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IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド、 Cisco IOS XE Release 3S 初版:2013 02 08 シスコシステムズ合同会社 107-6227 東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー http://www.cisco.com/jp お問い合わせ先:シスコ コンタクトセンター 0120-092-255 (フリーコール、携帯・PHS含む) 電話受付時間:平日 10:0012:0013:0017:00 http://www.cisco.com/jp/go/contactcenter/

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

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Page 1: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S初版:2013年 02月 08日

シスコシステムズ合同会社〒107-6227 東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワーhttp://www.cisco.com/jpお問い合わせ先:シスココンタクトセンター

0120-092-255 (フリーコール、携帯・PHS含む)電話受付時間:平日 10:00~12:00、13:00~17:00http://www.cisco.com/jp/go/contactcenter/

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しては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容

については米国サイトのドキュメントを参照ください。また、契約等の記述については、弊社販

売パートナー、または、弊社担当者にご確認ください。

このマニュアルに記載されている仕様および製品に関する情報は、予告なしに変更されることがあります。このマニュアルに記載されている表現、情報、および推奨

事項は、すべて正確であると考えていますが、明示的であれ黙示的であれ、一切の保証の責任を負わないものとします。このマニュアルに記載されている製品の使用

は、すべてユーザ側の責任になります。

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The Cisco implementation of TCP header compression is an adaptation of a program developed by the University of California, Berkeley (UCB) as part of UCB's public domain versionof the UNIX operating system. All rights reserved. Copyright © 1981, Regents of the University of California.

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このマニュアルで使用している IPアドレスは、実際のアドレスを示すものではありません。マニュアル内の例、コマンド出力、および図は、説明のみを目的として使用されています。説明の中に実際のアドレスが使用されていたとしても、それは意図的なものではなく、偶然の一致によるものです。

© 2013 Cisco Systems, Inc. All rights reserved.

Page 3: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

目次

IGMPのカスタマイズ 1

機能情報の確認 2

IGMPのカスタマイズの前提条件 2

IGMPのカスタマイズの制約事項 2

IGMPのカスタマイズに関する情報 3

インターネットグループ管理プロトコル(IGMP)の役割 3

IGMPのバージョンの違い 4

IGMP加入の処理 8

IGMPの脱退処理 8

IGMPマルチキャストアドレス 9

IPv4で SSMをサポートするための IGMPの拡張 ACLサポート 9

IPv4で SSMがサポートされる拡張アクセスリストの利点 10

IGMPが拡張アクセスリストを検査する方法 10

IGMPプロキシ 11

IGMPのカスタマイズ方法 13

直接接続の IGMPホストがない場合にマルチキャストトラフィックが転送されるよ

うにデバイスを設定する方法 13

IGMP拡張アクセスリストを使用して SSMネットワークへのアクセスを制御する方

法 14

IGMPプロキシの設定 18

前提条件 18

IGMP UDLRに対するアップストリーム UDLデバイスの設定 18

IGMPプロキシサポート付きの IGMP UDLRに対するダウンストリーム UDLデ

バイスの設定 20

IGMPのカスタマイズ設定例 23

例:直接接続された IGMPホストがない場合に、マルチキャストトラフィックを転

送するようにデバイスを設定 23

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S iii

Page 4: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

IGMP拡張アクセスリストを使用して SSMネットワークへのアクセスを制御す

る方法 23

例:グループ Gのすべての状態を拒否 24

例:ソース Sのすべての状態を拒否 24

例:グループ Gのすべての状態を許可 24

例:ソース Sのすべての状態を許可 24

例:グループ Gのソース Sをフィルタリング 25

例:IGMPプロキシ設定 25

その他の関連資料 26

IGMPのカスタマイズの機能情報 27

IGMPのスタティックグループ範囲サポート 29

機能情報の確認 29

IGMPスタティックグループ範囲サポートに関する情報 30

IGMPスタティックグループ範囲サポートの概要 30

IGMPスタティックグループ範囲サポートのクラスマップ 30

IGMPスタティックグループ範囲サポートを設定する一般的な手順 31

IGMPスタティックグループ範囲サポートの設定に関する追加のガイドライ

ン 32

IGMPスタティックグループ範囲サポートの利点 32

IGMPスタティックグループ範囲サポートの設定方法 33

IGMPのスタティックグループ範囲サポートの設定 33

IGMPスタティックグループ範囲サポートの確認 35

IGMPスタティックグループ範囲サポートの設定例 37

例:IGMPスタティックグループサポートの設定 37

例:IGMPスタティックグループサポートの確認 37

その他の関連資料 39

IGMPスタティックグループ範囲サポートの機能に関する情報 40

SSMマッピング 43

機能情報の確認 43

SSMマッピングの前提条件 44

SSMマッピングの制約事項 44

SSMマッピングに関する情報 45

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3Siv

目次

Page 5: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

SSMのコンポーネント 45

Source Specific Multicastの利点 45

SSM移行ソリューション 47

SSMマッピングの概要 47

スタティック SSMマッピング 48

DNSベースの SSMマッピング 49

SSMマッピングの利点 50

SSMマッピングを設定する方法 51

スタティック SSMマッピングの設定 51

次の作業 53

DNSベースの SSMマッピングの設定 53

次の作業 55

SSMマッピングを使用したスタティックトラフィック転送の設定 55

次の作業 56

SSMマッピングの設定と動作の確認 56

SSMマッピングの設定例 59

SSMマッピングの例 59

DNSサーバの設定例 62

その他の関連資料 63

SSMマッピングの機能情報 64

IGMPスヌーピング 67

機能情報の確認 67

IGMPスヌーピングの情報 67

IGMPスヌーピング 67

IGMPスヌーピングを設定する方法 69

IGMPスヌーピングのイネーブル化 69

IGMPスヌーピングのグローバルな設定 70

ブリッジドメインインターフェイス上での IGMPスヌーピングの設定 72

EFPの設定 75

IGMPスヌーピングの確認 78

その他の関連資料 79

IGMPスヌーピングの機能情報 80

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S v

目次

Page 6: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

スイッチドイーサネットネットワークでの IPマルチキャストの抑制 81

機能情報の確認 81

スイッチドイーサネットネットワークで IPマルチキャストを抑制するための前提条

件 82

スイッチドイーサネットネットワークでの IPマルチキャストについての情報 82

IPマルチキャストトラフィックとレイヤ 2スイッチ 82

IPマルチキャスト用の Catalystスイッチの CGMP 82

IGMPスヌーピング 83

Router-Port Group Management Protocol(RGMP) 84

スイッチドイーサネットネットワークでマルチキャストを抑制する例 84

IPマルチキャスト用のスイッチの設定 84

IGMPスヌーピングの設定 85

CGMPのイネーブル化 85

レイヤ 2スイッチドイーサネットネットワークでの IPマルチキャストの設定 86

スイッチドイーサネットネットワークで IPマルチキャストを抑制する設定例 88

例:CGMPの設定 88

RGMPの設定例 88

その他の関連資料 88

スイッチドイーサネットネットワークで IPマルチキャストを抑制する機能に関する

情報 89

Router-Port Group Management Protocol(RGMP)の設定 91

機能情報の確認 91

RGMPの前提条件 92

RGMPについて 92

IPマルチキャストルーティングの概要 92

RGMPの概要 93

RGMPの設定方法 96

RGMPのイネーブル化 96

RGMP設定の確認 97

RGMPのモニタリングおよびメンテナンス 98

RGMPの設定例 99

RGMPの設定例 99

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3Svi

目次

Page 7: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

その他の関連資料 100

Router-Port Group Management Protocol(RGMP)の機能情報 102

単方向リンクを経由する IPマルチキャストの設定 105

機能情報の確認 105

UDLRの前提条件 106

UDLRの概要 106

UDLRの概要 106

UDLRトンネル 107

IGMP UDLR 107

単方向リンクを経由する IPマルチキャストをルーティングする方法 108

UDLRトンネルの設定 108

IGMP UDLRの設定 111

UDLRの設定例 114

UDLRトンネルの例 114

IGMP UDLRの例 116

統合された UDLRトンネル IGMP UDLRと IGMPプロキシの例 118

その他の関連資料 120

単方向リンクを経由する IPマルチキャストの機能情報 121

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S vii

目次

Page 8: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3Sviii

目次

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第 1 章

IGMP のカスタマイズ

インターネットグループ管理プロトコル(IGMP)は、特定の LANセグメント上でマルチキャストグループに個々のホストを動的に登録する場合に使用されます。インターフェイス上で

Protocol Independent Multicast(PIM)をイネーブルにした場合でも、そのインターフェイス上でIGMPの動作がイネーブルにされます。

このモジュールでは、次の方法を含む、IGMPをカスタマイズする方法について説明します。

•直接接続の IGMPホストがない場合に、マルチキャストトラフィックが転送されるようにルータを設定します。

•マルチキャストネットワークエンドポイントまたはホストとしてルータが動作できるように、IGMPバージョン 3(IGMPv3)ホストスタックをイネーブルにする方法。

•ルータによって、IGMPv3環境で特定のグループまたはチャネルに加入している個々のホストそれぞれを追跡できるようにする方法。

• IGMP拡張アクセスリストを使用して SSMネットワークへのアクセスを制御する方法。

•ダウンストリームルータに直接接続されていないホストが、アップストリームネットワークがソースのマルチキャストグループに加入できるようにするために、IGMPプロキシを設定する方法。

• 機能情報の確認, 2 ページ

• IGMPのカスタマイズの前提条件, 2 ページ

• IGMPのカスタマイズの制約事項, 2 ページ

• IGMPのカスタマイズに関する情報, 3 ページ

• IGMPのカスタマイズ方法, 13 ページ

• IGMPのカスタマイズ設定例, 23 ページ

• その他の関連資料, 26 ページ

• IGMPのカスタマイズの機能情報, 27 ページ

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 1

Page 10: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

機能情報の確認ご使用のソフトウェアリリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされ

ているとは限りません。最新の機能情報および警告については、使用するプラットフォームおよ

びソフトウェアリリースの Bug Search Toolおよびリリースノートを参照してください。このモジュールに記載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリスト

を確認する場合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。

プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索

するには、Cisco Feature Navigatorを使用します。 Cisco Feature Navigatorにアクセスするには、www.cisco.com/go/cfnに移動します。 Cisco.comのアカウントは必要ありません。

IGMP のカスタマイズの前提条件•このモジュールの作業を実行する前に、「IP Multicast Technology Overview」モジュールで説明している概念をよく理解しておく必要があります。

•このモジュールの作業では、IPマルチキャストがイネーブルに設定され、「ConfiguringBasicIP Multicast」モジュールで説明されている作業を使用して、Protocol Independent Multicast(PIM)インターフェイスが設定されていることを前提とします。

IGMP のカスタマイズの制約事項

SSM モードで設定されていないマルチキャストグループでのトラフィックフィルタリング

Source SpecificMulticast(SSM)モードで設定されていないマルチキャストグループに対するトラフィックをフィルタリングまたは制限する場合、ソフトウェアで IGMPv3メンバーシップは使用されません。実際には、Cisco IOSソフトウェアにより、デンスモード、スパースモード、または双方向モードで設定されているグループに対するすべての IGMPv3メンバーシップレポートが、グループメンバーシップレポートに解釈され、すべてのアクティブなソースからのトラフィッ

クがネットワークに転送されます。

IGMP スヌーピングとの相互運用性

IGMPv3メッセージは、IGMPバージョン 1(IGMPv1)およびバージョン 2(IGMPv2)で使用されているメッセージと異なるため、IGMPスヌーピングがサポートされ、IGMPスヌーピングでイネーブルにされているスイッチで IGMPv3を使用するときには、注意が必要です。 IGMPv3メッセージがスイッチで認識されない場合、IGMPv3が使用されているときに、ホストではトラフィックが正しく受信されません。この場合は、スイッチ上で IGMPスヌーピングがディセーブルにされているか、または、ルータではインターフェイス上で IGMPv2に対する設定が行われています。これによって、URL Rendezvous Directory(URD)または IGMP v3liteを使用できないホストアプリケーションに対して、SSMを使用する機能が削除されます。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S2

IGMP のカスタマイズ機能情報の確認

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CGMP との相互運用性

Cisco Group Management Protocol(CGMP)を使用しているネットワークでは、IGMPv3で設定されている場合よりも、IGMPv2で設定されている場合に、より優れたグループ脱退動作が使用されます。 IGMPv2で CGMPが使用され、CGMP脱退機能でスイッチがイネーブルの場合、マルチキャストグループに加入しているポートへのトラフィックは、そのポート上の最後のメンバがそ

のグループに対するメンバーシップを廃棄した直後に、ポートから削除されます。この高速脱退

メカニズムは、IGMPv2の一部で、特にCGMP高速脱退対応スイッチによってサポートされます。

IGMPv3では、現在、高速脱退をサポートしているCGMPスイッチはありません。 IGMPv3がネットワークで使用される場合、CGMPは動作し続けますが、CGMP高速脱退サポートは無効で、次の条件が適用されます。

• CGMPスイッチの新しいポート上にあるホストがマルチキャストグループに参加するたびに、そのポートは、このグループのトラフィックが送信される宛先のポートのリストに追加

されます。

•特定のポート上のすべてのホストがマルチキャストグループから脱退した場合でも、グループに加入している(同じ仮想 LAN上の)他のポートにホストがある場合は何も行われません。つまり、そのマルチキャストグループからトラフィックを受信し続けます。

•仮想 LAN(VLAN)にある最後のホストからマルチキャストグループを脱退するときにのみ、このグループのトラフィックのVLANへの転送は、転送スイッチのどのポートにも戻りません。

この加入の動作は IGMPv3モードで実際に動作しているマルチキャストグループにだけ適用されます。 IGMPv2のみをサポートしているレガシーホストがネットワークにある場合、グループはIGMPv2に戻され、これらのグループに対して高速脱退が動作します。

CGMP対応スイッチで高速脱退が必要な場合は、IGMPv3をイネーブルにせず、そのインターフェイスで IGMPv2を設定することを推奨します。

SSMを使用する場合は、IGMPv3が必要で、次の 2つの構成オプションがあります。

• IGMPv2のインターフェイスのみを設定し、IGMP v3liteおよび URDを使用する。

• IGMPv3をイネーブルにし、CGMPスイッチを介してより高度な脱退遅延を受け入れる。

IGMP のカスタマイズに関する情報

インターネットグループ管理プロトコル(IGMP)の役割IGMPは、マルチキャストグループの個々のホストを特定のLANにダイナミックに登録するために使用します。インターフェイスで PIMをイネーブルにすると、IGMPもイネーブルになります。 IGMPは、特別なマルチキャストクエリアおよびホストを使用して、ネットワーク全体でマルチキャストトラフィックのフローを自動的に制御および制限する手段を提供します。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 3

IGMP のカスタマイズIGMP のカスタマイズに関する情報

Page 12: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

•クエリアは、クエリーメッセージを送信して、特定のマルチキャストグループのメンバであるネットワークデバイスを検出するネットワークデバイス(ルータなど)です。

•ホストは、クエリアにホストメンバーシップを通知するためのレポートメッセージ(クエリーメッセージに応答するメッセージ)を送信するレシーバで、ルータも含まれます。ホ

ストでは、IGMPメッセージを使用して、マルチキャストグループに加入し、マルチキャストグループを脱退します。

ホストは、そのローカルマルチキャストデバイスに IGMPメッセージを送信することで、グループメンバーシップを識別します。 IGMPでは、デバイスは IGMPメッセージを受信し、定期的にクエリーを送信して、特定のサブネットでアクティブなグループと非アクティブなグループを検

出します。

IGMP のバージョンの違いInternet Engineering Task Force(IETF)の Request for Comments(RFC)ドキュメントで定義されているように、IGMPには 3種類のバージョンがあります。 IGMPv2は IGMPv1の強化版で、ホストがマルチキャストグループからの脱退を通知する機能が追加されていいます。IGMPv3はIGMPv2の強化版で、あるソース IPアドレスのセットから送信されたマルチキャストだけをリッスンする機能が追加されています。

表 1:IGMP のバージョン

説明IGMP のバージョン

どのマルチキャストグループがアクティブであ

るかをマルチキャストデバイスが判断できる基

本的なクエリー応答メカニズムと、ホストがマ

ルチキャストグループに加入および脱退できる

ようにするためのその他のプロセスを提供しま

す。 RFC 1112で、IPマルチキャスト用のIGMPv1ホスト拡張が定義されています。

IGMPv1

IGMPの拡張で、IGMPの脱退処理、グループ固有のクエリーおよび明示的な最大応答時間

フィールドなどの機能が可能になっています。

また、IGMPv2ではこの作業を実行するために、マルチキャストプロトコルに依存することなく

IGMPクエリアを選択する機能もデバイスに追加されます。 IGMPv2は RFC 2236で定義されています。

IGMPv2

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S4

IGMP のカスタマイズIGMP のバージョンの違い

Page 13: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

説明IGMP のバージョン

ソースフィルタリングを提供します。これによ

り、マルチキャストレシーバホストは、どの

グループからマルチキャストトラフィックを受

信するか、およびこのトラフィックがどのソー

スからのものと想定されているかをデバイスに

知らせることができます。さらに、IGMPv3はIGMPv3メンバーシップレポートの宛先 IPアドレスであるリンクローカルアドレス

224.0.0.22をサポートしています。すべてのIGMPv3対応マルチキャストデバイスは、このアドレスをリッスンする必要があります。

IGMPv3は RFC 3376で定義されています。

IGMPv3

デフォルトでは、インターフェイスで PIMをイネーブルにすると、そのデバイスで IGMPv2がイネーブルになります。 IGMPv2は、可能な限り IGMPv1と下位互換性を保つよう設計されました。この下位互換性を実現するために、RFC 2236は特別な相互運用性ルールを定義しています。ネットワークにレガシー IGMPv1ホストが含まれている場合は、これらの運用性ルールをよく知っておく必要があります。 IGMPv1と IGMPv2の相互運用性の詳細については、RFC 2236『Internet Group Management Protocol, Version 2』を参照してください。

(注)

IGMPv1 を実行するデバイス

IGMPv1デバイスは、「全ホスト」へのマルチキャストアドレスである 224.0.0.1に IGMPクエリーを送信して、アクティブマルチキャストレシーバが存在するマルチキャストグループを求

めます。マルチキャストレシーバも、デバイスに IGMPレポートを送信して、特定のマルチキャストストリームの受信を待機していることを通知できます。ホストは非同期に、またはデバイス

によって送信される IGMPクエリーに対応して、レポートを送信できます。同じマルチキャストグループに複数のマルチキャストレシーバが存在する場合、これらのホストの1つのみで、IGMPレポートメッセージが送信されます。他のホストでは、レポートメッセージが抑制されます。

IGMPv1では、IGMPクエリア選択はありません。セグメント内に複数のデバイスがある場合、すべてのデバイスが定期的に IGMPクエリーを送信します。 IGMPv1には、ホストがグループから脱退できる特別なメカニズムはありません。ホストで、特定のグループに対するマルチキャス

トパケットを受信する必要がなくなった場合は、デバイスから送信される IGMPクエリーパケットに対する応答を行わないだけです。デバイスはクエリーパケットを送信し続けます。デバイ

スが 3回 IGMPクエリーの応答を受信しないと、グループはタイムアウトし、デバイスはグループのセグメントへのマルチキャストパケットの送信を停止します。ホストがタイムアウト期間後

にマルチキャストパケットを受信する場合、そのホストは新しい IGMP joinをデバイスに送信するだけです。これにより、デバイスはマルチキャストパケットの転送を再開します。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 5

IGMP のカスタマイズIGMP のバージョンの違い

Page 14: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

LAN上に複数のデバイスが存在する場合は、指定ルータ(DR)を選択して、接続されているホストに対するマルチキャストトラフィックの重複を回避する必要があります。 PIMデバイスは DRを選択する選定プロセスに従います。最も大きい IPアドレスを持つ PIMデバイスが DRになります。

DRは、次のタスクを担当します。

• PIM登録メッセージ、PIM加入メッセージ、および PIMプルーニングメッセージをランデブーポイント(RP)に送信し、ホストグループメンバーシップに関する情報を通知する。

