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Title 北海道材の生産集荷面に於ける法律關係に付いて

Author(s) 佐藤, 昌彦

Citation 北海道帝國大學法經會法經會論叢, 9, 239-264

Issue Date 1941-04

Doc URL http://hdl.handle.net/2115/10702

Type bulletin (article)

File Information 9_p239-264.pdf

Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP

は第一章

銘銘

章(三)(二)(ー)章 北海道材の生産集荷面に於げる法律

関係に就いて

佐

藤

彦

日日

1'1

号た

L

が

き

研究の謝象及び方法に就いて

北海道に於ける盗伐事件に現はれた木材取引の貧相

渚滑事件に就いて

標茶事件に就いて

角川村事件に就いて

仰

遺

lま

~\

き

L

本稿は筆者が日本早術振興合から昭和十五年度前期に於て援助を受けた「木材取引過程に於ける法律開係の研

究」の第一回研究報告を恭礎とし、之に多少の加筆をなしたもりである。而して本稿を法粧合論t

議に於て殻表す

る事は、上詑二舎に釘する筆者の責任を果すものであるが、更に之が中島先生の在職三十年記念編文集の一部在

北海道材の生廃条荷市に於ける法律闘係に就いて

二一一一九

北海道材の生産集荷商に於ける法律闘係に就いて

二問。

なす事は常に粧摘事象の法律撃的槻政一小を敬一不せられる同先生に封し平素の皐思を謝する一訟でるり得る事を信品γ

るのである。

第一一一軍

研究の封象反び方法に付いて

周知の如く、木材は生尿せられてから消費者の手に亙る迄その聞の取引は山元に於けるもの或は市場に於ける

もの等すべてその形質を具にし叉地方によって夫々異る慣習が存在して居る。そのすべてについて精細注調夜を

なし之が法律関係を確定する事は木材を中心とせる産諮問系の確立に役立つ一帯は勿論、ひいては会斥主酬閥系の設

定に寄血(し得るものと信じて本研究を開始したのであるが、かLる巨大産主の卒一方面に瓦る調布は限られた時間

主持力に於ては不可能なるは言ふ迄も友い。よって筆者は先づ本研究を二分し、昭和十五年度に於ては生産より

集荷に到る取引関係の調布に全力を注ぎ、次年度に於て集荷せられたるもの

L配給の過程に研究の手を延ばさう

と計重したのである。而して此の第一段の研究に於ても、北海道材を中心としての研究を進める事とした。之に

は次の三の理由が存する。

第一は筆者がその研究費施の場所を北海道帝園大串農墜部に置いたと言ふ便宜上の鮪

第二は北海道材は日本金凶木材生産量の約十分の一を毎年間占めて居りまたその害総から見ても将来八位々重要

性を加ふ可きものと考へられる事

第三は北海道の林政は農林省の主管に嵐せや内務省の監督下に北海道臨の手によって行はれつLある矯それに

附する調布は充分ならざるうらみがあった事

以上の諸理由からして本年度の研究は先づ北海道材の生産集荷の闘係について歩を進める事としたのである。

かく封象を決定すれば次にはかL

る生京集荷の取引過利に於ける法伴闘係研究の方法如何が、問題とならざるわ任

得たい。

凡そ取引閥係を研究するにあたっては、之を抽象的に視察する方法と兵閥的に取扱ふ方法とが存布すると信や

る。前者は依りに経消息γ

的見地よりすれば、財貨の生産、交換の如き槻鞘よりして観察する事を得べく、叉法律

準的には契約、或は不法行馬の如き翻賠よりして考察する事に於て表現せられる。

る抽象化類型化を先づ行はや、取引の貴地につき、その現買の諸嬰件を精奈する事を目的とする。而も阜である

以上は、一世合科墜と雌も前者の方向に進む可きは営然でるり、その慣値も又大ゑる事は言をまた友い。探したが

一方共閥的な考察方法はかL

らかtA

る抽象的考察は、共髄的事貴闘係が確定せられて始めて可能であって、兵組的事買に通院せざる抽象化、

普遍化は調閣に陥り、共の慣他を喪失する事に五るは之亦附易き道理である。本研究は本来、かL

る慣他なき曲一日

沼化をさける潟確貫なる資料を提供せん事を目ざして行はれるものであるから、研究者として保る可き方法は

A

惜的取引の霞設的粘布に烏かなければなら友い事は岱然である。

来して然らばかL

る取引、特に木材の生産集荷のH

叫山間的貿例の調布は如何にして行ふ可きであらうか。毎年一

千高石に上る北海道材の取引は犬を特に集荷の方面に限つでも無数に存在する。その一々について調有する事は

不可能とは言ひ得ないとしても、無川の努力を費す事に陥り易いであらう。而も又か』る煩をさけて所謂大手筋

の行ふ取引について見るとしても之は定型佑し又商取引の特徴として迅速に行はれるものであるが般に、その間

特殊む事情の之に附荒するを許さや、又仮令存在しても之を調夜する事は闘係資料の貧困から容易ではないので

ある。従って紫者は、本研究の封象を極めて典型的と見られ仰る取引であって、而もその聞の具、間的事怖を明か

にし得る資料の存在するものに限らざるを特ない事となったのである。市しでかLる性質と使立を供興する取引

として、来者は北海道に於ける盗伐材の取引を撰んだのである。北海道に於ける木材の強伐はその数は決して砂

くなく、又内地方耐と具り、多量の路伐探が行はれるのである。

北海道材の生成集荷而に於ける法律関係に就いて

vc司

北海道材の生産集荷商に於ける法律関係に就いて

一一回二

今北海道闘有林に於ける寅例を見れば、大正十三年より昭和十二年に至る十四年間に於て、件数にして八六五

件、人員にして一一、九八一人、材積にして七二八、

000石、金額にして四六四、三八六闘の盗伐が行はれて居

る。之に御料林、公有林、私有林を加ふれば、被害額は極めて多数と・なるのである。

斯の如く多量の蕗伐材が供出せられるのであるから、夫は勿論盗伐者自身のハ多くは地元農民である)の自家

用に供するのものではなく、商品として流通過程に投入せらる舗に伐採せられるのであって、生産の方法は不正で

あり叉かLる事象は特異なものではあるがその生産せられたるものL集荷、分荷は一の木材取引の基本型に従っ

て底現せられるのである。盗伐なるが故に特殊の取引形態を採る事はなく、すべて一般取引の方法に従って虚理

せられる。市してかL

る一般取引の方法とそれに闘する兵践的諸要件はすべて盗伐事件に蹴する刑事記録共他に

於て之を明にやられて居るのでるる。此の黙は筆者にとって大たる利便を提供するものであって、盗伐の如き枇

合的に深刻な影響をあたへた事件は、関係者は勿論一般吐舎に於ても永くその記憶に残り、叉その記録も整理保

存せらるL事は一般商取引がその格了によって記憶も記錬も消滅し去るものと同一に論やる事が出来ないのであ

る。かL

る意味に於て筆者は北海道に於ける盗伐事件数個を選びその取引方閣の研究を進める事としたのである。

市して賀夜の方法は事件の護生した現場にのぞみ、遺境的諸要件左調夜し、叉開係者より印象感想を聴取し、一

方資料として、例へば北海道臆拓殖部陀属する各皆林医者或は帝室林野局の関係書類、又閥係司法営局の記録書

類、又山口同該事件の伽判決者の蒐集を行ったのである。

北に本論としてHA(

閥的箆伐事件についてその取引闘係。資相を述べる事とする。

第二章

北海遵に於ける盗伐事件に現はれた木材取引の費相

(一)

