27
1 1 学生の確保の見通しおよび申請者としての取組状況 (1) 学生の確保の見通し ア 入学定員設定の考え方及び定員充足の見込み 本学は,健康科学部リハビリテーション学科の定員について,理学療法学専攻 80 名,作業療法学専攻 30 名に設定した。 まず,定員充足の観点から,現行の専門学校北海道千歳リハビリテーション学院 における志願者数及び入学者数,道内私立の理学療法・作業療法養成大学の志願者 数を勘案し,また,第三者によるアンケート調査の結果を踏まえて,入学定員の充 足が十分可能と判断し,上記の人数に設定した。 また,全国私立大学の理学療法・作業療法養成学科等の入学定員規模は以下の通 り。理学療法士養成学科では,定員を 40 名とする学校が 29 校(38.7%),次に 80 名とするのが 25 校(33.3%)である。作業療法士養成学科では,40 名とする学校 38 校(73.1%)と最も多く,次に 30 名と 60 名に設定している 4 校(7.7%)が 続く。このように,全国の定員規模と比較しても,妥当な定員数であると認識する。 平成 26 年度 理学療法士養成校 私立大学(75 校)の定員数: 日本理学療法士協会ホームページより 定員数(人) 30 35 38 40 45 50 60 70 80 学校数(校) 2 1 1 29 1 2 12 2 25 割 合(%2.7 1.3 1.3 38.7 1.3 2.7 16.0 2.7 33.3 平成 27 年度 作業療法士養成校 私立大学(52 校)の定員数: 日本作業療法士協会ホームページより 定員数(人) 25 30 35 38 40 60 80 学校数(校) 1 4 2 1 38 4 2 割 合(%1.9 7.7 3.8 1.9 73.1 7.7 3.8 次に,卒業後の社会における需要という観点でも,現行の専門学校北海道千歳リ ハビリテーション学院卒業生の求人状況及び就職状況,道内病院施設等へのアン ケート調査の結果などから本学卒業後の就職先は十分に確保できると判断した。 また,これから加速する社会の超高齢化に伴い,理学療法士・作業療法士の活動 領域は広がっており,北海道地域の高齢化等の状況から,今後その需要は増加する ことが予測される。一方,北海道内において,理学療法士・作業療法士の多くが人 口 10 万人以上の都市部に集中する偏った現状であり,地方においては慢性的に人 手不足の状況が続いている。

定員数(人) 学校数(校) 割 合(...平成25 年度 18,757 人 14,034 人 74.8% 平成26 年度 18,620 人 13,818 人 74.2% 平成27 年度 18,807 人 13,885 人 73.8%

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Page 1: 定員数(人) 学校数(校) 割 合(...平成25 年度 18,757 人 14,034 人 74.8% 平成26 年度 18,620 人 13,818 人 74.2% 平成27 年度 18,807 人 13,885 人 73.8%

1

1 学生の確保の見通しおよび申請者としての取組状況

(1) 学生の確保の見通し

ア 入学定員設定の考え方及び定員充足の見込み

本学は,健康科学部リハビリテーション学科の定員について,理学療法学専攻 80

名,作業療法学専攻 30 名に設定した。

まず,定員充足の観点から,現行の専門学校北海道千歳リハビリテーション学院

における志願者数及び入学者数,道内私立の理学療法・作業療法養成大学の志願者

数を勘案し,また,第三者によるアンケート調査の結果を踏まえて,入学定員の充

足が十分可能と判断し,上記の人数に設定した。

また,全国私立大学の理学療法・作業療法養成学科等の入学定員規模は以下の通

り。理学療法士養成学科では,定員を 40 名とする学校が 29 校(38.7%),次に 80

名とするのが 25 校(33.3%)である。作業療法士養成学科では,40 名とする学校

が 38 校(73.1%)と最も多く,次に 30 名と 60 名に設定している 4 校(7.7%)が

続く。このように,全国の定員規模と比較しても,妥当な定員数であると認識する。

平成 26 年度 理学療法士養成校 私立大学(75 校)の定員数:

日本理学療法士協会ホームページより

定員数(人) 30 35 38 40 45 50 60 70 80

学校数(校) 2 1 1 29 1 2 12 2 25

割 合(%) 2.7 1.3 1.3 38.7 1.3 2.7 16.0 2.7 33.3

平成 27 年度 作業療法士養成校 私立大学(52 校)の定員数:

日本作業療法士協会ホームページより

定員数(人) 25 30 35 38 40 60 80

学校数(校) 1 4 2 1 38 4 2

割 合(%) 1.9 7.7 3.8 1.9 73.1 7.7 3.8

次に,卒業後の社会における需要という観点でも,現行の専門学校北海道千歳リ

ハビリテーション学院卒業生の求人状況及び就職状況,道内病院施設等へのアン

ケート調査の結果などから本学卒業後の就職先は十分に確保できると判断した。

また,これから加速する社会の超高齢化に伴い,理学療法士・作業療法士の活動

領域は広がっており,北海道地域の高齢化等の状況から,今後その需要は増加する

ことが予測される。一方,北海道内において,理学療法士・作業療法士の多くが人

口 10万人以上の都市部に集中する偏った現状であり,地方においては慢性的に人

手不足の状況が続いている。

Page 2: 定員数(人) 学校数(校) 割 合(...平成25 年度 18,757 人 14,034 人 74.8% 平成26 年度 18,620 人 13,818 人 74.2% 平成27 年度 18,807 人 13,885 人 73.8%

2

本学が理学療法学専攻 80 名,作業療法学専攻 30 名の健康科学部リハビリテー

ション学科を設置することは,このような社会的問題に対応し,地域に貢献しうる

ものと考える。

イ 定員充足の根拠となる客観的なデータの概要

a)志願者の動向

文部科学省から発表された「平成 27 年度学校基本調査(速報値)」によると高等

学校卒業後の状況は以下の通りである。

全国の高等学校卒業者の進学者数・進学率推移:

文部科学省 平成 25~27 年度学校基本調査より

全国 卒業者 大学(学部)進学者 専門学校進学者

平成 25 年3月 1,088,124 人 514,905 人(47.3%) 185,378 人(17.0%)

平成 26 年3月 1,047,392 人 502,279 人(48.0%) 178,530 人(17.0%)

平成 27 年3月 1,064,347 人 519,137 人(48.8%) 177,698 人(16.7%)

※( )内は,高等学校卒業者数に占める割合。

大学(学部)進学者数はほぼ 51 万人前後であるが,構成比はわずかながら上昇

している。高等学校卒業者の大学等進学意欲は年々増大する傾向にあり,構成比率

は上昇すると考えられる。

b)北海道内の進学者数・進学率の推移

専門学校北海道千歳リハビリテーション学院入学者における北海道出身者の割

合は,過去 3 年とも 9 割以上である。また,北海道の大学入学者における北海道

の高校出身者の割合は 7 割以上,道内私立の理学療法・作業療法養成大学におい

ても志願者の 9 割以上が道内出身者である。以上のことから,本学が大学を設置

した場合の都道府県出身者の比率も,北海道が多数を占めることが予想されるた

め,志願者のターゲットは北海道に限定してよいと考える。

本学院の入学者数と北海道出身者数・割合

入学者数 うち北海道出身者 割合

合計 345 人 341 人 98.8%

平成 25 年度 111 人 110 人 99.1%

平成 26 年度 113 人 112 人 99.1%

平成 27 年度 121 人 119 人 98.3%

Page 3: 定員数(人) 学校数(校) 割 合(...平成25 年度 18,757 人 14,034 人 74.8% 平成26 年度 18,620 人 13,818 人 74.2% 平成27 年度 18,807 人 13,885 人 73.8%

3

出身高校の所在地県別大学入学者数:文部科学省

平成 25~27 年度学校基本調査より

北海道の大学入学者数 うち北海道の高校出身者 割合

平成 25 年度 18,757 人 14,034 人 74.8%

平成 26 年度 18,620 人 13,818 人 74.2%

平成 27 年度 18,807 人 13,885 人 73.8%

北海道文教大学 志願者と北海道出身者数・割合:

