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このフレーズには、3 小節目にノン・ピッキング で音をつなげていく部分が登場する。ここでは、 弦移動した最初の音をハンマリングで鳴らさな くてはいけないので、少しフィンガリングが大変 だ。通常のハンマリングは、すでに音が鳴って いる弦を叩くので音を出しやすい。しかし、こ のフレーズのように何も鳴っていない弦をいきな り左手でタッピングのように叩いて音を出すのは 大変だ。そこで、通常よりも少し大きめに振りか ぶってハンマリングするようにしよう。ただし、そ の際に余弦に触れてノイズが出ないように心が けること。写真は 3 小節目 1 拍目から 2 拍目を 写したものだが、人差指で1~3弦までをミュー トするようにすると良いだろう (写真②) 。この時、 右手で低音弦側をミュートしておくことも大切だ。 1 弦 7f の人差指押弦時には、小指を大きく振りかぶる。 2弦 10f を小指でハンマリング。人差指でミュートしよう。 小指によるプリング。音が小さくならないように注意。 押弦力とミュートが試される 左手タッピング このフレーズは、全体的に難易度が高いが、 4 小節目 1 拍目に登場するスライドには注意して もらいたい(写真④~⑥) 。ここでは、小指のス ライドと同時にその後の中指と人差指の押弦準 備をしておこう。スライドをしながら次のポジション を押さえるのは難しいが、普段からスケール練習 を行なうことで対応できるはずだ。ちなみにブリッ ジ側を押弦すると音が鳴りやすいので、このよう な超絶レガート・フレーズでは、そのことを意識し ながら弾いてほしい。また、このフレーズは 6 連 符や 5 連符、さらには 32 分音符が現れたりと符 割りが細かく変化していくので、リズムの変化に は気をつけてもらいたい。スケール的には E ナ チュラル・マイナー・スケール。全体のポジショニ ングを頭に入れてから弾き始めよう。 小指による 4 弦 7f の押弦。スライドの準備をしておこう。 小指によるスライド。他の指の押弦が崩れないように! 小指によるプリング。人差指で余弦をミュートしておこう。 スライドと同時に 他の指の押弦準備をしよう! ここではレガートの名プレイが聴けるアルバ ムを紹介しよう。まずレガートの名手と言えば アラン・ホールズワース。かなり大きな手を持 つ彼がワイド・ストレッチで行なうレガート・プ レイは超絶の極みだ。彼が在籍した伝説のプ ログレ・バンド U.K. の 1st アルバム『U.K.』収 録の「イン・ザ・デッド・オブ・ナイト」は、聴き やすくオススメ。次はジョー・サトリアーニの 2nd ソロ・アルバムをチェックしよう。スピーディ で心地良いレガートが聴けるぞ。最後は、ダグ・ アルドリッチ(ex. バッド・ムーン・ライジング) をオススメしよう。彼はクラシック・フォームで、 しばしば流麗なレガートを決めている。 ~コラム 27 ~ プロに学べ! レガート名盤紹介 U.K. 『U.K.』 ジョー・サトリアーニ 『サーフィング・ウィズ・ジ・エイリアン』 バッド・ムーン・ライジン 『バッド・ムーン・ライジング』

~コラム27~ プロに学べ! レガート名盤紹介このフレーズには、3小節目にノン・ピッキング で音をつなげていく部分が登場する。ここでは、

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 このフレーズには、3小節目にノン・ピッキングで音をつなげていく部分が登場する。ここでは、弦移動した最初の音をハンマリングで鳴らさなくてはいけないので、少しフィンガリングが大変だ。通常のハンマリングは、すでに音が鳴っている弦を叩くので音を出しやすい。しかし、このフレーズのように何も鳴っていない弦をいきなり左手でタッピングのように叩いて音を出すのは大変だ。そこで、通常よりも少し大きめに振りかぶってハンマリングするようにしよう。ただし、その際に余弦に触れてノイズが出ないように心がけること。写真は 3小節目1拍目から 2拍目を写したものだが、人差指で1~3弦までをミュートするようにすると良いだろう(写真②)。この時、右手で低音弦側をミュートしておくことも大切だ。

1 弦 7f の人差指押弦時には、小指を大きく振りかぶる。 2弦 10f を小指でハンマリング。人差指でミュートしよう。

小指によるプリング。音が小さくならないように注意。

押弦力とミュートが試される左手タッピング

 このフレーズは、全体的に難易度が高いが、4小節目1拍目に登場するスライドには注意してもらいたい(写真④~⑥)。ここでは、小指のスライドと同時にその後の中指と人差指の押弦準備をしておこう。スライドをしながら次のポジションを押さえるのは難しいが、普段からスケール練習を行なうことで対応できるはずだ。ちなみにブリッジ側を押弦すると音が鳴りやすいので、このような超絶レガート・フレーズでは、そのことを意識しながら弾いてほしい。また、このフレーズは6連符や 5連符、さらには32 分音符が現れたりと符割りが細かく変化していくので、リズムの変化には気をつけてもらいたい。スケール的にはEナチュラル・マイナー・スケール。全体のポジショニングを頭に入れてから弾き始めよう。

小指による4弦 7f の押弦。スライドの準備をしておこう。 小指によるスライド。他の指の押弦が崩れないように!

小指によるプリング。人差指で余弦をミュートしておこう。

スライドと同時に他の指の押弦準備をしよう!

 ここではレガートの名プレイが聴けるアルバムを紹介しよう。まずレガートの名手と言えばアラン・ホールズワース。かなり大きな手を持つ彼がワイド・ストレッチで行なうレガート・プレイは超絶の極みだ。彼が在籍した伝説のプログレ・バンドU.K. の 1st アルバム『U.K.』収録の「イン・ザ・デッド・オブ・ナイト」は、聴きやすくオススメ。次はジョー・サトリアーニの2ndソロ・アルバムをチェックしよう。スピーディで心地良いレガートが聴けるぞ。最後は、ダグ・アルドリッチ(ex. バッド・ムーン・ライジング)をオススメしよう。彼はクラシック・フォームで、しばしば流麗なレガートを決めている。

~コラム27~

プロに学べ! レガート名盤紹介

U.K.『U.K.』

ジョー・サトリアーニ『サーフィング・ウィズ・ジ・エイリアン』

バッド・ムーン・ライジング『バッド・ムーン・ライジング』