消滑事件につい

τ

本盗伐事件は北見閣紋別郡渚滑村立牛岡有林に於て大正十一年から同十四年に亙って費生したものでるって、

殆ど全部が同部落民の犯罪であり有罪の決定を受けた者は六三名であった。その損害額は本数回、三五七本、有

数三八、五六三石六斗二合、金額三一、九二一国五二銭四厘となって居る。

先づ本事件の概要を述べれば、渚滑地方は監督署からは遠隔白地であって、大正十二年十一月五日に渚滑から

v

北見瀧の上迄園有働道が開通する迄は遠艇から中湧別迄省線により之から陸路約二

O虫は紋別措を経由し不完全

なる馬車により、又冬季は馬構を唯一の交通機関と友す有様であれ

J

たのである。従って地元農民による薪安材等

の自家用乞目的とする盗伐は極めて多敢に行はれて居たが、之は猷認せられ居るかたちであった。之を監替する

ものは上鴻滑市街地(立牛より山里)に駐在する森林主事只一人であったから監護の貴をあげる事は極めて困難

と一一百はざるを得ない欣態であったのである。

かtA

る航態に於て上掲の如き大損害を生やる盗伐事件が費生するに至ったのは種々た原因が考へられる。第一

は監護の任にあたる森林主事O田某がその住務に忠貰ならざりし事。第二は欧洲大戦後の好景気が木材界にも一

穴梓機をあたへ、北海道材に封し大型舶が就航せられるに至り、北海道材は内地各市場に於てその慣値が認識せ

られ、その値上りを見、従って地元北海道に於ても木材によって大なる利潤を得ゃうとの考が木材業者は勿論、

木材業を替まんとするを誘致し、又地元農民も之に誘はれる至った事。第三は特に木地方に大正十二年に岡有揃尚一

道が開通した事が、伐採木搬出の利便を大いにあたへ木材質買業者の木地方進出を容易友らしめ、叉地元農民に

とっても伐探後の搬出に大いに努力を減殺し之が大盗伐を容易ならしめた事。

以上の諸原因を通じても本盗伐事件に於て、之は他の盗伐事件も同様であるが、伐探はすべて商品としての木

材を釘象として行はれるものである事を知るを得るが、此の事は又本事件に於て最も被害額の多量であったヤチ

タモハ八九二本、

二一、六七六石六斗六合、

一二、三七八闘九七銭二匝)の小樽市場に於ける慣格は大正十一年

北海道材の生産集荷商に於ける法律関係に就いて

二四三

北海道材の生産集荷商に於ける法律関係に就いて

二四四

一OO石五三三閥、大

E十二年六六問閥、大正十三年七一二闘、大正十四年六一八闘であって大五十一年

!l大

正十三年は茜しき高値を示して居る事によれ

J

ても又知る事を得るのである。叉ヤチタモにづいで多量の被害のあ

ったセン(四二五本、七、

O六五石九斗二升九合、七、三八一闘八銭六厘)についても同様の事が一一一一口ひ得るのであ

る。勿論現場は針潤混肴林であってエグ松トド松の針葉樹も多く生立して居るのであり、又潤葉樹として後に輸

出によって高値を示したナラも多数存するが之等の伐採量は前二者に比すれば少量であるのである。

さて，次に本事件に於て詮伐せられた木材が如何友る方法、形態で取引せられたかを加害者別に調茶した底左越

ぺる。一、

0

，Z4

川

μ

業

~iil

係

右の犯行は大正十一年から十三年一月に亙るものでるって被害額本数一、同三

O本、石敷一コ一、三

O五一七、金額

一O、九九二国であるが、その盗伐木の大部分は紋別の

O田商舎ハ

O国某)材木部へ由貿却したのである。。阿南

合は木材以外をも取扱ふものでるるが、木材についてはその仲買をなすも白であって、その主任

O積某が各地に

出張して貸付けを・なして居たのであって、

O山の盗材木はその犯行の長初から

O積と契約を結んで之に資却し、

O阿南合より更に他の方面へ轄資せられたのである。

O山は部落に於ても有力、なるものであったから、伐採、搬

出の資金を

O積から仰いだ事は考へられないが砂くとも資質の契約を締結して伐採したものである事は明かであ

る。市して

O積は皐に紋別に居住して取引をなしたものではなく、伐保の現場にしばしば立合ひ如何友る樹、簡が

何程如何にして披出せらるL

かを巨細に承知して居たものと考へられる。

之が木材仲買人の任務であって、現場の模様を知るものでなければ、仲買業を皆む事は不可能であるのである。

而して

O山が

O積に安却したヤチタモ角は遺材百石上消滑騨時しにてこ百聞飴であって、之は営時の小樽市場市

阿川恨りに大正十二年をとハ

J

ての百石六百六十問闘に比すれば極めて安値であるのは注目に値する。木村の市場憤

絡の今ばを占めるものは山元の伐採、搬出の費用及び最寄際よりの運設費であって、その中山元に於けるものが

大部分を占めるのである。従って若し山元の買値を安く叩き得るとすれば、現賀市場

Kmす迄に幾多の仲介者の

、手を経てもその聞の口銭稼ぎをなさしむる事は可能であるのであるから、仲介業をなすものは山元の値段を叩く

事に全力乞あげ従って盗伐木の如きはその好餌と友るのである。叉此の種仲介業者が極めて多数であり、木材業

者と呈一口へば先づ仲介業と考ふ可く、製材工場等の固定資本を有して倍業をなす如き竪賓なる基礎を有するものは

砂い。亦然し又一方回定資本を有するもの、或は所謂大手筋と山元とを連絡するものはかLる算盤一挺を資本と

して各地を飛びあるく仲介業者である事も叉注目を要する事である。かLる仲介業者に劃して許可制を取るが如

きは望ましい事であるが、従来生誌を促進し、供出を容易ならしめたものは斯の如き仲介業者であった事は注意

を要する。

二、

O

1

1

1 某

信国

係

右の犯行は十三年二月から十問年三月に至るものであって、被害額は二六一本、

一、九

O九石、

一、五六

O閲八

一銭であるが、経伐木中シナ丸太百五十石は瀧の下に搬出し、某木工場に寅却した。某木工場は前述の如き固定

設備を有する製材工場であって中工業に属するものと言ふ可く一年の原木使用量二高二千六百三十石と郁されて

居る。本取引に於ては建材は製材せられて寅却されたものと見る可きであるが、営然木工場が遺材のまL騨責す

る事も考へ得るが、此の鰯は明かにせられて居、ない。共他ヤチタモ、セン、シコロ角は小樽市

O林某に費却した。

O林某は上越の如き仲介業者であってその寅買皐憤シナ丸太百石二九

O岡、角セン、タモ込間百闘であって、常

時の小樽市場債格に比して格安なる鮪は

k越した所を参加して注目せられたいと考へるり

O

8'/

某

係

日剖山

間mm

右の者の犯行は大正十三年二月から十四年二月に至るまでLあって被害額一一九本、

北海道材の生産集荷商に於ける法律関係に就いて

一、七三七石八斗八升、

二四五

北海道材の生産集荷商に於ける法律関係に就いて

二四六

一JハO五闘である。

O旧はその挫伐木の大部分を阿部落民である

O橋某巴賀一却し、。橋は之を室蘭市木材業O本某の府員O部某に

手数料を得て寅却した。

0・本は年約二五、000石佐川悦ふ例人業者でるる。

02市は

O橋以外欠眠り木事件犯行者の

一人でるる

O郷某から一、

000石飴を買入れて居る。

O部の買入れた盗伐木は大部分之を室蘭に詮り、室蘭から

芝浦、大阪に輪詮せられたりである。即ち

O本は直ちに之を韓貿したのであったq

前本件に闘し、斯の如き麟口聞の庭分が行はれた場合その所有権の闘係が如何に友るかは、一般的に論やる事を

得ると考へるので此の鮪にワき法律問題を少しく考究して見る事とする。かLる場合に民法、

