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IoTという言葉が氾濫している。しかしながら、その明確な定義はなされていない。 そのため、IoTの技術範囲も人材のスキルと育成に関しても未知の状態という問題がある。 本委員会では、このような問題に取り組むべく、一般社団法人 スキルマネージメント協会(SMA)と連携して、 以下の活動を展開する。 IoT技術動向の調査・研究 組込み視点でのIoT技術方針策定 WorkShopを通じた、共創によるIoTサービスのPoC策定と検証 IoT技術者のスキルセット体系、および育成指針の策定 JASAとSMAが連携して日本の主要産業である、組込み産業/製造業の視点からのIoTを発信していく。 活動概要 ■IoT技術動向の調査 有識者を招いた、ディスカッション形式による「白熱教室」や参加企業のサービス紹介など。 IoT技術高度化委員会の目的 IoT技術高度化委員会 会員募集(参加のメリット) ・IoTの国際標準化活動の動向や会員企業のIoTへの取組を議論し、知見を得ることができる。 ・組込み産業・製造業の技術視点でIoTを議論・定義し、優位性を持ったサービスの実現に寄与できる。 ・IoTの技術・知見を先取りし、その拡充スキルセットから、人材育成・採用戦略を再定義できる。 ・JASAとSMAの会員相互の交流・連携からのイノベーションを創造できる。 「白熱教室」(ディスカッション) IoT技術高度化委員会の体制 IoT技術高度化委員会(HQ・各WGのとりまとめ ・渉外、関連団体との連携 ①ドローンWG ・ドローンの安全自律飛行 の研究 ドローンセンシングなど ドローンの利活用技術の研究 WorkShopでビジネス創出 ③IoTスキル検討WG IoTの分散型モデル設計・ 検証手法の研究 ・スキルの拡充・育成の研究 IoTのスキル定義・検討 IoTビジネスキャンバスの 考案、活用 ②エモーションWG ・エモーションのキャッチ センサーとデータの研究 エモーション駆動のサービス ユースケースの研究 ・AI+チャットBotのPF研究 WorkShopでビジネス創出 ④エネルギー ハーべスティングWG ・各種エネルギー ハーベスタの勉強会開催 EHC(エネルギーハーベ スティングコンソーシアム) との連携 ・共創によるビジネス創出 ■データ流通連携タスクフォース ・データの属性定義 ・データの安全性・信頼性の研究 IPA/IOT推進コンソーシアム連携

IoT技術高度化委員会 - jasa.or.jpビジネス・モデル・キャンパス(BMC):あらゆるビジネスモデルを取り扱うことができることをコ ンセプトとして、Alexander

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Page 1: IoT技術高度化委員会 - jasa.or.jpビジネス・モデル・キャンパス(BMC):あらゆるビジネスモデルを取り扱うことができることをコ ンセプトとして、Alexander

IoTという言葉が氾濫している。しかしながら、その明確な定義はなされていない。そのため、IoTの技術範囲も人材のスキルと育成に関しても未知の状態という問題がある。本委員会では、このような問題に取り組むべく、一般社団法人 スキルマネージメント協会(SMA)と連携して、以下の活動を展開する。

■ IoT技術動向の調査・研究■ 組込み視点でのIoT技術方針策定■ WorkShopを通じた、共創によるIoTサービスのPoC策定と検証■ IoT技術者のスキルセット体系、および育成指針の策定

JASAとSMAが連携して日本の主要産業である、組込み産業/製造業の視点からのIoTを発信していく。

活動概要

■IoT技術動向の調査有識者を招いた、ディスカッション形式による「白熱教室」や参加企業のサービス紹介など。

IoT技術高度化委員会の目的

IoT技術高度化委員会

会員募集(参加のメリット)

・IoTの国際標準化活動の動向や会員企業のIoTへの取組を議論し、知見を得ることができる。

・組込み産業・製造業の技術視点でIoTを議論・定義し、優位性を持ったサービスの実現に寄与できる。

・IoTの技術・知見を先取りし、その拡充スキルセットから、人材育成・採用戦略を再定義できる。

・JASAとSMAの会員相互の交流・連携からのイノベーションを創造できる。

「白熱教室」(ディスカッション)