北海道文教大学ホームページより

入試年度 志願者数 うち北海道出身者 割合

平成 25 年度 理学療法学科 543 人 510 人 93.9%

作業療法学科 141 人 139 人 98.6%

平成 26 年度 理学療法学科 442 人 425 人 96.2%

作業療法学科 149 人 146 人 98.0%

平成 27 年度 理学療法学科 400 人 389 人 97.3%

作業療法学科 113 人 110 人 97.3%

北海道医療大学 志願者と北海道出身者数・割合:

北海道医療大学ホームページより

入試年度 志願者数 うち北海道出身者 割合

平成 26 年度 理学療法学科 986 人 900 人 91.3%

作業療法学科 990 人 929 人 93.8%

平成 27 年度 理学療法学科 818 人 756 人 92.4%

作業療法学科 803 人 749 人 93.3%

※平成 25 年度入試については,出身別の数値の公表なし。

過去 3 年間の北海道エリアにおける,高等学校卒業者の進学者数と進学率は以

下の通り。

北海道内の高等学校卒業者の進学者数・進学率推移:

文部科学省 平成 25~27 年度学校基本調査より

高等学校卒業者数

大学等

進学者数

大学(学部)

進学者数

専修学校(専門課程)進学者数

平成 25 年3月 45,817 人 18,276 人 15,690 人(34.2%) 10,408 人(22.7%)

平成 26 年3月 43,503 人 17,927 人 15,440 人(35.5%) 10,379 人(23.9%)

平成 27 年3月 43,528 人 18,458 人 15,874 人(36.5%) 10,337 人(23.7%)

Page 4: 定員数(人) 学校数(校) 割 合(...平成25 年度 18,757 人 14,034 人 74.8% 平成26 年度 18,620 人 13,818 人 74.2% 平成27 年度 18,807 人 13,885 人 73.8%

4

※( )内は,高等学校卒業者数に占める割合。

※平成 27 年3月の大学進学者数については,平成 25,26 年の「大学(学部)進学

者数」/「大学等進学者数」の割合を平均し,平成 27 年度速報値の「大学等進学者

数」に乗じて推計値を算出した。

全国的な傾向と同様に,大学への進学率が増加し,専修学校(専門課程)への

進学率は,横ばい状態となっている。なお,大学進学率を全国と比較すると 12%

ほど低く,北海道の大学進学率は今後も増加することが期待できる。

c)北海道内の医療・福祉系学部への進学者数・進学率の推移

全国の医療・福祉系学部(医学部を除く 24 学部)への進学者数は年々増加してお

り,この学部系統を目指す高校生の数は確実に増加傾向にある。

全国の理学療法・作業療法コースを含む医療系学部(医学部を除く 24 学部)の

学部別進学者数:文部科学省 平成 25~27 年度学校基本調査より

[単位:人]

分野 平成 25 年度 平成 26 年度 平成 27 年度

リハビリテーション学部 997 978 926

リハビリテーション科学部 127 115 206

医療衛生学部 326 306 400

医療科学部 892 933 1,038

医療技術学部 1,735 1,930 2,124

医療福祉学部 934 896 849

医療福祉工学部 217 187 184

医療保健学部 1,391 1,536 1,679

看護リハビリテーション学部 171 345 312

看護福祉学部 709 602 720

健康メディカル学部 626 566 636

健康科学部 3,480 3,614 3,833

健康福祉学部 1,384 1,158 1,167

人間科学部 7,473 7,106 7,763

人間健康学部 1,206 1,137 1,289

総合リハビリテーション学部 353 354 372

地域医療学部 487 454 528

保健医療学部 4,739 5,338 6,365

保健医療技術学部 351 448 489

保健医療福祉学部 558 540 595

保健衛生学部 325 310 328

保健科学部 1,221 1,182 1,426

保健学部 572 527 666

保健福祉学部 1,330 1,307 1,422

計 31,604 31,869 35,317

Page 5: 定員数(人) 学校数(校) 割 合(...平成25 年度 18,757 人 14,034 人 74.8% 平成26 年度 18,620 人 13,818 人 74.2% 平成27 年度 18,807 人 13,885 人 73.8%

5

また,高等学校卒業者における大学の進学者数について,全国における道内の割合

を算出し,「全国の理学療法・作業療法コースを含む医療系学部(医学部を除く 24 学

部)の学部別進学者数」の合計に乗じ,道内の医療・福祉系学部への進学者数及び進

学率の推計値を以下の通り算出した。こちらもやはり,進学者の実数・進学者数に占

める割合ともに増加傾向を示している。

北海道内の医療・福祉系学部進学者数の推計値

高校卒業者の

大学進学者数

(道内/全国)

道内の

割合

全国の医療・

福祉系学部

進学者数

道内の医療・福祉系

学部進学者数

(推計値)

平成 25 年3月 15,690 人/514,905

3.0% 31,604 人 948 人(6.0%)

平成 26 年3月 15,440 人/502,279

3.1% 31,869 人 988 人(6.4%)

平成 27 年3月 15,874 人/519,137

3.1% 35,317 人 1,095 人(6.9%)

※( )内は,道内の大学進学者数に占める医療・福祉系進学者の割合。

※平成 27 年3月の大学進学者数については,平成 25,26 年の「大学(学部)進学者数」

/「大学等進学者数」の割合を平均し,平成 27 年度速報値の「大学等進学者数」に乗じ

て推計値を算出した。

近年の急速な高齢化に伴い,医療・福祉系の職種の需要はさらなる増大が見込まれ

ることから,当該分野への進学者数についても継続して増加すると考えられる。

d)本学・他大学類似学科の志願状況

本学の過去 3 年間の入試関連状況は以下の通り。例年,志願倍率は理学療法学科,

作業療法学科共に 1.00 倍を超えている。道内の医療・福祉系学部への進学を希望す

る高校生(推計値)は増加傾向が見られることから,今後も同等の志願者数が集まる

と予測できる。

本学 過去3年間の入試関連状況

理学療法学科 平成 25 年度 平成 26 年度 平成 27 年度

募集人員 80 人 80 人 80 人

志願者数 127 人 126 人 162 人

志願倍率 1.59 倍 1.58 倍 2.03 倍

作業療法学科 平成 25 年度 平成 26 年度 平成 27 年度

募集人員 40 人 40 人 40 人

志願者数 78 人 62 人 68 人

志願倍率 1.95 倍 1.55 倍 1.70 倍

※いずれも,全入試方法を合計したもの。

Page 6: 定員数(人) 学校数(校) 割 合(...平成25 年度 18,757 人 14,034 人 74.8% 平成26 年度 18,620 人 13,818 人 74.2% 平成27 年度 18,807 人 13,885 人 73.8%

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なお,平成 29 年度の四年制大学新設後,本学は以下の定員を予定している。

平成 27 年度 募集人員

平成 29 年度 募集人員

理学療法学科 80 人 理学療法学専攻 80 人

作業療法学科 40 人 作業療法学専攻 30 人

合計 120 人 合計 110 人

また,近隣エリアの他大学類似学科(①北海道医療大学,②北海道文教大学,③北海道

科学大学,④日本医療大学)の過去 3 年間の入試関連状況は以下の通り。ほぼ全ての大学

において志願者が募集定員を大きく上回る状況であり,この分野に対する高校生の関心

の高さがうかがえる。なお,志願者数が唯一下回った日本医療大学作業療法学科について

は,平成 27 年 10 月に認可され,募集活動が他大学よりも遅くなったことが大きな要因

と考えられる他,この厳しい状況は,①日本医療大学保健医療学部リハビリテーション学

科が所在する北海道恵庭市(人口 69,000 人)には,附属高校を有する同系統の大学があ

り,②また,最寄り駅(JR恵み野駅)には快速電車が停車しない通学環境なども影響し

ているのではないかと分析している。

本学が所在する北海道千歳市(人口 95,900 人)には①同系統の大学はない。②また,

市内に拠点空港の新千歳空港があることから JR 千歳駅には札幌方面からの快速電車が

15 分間隔で停車する他,釧路,帯広などの道東地区,函館,室蘭などの道南地区からの

交通の要所となっている。(現専門学校在学生の 51%は道東,道南地区からの学生である。)

③JR 等での通学生も札幌市,苫小牧市,恵庭市,北広島市などから全体の 35%を占めて

いるなど,通学環境面でも恵まれた環境にある。

北海道内同系統の大学の過去 3 年間の入試関連状況(私立大学)