一九二保、

焼、二四六僚の規定が趨用せられるのは勿論であるが、伐保後直ちに製材せられたる場合は角材、或は丸太材が

一九一一一

或る種の加工を受けたわけであるからその賄は克に考慮し・なければたらたい。之に闘し、次の如き大審院判例が

存する。即ち大正十三年一月三十日判決集三宅問。頁、以下であって牧野博士日本刑法下各四七二頁所載のもの

であるが、之には次の如く言って居る。「控伐シグル木材一一付更ニ製材搬出等ノ作業ヲナスガ如キハ之レ木材ノ形

般若クハ北ハノ所在堀ヲ壁史スルニスギズシ一ア新タナル物件ヲ製作シグルモノト謂ブヲ得ザルガ故=縦令H正一一ヨリ

該木材ノ慣格ガ製材以前一一比シ著シク増加シタリトスルモ之ガ作業者一一於テ其ノ物ノ所有権ヲ取得スベキ謂レア

ルコトナシ」と。本事件は北海道の事件であって強伐者が遺材搬出更に製材したものを怖を知って見受けた者が

臓物牧受に問はれたのであって、加工したものは臓物にあらやとの主張を大審院が排斥したものである。従って

本事件の判決は具閥的には安営と言ふ可きであるが、本判決よりして直ちに製材せるものが原木と法枠上異らざ

る取扱以を受ける可きものとは言ひ得たいのでるって、此の賄に闘しては克に精制な研究が必要であり後述第二

の事件に闘しでも此の鮪について脳れる引とするが、次の如き判例がある事を附言する。

即ち大正十一年十日三日大棋院判決判例柴J4百九蹴五一六民所持のものであって之をみ叫に抄録する。

時時議人寺井俊夫上告趣意書第一一紡陳列決ハ「被告人ハ大正十一年一月日不詳午前九時頃北洋脈郡小泊村んや南小泊山岡有林小

学鯨場深ニ於テ閥有杉立木三本(材積二石七分六嵐償仲間五闘四拾或銭六既)ヲ浴伐シ内一本ヲ原料トシテ被告人居宅エ於テ

巾約六寸ノ板四五枚ヲ制訳出シタルモノナ日」トノ事貿ヲ認定シ

H之エ法律ヲ適用スルニ山口問リ列一不被品目人ノ所銭ハ森林法第八

十四傑第二披-一該常スルモノナル回日列一不シタリ然レトモ八十四俊二放ニ

ρ

「臓物ヲ原料トシテ木決、線開刷、称草、松根油其

ノ他ノ物口問ヲ製シタルトキ」トアリテ其ノ他ノ物日間ト一式7

カ如キ用語ヲ使用シアレトモ其ノ前段-一木炭棒脱一式云トア

Fテ何

レモ其ノ加工-一ヨリ其ノ木材タル性質ヲ全然鎚質シ伊ル場合ノミヲ指稀スルユヨ

p之ヲ観レハ立法ノ趣旨ハ自ラ明-一シテ翠

ニ立木ヲ盗伐シ之ヲ現場-一テ小切ユシ自宅-一運搬シ更ユ角材活ハ板材ト銭シ

Rル場合ノ如キハ之ヲ匂合セサルナリ蓋シ仲防犯

カ共ノ臓物ヲ現町民-一虎分スル行伐ノ如キ結果行銭ρ

山町同然盗犯行儀白鴎-一吸牧セラレ敢テ別罪ヲ構成ス凡モノ=アラサルハ勿

論ナリト雌之カ原則ノ例外トシテ森林法第八十四候第二放ニ於テ現資ノ底分行銭中或ん開様ノ行銭ヲ以テ殿罰スヘキ加議ノ

情欣アリトシテ規定シ

9ルモノナレハ須ク歳裕且狭義一一解スへク妄ニ披張解稗ヲ許ササルハ刑罰法令ノ解税率上常然ナリト

ス左レ山本件ノ如キ場合ハ森林法第八十三俊二談常スヘキモノニシテ八十四位陣二続ニ該常セサルヤ疑ヲ答ルル儀地ナク原列

決内擬誤律錯ノ遣法アルヲ免レス

手司

tJ.と

王虫

fll

原列決ノ列一不ハ淘ニ論旨ニ表出スル所ノ如ク所論盗伐ヲ原料トシテ製川シタル巾六寸ノ板ハ其ノ物質ノ杉タルコトエ一於テρ

依然トシテ川出ルコトナシト雌加工ニ囚リ他滋ノ物ト偽りタルモノナルヲ以テ森林法第八十間保第二時伽ユ所謂臓物ヲ原料トシ

テ製シタル物日m-一シテ其ノ列記以外ノ物-一該鴬スルモノトス故-一原判決ノ扱待ハ正常ユシテ論回日ハ沼山ナシ

四、共他の犯行者の場合

以上の如き大口の伐採であって仲介業者又は製材業者に放資してい随分したものL

外、多数の小口能伐者は何れ

も仲介業者と直接の取引をたすに奈らや、多くは前記の

O橋、。郷の如き部落民中の有力者に貰却、之等のもの

は更に口銭を得て、仲介業者に寅却して居るのであって、此の場合には臨時に之等のものが仲介業D役割りそ演

じて居るのである。従ってかく地元に於ても部落民中から仲介者が現はれる場合には、直接伐探者の手に渡る封

慣は，次第に減少するに至るのは官然であって、多くの場合犯行者は盗伐によって得る利径は極めて少額のものと

北海道材の生産集荷商に於ける法律関係に就い℃

二四七

北海道材の生産住地荷商に於ける法律関係に就いて

二四八

なり格る

4を注意すべきである。

¥，ノ二標茶事件について

〆t¥

本盗伐事件は釧路園川上郡標茶村岡山句林に於て昭和二年七月から同三年四月に瓦って行はれたものであって、

損害額は一、八三八本、一七、三二三石、二

O、七八五凶凶

O銭である。本事件の犯行者は、上記の渚滑事件が殆

んど同部落の農民によって詮行せられたと異り、有罪の判決を受けた者八名中農業者は二名であれ

J

て、他の大部

分は所謂木材業者即ち上記せる木材仲介業者として見らる可きもの友のがある。渚滑事件に於ては伐保即ち生産

の主位となったものは、部落農民であったのでるるが、本事件に於ては、伐保の主闘はかLる木材仲介業者自身

であるのである。勿論、部落民の労力の提供、なくしては伐保搬出は不可能たのであるから、勢力を提供したも-の

は、消治事件同様部落民なのであるが、事業主聞は木材業者が之にあたって居るのである。従うて盗伐の共犯と

して司法警察官が検事に送致した者はかL

る伐保、搬出にあたった部落農民総計二

O名にのぼったが、その中検

事が抑陣容を請求した者は上記の八名を入れて十一名であった。即ち公訴を提起された農業者は五名であったが、

その中コ一名は第一容に於て無罪の判決を受け確定したのである。かk

る賄より考察すれば、一般的に木材費買仲

介業者が自らの危険に於て伐採搬出の事業を替む場合があるのであって、消滑事件は地元民の伐採搬出せるもの

即ち山一五に於て生産が行はれ之を仲介業者が買取った形式であり、本事件は仲介者自らの伐採、搬出、買却の取

引形態を示して居るわけである。

而して斯の如き仲介業者が自ら事業を行ひ得る震には、その生路地が資貝市場から交通上便宜の地に所在する

心部を必要とするのは官然であって、本事件の殻生地標茶村は北海道の大木材市場即ち共底より直ちに道内或は内

地の大市場に向け輪詮し件る市場の一である釧路市から汽車で二三時間の所に存布して居るのである。即ち釧路

市と現場とを常に往来する仲介業者にして始めてかL

る事業を皆み伴るわけであって、滞情の如き俳誌の地にあ

つては、伐保事業は勢ひ地元民の専行する所とならざるを符ないのである。敢に交通関係が、かL

る取引にあた

へる特殊な影響を見る事を得るのである。凶に釧路標茶間の岡山付鋪道は昭和二年九月十五日に開通したのであっ

て、本件犯行開始と時を同じくして居る貼は、渚滑事件に於けると同様注目に値する。

さて本事件は諸滑一事件同様、森林監護の任にあたる森林主事

O間某なるものが木材業者の請託を容れて、不正

伐採をなさしめたる事によって蹟大するに主ったものであるが、その鮪に闘する研究は、筆者が似に訟能人間論叢

第七輯に「北海道に於ける盗伐の個別的研究」と題して報告したのであるから、之を省略し、直ちに加害者別に

伐採木が如何なる方法によって取引せられたかの考察に入る那とする。向大量の伐採を行った以下回名は何れも

地材帥と俗に-和する木材業者でるるのを重ねて附言する。

一、

C

聞

係

木

一ナノ E、

右の者の犯行は昭和二年十二月から三年二月に亙るものであって被害額は間三七本、問、