• IGMPホストクエリーメッセージを送信する。

• IGMPオーバーヘッドをホストおよびネットワークでできるだけ低く維持するために、ホストクエリーメッセージをデフォルトで 60秒ごとに送信する。

IGMPv2 を実行するデバイス

IGMPv2では、IGMPv1のクエリーメッセージング機能が改善されました。

IGMPv2のクエリーおよびメンバーシップレポートメッセージは、次の2つの例外を除き、IGMPv1メッセージと同じです。

• IGMPv2クエリーメッセージは、一般クエリー(IGMPv1クエリーと同じ)とグループ固有クエリーの 2つのカテゴリに分かれる。

• IGMPv1メンバーシップレポートと IGMPv2メンバーシップレポートの IGMPタイプコードが異なる。

IGMPv2では、次の機能に対するサポートを追加することにより、IGMPの機能の強化も行われました。

•クエリア選択プロセス:IGMPv2デバイスが、プロセスを実行するマルチキャストルーティングプロトコルに依存せずに、IGMPクエリアを選択できる機能を提供します。

• [MaximumResponse Time]フィールド:IGMPクエリアを使用して最大クエリー応答時間を指定できる、クエリーメッセージの新しいフィールド。このフィールドで、応答のバースト

性を制御し、脱退遅延を調整するクエリー応答プロセスの調整ができます。

•グループ固有クエリーメッセージ:すべてのグループではなく特定の 1つのグループでクエリー操作を実行する目的で、IGMPクエリアを使用することができます。

•グループ脱退メッセージ:グループから脱退することをネットワーク上のデバイスに通知する手段をホストに提供します。

DRと IGMPクエリアが通常同じデバイスである IGMPv1とは異なり、IGMPv2では 2つの機能は分離されます。 DRと IGMPクエリアは異なる基準で選択され、同じサブネット上の異なるデバイスである場合があります。 DRはサブネットで IPアドレスが最大のデバイスで、IGMPクエリアは最小の IPアドレスを持つデバイスです。

次のように、クエリーメッセージは IGMPクエリアの選択に使用されます。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S6

IGMP のカスタマイズIGMP のバージョンの違い

Page 15: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

1 各 IGMPv2デバイスは起動時に、そのインターフェイスアドレスを一般クエリーメッセージのソース IPアドレスフィールドに使用して、当該メッセージを全システムのグループアドレス 224.0.0.1にマルチキャスト送信します。

2 IGMPv2デバイスが一般クエリーメッセージを受信すると、デバイスは自分のインターフェイスアドレスとメッセージのソース IPアドレスを比較します。サブネット上の最下位 IPアドレスが使用されているデバイスにより、IGMPクエリアが選択されます。

3 すべてのデバイス(クエリアは除く)でクエリータイマーが開始されます。IGMPクエリアから一般クエリーメッセージを受信するたびに、タイマーはリセットされます。クエリータイ

マーが切れると、IGMPクエリアがダウンしたと見なされ、新しい IGMPクエリアを選択するために選択プロセスが再度実行されます。

デフォルトでは、タイマーはクエリーインターバルの 2倍です。

IGMPv3 を実行するデバイス

IGMPv3では、ソースフィルタリングのサポートが追加されています。これにより、マルチキャストレシーバホストは、どのグループからマルチキャストトラフィックを受信するか、および

このトラフィックがどのソースからのものと想定されているかをデバイスに知らせることができ

ます。このメンバーシップ情報によって、レシーバがトラフィックを要求したソースからのトラ

フィックだけを転送できます。

IGMPv3では、トラフィックを受信するソースに明示的に信号を送信するアプリケーションがサポートされます。 IGMPv3では、次の 2つのモードで、レシーバにより、マルチキャストグループにメンバーシップの信号が送信されます。

• INCLUDEモード:このモードでは、レシーバはグループにメンバーシップをアナウンスし、トラフィックを受信する IPアドレスのリスト(INCLUDEリスト)を提供します。

• EXCLUDEモード:このモードでは、レシーバはグループにメンバーシップをアナウンスし、トラフィックを受信しない IPアドレスのリスト(EXCLUDEリスト)を提供します。つまり、ホストは IPアドレスが EXCLUDEリストに記載されていないソースからのトラフィックだけを受信します。インターネット標準マルチキャスト(ISM)サービスモデルの場合など、すべてのソースからトラフィックを受信するには、空の EXCLUDEリストを使用してEXCLUDEモードのメンバーシップを通知します。

IGMPv3は SSMネットワーク環境でホストがチャネル加入者に信号を送信する業界指定の標準プロトコルです。 IGMPv3に依存する SSMでは、ラストホップデバイスおよびホストで実行されているオペレーティングシステムのネットワークスタック部分で IGMPv3が使用でき、そのホスト上で動作しているアプリケーションで使用されている必要があります。

IGMPv3では、ホストは 224.0.0.22にメンバーシップレポートを送信します。そのため、すべての IGMPv3デバイスでこのアドレスをリッスンする必要があります。ただし、ホストは224.0.0.22をリッスンせず、応答しません。ホストはこのアドレスにレポートを送信するだけです。さら

に、IGMPv3では IGMPv3ホストが他のホストによって送信されたレポートをリッスンしないため、メンバーシップレポートの抑制はありません。したがって、一般クエリーが送信されると、

ネットワークのすべてのホストが応答します。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 7

IGMP のカスタマイズIGMP のバージョンの違い

Page 16: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

IGMP 加入の処理ホストがマルチキャストグループに加入するとき、ホストは、加入するマルチキャストグループ

に 1つ以上の送信要求されていないメンバーシップレポートを送信します。 IGMP加入処理は、IGMPv1ホストと IGMPv2ホストで同じです。

IGMPv3では、ホストの加入処理は次のように処理されます。

•ホストがグループに加入する場合は、空のEXCLUDEリストを使用して、224.0.0.22に IGMPv3メンバーシップレポートを送信します。

•ホストが特定のチャネルに加入する場合は、特定のソースアドレスを含む INCLUDEリストを使用して、224.0.0.22に IGMPv3メンバーシップレポートを送信します。

•ホストが特定のソースを除くグループに加入する場合は、これらのソースをEXCLUDEリストで除外して、224.0.0.22に IGMPv3メンバーシップレポートを送信します。

LAN上にある一部の IGMPv3ホストでソースが除外され、その他のホストで同じソースが含まれている場合、デバイスは LAN上でそのソースのトラフィックを送信します(つまり、この場合、包含が除外より優先されます)。

(注)

IGMP の脱退処理ホストがグループから脱退するために使用する方法は、動作中の IGMPのバージョンによって異なります。

IGMPv1 の脱退処理

IGMPv1には、ホストがあるグループからのマルチキャストトラフィックを受信しないことをそのサブネットのデバイスに通知するグループ脱退メッセージはありません。ホストでは、マルチ

キャストグループに対するトラフィックの処理が停止するだけで、そのグループに対する IGMPメンバーシップレポートを使用した IGMPクエリーへの応答が終了します。その結果、IGMPv1デバイスがサブネットの特定のマルチキャストグループにアクティブなレシーバがなくなったこ

とを認識する唯一の方法は、デバイスがメンバーシップレポートを受信しなくなったときになり

ます。このプロセスを容易にするために、IGMPv1デバイスは、サブネットの IGMPグループとカウントダウンタイマーを関連付けます。サブネットのグループがメンバーシップレポートを

受信すると、タイマーがリセットされます。 IGMPv1デバイスでは、このタイムアウト間隔は通常クエリー間隔の 3倍(3分)です。このタイムアウト間隔は、すべてのホストがマルチキャストグループから脱退した後最大 3分間、デバイスがサブネットにマルチキャストトラフィックを転送し続ける可能性があることを意味します。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S8

IGMP のカスタマイズIGMP 加入の処理

Page 17: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

IGMPv2 の脱退処理

IGMPv2には、特定のグループのマルチキャストトラフィックの受信を停止することをホストが提示する手段を提供するグループ脱退メッセージが組み込まれています。 IGMPv2ホストがマルチキャストグループから脱退するとき、そのホストがそのグループのメンバーシップレポートで

クエリーに応答する最後のホストである場合、デバイス全体のマルチキャストグループ(224.0.0.2)にグループ脱退メッセージを送信します。

IGMPv3 の脱退処理

IGMPv3は、IGMPv3メンバーシップレポートにソース、グループ、またはチャネルを含めるか除外することによって、ホストが特定のグループ、ソース、またはチャネルからのトラフィック

の受信を停止できる機能を導入することで、脱退処理を拡張しています。

IGMP マルチキャストアドレスIPマルチキャストトラフィックには、グループアドレス(クラス D IPアドレス)が使用されます。クラス Dアドレスの上位 4ビットは 1110です。したがって、ホストグループアドレスの範囲は 224.0.0.0~ 239.255.255.255であると考えられます。

224.0.0.0~ 224.0.0.255のマルチキャストアドレスは、ルーティングプロトコルおよびその他のネットワーク制御トラフィックが使用するために予約されています。アドレス224.0.0.0は、どのグループにも割り当てられません。

IGMPパケットは IPマルチキャストグループアドレスを使用して次のように送信されます。

• IGMP汎用クエリアは、アドレス 224.0.0.1(サブネット上のすべてのシステム)を宛先とします。

• IGMPグループ固有のクエリーは、クエリー対象デバイスのグループ IPアドレスを宛先とします。

• IGMPグループメンバーシップレポートは、レポート対象デバイスのグループ IPアドレスを宛先とします。

• IGMPv2グループ脱退メッセージは、アドレス224.0.0.2(サブネット上のすべてのデバイス)を宛先とします。

• IGMPv3メンバーシップレポートはアドレス 224.0.0.22を宛先とします。すべての IGMPv3対応マルチキャストデバイスはこのアドレスをリッスンする必要があります。

IPv4 で SSM をサポートするための IGMP の拡張 ACL サポートIPv4で SSMをサポートするための IGMPの拡張 ACLサポート機能は、IGMPv3が拡張アクセスリストに対応できるようにします。 IGMPv3の拡張アクセスリストのサポートにより、IPv4における SSMの重要な利点、つまりソースアドレス、グループアドレス、またはその両方に基づいた IGMPv3レポートのフィルタリングの利点を活用できます。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 9

IGMP のカスタマイズIGMP マルチキャストアドレス

Page 18: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

IPv4 で SSM がサポートされる拡張アクセスリストの利点IGMPv3は拡張アクセスリストに対応しており、ソース IPアドレスに基づいてアクセスできるIPv4 SSMの重要な利点を利用できます。この機能の導入前は、IGMPアクセスリストは標準アクセスリストだけを受け入れ、メンバーシップレポートはマルチキャストグループアドレスに基

づいてフィルタリングされるだけでした。

IGMPv3では、マルチキャストレシーバがグループに加入できるだけではなく、グループにソースを含めたり除外したりできます。したがって、適切なアクセスコントロールを行うために、報

告されるグループアドレスだけではなく、グループとソースアドレスで IGMPv3メッセージをフィルタリングできるようにする必要があります。 IGMP拡張アクセスリストでは、次の機能が導入されました。 SSMと IGMP拡張アクセスリスト(ACL)を使用して、IGMPv3レポートでソース Sとグループ G (S, G)を許可または拒否できます。それにより、ソースアドレス、グループアドレス、またはアドレスとグループアドレスに基づいて IGMPv3レポートをフィルタリングできます。

ASM グループの IGMPv3 レポートのソースアドレス

IGMP拡張アクセスリストを使用して、(0.0.0.0, G)、つまり Any Source Multicast(ASM)など非SSMである IGMPレポートの (*, G)に基づいてトラフィックを許可またはフィルタ(拒否)することもできます。

(*, G)の許可ステートメントと拒否ステートメントは、それぞれ permit host 0.0.0.0 hostgroup-addressと deny host 0.0.0.0 host group group-addressです。

(注)

フィルタリングは ASMグループと SSMグループの両方に対する IGMPv3レポートに適用されますが、IPマルチキャストルーティングは ASMグループに対する IGMPv3レポートのソースアドレスを無視するため、SSMグループにとって最も重要です。 ASMグループに対する IGMPv3メンバーシップレポートのソースアドレスは、IGMPキャッシュに保存されます(show ip igmpmembershipコマンドで表示)が、PIMベース IPマルチキャストルーティングでは、レポートされるASMグループのみが考慮に入れられます。したがって、ASMグループのソースアドレスのフィルタリングを追加すると、ASMグループの IGMPキャッシュだけに影響を与えます。

IGMP が拡張アクセスリストを検査する方法IGMP拡張アクセスリストがインターフェイスの ip igmp access-groupコマンドで参照される場合、拡張アクセスリストの permitおよび denyステートメントの (S, G)ペアがインターフェイスで受信された IGMPレポートの (S, G)ペアと照合されます。たとえば、(S1, S2...Sn, G)が使用されている IGMPレポートが受信されると、最初のグループ (0.0.0.0, G)が、アクセスリストステートメントに対してチェックされます。 (0.0.0.0, G)の変換は (*, G)を意味し、これは、マルチキャストグループ番号が使用されたワイルドカードソースです。グループが拒否された場合、IGMPレポートの全体が拒否されます。グループが許可された場合、各 (S, G)ペアがアクセスリストに対して検査されます。拒否されるソースが IGMPレポートから取得され、これらのソースはマルチキャストトラフィックへのアクセスが拒否されます。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S10

IGMP のカスタマイズIPv4 で SSM をサポートするための IGMP の拡張 ACL サポート

Page 19: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

IGMP プロキシIGMPプロキシは、アップストリームネットワークがソースのマルチキャストグループに、ダウンストリームルータに直接接続されていない単方向リンクルーティング(UDLR)環境のホストが加入できるようにします。

次の図に、2つの UDLRシナリオを示すトポロジ例を図示します。

•従来型の UDLルーティングのシナリオ:直接接続されたレシーバがある UDLデバイス。

• IGMPプロキシのシナリオ:直接接続されたレシーバのない UDLデバイス。

IGMP UDLは、アップストリームおよびダウンストリームデバイス上にある必要はありません。

(注)

シナリオ 1:従来型の UDLR のシナリオ(直接接続されたレシーバがある UDL デバイス)

シナリオ 1では、IGMPプロキシメカニズムは必要ありません。このシナリオでは、次の一連のイベントが発生します。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 11

IGMP のカスタマイズIGMP プロキシ

Page 20: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

1 ユーザ 2がグループ Gの対象を要求する IGMPメンバーシップレポートを送信します。

2 ルータ Bは、IGMPメンバーシップレポートを受信し、LAN Bのグループ Gの転送エントリを追加し、UDLRアップストリームデバイスであるルータ Aに IGMPレポートをプロキシします。

3 IGMPレポートは、インターネットリンク間でプロキシされます。

4 ルータ Aは IGMPプロキシを受信し、単方向リンクの転送エントリを保持します。

シナリオ 2:IGMP プロキシのシナリオ(直接接続されたレシーバのない UDL デバイス)

シナリオ 2の場合、アップストリームネットワークがソースのマルチキャストグループに、ダウンストリームデバイスに直接接続されていないホストが加入できるように、IGMPプロキシメカニズムが必要です。このシナリオでは、次の一連のイベントが発生します。

1 ユーザ 1がグループ Gの対象を要求する IGMPメンバーシップレポートを送信します。

2 ルータ Cが RP(ルータ B)に PIM Joinメッセージをホップバイホップで送信します。

3 ルータ Bで PIM Joinメッセージを受信し、LAN B上のグループ Gに対する転送エントリが追加されます。

4 ルータ Bでは、その mrouteテーブルが定期的にチェックされ、インターネットリンクを介してアップストリーム UDLデバイスに IGMPメンバーシップレポートがプロキシされます。

5 ルータ Aは単方向リンク(UDL)転送エントリを作成し、維持します。

エンタープライズネットワークでは、サテライトを介して IPマルチキャストトラフィックを受信し、ネットワーク中にトラフィックを転送することができる必要があります。シナリオ 2は、受信ホストがダウンストリームデバイスのルータBに直接接続する必要があるため、単方向リンクルーティング(UDLR)だけでは不可能です。 IGMPプロキシメカニズムでは、マルチキャスト転送テーブルで (*, G)エントリに対する IGMPレポートを作成することによって、この制限が克服されました。そのため、このシナリオを機能させるには、インターフェイスでプロキシされ

た (*, G)マルチキャストスタティックルート(mroute)エントリの IGMPレポートの転送をイネーブルにして(ip igmp mroute-proxy ipコマンドを使用)、mrouteプロキシサービスをイネーブルにし、(ip igmpproxy-serviceコマンドを使用)、PIM対応ネットワークと可能性があるメンバーを続ける必要があります。

PIMメッセージはアップストリームに転送されないため、各ダウンストリームネットワークとアップストリームネットワークのドメインは別になります。

(注)

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S12

IGMP のカスタマイズIGMP プロキシ

Page 21: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

IGMP のカスタマイズ方法

直接接続の IGMP ホストがない場合にマルチキャストトラフィックが転送されるようにデバイスを設定する方法

直接接続された IGMPホストがない場合に、マルチキャストトラフィックを転送するようにデバイスを設定するには、次のオプション作業を実行します。

手順の概要

1. enable2. configure terminal3. interface type number4. 次のいずれかを実行します。

• ip igmp join-group group-address

• ip igmp static-group {* | group-address [source source-address]}

5. end6. show ip igmp interface [interface-type interface-number]

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

特権 EXECモードをイネーブルにします。enable

例:

Device> enable

ステップ 1

•パスワードを入力します(要求された場合)。

グローバルコンフィギュレーションモードを開始します。configure terminal

例:

Device# configure terminal

ステップ 2

インターフェイスコンフィギュレーションモードを開始しま

す。

interface type number

例:

Device(config)# interfacegigabitethernet 1

ステップ 3

• type引数および number引数に、ホストに接続されているインターフェイスを指定します。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 13

IGMP のカスタマイズIGMP のカスタマイズ方法

Page 22: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

目的コマンドまたはアクション

最初の例では、指定したグループに加入するデバイスのインター

フェイスを設定する例を示します。

次のいずれかを実行します。ステップ 4

• ip igmp join-group group-address•この方法では、デバイスは、マルチキャストパケットの転送に加えて、マルチキャストパケットを受信します。マ

• ip igmp static-group {* |group-address [sourcesource-address]} ルチキャストパケットを受信する場合は、高速スイッチン

グを実行できません。

例:

Device(config-if)# ip igmpjoin-group 225.2.2.2

2番目の例では、インターフェイスでスタティックグループメンバーシップエントリを設定する例を示します。

•この方法の場合、デバイスはパケットそのものを受信せず、転送だけを実行します。したがって、この方法では、

例:

Device(config-if)# ip igmpstatic-group 225.2.2.2

高速スイッチングを実行できます。発信インターフェイス

が IGMPキャッシュに格納されますが、マルチキャストルートエントリに「L」(ローカル)フラグが付かないことからも明らかなように、デバイス自体はメンバではあり

ません。

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Device(config-if)# end

ステップ 5

(任意)インターフェイスに関するマルチキャスト関連情報を

表示します。

show ip igmp interface [interface-typeinterface-number]

例:

Device# show ip igmp interface

ステップ 6

IGMP 拡張アクセスリストを使用して SSM ネットワークへのアクセスを制御する方法

ソースアドレス、グループアドレス、またはその両方に基づいて SSMトラフィックをフィルタする IGMP拡張アクセスリストを使用して SSMネットワークへのアクセスを制御するには、次のオプション作業を実行します。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S14

IGMP のカスタマイズIGMP 拡張アクセスリストを使用して SSM ネットワークへのアクセスを制御する方法

Page 23: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

手順の概要

1. enable2. configure terminal3. ip multicast-routing [distributed]4. ip pim ssm {default | range access-list}5. ip access-list extended access-list -name6. deny igmp source source-wildcard destination destination-wildcard [igmp-type] [precedence precedence]

[tos tos] [log] [time-range time-range-name] [fragments]7. permit igmp source source-wildcard destination destination-wildcard [igmp-type] [precedence precedence]

[tos tos] [log] [time-range time-range-name] [fragments]8. exit9. interface type number10. ip igmp access-group access-list11. ip pim sparse-mode12. SSMチャネルメンバーシップのアクセスコントロールを必要とするすべてのインターフェイスでステップ 1~ 11を繰り返します。

13. ip igmp version 314. ホスト方向のインターフェイスすべてでステップ 13を繰り返します。15. end

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

特権 EXECモードをイネーブルにします。enable

例:

Device> enable

ステップ 1

•パスワードを入力します(要求された場合)。

グローバルコンフィギュレーションモードを開始します。configure terminal

例:

Device# configure terminal

ステップ 2

IPマルチキャストルーティングをイネーブルにします。ip multicast-routing [distributed]

例:

Device(config)# ip multicast-routingdistributed

ステップ 3

• distributedキーワードは、IPv4マルチキャストの場合に必要です。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 15

