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IoT今昔物語 -住宅への導入を例として- 関山 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 情報・人間工学領域 知能システム研究部門 スマートコミュニケーション研究グループ 主任研究員 産技連情報通信エレクトロニクス部会 情報技術分科会 組込み技術研究会 会長

IoT今昔物語 -住宅への導入を例として-...Kevin Ashton at 2015 Texas Book Festival from Wikipedia 提唱者:ケビン・アシュトン(1968年〜) 1997年:P&Gの物流アシスタントマネージャー在昩時

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IoT今昔物語-住宅への導入を例として-

関山 守

国立研究開発法人 産業技術総合研究所

情報・人間工学領域 知能システム研究部門

スマートコミュニケーション研究グループ主任研究員

産技連情報通信エレクトロニクス部会

情報技術分科会組込み技術研究会会長

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1998年 通商産業省 工業技術院 電子技術総合研究所に入所情報アーキテクチャ部に所属

2001年 改組に伴い(独)産業技術総合研究所 情報処理研究部門(現・情報技術研究部門)に所属並列計算アーキテクチャ、実時間処理、組込機器の研究に従事「FPGAによる高速大量データ処理の実現」

2010年 知能システム研究部門に所属2015年 改組に伴い 国立研究開発法人 産業技術総合研究所

情報・人間工学領域 知能システム研究部門に所属(現職)システム統合化技術の研究に従事「住環境のロボット化」「可搬センサによるセンサネットワーク構築」「シングルボードコンピュータのIoT活用」

現在の主務 「『住宅設備機器の連携における機能安全』の国際標準化」「人間の『動機付け』に関するIT/RT適用」「IoT導入に関する企業からの相談」

講演 「家まるごとZIPC」(2013年)「IoTの現状と応用技術」(2016年)

表彰 「なんでもデータ採集システム」(2014年)

略歴

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IoTセミナー紹介(独)高度ポリテクセンターが実施する「能力開発セミナー」の1コース

「シングルボードコンピュータ活用によるIoTシステム構築技術」• 年2回:18時間(1泊2日)

コース紹介IoT(The Internet of Things)は、ビッグデータ処理、クラウドコンピューティングと密接な係わりがあり、しっかりと理解するには、センシング、データ収集/加工/解析、ネットワークを介した指示など 幅広い知識が必要です。本コースはシングルボードコンピュータとデータ収集、クラウドへのデータ 転送、クラウド上のデータ加工の実習を通じて小規模のIoTシステム構築のノウハウを習得できます

内容Raspberry Piを用いたセンサデータ収集:

センサとのIF:UART, I2C, 1-WireRaspberry PiからGoogleクラウドへのデータ転送Googleクラウドの機能を用いたデータのネットワーク上での公開

使用システム概略図

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Industrie 4.0 / Industrial Internet様々な製品から稼働データなどを収集/分析:運用・保守や次の製品開発に反映

→製造業のビジネスモデルが変化する

Big Data, Smart Factory

期待される効果 マスカスタマイゼーションの実現:少量多品種生産

カスタマーと工場の直接連携 製造現場における最適化:

機械間連携・人と機械の連携・人間の動作計画最適化

第4次産業革命とは何か?蒸気 機械化

電気 大量生産

コンピュータ 自動化

IoT ?

閉じた「センサーネット」 + オープンな「サービス連携API」の2層構造

閉域ネット(FAデータ)

工場サーバ 工場サーバ

閉域ネット(FAデータ)

事業者間連携フレームワーク・標準API(物流情報・製品情報等)

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~1960年代 1970年代 1980年代 1990年代製造

住宅/家電

計算機

ネットワーク技術

IoT前夜

第二次世界大戦での弾道計算

1950年代遠隔距離間通信実現

IC組込による工程のさらなる自動化 工作機械のNC化

第二世代産業用ロボット

第一世代産業用ロボット

1950年代生産工程の

自動化/連続化

1960年代パケット通信の研究

1969年ARPANETの出現

1982年TCP/IP標準化

インターネットの提唱

1980年代後半ネットワーク間の接続が活発化

1990年代後半インターネットの

商用利用から制限撤廃

1980年代〜1990年代家電製品にマイコンが組み込まれる

1988年住宅情報化推進協議会設立

1980年代ホームバスシステム構想

1990年代ネットワーク家電の

製品化

1950年代電気炊飯器販売開始電気洗濯機販売開始

1970年代洗濯機の電子制御化

1940年代第一世代:真空管

1950年代第二世代:トランジスタ

1960年代第三世代:集積回路

1970年代マイクロプロセッサ発明

1970年代後半パーソナルコンピュータ実現

1995年Windows95

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1999年:IoTの提唱

Kevin Ashton at 2015 Texas Book Festival

from Wikipedia

提唱者:ケビン・アシュトン(1968年〜)