IoT技術高度化委員会の体制 IoT技術高度化委員会(HQ)・各WGのとりまとめ・渉外、関連団体との連携

①ドローンWG

・ドローンの安全自律飛行の研究

・ドローンセンシングなどドローンの利活用技術の研究・WorkShopでビジネス創出

③IoTスキル検討WG

・IoTの分散型モデル設計・検証手法の研究

・スキルの拡充・育成の研究・IoTのスキル定義・検討・IoTビジネスキャンバスの

考案、活用

②エモーションWG

・エモーションのキャッチセンサーとデータの研究

・エモーション駆動のサービスユースケースの研究

・AI+チャットBotのPF研究・WorkShopでビジネス創出

④エネルギーハーべスティングWG

・各種エネルギーハーベスタの勉強会開催

・EHC(エネルギーハーベスティングコンソーシアム)

との連携・共創によるビジネス創出■データ流通連携タスクフォース

・データの属性定義・データの安全性・信頼性の研究

IPA/IOT推進コンソーシアム連携

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産業用ドローン市場を立ち上げる。現在のドローン市場はホビー用が多くを占め、産業用途において求められる「安全な飛行」を実現することが難しい。自律的なエッジ機能を実現させ、衝突回避、墜落防止、無線が切断された際の回避行動などの安全な標準プラットフォームを検討する。産業用ドローンを実現させることで、会員企業が「移動するIoT」であるドローン事業に参入可能な技術展開を図る。

活動概要

経済産業省「新産業構造ビジョン(2017)」に基づき、「解決される課題・ニーズ」の筆頭項目である「移動する」に応える。具体的には産業用ドローン市場の立ち上げと組込みオープンソースの普及拡大に努める。ドローンを題材にJASAの強みを活かした高信頼性、「移動するIoT」の

プラットフォームを活用しオープンソースとして提供する。

ドローンWGの目的

■安全で素早いデバッグ環境を提供①デバッグが容易な環境をオープンソースとして提供する。②ドローン側に姿勢制御などの重要なソフトは載せず、

センサーからの情報をWi-Fiで通信し、そのデータをPC(Linux)上で制御する。

③ドローン側のファームウェアは変更せず、PC上のプログラム開発だけでデバッグが可能となる。

※産業⽤ドローンの開発に不可⽋なデバッグ環境の開発に賛同いただける企業を募集します。

衝突回避機能(システム)

ウェイポイントを点から空間で考えて⾃動航⾏、衝突回避をシステムとして考える

安全なデバッグ環境で検証

Mission Planner

ツール

ツール/フライトコントローラを含むプラットフォームをオープンソースとして提供

Hachidori

HachidoriServer USB

衝突回避機能(単体)

JASA Open Drone Platform

サービス層

UTM層(無人航空機管制システム)

SFP層

ストレージ層

Gateway層オープンソース

Cloud

フライトコントローラ層オープンソース

国際標準

各サービスを提供する企業

■産業⽤ドローン構想産業⽤ドローンを考える上で、JASAだけではなく多くの企業、団体と連携する必要がある。JASAが考える産業⽤ドローン構想は階層構造となっており、各企業や団体が役割分担する。

■オープンソース(DCoJA/OpenEL等)の提供JASAの活動範囲はGateway層/フライトコントローラ層となる。MCPC/IPA等の団体と連携し、セキュリティ/無線技術等を考慮した安⼼安全なプラットフォームをオープンソースとして提供。

■産業⽤ドローンへの参⼊フライトコントローラを⾃由に設計できる技術を⾝に付け、ドローンの組込み技術を習得する。最終的には各サービスを提供する企業の⽴ち上げが可能となると考える。

■移動するIoTドローンは移動するIoTである。ドローンを考えることで、あらゆる移動するIoTに対応していく。

JASA Open Drone Platformに賛同いただける企業を募集します。

Mission Planner

クラウド提供企業

■仕様⼤きさ︓10cm x 10cm⾼さ2cm(プロペラを含めず)重さ︓32g(バッテリー含めず)

約100g(バッテリ含む)⾶⾏時間︓約3分

「Hachidori」はドローンワークス(株)の商標です。

産業用ドローンのサービス階層 関連団体・企業・規格

組込システム開発企業

IoT技術高度化委員会ドローンWG

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次世代ドリブンモデルはエモーション(感情)ドリブンだ︕ITシステムは、現在までにデマンドドリブンからイベントドリブンへとシフトしてきたが、第三のドリブンモデルとして、エモーションドリブンの可能性が議論されている。エモーションWGでは、「感情とIoTの融合」という切り⼝で、エモーションドリブンモデルのサービスの可能性を、エモーションセンシング、既存サービスとの組み合わせで検討し、新しいサービスモデルの創造・構築検討する。