北海道医療大学

北海道科学大学

北海道文教大学

日本医療大学

Page 7: 定員数(人) 学校数(校) 割 合(...平成25 年度 18,757 人 14,034 人 74.8% 平成26 年度 18,620 人 13,818 人 74.2% 平成27 年度 18,807 人 13,885 人 73.8%

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1.北海道医療大学リハビリテーション科学部(石狩郡当別町) 単位 人(以下同じ)

理学療法学科 平成 25 年度 平成 26 年度 平成 27 年度

募集人員 80 80 80

志願者数 670 986 818

合格者数 141 180 186

入学者数 97 83 91

志願倍率 8.38 倍 12.33 倍 10.23 倍

作業療法学科 平成 25 年度 平成 26 年度 平成 27 年度

募集人員 40 40 40

志願者数 618 990 803

合格者数 139 208 225

入学者数 46 44 46

志願倍率 15.45 倍 24.75 倍 20.08 倍

2.北海道文教大学人間科学部(恵庭市)

理学療法学科 平成 25 年度 平成 26 年度 平成 27 年度

募集人員 80 80 80

志願者数 543 442 400

合格者数 182 217 189

入学者数 100 117 104

志願倍率 6.79 倍 5.53 倍 5 倍

作業療法学科 平成 25 年度 平成 26 年度 平成 27 年度

募集人員 40 40 40

志願者数 141 149 113

合格者数 73 78 74

入学者数 49 54 42

志願倍率 3.53 倍 3.73 倍 2.83 倍

3.北海道科学大学保健医療学部(札幌市手稲区)※平成 26 年度開設

理学療法学科 平成 25 年度 平成 26 年度 平成 27 年度

募集人員 ― 40 40

志願者数 ― 1,226 764

Page 8: 定員数(人) 学校数(校) 割 合(...平成25 年度 18,757 人 14,034 人 74.8% 平成26 年度 18,620 人 13,818 人 74.2% 平成27 年度 18,807 人 13,885 人 73.8%

8

合格者数 ― 212 213

入学者数 ― 50 53

志願倍率 ― 30.65 倍 19.10 倍

4.日本医療大学保健医療学部(恵庭市)※平成 27 年度開設

理学療法学科 平成 25 年度 平成 26 年度 平成 27 年度

募集人員 ― ― 40

志願者数 ― ― 77

合格者数 ― ― 58

入学者数 ― ― 38

志願倍率 ― ― 1.93 倍

作業療法学科 平成 25 年度 平成 26 年度 平成 27 年度

募集人員 ― ― 40

志願者数 ― ― 22

合格者数 ― ― 24

入学者数 ― ― 15

志願倍率 ― ― 0.55 倍

注)北海道文教大学の平成 25 年度・26 年度入学者数は,同校公表の平成 27 年度学数の 2 年次,3

年次学生数を記載した。

上記の大学について,平成 27 年度入試の定員及び志願者数を合計すると,理学療

法養成学科(専攻)の定員は 240 名,志願者数はのべ 2,059 名,作業療法養成学科

(専攻)の定員は 120 名,志願者数はのべ 938 名である。他学科との併願などを考

慮しても,道内私立大学で理学療法士,作業療法士の資格を取得できる学科に入学を

希望している生徒は定員数より明らかに多い。

e)高校生アンケートから見る志願者数予測

本学への受験・入学希望を把握するために,第三者機関である「株式会社日本ド

リコム」を介して,以下の内容で高校生アンケート調査を実施した。

①アンケート調査の概要

調査期間 :2015 年7月中旬~8月下旬

調査の方法 :北海道千歳リハビリテーション学院(以下本学と表示)データ,

オープンデータ分析,アンケート調査。

Page 9: 定員数(人) 学校数(校) 割 合(...平成25 年度 18,757 人 14,034 人 74.8% 平成26 年度 18,620 人 13,818 人 74.2% 平成27 年度 18,807 人 13,885 人 73.8%

9

調査の項目 :1.医療・福祉系学部進学者のボリューム

2.現状における本学の募集・志願状況

3.他の医療・福祉系学部(競合校)の動向

4.四年制大学開設にあたっての現役高校生の進学意向

アンケート調査詳細

:北海道エリアの現高校 2 年生に向けたアンケート

:対象約 5,000 名に対する郵送調査及び留め置き調査

:回収数 1,064 件(回収率 21.3%)

調査委託会社 :株式会社 日本ドリコム

調査対象エリア:本学の入学者における北海道出身者の割合は,直近3年(2013~

2015 年)の入学者合計 345 人のうち 341 人(98.8%)を占めてい

るため,調査対象エリアは北海道内に限定した。

② 高校生アンケートから見る本学への志願状況

北海道エリアの現高校 2 年生に向けたアンケート「受験したいと思いますか」

並びに「入学したいと思いますか」の設問に対する回答数等は以下のとおりであ

る。

設問「受験したいと思いますか」に対する回答数

[単位:人]

アンケートの回答数

非常にそう思う 14

145 そう思う 24

ややそう思う 107

そう思わない 616 616

わからない 299 299

計 1,060 1,060

設問「入学したいと思いますか」に対する回答数

[単位:人]

アンケートの回答数

非常にそう思う 16

151 そう思う 22

ややそう思う 113

そう思わない 608 608

わからない 298 298

計 1,057 1,057

注)上記,アンケート調査の結果,入学希望者数が受験希望者数を上回った理由は,アンケートの

手法が「受験したいと思うか」の問いに「そう思う」と回答した者に限って「入学したいと思います

Page 10: 定員数(人) 学校数(校) 割 合(...平成25 年度 18,757 人 14,034 人 74.8% 平成26 年度 18,620 人 13,818 人 74.2% 平成27 年度 18,807 人 13,885 人 73.8%

10

か」という質問に回答させる「ろ過的質問形式」ではなく,各設問の回答者に制限を設けず回答させ

た結果である。

特に,アンケートの「入学したいと思いますか」との設問に「非常にそう思う 16名」,

「そう思う 22名」,「ややそう思う 113名」と回答した計 151名について,入学意向者又

は入学の可能性がある者と捉え,特に「ややそう思う」と回答した 113名(10.7%)を本学

への積極的な入学志願者にすべく入試広報活動を活発化させる。

具体的には,①セラピスト(療法士)という職業の社会的重要性や②本学の教育研究上

の特色について,認可申請中における適切なPR活動の例に従い,高校教員を対象とした

大学設置説明会の開催や,本学ホーページ,業者が発行している進学情報雑誌・サイトに

より広報する他,③100%を誇るこれまでの就職率,④充実した卒後教育システム,⑤卒

業生の 90%超(1,405名)が道内に就職しているという充実した支援のネットワーク,⑥

本学の恵まれた教育環境,⑦学生支援の充実等も積極的に広報することで入学者の確保

を図る。

また,既設の専門学校の進学実績と近隣同系統の大学等への入学者動向等についても,

分析を行った結果,既設の専門学校北海道千歳リハビリテーション学院の入学者数は過

去 3 年の比較では確実に増加している。近郊都市に同系統の大学が新設された影響もあ

って,平成 25 年度から 26 年度の 2 年間は,志願者数は 205 名,188 名と定員(120 名)

を上回っているものの,入学者は,平成 25年度 111名,平成 26年度 113名と入学定員を

若干下回ったところである。特に平成 26年度は,近郊都市の札幌市で北海道科学大学が

保健医療学部に理学療法学科を新設した影響もあったと分析している。

しかし,平成 27年度は,千歳市に隣接する恵庭市に日本医療大学の新設があったにも

かわらず,志願者 230名,入学者 121名と定員を超える入学者となった。

近隣エリアの同系統の大学の入学者動向は前述(6頁~8頁)のとおり,設置認可が遅

れた平成 27年度開設の日本医療大学を除き,理学療法学科,作業療法学科は何れも各校

の入学定員を超える入学者があった。

f)長期的な学生確保の見通しについて

本学は,①近年の社会の急速な高齢化に伴い,リハビリテーション医療従事者を始めと

する介護関係人材需要の増大が予想されていること,②高校卒業者の大学等進学意欲が

全国的に増大する傾向にあること,③理学療法,作業療法を含む医療系学部への進学者数

が全国的に増加傾向にあること,④4年間を通じて健康増進障害予防リハビリテーション

を教育研究するという全国的に例を見ない教育カリキュラムを展開する大学であること

等を,メディアを含めて積極的に広報することで,長期的に学生の確保は可能と判断して

いる。(学生確保に向けた具体的な取組み状況は 12頁「(2)学生確保に向けた具体的な取

組み状況」に記載)