IGMP のカスタマイズIGMP 拡張アクセスリストを使用して SSM ネットワークへのアクセスを制御する方法

Page 24: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

目的コマンドまたはアクション

SSMサービスを設定します。ip pim ssm {default | range access-list}

例:

Device(config)# ip pim ssm default

ステップ 4

• defaultキーワードは SSM範囲のアクセスリストを232/8と定義します。

• rangeキーワードは標準の IPアクセスリスト番号または SSM範囲を定義する名前を指定します。

名前付き拡張 IPアクセスリストを指定します。ip access-list extended access-list -name

例:

Device(config)# ip access-list extendedmygroup

ステップ 5

(任意)IGMPレポートから指定したソースアドレスまたはグループアドレスをフィルタリングすることで、サブ

deny igmp source source-wildcard destinationdestination-wildcard [igmp-type] [precedenceprecedence] [tos tos] [log] [time-rangetime-range-name] [fragments]

ステップ 6

ネットのホストをメンバーシップから (S, G)チャネルに制限します。

例:

Device(config-ext-nacl)# deny igmp host10.1.2.3 any

•サブネットメンバーシップから他の (S, G)チャネルにホストを制限するには、この手順を繰り返します。

(特に許可されないソースまたはグループは拒否され

るため、これらのソースは後続の permitステートメントより限定的になります)。

•アクセスリストは、暗黙の denyステートメントで終了することに注意してください。

•次に、ソース 10.1.2.3に対してすべてのグループをフィルタリングして、効果的にソースを拒否するdenyステートメントを作成する例を示します。

IGMPレポートのソースアドレスまたはグループアドレスが IPアクセスリストを渡すことができます。

permit igmp source source-wildcarddestination destination-wildcard [igmp-type][precedence precedence] [tos tos] [log][time-range time-range-name] [fragments]

ステップ 7

•アクセスリストには少なくとも 1つの permitステートメントが必要です。

例:

Device(config-ext-nacl)# permit igmpany any

•他のソースが IPアクセスリストを渡せるようにする場合は、この手順を繰り返します。

•この例では、前の denyステートメントによって拒否されていないソースおよびグループに対するメンバー

シップを許可する方法を示します。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S16

IGMP のカスタマイズIGMP 拡張アクセスリストを使用して SSM ネットワークへのアクセスを制御する方法

Page 25: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

目的コマンドまたはアクション

現在のコンフィギュレーションセッションを終了し、グ

ローバルコンフィギュレーションモードに戻ります。

exit

例:

Device(config-ext-nacl)# exit

ステップ 8

IGMPv3をイネーブルにできるホストに接続されているインターフェイスを選択します。

interface type number

例:

Device(config)# interface ethernet 0

ステップ 9

IGMPレポートに指定されたアクセスリストが適用されます。

ip igmp access-group access-list

例:

Device(config-if)# ip igmp access-groupmygroup

ステップ 10

インターフェイスで PIM-SMをイネーブルにします。ip pim sparse-mode

例:

Device(config-if)# ip pim sparse-mode

ステップ 11

スパースモードを使用する必要がありま

す。

(注)

--SSMチャネルメンバーシップのアクセスコントロールを必要とするすべてのイン

ステップ 12

ターフェイスでステップ 1~ 11を繰り返します。

このインターフェイス上で IGMPv3をイネーブルにします。デフォルトの IGMPバージョンは IGMPバージョン 2です。 SSMにはバージョン 3が必要です。

ip igmp version 3

例:

Device(config-if)# ip igmp version 3

ステップ 13

--ホスト方向のインターフェイスすべてで

ステップ 13を繰り返します。ステップ 14

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Device(config-if)# end

ステップ 15

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 17

IGMP のカスタマイズIGMP 拡張アクセスリストを使用して SSM ネットワークへのアクセスを制御する方法

Page 26: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

IGMP プロキシの設定IGMPプロキシメカニズムを使用するように単方向リンク(UDL)ルータを設定するには、次のオプション作業を実行します。 IGMPプロキシは、アップストリームネットワークがソースのマルチキャストグループに、ダウンストリームルータに直接接続されていない単方向リンクルー

ティング(UDLR)環境のホストが加入できるようにします。

IGMPプロキシを設定するには、次のタスクを実行する必要があります。

前提条件

IGMPプロキシを設定する前に、次の条件が存在することを確認します。

• IGMP UDL上のすべてのルータに、同じサブネットアドレスがあること。 UDL上のすべてのルータで、同じサブネットアドレスを持つことができない場合、アップストリームルー

タは、ダウンストリームルータが接続されているすべてのサブネットに一致するセカンダリ

アドレスで設定される必要があります。

•この作業では、IPマルチキャストがイネーブルに設定され、PIMインターフェイスが設定されていることを前提とします。

IGMPプロキシシナリオのインターフェイスで PIMをイネーブルにする場合、次のガイドラインに留意してください。

• インターフェイスがスパースモード領域で実行中で、スタティックRP、ブートストラップ(BSR)、または自動 RPリスナー機能ありで自動 RPを実行している場合は、PIMスパースモード(PIM-SM)を使用します。

•インターフェイスがスパース-デンスモード領域で実行中で、自動 RPリスナー機能なしで自動 RPを実行している場合は、PIMスパース-デンスモードを使用します。

•インターフェイスがデンスモードで実行中で、デンスモード領域に加入する場合、この手順で PIMデンスモード(PIM-DM)を使用します。

•インターフェイスが、スパースモード領域のレシーバに到達する必要があるトラフィックをデンスモード領域から受信する場合は、プロキシ登録機能ありの PIM-DMを使用します。

IGMP UDLR に対するアップストリーム UDL デバイスの設定IGMP UDLRに対するアップストリーム UDLデバイスを設定するには、この作業を実行します。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S18

IGMP のカスタマイズIGMP プロキシの設定

Page 27: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

手順の概要

1. enable2. configure terminal3. interface type number4. ip igmp unidirectional-link5. end

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

特権 EXECモードをイネーブルにします。enable

例:

Device> enable

ステップ 1

•パスワードを入力します(要求された場合)。

グローバルコンフィギュレーションモードを開始します。configure terminal

例:

Device# configure terminal

ステップ 2

インターフェイスコンフィギュレーションモードを開始

します。

interface type number

例:

Device(config)# interfacegigabitethernet 1/0/0

ステップ 3

• typeおよび number引数に、アップストリームデバイスのUDLとして使用するインターフェイスを指定します。

インターフェイス上の IGMPを、IGMP UDLRに対して単方向になるよう設定します。

ip igmp unidirectional-link

例:

Device(config-if)# ip igmpunidirectional-link

ステップ 4

現在のコンフィギュレーションセッションを終了して、

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Device(config-if)# end

ステップ 5

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 19

IGMP のカスタマイズIGMP プロキシの設定

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IGMP プロキシサポート付きの IGMP UDLR に対するダウンストリーム UDL デバイスの設定

IGMPプロキシサポート付きの IGMP UDLRに対するダウンストリームUDLデバイスを設定するには、この作業を実行します。

手順の概要

1. enable2. configure terminal3. interface type number4. ip igmp unidirectional-link5. exit6. interface type number7. ip igmp mroute-proxy type number8. exit9. interface type number10. ip igmp helper-address udl interface-type interface-number11. ip igmp proxy-service12. end13. show ip igmp interface14. show ip igmp udlr

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

特権 EXECモードをイネーブルにします。enable

例:

Device> enable

ステップ 1

•パスワードを入力します(要求された場合)。

グローバルコンフィギュレーションモードを開始します。configure terminal

例:

Device# configure terminal

ステップ 2

インターフェイスコンフィギュレーションモードを開始します。interface type number

例:

Device(config)# interfacegigabitethernet 0/0/0

ステップ 3

• typeおよび number引数に、IGMPUDLRに対するダウンストリームデバイスの UDLとして使用するインターフェイスを指定します。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S20

IGMP のカスタマイズIGMP プロキシの設定

Page 29: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

目的コマンドまたはアクション

インターフェイス上の IGMPを、IGMP UDLRに対して単方向になるよう設定します。

ip igmp unidirectional-link

例:

Device(config-if)# ip igmpunidirectional-link

ステップ 4

インターフェイスコンフィギュレーションモードを終了し、グロー

バルコンフィギュレーションモードに戻ります。

exit

例:

Device(config-if)# exit

ステップ 5

インターフェイスコンフィギュレーションモードを開始します。interface type number

例:

Device(config)# interfacegigabitethernet 1/0/0

ステップ 6

• typeおよび number引数で、間接的に接続されているホストの方向に向いているインターフェイスを選択します。

プロキシされた (*, G)マルチキャストスタティックルート(mroute)エントリの IGMPレポートの転送をイネーブルにします。

ip igmp mroute-proxy typenumber

例:

Device(config-if)# ip igmpmroute-proxy loopback 0

ステップ 7

•この手順は、マルチキャスト転送テーブルにあるすべての (*, G)転送エントリに対するプロキシサービスインターフェイスへの、

IGMPレポートの転送をイネーブルにするために実行されます。

•この例では、ギガビットイーサネットインターフェイス 1/0/0で、ギガビットイーサネットインターフェイス 1/0/0に転送される mrouteテーブルのすべてのグループのループバックインターフェイス 0に IGMPレポートを送信するように要求する ip igmpmroute-proxyコマンドが設定されます。

インターフェイスコンフィギュレーションモードを終了し、グロー

バルコンフィギュレーションモードに戻ります。

exit

例:

Device(config-if)# exit

ステップ 8

指定したインターフェイスに対してインターフェイスコンフィギュ

レーションモードを開始します。

interface type number

例:

Device(config)# interfaceloopback 0

ステップ 9

•この例では、ループバックインターフェイス0が指定されます。

UDLRで IGMPヘルパーを設定します。ip igmp helper-address udlinterface-type interface-number

ステップ 10

•このステップで、ダウンストリームデバイスが受信したホストから interface-typeおよび interface-number引数で指定されたイン

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 21

IGMP のカスタマイズIGMP プロキシの設定

Page 30: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

目的コマンドまたはアクション

例:

Device(config-if)# ip igmp

ターフェイスに関連付けられた UDLに接続されているアップストリームデバイスへの IGMPレポートをヘルパー処理できるようになります。

helper-address udlgigabitethernet 0/0/0

•トポロジ例では、IGMPヘルパーはダウンストリームデバイスのループバックインターフェイス 0に設定されます。そのため、ループバックインターフェイス0が、ホストからギガビットイーサネットインターフェイス 0/0/0に接続されているアップストリームデバイスへの IGMPレポートをヘルパー処理するように設定されます。

mrouteプロキシサービスをイネーブルにします。ip igmp proxy-service

例:

Device(config-if)# ip igmpproxy-service

ステップ 11

• mrouteプロキシサービスがイネーブルのときに、IGMPクエリーインターバルに基づいて ip igmpmroute-proxyコマンド(ステップ 7を参照)で設定されたインターフェイスに一致する、(*, G)転送エントリのスタティックmrouteテーブルが、デバイスによって定期的にチェックされます。一致が存在する場合、1つの IGMPレポートがこのインターフェイスで作成され、受信されます。

ip igmp proxy-serviceコマンドは、ip igmp helper-address(UDL)コマンドと共に使用するように意図されています。

(注)

•この例では、ip igmp mroute-proxyコマンドで登録されているインターフェイスに対するすべてのグループのインターフェイスに

対して IGMPレポートの転送をイネーブルにするように、ループバックインターフェイス 0で ip igmp proxy-serviceコマンドが設定されます(ステップ 7を参照してください)。

現在のコンフィギュレーションセッションを終了して、特権 EXECモードに戻ります。

end

例:

Device(config-if)# end

ステップ 12

(任意)インターフェイスに関するマルチキャスト関連情報を表示し

ます。

show ip igmp interface

例:

Device# show ip igmp interface

ステップ 13

(任意)設定された UDLヘルパーアドレスがあるインターフェイス上で、マルチキャストグループに直接接続されている UDLR情報を表示します。

show ip igmp udlr

例:

Device# show ip igmp udlr

ステップ 14

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S22

IGMP のカスタマイズIGMP プロキシの設定

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IGMP のカスタマイズ設定例

例:直接接続された IGMP ホストがない場合に、マルチキャストトラフィックを転送するようにデバイスを設定

次に、ip igmp join-groupコマンドを使用して、直接接続された IGMPホストがない場合に、マルチキャストトラフィックを転送するようデバイスを設定する例を示します。この方法では、デバ

イスは、マルチキャストパケットの転送に加えて、マルチキャストパケットを受信します。マ

ルチキャストパケットを受信する場合は、高速スイッチングを実行できません。

この例では、グループ 225.2.2.2に加入するように、デバイスでファストイーサネットインターフェイス 0/0/0が設定されています。

interface FastEthernet0/0/0ip igmp join-group 225.2.2.2

次に、ip igmp static-groupコマンドを使用して、直接接続された IGMPホストがない場合に、マルチキャストトラフィックを転送するようデバイスを設定する例を示します。この方法の場合、

デバイスはパケットそのものを受信せず、転送だけを実行します。したがって、この方法では、

高速スイッチングを実行できます。発信インターフェイスが IGMPキャッシュに格納されますが、マルチキャストルートエントリに「L」(ローカル)フラグが付かないことからも明らかなように、デバイス自体はメンバではありません。

この例では、グループ 225.2.2.2のスタティックグループメンバーシップエントリがファストイーサネットインターフェイス 0/1/0で設定されます。

interface FastEthernet0/1/0ip igmp static-group 225.2.2.2

IGMP 拡張アクセスリストを使用して SSM ネットワークへのアクセスを制御する方法

ここでは、IGMP拡張アクセスリストを使用して SSMネットワーク上でアクセスを制御する、次の設定例について説明します。

アクセスリストは非常に柔軟が高いことに留意してください。マルチキャストトラフィック

のフィルタリングに使用できる permitステートメントと denyステートメントの組み合わせは多数あります。この項では、少しの例を示します。

(注)

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 23

IGMP のカスタマイズIGMP のカスタマイズ設定例

Page 32: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

例:グループ G のすべての状態を拒否次に、グループ Gですべての状態を拒否する例を示します。この例では、IGMPv3レポートのSSMグループ 232.2.2.2に対するすべてのソースがフィルタリングされるよう、ファストイーサネットインターフェイス 0/0/0が設定されます。これにより、このグループが効果的に拒否されます。

ip access-list extended test1deny igmp any host 232.2.2.2permit igmp any any!interface FastEthernet0/0/0ip igmp access-group test1

例:ソース S のすべての状態を拒否次に、ソース Sですべての状態を拒否する例を示します。この例では、IGMPv3レポートのソース 10.2.1.32に対するすべてのグループがフィルタリングされるよう、ギガビットイーサネットインターフェイス 1/1/0が設定されます。これにより、このソースが効果的に拒否されます。

ip access-list extended test2deny igmp host 10.2.1.32 anypermit igmp any any!interface GigabitEthernet1/1/0ip igmp access-group test2

例:グループ G のすべての状態を許可次に、グループ Gですべての状態を許可する例を示します。この例では、IGMPv3レポートのSSMグループ 232.1.1.10のすべてのソースが受け付けられるよう、ギガビットイーサネットインターフェイス 1/2/0が設定されます。これにより、このグループが効果的に受け付けられます。

ip access-list extended test3permit igmp any host 232.1.1.10!interface GigabitEthernet1/2/0ip igmp access-group test3

例:ソース S のすべての状態を許可次に、ソース Sですべての状態を許可する例を示します。この例では、IGMPv3レポートのソース 10.6.23.32に対するすべてのグループが受け付けられるよう、ギガビットイーサネットインターフェイス 1/2が設定されます。これにより、このソース全体が効果的に受け付けられます。

ip access-list extended test4permit igmp host 10.6.23.32 any!interface GigabitEthernet1/2/0ip igmp access-group test4

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S24

IGMP のカスタマイズIGMP 拡張アクセスリストを使用して SSM ネットワークへのアクセスを制御する方法

Page 33: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

例:グループ G のソース S をフィルタリング次に、グループ Gで特定のソース Sをフィルタリングする例を示します。この例では、IGMPv3レポートの SSMグループ 232.2.30.30のソース 232.2.2.2をフィルタリングするよう、ギガビットイーサネットインターフェイス 0/3/0が設定されます。

ip access-list extended test5deny igmp host 10.4.4.4 host 232.2.30.30permit igmp any any!interface GigabitEthernet0/3/0ip igmp access-group test5

例:IGMP プロキシ設定次に、IGMP UDLRに対してアップストリーム UDLデバイスを設定し、IGMPプロキシサポート付きの IGMP UDLRに対してダウンストリーム UDLデバイスを設定する例を示します。

アップストリームデバイスの設定

interface gigabitethernet 0/0/0ip address 10.1.1.1 255.255.255.0ip pim dense-mode!interface gigabitethernet 1/0/0ip address 10.2.1.1 255.255.255.0ip pim dense-modeip igmp unidirectional-link!interface gigabitethernet 2/0/0ip address 10.3.1.1 255.255.255.0

ダウンストリームデバイスの設定

ip pim rp-address 10.5.1.1 5access-list 5 permit 239.0.0.0 0.255.255.255!interface loopback 0ip address 10.7.1.1 255.255.255.0ip pim dense-modeip igmp helper-address udl ethernet 0ip igmp proxy-service!interface gigabitethernet 0/0/0ip address 10.2.1.2 255.255.255.0ip pim dense-modeip igmp unidirectional-link!interface gigabitethernet 1/0/0ip address 10.5.1.1 255.255.255.0ip pim sparse-modeip igmp mroute-proxy loopback 0!interface gigabitethernet 2/0/0ip address 10.6.1.1 255.255.255.0

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 25

IGMP のカスタマイズ例:IGMP プロキシ設定

Page 34: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

その他の関連資料ここでは、IGMPのカスタマイズに関する関連資料について説明します。

関連資料

マニュアルタイトル関連項目

『Cisco IOSMaster Commands List, All Releases』Cisco IOSコマンド

『Cisco IOS IP Multicast Command Reference』Cisco IOS IP SLAコマンド

「IPMulticast Technology Overview」モジュールIPマルチキャストテクノロジー分野の概要

「Configuring Basic IP Multicast」または「Configuring IP Multicast in IPv6 Networks」モジュール

基本的な IPマルチキャストの概念、設定作業、および例

標準および RFC

タイトル標準/RFC

『Host extensions for IP multicasting』RFC 1112

『Internet GroupManagement Protocol, Version 2』RFC 2236

『Internet GroupManagement Protocol, Version 3』RFC 3376

MIB

MIB のリンクMIB

選択したプラットフォーム、Cisco IOS XERelease、およびフィーチャセットのMIBを検索してダウンロードするには、次の URLにある Cisco MIB Locatorを使用します。

http://www.cisco.com/go/mibs

これらの機能によってサポートされる新しい

MIBまたは変更されたMIBはありません。またこれらの機能による既存MIBのサポートに変更はありません。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S26

IGMP のカスタマイズその他の関連資料

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シスコのテクニカルサポート

リンク説明

http://www.cisco.com/cisco/web/support/index.htmlシスコのサポートおよびドキュメンテーション

Webサイトでは、ダウンロード可能なマニュアル、ソフトウェア、ツールなどのオンラインリ

ソースを提供しています。これらのリソース

は、ソフトウェアをインストールして設定した

り、シスコの製品やテクノロジーに関する技術

的問題を解決したりするために使用してくださ

い。このWebサイト上のツールにアクセスする際は、Cisco.comのログイン IDおよびパスワードが必要です。

IGMP のカスタマイズの機能情報次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。この表は、ソフト

ウェアリリーストレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェアリリースだけを

示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェアリリースでも

サポートされます。

プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索

するには、Cisco Feature Navigatorを使用します。 Cisco Feature Navigatorにアクセスするには、www.cisco.com/go/cfnに移動します。 Cisco.comのアカウントは必要ありません。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 27

IGMP のカスタマイズIGMP のカスタマイズの機能情報

Page 36: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

表 2:IGMP のカスタマイズの機能情報

機能情報リリース機能名

IPv4で SSMをサポートするための IGMPの拡張 ACLサポート機能は、IGMPv3が拡張アクセスリストに対応できるよう

にします。 IGMPv3の拡張アクセスリストのサポートにより、

IPv4における SSMの重要な利点、つまりソースアドレス、

グループアドレス、またはそ

の両方に基づいた IGMPv3レポートのフィルタリングの利点

を活用できます。

この機能により、ip igmpaccess-groupコマンドが導入されました。

12.0(19)S

12.3(7)T

12.2(25)S

12.2(27)SBC

12.2(33)SRA

12.2(33)SXH

15.0(1)S

Cisco IOS XE 3.1.0SG

IPv4で SSMをサポートするための IGMPの拡張 ACLサポート

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S28

IGMP のカスタマイズIGMP のカスタマイズの機能情報

Page 37: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

第 2 章

IGMP のスタティックグループ範囲サポート

このモジュールでは、IGMPスタティックグループ範囲サポートを設定し、クラスマップでグループ範囲を指定し、マップをインターフェイスに適用することにより、多くのインターフェイ