活動概要

■WorkShopを通じた、共創によるサービスモデルの創造、構築。事業化への「道しるべ」

エモーションWGの目的

IoT技術高度化委員会エモーションWG

「WorkShop」(共創の場の提供)、KeyWord=責任のない開発

エモーションセンシングデバイスの作成 エモーションドリブンPlatformの提供

出展:リアル開発会議

出展:http://iot‐ut.com/index.htmlhttps://www.smarteda.io/iflink/index.htmlhttp://www.toshiba.co.jp/cl/pro/recaius/

Built To Thinkの考え方に基づき動くものを作りながら、イメージをふくらませていく。

Page 4: IoT技術高度化委員会 - jasa.or.jpビジネス・モデル・キャンパス(BMC):あらゆるビジネスモデルを取り扱うことができることをコ ンセプトとして、Alexander

IoTは、センサやエッジで接続されるフィジカル空間とクラウド上のサイバー空間で構成され、それぞれが連携して機能す

ることにより新たな価値を創造することができる。このようなシステムを構築し運用し価値を創造していくには、それぞれの要素をモデル化することにより、連携、協調、評価をシミュレーションすることが可能となる。また、データについても機械学習して新たな価値を創造することができる。研究会では、このような背景をもとに以下の活動を展開する。■ IoTを構成するビジネス価値と、サービスと要素技術を表現する手法の研究■ IoT分散型モデルベース技術者のスキルと評価の定義と認定認証の調査研究■ IoT分散型モデルベース開発におけるモデルの設計・評価方法の調査研究

活動概要

IoTスキル検討WGの目的

IoT技術高度化委員会IoTスキル検討WG

IOTビジネスキャンパスの提案

• サイバー空間とフィジカル空間の両システムを跨いだ検証が難しいこと、事前の設計や性能予測も困難であることなどからモデルベース開発とシミュレーションに注目する

• デバイスとクラウドに機能が分散し、それぞれのモデル(表現の異なるモデル)が連携・協調しながらサービスを実現する。また、デバイス側のモデルがクラウド側に一部分離する場合もある。このときのモデル間のインタフェースをどう設計・表現するか?また、その検証をどうするか?

• サイバー空間でモデルミュレーションして得られたログは、ビッグデータとなる。このビッグデータを用いることで、フィジカルでは実現しなかったプロセス(フォルトインジェクションなどを含む)についても評価が可能となる

IoT分散型モデルベースによる設計開発スタイルの例デバイス、エッジのクラウド上のモデリングそこから得られたモデルベースがIoT分散型モデルベース IoT分散型モデルベースの上で上流設計

4

分析/加工

結合/変換

フィジカル

データ/情報

サービス

利害関係者

サービス利用者

IoTアーキテクチャとiCDスキルの関係スキル知識項目

ニーズ&ウォンツの把握

技術的環境

法的環境

CSF(CriticalSuccessFactors)

当該分野のソリューション市場に関する知識

アライアンス

アプリケーションに関わる技術動向の把握

最適プラットフォーム選定

先端技術

注目技術

最新ネットワーク技術動向の把握

最新ハードウェア技術動向の把握

最新プラットフォーム技術動向の把握

新製品または新サービスの開発

業界固有ニーズ/ウォンツの把握と活用

コア技術

技術提携

iCD

IoT特有の課題にアプローチ

IoTサービス構想(ドローンキャディ)例• サービスをIoTキャンバスで表現する• サービスを構想したら、IoTキャンバスに「タスク」要素を展開• IoTキャンバスの構成要素を、IoTのセブンレイヤの階層にボッ