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また,本学は,学生の確保に向けた取組みの一環として,本学への入学希望者を把握す

るためアンケートの実施の他,既設の専門学校への進学実績,近隣同系統の大学の入学者

動向等を分析するとともに大学設置認可申請後,入学者確保のための PR 活動を開始し

た。

大学設置認可申請後の PR 活動は,①北海道千歳リハビリテーション大学ホームページ

の開設の他,②大学 PR 誌の作成,③本学及び道内各地でのオープンキャンパスの実施,

④進学情報会社主催の相談会への広報担当者の参加,⑤教員による出前授業の開催,⑥高

等学校長経験者の入試顧問 2 名による高校訪問及び高校教員説明会の開催などであるが,

高校生等の反応は予想以上であり,平成 27 年 11 月以降,平成 28 年 6 月 16 日までの PR

資料請求者等の数は 1,737 名に及んでいる。(資料 1)

専門学校時にも,ホームページを開設し進学相談会にも参加していたが,昨年 4 月,5

月の問い合わせ数と比較しても 2 倍を超えており(平成 27 年度 393 名,平成 28 年度 824

名,昨年との比較で 431 名の増加),これは,高校訪問により進学担当教諭と面談を繰り

返している本学入試顧問からの「本学が大学となることに期待感が強い」との報告とも一

致する結果と分析している。

本学は,この PR 活動に資料請求,オープンキャンパス参加等で反応した 1,737 名を分

類し,どの分類に属する高校生により積極的に広報を行なうのが効果的かを分析・順位づ

けし積極的な広報活動を展開する。(資料 2,3)

本学への資料請求者等の分類及び順位付けは,①本学開催のオープンキャンパス参加

者(141名),②本学入試担当者が高校生と直接触れ合い・説明できる進学相談会面談者(236

名),③本学ホームページや電話等で本学へ直接資料を請求してきた者(189 名),④進学情

報会社媒体の資料請求者(1,171 名)とし,今後ともダイレクトメールを活用するなど,広

報活動に戦略性を持って取り組むと共に,高校生の期待を裏切らない充実した大学づく

りを進める。

学生確保と本学の認知度を上げるため,28 年度に実施・計画している具体的PR活動

は,以下のとおりである。

【高校生や保護者等への本学の認知度を上げる】

①進学情報会社主催の相談会への参加を増やす(38 会場から 45 会場へ)

②進学情報会社が運営する進学サイトへの掲載を増やす(6 から 11 サイトへ)

③進学情報誌への掲載を拡大する(6から 11冊へ)

④大学教員のメディアへの露出を高める。

【高等学校・高校生に対する説明を重点的に行い,本学への理解を深める】

①高等学校教員を対象とした説明会を道内各地で開催する(札幌 2 回,旭川,北

見,函館,帯広,苫小牧)

②入試顧問 2名による道内の高校訪問を継続して行なう。

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③高等学校から依頼された出前授業,進学相談会,見学者受入れに可能な限り対応

する。

④オープンキャンパスを重視し,高校生目線での企画を充実させる。

⑤ホームページ,広報誌の充実 等

また,第三者機関である「株式会社日本ドリコム」を介して行った高校進路指導教員ア

ンケートから見ても,リハビリテーション系学部・学科への進学希望者の今後の状況につ

いて「かなり増えると思う」「ある程度増えると思う」という回答が 30.8%を計上してお

り,全国的な高齢化傾向と地域医療への期待を踏まえ,この分野を志向する高校生は増加

傾向にあるといえる。これらから入学定員 110 名の学生は十分に確保できるものと考え

る。

なお,調査結果の詳細については,資料 4「定員充足 見込み分析<報告書>」を参照

願いたい。

ウ 学生納付金の設定の考え方

学生納付金を授業料年額 1,300 千円,入学金 300 千円と設定するにあたり,北海道内

の他私立大学の関連学部の学生納付金を参考にしながら,学生への授業料還元最大限

を目途とし,本学としての収支が均衡する水準とした。

なお,現在の北海道千歳リハビリテーション学院の授業料年額は,1,460 千円,入学

金 200 千円と設定しているが,上記授業料と比較した場合,年額 160 千円引き下げた

ものである。

平成 27 年度の北海道内の私立大学の関連学部の学生納付金は,次のとおりである。

北海道内の私立大学の関連学部の授業料(実習費等を含む)

大学名 学部・学科 授業料(円) 入学金(円)

北海道文教大学 人間科学部

理学療法学科 1,300,000 300,000

作業療法学科 1,300,000 300,000

北海道医療大学 リハビリテーション

科学部

理学療法学科 1 年次 1,025,000

2 年次~ 1,325,000 300,000

作業療法学科 1 年次 1,025,000

2 年次~ 1,325,000 300,000

北海道科学大学 保健医療学部 理学療法学科 1,350,000 200,000

日本医療大学 保健医療学部 リハビリテーション学科 1,300,000 300,000

(2) 学生確保に向けた具体的な取組状況

新設大学の場合,学習内容,学習方法,教授陣,学年歴,学生の厚生施設,就職斡旋

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のサービス,学生サービス等,志願者にとって不明な点が多くある。志願を検討してい