スのスタティックグループメンバーシップエントリを必要とするデバイスを含むネットワーク

の管理を簡素化する方法について説明します。

• 機能情報の確認, 29 ページ

• IGMPスタティックグループ範囲サポートに関する情報, 30 ページ

• IGMPスタティックグループ範囲サポートの設定方法, 33 ページ

• IGMPスタティックグループ範囲サポートの設定例, 37 ページ

• その他の関連資料, 39 ページ

• IGMPスタティックグループ範囲サポートの機能に関する情報, 40 ページ

機能情報の確認ご使用のソフトウェアリリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされ

ているとは限りません。最新の機能情報および警告については、使用するプラットフォームおよ

びソフトウェアリリースの Bug Search Toolおよびリリースノートを参照してください。このモジュールに記載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリスト

を確認する場合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。

プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索

するには、Cisco Feature Navigatorを使用します。 Cisco Feature Navigatorにアクセスするには、www.cisco.com/go/cfnに移動します。 Cisco.comのアカウントは必要ありません。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 29

Page 38: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

IGMP スタティックグループ範囲サポートに関する情報

IGMP スタティックグループ範囲サポートの概要IGMPスタティックグループ範囲サポート機能が導入される前は、スタティックグループメンバーシップのグループ範囲を指定するオプションがありませんでした。各スタティックグループ

を個別に設定しなければならなかったため、ネットワーク環境によっては、多くのインターフェ

イスのスタティックグループメンバーシップエントリが必要なデバイスの管理は困難でした結

果として生成される構成は非常に長く、管理が困難でした。

IGMPスタティックグループ範囲サポート機能は、クラスマップでグループ範囲を設定し、インターフェイスにクラスマップを適用する機能を導入します。

IGMP スタティックグループ範囲サポートのクラスマップクラスとは、内容に基づいてパケットのセットを識別する方法です。クラスは、クラスマップを

介して指定されます。クラスマップは、通常、トラフィックポリシーの作成に使用されます。

トラフィックポリシーは、モジュラ Quality of Service(QoS)コマンドラインインターフェイス(CLI)(MQC)を使用して設定します。トラフィックポリシーを作成する通常の手順では、トラフィッククラスの定義、トラフィックポリシーの作成、インターフェイスへのポリシーの適用

を行います。

IGMPスタティックグループ範囲サポート機能によって、グループ範囲、グループアドレス、SSM(SourceSpecificMulticast)チャネルおよびSSMチャネル範囲の定義に使用されるクラスマップタイプが導入されました。作成後、クラスマップをインターフェイスに適用できます。

IGMPスタティックグループ範囲サポート機能はマップを定義するためにMQCを使用しますが、IGMPスタティックグループクラスマップを設定する手順は、QoSトラフィックポリシーを設定する場合にクラスマップの作成に使用される手順とは異なります。 IGMPスタティックグループ範囲サポート機能を設定するには、次の手順を実行する必要があります。

1 IGMPスタティックグループクラスマップを作成します。

2 クラスマップに関連付けられるグループエントリを定義します。

3 マップをインターフェイスに適用します。

数多くの一致基準を指定することによって定義される QoSクラスマップと異なり、IGMPスタティッククラスマップは、マルチキャストグループエントリ(グループアドレス、グループ範

囲、SSMチャネル、および SSMチャネル範囲)を指定することによって定義されます。また、IGMPスタティックグループ範囲クラスマップは、トラフィックポリシーでは設定されません。そうではなく、ip ignmp static-groupコマンドが、IGMPスタティックグループ範囲をサポートするように拡張されました。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S30

IGMP のスタティックグループ範囲サポートIGMP スタティックグループ範囲サポートに関する情報

Page 39: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

クラスマップがインターフェイスに適用されると、クラスマップで定義されているすべてのグ

ループエントリは、インターフェイス上に静的に接続されたメンバになり、IGMPキャッシュおよび IPマルチキャストルート(mroute)テーブルに追加されます。

IGMP スタティックグループ範囲サポートを設定する一般的な手順IGMPスタティックグループ範囲サポート機能を設定するには、次の手順を完了する必要があります。

1 IGMPスタティックグループマップを作成する(class-map type multicast-flowsコマンドを使用)。

2 クラスマップに関連付けられるグループエントリを定義する(groupコマンドを使用)。

3 クラスマップをインターフェイスに適用します(ip igmp static-groupコマンドを使用)。

class-map type multicast-flowsコマンドは、マルチキャストフロークラスマップコンフィギュレーションモードを開始し、IGMPスタティックグループクラスマップを作成または変更する場合に使用されます。

数多くの一致基準を指定することによって定義される QoSクラスマップと異なり、IGMPスタティッククラスマップは、マルチキャストグループエントリ(グループアドレス、グループ範

囲、SSMチャネル、および SSMチャネル範囲)を指定することによって定義されます。マルチキャストフロークラスマップコンフィギュレーションモードから、次の形式のグループコマン

ドが入力され、グループエントリが定義されて、クラスマップと関連付けられます。

• group group-address

IGMPスタティックグループクラスマップに関連付けられるグループアドレスを定義します。

• group group-address to group-address

IGMPスタティックグループクラスマップに関連付けられるグループアドレスの範囲を定義します。

• group group-address source source-address

IGMPスタティックグループクラスマップに関連付けられる SSMチャネルを定義します。

• group group-address to group-address source source-address

IGMPスタティックグループクラスマップに関連付けられるSSMチャネルの範囲を定義します。

QoSクラスマップとは異なり、IGMPスタティックグループ範囲クラスマップは、トラフィックポリシーには設定されません。そうではなく、ip igmp static-groupコマンドが、IGMPスタティックグループ範囲をサポートするように拡張されました。 IGMPスタティックグループクラスマップを作成したあと、ip igmp static-groupコマンドと class-mapキーワードおよび class-map-name引数を使用してクラスマップをインターフェイスに適用できます。クラスマップがインターフェ

イスに適用されると、クラスマップで定義されているすべてのグループエントリは、インター

フェイス上に静的に接続されたメンバになり、IGMPキャッシュおよび IPマルチキャストルート(mroute)テーブルに追加されます。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 31

IGMP のスタティックグループ範囲サポートIGMP スタティックグループ範囲サポートのクラスマップ

Page 40: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

IGMP スタティックグループ範囲サポートの設定に関する追加のガイドライン• 1つの IGMPスタティックグループクラスマップだけをインターフェイスに適用できます。

• IGMPスタティックグループクラスマップを変更する場合(つまり、groupコマンドを使用して、クラスマップにグループエントリを追加するか、または、クラスマップからグルー

プエントリを削除する場合)、IGMPスタティックグループクラスマップに追加するグループエントリ、または、IGMPスタティックグループクラスマップから削除するグループエントリは、それぞれ、IGMPキャッシュおよび mrouteテーブルに追加されるか、または、IGMPキャッシュおよび mrouteテーブルから削除されます。

• IGMPスタティックグループクラスマップを ip igmp static-groupコマンドを使用してインターフェイスで別のクラスマップに置き換えると、古いクラスマップに関連付けられたグ

ループエントリが削除され、新しいクラスマップで定義されているグループエントリが

IGMPキャッシュおよび mrouteテーブルに追加されます。

• ip igmp static-groupコマンドは、クラスマップの設定があるかどうかに関係なく、class-map-name引数で IGMPスタティックグループクラスマップを受け入れます。インターフェイスに適用されているクラスマップが存在しない場合、クラスマップは非アクティブ

のままになります。クラスマップが一度設定されると、そのクラスマップに関連付けられ

ているすべてのグループエントリが、IGMPキャッシュおよびmrouteテーブルに追加されます。

• ip igmp static-groupコマンドの no形式を使用して、インターフェイスからクラスマップが削除される場合、クラスマップに定義されているすべてのグループエントリが、IGMPキャッシュおよび mrouteテーブルから削除されます。

IGMP スタティックグループ範囲サポートの利点IGMPスタティックグループ範囲サポート機能には、次の利点があります。

•多くの異なる ip igmp static-groupコマンドで設定される多くのインターフェイスが必要なデバイスの管理を、クラスマップでグループ範囲を設定し、ip igmp static-groupコマンドにクラスマップを適用する機能を導入することによって簡素化できる。

•多数の ip igmp static-groupコマンド設定が必要なデバイスの管理に必要なコマンドの数が減る。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S32

IGMP のスタティックグループ範囲サポートIGMP スタティックグループ範囲サポートの利点

Page 41: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

IGMP スタティックグループ範囲サポートの設定方法

IGMP のスタティックグループ範囲サポートの設定IGMPスタティックグループクラスを作成して定義し、インターフェイスにクラスを適用するには、次の作業を実行します。

手順の概要

1. enable2. configure terminal3. class-map type multicast-flows class-map-name4. group group-address [to group-address] [source source-address]5. exit6. さらにクラスマップを作成する場合は、ステップ 3~ 5を繰り返します。7. interface type number8. ip igmp static-group class-map class-map-name9. ip igmp static-group *10. end

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

特権 EXECモードをイネーブルにします。enable

例:

Device> enable

ステップ 1

•パスワードを入力します(要求された場合)。

グローバルコンフィギュレーションモードを開始します。configure terminal

例:

Device# configure terminal

ステップ 2

マルチキャストフロークラスマップコンフィギュレー

ションモードを開始し、IGMPスタティックグループクラスマップを作成または変更します。

class-map type multicast-flowsclass-map-name

例:

Device(config)# class-map typemulticast-flows static1

ステップ 3

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 33

IGMP のスタティックグループ範囲サポートIGMP スタティックグループ範囲サポートの設定方法

Page 42: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

目的コマンドまたはアクション

クラスマップに関連付けられるグループエントリを定義

します。

group group-address [to group-address][source source-address]

例:

Device(config-mcast-flows-cmap)# group232.1.1.7 to 232.1.1.20

ステップ 4

•設定されたクラスマップに追加のグループエントリを関連付けるには、この手順を繰り返します。

マルチキャストフロークラスマップコンフィギュレー

ションモードを終了し、グローバルコンフィギュレーショ

ンモードに戻ります。

exit

例:

Device(config-mcast-flows-cmap)# exit

ステップ 5

--さらにクラスマップを作成する場合は、

ステップ 3~ 5を繰り返します。ステップ 6

インターフェイスコンフィギュレーションモードを開始

します。

interface type number

例:

Device(config)# interface FastEthernet0/1

ステップ 7

インターフェイスに IGMPスタティックグループクラスマップを適用します。

ip igmp static-group class-mapclass-map-name

例:

Device(config-if)# ip igmp static-groupclass-map static1

ステップ 8

(任意)作成したすべてのマルチキャストルート

(mroute)エントリにインターフェイスを配置します。ip igmp static-group *

例:

Device(config-if)# ip igmp static-group*

ステップ 9

• Ciscoソフトウェアのリリースによっては、最終ホップのデバイスのインターフェイスに PIMネイバーがなく、レシーバがない場合に、この手順が必要です。

『Cisco IOS IPMulticast Command Reference』の ip igmpstatic-groupコマンドを参照してください。

インターフェイスコンフィギュレーションモードを終了

し、特権 EXECモードを開始します。end

例:

Device(config-if)# end

ステップ 10

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S34

IGMP のスタティックグループ範囲サポートIGMP のスタティックグループ範囲サポートの設定

Page 43: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

IGMP スタティックグループ範囲サポートの確認IGMPスタティックグループクラスマップの設定の内容を確認し、クラスマップをインターフェイスに適用した後でクラスマップに定義されているすべてのグループエントリが IGMPキャッシュおよび mrouteテーブルに追加されたことを確認するには、次のオプション作業を実行します。

手順の概要

1. show ip igmp static-group class-map [interface [type number]]2. show ip igmp groups [group-name | group-address| interface-type interface-number] [detail]3. show ip mroute

手順の詳細

ステップ 1 show ip igmp static-group class-map [interface [type number]]IGMPスタティックグループクラスマップの内容およびクラスマップを使用しているインターフェイスを表示します。

次に、show ip igmp static-group class-mapコマンドの出力例を示します。

例:

Device# show ip igmp static-group class-map

Class-map static1Group address range 228.8.8.7 to 228.8.8.9Group address 232.8.8.7, source address 10.1.1.10Interfaces using the classmap:Loopback0

Class-map staticGroup address range 232.7.7.7 to 232.7.7.9, source address 10.1.1.10Group address 227.7.7.7Group address range 227.7.7.7 to 227.7.7.9Group address 232.7.7.7, source address 10.1.1.10Interfaces using the classmap:FastEthernet3/1

次に、キーワード interfaceを指定した show ip igmp static-group class-mapコマンドの出力例を示します。

例:

Device# show ip igmp static-group class-map interface

Loopback0Class-map attached: static1

FastEthernet3/1Class-map attached: static

次に、キーワード interfaceと type number引数を指定した show ip igmp static-group class-mapコマンドの出力例を示します。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 35

IGMP のスタティックグループ範囲サポートIGMP スタティックグループ範囲サポートの確認

Page 44: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

例:

Device# show ip igmp static-group class-map interface FastEthernet 3/1

FastEthernet3/1Class-map attached: static

ステップ 2 show ip igmp groups [group-name | group-address| interface-type interface-number] [detail]デバイスに直接接続されているレシーバと IGMPによって学習されたレシーバを持つマルチキャストグループを表示します。

次に、show ip igmp groupsコマンドの出力例を示します。

例:

device# show ip igmp groups

IGMP Connected Group MembershipGroup Address Interface Uptime Expires Last Reporter232.7.7.7 FastEthernet3/1 00:00:09 stopped 0.0.0.0232.7.7.9 FastEthernet3/1 00:00:09 stopped 0.0.0.0232.7.7.8 FastEthernet3/1 00:00:09 stopped 0.0.0.0227.7.7.7 FastEthernet3/1 00:00:09 stopped 0.0.0.0227.7.7.9 FastEthernet3/1 00:00:09 stopped 0.0.0.0227.7.7.8 FastEthernet3/1 00:00:09 stopped 0.0.0.0224.0.1.40 FastEthernet3/2 01:44:50 00:02:09 10.2.2.5224.0.1.40 Loopback0 01:45:22 00:02:32 10.3.3.4

ステップ 3 show ip mroutemrouteテーブルの内容を表示します。

次に、show ip mrouteコマンドの出力例を示します。

例:

Device# show ip mroute

IP Multicast Routing TableFlags: D - Dense, S - Sparse, B - Bidir Group, s - SSM Group, C - Connected,

L - Local, P - Pruned, R - RP-bit set, F - Register flag,T - SPT-bit set, J - Join SPT, M - MSDP created entry,X - Proxy Join Timer Running, A - Candidate for MSDP Advertisement,U - URD, I - Received Source Specific Host Report, Z - Multicast TunnelY - Joined MDT-data group, y - Sending to MDT-data group

Outgoing interface flags: H - Hardware switched, A - Assert winnerTimers: Uptime/ExpiresInterface state: Interface, Next-Hop or VCD, State/Mode(10.1.1.10, 232.7.7.7), 00:00:17/00:02:42, flags: sTIIncoming interface: FastEthernet3/2, RPF nbr 10.2.2.5Outgoing interface list:FastEthernet3/1, Forward/Sparse-Dense, 00:00:17/00:02:42

(10.1.1.10, 232.7.7.9), 00:00:17/00:02:42, flags: sTIIncoming interface: FastEthernet3/2, RPF nbr 10.2.2.5Outgoing interface list:FastEthernet3/1, Forward/Sparse-Dense, 00:00:17/00:02:42

(10.1.1.10, 232.7.7.8), 00:00:18/00:02:41, flags: sTIIncoming interface: FastEthernet3/2, RPF nbr 10.2.2.5Outgoing interface list:FastEthernet3/1, Forward/Sparse-Dense, 00:00:18/00:02:41

(*, 227.7.7.7), 00:00:18/00:02:41, RP 10.2.2.6, flags: SJCIncoming interface: FastEthernet3/2, RPF nbr 10.2.2.6Outgoing interface list:

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S36

IGMP のスタティックグループ範囲サポートIGMP スタティックグループ範囲サポートの確認

Page 45: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

FastEthernet3/1, Forward/Sparse-Dense, 00:00:18/00:02:41(*, 227.7.7.9), 00:00:18/00:02:41, RP 10.2.2.6, flags: SJCIncoming interface: FastEthernet3/2, RPF nbr 10.2.2.6Outgoing interface list:FastEthernet3/1, Forward/Sparse-Dense, 00:00:18/00:02:41

(*, 227.7.7.8), 00:00:18/00:02:41, RP 10.2.2.6, flags: SJCIncoming interface: FastEthernet3/2, RPF nbr 10.2.2.6Outgoing interface list:FastEthernet3/1, Forward/Sparse-Dense, 00:00:18/00:02:41

(*, 224.0.1.40), 00:01:40/00:02:23, RP 10.2.2.6, flags: SJCLIncoming interface: FastEthernet3/2, RPF nbr 10.2.2.6Outgoing interface list:Loopback0, Forward/Sparse-Dense, 00:01:40/00:02:23

IGMP スタティックグループ範囲サポートの設定例

例:IGMP スタティックグループサポートの設定次に、クラスマップを設定し、クラスマップをインターフェイスに適用する例を示します。こ

の例では、staticというクラスマップが設定され、FastEthernetインターフェイス 3/1に適用されます。

class-map type multicast-flows staticgroup 227.7.7.7group 232.7.7.7 to 232.7.7.9 source 10.1.1.10group 232.7.7.7 source 10.1.1.10group 227.7.7.7 to 227.7.7.9...!interface FastEthernet3/1ip address 192.168.1. 2 255.255.255.0ip pim sparse-dense-modeip igmp static-group class-map static!