O六コ一石、五、一八三

闘であるが、

O木はその伐採木の大部分を釧路市木材業

O俄某に賓却して居る。

O俄自身も仲介業を皆む者であ

って、勿論、より大たる業者への騨寅を目的として買入れたものであるが、

O木、

O俄聞の契約は口頭を以て締

結せられ、その債格はヤチクモ角百石川六

O閥、セン角四一ニ

O闘、シコロ角コ一五

O闘であり、受渡場所は標茶牒

であって、官林から出材せるものは全部受入れる事とし、若し買人の都合によって標茶騨

κて検牧の出来、ない場

合は寅人は未検牧のまL

殻迭し得る事と定めた。又買人は他に特買し直接他の買人が検牧しでも賢人は異議、泣き

~巾引を中合せて居る。此の契約によって知らるL如く

G俄の取引は口銭を得ての特質左目的とするものであって、

O俄がかくして買入れた挫伐材を如何なる方面に資却したかは明かとなって居ないが、営然他の仲介業者に費渡

したものと見る可く、又

O木の伐除搬出の費用に封する資金の仕送りは、すべて

O俄の手から出て居るのである

抗、

O俄が又何人から此の資金を入手したかは切かでない。かL

る資金闘係及びかL

る取引にが、ける木材慣格と

北海遺材の生産集荷面に於ける法律関係に就いて

二四九

北海道材の生産集荷商に於ける法律関係に就いて

二五

O

市場憤絡との閥係については次の者に就いて述べる所が大出安賞すると忠はれるから次の件を参照せられたく考

へる。二、

0

某

r~司

係

尾

右の者の犯行は昭和二年九月から三年三月に至るものであって、損害額は九一八本、七、二

O一石、六、三九一

国七五銭であって、盗伐木の大部分は釧路市木材商O山某に賓却して居る。

O尾と

O山との闘係はかL

る取引の

典型的たものであると信十るので、次に橡容に於て橡審判事と讃人として訊問せられた

O山との聞の同容を抄録

する。4空間

詮人ハ被告人

O尾ア承知シ居ルヤ

左様同人ハモト木挽職テ自分ノ関係シタ山テ働イテ居リマシ

9カ至極ι賀市出品稼イテ薦リマシ

9ノテ大

E十一年夏頃ヨ

P

山額二致シ使用シ其ノ後同人カ樹立シテ木材業ヲ始メタノテ大正十五年頃ヨリ同人ト木材ノ賢明貝取引ヲ致シテ居世マシ

タノテ承知シテ居リマス

鐙人ハ昨年九月頃被告人

O尾ヨリ同人カ上オツへツ岡有林ユ於ケル官木ノ資抑ヲ受ケ法材シタルモノヲ貿受ケ

9ルコト

ア9ヤ

HnHM

M作

V4事

アリマス御訊ネノ頃

O尾ハ自分方-一参

P上オソヘツ熊谷勘一一一郎及標茶問中末五郎カ上オソヘツ闘有林内ノ建物資排出・込

ヲ銭シ居ルカ其官民梯カ許可エナレハ自分か譲受ケルコトニナツテ居ルカラ共建材ヲ賞受ケテ央レト申込マシタノテ資受

ケルコトュ致シマシ

9

問中末五郎熊谷勘三郎ハ如何ナル目的ユテ右貰梯申込7錦シタリトノコトナ

9ヤ

問中ハ上オ

yへツ特別教授場ノ建築用材ノ貰梯ヲ申込9ノテアリマシダカ熊谷ハ如何ナル目的ユテ申込カ

O尾ト話マセ

ヌテシタケレ共自分ハ同人カ自家用材トシテ申込9ノテアラウト忠ヒマシタ

右二口ノ樹種本数等ヲ開力サ日シヤ

熊谷分ハヤチ

9モテ本数ハ殉リマセヌカ四百石位ノ出石カアリ問巾分ハ前昌樹稜ヲ巾シマセヌテシタカ枕木用材一一ナル

ト巾シマシRノテ枕木川材トシテρ

ナラ、ャチnタモ、セン、ァヵ

9毛、カツラ五時似ユ

hmツテ屑リマスカラ其ノ鰭ノ樹テ

答附~: {11J

答 tllJ

アルト忠ヒマシタ而シテ給其本数ハ殉リマセヌカ枕木二百丁位向ん見込タトノコトテアリマス

宿買受木ハ生立木トノコトナリシヤ

白分ハ

O尾-一封シ如何ナル樹カト訊ネタ庭向人ハ熊谷分ハ上等材テアルト申シマシ

9上材ト云ヒハ木材業者間=於テ生

立木ナルコトヲ意味スル償例テアリマスカラ生立木テアルコトカ列リマシ

9又問中分自一就テハ枕木用--ナルト申シ

9ノ

テ枕木材トシテハ生立木カ本則テアリ例令枯損木テモ腐朽シ

9部分ヲ倒リ取リ生立木ノ債格テ取引カ出来ルコトニナツ

テ居リマスカラ自分ハ強イテ生枯ノ別ヲ訊ネハセ，ヌノテシタ

議人ハ自家用材ノ申込ナラハ枯損木ノミ質排許可ユナルコトヲ承知シ日出ラサリシヤ

自分ハ是迄官林ノ頁姉ヲ受ケタコトカア

Fマセヌテシタノテ果シテ自家用材ノ申込ナラハ生立木カ許可ニナラヌトノ規

則ノアルコトヲ承知シマセスカ従来屡々官林ノ生立木ヲ褒梯エナツ

F例力アリマスカラ熊谷ハ矢張リ生立木ヲ買シメタ

モノト思ヒマシタ

有資質申込ノ際妹尾ハ熊谷錯すノ買掛申込ユ到シテハ郎副エ許可ノ指令カアリタロト申シ居リシヤ

自分ハ

O尾'ト資質ノ契約ヲ話シタ丈ケテ同人-一封シ質問只代金ノ前波ヲスルノテナイカラ右資梯巾込カ許可ユナリ

O尾-一

於テ既-一議受ケ

9カドウカヲ碓メル必要カ無イノテ御訊ネノコトヲ

O尾一二開キマセヌ叉

O昆モ其貼ユ付テ何トモ申シマ

センテシ担

右宙且買契約ノ内容如何

オソへツ川土相場波シャチDT

モ角百万二百四十闘枕木八尺モノ一挺六十五銭七尺モノ四十六銭ノ車保テ畏受ケ代金ハ後エ

精算スルコトュ口約致シ別ニ契約書ヲ作成シマセヌテシ

9

右契約常時釧路木材市場エ於ケル木材ノ市債幾程ナりシヤ

御説ネノ常時釧路市場ユハヤチnT

モ角百石六百開削枕木八尺モノ一挺一岡三十五銭七尺モノ一挺一闘七銭位テアリマシF

上司

yへツノ受技場所ヨリ釧路市場迄ノ運賃等ノ諸掛リハ幾如ナリシヤ

ヤナ担モ角材ρ

百石二付百八十闘位枕木ハ一-不平均二十三銭ノ滋賀ヲ要シマス

然ラハ宕賀買代金ハ時債エ一比シ安償ナル様ナルカ如何

流会運搬スレ円途中三於テ約三割ノ木村カ紛失シマスカラ此代金ヲ計算=入レ紛受入レノ費用百石ニ一付二十五闘乃至一ニ

十国及寅買代金等エ算スル金制似ヲ差引ケハ結局釧路市場テ買受ケルヨリ七

m

八十周安傾テ

O尾カラ買受ケタコトユナリマ

答 I句答 tllJ毛主 p.1j 答問答問主主間

北海道材の生産集荷商に於ける法律関係に就いて

一五

北海選材の生産集荷商に於げる法律関係に就いて

二五

4会問答問

ス詮人ハ右一質問具山首時

O尾ヨリ熊谷及問中エ劉スル質排指令書ア凡セラレタリシヤ

寅買契約ノ際

O尾ハ御訊ネノ指令書ヲ山シマセヌテシタノテ凡マセヌテシタ

木材業者カ官木ノ貰抑ヲ受ケタル者ヨリ木材ヲ買受クル場合戸許可指令書ハ一関uv

テ寅買収引ヲ銭スカ杢鴬-一非ラスヤ

初メテ取引ヲ鋳ス場合ハ一覧シ賀、玉-一五億ノ縫羽アリ十杏ヤヲ礁ムヘキカ至常テアリマスカ前述ノ如ク

O尾トハ既=数

年氷取引シ来り業問同人ニハ何等不正カア

Pマセンテシタカラ

O尾カ問中等三於テ費抑ヲ受ケタルモノハ譲受ケタノテ

木材ヲ買取

F央レト巾シマシダ'カラ同人ノ言ヲ信用シ別ニ契約書ヲ作ラス資質シタノテアワマス尤モ今日ζ

ナツテ

O箆

カ不正行偽アナシタリトノコトテアリマスカラ自分ハ指令書ヲ凡スプ契約ヲシタノハ自分ノ経卒テアツタト思ツテ府ロ

マス

鐙人ハ本年一月頃雇人久保下金一郎ヨ

HO尾カ上オソへツ闘有林-一於テナラ材ヲ浴伐シ

O間ヨリ谷メ-7

レ9リトノ事資

7間知セサリシヤ

久保下ρ

御訊ネノ頃

O問ヨ

PO尾カ盗伐シタコトヲ聞知シタトノコトヲ数日前開キマシ

F計リテアリマス

諮人ハ

O尾ノ依頼一一依P昭和二年十二月二十四日

O問ニ鈎シ熊谷分ノ木代金百七十三間十六銭ノ代納方ヲ依願シ

O問-一

同額ノ現金ヲ交付シ

9

ルコトアリヤ

l句問答;;~'.'