ク(Body of Knowledge)として展開• アーキテクチャを検討して、ボックに対応したスキルをiCD(ア

イシーディー)から抽出して、スキル項目を整理できる

IoTキャンバス

• IoTキャンバスは、サービスの実現手段を検討するときに有効、しかしながら、ビジネスとして成立するか表現できない

• そこで、IoTキャンバスとビジネスモデルキャンバスを融合させた「IoTビジネスキャンバス」を考案

• ビジネスモデルキャンバスで定義するビジネスで必要な9つの構成要素(チャネル、顧客セグメント、パートナとの関係、主な活動、主なリソース、顧客にもたらす価値、顧客との関係、コスト、収入の流れ)とIoTキャンバスで表現できるサービス提供者(利害関係者)と利用者の間で発生するデータの流れ処理の階層構造を同時に示すことができる

• この 「IoTビジネスキャンバス」により、実現の可能性と事業化(投資の回収モデル)を合わせて考察することができる

IoTビジネスキャンバスビジネス・モデル・キャンパス(BMC):あらゆるビジネスモデルを取り扱うことができることをコンセプトとして、Alexander Osterwalder氏によって考案されたフレームワーク

IoTキャンバス:「ビジネス・キャンバス」のIoT版、一般的に提唱されており、IoTサービス向けのビジュアルフレームワークIoTサービスを実現する上での「ステークホルダ」や「技術要素」の分解に適しているiCD:IPAが提唱する i コンピテンシ ディクショナリは、企業が着実に成長していくために求められるタスク(業務)とスキル(能力)を体系的にまとめたものである

モデルベースによるサイバー空間

クラウド

エッジモデル

エッジモデル

エッジモデル

デバイスモデル

デバイスモデル

デバイスモデル

エッジ エッジデバイス デバイス

フィジカル空間

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光で発電太陽光、室内光振動で発電回転、振動、Push、衝撃熱で発電排熱、温度差化学変化で発電有機物、酵素、酸化電波から電気を収穫電磁場ハーベスティング

エネルギーハーベスティングを知っていますか?古くは鉱石ラジオ、腕を振ると発電するクォーツ時計などが身近ですが、IoT時代のエッジノードを自立電源で動かすことができれば、設置場所や活用範囲が大きく広がります。IoTに必須のエネルギーハーベスティング技術の実用化に向けた課題を研究しています。

活動概要

■シーズとしての要素技術の勉強会と、ニーズ主導の試作実験を両輪として活動します。

エネルギーハーベスティングWGの目的

IoT技術高度化委員会エネルギーハーベスティングWG

勉強会(シーズの研究)

試作実験(ニーズ主導)

トイレの利用状況 物流トラッキング

ハーベスタ技術調査無線通信デバイスBLE、LPWA送信時電⼒、待機時電⼒CPUクロック⽐処理能⼒の向上間歇動作センサー⼩型化、省電⼒化アクチュエータ/モーター⼩型化、省電⼒化

省電⼒デバイス調査

⼆次電池ニッケル⽔素、リチウムイオンキャパシタ/コンデンサ電気⼆重層、リチウムイオン

蓄電デバイス調査http://www.keieiken.co.jp/ehc/about/index.html

出展:エネルギーハーベスティングコンソーシアム

トラッキングモジュールを振動発電で電池レスに︕

●ドアの開閉●カギの操作●座⾯の圧⼒センサー●⼈感センサー●トイレットペーパーの回転●⽔流●におい

●空き状況を知る●メンテナンス/清掃業者が知る●⻑居防⽌/事故検知

ユースケース(⽬的)

利⽤センサーの検討

●磁歪タイプ振動●回転振動●プッシュタイプ振動●室内光

ハーベスタの検討

●鉄道●トラック●⾶⾏機●船

ユースケース

●通信頻度●省電⼒モジュール●データ量

無線通信の検討

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IoT技術高度化委員会

2017/7/12 発行発行者 一般社団法人 組込みシステム技術協会

東京都中央区日本橋大伝馬町6-7TEL: 03(5643)0211 FAX: 03(5643)0212URL: http://www.jasa.or.jp/TOP/

本書の著作権は一般社団法人組込みシステム技術協会(以下、JASA)が有します。JASAの許可無く、本書の複製、再配布、譲渡、展示はできません。また本書の改変、翻案、翻訳の権利はJASAが占有します。その他、JASAが定めた著作権規程に準じます。

一緒にIoT/M2Mを議論しませんか?

委員会/workshopへの参加、協力をお願いします。

JASAのWebページ、技術本部/IoT技術高度化委員会から

委員会、WGの参加者募集中!!

http://www.jasa.or.jp/TOP/activity/technology/iotm2m/