例:IGMP スタティックグループサポートの確認次に、show ip igmp static-group class-mapコマンドの出力例を示します。この例では、staticという IGMPスタティックグループクラスマップ(例:IGMPスタティックグループサポートの設定, (37ページ)の項で設定されるクラスマップ)の内容が表示されます。

Device# show ip igmp static-group class-map

Class-map staticGroup address range 227.7.7.7 to 227.7.7.9Group address 232.7.7.7, source address 10.1.1.10Group address range 232.7.7.7 to 232.7.7.9, source address 10.1.1.10Group address 227.7.7.7Interfaces using the classmap:FastEthernet3/1

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 37

IGMP のスタティックグループ範囲サポートIGMP スタティックグループ範囲サポートの設定例

Page 46: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

次に、show ip igmp groupsコマンドの出力例を示します。この例では、staticというクラスマップ(例:IGMPスタティックグループサポートの設定, (37ページ)の項で設定されるクラスマップ)で定義されているグループエントリが、IGMPキャッシュに追加されたことを確認するために、コマンドが実行されます。

Device# show ip igmp groupsIGMP Connected Group MembershipGroup Address Interface Uptime Expires Last Reporter232.7.7.7 FastEthernet3/1 00:00:09 stopped 0.0.0.0232.7.7.9 FastEthernet3/1 00:00:09 stopped 0.0.0.0232.7.7.8 FastEthernet3/1 00:00:09 stopped 0.0.0.0227.7.7.7 FastEthernet3/1 00:00:09 stopped 0.0.0.0227.7.7.9 FastEthernet3/1 00:00:09 stopped 0.0.0.0227.7.7.8 FastEthernet3/1 00:00:09 stopped 0.0.0.0224.0.1.40 FastEthernet3/2 01:44:50 00:02:09 10.2.2.5224.0.1.40 Loopback0 01:45:22 00:02:32 10.3.3.4

次に、show ip mrouteコマンドの出力例を示します。この例では、クラスマップ名前付きスタティック(例:IGMPスタティックグループサポートの設定, (37ページ)の項で設定されるクラスマップ)で定義されているグループエントリが、mrouteテーブルに追加されたことを確認するために、コマンドが実行されます。

Device# show ip mroute

IP Multicast Routing TableFlags: D - Dense, S - Sparse, B - Bidir Group, s - SSM Group, C - Connected,

L - Local, P - Pruned, R - RP-bit set, F - Register flag,T - SPT-bit set, J - Join SPT, M - MSDP created entry,X - Proxy Join Timer Running, A - Candidate for MSDP Advertisement,U - URD, I - Received Source Specific Host Report, Z - Multicast TunnelY - Joined MDT-data group, y - Sending to MDT-data group

Outgoing interface flags: H - Hardware switched, A - Assert winnerTimers: Uptime/ExpiresInterface state: Interface, Next-Hop or VCD, State/Mode(10.1.1.10, 232.7.7.7), 00:00:17/00:02:42, flags: sTIIncoming interface: FastEthernet3/2, RPF nbr 10.2.2.5Outgoing interface list:FastEthernet3/1, Forward/Sparse-Dense, 00:00:17/00:02:42

(10.1.1.10, 232.7.7.9), 00:00:17/00:02:42, flags: sTIIncoming interface: FastEthernet3/2, RPF nbr 10.2.2.5Outgoing interface list:FastEthernet3/1, Forward/Sparse-Dense, 00:00:17/00:02:42

(10.1.1.10, 232.7.7.8), 00:00:18/00:02:41, flags: sTIIncoming interface: FastEthernet3/2, RPF nbr 10.2.2.5Outgoing interface list:FastEthernet3/1, Forward/Sparse-Dense, 00:00:18/00:02:41

(*, 227.7.7.7), 00:00:18/00:02:41, RP 10.2.2.6, flags: SJCIncoming interface: FastEthernet3/2, RPF nbr 10.2.2.6Outgoing interface list:FastEthernet3/1, Forward/Sparse-Dense, 00:00:18/00:02:41

(*, 227.7.7.9), 00:00:18/00:02:41, RP 10.2.2.6, flags: SJCIncoming interface: FastEthernet3/2, RPF nbr 10.2.2.6Outgoing interface list:FastEthernet3/1, Forward/Sparse-Dense, 00:00:18/00:02:41

(*, 227.7.7.8), 00:00:18/00:02:41, RP 10.2.2.6, flags: SJCIncoming interface: FastEthernet3/2, RPF nbr 10.2.2.6Outgoing interface list:FastEthernet3/1, Forward/Sparse-Dense, 00:00:18/00:02:41

(*, 224.0.1.40), 00:01:40/00:02:23, RP 10.2.2.6, flags: SJCLIncoming interface: FastEthernet3/2, RPF nbr 10.2.2.6Outgoing interface list:Loopback0, Forward/Sparse-Dense, 00:01:40/00:02:23

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S38

IGMP のスタティックグループ範囲サポート例:IGMP スタティックグループサポートの確認

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その他の関連資料

関連資料

マニュアルタイトル関連項目

『Cisco IOSMaster Commands List, All Releases』Cisco IOSコマンド

『Cisco IOS IP Multicast Command Reference』IPマルチキャストコマンド

標準および RFC

タイトル標準/RFC

『Internet Group Management Protocol MIB』RFC 2933

MIB

MIB のリンクMIB

選択したプラットフォーム、Cisco IOS XEソフトウェアリリース、およびフィーチャセット

のMIBの場所を検索しダウンロードするには、次の URLにある Cisco MIB Locatorを使用します。

http://www.cisco.com/go/mibs

IGMP-MIB

シスコのテクニカルサポート

リンク説明

http://www.cisco.com/cisco/web/support/index.htmlシスコのサポートおよびドキュメンテーション

Webサイトでは、ダウンロード可能なマニュアル、ソフトウェア、ツールなどのオンラインリ

ソースを提供しています。これらのリソース

は、ソフトウェアをインストールして設定した

り、シスコの製品やテクノロジーに関する技術

的問題を解決したりするために使用してくださ

い。このWebサイト上のツールにアクセスする際は、Cisco.comのログイン IDおよびパスワードが必要です。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 39

IGMP のスタティックグループ範囲サポートその他の関連資料

Page 48: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

IGMP スタティックグループ範囲サポートの機能に関する情報

次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。この表は、ソフト

ウェアリリーストレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェアリリースだけを

示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェアリリースでも

サポートされます。

プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索

するには、Cisco Feature Navigatorを使用します。 Cisco Feature Navigatorにアクセスするには、www.cisco.com/go/cfnに移動します。 Cisco.comのアカウントは必要ありません。

表 3:IGMP スタティックグループ範囲サポートの機能に関する情報

機能情報リリース機能名

IGMPスタティックグループ範囲サポート機能は、クラスマッ

プでグループ範囲を設定し、イ

ンターフェイスにクラスマッ

プを適用する機能を導入しま

す。この機能は、多くのイン

ターフェイスのスタティック

グループメンバーシップエン

トリを必要とするデバイスを含

むネットワークの管理を簡素化

する拡張です。

この機能により、class-maptypemulticast-flows、group(multicast-flows)、ip igmpstatic-group、show ip igmpstatic-group class-mapの各コマンドが導入または変更されまし

た。

12.2(18)SXF5

Cisco IOS XE Release 2.6

15.0(1)M

12.2(33)SRE

15.1(1)SG

Cisco IOS XE Release 3.3SG

IGMPのスタティックグループ範囲サポート

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S40

IGMP のスタティックグループ範囲サポートIGMP スタティックグループ範囲サポートの機能に関する情報

Page 49: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

機能情報リリース機能名

インターネットグループ管理

プロトコル(IGMP)は、隣接するマルチキャストルータに

マルチキャストグループメン

バーシップを報告するために

IPホストによって使用されます。 IGMP MIBは、SimpleNetwork Management Protocol(SNMP)を使用してユーザがリモートに IGMPを監視および設定できるようにするオブジェ

クトを記述したものです。ま

た、ユーザがリモートでマルチ

キャストグループの登録およ

び登録解除することができるよ

うにもします。 SNMP機能のための IGMPMIBサポート拡張機能は、Cisco IOSソフトウェアの RFC 2933(インターネットグループ管理プロトコル

MIB)のフルサポートを追加します。

この機能により、新規追加また

は変更されたコマンドはありま

せん。

12.2(11)T

12.2(33)SRE

Cisco IOS XE Release 2.1

15.1(1)SG

12.2(50)SY

15.0(1)S

SNMPの IGMPMIBサポート拡張機能

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 41

IGMP のスタティックグループ範囲サポートIGMP スタティックグループ範囲サポートの機能に関する情報

Page 50: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S42

IGMP のスタティックグループ範囲サポートIGMP スタティックグループ範囲サポートの機能に関する情報

Page 51: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

第 3 章

SSM マッピング

SSM(Source Specific Multicast)マッピング機能は SSM移行ツールの Cisco Suiteを拡張し、URLRendezvous Directory(URD)およびインターネットグループ管理プロトコルバージョン 3ライト(IGMP v3lite)も含まれます。URDと IGMP v3liteの両方を使用できない場合や、管理上または技術上の理由によりエンドシステム上で SSMをサポートすることができない、または望ましくない場合、SSMマッピングは SSM移行をサポートします。 SSMマッピングにより、IGMPv3が未サポートであるレガシーセットトップボックス(STB)への映像配信や、IGMPv3ホストスタックを利用しないアプリケーションに SSMを活用できます。

• 機能情報の確認, 43 ページ

• SSMマッピングの前提条件, 44 ページ

• SSMマッピングの制約事項, 44 ページ

• SSMマッピングに関する情報, 45 ページ

• SSMマッピングを設定する方法, 51 ページ

• SSMマッピングの設定例, 59 ページ

• その他の関連資料, 63 ページ

• SSMマッピングの機能情報, 64 ページ

機能情報の確認ご使用のソフトウェアリリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされ

ているとは限りません。最新の機能情報および警告については、使用するプラットフォームおよ

びソフトウェアリリースの Bug Search Toolおよびリリースノートを参照してください。このモジュールに記載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリスト

を確認する場合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。

プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索

するには、Cisco Feature Navigatorを使用します。 Cisco Feature Navigatorにアクセスするには、www.cisco.com/go/cfnに移動します。 Cisco.comのアカウントは必要ありません。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 43

Page 52: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

SSM マッピングの前提条件SSMマッピングを使用する場合に使用できるオプションの 1つは、大規模な導入で SSMマッピング機能による管理を簡素化するために、ドメインネームシステム(DNS)サーバとともにインストールする方法です。

SSMマッピングを設定し、DNSルックアップで使用できるようにするためには、実行中の DNSサーバにレコードを追加できるようになる必要があります。稼働中のDNSサーバがない場合は、DNSサーバをインストールする必要があります。 Cisco IOS XEソフトウェアでは、DNSサーバ機能は提供されません。 Ciscoネットワークレジストラ(CNR)などの製品を使用する必要が生じることがあります。

SSM マッピングの制約事項• SSMマッピング機能は、完全な SSMの利点を共有しません(IGMP v3liteまたは URDとは異なります)。SSMマッピングでは、ホストからグループGの加入が取得され、1つまたは複数のソースに関連付けられているアプリケーションでこのグループを指定できるため、グ

ループGごとにこのようなアプリケーション 1つのみをサポートできます。それにもかかわらず、完全な SSMアプリケーションは、SSMマッピングにも使用される同じグループを共有することができます。つまり、SSMマッピングは、URD、IGMP v3liteまたは IGMPv3メンバーシップレポートと同時に互換性があります。

•完全な SSMへの移行ソリューションとして SSMマッピングだけを使用する場合は、ラストホップルータの IGMPv3をイネーブルにする際に十分に注意してください。 SSMマッピングと IGMPv3の両方がイネーブルの場合、ルータでは、IGMPv3メンバーシップメッセージの代わりに、IGMPv3メンバーシップクエリーメッセージが送信されます。 SSMマッピングでサポートされるレシーバホストが IGMPv1または IGMPv2のみをサポートできる場合は、IGMPv3を使用するインターフェイスで SSMマッピングをイネーブルにすれば十分です。 IGMPv3メンバーシップクエリーメッセージは、IGMPv1または IGMPv2クエリーとして解釈され、ホストは、IGMPv1または IGMPv2レポートで報告し続けます。ただし、SSMマッピングと IGMPv3の両方がイネーブルであり、ホストがすでに IGMPv3(ただし、SSMではない)をサポートしている場合は、IGMPv3グループレポートを送信し始めます。これらの IGMPv3グループレポートは、SSMマッピングではサポートされないため、ルータはこれらのレポートとソースを正しく関連付けません。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S44

SSM マッピングSSM マッピングの前提条件

Page 53: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

SSM マッピングに関する情報

SSM のコンポーネントSSMは、1対多のアプリケーション(ブロードキャストアプリケーション)に最適なデータグラム配信モデルです。 SSMは、オーディオおよびビデオブロードキャストアプリケーション環境を対象とした IPマルチキャストソリューションの Cisco実装のコアネットワーキングテクノロジーで、RFC3569に説明されています。次の 2個のコンポーネントを組み合わせることで、SSMの実装がサポートされます。

• Protocol Independent Multicast Source-Specific Mode(PIM-SSM)

•インターネットグループ管理プロトコルバージョン 3(IGMPv3)

Protocol Independent Multicast(PIM)SSM(PIM-SSM)は、SSMの実装をサポートするルーティングプロトコルで、PIMスパースモード(PIM-SM)から派生しました。 IGMPは、ホストがルータにマルチキャストグループメンバーシップを伝えるために使用するインターネット技術特別調

査委員会(IETF)標準トラックプロトコルです。 IGMPバージョン 3は、SSMに必要なソースフィルタリングをサポートします。 SSMを IGMPv3と共に実行するには、SSMが IOSルータ、アプリケーションが実行されるホスト、およびアプリケーション自体でサポートされる必要があ

ります。

Source Specific Multicast の利点

IP マルチキャストアドレス管理が不要

ISMサービスで、トラフィックディストリビューションは使用する IPマルチキャストグループアドレスにのみ基づくため、アプリケーションは一意の IPマルチキャストグループアドレスを取得する必要があります。異なるソースとレシーバを持つ 2つのアプリケーションが同じ IPマルチキャストグループアドレスを使用すると、両方のアプリケーションのレシーバが両方のアプリ

ケーションのソースからトラフィックを受信します。適切にプログラムしている場合、レシーバ

は不要なトラフィックをフィルタできますが、この状態は一般的に許容できないレベルの不要な

トラフィックを生み出します。

アプリケーションへの一意の IPマルチキャストグループアドレスの割り当ては問題となります。最も短期のアプリケーションはセッション記述プロトコル(SDP)やセッション通知プロトコル(SAP)のようなメカニズムを使用して、ランダムアドレスを取得します。これは、インターネット内のアプリケーションの増加によってうまく機能しないソリューションです。長期アプリケー

ションの現在のベストソリューションは、RFC2770に説明されていますが、このソリューションは各自律システムが 255の使用可能な IPマルチキャストアドレスのみに限定される制限の影響を受けます。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 45

SSM マッピングSSM マッピングに関する情報

Page 54: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

SSMで、他のソースからのトラフィックとは関係なく、各ソースからのトラフィックはネットワーク内のルータ間で転送されます。このため、異なるソースが SSM範囲のマルチキャストグループアドレスを再利用できます。

望ましくないソースからの DoS 攻撃を防ぐ

SSMで、個別の各ソースからのマルチキャストトラフィックは、(IGMPv3、IGMP v3liteまたはURDメンバーシップによって)レシーバから要求された場合にのみネットワーク中に転送されます。これに対し、ISMはマルチキャストグループに送信するアクティブなソースからそのマルチキャストグループを要求するすべてのレシーバにトラフィックを転送します。インターネット

ブロードキャストアプリケーションで、トラフィックを同じマルチキャストグループにただ送信

するだけで、望ましくないソースが実際のインターネットブロードキャストソースを簡単に妨害

できるため、この ISMの動作は非常に望ましくありません。この状況は、レシーバ側で不要なトラフィックによって帯域幅を消耗させるため、インターネットブロードキャストの無停止の受信

を妨害します。 SSMでは、トラフィックをマルチキャストグループにただ送信するだけでは、このような種類の DoS攻撃は行えません。

導入と管理が容易

ネットワークがマルチキャストグループに送信しているアクティブソースについての情報を維持

する必要がないため、SSMは簡単にインストールし、ネットワークでプロビジョニングできます。この要件は、(IGMPv1、IGMPv2、または IGMPv3を使用する)ISMでのみ存在します。

ISMサービスの現在の標準ソリューションは PIM-SMとMSDPです。 PIM-SM(Auto-RPまたはBSRの必要性を含む)およびMSDPでのRendezvousPoint(RP)管理は、ネットワークがアクティブソースについて学習するためにのみ必要です。この管理は SSMでは必要ありません。このため、SSMは ISMよりインストールや管理が簡単で、配備での動作面の拡張も ISMより簡単です。SSMのインストールが簡単であるその他の要素は、既存の PIM-SMネットワークを活用でき、ラストホップルータをアップグレードするだけで IGMPv3、IGMP v3lite、または URDをサポートできる点です。

インターネットブロードキャストアプリケーションに最適

上記の 3つの利点により、次の理由で SSMはインターネットブロードキャストスタイルのアプリケーションに理想的です。

•一意の IPマルチキャストアドレスなしで SSMによって、インターネットブロードキャストサービスを提供できるため、コンテンツプロバイダーはサービスを簡単に提供できます(コ

ンテンツプロバイダーにとって、IPマルチキャストアドレス割り当てはこれまで深刻な問題でした)。

•インターネットブロードキャストサービスは多数のレシーバに公開されることにより、DoS攻撃の最も一般的な対象となるため、このような攻撃の阻止はインターネットブロードキャ

ストサービスの重要な要素です。

• SSMはインストールや動作が簡単なため、特に、コンテンツを複数の独立した PIMドメイン間で転送する必要のある場合(SSMのために PIMドメイン間でMSDPを管理する必要がないため)、ネットワークオペレータにとって理想的です。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S46

SSM マッピングSource Specific Multicast の利点

Page 55: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

SSM 移行ソリューションSSM移行ソリューションのCisco IOSスイートは、ホストオペレーティングシステムおよび SSMレシーバアプリケーションで IGMPv3のフルサポートが使用可能になるのを待つ必要なく、SSMサービスをただちに開発し、導入できる、次の移行ソリューションで構成されています。

•インターネットグループ管理プロトコルバージョン 3ライト(IGMP v3lite)

• URL Rendezvous Directory(URD)

• SSMマッピング

IGMP v3liteは、IGMPv3が使用可能になった場合にすぐに、SSMレシーバアプリケーションの開発を IGMPv3に切り替えることができるアプリケーション開発者のためのソリューションです。

IGMP v3liteの詳細情報については、「Configuring Source Specific Multicast」モジュールを参照してください。

URDは、コンテンツプロバイダーとコンテンツアグリゲータのための SSM移行ソリューションです。レシーバアプリケーションを開始し、ブラウザを介して制御できるようにすることによ

り、SSMがイネーブルになっていないレシーバアプリケーションを(IGMPv3のサポートによって)配備できるようにします。

URDの詳細については、「Configuring Source SpecificMulticast」モジュールを参照してください。

URDと IGMP v3liteの両方を使用できない場合や、管理上または技術上の理由によりエンドシステム上でSSMをサポートすることができない、または望ましくない場合、SSMマッピングはSSM移行をサポートします。

SSM マッピングの概要URDと IGMP v3liteの両方を使用できない場合や、管理上または技術上の理由によりエンドシステム上でSSMをサポートすることができない、または望ましくない場合、SSMマッピングはSSM移行をサポートします。 SSMを使用して IGMPv3をサポートしていないレガシー STBにライブストリーミングビデオを提供することは、SSMマッピングの一般的な応用例です。

SSMマッピングを導入する前に、以下の条件に当てはまると、IGMPv1または IGMPv2のみをサポートする STBレシーバが含まれるレガシー STB導入で SSM移行の妨げになります。

•レシーバ上のオペレーティングシステムでは、IGMPv3がサポートされていないため、SSMのサポートに IGMPv3を使用できません。

•また、SSMをサポートするようにレシーバ上で実行されているアプリケーションをアップグレードできません。このため、SSMの移行をサポートするために IGMPv3ライトを使用できません。

•さらに問題を悪化させることとして、アプリケーションそのものがWebブラウザを介して起動しません。このため、SSMの移行をサポートするために URDを使用できません。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 47

SSM マッピングSSM 移行ソリューション

Page 56: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

SSMマッピングによって、これらの条件に一致するホストおよびアプリケーションに対して、SSM移行ソリューションが提供されます。

典型的な STB配置では、各TVチャネルは独立した 1つの IPマルチキャストグループを使用し、その TVチャネルの送信を行うアクティブなサーバは 1つです。 1つのサーバから複数の TVチャネルへの送信は可能ですが、各チャネルのグループはそれぞれ異なります。このようなネット

ワーク環境で、ルータが特定のグループGの IGMPv1または IGMPv2のメンバーシップレポートを受信した場合、レポートの宛先は暗黙的に、そのマルチキャストグループに関連付けられてい

る TVチャネルの well-known TVサーバになります。

SSMマッピングは、グループに送信しているソースをラストホップルータで検出する手段を提供します。 SSMマッピングが設定されている場合、特定のグループGの IGMPv1または IGMPv2のメンバーシップレポートを受信したルータは、レポートを、このグループに関連付けられてい

る既知のソースの 1つ以上の (S, G)チャネルメンバーシップに変換します。

他の SSM移行ソリューション(URDおよび IGMP v3lite)の場合と同様に、SSMマッピングは、レシーバに接続されたラストホップルータでだけ設定されている必要があります。ネッ

トワークの他のどのルータでも、サポートは必要ではありません。さらに、SSMマッピングは、IGMPv3、IGMP v3lite、および URDと完全な互換性があります。

(注)

ルータはグループ Gの IGMPv1または IGMPv2のメンバーシップレポートを受信すると、SSMマッピングを使用して、グループGの 1つ以上のソース IPアドレスを決定します。その後、SSMマッピングは IGMPv3レポートの INCLUDE (G, [S1, G], [S2, G]...[Sn, G])に従ってメンバーシップレポートを変換し、IGMPv3レポートを受信したときと同様に続行します。ルータは、IGMPv1または IGMPv2のメンバーシップレポートを受信し続け、グループの SSMマッピングが変更されない限り、(S1, G)から (Sn, G)に PIM加入を送信し、これらのグループに加入し続けます。このため、SSMマッピングにより、IGMPv3が未サポートであるレガシー STBへの映像配信や、IGMPv3ホストスタックを利用しないアプリケーションに SSMを活用できます。