-'=-1'

左様御訊ネノ日

O問カ

O尾ノ手紙ヲ持参シマシタノテ見マスト右木代金ヲ

O間三代納シテ貸シテ央レトノコトテアりマ

シ担カ-フ

O問ユ依託シ納付シタ次第テアリマス

宿手紙ニハ指令書カ封入シ非サリシヤ

封入シテア

Pマセヌテシタ

O問ニ木代金ヲ交付スル際問人ヨリ指令書及代金納入告知詩ノ交付ヲ受ケタルニ非ラスヤ

O問モ御訊ネノ書類ヲ持参セス口ハ水代金百七十三同十六銭テアルト申シタ丈ケテアリマス

其際諮人ハ

O問ニ謝シ熊谷及問中カ質排ヲ受ケタルモノニ日付樹穏材積木代金等ヲ零ネサリシヤ

自分

ρO尾カラ引波ヲ受ケタ木材一一割シ代金ヲ支姉へハ良イノテアリマスカラ御凱ネノコトヲ

O間二号ネル必要ハナイ

ト岡山ヒ等ネマセシテシタ

右淀川見代金ノ安保ナリシ鮎及其他ノ欣況ヨリ刈断スレハ殺人ハ

O応カ枯損木ノ資仰ユ一付生立木ニ検印ヲ打入レ貰ヒテ之

答/lU谷-間待伊jIlU

問答

ヲ伐採シ且ナラ材ヲ終伐シRル事賃ヲ承知シ日出リ

9ルモノト思料セラル、ヵ如何

自分ハ

O尾一一不正ノ貼カアルトハ夢二モ岡山ヒマセヌテシダ

久保下金一郎ハ右寅貝ノ分トシ子

O尾ヨリナラ材枕木八尺モノ千九百五十丁同七尺モノ三百四十了及ヤチタモ角材四百

四十五石五升ヲ受取ワタリトノコトアルカ如何

左様相違アリマセヌ

詮人ハ問中末五郎ノ分ノ木代金百拾六岡九十七銭ヲ代納シタルニ非-71

ヤ

左様昨年十月末以

O庖カラ手紙テ問中分ノ木代金ハ百拾六闘九十七銭テアルカラ納入シテ央レト巾シ納入告知書丈ケ対

τ

入シテア

Hマシタカラ同年十一月四日白分ρ

其納入ヲ致シタ次第テ此分三筋テモ指令書ヲ見マセンテシタ

設人ハ昨年九月頃

O尾ヨリ同人ハ町村築六ユ於テ資抑ヲ受ケタル分ヲ譲受ケタルモノ法材ヲ買受ケサリシヤ

左様御説本頃

O尾カ自宅ニ多リ川村築六カ撃校建築用材トシテ「ル、ラン」図有林ノ官木ヲ貝受ケタカ同人ニ於テ該貝

受木ハ不用品ナワ

O尾カ賞受ケルコトニナツタカラ其池田材ヲ買取ツテ央レト

-mシマシ

9ノテ標茶隣波ヤチ

9モ角百石四

百四十同共他ノ角ハ百石四百拾岡ノ軍償テ民受ケルコト三収極メマシタ

右貰曲川巾込ノ樹稜材積叫見守幾何ナ

pトノヨ

hナリシヤ

申込J

樹種木数等ハ話マセヌテシタカ

O尾ハヤチタモ、セン、シコロ等取り混セ約千石ノ出石アル見込タト巾シテ肘リ

マ七夕

治資買ノ際該寅抑申込ハ既=許可指令トナ

HDTル回日

O尾ハ申♂ルヤ

O尾ハ御訊ネノコトュ付キ何ノ話モナサス自分トシテハ前遮ノ如ク引渡ヲ受ケ

F木材一一鈎シテノミ代金ヲ支抑ヘハ良イ

ノテスカラ自分ハ主(鮎ヲ確メマセヌテシタ

有木代金ヲ諸人カ代納シタルヤ

昨年十月末以

O尾カラ同村祭六分力許可ニナルカラ契約保詮金トシテ四十五周ヲ納入シテ央レト申シ納入告知書ヲ怒付

シテ寄コシマシタカラ自分ハ其頃右保諮金ヲ納入シ猶同年十一月中旬頃

O尼カラ手紙テ右木代金ノ納入告知書7送付シ

テ参リマシタカラ同月二十二日木代金四百四十三岡七十四銭ヨり前ノ保諮金7川町除シ

9額ヲ納入シマシ

9夫レテ右中、込

ハ許可ユナリマシタコトヲ承知シマシタ'カ指令書ハ見セマセヌテシタ

標茶幣ヨリ釧路迄/運賃等如何

答問答容問4空間答問答問問

北海道材の生皮集荷面に於ける法律関係に就いて

二五三

北海道材の生産集荷前に於ける法律関係に就いて

二五四

答

銭道越質共他諸絞費合計角材百石ニ針シ七八十回ヲ要シマシ9夫レテ受渡費等百石ニ付約一一一十闘ヲ要シ且木材ノ受波後

O尾ノ依頼-一依日百石二十闘ノ値上ヲ致シマシタカラ結果百石七八十同位安ク買受ケタコトニナ

Fマス

鐙人久保下金一郎ハ右賞受分トシテ

O尾ヨ

Dヤチタモ角材九百五十八石四斗セシ角六十五石シコロ角十五石五斗枕木三

十五石一斗ノ引波ヲ受ケタリトノコトナルカ如何

定様相蓮アリマセヌ

詮人ハ右由民受分ヲ何人ユ一時寅シタルヤ

釧路市木材尚

O久保某エ鈎シャチタモ角百石六三十闘ト五百三十回セン角六百三十岡シコ口角四百八十悶ノ股・償7以テ

本年二月六日ヨリ三月三十日迄ノ問ニ七回ニ亙リ計ヤナタモ角七百六十八石四斗一升八A口セン角十三石六斗二升八合シ

i

コロ角九石五斗九升六合代金合計四千九百四十岡五十銭一一腿テ質排シ

狛常市材木商

O原玉造ニ針シセシ、シコロ角ρ

右同一軍債カツラ角ハ五百五十同ノ翠債ユテセン角百二'T四石六斗問升

ニ合カツラ角十五石間斗八升二合シコロ角一石間斗四升ヲ比代金合計九百三十九同五十一銭-一テ費抑シマシ

9

問答問答一二、

0

岩

B自

係

某

右の者D犯行は昭和二年十月から三年一月一に至るものであって損害額は一七

O本、

一八銭であるが、伐採木は釧路市木材業

O木某阜由民却した

UO木は上記

O山同様仲介業を皆むものであって騨賢

一、九九人石、二、

O一四悶

の鵡買入れ、之に封し資金を融通した事も同様である。

その契約も同じく口頭を以て締結されオソヘツ堤防土場

にて受渡す事とし債格は各角込三

OO闘であった。

問、

0

本

某

島自

係

右の者の犯行は昭和二年十二月から三年三月に渡るものであって、損害補は一六一本、二、こ六八石、二、九二九

悶二

O銭である。

O本の伐保木は釧路市木材商

O回某に寅却、

O同は口銭を得て之を釧路市

O恒木村山に貸却し

た。。木、

O同問の契約は書面を以て締結されたものであるから、之を次に付として掲げる。又

O木は

O橋某な

るも

ρと共同して釧路管林医者に焼損木の柿下左出願してその許可を得たのであるが、

その伐保の純利(官木の

梯下は個人に到して行はれるものであってその権利の譲渡は認められ・ないのが建前であるから之は違法行局とし

て見-なければならない)をけの契約の履行を確保する矯

O同に譲渡して居るから之を悼としてかLげる。

叉O田はかくして買入れた木材を口銭を得て釧路市

O恒木材庖笠寅却して居る。

O恒商庄は大阪に本底を有す

る犬舎枇であって釧路に出張所を設け、木材の買付けを行って居たので・ある。所謂大手筋の一と見る可く敢に流

入した木材はもはや生産各地に於ける仲介業者の手を経る事なく直接市場に向けられるものと考へられる。向。

恒は本事件関係者の一人標茶部落農業者

O橋から木材を購入して居る。

O橋は本事件に闘して起訴せられたが、

無罪となったものであるが、。恒如き犬木材商がかL

る部落農業者の如き小事業者と直接の取引を行ふ場合もあ↓

るのであって、之は口銭を排除すれば大なる利益が確保せらるL事によるものであるが、一方事業の危険を負婚