る受験者に対し,それぞれの項目について丁寧な説明を行い,内容が十分浸透するよう

にしっかり周知することが,広報活動においてきわめて重要である。また,開学前から

新設大学としての認知向上を図ることも必要とされる。

それらを踏まえて,本学では,明確な中長期的ビジョンおよび活動方針に基づき,本

学のアドミッションポリシーに適った学生確保に向けて,全学体制の広報活動を展開

する。広報活動の実施にあたっては,学内の教職員に対し組織的な広報への理解と認識

を浸透させて,活動内容に矛盾が生じないよう,情報の一元管理を徹底し,全学として

連携・協働できる体制を構築する。

具体的には,高校訪問や進学ガイダンス等での対面形式でのプレゼンテーションに

よる情報提供の環境づくりを中心に,様々な広報媒体を活用しながら,地域に密着した

医療系大学である本学で学ぶ意義を伝えていく。

ア 広報体制

本学は,学生確保のための取組みをさらに充実させるため,学長を委員長に広報委員

会を設置する他,事務局に入試広報室を設置し,学生確保の企画・立案,結果分析など

を通じて広報活動の充実を図る。また,他大学の広報担当者との意見交換会を企画する

など情報収集も活発化させる。その際,本学に資料請求等のあった 1,737 名のうち,高

校 3 年生は開学年度の入学者とすべく,高校 2 年生,高校 1 年生,中学 3 年生は開学

年度以降の本学入学者となるよう重点的に取組みを展開する。

<組織および活動内容>

広報委員会 :中長期戦略ビジョンおよび活動方針の決定

入試広報室 :①広報に関すること。

②入学者の選抜に係る事務についての総括及び連絡調整に関

すること。

③入学者選抜方法の改善についての企画,立案及び連絡調整

に関すること。

④入学者選抜に係る調査統計及び報告に関すること。

⑤入学者選抜に係る情報提供に関すること。

⑥オープンキャンパスの企画,立案及び連絡調整に関するこ

と。

⑦入試説明会,セミナー等の企画,立案及び実施に関すること。

広報担当教員 :高校訪問・模擬授業・出前講義・進学ガイダンス

広報担当事務 :スケジュール管理・イベント企画・広報媒体準備・高校訪問・

進学ガイダンス・受験生動向調査・受験生窓口対応・広報媒体

調査・会計処理・その他

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イ 具体的な活動内容

a)高校訪問などを通じた高等学校への密な情報提供

専門学校北海道千歳リハビリテーション学院では,高校訪問を重点的に行って

おり,平成 26 年度は道内 291 校のうち 282 校に訪問し,さらに 79 校は複数回訪

問を行った実績がある。

高校訪問については今後も継続して実施し,高校進路指導部との一層の連携強

化を図る。特に通学距離圏にある高等学校には定期的に訪問し,進路指導担当教員

に本学の実態を伝えるとともに,医療系の進路を希望している生徒への情報提供

を依頼する。また,在学生の志願動向等を把握し,推薦入試等の候補者を選択して

もらう。その際,同じ教職員が特定の高校の担当者となり,高校の教員と情報を通

して深い絆を築いていけるようにする。

高校の進学指導教諭との面談では,高校生・保護者の大学志向の広がりや先輩に

続く傾向があるなどの情報の他,札幌市内の高校生は通学に時間を要するのを嫌

う,授業料も大学選択時の重要な要素となるなど,高校教諭から生の意見を聞くこ

とができ入試広報戦略に活かせるものである。この活動は,大学となってからも引

き続き行なうこととしている。

大学の新しい情報については,訪問のほか,電話,郵送なども用いて密に情報提

供を行い,生徒への情報提供を依頼する。また,高等学校主催の進路相談会,出前

授業等については積極的に参加し,本学の周知及び理学療法士・作業療法士につい

ての啓蒙活動を行う。

b)オープンキャンパスでの情報提供

平成 26 年度は地方での開催も含めて 10 回開催し,のべ 413 名(保護者等含

む)の参加があった。今後も年複数回のオープンキャンパスを開催し,本学(設

置予定)の設置の趣旨,概要,アドミッションポリシー等の説明を行う。

実技の体験もプログラムに加え,参加者に実技を体験してもらうことで,入学後

の学習内容の理解につなげる。また,そうした実習をサポートする実習室や施設を

見学してもらう。そのほか,奨学金や入試の特徴等について個別に相談できるコー

ナーを設け,新設大学に対する疑問を解消する場とする。

実施したオープンキャンパス(大学設置認可申請後 3 回開催)においては,大学

の概要や特色の紹介の他,高校生からの希望が多い演習室を使用しての理学療法,

作業療法の体験講座,専門学校在学生・教員とのフリートーク,専門学校卒業生の

体験談,保護者説明会など盛りだくさんのプログラムを組んでおり,地元千歳高校,

近隣の恵庭北高校の他,本学から 400 ㎞遠方の羅臼高校,300 ㎞遠方の釧路江南

高校の学生など,道央,道東,道南,道北地区から高校生が参加している。

オープンキャンパスには,父母等の保護者の参加も多く,昨年 12 月,本年 3 月

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及び 6 月の 3 回の開催で 66 名と参加学生の約 5 割以上に帯同している。

平成 28 年 3 月 26 日に開催したオープンキャンパス参加者からのアンケート結

果による参加動機は,①理学療法士,作業療法士に興味があるから(47 名),②千歳

リハに興味があるから(30 名),③大学化の話が聞けるから(26 名),④入試につい

て聞きたいから(22 名),④教員や学生と交流したいから(6 名),⑤模擬授業(5 名),

体験講座(4 名)を受けたいから,⑥保護者説明会があるから(2 名)と続いている。

また,参加に至った理由については,①ホームページを見て,②高校を通じて,

③送付されたチラシを見て,④資料を請求して等であり,現役高校生が進路を考え

るに当たり何に注目しているかがわかり,今後の広報戦略に有効なデータとなる。

今後開催予定のオープンキャンパスは 8 月 5 日,8 月 6 日,9 月 10 日,10 月 15

日,12 月 10 日,3 月 26 日と 6 回の開催を予定している。

オープンキャンパスは,道内各地でも開催しており,『「障害予防リハビリテーシ

ョン」と「地域貢献」をキーワードにした北海道千歳リハビリテーション大学のオ

ープンキャンパスをあなたの街で開催します‼』とのキャッチコピーで,本年度は

6 月 4 日(土)帯広市,旭川市,函館市で開催した。

c)大学説明会の開催

高校生やその保護者,あるいは高校の教員を対象に,大学説明会を開催する。本

学の理念や設置の趣旨,アドミッションポリシーなどのほか,人材育成の方向性や

就職に対する取組などについてきめ細かく説明する。開催場所として本学会場の

ほかに,公民館などの公共施設等も考慮する。また,対象者を保護者や高校の教員

に絞った開催も考慮する。

d)ホームページの新設と情報発信

本学の理念や設置の趣旨,概要や受験情報等を閲覧できるように新しくホーム

ページを構築する。ホームページは,高校生がスマートフォンで閲覧することを念

頭にレスポンシブデザインを採用し,見やすく操作しやすいものとする。特に受験

情報として,進学相談会やオープンキャンパスの日程,内容など様々な情報提供を

行う。その他,大学の資料請求やオープンキャンパス申し込み,問い合わせなども

ホームページから行えるようにシステムを構築する。また,トップページには最新

情報を掲載し,常に新しい情報を発信する場とする。

大学のホームページは広報ツールとして有効であり,本学は大学設置認可申請

後の平成 27 年 11 月に北海道千歳リハビリテーション大学ホームページを立ち上

げた。現在,大学設置認可申請中であり掲載内容に留意しながら,本学の魅力を伝

え,好印象をもってもらえるよう「本学を知らせること」に重点をおいた掲載とし

ている。

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大学設置認可後のサイトマップは以下を予定しているが,特に「在校生の声」だ

けでなく「卒業生の声」,「住まいの情報」,「療法士という仕事」,「卒後教育」など

を掲載し,高校生や保護者目線で大学や卒業後の仕事をわかりやすく説明するこ

とに力を入れていく。

大学設置認可後のホームページサイトマップ

(1) 大学案内(大学の紹介と特色ある取組み,学長挨拶,教育目標・沿革,教員紹

介,施設・設備紹介,卒後教育)

(2) 健康科学部,リハビリテーション学科(理学療法学専攻,作業療法学専攻,療

法士という仕事)

(3) 入試情報(アドミッションポリシー,入試情報,入試に関する質問・疑問)

(4) 各種支援(学生支援,保護者の方へ)

(5) オープンキャンパスや進学相談会,個別見学,各種講座

(6) 資格・就職(取得可能な資格と国家試験対策・就職支援,療法士が活躍するス

テージ,求人採用担当者の方へ,卒業生の声,卒業後の進路,就職実績,)

(7) 年間スケジュール,在学生の声,住まいの案内,各種証明書

(8) 大学広報・情報公開(広報誌,情報公開,問い合わせ,資料請求)

(9) 附属図書館(資料を探す,利用案内)