SSMマッピング機能を使用すると、ラストホップルータはスタティックに設定されたルータ上のテーブルまたは DNSサーバへの問い合わせを通じて、ソースアドレスを決定できます。スタティックに設定されたテーブルが変更された場合や、DNSマッピングが変更された場合、ルータは、現在のソースを加入したグループに関連付けたままにします。

スタティック SSM マッピングSSMスタティックマッピングを使用して、スタティックマップを使用してグループに送信するソースを決定するようにラストホップルータを設定できます。スタティック SSMマッピングを使用するには、グループ範囲を定義するアクセスリスト(ACL)を設定する必要があります。これらのACLによって許可されたグループを、ip igmpstatic ssm-map staticコマンドを使用してソースにマッピングできます。

DNSが必要ない小規模なネットワークで、または一時的に不正確になったDNSマッピングをローカルに上書きするために、スタティックSSMマッピングを設定できます。設定されたスタティック SSMマッピングは、DNSマッピングよりも優先されます。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S48

SSM マッピングSSM マッピングの概要

Page 57: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

DNS ベースの SSM マッピングDNSベースの SSMマッピングを使用して、逆 DNSルックアップを実行してグループを送信するソースを決定するようにラストホップルータを設定できます(次の図を参照)。 DNSベースのSSMマッピングが設定されると、ルータはグループアドレスGを含むドメイン名を構築し、DNSへの逆ルックアップを実行します。ルータにより、この構築されたドメイン名に戻される IPアドレスリソースレコード(IP ARR)がルックアップされ、戻された IPアドレスが、このグループに関連付けられるソースアドレスとして使用されます。 SSMマッピングでサポートできる送信元の数は、グループごとに最大 20です。ルータは各グループに設定されているすべてのソースに加入します。

図 1:DNS ベースの SSM マッピング

ラストホップルータが 1つのグループの複数のソースに加入できるようにする SSMマッピングメカニズムを使用すると、TVブロードキャストのソース冗長性を提供できます。このコンテキストでは、同じ TVチャネルで 2つのビデオソースに加入するために、SSMマッピングを使用しているラストホップルータによって、冗長性が提供されます。ただし、ラストホップルータで

のビデオトラフィックの重複を防ぐため、ビデオソースは、サーバ側のスイッチオーバーメカ

ニズム(1つのビデオソースがアクティブになる間、残りのバックアップビデオソースがパッシブになる)を使用する必要があります。パッシブの送信元は待機状態になり、アクティブな送信

元の障害が検出された場合に、その TVチャネルにビデオトラフィックを送信します。このため、サーバ側のスイッチオーバーメカニズムによって、1台のサーバだけが TVチャネルにビデオトラフィックを実際に送信するようになります。

G1、G2、G3、G4を含むグループ Gについて 1つ以上のソースアドレスをルックアップするには、次の DNSリソースレコード(RR)を DNSサーバで設定する必要があります。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 49

SSM マッピングSSM マッピングの概要

Page 58: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

IN A source-address-1G4.G3.G2.G1 [multicast-domain] [timeout]

IN A source-address-2

IN A source-address-n

multicast-domain引数は、設定可能なDNSプレフィックスです。デフォルトDNSプレフィックスは、in-addr.arpaです。インストールがインターネットから切り離されている場合、またはマッピングするグループ名が自分の所有するグローバルスコープのグループアドレス(SSM用に設定する RFC 2770タイプのアドレス)である場合にだけ、デフォルトのプレフィックスを使用します。

timeout引数は、SSMマッピングを実行しているルータが DNSルックアップをキャッシュする時間を設定します。この引数はオプションで、エントリが設定されているゾーンのタイムアウトの

デフォルトです。タイムアウトは、ルータがこのグループについて DNSサーバに問い合わせるまで、現在のマッピングを保持する期間を示します。タイムアウトは DNS RRエントリのキャッシュ時間から導出され、DNSサーバでグループ/ソースごとに設定できます。ルータによって生成される DNSクエリー数を最小にする場合は、この時間に大きな値を設定します。新しいソースアドレスですべてのルータを早く更新する場合は、この時間に小さな値を設定します。

DNS RRの設定に関する詳細については、DNSサーバのマニュアルを参照してください。(注)

ソフトウェアで DNSベースの SSMマッピングを設定するには、いくつかのグローバルコマンドを設定する必要がありますが、チャネルごとに特定の設定をする必要はありません。追加チャネ

ルが追加された場合も、SSMマッピングの設定は変更しません。 DNSベースの SSMマッピングが設定されるときに、1つまたは複数の DNSサーバによって、マッピングが全体的に処理されます。 DNSベースの SSMマッピングで、設定および冗長性管理に使用されるすべての DNSテクニックを必要なエントリに適用できます。

SSM マッピングの利点• SSMマッピング機能は、IGMPv3に基づく純粋なSSMソリューションと同じくらいに、ネットワーク導入および管理を簡単にします。 SSMマッピングをイネーブルにするために、いくつかの追加設定が必要です。

• SSMの利点であるDoS攻撃の禁止は、SSMマッピングの設定時に適用されます。 SSMマッピングを設定した場合、まだ DoS攻撃に対して脆弱な唯一のネットワークセグメントが、ラストホップルータに接続された LANのレシーバになります。これらのレシーバはまだIGMPv1および IGMPv2を使用しているため、同じ LAN上の不要なソースからの攻撃に対して脆弱です。ただし、SSMマッピングは、ネットワーク上のあらゆる不要なソースからのマルチキャストトラフィックからこれらのレシーバ(およびそれらに繋がるネットワーク

パス)を保護します。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S50

SSM マッピングSSM マッピングの利点

Page 59: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

• SSMマッピングを使用したネットワーク内でのアドレスの割り当てには、調整が必要ですが、ネットワークからのコンテンツが他のネットワークに転送される場合でも、外部認証局

からの割り当ては必要ではありません。

SSM マッピングを設定する方法

スタティック SSM マッピングの設定スタティック SSMマッピングを使用して、グループに送信するソースの IPアドレスを決定するように SSM導入のラストホップルータを設定するには、このタスクを実行します。

はじめる前に

•このタスクを実行する前に、IPマルチキャストルーティングをイネーブルにし、PIMスパースモードをイネーブルにし、SSMを設定します。詳細については、「Configuring BasicMulticast」モジュールを参照してください。

•スタティック SSMマッピングを設定する前に、ソースアドレスにマッピングされるグループ範囲を定義する ACLを設定する必要があります。

手順の概要

1. enable2. configure terminal3. ip igmp ssm-map enable4. no ip igmp ssm-map query dns5. ip igmp ssm-map static access-list source-address6. 必要な場合は、ステップ5を繰り返して、追加のスタティックSSMマッピングを設定します。7. end

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

特権 EXECモードをイネーブルにします。enable

例:

Router> enable

ステップ 1

•パスワードを入力します(要求された場合)。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 51

SSM マッピングSSM マッピングを設定する方法

Page 60: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを開始します。configure terminal

例:

Router# configure terminal

ステップ 2

設定されている SSM範囲で、グループの SSMマッピングをイネーブルにします。

ip igmp ssm-map enable

例:

Router(config)# ip igmp ssm-mapenable

ステップ 3

デフォルトでは、このコマンドによってDNSベースのSSMマッピングがイネーブルになります。

(注)

(任意)DNSベースのSSMマッピングをディセーブルにします。no ip igmp ssm-map query dns

例:

Router(config)# no ip igmp ssm-mapquery dns

ステップ 4

スタティック SSMマッピングだけを使用する場合は、DNSベースの SSMマッピングをディセーブルにします。 ip igmp ssm-mapコマンドでは、デフォルトで、DNSベースの SSMマッピングがイネーブルにされます。

(注)

スタティック SSMマッピングを設定します。ip igmp ssm-map static access-listsource-address

ステップ 5

• access-list引数に入力した ACLによって、source-address引数に入力したソース IPアドレスにマッピングされるグループが決まります。

例:

Router(config)# ip igmp ssm-mapstatic 11 172.16.8.11

追加のスタティック SSMマッピングを設定することもできます。追加のSSMマッピングが設定され、ルータが SSM範囲のグループの IGMPv1または IGMPv2のメンバーシップレポートを受信すると、Cisco IOS XEソフトウェアは、設定されている各 ip igmp ssm-map staticコマンドを実行することによって、グループに関連付

けられたソースアドレスを決定します。 Cisco IOS XEソフトウェアは、グループごとに最大 20のソースを関連付けます。

(注)

--必要な場合は、ステップ5を繰り返して、追加のスタティック SSMマッピングを設定します。

ステップ 6

現在のコンフィギュレーションセッションを終了して、特権EXECモードに戻ります。

end

例:

Router(config)# end

ステップ 7

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S52

SSM マッピングスタティック SSM マッピングの設定

Page 61: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

次の作業

DNSベースの SSMマッピングの設定, (53ページ)またはSSMマッピングの設定と動作の確認,(56ページ)に進んでください。

DNS ベースの SSM マッピングの設定DNSルックアップを実行してグループに送信を実行しているソースの IPアドレスを認識するよう、ラストホップルータを設定する場合は、この作業を実行します。

はじめる前に

•このタスクを実行する前に、IPマルチキャストルーティングをイネーブルにし、PIMスパースモードをイネーブルにし、SSMを設定します。詳細については、「Configuring BasicMulticast」モジュールを参照してください。

• SSMマッピングを設定し、DNSルックアップで使用できるようにするためには、実行中のDNSサーバにレコードを追加できるようになる必要があります。稼働中の DNSサーバがない場合は、DNSサーバをインストールする必要があります。 Cisco IOSソフトウェアでは、DNSサーバ機能は提供されません。Ciscoネットワークレジストラ(CNR)などの製品を使用する必要が生じることがあります。

手順の概要

1. enable2. configure terminal3. ip igmp ssm-map enable4. ip igmp ssm-map query dns5. ip domain multicast domain-prefix6. ip name-server server-address1 [server-address2...server-address6]7. 冗長性のために追加の DNSサーバを設定する場合は、必要に応じて、ステップ 6を繰り返します。

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

特権 EXECモードをイネーブルにします。enable

例:

Router> enable

ステップ 1

•パスワードを入力します(要求された場合)。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 53

SSM マッピングDNS ベースの SSM マッピングの設定

Page 62: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを開始します。configure terminal

例:

Router# configure terminal

ステップ 2

設定されている SSM範囲で、グループの SSMマッピングをイネーブルにします。

ip igmp ssm-map enable

例:

Router(config)# ip igmp ssm-map enable

ステップ 3

(任意)DNSベースの SSMマッピングをイネーブルにします。

ip igmp ssm-map query dns

例:

Router(config)# ip igmp ssm-map querydns

ステップ 4

• ip igmp ssm-mapコマンドでは、デフォルトで、DNSベースの SSMマッピングがイネーブルにされます。実行コンフィギュレーションに保存されるのは、この

コマンドを no形式で使用した場合だけです。

DNSベースのSSMマッピングがディセーブルの場合、このコマンドを使用して DNSベースのSSMマッピングを再度イネーブルにします。

(注)

(任意)Cisco IOS XEソフトウェアが DNSベースの SSMマッピングに使用するドメインプレフィックスを変更しま

す。

ip domain multicast domain-prefix

例:

Router(config)# ip domain multicastssm-map.cisco.com

ステップ 5

•デフォルトでは、ip-addr.arpaドメインプレフィックスが使用されます。

名前とアドレスの解決に使用する 1つまたは複数のネームサーバのアドレスを指定します。

ip name-server server-address1[server-address2...server-address6]

例:

Router(config)# ip name-server10.48.81.21

ステップ 6

--冗長性のために追加の DNSサーバを設定する場合は、必要に応じて、ステップ

6を繰り返します。

ステップ 7

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S54

SSM マッピングDNS ベースの SSM マッピングの設定

Page 63: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

次の作業

SSMマッピングを使用したスタティックトラフィック転送の設定またはSSMマッピングの設定と動作の確認, (56ページ)に進んでください。

SSM マッピングを使用したスタティックトラフィック転送の設定ラストホップルータ上の SSMマッピングでスタティックトラフィック転送を設定する場合は、この作業を実行します。スタティックトラフィック転送は、特定グループの SSMトラフィックを静的に転送するために、SSMマッピングとともに使用できます。 SSMマッピングを使用したスタティックトラフィック転送が設定されている場合、ラストホップルータはグループに関連

付けられているソースの決定に DNSベースの SSMマッピングを使用します。その結果得られる(S, G)チャネルは、静的に転送されます。

はじめる前に

この作業には、DNSベースの SSMマッピングの設定手順は含まれていません。 DNSベースのSSMマッピング設定に関する詳細については、DNSベースの SSMマッピングの設定, (53ページ)のタスクを参照してください。

手順の概要

1. enable2. configure terminal3. interface type number4. ip igmp static-group group-address sourcessm-map

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

特権 EXECモードをイネーブルにします。enable

例:

Router> enable

ステップ 1

•パスワードを入力します(要求された場合)。

グローバルコンフィギュレーションモードを開始します。configure terminal

例:

Router# configure terminal

ステップ 2

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 55

SSM マッピングSSM マッピングを使用したスタティックトラフィック転送の設定

Page 64: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

目的コマンドまたはアクション

SSMマッピングを使用してマルチキャストグループのトラフィックを静的に転送するインターフェイスを選択し、インターフェイ

スコンフィギュレーションモードを開始します。

interface type number

例:

Router(config)# interfacegigabitethernet 1/0/0

ステップ 3

SSMマッピングでのトラフィックのスタティック転送は、DNSベースのSSMマッピングまたは静的に設定されている SSMマッピングのいずれかと動作します。

(注)

インターフェイス外に (S, G)チャネルを静的に転送するために使用されるよう、SSMマッピングを設定します。

ip igmp static-group group-addresssourcessm-map

例:

Router(config-if)# ip igmp

ステップ 4

•特定のグループに SSMトラフィックを静的に転送するが、DNSベースの SSMマッピングを使用してチャネルのソースアドレスを特定する場合に、このコマンドを使用します。static-group 232.1.2.1 source

ssm-map

次の作業

SSMマッピングの設定と動作の確認, (56ページ)に進みます。

SSM マッピングの設定と動作の確認SSMマッピングの設定と動作を確認する場合は、このオプション作業を実行します。

手順の概要

1. enable2. show ip igmp ssm-mapping3. show ip igmp ssm-mapping group-address4. show ip igmp groups [group-name | group-address | interface-type interface-number] [detail]5. show host6. debug ip igmp group-address

手順の詳細

ステップ 1 enable特権 EXECモードをイネーブルにします。パスワードを入力します(要求された場合)。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S56

SSM マッピングSSM マッピングの設定と動作の確認

Page 65: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

例:

Router> enable

ステップ 2 show ip igmp ssm-mapping(任意)SSMマッピングに関する情報を表示します。

次に、SSMマッピング設定に関する情報を表示する例を示します。この例では、SSMスタティックマッピングおよび DNSベースの SSMマッピングがイネーブルです。

例:

Router# show ip igmp ssm-mappingSSM Mapping : EnabledDNS Lookup : EnabledMcast domain : ssm-map.cisco.comName servers : 10.0.0.3

10.0.0.4

ステップ 3 show ip igmp ssm-mapping group-address(任意)SSMマッピングが特定のグループに使用するソースを表示します。

次に、設定されているDNSベースSSMマッピングに関する情報を表示する例を示します。この例では、ルータはソース 172.16.8.5および 172.16.8.6にグループ 232.1.1.4をマッピングするDNSベースのマッピングを使用しています。このエントリのタイムアウトは、860000ミリ秒(860秒)です。

例:

Router# show ip igmp ssm-mapping 232.1.1.4Group address: 232.1.1.4Database : DNSDNS name : 4.1.1.232.ssm-map.cisco.comExpire time : 860000Source list : 172.16.8.5

: 172.16.8.6

ステップ 4 show ip igmp groups [group-name | group-address | interface-type interface-number] [detail](任意)ルータに直接接続されているレシーバと IGMPによって学習されたレシーバを持つマルチキャストグループを表示します。

次に、引数 group-addressおよびキーワード detailを指定した show ip igmp groupsコマンドの出力例を示します。この例で「M」フラグは、SSMマッピングが設定されることを示します。

例:

Router# show ip igmp group 232.1.1.4 detailInterface: GigabitEthernet2/0/0Group: 232.1.1.4 SSMUptime: 00:03:20Group mode: INCLUDELast reporter: 0.0.0.0CSR Grp Exp: 00:02:59Group source list: (C - Cisco Src Report, U - URD, R - Remote,

S - Static, M - SSM Mapping)Source Address Uptime v3 Exp CSR Exp Fwd Flags

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 57

SSM マッピングSSM マッピングの設定と動作の確認

Page 66: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

172.16.8.3 00:03:20 stopped 00:02:59 Yes CM172.16.8.4 00:03:20 stopped 00:02:59 Yes CM172.16.8.5 00:03:20 stopped 00:02:59 Yes CM172.16.8.6 00:03:20 stopped 00:02:59 Yes CM

ステップ 5 show host(任意)デフォルトドメイン名、名前のルックアップサービスのスタイル、ネームサーバホストのリス

ト、および、ホスト名とアドレスのキャッシュにあるリストを表示します。

次に、showhostコマンドからの出力例を示します。ルータがDNSエントリを学習したときに、そのエントリを表示するには、次のコマンドを使用します。

例:

Router# show hostDefault domain is cisco.comName/address lookup uses domain serviceName servers are 10.48.81.21Codes: UN - unknown, EX - expired, OK - OK, ?? - revalidate

temp - temporary, perm - permanentNA - Not Applicable None - Not defined

Host Port Flags Age Type Address(es)10.0.0.0.ssm-map.cisco.c None (temp, OK) 0 IP 172.16.8.5

172.16.8.6172.16.8.3

172.16.8.4

ステップ 6 debug ip igmp group-address(任意)受信および送信した IGMPパケットとホスト関連イベントを表示します。

次に、SSMスタティックマッピングがイネーブルな場合の debug ip igmpコマンドの出力例を示します。次の出力では、ルータによって、グループGの IGMPv2加入が IGMPv3加入に変換されていることを示しています。

例:

IGMP(0): Convert IGMPv2 report (*,232.1.2.3) to IGMPv3 with 2 source(s) using STATIC.

次に、DNSベースの SSMマッピングがイネーブルな場合の debug ip igmpコマンドの出力例を示します。次の出力は、DNSルックアップが成功したことを示します。

例:

IGMP(0): Convert IGMPv2 report (*,232.1.2.3) to IGMPv3 with 2 source(s) using DNS.

次に、DNSベースの SSMマッピングがイネーブルで、DNSルックアップに失敗した場合の debug ip igmpコマンドの出力例を示します。

IGMP(0): DNS source lookup failed for (*, 232.1.2.3), IGMPv2 report failed

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S58

SSM マッピングSSM マッピングの設定と動作の確認

Page 67: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

SSM マッピングの設定例

SSM マッピングの例次に、SSMマッピング用にルータを設定する設定例を示します。この例では、機能間の互換性を示すために、他の IGMPおよび SSM設定オプションの範囲も示します。例で使用されている機能のすべてを理解していない場合、この設定例をモデルとして使用しないでください。

グローバル SSM範囲 232.0.0.0/8のアドレス割り当てはランダムです。この設定例の一部またはすべてをコピーする場合、この例で示されているように、232.1.1.xではなくランダムアドレス範囲を選択してください。ランダムなアドレス範囲を使用することで、SSMマッピングの使用時に他の SSMの内容をインポートしたときに、アドレスの衝突が発生する可能性を最小限に抑え、競合を防ぐことができます。

(注)

!no ip domain lookupip domain multicast ssm.map.cisco.comip name-server 10.48.81.21!!ip multicast-routing distributedip igmp ssm-map enableip igmp ssm-map static 10 172.16.8.10ip igmp ssm-map static 11 172.16.8.11!!...!interface GigabitEthernet0/0/0description Sample IGMP Interface Configuration for SSM-Mapping Exampleip address 10.20.1.2 255.0.0.0ip pim sparse-modeip igmp last-member-query-interval 100ip igmp static-group 232.1.2.1 source ssm-mapip igmp version 3ip igmp explicit-trackingip igmp limit 2ip igmp v3liteip urd!...!ip pim ssm default!access-list 10 permit 232.1.2.10access-list 11 permit 232.1.2.0 0.0.0.255!