するに至る憐れある事は勿論であって、此の鮪は充分に考慮し極めて慎重なる契約を書面を以て締結して居るの

である。之を失に同として掲げるが

O本、。同間或は

O尾、

O山問。契約と比較すれば、その丁重友る事は同日

の比ではない事が看取せられるのでるる。特に事業の危険(本事件の如き司法闘係のものも充分に考慮せられて

居る)の負捨について慎重に取り組めて居る事は注目すべきである。一種の就業規則的権力的性格がかLる契約

に見られるのであって、資力あるものと然らざるものとの聞の契約は危険の負捨に於ても決して平等とは言ひ得

ないのである。

然し又かL

る大手筋は各地に於て取引をなすものでるるから、

一々の取引に附随する具瞳的事情は出来得る限

り之を排除する引に努めるのは営然であって、かくして物はその生産上の個性を喪失して商品としての普遍的性

質を共有するに蚕るので

bる。何時、如何にしてかL

る個性の喪失と商品化が行はれるかは、取引の法律関係を

研究する上に於て極めて重裂なる柄であると考へるのであって、渚滑事件に於て論及した如き製材と原水との法

一般的にはかL

る種類の問題として取り上ぐ可きであって更に精細な研究が

律上の性質に闘する問題の如きも、

北海道材の生産集荷商に於ける法律関係に就いて

二五五

北海道材

ω生皮総荷荷に於ける法律関係に就いて

二五六

のと見るべきであらう。

必要であると伝十る。口ハ本件の如き就業規則的性格を有する契約む締結によっても商品化の組松が百現されるも

い

材

諮

今般民人

O川ト賢人

O本ニ於テ木材質問只契約スル事左ノ如シ(以下車ニ良人ヲ中ト呼ピ資人ヲ乙ト都スU

第一保川材ケ所川上郡探茶凶有林ニ一於テ乙カ机下9

ル樹木

第二依樹純及数量生木榔松角材参百五拾石総角五拾石八尺枕木間百挺トス

第三保仕絞榔角長拾尺拾式尺拾間尺径パ三上栓角長六尺八尺拾尺径尺一一一上精角長拾尺絞尺五上トシ相以リ榔沿品川ハ孫六

掛栓品川円正五掛トス何レモ作一木ニシテ腐朽割ガマ割ナキ国民庇ナル良材タル事枕木ハ民軌川長八尺巾七寸五分輪出用仕様書

一一基クモノトス向元品川ハ忠弘挺-一付夜分宛ノ分ヲ入ル事

社別間保受注場所川上郡探茶隣構内底二貨車積込出来符ん所二血管立タ凡モノトス但傘立費川ハ乙ノ負捻トス

第五依受波方法品川材百石以上枕木-一奈ツテハ武百挺以上際土場

4

一向材シタルトキハ巾或ハ川γノ代人立品開ノ上読本山叫手返

シノ上受渡7然スモノトス

似シ検査一一一袋スル袈川ハ乙ノ負強トス

第六修一民間貝債仲間第五僚記載ノ合絡口問櫛角托品円安百石ニ付余間百問拾同治角去百石会式百八拾同八尺枕木(一万品川)宗挺余

百回問答トス但シ乙ノ都合ニヨリ七尺枕木山材シ担ル場合ハ去挺金六拾五銭柊トス

第七保代金支挑方法本契約ト同時ニ会七百周也7巾ハ乙ニ貸興シ成金ハ第五線履行シタル分二割シ榔角松品川百石ニ付令

二百闘総角百石ニ付キ金百五十回枕木ぽ挺ニ一付金品企拾銭ノ割合ニテ控除シタル時間制ヲ支初会部終了ノ上ハ第六依ニ依ワ精

算支姉アモノトス

第八篠受波期限ハ櫛品川於品川ハ昭和三年二月末日限り総角及枕木ハ何年三日月末日限リトス

俗九位附乙ハ誠意7以テ事業経管ナスハ勿論ナルモ宮内一中途ニ一於テ帥匹以ヲ生ジ乙ュ於テ途行シ能ハザルト巾ガ認ムルトキハ

巾ハ直チニ事業中止7命ジ巾広野トナスモ乙ハ無償ニテ

ma-一引波スモノトス此場介ハ川一九レニ一拠スル総テノ費加ハ宙回目代令

ヲ防除紡竹刀7dM

シ国一不足令一生ジダル場介ハ乙ユ一於テ泣チニ支抑プモノトス

第十依契約数以以上川村シタル相場介ト山川モ

Lハ他二日却セザルド事ヲ特ニ約ス

木

民

~氾

車(，)

貿

第十一保本契約ニ記載セザル事項ト雌モ相互徳義ヲ重ジ事業訟行ヲ計ルモノトス

第十二僚本契約確保スル総件トシテ乙ガ机下nタル作ダ林木ノ機利ヲ甲-一誠波ス

第一依起加標茶阿布林ノM

汁厚斧郡茶別閥有林ヲ加7

右契約トシテ本消印式通ヲ作成シ各自市川趨宛ヲ所持ス

o 0

ニ

権

利

談

波

諮

昭和式年拾去月拾式日釧路勝山林区指令第四六三枕許可

大同村茶別凶作林焼損ヤチダモ外武和五

O木材絞参百武拾去石

代金武百拾去同五拾四銭也

合計拾小山月拾来日釧路管林磁磐指令政中川六川競許可

太川村大中小公別抽出閉山雑五四木材絞参百武扮九石

代金問扮成同七拾七銭也

合計拾hy月拾式日釧路管林区明者指令四七四競許可

太川村大字茶別中ナル、一フン焼損ヤチタモ四

O本材積武百五拾参石

代金去百六拾六同九拾八銭也

布柑腕利一一議山政候也

三

木

材

資

買

契

約

詮

敢

行

同民主

O恒釧路出援所ト一民主

O橋トノ悶ニ於テ左記総攻ニ依リ資買契約締結ス

第一依木材ノ積類数民償給左ノ如シ

一

榔

一

八

本ffI

直興

角

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石

車

慎

一

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一十日百石-一付一八尺ヨり二日ハ上リ尺五以上

一

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四

百

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一

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五

掛

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一

且

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一

三

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一

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一

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寸

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iJ

尺

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木

参

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挺

北山町道判例のん比皮集荷而に於ける法律関係に就いて

~B 1'1'