e)受験生向けメディア(進学情報誌・進学情報サイト)の活用

高校生が進学情報を調べる際に利用する様々な媒体を通じて本学を認知し,資

料請求ができるように,業者(リクルート,JSコーポレーション,マイナビ進学,

栄美通信,日本ドリコム他)が発行・運営する複数の進学情報誌や進学情報サイト

へ新設大学として広告を掲載する。

f)進学相談会への参加

業者が北海道内で主催する進学相談会に参加し,高校生や保護者に対して直接

大学の理念や設置の趣旨,アドミッションポリシーなどを説明する機会とする。ま

た,オープンキャンパスなどへの参加を呼びかける。

g)マスコミへの情報発信

大学の情報をできるだけ頻繁に新聞社やテレビ局等に発信する。また地域の情

報紙(ミニコミ)等にも頻繁に発信する。大学入試広報の窓口として入試広報室を

設置し,マスコミからの質問や依頼に対応する。

h)広告出稿

財政状況を勘案しつつ,オープンキャンパスや入学試験開催時期など,必要な時

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期に適切な広告を出稿する。

i)病院見学の紹介

本学は理学療法士・作業療法士を養成する大学であり,大学についての広報活動

のほか,理学療法士・作業療法士の職業そのものを啓蒙する必要もある。

専門学校北海道千歳リハビリテーション学院では,希望者に対して,理学療法

士・作業療法士が実際に働いている場面を見学できるよう,病院見学の紹介を平成

20 年度から行っており,平成 26 年度までに 110 施設の紹介を行い,のべ 88 名が

見学した実績がある。今後も病院見学の紹介を継続して実施していく。

j)個別見学の対応

年に複数回オープンキャンパスの開催日を設定しているが,部活動などのため

日程があわず参加できない高校生がいる。そのため,希望者に対して平日の個別見

学,個別相談を受け入れ,細やかなニーズに対応する。

なお,専門学校北海道千歳リハビリテーション学院において,平成 20 年度から

平成 26 年度までのべ 88 名の見学実績がある。

k)出前授業

出前授業は,依頼のあった高等学校に本学教員が出向き,理学療法・作業療法の

解説をはじめ,リハビリテーションに関する基礎的な解説を行ない,リハビリテー

ションへの興味と学ぶ意欲を刺激する機会をつくるため実施する。

専門学校時の実績は,平成 27 年度 32 回(延 32 校,参加学生数 362 名)である。

高校の規模や講義の内容によって受講生は変わってくるが,平成 28 年 3 月に滝川

西高校で開催した「スポーツ障害予防について」の出前授業には,高校生 85 名,

教員 10 名という参加であった。

大学教員が高校生に直接接することができる出前授業は,教員への負担も考慮

しながら実施するが,認知度アップや教育研究への理解を深めてもらう機会とし

て有効である他,高校生が興味を持っている分野を探るということからも有益で

ある。

l)PR 誌の作成・配布

PR 誌については,大学化される本学の特色をわかりやすく紹介するため,内容

や色合いも創意工夫し,本学の教育研究上の特色である「障害予防リハビリテーシ

ョン」と「地域貢献」を前面に押し出し,他大学との差別化を図るとともに,「伝統

を受け継ぎ,先進を切り開く」というコンセプトを打ち出したインパクトのある冊

子を完成させた。また,地域貢献活動や学生にとっての関心事である卒後教育等の

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支援についても,医療現場で活躍中の卒業生からのメッセージを掲載するなどした。

(資料 5)

本学は,北海道内同系列大学での作業療法学専攻等への入学者が伸びてこないこ

とも憂慮しており,その原因の一つに高校生が作業療法士という職業を知らないこ

ともあるのではないかと分析している。

高齢化社会の進行を受けて,今後益々,認知症患者等への対応など作業療法士の担

当範囲が拡大している。それとともに,作業療法士への求人倍率は,現専門学校の過

去 10 年間で平均 10 倍,この 5 年間で平均 62 倍強,特に平成 26 年度は 87.9 倍と

急激な伸びを示している。

本学は近年特に需要の多い作業療法士の養成数の現状をこのまま放置できないと

考えており,作業療法士の仕事を紹介する「作業療法士になろう!」というパンフレ

ットを作成し高校生に配布している。(資料 6)

これは,本学の入学者確保だけを念頭においたものではなく,大学での作業療法士

育成の重要性を認識して作成したものであり,公益社団法人北海道作業療法士会に

存在しないデータは本学のデータを使用し,現役の専門学校生(本学院),社会で活

躍している作業療法士(本学院卒業生),北海道大学で教育者として活躍している作

業療法士(北大卒)の 3 名のコメントも掲載している。

作成したこれらのPR誌は,オープンキャンパス,進学情報会社主催の相談会,教

員による出前授業,入試顧問 2 名による高校訪問,高校教員説明会,資料請求などに

際して有効に使用している。

平成 27 年 11 月以降,平成 28 年 6 月 16 日までの資料請求者数 1,737 名には,本学開

学予定の平成29年度に受験生となる高等学校3年生(1,019名)の他,高校2年生(579名),

高校 1 年生(107 名)が含まれている。また,中学 3 年生からも資料請求があるなどから,

高校生等が受験を意識し始める前の早い段階から上述の広報活動を活性化させ,併せて,

認可後は Facebook ページを開設し,本学の教育・研究の他,学生生活等の内容を積極的

に発信するなど,高校生等に理学療法士,作業療法士の魅力や職業の重要性を訴えいく。

また,高校生の医療・福祉系学部への進学希望者の掘り起こしにも力を入れることで,長

期的な本学の学生確保の見通しがあると判断している。

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2 人材需要の動向等社会の要請

(1) 人材の養成に関する目的その他の教育研究上の目的(概要)

北海道千歳リハビリテーション大学は,近年の北海道における医療の現状を踏まえ,

社会的に必要とされている理学療法士と作業療法士を養成する四年制大として,地元

北海道の地域社会に貢献することを目的としている。

その中で,様々な社会環境の変化に伴った人々の多様なニーズに適切に応えるため

に,学問的探求心を備え,豊かな人間性と幅広い教養と視野を持つ,質の高い専門性を

併せ備えた人材,臨床現場で連携できる医療人材および地域社会に必要な医療人材の

養成を主旨としている。幅広い視野で人間を理解できる教養を備え,専門職業人として

の倫理観を育み,専門知識を発揮して社会のニーズに柔軟に対応し,地域において問題

解決能力と実践力を発揮できる人材の養成を教育目的としている。

(2)北海道内の理学療法士,作業療法士の需要予測

ア)北海道の高齢者数と千歳市近郊都市の高齢者人口

北海道内の高齢者数は平成 27 年に総人口 5,361,296 人の 29.4%に当たる 1,574,668

人,平成 32年には 32.8%に当たる 1,696,536人,平成 37年には総人口が 4,959,984人,

高齢者数は総人口の 34.6%に当たる 1,716,195人を予想している。その後,北海道の総

人口は徐々に減りながら高齢者の割合は増え続け,平成 52 年には,総人口 4,190,073

人にまで減少するが,高齢者数は増加の一途をたどり 40.7%(1,707,328 人)と 40%を

超えると予想されている。

一方,道内一若い街と言われる千歳市でも平成 27 年に総人口 94,649 人の 21%に当

たる 19,909人,平成 32年には 23.6%に当たる 22,322人,平成 37年には 25%に当たる

23,539 人が高齢者になると予想されている。その後,千歳市の総人口は徐々に減りな

がらも高齢者の割合は増え続け,平成 52 年には,総人口 88,678 人と 9 万人を割り込

む一方,高齢者数は増加の一途をたどり 31.5%(27,967人)と 30%を超えると予想して

いる。(資料 7)

千歳市近郊の恵庭市の高齢者人口は,平成 27 年に総人口 69,985 人の 25.19%に当

たる 17,629 人,平成 37 年には 30.01%に当たる 20,578 人,平成 52 年には総人口が

63,053 人と減少し,その 35.83%に当たる 22,593 人が 65 歳以上の高齢者となると推

計されている。(資料 8)

同じく千歳市と隣接する苫小牧市の高齢者人口は,平成 27年に総人口 171,480人の

25.57%に当たる 43,841人,平成 37年には 30.81%に当たる 50,385人,平成 52年には

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総人口が 143,889 人と減少し,その 35.73%に当たる 51,409 人が 65 歳以上の高齢者

となると推計されている。(資料 9)

また,我が国最北の政令指定都市札幌市の高齢者人口の割合と推移は,平成 27年に

総人口 1,933,122 人の 25.75%に当たる 497,871 人,平成 37 年には 31.70%に当たる

599,098人,平成 52年には総人口が 1,711,636人と平成 27 年度から 20 万人以上減少

する一方,その 39.95%に当たる 683,748人が 65歳以上の高齢者となると推計されて

いる。(資料 10)

北海道内の高齢者数は,千歳市近郊都市のデータからは,平成 27年度には総人口の

21%~25%で推移しているものの,道内全体では 29.4%と地方都市の数値が高齢化率を

押し上げていることがわかる。また,平成 52 年には,31.5%~39.95%,道内全体では

40.7%と高齢者人口が 40%台に乗ると推計され,全国平均の 36.1%(38,678 千人)を上回

り,平成 26年と平成 52年の高齢化率の伸びは,全国一位の 12.6ポイントと予想され

ている。 (『平成 27年版高齢社会白書』(内閣府))

また,平成 27年版高齢社会白書では,高齢化の現状と将来像の中で,平成 72年(2060

年)には,国民の 2.5人に 1 人が 65歳以上,4 人に 1 人が 75歳以上となると指摘され

ている。

イ)療法士の治療対象者のうちの障害者数等

一方,理学療法士,作業療法士が治療等の対象としている者は,①病気や怪我で入院

し身体,精神機能の低下した者若しくは低下の恐れがある者(参考:平成 27年度本学の理

学療法学専攻実習施設 162施設で理学療法を受けた患者延べ数 4,422,216名,作業療法学専攻実習施

設 103 施設(道外 1 施設を含む。)で作業療法を受けた患者数延 2,150,537 名),②介護保険被保

険者,③障害者(障害者手帳の所持者)など多様である。

そのうち障害者について本学の所在地北海道千歳市の発表では,1)障害者数は,身

体障害のある人,知的障害のある人,精神障害のある人を含めた総数が平成 24 年度

で 4,331人(人口比 4.57%),平成 29年度で 4,787人(人口比 4.98%)と推計している。

また,2)北海道千歳市が策定した「千歳市障害者計画・第 4 期千歳市障害福祉計画」

では,障害者計画の体系を「基本理念」を定め,理念の実現のため,「基本方向」を①

お互いに人格と個性を尊重しあえる基盤づくり,②日々の暮らしの基盤づくり,③社

会参加へ向けた自立の基盤づくり,④住みよい環境の基盤づくりの 4つに区分し,こ

れを更に 8つの分野に分け,課題と基本方針を定めている。

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「※千歳市障がい者計画・第 4 期千歳市障がい福祉計画(平成 27 年度~平成 29 年度)から抜粋」