次の表で、SSMマッピング設定例に示されている重要なコマンドについて説明します。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 59

SSM マッピングSSM マッピングの設定例

Page 68: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

表 4:SSM マッピングの設定例で使用されているコマンドの説明

説明コマンド

IP DNSに基づいたホスト名からのアドレス変換をディセーブルにします。

no ip domain-listコマンドは、IP DNSベースのホスト名/アドレス間変換をディセーブルにすることにより、SSMマッピングの設定に矛盾が生じないこ

とを示すためにのみ、設定に表示され

ます。このコマンドがイネーブルの

場合、Cisco IOSXEソフトウェアは、ホスト名として未知の文字列の解決を

試みます。

(注)

no ip domain lookup

SSMマッピングのドメインプレフィックスとして ssm-map.cisco.comを指定します。

ip domain multicast ssm-map.cisco.com

SSMマッピングおよび DNSが利用されるソフトウェアの他のすべてのサービスで使用される

DNSサーバの IPアドレスとして、10.48.81.21を指定します。

ip name-server 10.48.81.21

IPマルチキャストルーティングをイネーブルにします。

ip multicast-routing

SSMマッピングをイネーブルにします。ip igmp ssm-map enable

ソースアドレス 172.16.8.10を使用するよう、ACL 10によって許可されるグループを設定します。

•この例では、ACL 10によって、232.1.2.10を除く 232.1.2.0/25範囲ですべてのグループが許可されます。

ip igmp ssm-map static 10 172.16.8.10

ソースアドレス 172.16.8.11を使用するよう、ACL 11によって許可されるグループを設定します。

•この例では、ACL 11によって、グループ232.1.2.10が許可されます。

ip igmp ssm-map static 11 172.16.8.11

PIMスパースモードをイネーブルにします。ip pim sparse-mode

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S60

SSM マッピングSSM マッピングの例

Page 69: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

説明コマンド

IGMPv2ホストの脱退遅延を減らします。

このコマンドは、SSMマッピングの設定には必要ではありません。ただ

し、SSMマッピングに依存しているIGMPv2ホストでは、このコマンドは効果的です。

(注)

ip igmp last-member-query-interval 100

グループ232.1.2.1に関連付けられているソースを特定するために使用されるよう、SSMマッピングを設定します。その結果得られる (S, G)チャネルは、静的に転送されます。

ip igmp static-group 232.1.2.1 source ssm-map

このインターフェイス上で IGMPv3をイネーブルにします。

このコマンドは、IGMPv3が SSMマッピングと同時に設定できること

を示すためにのみ、設定で使用され

ますが、必須ではありません。

(注)

ip igmp version 3

マルチキャストチャネルから脱退する IGMPv3ホストの脱退遅延を最小限に抑えます。

このコマンドは、SSMマッピングの設定には必要ではありません。

(注)

ip igmp explicit-tracking

1つのインターフェイス当たりのベースで、IGMPメンバーシップ状態から生じる IGMP状態の数を制限します。

このコマンドは、SSMマッピングの設定には必要ではありません。

(注)

ip igmp limit 2

このインターフェイスで IGMP v3liteメンバーシップレポートの受け入れと処理をイネーブル

にします。

このコマンドは、IGMP v3liteが SSMマッピングと同時に設定できること

を示すためにのみ、設定で使用され

ますが、必須ではありません。

(注)

ip igmp v3lite

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 61

SSM マッピングSSM マッピングの例

Page 70: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

説明コマンド

インターフェイスで確保されたURDポート465に送信された TCPパケットの代行受信と URDチャネル加入レポートの処理をイネーブルにし

ます。

このコマンドは、URDがSSMマッピングと同時に設定できることを示す

ためにのみ、設定で使用されますが、

必須ではありません。

(注)

ip urd

SSMサービスを設定します。

• defaultキーワードは SSM範囲のアクセスリストを 232/8と定義します。

ip pim ssm default

スタティック SSMマッピングに使用されるよう、ACLを設定します。

これらは、この設定例で ip igmpssm-map staticコマンドによって参照される ACLです。

(注)

access-list 10 permit 232.1.2.10 access-list 11permit 232.1.2.0 0.0.0.255

DNS サーバの設定例DNSベースの SSMマッピングを設定するには、DNSサーバゾーンを作成するか、または既存のゾーンにレコードを追加する必要があります。DNSベースのSSMマッピングを使用しているルータで、SSMマッピング以外の目的で DNSも使用している場合、通常設定の DNSサーバを使用する必要があります。そのルータで使用されている DNS実装が DNSベースの SSMマッピングだけの場合は、ルートゾーンが空であるか、またはそれ自身を指すような疑似 DNSセットアップが可能です。

次に、ゾーンを作成し、Network Registrarを使用してゾーンデータをインポートする例を示します。

Router> zone 1.1.232.ssm-map.cisco.com. create primary file=named.ssm-map100 OkRouter> dns reload100 Ok

次に、BIND 8の named.confファイルからゾーンファイルをインポートする例を示します。

Router> ::import named.conf /etc/named.confRouter> dns reload100 Ok:

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S62

SSM マッピングDNS サーバの設定例

Page 71: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

ネットワークレジストラバージョン 8.0およびそれ以降では、インポート BIND 8形式の定義がサポートされます。

(注)

その他の関連資料

関連資料

マニュアルタイトル関連項目

「Configuring Basic IP Multicast」モジュールSSMの概念と設定

『Cisco IOS IP Multicast Command Reference』Cisco IOS IPマルチキャストコマンド:コマンド構文の詳細、コマンドモード、デフォルト設

定、コマンド履歴、コマンド使用に関する注意

事項、および例

標準

タイトル標準

--この機能でサポートされる新規の標準または変

更された標準はありません。また、既存の標準

のサポートは変更されていません。

MIB

MIB のリンクMIB

選択したプラットフォーム、Ciscoソフトウェアリリース、およびフィーチャセットのMIBを検索してダウンロードする場合は、次のURLにある Cisco MIB Locatorを使用します。

http://www.cisco.com/go/mibs

この機能によってサポートされる新しいMIBまたは変更されたMIBはありません。またこの機能による既存MIBのサポートに変更はありません。

RFC

タイトルRFC

『Administratively Scoped IP Multicast』RFC 2365

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 63

SSM マッピングその他の関連資料

Page 72: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

タイトルRFC

『GLOP Addressing in 233/8』RFC 2770

『An Overview of Source-Specific Multicast』RFC 3569

シスコのテクニカルサポート

リンク説明

http://www.cisco.com/cisco/web/support/index.htmlシスコのサポートWebサイトでは、シスコの製品やテクノロジーに関するトラブルシュー

ティングにお役立ていただけるように、マニュ

アルやツールをはじめとする豊富なオンライン

リソースを提供しています。

お使いの製品のセキュリティ情報や技術情報を

入手するために、CiscoNotificationService(FieldNoticeからアクセス)、Cisco Technical ServicesNewsletter、Really Simple Syndication(RSS)フィードなどの各種サービスに加入できます。

シスコのサポートWebサイトのツールにアクセスする際は、Cisco.comのユーザ IDおよびパスワードが必要です。

SSM マッピングの機能情報次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。この表は、ソフト

ウェアリリーストレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェアリリースだけを

示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェアリリースでも

サポートされます。

プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索

するには、Cisco Feature Navigatorを使用します。 Cisco Feature Navigatorにアクセスするには、www.cisco.com/go/cfnに移動します。 Cisco.comのアカウントは必要ありません。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S64

SSM マッピングSSM マッピングの機能情報

Page 73: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

表 5:SSM マッピングの機能情報

機能情報リリース機能名

この機能が導入されました。

次のコマンドが、導入または変

更されました。debug ip igmp,ip domain multicast、ip igmpssm-map enable、ip igmpssm-map query dns、ip igmpssm-map static、ip igmpstatic-group、show ip igmpgroups、show ip igmpssm-mapping

12.3(2)T

12.2(18)S

12.2(18)SXD3

12.2(27)SBC

15.0(1)S

Cisco IOS XE 3.1.0SG

Source SpecificMulticast(SSM)マッピング

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 65

SSM マッピングSSM マッピングの機能情報

Page 74: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S66

SSM マッピングSSM マッピングの機能情報

Page 75: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

第 4 章

IGMP スヌーピング

このモジュールでは、グローバルにブリッジドメインでイーサネット仮想接続(EVC)ベースの IGMPスヌーピング機能をイネーブルにし、設定する方法について説明します。

• 機能情報の確認, 67 ページ

• IGMPスヌーピングの情報, 67 ページ

• IGMPスヌーピングを設定する方法, 69 ページ

• その他の関連資料, 79 ページ

• IGMPスヌーピングの機能情報, 80 ページ

機能情報の確認ご使用のソフトウェアリリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされ

ているとは限りません。最新の機能情報および警告については、使用するプラットフォームおよ

びソフトウェアリリースの Bug Search Toolおよびリリースノートを参照してください。このモジュールに記載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリスト

を確認する場合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。

プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索

するには、Cisco Feature Navigatorを使用します。 Cisco Feature Navigatorにアクセスするには、www.cisco.com/go/cfnに移動します。 Cisco.comのアカウントは必要ありません。

IGMP スヌーピングの情報

IGMP スヌーピング通常、デバイスは受信するすべてのフレームのソースアドレスフィールド内を確認することで

MACアドレスを学習するため、マルチキャストトラフィックはフラッディングするようになり

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 67

Page 76: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

ます。マルチキャストMACアドレスは、パケットのソースアドレスとして使用されることはありません。そのようなアドレスはMACアドレステーブルには現れないので、デバイスはマルチキャストMACアドレスを学習する方法を持っていません。

マルチキャストデバイスのレイヤ 3で実行される IPマルチキャストインターネットグループ管理プロトコル(IGMP)は、マルチキャストトラフィックのルーティングが必要なサブネットでレイヤ 3 IGMPクエリーを生成します。(デバイスの)IGMPは、一般的な IGMPクエリーを定期的に送信します。

IGMPスヌーピングは、イーサネット仮想回線(EVC)ベースのフィーチャセットです。EVCはVLANの概念とブロードキャストドメインを分離します。 EVCは、プロバイダーが提供しているレイヤ2サービスの単一インスタンスのエンドツーエンド表現です。シスコEVCフレームワークでは、ブリッジドメインは、サービスインスタンスと呼ばれているレイヤ 2インターフェイス(1つまたは複数)で構成されます。サービスインスタンスは、あるデバイス上のあるポート上で EVCをインスタンス化したものです。サービスインスタンスは、設定に基づいてブリッジドメインに関連付けられます。

従来、VLANはブロードキャストドメインであり、物理ポートはアクセスポートとして VLANに割り当てられていました。トランクポートによって受信されるパケットの VLANタグと内部VLANブロードキャストドメインは同じ番号です。 EVCによって、イーサネットフローポイント(EFP)が設定され、ブロードキャストドメインと関連付けられます。VLANタグは EFPを識別するためにだけ使用され、ブロードキャストドメインの識別には使用されません。

ブリッジドメインの EVCベースの IGMPスヌーピングをイネーブルにすると、ブリッジドメインインターフェイスは、1つのレイヤ 2マルチキャストグループごとに 1つの IGMP加入要求のみを含む IGMPクエリーにレイヤ 2で応答します。各ブリッジドメインは、レイヤ 2ブロードキャストドメインを表します。ブリッジドメインインターフェイスは、IGMP加入要求を受信する各レイヤ 2マルチキャストグループのレイヤ 2転送テーブルに、サブネットごとに 1個のエントリを作成します。このマルチキャストトラフィックに関係するすべてのホストが、IGMP加入要求を送信して、転送テーブルエントリに追加されます。ブリッジドメインインターフェイ

スが属するブリッジドメインのレイヤ 2ルックアップ時に、ブリッジドメインは正しい EFPにパケットを転送します。ブリッジドメインインターフェイスがホストから IGMPグループ脱退メッセージを受信すると、ホストのテーブルエントリが削除されます。

レイヤ 2マルチキャストグループは IGMPスヌーピングを通して動的に学習されます。ただし、スタティックにレイヤ 2マルチキャストグループを設定できます。グループメンバーシップをマルチキャストグループアドレスに静的に指定すると、その静的な設定値は IGMPスヌーピングによる自動操作より優先されます。マルチキャストグループメンバーシップのリストは、ユー

ザが定義した設定値と IGMPスヌーピングによって学習された設定値の両方で構成できます。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S68

IGMP スヌーピングIGMP スヌーピング

Page 77: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

IGMP スヌーピングを設定する方法

IGMP スヌーピングのイネーブル化IGMPスヌーピングをイネーブルにする次の作業は、IGMPスヌーピングを明示的にディセーブルにした後でのみ実行します。デフォルトでは、IGMPスヌーピングはすべての既存の VLANインターフェイスおよびブリッジドメインインターフェイスでイネーブルです。

はじめる前に

インターフェイスで IGMPスヌーピングをイネーブルにするには、IPマルチキャスト用に設定する必要があります。

手順の概要

1. enable2. configure terminal3. ip igmp snooping4. bridge-domain bridge-id5. ip igmp snooping6. end

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

特権 EXECモードをイネーブルにします。enable

例:Device> enable

ステップ 1

•パスワードを入力します(要求された場合)。

グローバルコンフィギュレーションモードを開始しま

す。

configure terminal

例:Device# configure terminal

ステップ 2

ディセーブルにした後で、IGMPスヌーピングをグローバルにイネーブルにします。

ip igmp snooping

例:Device(config)# ip igmp snooping

ステップ 3

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 69

IGMP スヌーピングIGMP スヌーピングを設定する方法

Page 78: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

目的コマンドまたはアクション

(任意)ブリッジドメインコンフィギュレーションモー

ドを開始します。

bridge-domain bridge-id

例:Device(config)# bridge-domain 100

ステップ 4

(任意)設定されたブリッジドメインインターフェイ

ス上で IGMPスヌーピングをイネーブルにします。ip igmp snooping

例:Device(config-bdomain)# ip igmpsnooping

ステップ 5

•指定されたブリッジドメインで IGMPスヌーピングが明示的にディセーブルにされた場合にだけ必要

です。

特権 EXECモードに戻ります。end

例:Device(config-bdomain)# end

ステップ 6

IGMP スヌーピングのグローバルな設定IGMPスヌーピングのグローバルコンフィギュレーションを変更するには、次の作業を実行します。

はじめる前に

IGMPスヌーピングがイネーブルであること。 IGMPスヌーピングは、デフォルトでイネーブルになっています。

手順の概要

1. enable2. configure terminal3. ip igmp snooping robustness-variable variable4. ip igmp snooping tcn query solicit5. ip igmp snooping tcn flood query count count6. ip igmp snooping report-suppression7. ip igmp snooping explicit-tracking-limit limit8. ip igmp snooping last-member-query-count count9. ip igmp snooping last-member-query-interval interval10. ip igmp snooping check {ttl | rtr-alert-option}11. exit

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S70

IGMP スヌーピングIGMP スヌーピングのグローバルな設定

Page 79: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

特権 EXECモードをイネーブルにします。enable

例:Device> enable

ステップ 1

•パスワードを入力します(要求された場合)。

グローバルコンフィギュレーションモードを開始し

ます。

configure terminal

例:Device# configure terminal

ステップ 2

(任意)IGMPスヌーピングロバストネス変数を設定します。

ip igmp snooping robustness-variable variable

例:Device(config)# ip igmp snoopingrobustness-variable 3

ステップ 3

(任意)デバイスがスパニングツリールートでない

場合でも、デバイスがTCNクエリー要求を送信できるようにします。

ip igmp snooping tcn query solicit

例:Device(config)# ip igmp snooping tcn querysolicit

ステップ 4

(任意)IGMPスヌーピングの TCNフラッディングクエリーカウントを設定します。

ip igmp snooping tcn flood query count count

例:Device(config)# ip igmp snooping tcn floodquery count 4

ステップ 5

(任意)IGMPスヌーピングのレポート抑制をイネーブルにします。

ip igmp snooping report-suppression

例:Device(config)# ip igmp snoopingreport-suppression

ステップ 6

(任意)IGMPスヌーピングの明示的トラッキングデータベースのレポートの数を制限します。

ip igmp snooping explicit-tracking-limit limit

例:Device(config)# ip igmp snoopingexplicit-tracking-limit 200

ステップ 7

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 71

IGMP スヌーピングIGMP スヌーピングのグローバルな設定

Page 80: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

目的コマンドまたはアクション

(任意)インターネットグループ管理プロトコル

(IGMP)が IGMP leaveメッセージの受信に対してip igmp snooping last-member-query-count count

例:Device (config)# ip igmp snoopinglast-member-query-count 5

ステップ 8

クエリーメッセージを送信する頻度を設定します。

デフォルト値は 2ミリ秒です。

(任意)この時間内にレポートが受信されなかった

場合に、グループレコードが削除されるという値を

設定します。デフォルトは 1000ミリ秒です。

ip igmp snooping last-member-query-intervalinterval

例:Device (config)# ip igmp snoopinglast-member-query-interval 200

ステップ 9

(任意)IGMPスヌーピングチェックを実行します。ip igmp snooping check {ttl | rtr-alert-option}

例:Device (config)# ip igmp snooping check ttl

ステップ 10

グローバルコンフィギュレーションモードを終了

し、特権 EXECモードに戻ります。exit

例:Device (config)# exit

ステップ 11

ブリッジドメインインターフェイス上での IGMP スヌーピングの設定ブリッジドメインインターフェイス上で IGMPスヌーピング設定を変更するには、次の作業を実行します。

はじめる前に

•ブリッジドメインインターフェイスが作成されている必要があります。『Cisco ASR 1000Series Aggregation Services Routers Software Configuration Guide』の「Configuring Bridge DomainInterfaces」の項を参照してください。

• IGMPスヌーピングが、設定するインターフェイスでイネーブルになっている必要があります。 IGMPスヌーピングは、デフォルトでイネーブルになっています。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S72

IGMP スヌーピングブリッジドメインインターフェイス上での IGMP スヌーピングの設定

Page 81: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

手順の概要

1. enable2. configure terminal3. bridge-domain bridge-id4. ip igmp snooping immediate-leave5. ip igmp snooping robustness-variable variable6. ip igmp snooping report-suppression7. ip igmp snooping explicit-tracking8. ip igmp snooping explicit-tracking-limit limit9. ip igmp snooping last-member-query-count count10. ip igmp snooping last-member-query-interval interval11. ip igmp snooping access-group {acl-number | acl-name}12. ip igmp snooping limit num [except {acl-number | acl-name}]13. ip igmp snooping minimum-version {2 | 3}14. ip igmp snooping check {ttl | rtr-alert-option}15. ip igmp snooping static source source-address interface port-type port-number16. end

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

特権 EXECモードをイネーブルにします。enable

例:Device> enable

ステップ 1

•パスワードを入力します(要求された場合)。

グローバルコンフィギュレーションモードを開始

します。

configure terminal

例:Device# configure terminal

ステップ 2

ブリッジドメインコンフィギュレーションモード

を開始します。

bridge-domain bridge-id

例:Device(config)# bridge-domain 100

ステップ 3

(任意)IGMPv2即時脱退処理をイネーブルにします。

ip igmp snooping immediate-leave

例:Device(config-bdomain)# ip igmp snoopingimmediate-leave

ステップ 4

即時脱退処理とクエリーカウントの両方

を設定した場合は、高速脱退処理が優先

されます。

(注)

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 73

IGMP スヌーピングブリッジドメインインターフェイス上での IGMP スヌーピングの設定

Page 82: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

目的コマンドまたはアクション

(任意)IGMPスヌーピングロバストネス変数を設定します。デフォルトは 2です。

ip igmp snooping robustness-variable variable

例:Device(config-bdomain)# ip igmp snoopingrobustness-variable 3

ステップ 5

(任意)ブリッジドメインインターフェイス上で、

すべてのホストに対してレポート抑制をイネーブル

にします。

ip igmp snooping report-suppression

例:Device(config-bdomain)# ip igmp snoopingreport-suppression

ステップ 6

(任意)IGMPスヌーピングの明示的トラッキングをイネーブルにします。明示的トラッキングはデ

フォルトでイネーブルになっています。

ip igmp snooping explicit-tracking

例:Device(config-bdomain)# ip igmp snoopingexplicit-tracking

ステップ 7

(任意)IGMPスヌーピングの明示的トラッキングデータベースのレポートの数を制限します。

ip igmp snooping explicit-tracking-limit limit

例:Device(config-bdomain)# ip igmp snoopingexplicit-tracking-limit 200

ステップ 8

(任意)IGMP leaveメッセージの受信に対して送信されるスヌーピングクエリーメッセージの間隔

を設定します。デフォルト値は 2ミリ秒です。

ip igmp snooping last-member-query-count count

例:Device(config-bdomain)# ip igmp snoopinglast-member-query-count 5

ステップ 9

即時脱退処理とクエリーカウントの両方

を設定した場合は、高速脱退処理が優先

されます。

(注)