⑩⑩

要

二五七

北海道材の生産集荷商に於ける法律関係に就いて

二五八

但シ材質、構造、形妹、寸法等ハ別紙仕様書ノ遁リトス

ィ、出材場所川上郡熊牛村標茶騨

口、治材場所川上郡熊牛村ル、ラ

y図有林内

第二位陣寅貨物件貰波期限ハ昭和三年一月ヨリ同年二月三十日迄ニ契約数量全部ノ受波ヲ完了ス凡コト其月割並一一数量点ノ

如シ

第三保受波場印刷標茶鰐ニ於ケル国民主指定ノ場所ト定ム而シテ宙民主指定ノ遁

H樹稀及尺分シテ検査ヲ受クヘキモノトス北(ノ

検査寸検等受波ニ雨宮スル一切/費用並エ各立ノ費用ハ総テ買主ノ負携トス

但シ相互協議ノ上本場ニ定ムル場所以外ユ一於テ受波ヲ銘ス場合ハ更二且・償ヲ協定スルヨトアルへシ

第四傍受波方法買主指定ノ相場所へ査百石以上出材セシ時ハ相互立中首/上民主ハ別紙仕様書ニ基キ検査ヲナシ買主ノ級印ヲ

打込タルモノヲ以テ受渡ヲ終了セルモノトス貰主ハ買主ノ要求ニ際シ何時-一テモ又数量ノ多少-一不拘検査-一丸命日7

モノト

ス若シ貸主力検査-一-立曾セサル時ハ快席ノ健質主ハ之ヲ検査ヲ偽スコトアルヘシ

但シ寸検石数ノ算出方法ハ北海道商習慣ニ擦ルコトトス高一出材ノ不足又ハ不合格ノ偽メ契約数量二術評サル時円買主ノ

指周ニ従ヒ代日間ノ引波ヲ鋳スモノトス

第五保代金支抑ノ方法第四位昨ノ波受ニ基キ第一俊ノ草傾-一テ計算ヲナシ契約金7差引キ買主三民主へ支抑フモノトシ契約

金トシテ四百闘也ヲ買主ハ資主へ契約ト同時-一文排7

モノナレトモ契約材-一劉スル轡林磁者へノ納金ハ武百九拾索開五銭

ヲ国民主ノ方-一テ納メ油開会ヲ受・政スルモノトス

第六総資主ハ第一僚記載ノ場所ニテ建材者クハ出材スル物件一一封シテハ総テ自己ノ使用スル級印ヲ打込ミ授クへキハ勿論

本契約賀貨物件全部ヲ買主へ引渡ア完了セサル問円由民主ヨリ借入レタル契約前金並ユ造材中借入レダ'ル金銭物品ニ針シ捨

保物件ト偽スコトヲ協定シ買主ノ銭メ二民主之ヲ保管スル特約ナルヲ以テ他二貿却談波防輿並ニ質構ノ設定等ヲナスコト

ヲ符ス

第七係資主ニ一於テ高一一民主ノ建材搬出事業カ準備不行路ノ偽メ遂行ノ児込ナシト認ムルカ叉川事業=段跳ヲ来シタルコト

ヲ認ムル時ハ喪主/事業ヲ任意中止セシメ他ニ受負者ヲ選定スルカ買主-一於テ直轡ヲナストモ質主ハ町民議ヲ巾立ツルコト

ヲ符ス此場合ニ於テρ

銭メエ一袈シタル費用ハ総テ契約代金ノ内ヨリ仲間除スルモノトス

第八依民主/都合ユ依リ何時ニテモ造材地並ニ川材地ニ一於テ双方立AMM

ノ上別紙仕様書ユ基キ民主ユ一於テ品位、数品川、寸法

ノ俄検査ア行ヒ俄綴牧ノ刻印押捺スルコトアルヘシ

第九僚前総ニ依り治材地並ニ…凶材地ニ一於テ俄検牧ヲ翁スモ第五候所定ノ場所-一テ受技ヲ完了スルマテニ婆スル一切ノ費用

及ピ減損北(他総テ危険エ劉スル責任ハ賢主之ヲ負携スル毛ノトス

第十僚本契約ヲ確保スル鋳メ買主ハ民主ノ要求アリタル場合ハ相官ノ鎗保ヲ提供スルモノトス

命賀主/保諸人ハ回以主ノ負7

総テノ義務履行ヲ保誇シ高一町民主ニ一損害ヲ蒙ラシメタル時ハ賢主ト共ニ創出十一向肪償ヲナスヘキ

連帯責任ヲ負7

へキモノトス

第十一候前記各線攻ノ詔リ相互徳一一砧ヲ重シテ之ヲ履行スルハ勿論鳶一山軍事者ノ一方ニ於テ契約不履行ノ場合ハ岱メ-一家ム

ルヘキ相手方ノ損容ハ迩約者ニ於テ蛍然賠償ノ蓑ヲ負7

モノトス

第十二総本契約ニ闘スル訴訟行銭ハ双方合意ノ上釧路直裁列所ヲ以テ訪中一容管轄裁列所ト定ム

前書ノ泊り双方合意ノ上契約ヲ締結ス依テ続守履行スル銭メ本拙阻害式調ヲ作成シ選名捺印ノ上各自な沼ヲ保有スルモノト

ス三、角田村事件に付いて

本盗伐事件は夕張郡角田村御料林に於て昭和三年から昭和五年に渡って費生したものだあって、品川ど同村部詐

主として多良件、築別、部落の農業者の犯非である。損害額は三、九七五木、四二、四コ二石川斗、二三、九二

コ一闘六銭五匝である。有罪の決定を受けた者は二十一名であるが、そのすべてが上速の如く部落農業者であり、

その盗伐木の底分は大口放ると小口なるとを問はや、殆どすべてが、小樽市O茂木材合祉に費渡して居るのであ

る。従って本件については、犯罪者個々についての底分について叙述する事はせや、

O海木材合一此との取引附係

について考察を加へる一品とする。

O浅木材株式合祉は小縛市に本山を有する大AWH一枇であって、常時の資本金五十高闘一ヶ年の取扱量三十時石L」

稿されて居る。その商取引の範閏は北海道は勿論、日本会関叉海外にも亙り木材合枇としては所謂大手筋の一に

屈する。元来北海道に於ける木材取扱業者を曾枇組織のものと例人経替のものと分てば、合一肌組織のものは、

Lし

北海道件付の生産集荷而に於ける法律閥係に就いて

二五九

北海道材の生産集荷而に於ける法律閥係に就いて

二六

O

記O湾、三井物産、新宮商行、或は前記の

O恒の如きものであって勿論何れも大資本を有し、その敷は個人組織

に比すれば、営然少数であるが、北海道の全生産材の約牛教は之助一寸大手筋によって取扱はれるのである。かミる

有力な木材業者が地元農業者が伐探せるものを直接買入れる如きは、寧ろ異例に属すると言ふ可く、多くは仲介

業者の予を粧て買入れるものであるが、中間の手数を省略するを作ば勿論利益は大であるから直接生産者からの

買入れも亦行って居る一部は、前記標茶事件にが、て

O恒が

O橋から買入れて居る例を以ても知る事を得る。但しか

LA

る如き事が行はれる震には、即ちかL

る大手筋の賀川氏組織が直接山一冗まで侵透する震には、その地方の事業が

極めて布望である事と又交通が至便であって、常に庖員を仮して買入れにあたらしむる事を得る如き地方である

事を婆する。

本事件の殻生した夕張地方は地凶に於て見作るが如く極めて交泊の便に感まれた地方ちるって、間有鍋話一一過分

紅葉山聞は貰に明治二十五年十一月一日の開通であり、夕張鶴道野幌栗山間は昭和五年十一月三日、栗山新タ眠

聞は大正十五年十月十凶日の開通であり、賀川凡組織の侵透と伐採材の搬出には極めて便利な土地で

bるのである。

従って

O潟木材合枇に於ても該地方に常に出張口民生祇し木材の買入れにあたらしめて舟たのであった。

さて一方角田村の欣況を考察して見ると、角田村は会惜として見る時北海道に於ける優良村の一でるって、水

同耕作は高度に後達して居り、

一般農業者の生活は他地方に比すれば極めて飴裕るるものと一一百ふ事を得るのであ

る。然しながら叉見方を煙へれば、営地方が期の如き息まれた地方である事は主として水町耕作の成功に基くも

のと言ふ引を件るの刊しあるが、水町耕作の北海道に於ける成功は犬が自家用米の産出の限度を越えて販費米の生

産を日的となすに於ては川側めて投機的なる性質を有するものである事は疑を容るL飴地がたいのである。

一般に北海辺山氏村心投機れにワいては、幾多の論設がなされて肘るが、之は敢て単宥の論殺をまた・なくても、

その主として制作する作物が、白衣川とならざるもの、或は門家川の限度を越えるものである事乞見る事にょっ

て直ちに知る事を得るのである。出荷、除品菊、或はアスパラガスの如きは前者の例であり、豆、米の如きは後

者の例である。かL

る投機的試みが時運に乗じて成功した時にその地方は優良村と友るのであって、所謂優良村

の衰には投機性なる性格の存在とその成功なる事賓がかくされて居るのである。従って此の投機性が生産事業本

来の軌道を逸肱せしめて病的現象、即ち盗伐の如きものを惹起する事もまた極めて有り得る事なのである。

本事件の費生した角間村は上述の如く会開としての優良村であるが、その裏に投機性のかくされて賠た事は例

外乞なすもので友く、市も角田村中二股、機立の岡部落に比すれば本事件関係者の多数を出した多良津、築別の

雨部落は地味謡く農耕僚件に於て不利であり、此の貼に於て此の岡部辞民が隣接優秀部落乞羨望して何等の利得

を得んと試みを・なす事は必然とも考へ得られるのでるる。

元来此の地方は御料地に属し、帝室林野局札幌支局の管理の下にあったのであったが、営局は之等御料地小作