その基本方針「②日々の暮らしの基盤づくり」の生活支援や保健・医療の課題,基本

方針,主要施策の中で理学療法士,作業療法士による機能訓練などの充実が記載されて

いる。

千歳市は障害のある人の意向と課題に関して,身体障害者手帳,療育手帳又は精神障

害者保健福祉手帳を所持している市民を対象にアンケート調査を実施し,その結果を

公表している。これによると「地域で生活していくために必要なこと(N=2,390)複数回

答」のうち,理学療法士,作業療法士が対応できる事として,医療体制の充実(23.85%),

訪問系サービスの充実(10.0%),自立生活のための訓練・体験(8.7%),日中活動系サー

ビスの充実(4.85%),となっており,この結果からも理学療法士,作業療法士の需要は

高齢化の進行や寒冷地特有の冬期間の生活不活発病の増加などからも今後とも増加し

てくると考えている。

障害者数については,千歳市に隣接している苫小牧市が平成 24年度で 10,198人(人

口比 5.85%),恵庭市では平成 25年度で 3,673人(人口比 5.35%),政令指定都市の札幌

市では平成 25年度で 121,008人(人口比 6.25%)と,近郊都市の障害者数は人口の 5%

~6%台で推移している。千歳市や近郊各都市の障害者福祉計画によると各都市とも毎

年障害者数は増加しており,「超高齢化社会の到来が障害者人口も押し上げることが予

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想される」と記載している市もある。

また,千歳市の要支援・要介護者の推移と将来推計では平成 26 年度では 3,174 人(千

歳市高齢者人口の 17.4%)であったものが平成 29 年には 3,816 人(同 18.3%),平成

37 年には 5,201 人(同 22.1%)と推計されており,高齢化の進行で介護士との連携で理

学療法士,作業療法士の活躍する場が増えてくると考えている。(資料 11)

地元紙(千歳民報)の記事でも千歳市が平成 27 年 3 月にまとめた高齢者福祉計画の

要支援・要介護者の推計値 3,386 人を 70 人程度多く推移しているとし,毎年 200 人程

度前年を上回っている状況としている。要支援・要介護認定者の増加は介護給付費の増

加につながり平成 18 年度には 23 億 2,466 万円だったものが,平成 26 年度には 38 億

2,135 万円となったことから,疾病予防と健康維持,介護予防事業の展開で介護給付費

の抑制を図りたい考えだと紹介している。(資料 12)

(3) 本学卒業生の就職動向及び他大学類似学科の就職状況

ア.本学実習先アンケートから見る四年制大学新設への意向

本学の人材の養成に関する目的等が社会的,地域的な人材需要に合致しているかを

把握するために,以下の内容で病院・施設にアンケート調査を実施した。

アンケート調査の概要

調査期間 :2015 年5月中旬~9月上旬

調査の方法 :北海道千歳リハビリテーション学院(以下本学と表示)データ,

オープンデータ分析,アンケート調査。

調査の項目 :1.大学卒業後の就職者数・就職率

2.医療・福祉産業従事者数・割合

3.本学実習先アンケートから見る四年制新設への意向

4.理学療法士・作業療法士国家資格取得者数

アンケート調査詳細

:対象 295 施設(377 件)に対する郵送調査等

:回収数 268 件(回収率 71.1%)

調査委託会社 :株式会社 日本ドリコム

調査対象エリア:本学卒業者の 90%以上が道内の病院・施設に就職しているため,

調査対象エリアは,北海道内に限定した。

イ.本学への求人数及び求人倍率

本学の過去 3 年間の求人数及び求人倍率は以下の通り。毎年道内外から卒業者数を

大きく上回る求人が寄せられている。

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本学 過去3年間の求人数と求人倍率・就職状況

理学療法学科 卒業者 求人数

(道内)

求人数

(道外) 求人倍率

就職者数

(国家試験合格者)

平成 24 年度 80 人 371 人 1,090 人 18.3 倍 79 人

平成 25 年度 69 人 316 人 1,278 人 23.1 倍 61 人

平成 26 年度 78 人 369 人 1,495 人 23.9 倍 72 人

作業療法学科 卒業者 求人数

(道内)

求人数

(道外) 求人倍率

就職者数

(国家試験合格者)

平成 24 年度 31 人 328 人 1,166 人 48.2 倍 26 人

平成 25 年度 25 人 300 人 1,313 人 64.5 倍 25 人

平成 26 年度 21 人 330 人 1,516 人 87.9 倍 20 人

本学は専門学校北海道千歳リハビリテーション学院の組織を基に同分野の大学(4

年制)を設置するものであるが,専門学校の求人倍率は,上記のとおり,直近の 3 年間

の実績で理学療法学科卒業生の 18.3 倍~23.9 倍,作業療法学科卒業生の 48.2 倍~87.9

倍と入学定員を大幅に超える求人がある。(資料 13)

また,平成 26 年度の求人件数に対する求人数は,理学療法学科で 485 施設等から

1,864 人の求人となり,一施設当たり 3.8 人の求人となっている。また,作業療法学科

では,482 施設等から 1,846 人となり,一施設等当たり 3.8 人の求人となっている。

また,専門学校北海道千歳リハビリテーション学院の実習先のアンケートによると,

四年制大学となった本学の卒業生について,理学療法士の採用で「ぜひ採用したい」「関

心がある」「少しは関心がある」と回答した実習先の合計は 94.6%であり,同様に作業

療法士の採用では 93.3%を示し,採用に高い意向がうかがえる。これを更に詳細に分

析すると,「是非採用したい」が理学療法士 20.2%(N=242),作業療法士 22.6%(N

=252)であり,「関心がある」が理学療法士 51.2%,作業療法士 46.8%と高い数値が

出ている。

一施設当たりの採用数についても,アンケート結果にある平成 27 年度 4 月に 4 年制

大学新卒の理学療法士,作業療法士採用人数合計について,1 名とするところが 39.4%,

5 名以上採用する施設も 25.3%,最も多い施設で理学療法士 14 名,作業療法士 6 名の

計 20 名採用と回答した施設もあることから,本学の持つ上述のデータからの一施設等

当たりの求人件数 3.8 人からも妥当な結果と考えられる。

ウ.本学独自の就職説明会の開催について

本学は,学生の就職支援の一環として,専門学校北海道千歳リハビリテーション学院

が毎年度実施してきた「就職説明会」を実施する。

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就職説明会は,千歳市内のホテルに会場を設け,道内各地の医療機関,介護老人保健

施設等,並びに東京都,大阪府などの道外からも医療機関関係者が毎年概ね 100 施設

等,1施設等当たり1~3 人程度参加して行われる。(平成 27 年度の就職説明会には

99 施設,176 名の出席があった。)(資料 14)