1997年:P&Gの物流アシスタントマネージャー在籍時RFIDをP&Gサプライチェーンでの物流管理に用いることを発想

1999年:MITにAuto-IDセンターを設立“Creating a global open standard systemto put RFID everywhere”

RFIDの世界標準を作成

MIT、英国ケンブリッジ大学、 慶應義塾大学などが共同で、RFIDの研究開発と標準化を目指していた頃、村井教授とケビン・アシュトン氏らの間での

「すべてのモノにユニークIDが付いて個体識別が可能 になるということは、まさにモノのインターネットを つくるということだよね」

という会話から生まれた

日本政策投資銀行HP「今月のトピックス」No.264-1(2016年12月15日)

「IoT(Internet of Things)とは何か? (IoTシリーズ Vol.1) 」より抜粋

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「社会がIoTという概念に追いついた」

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2010年代:IoT概念の普及

技術的・環境的背景広帯域インターネットの広範な普及無線情報通信の大幅かつ急速な進展

データ出口側の偏在化:4G回線の実現とスマートフォンの普及 データ源側の大幅な省力化・低コスト化:安価・簡単・省電力な無線通信技術

デバイス製造・センサ技術の発展 実世界との接点の低コスト化:マイクロセンシング・アクチュエーション技術

データ処理技術の大幅な発展 大規模データ処理を支える計算基盤の発展:クラウドによる大規模計算インフラの実用

化・低価格化 ビッグデータ解析の実現:「膨大な無整理データ」から情報が抽出可能

エンドユーザの意識変化ユーザによる情報発信がもたらす情報コンテツの充実化

Wikipediaを代表とする各種wiki Cookpadによる調理レシピの集約 食べログなどのユーザによる評価の集約 個人ブログ、SNS、ニコニコ動画:情報発信者に対する評価のダイレクトリターン

1993年時点での双方向電気通信でやり取りされた情報の総量のうち、インターネットを使ったものは1%にすぎなかった。2000年にはそれが51%に成長し、2007年には97%以上の情報がインターネット経由でやり取りされている

from The World’s Technological Capacity to Store, C ommunicate, and Compute Information www.sciencemag.org/cgi/content/full/science.1200970/DC1

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IoTって何ですか?Industrie 4.0, Industrial Internet

様々な製品から稼働データなどを収集/分析:運用・保守や次の製品開発に反映→製造業のビジネスモデルが変化する

Wikipediaによる「モノのインターネット」

様々な「モノ(物)」がインターネットに接続され(単に繋がるだけではなく、モノがインターネットのように繋がる)、情報交換することにより相互に制御する仕組みである。 それによるデジタル社会の実現も指す。

法律に見るIoT:特定通信・放送開発事業実施円滑法 附則(2016年4月20日改正)

「インターネット・オブ・シングスの実現」インターネットに多様かつ多数の物が接続され、及びそれらの物から送信され、又はそれらの物に送信される大量の情報の円滑な流通が国⺠生活及び経済活動の基盤となる社会の実現

インターネットに存在するIoT解説記事類での表現

「遠隔操作としてのIoT」「センサとの連動」「IoTではあらゆるものがネットワークに繋がり、クラウド上のサーバーと連携」「それぞれの機器(モノ)の状態を常に把握(モニタリング)できる」「モノの中にコンピュータが組み込まれインターネットにつながることができる」「センサデータを利活用できる処理基盤を有する」

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IoT definition国際規格でのIoT定義:ISO/IEC JTC1 SWG 5: 2014 Preliminary Report

An Infrastructure of interconnected objects, people, systems and information resources together with intelligent services to allow them to process information of the physical and the virtual world and react

知的サービス存在化での「物、人、システム、情報資源」の相互接続インフラストラクチャ 物理世界/仮想世界の情報を操作する/操作に応じて反応することを許容

インターネットの再定義において、知的サービスの存在を明示したもの?