人に封して大正十二年から自家用燃材の柳下を行ったのであった。然るに大正十同年頃から治材に経験ある一部

農民が冬期間の副業として御料林から枯担木の柿下を受け地材事業を開始した。之が同地方部落民の上越せる如

き投機心を煽り、此の事業は一般に横大せらるL

に至ったのである。然るに浩材事業、なるものは必やしも多額の

利径を約束するものではないのであるが、特に木地方農業者の也材の買入れにあたったものは上記の

O誌の如き

大手筋であった事は地元農民にご肢の不利をもたらしたのである。元本市

O演の如き大手筋が誼材の買入れをなす

場合には、極めて慎重なる形式を踏み、事業の危険乞四位する事に出会の策を取る事、叉取り得る事は、

k記標

茶事件に於ける

O恒封

O橋の例に於て見らるLが如くでるって、都千者は

O誌と能伐者聞の賢買契約読を入手する

事は出来友かったのであるが、恐らくは唯一日商により、，又民主側に於て極めて有利及僚件が羅列されて居たであら

う事は想像に刻くない所である。即ち教に於ては棋茶事件に於ては秘めて微細友一例を提供したに止まる所の木

材取引に於ける獅子契約が↓全面的に締結されたものと言ふ事を仰るのである。その獅子の分け前は憤格の賄に於

北海道材の生産集荷濁に於ける法律関係に就いて

一一六

北海道材の生産集荷而に於ける法律関係に就いて

一一六

ては勿論、

bらゆる危険の岡挫をなす附仰に存したものと言ふ可きである。事費、木事件が斯の如く撰大するに至

ったのは、伐採者が民主側に値段を叩かれて損失左京ね、夫を'仰明、せんが箆に、

一府より大なる経伐を行ふに歪

った事に存すると見る事を件、叉刑事事件として見れば、見入れを行った

O潔側には一人の附係者さへ出すに至

ら、なかったのである。その見入れ償絡の如きも闘係書類に於て明確に示されて陪たい所から仰治すれば、湯浅の出

阪はが見入れた時に直ちに木材はその側性を喪失して一般商品化したものと見られたと一言ふ可く、法律的に定型

化した商取引が此の場合に賀行されて肘た事は疑ふ可くもないのである。市もかL

る取引が資力と利便を有せざ

る生席者と資力ある大手筋との間に直接に行はれる場合には、獅子契約の形質を備へて居る事は上述せる所から

明かであると考へる。之れ木材取引の生産、集荷の耐に於ける一の典型であると見得るものと考へるのである。

第三章

手甫

遺

本研究は分荷、消費部聞の聞係を調布じて後綜合的観察を下して、その問の法律関係について考察する事左企

附して泊るのであるから、

k記の如き生産集荷部副のみの研究では結論に到法する事を得占ないのであるが、私見

を補遺的に二三附加する事とする。

一、上例に於て見得るが如く、生産者と仲介業荷、或は木材業者との聞には、伐採木の寅日契約が締結される

のでるるが、

その中には伐保資金を批供する僚頃が合まれるのが一辿例である。之は典型契約的見地から、資買契

約と消費貸借契約とが同時に存するものと考ふ可きか、或は別仰に存在するものと考ふ可きかの問題を生やる。

生産自酬聞に即して考へるならば、事置かL

る事業は資金の融通なくしては、行はれ得たいものであるから、名は

似りに

J

賀川バ契約であるとしても、その内作は一佃特殊の出合的内容を主とした、かL

る林業に於ける特別友契約

であると考八なければならないと瓜ふ。或は進んで奇令一棚泊側上りする請負契約とも見る可き場合が防くたいと

考へる。川市して然らば、本例の如き司法事件の殻生せる場合に於ても仲介業者或は木材業者は単に伐探木の買入

れ契約を締結したと言ふに止まら十、伐採の有力及要素をなす資金の融迅を友せるものであるから、契約を個々

の嬰索、即ち寅民、消費の如くに分離して視察せ十、生産閥係を主として綜合的に概察する・ならば、共ぃ胞に事件

の取扱に於ても別佃の考へ方の生やる飴地は充分あるものと考へられる。即ち契約は産業の特殊事情に照らして

共閥的に之を考察す可きものである事を提唱したい。

二、本報告に於ては岡有林及び御料林の如き所謂官林にその割偶然を求め、その直接伐保にあたった者を生産者

と郁したが、之は員の意義に於ては正確でたいと言ひ得る事は勿論である。何故ならば林木の所有権は閤及び共

他にあるのであって、伐採者には屈じないからである。然し・ながら、生産者とは法律的には一鰹如何に定義付け

らる一吋きものであらうか。

一般農業関係について見ても、生産者と栴せられる農業者の多くは土地を所有せざる

小作者である。

リ人水産闘係について見れば魚類の所有権は漁業者には属しないのである。かL

る酷から考へれば、農林漁業の

如き原始産業に於けお生産者は必やしも所有権の存否を以て法律的に確定し符られないものとき口はなければ友ら

ない。従ってかLる産業部耐に於ては所有闘係よりも利附開係に霊知を治いて考察すべきものであって、かL

る

意義に於ける生産技は即ち上描各事件に於て見られる如き地元部落民であって、本報告に於ては違法の利用のみ

を取扱の

J

たが合法的の利用も極めて多い。即ち一止仰い同なる姉下げによって伐保、搬出して之を資却するものが之で

ある。かL

る生産者と集荷者との胤係を割象としたのが本報告であって、病的現象のみを取扱って特殊な例のみ

乞取引の寅例として掲げたのではないのである。即ち本例に於て見られたる如き生産者と集荷荘、即ち地元民木

材寅民仲介業者、中小木材業者、製材業者、大木材業者聞の闘係が建法ならざる場面に於て繰り返へされて居る

のである。私有林と雌も所有者が自ら伐採するよりも木材業者に立木のまL賓却する場合が多い。但し今日に於

北海道材の生産集荷商に於ける法律関係に就いて

一一六

北海道材の生産集荷商に於ける法律関係に就いて

二六四

ては幾多の理由から地元民の生産者は減少しつLあるのであって、之等はすべて林業附労働者と費化し、大費本を

有するもの即ち従来の集荷者が利用者と友りつ

Lある事は注目に値する事であるか、かLる粧隣機構の費轄につ

いては、集荷者、配給者の機能を更に消費部両にまで瓦って検討した後で更めて考察を加へる考へである。

一ニ、木研究は木材の勤きを主として翻察する事左企闘した結仰木、伐保事業を行ふ者そ取に生康者として、之と

集荷者との闘係のみを考察したが、伐採搬出の事業内部に於ても複雑な闘係が存在するのであるから、之に付い

て若干の考察を加へる。之は即ち伐採事業の労働関係に外ならないのであって、伐採事業を替む場合には略ぞ弐

の如き附労務場面が必要である。第一一は伐保、遺材にあたるもの、第二は之が搬出にあたるもの、第三は之等白補

助をなすものである。

第一の伐採浩材にあたるものは山子と郁せられる。而して第二の搬出は流詮の場合を除いて考ふれば、際土場

までの搬出であって、之は多くは同搬によるものでるって馬を所有する烏犬が之にあたる。之等の山子、馬犬を

補助するものは道路の構築、修四等の雑役にあたるものであって普通の人夫である。此の人夫は多くは事業主の

直接雇傭に友るものであれ

J

て、此鹿には単純な雇傭契約が存在するのであるが、山子及び馬夫は何れも百石翠債

の請負となって居る。即ち事業主は山子及び馬夫とは百石川平偵の請負契約を締結して人夫とは雇傭契約を締結し

て居るわけである。山子に闘しては今日では普趨伐り出しと栴せられる態様の附労働が行はれる。之は一圏の山子

が浩材と馬搬に至る起の搬出左請負ふものであって周間契約として見る可きものである。之に反し馬夫に封して

は個人的な請負契約が行はれるのである。斯の如き労務関係に付いての研究は次院議る事とする。筆者の所見に

よればすべて木材の生産、集荷、配給に闘する機構はなる可く単純化し、之に闘する法規も林業統制法とも言ふ

ぽき名稿。下に一括編成する方が受賞ではないかと考へる。即ち一仰の法問系を生産から消費迄各生産業部面の

特殊性に臨じて編成するわけであるが之に付いては他日の研究に待た・なければならない。

へ十五、十一一、一一OU