説明会会場は,施設毎にブースが設けられ学生が各ブースで施設の説明を受け,質疑

が行われる。また,学生には事前に参加施設から施設概要や,学生へのメッセージが記

載された資料を配布している。

エ.卒業生ネットワークの活用について

専門学校北海道千歳リハビリテーション学院は,これまで 1,553 名の国家試験合

格者を輩出し,そのうち 90%超に当たる 1,405 名を北海道内の保健医療機関,介護

福祉施設に送り出している。大学設置後も道内各地で活躍する卒業生のネットワー

クを最大限活用し,学生の職業生活への移行支援の一環として,卒業生を招いて交

流・研修会を開催するなど,学生の職業生活に対する理解や療法士としての職業意識

の涵養を図る。

オ.専門学校の就職実績と支援体制について

専門学校北海道千歳リハビリテーション学院卒業生の就職状況は資料 15に示すと

おりであるが,平成 22 年度から平成 26 年度までの直近 5 年間における国家試験合

格者の就職状況は 100%である。

大学となってからも,引き続き長年に渡り構築された実習施設等との信頼関係を保

ち,既卒者に対しては,卒後支援講習会,臨床教育研究会の開催等の卒後教育を充実さ

せ,卒業生の生涯学習支援を促進するため学部長を委員長とする研修委員会を設置す

る等,卒業生支援を充実させ大学との連携・信頼関係を構築すると同時に,全道に広が

る卒業生からの本学学生の就職支援体制を充実させる等,母体の専門学校の就職活動

の経験を加味して,万全の就職指導が可能である。

カ.北海道内における四年制大学卒業生の就職状況について

北海道内で理学療法士,作業療法士を育成する四年制大学は 6 校『国立大学が1

校(北海道大学),公立大学が1校(札幌医科大学),私立大学が4校(北海道文教大

学,北海道医療大学,北海道科学大学,日本医療大学)』である。

このうち,卒業生の就職状況をホームページで公表している大学は,公立大学の札

幌医科大学と私立大学の北海道文教大学の 2 校であり,両校とも就職率 100%と公表

されている。(資料 16)

なお,北海道内の私立大学4校の中で,既に卒業生を輩出しているのは,北海道文

教大学のみであり,北海道医療大学が 28 年度,北海道科学大学が 29 年度,日本医

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療大学が 30 年度に第 1 期生を輩出予定である。

(4) 根拠となる調査結果の概要

ア 大学卒業後の就職者数・就職率について

a)全国と北海道における,大学卒業者の就職者数と就職率

北海道エリアと全国(参考)における,過去 3 年間の大学卒業者の就職者数(非正

規雇用を含む)と就職率は以下の通り。

大学卒業者の就職者数・就職率推移:

文部科学省 平成 25~27 年度学校基本調査より

全国 卒業者数 就職者数 就職率

平成 25 年3月 558,853 人 375,859 人 67.3%

平成 26 年3月 565,573 人 394,768 人 69.8%

平成 27 年3月 564,025 人 409,705 人 72.6%

北海道 卒業者数 就職者数 就職率

平成 25 年3月 17,196 人 11,215 人 65.2%

平成 26 年3月 17,397 人 11,842 人 68.1%

平成 27 年3月 16,925 人 11,785 人 69.6%

大卒者の就職率は年々上昇傾向にあり,北海道では平成 27 年3月卒業者の就職率

が約7割となった。

b)学部別の大学卒業者の就職者数と就職率

関係学部別にみた平成 27 年3月の大学卒業者の就職者数(非正規雇用を含む)と

就職率は以下の通り。

学部別大学卒業者の就職者数と就職率:

文部科学省 平成 27 年度学校基本調査(速報)より

学部名 卒業者数 就職者数 就職率

保健その他 33,709 人 29,874 人 88.6%

家 政 17,051 人 14,636 人 85.8%

社 会 科 学 190,341 人 153,573 人 80.7%

教 育 42,993 人 34,211 人 79.6%

人 文 科 学 85,352 人 64,689 人 75.8%

保 健 薬 学 11,067 人 7,581 人 68.5%

農 学 17,609 人 11,626 人 66.0%

工 学 85,976 人 49,001 人 57.0%

Page 26: 定員数(人) 学校数(校) 割 合(...平成25 年度 18,757 人 14,034 人 74.8% 平成26 年度 18,620 人 13,818 人 74.2% 平成27 年度 18,807 人 13,885 人 73.8%

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芸 術 15,969 人 8,794 人 55.1%

理 学 18,233 人 8,608 人 47.2%

理学療法士,作業療法士コースを含む「保健その他」学部の就職率が最も高く 88.6%。

また,平成 25 年3月卒業者で 82.5%,平成 26 年3月卒業者で 84.6%と,いずれの

年も就職率は8割以上となっている。

c)医療・福祉産業従事者数と全有業者に占める割合

北海道エリアと全国(参考)の,医療・福祉系産業就業者数と全有業者に占める割

合は以下の通り。

医療・福祉系産業就業者数と全有業者におけるその割合:

総務省 平成 14~24 年 就業構造基本調査

全国 医療・福祉系産業

就業者

有業者に占める医療・福祉系産業

就業者の割合

平成 14 年 48,917 百人 7.5%

平成 19 年 59,576 百人 9.0%

平成 24 年 71,194 百人 11.1%

北海道 医療・福祉系産業

就業者

有業者に占める医療・福祉系産業

就業者の割合

平成 14 年 2,590 百人 9.3%

平成 19 年 2,915 百人 10.8%

平成 24 年 3,422 百人 13.0%

医療・福祉系産業就業者はここ 10 年間で右肩上がりに数が増加しており,また全

就業者に占める割合も1割を超えている。

大学卒業者の就職率は年々上昇しており,また,保健その他学部卒業者の就職率は

平成 27 年で約 9 割となる。また,社会的に見ても医療・福祉系の従事者の数・割合

は増加傾向が顕著である。以上のことから,医療・福祉産業の従事者は今後も増加す

ることが予想される。

また,現在,我が国では高齢化の進行で 65 歳以上の高齢者人口は 3,384 万人,総

人口に占める割合は 26.7%と共に過去最高となっている。また,80 歳以上の人口が

初めて 1,000 万人を超えたと公表された(平成 27 年 9 月 20 日総務省),高齢者数は

団塊の世代が 75 歳以上となる平成 37 年(2025 年)には 3,670 万人に達し,平成 54

年(2042 年)まで増加を続けると予想されている。

Page 27: 定員数(人) 学校数(校) 割 合(...平成25 年度 18,757 人 14,034 人 74.8% 平成26 年度 18,620 人 13,818 人 74.2% 平成27 年度 18,807 人 13,885 人 73.8%

27

高齢化の進行は,病気になる人,そしてリハビリテーションを必要とする人が増加

することにつながり,理学療法士,作業療法士の職域も病院,介護福祉施設,デイサ

ービス施設,サービス付高齢者住宅等へと広がりを見せていることからも,高齢者,

障害者を支える理学療法士,作業療法士のニーズが高まると予想している。

北海道における理学療法士が在職していない市町村数は 179 市町村のうち,61 市

町村(34%),作業療法士に至っては,179市町村のうち92市町村(51%)となっており,

道内の理学療法士,作業療法士の 70%が人口 10 万人以上の都市部に集中している

ことが分析されている。

地域住民の健康増進及び障害予防能力を有する人材の育成を教育の目標としてい

る本学は,卒業生の 90%以上を道内各地に輩出している専門学校時代の実績を活か

しながら,北海道内の実習施設(理学療法学専攻 162 施設,作業療法学専攻 102 施

設との連携を強化し,本学卒業生の就職先を確保するとともに地域住民の健康に貢

献するという大学の目的を果たしていく所存である。

なお,調査結果の詳細については,資料 4「定員充足 見込み分析<報告書>」を

参照願いたい。

【資料 1】新設大学設置(北海道千歳リハビリテーション大学(仮称))の PR に対す

る問い合わせ数と地域分析及び過去の入学者の地域別人数

【資料 2】新設大学設置の PR に対する問い合わせ者の属性,学年別等人数

【資料 3】過去の入学者出身高校一覧と新設大学設置の PR に対する問い合わせ数

【資料 4】定員充足 見込み分析<報告書>

【資料 5】PR 誌「リハを学び,未来を創る」

【資料 6】パンフレット「作業療法士になろう」

【資料 7】北海道千歳市における高齢者人口と割合の推移

【資料 8】北海道恵庭市における高齢者人口と割合の推移

【資料 9】北海道苫小牧市における高齢者人口と割合の推移

【資料 10】北海道札幌市における高齢者人口と割合の推移

【資料 11】千歳市高齢者保健福祉計画(要支援・要介護者数の推移と将来推計(抜粋))

【資料 12】千歳民報(平成 28 年 6 月 14 日版(抜粋))

【資料 13】北海道千歳リハビリテーション学院求人倍率状況

【資料 14】北海道千歳リハビリテーション学院就職説明会会場配置図,開催要領

【資料 15】卒業生の北海道内就職率調べ

【資料 16】北海道内における四年制大学卒業生の就職状況について