インターネットに接続する必要はない?

「データ」と「情報」

データに意味が与えられて情報となる:解釈が必要

サービス=解釈の基盤

仮想情報:ID:商品番号個人情報

感覚に付随する嗜好ECU内部の状態統計処理を経た情報

システム

情報資源

サービス:既存サービスの自動化

顧客ごとのサービス展開新規サービスの構築

インフラ:物理的には

センサ類によるセンシング計算機による演算

ネットワーク経由での操作

情報の相互アクセス

物理量:温度・湿度照度・降雨重量電流値

振動(加速度)位置・速度脈拍・呼吸

各要素が有するデータの例

概念的には

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「暗黙知」の見える化:「形式知」への変換

新たな知識「形式知」の創出

知識の有効性・妥当性の確認

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IoTが実現するものナレッジマネジメントにおける「暗黙知」と「形式知」:

ナレッジマネジメント:「個人のもつ暗黙知を形式知に変換することにより、知識の共有化、明確化を図り、作業の効率化や新発見を容易にしようとする企業マネジメント上の手法」暗黙知:「経験や勘に基づく知識のことで、言葉などで表現が難しいもの」形式知:「主に文章・図表・数式などによって説明・表現できる知識」

IoTの導入が実現した領域: 大量の複数種類センサによる莫大なデータセットが発生

温度・湿度・速度・加速度(振動)・照度・電流値・etc

データに対して「形式知」で意味を与える

データに対して「暗黙知」で意味を与える

データから想定外の法則を見出す

ビッグデータ解析 AIを用いた解析

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これまでに関わったIoT適用相談

分野 相談内容生物/化学系プラント 以下事項の遠隔での対応

反応タンクの異常振動の検出 周辺温度変化測定 液体排出のためのバルブ開閉動作

少量多品種生産 ライン内コンベアの速度管理の自動化+遠隔監視製品製造 製品を乾燥させるための乾燥炉内の温度ムラを可視化工程管理・作業効率化 共用工具/ビット類の位置把握建設用大型機械レンタル

以下事項のデータ収集と分析 レンタル先での使用状況(操作/整備)の把握 レンタル先での使用環境(温度/風速)の把握

初等教育現場 教室内のうるささの見える化+データ保存 教師+生徒に与える影響の測定 教師の教室経営に関する質の判断

初等教育現場 座席表をベースにした状況記録ツール 生徒の理解度を教師が記録 研究者による実地調査における記録

初等教育現場 自動文字認識による小テストの高速採点+データベース化

IoTに期待されるもの

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1980年代 1990年代 2000年代 2010年代住宅/家電

1980年代、ホームオートメーションは大きな市場を期待されながら普及しなかった:

住宅内の機器を接続するメリットが打ち出せなかった

1990年代~200年代前半、ネットワーク家電の製品化が相次いだが普及しなかった:

家電をネットワークに接続するメリットが打ち出せなかった

HEMSの普及がゆるやかに進む:

住宅における電力消費の見える化がユーザに対してのメリットとならなかった

住宅におけるIoT:情報化の試み

1980年代ホームバスシステム

(HBS)構想

1990年代ネットワーク家電の

製品化

1986年HBS標準案発表

2009年住宅情報化推進協議会

活動終止

2002年JEITAによる

情報家電モデルハウス

2017年スマートスピーカーに

よる家電制御

2011年ネットワーク接続

高機能学習リモコンによる家電制御

2015年ECHONET Lite国際標準化完了

1997年エコーネット

コンソーシアム設立

2015年頃〜HEMSの出現

1988年住宅情報化推進協議会

設立

2006年 – 2015年住宅の

ロボット化研究

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研究概要:住環境のロボット化(2006~2015)

RTルーム:ロボット技術(ユビキタス・ロボティクス)によって実現される住環境

現在のロボットシステム:モジュール + ネットワークで実現

機能の再利用フレキシブルシステムの実現-再構成可能なシステム-多重化などの頑強なシステム- システムの可視化

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環境に合わせた置き換え:Arm -> Motor, SwitchFoot -> “Active Caster”Eye -> Sensor

技術要素

IoT住宅に関する研究

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住環境におけるユビキタス・ロボティクス:コンセプトイメージ

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コンセプト:「ロボット化住宅が住人を助ける」

projector

Cleaner robot

I will clean to the direction

Clean from that area!

