートファイルを基にしたものを用意しておき

ます。標準仕様ファイルについての詳しい説明は、AutoCADのオンラインヘルプでお調

べください。 「CAD標準仕様」をキーワードにして検索すると出てきます。

プラグインタグから、標準仕様の確認使用するプラグ入力を選びます。

ここでは、寸法スタイル、文字スタイルを選択します。

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「標準仕様を確認」を押して、標準仕様を確認のダイアログを表示します。

標準仕様ファイルに存在しない「寸法スタイル」「線種」「文字スタイル」が見つかると、そ

れをどのように解決するかを設定する画面になります。 ここでは、「規定値-ＪＩＳ」寸法スタイルをAM_JIS寸法スタイルに修正する設定をして

います。

標準仕様ファイルにあるのと同じスタイル（ここではAM_JIS寸法スタイル）を持っている

と、この機能で修正出来ません。なので、IDWからDWG形式で保存するときに、テンプレ

ートの指定をしないでおきます。

全て修正が終わると図のダイアログが表示されます。

画層については、Inventor側のオプションでACMの画層設定にしてあるので、ＣＡＤ標準

仕様を使っての修正は必要ありません。

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図のようにスタイルが修正されています。

しかし、このように一部色化けしている場合があります。

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3.6. 色化けの修正

色化けは、一部のオブジェクトに色の設定が上書きされているのが原因です。

次のマクロプログラムを使って、色の設定を全て「BYLAYER」に修正すると、色化けがなくなり

ます。(ReviseColoｒ.dvb）

Option Explicit Private AcadApp As AcadApplication 'Revise All Entity Color to ByLayer Public Sub START() Dim aDoc As AcadDocument Dim aBlock As AcadBlock Set AcadApp = Application Set aDoc = ThisDrawing For Each aBlock In aDoc.Blocks RevisThis aBlock Next End Sub Private Sub RevisThis(aBlock As AcadBlock) Dim aEnt As AcadEntity For Each aEnt In aBlock aEnt.color = acByLayer Next End Sub

ドキュメント中の全てのエンティティの色を「BYLAYER」にするVBAで記述されたプログ

ラムです。VBAによるプログラムの設定方法、実行方法などカスタマイズについてはオン

ラインヘルプを参照ください。

マクロプログラムを実行すると、色化けが修正されているのがわかります。

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3.7. その他の修正点

ここまでの修正で、通常の AutoCAD 図面としての体裁にすることが出来ますが、必要に応じて

以下の修正を加えるとより使いやすくなります。

それぞれのコマンドの使用方法については、オンラインヘルプを参照ください。

LIMITS 図面範囲の設定が正しくない場合があります。ZOOM コマンドを実行し、さらに図面

全体(A)サブコマンドを実行してください。このとき、図面枠以外の範囲が表示される

場合はLIMITS コマンドで図面範囲を修正します。 AMSCAREA[ビューポート/拡大領域作成]

縮尺や倍尺を持った図面については、AMSCAREA コマンドで拡大領域の設定を行

います。これで、寸法が適切な尺度で表示されるようになります。

3.8. 寸法スタイルの色化けだけを修正する場合

IDW から DWG 形式に保存されたとき、寸法スタイルの色設定が「背景色=白」用の設定にな

っています。これを「背景色=黒」の環境で表示すると非常に見づらくなります。

以下のプログラムは、寸法スタイルの定義を修正し、「背景色=黒」用の色設定にするもの

です。 Option Explicit Public Sub START() Dim AcadAPP As AcadApplication Set AcadAPP = Application Dim aDoc As AcadDocument Set aDoc = AcadAPP.ActiveDocument Dim aDIMSTYLE As AcadDimStyle For Each aDIMSTYLE In aDoc.DimStyles With aDoc .ActiveDimStyle = aDIMSTYLE .SetVariable "DIMCLRD", 256 .SetVariable "DIMCLRE", 256 .SetVariable "DIMCLRT", 256 End With aDIMSTYLE.CopyFrom ThisDrawing Next Dim aENT As AcadEntity Dim aDIM As AcadDimension For Each aENT In aDoc.ModelSpace If TypeOf aENT Is AcadDimension Then Set aDIM = aENT aDIM.StyleName = aDIM.StyleName aDIM.Update End If Next End Sub

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4. 添付資料

以下のファイルをサンプルデータとして添付します。

Inventor の IDW

OPEN すると、「リンクを解決」ダイアログボックスがで、

「すべてスキップ」を選択してリンクを解決してください。

Inventor の IDW をパブリッシュしたもの

ＩＤＷからＤＷＧ形式に保存した直後の状態

CAD 標準仕様サンプル

サンプルプログラム

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