Indicate the move direction Indication of objection area

Secure safety

Put the objects away

Arrange to the wide table

Vision

Personal certification Unlock

Hello

Indoor GPS

「Task to put the object away」・recognize object on the floor・return the object with RFID・put the other object to trash

Control server

Room map

Mapping of RFIDs

Knowledge database

Indoor GPS

Indoor GPS

Indoor GPS

Vision

Vision

Vision

Mapping of RFIDs

Mapping of RFIDs

RFID

IoT住宅に関する研究

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約70平方メートルの実験室内住居

RTルーム

Electric Door KeyDoor Open/Close Sensor

家電・センサを含む住宅設備機器が住居内の各所に設置

機器間の連携、条件付け、動作シナリオを制御するサーバ

Bed

WCDressRoom

Living Room Kinect HumanSensor

RFID Human State Checker

Bath

Windows & Curtain

Open/close

IR Human Sensor

Scenario-Component Server

Room-Light Control

Home ElectronicsControl

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IoT住宅に関する研究

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RTルームを構成するソフトウェアモジュール群

シナリオモジュールサービス提供モジュールセンサモジュール

IoT住宅に関する研究

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Active Caster

The active caster is selected by the balance of weight of the transportation material, transfer power, and total

cost.

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キャスターにモータとコントローラをセット:無線による制御指示

Caster

Actuator

+

Active Caster

Weight

Transfer power andCost

Active caster

Passive caster

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IoT住宅に関する研究

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Active Caster デモ

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マルチモーダル入力による複数家具の連携移動

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IoT住宅に関する研究

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RTルームに実装したシナリオ例

カテゴリ タイトル 内容

障害者支援 マルチモーダル入力による複数機器連携

住人が障害者である想定複数の入力方法に対して複数の機器を連携させる

入力:音声、ジョイスティック 動作:TVのコントロール 動作:アクティブキャスターを設置した家具の連携移動

エネルギーマネジメント

室温に応じた省エネルギー空調管理

室温センサの値に応じて複数機器を連動電力消費を抑えつつ快適な室温を維持

〜20度:窓を閉じる 20度〜25度:窓を開ける 25度〜30度:窓を開けて扇風機と天井扇を動作 30度〜:窓を閉じて扇風機を停止、エアコンを動作

防犯QoS

玄関鍵と電灯の連携 Felicaリーダと電動玄関鍵、電灯を連携 登録Felica:解錠、ドアが開くのに合わせて電灯を点灯、帰宅者に合わせた自動音声応答

未登録Felica:室内に人がいる場合、解錠は室内の人間が行う

独居見守り 各種センサによる機器連携動作

複数の人感センサによる人間の位置推定と時刻を組み合わせて機器を連携動作させる

夜間室内移動:移動に合わせて電灯を点灯、アクティブキャスターを設置したドアを自動開閉

トイレでの転倒検知:通報 ベッドでの動作:時間帯に合わせてTV、窓、電灯を連動動作

IoT住宅に関する研究

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得られた知見

フレキシビリティがもたらす効果

利点 ユーザの要望に合わせたシステムの改変が容易

欠点 ユーザの要望に応じてシステムが肥大化・複雑化 不安全状態が発生する可能性が増大

オープンプラットホームがもたらす効果

利点 モジュールの開発活発化が見込まれる:再利用性の効果的な影響

欠点 責任分界点の不明瞭化

その他知見

システム管理責任者の必要性:住宅の特性を考えると難しい 複雑性が低い:システム管理責任者が存在することでシステムは比較的安定する 複雑性が高い:システム管理責任者の能力を超えた場合にシステムの安全性は担保できない ユーザとシステム管理責任者が別人である場合:システムの改変への対応が難しい

ユーザの要望において最大公約数を作るのは難しい パラメータによるユーザへのフィッティングである程度はカバー可能

人間の行動をセンスする:様々なモノがセンサの代用に成りうる 家電機器の操作、指示の入力は人感センサの代用になる 人間が必ず行う行為:排泄、睡眠、水分摂取->ここをカバーすることで生存確認が可能

状態・状況の可視化は程度問題である UIの作り方によってはシステムの可視化が可視化にならない

IoT住宅に関する研究