(任意)この時間内にレポートが受信されなかった

場合に、グループレコードが削除されるという値

を設定します。デフォルトは 1000ミリ秒です。

ip igmp snooping last-member-query-intervalinterval

例:Device(config-bdomain)# ip igmp snoopinglast-member-query-interval 2000

ステップ 10

ブリッジドメインでACLベースのフィルタリングを設定します。

ip igmp snooping access-group {acl-number |acl-name}

例:Device(config-bdomain)# ip igmp snoopingaccess-group 1300

ステップ 11

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S74

IGMP スヌーピングブリッジドメインインターフェイス上での IGMP スヌーピングの設定

Page 83: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

目的コマンドまたはアクション

(任意)ブリッジドメインで許可されるグループ

またはチャネルの数を制限します。

ip igmp snooping limit num [except {acl-number |acl-name}]

例:Device(config-bdomain)# ip igmp snooping 4400except test1

ステップ 12

(任意)IGMPプロトコルフィルタリングを設定します。

ip igmp snooping minimum-version {2 | 3}

例:Device(config-bdomain)# ip igmp snoopingminimum-version 2

ステップ 13

(任意)IGMPスヌーピングチェックを実行します。

ip igmp snooping check {ttl | rtr-alert-option}

例:Device(config-bdomain)# ip igmp snoopingcheck ttl

ステップ 14

(任意)レイヤ 2 LANポートにホストを静的に設定します。

ip igmp snooping static source source-addressinterface port-type port-number

例:Device(config-bdomain)# ip igmp snoopingstatic source 192.0.2.1 interface

ステップ 15

gigbitethernet 1/1/1

特権 EXECモードに戻ります。end

例:Device(config-bdomain)# end

ステップ 16

EFP の設定EFPで IGMPスヌーピング機能を設定するには、この作業を実行します。

はじめる前に

EFPおよびブリッジドメインはあらかじめ設定しておく必要があります。レイヤ 2ポートでサービスインスタンスを設定すると、イーサネット仮想接続(EVC)機能を設定する疑似ポートまたはイーサネットフローポイント(EFP)が作成されます。設定の詳細については、『Carrier

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 75

IGMP スヌーピングEFP の設定

Page 84: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

Ethernet Configuration Guide』「Configuring Ethernet Virtual Connections on the Cisco ASR 1000 Router」の項を参照してください。

手順の概要

1. enable2. configure terminal3. router-guard ip multicast efps4. interface type number5. service instance id ethernet6. router-guard multicast7. ip igmp snooping tcn flood8. ip igmp snooping access-group {acl-number | acl-name}9. ip igmp snooping limit num [except {acl-number | acl-name}]10. end

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

特権 EXECモードをイネーブルにします。enable

例:Device> enable

ステップ 1

•パスワードを入力します(要求された場合)。

グローバルコンフィギュレーションモードを開

始します。

configure terminal

例:Device# configure terminal

ステップ 2

(任意)すべての EFPに対するルータガードをイネーブルにします。

router-guard ip multicast efps

例:Device(config)# router-guard ip multicastefps

ステップ 3

(任意)設定するブリッジドメインインターフェ

イスを指定します。

interface type number

例:Device(config)# interface BDI100

ステップ 4

(任意)EFPを設定するイーサネットサービスコンフィギュレーションモードを開始します。

service instance id ethernet

例:Device(config-if)# service instance 333ethernet

ステップ 5

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S76

IGMP スヌーピングEFP の設定

Page 85: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

目的コマンドまたはアクション

(任意)EFPでルータガードを設定します。router-guard multicast

例:Device(config-if-srv)# router-guard multicast

ステップ 6

(任意)EFPで TCNフラッディングをディセーブルにします。 TCNフラッディングはデフォルトでイネーブルです。

ip igmp snooping tcn flood

例:Device(config-if-srv)# no ip igmp snoopingtcn flood

ステップ 7

(任意)EFPで ACLベースのフィルタリングを設定します。

ip igmp snooping access-group {acl-number |acl-name}

例:Device(config-if-srv)# ip igmp snoopingaccess-group 44

ステップ 8

(任意)EFPで許可される IGMPグループまたはチャネルの数を制限します。

ip igmp snooping limit num [except {acl-number |acl-name}]

例:Device(config-if-srv)# ip igmp snooping limit1300 except test1

ステップ 9

特権 EXECモードに戻ります。end

例:Device(config-if-srv)# end

ステップ 10

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 77

IGMP スヌーピングEFP の設定

Page 86: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

IGMP スヌーピングの確認

手順の概要

1. enable2. show igmp snooping [count [bd bd-id]]3. show igmp snooping groups bd bd-id [count | ip-address [verbose] [hosts | sources | summary]]4. show igmp snooping membership bd bd-id5. show igmp snooping mrouter [bd bd-id]6. show igmp snooping counters [bd bd-id]

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

特権 EXECモードをイネーブルにします。enable

例:Device> enable

ステップ 1

•パスワードを入力します(要求された場合)。

グローバル、またはブリッジドメインごとの

IGMPスヌーピングの設定を表示します。show igmp snooping [count [bd bd-id]]

例:Device(config)# show igmp snooping

ステップ 2

ブリッジドメインごとにグループのスヌーピン

グ情報を表示します。

show igmp snooping groups bd bd-id [count |ip-address [verbose] [hosts | sources | summary]]

例:Device(config)# show igmp snooping groups bd100

ステップ 3

IGMPv3ホストメンバーシップ情報を表示します。

show igmp snooping membership bd bd-id

例:Device(config)# show igmp snooping membershipbd 100

ステップ 4

グローバル、またはブリッジドメインごとにマ

ルチキャストポートを表示します。

show igmp snooping mrouter [bd bd-id]

例:Device(config)# show igmp snooping mrouter

ステップ 5

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S78

IGMP スヌーピングIGMP スヌーピングの確認

Page 87: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

目的コマンドまたはアクション

グローバル、またはブリッジドメインごとに

IGMPスヌーピングカウンタを表示します。show igmp snooping counters [bd bd-id]

例:Device(config)# show snooping counters

ステップ 6

その他の関連資料

関連資料

マニュアルタイトル関連項目

『Cisco IOS Master CommandsList, All Releases』

Cisco IOSコマンド

『Cisco IOS IP MulticastCommand Reference』

IPマルチキャストコマンド

『Cisco ASR 1000 SeriesAggregation Services RoutersConfiguration Guides』

ASR 1000シリーズルータの設定

シスコのテクニカルサポート

リンク説明

http://www.cisco.com/cisco/web/support/index.htmlシスコのサポートおよびドキュメンテーション

Webサイトでは、ダウンロード可能なマニュアル、ソフトウェア、ツールなどのオンラインリ

ソースを提供しています。これらのリソース

は、ソフトウェアをインストールして設定した

り、シスコの製品やテクノロジーに関する技術

的問題を解決したりするために使用してくださ

い。このWebサイト上のツールにアクセスする際は、Cisco.comのログイン IDおよびパスワードが必要です。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 79

IGMP スヌーピングその他の関連資料

Page 88: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

IGMP スヌーピングの機能情報次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。この表は、ソフト

ウェアリリーストレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェアリリースだけを

示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェアリリースでも

サポートされます。

プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索

するには、Cisco Feature Navigatorを使用します。 Cisco Feature Navigatorにアクセスするには、www.cisco.com/go/cfnに移動します。 Cisco.comのアカウントは必要ありません。

表 6:IGMP スヌーピング設定の機能情報

機能情報リリース機能名

IGMPスヌーピングは、イーサネット仮想接続(EVC)インフラストラクチャに基づいた、IPマルチキャスト抑制メカニズム

です。 IGMPスヌーピングは、ホストとルータ間で送信される

IGMPパケットのレイヤ 3情報(IGMP Join/Leaveメッセージ)を検査します。

次のコマンドが導入または変更

されました。ip igmpsnooping、ip igmp snooping check、 ipigmp snooping explicit-track inglimit、ip igmp snoopingimmediate leave、ip igmpsnooping last-member-querycount、ip igmp snoopinglast-member-query interval、ipigmp snoopingreport-suppression、ip igmpsnooping robustness-variable、ip igmp snooping static、ip igmpsnooping tcn flood (if-srv)、ipigmp snooping tcn flood query、ip igmp snooping tcn flood querysolicit、router guard ipmulticastefps

Cisco IOS XE Release 3.5S

15.2(4)SIGMPスヌーピング

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S80

IGMP スヌーピングIGMP スヌーピングの機能情報

Page 89: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

第 5 章

スイッチドイーサネットネットワークでの

IP マルチキャストの抑制

このモジュールでは、スイッチドイーサネットネットワークで Cisco Group Management Protocol(CGMP)を使用して、レイヤ 2スイッチポートに対するマルチキャストトラフィックを制御するための、および Router-Port Group Management Protocol(RGMP)を使用して、デバイスのみのネットワークセグメントで IPマルチキャストトラフィックを抑制するための、デバイスの設定方法について説明します。

レイヤ 2スイッチのデフォルト動作では、スイッチ上の宛先 LANに属する各ポートに、すべてのマルチキャストトラフィックが転送されます。この動作では、スイッチの効率が低下します。

その目的は、データを受信する必要があるポートへのトラフィックを制限することです。この

動作では、不要なマルチキャストトラフィックを減らす抑制メカニズムが必要です。これによっ

て、スイッチのパフォーマンスが改善されます。

• 機能情報の確認, 81 ページ

• スイッチドイーサネットネットワークで IPマルチキャストを抑制するための前提条件, 82ページ

• スイッチドイーサネットネットワークでの IPマルチキャストについての情報, 82 ページ

• スイッチドイーサネットネットワークでマルチキャストを抑制する例, 84 ページ

• スイッチドイーサネットネットワークで IPマルチキャストを抑制する設定例, 88 ページ

• その他の関連資料, 88 ページ

• スイッチドイーサネットネットワークで IPマルチキャストを抑制する機能に関する情報,89 ページ

機能情報の確認ご使用のソフトウェアリリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされ

ているとは限りません。最新の機能情報および警告については、使用するプラットフォームおよ

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 81

Page 90: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

びソフトウェアリリースの Bug Search Toolおよびリリースノートを参照してください。このモジュールに記載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリスト

を確認する場合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。

プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索

するには、Cisco Feature Navigatorを使用します。 Cisco Feature Navigatorにアクセスするには、www.cisco.com/go/cfnに移動します。 Cisco.comのアカウントは必要ありません。

スイッチドイーサネットネットワークで IP マルチキャストを抑制するための前提条件

このモジュールの作業を実行する前に、「IP Multicast Technology Overview」モジュールで説明している概念をよく理解しておく必要があります。

スイッチドイーサネットネットワークでの IP マルチキャストについての情報

IP マルチキャストトラフィックとレイヤ 2 スイッチレイヤ 2スイッチのデフォルト動作では、スイッチ上の宛先LANに属する各ポートに、すべてのマルチキャストトラフィックが転送されます。この動作では、スイッチの効率が低下します。そ

の目的は、データを受信する必要があるポートへのトラフィックを制限することです。この動作

では、不要なマルチキャストトラフィックを減らす抑制メカニズムが必要です。これによって、

スイッチのパフォーマンスが改善されます。

Cisco GroupManagement Protocol(CGMP)、Router GroupManagement Protocol(RGMP)、およびIGMPスヌーピングは、レイヤ 2スイッチング環境で IPマルチキャストを効果的に抑制します。

• CGMPおよび IGMPスヌーピングは、エンドユーザまたはレシーバクライアントが含まれているサブネットで使用されます。

• RGMPは、コラプストバックボーンなどのルータのみに含まれているルーティング対象セグメントで使用されます。

• RGMPと CGMPは相互運用できません。ただし、インターネットグループ管理プロトコル(IGMP)は、CGMPおよび RGMPスヌーピングと相互運用できます。

IP マルチキャスト用の Catalyst スイッチの CGMPCGMPは、IGMPによって実行される作業と同様の作業を実行するために、Catalystスイッチに接続されたデバイスで使用される、シスコが開発したプロトコルです。 IPマルチキャストデータ

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S82

スイッチドイーサネットネットワークでの IP マルチキャストの抑制スイッチドイーサネットネットワークで IP マルチキャストを抑制するための前提条件

Page 91: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

パケットと IGMPレポートメッセージ(いずれもMACレベルで同じグループアドレスにアドレス指定されます)を区別しない Catalystスイッチの場合、CGMPが必要になります。スイッチはIGMPパケットを区別できますが、スイッチ上でソフトウェアを使用する必要があり、これがパフォーマンスに大きな影響を与えます。

マルチキャストデバイスとレイヤ 2スイッチで CGMPを設定する必要があります。結果的にCGMPでは、該当するレシーバに接続されている Catalystスイッチのポートにだけ IPマルチキャストトラフィックが提供されます。トラフィックを明示的に要求していない他のすべてのポート

は、これらのポートがマルチキャストルータに接続されていない限り、トラフィックを受信しま

せん。マルチキャストルータポートは、すべての IPマルチキャストデータパケットを受信する必要があります。

マルチキャストグループに加入するとき、ホストは CGMPを使用して、送信要求されなくてもターゲットグループへの IGMPメンバーシップレポートメッセージをマルチキャストします。通常の IGMP処理では、IGMPレポートが、スイッチを介してルータに渡されます。ルータ(このインターフェイス上で CGMPがイネーブルにされている必要がある)では、IGMPレポートを受信し、通常どおりに処理されますが、CGMP Joinメッセージも作成され、スイッチに送信されます。 Joinメッセージには、エンドステーションのMACアドレスと加入したグループのMACアドレスが含まれます。

スイッチは、CGMP Joinメッセージを受信し、そのマルチキャストグループ用の連想メモリ(CAM)テーブルにポートを追加します。以後、このマルチキャストグループに対するすべての後続のトラフィックは、そのホストのポートに転送されます。

レイヤ 2スイッチは、いくつかの宛先MACアドレスを 1つの物理ポートに割り当てることができるよう、設計されています。この設計により、スイッチを階層構造で接続できるようになりま

す。また、多数のマルチキャスト宛先アドレスを単一ポートに転送できます。

デバイスポートは、マルチキャストグループのエントリにも追加されます。 IGMPコントロールメッセージもマルチキャストトラフィックとして送信されるため、マルチキャストデバイスは、

各グループに対するすべてのマルチキャストトラフィックをリッスンします。その他のマルチ

キャストトラフィックは、CGMPで作成された新しいエントリを含む CAMテーブルを使用して転送されます。

IGMP スヌーピングIGMPスヌーピングは、レイヤ 2 LANスイッチで実行される IPマルチキャスト抑制メカニズムです。 IGMPスヌーピングでは、ホストとルータとの間で送信される IGMPパケットで、一部のレイヤ 3情報(IGMP Join/Leaveメッセージ)を調査、すなわち「スヌープ」します。スイッチでは、特定のマルチキャストグループに対するホストから IGMPホストレポートを受信するときに、関連付けられているマルチキャストテーブルエントリにホストのポート番号が追加されま

す。スイッチがホストから IGMPグループ脱退メッセージを受信すると、スイッチはホストのテーブルエントリを削除します。

IGMP制御メッセージはマルチキャストパケットとして送信されるので、レイヤ2ではマルチキャストデータと区別できません。 IGMPスヌーピングを実行しているスイッチでは、各マルチキャストデータパケットを検査し、永続的な IGMPコントロール情報が含まれているかどうかを特定できます。低速の CPUを搭載したローエンドのスイッチに IGMPスヌーピングを実装すると、

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 83

スイッチドイーサネットネットワークでの IP マルチキャストの抑制IGMP スヌーピング

Page 92: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

データが高速で送信される場合に、パフォーマンスに重大な影響を与える可能性があります。解

決策として、ハードウェアで IGMPチェックを実行できる特別なASIC(特定用途向け集積回路)を備えたハイエンドのスイッチに IGMPスヌーピングを実装します。 CGMPは特別なハードウェアを使用しない、ローエンドのスイッチのための新しいオプションです。

Router-Port Group Management Protocol(RGMP)CGMPおよび IGMPスヌーピングは、アクティブなレシーバがあるルーティング対象ネットワークセグメントで動作するように設計されている、IPマルチキャスト抑制メカニズムです。両方とも、ホストとルータとの間で送信される IGMPコントロールメッセージに依存して、該当する受信先に接続されているスイッチポートが特定されます。

スイッチドイーサネットバックボーンネットワークセグメントは、通常、そのセグメント上に

ホストなしでスイッチに接続されているいくつかのルータで構成されています。ルータでは IGMPホストレポートが生成されないため、CGMPおよび IGMPスヌーピングによって、マルチキャストトラフィックを抑制することができず、VLAN上の各ポートにフラッディングされます。ルータでは、代わりに、Protocol Independent Multicast(PIM)メッセージが生成され、レイヤ 3レベルで、マルチキャストトラフィックフローに加入またはマルチキャストトラフィックフローがプ

ルーニングされます。

Router-Port Group Management Protocol(RGMP)は、ルータのみのネットワークセグメントに対する、IPマルチキャスト抑制メカニズムです。RGMPは、ルータ上およびレイヤ 2スイッチ上でイネーブルにする必要があります。マルチキャストルータは、特定のグループにRGMPJoinメッセージを送信することによって、データフローを受信したいことを示します。次に、CGMP Joinメッセージの処理方法と同様に、スイッチによって、そのマルチキャストグループに対する転送

テーブルに、適切なポートが追加されます。 IPマルチキャストデータフローは、関連するルータポートにのみ転送されます。ルータがそのデータフローを必要としなくなった場合、RGMPLeaveメッセージを送信し、スイッチは転送エントリを削除します。

RGMP対応されていないルータがある場合は、すべてのマルチキャストデータを受信し続けます。

スイッチドイーサネットネットワークでマルチキャスト

を抑制する例

IP マルチキャスト用のスイッチの設定マルチキャストネットワークにスイッチングがある場合、IPマルチキャストの設定方法の詳細について、使用しているスイッチのマニュアルを参照してください。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S84

スイッチドイーサネットネットワークでの IP マルチキャストの抑制Router-Port Group Management Protocol(RGMP)

Page 93: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

IGMP スヌーピングの設定ルータでの設定は必要ありません。 IGMPスヌーピングをイネーブルにする方法について、使用しているスイッチのマニュアルを参照し、指示に従ってください。

CGMP のイネーブル化CGMPは、IGMPによって実行される作業と同様の作業を実行するために、Catalystスイッチに接続されたデバイス上で使用されるプロトコルです。 CGMPが必要となるのは、Catalystスイッチで IPマルチキャストデータパケットと IGMPレポートメッセージを区別できないためです。これらはともにMACレベルで、同じグループアドレスにアドレス指定されます。

(注) • CGMPは802またはATMメディア、またはATM経由のLANエミュレーション(LANE)でのみイネーブルにする必要があります。

• CGMPは、Catalystスイッチに接続されているデバイス上でのみ、イネーブルにする必要があります。

手順の概要

1. enable2. configure terminal3. interface type number4. ip cgmp [proxy | router-only]5. end6. clear ip cgmp [interface-type interface-number]

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

特権 EXECモードをイネーブルにします。enable

例:

Device> enable

ステップ 1

•パスワードを入力します(要求された場合)。

グローバルコンフィギュレーションモードを開始します。configure terminal

例:

Device# configure terminal

ステップ 2

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 85

スイッチドイーサネットネットワークでの IP マルチキャストの抑制IGMP スヌーピングの設定

Page 94: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

目的コマンドまたはアクション

IGMPv3をイネーブルにできるホストに接続されているインターフェイスを選択します。

interface type number

例:

Device(config)# interfaceethernet 1

ステップ 3

Cisco Catalyst 5000ファミリスイッチに接続されているデバイスのインターフェイス上で CGMPをイネーブルにします。

ip cgmp [proxy | router-only]

例:

Device(config-if)# ip cgmp proxy

ステップ 4

• proxyキーワードは、CGMPプロキシ機能をイネーブルにします。イネーブルにすると、CGMP対応でないデバイスがプロキシルータによってアドバタイズされます。プロキ

シルータでは、非 CGMP対応デバイスのMACアドレスおよびグループアドレス 0000.0000.0000が使用されているCGMP Joinメッセージを送信することによって、他の非CGMP対応デバイスの存在がアドバタイズされます。

現在のコンフィギュレーションセッションを終了して、EXECモードに戻ります。

end

例:

Device(config-if)# end

ステップ 5

(任意)Catalystスイッチのキャッシュからすべてのグループエントリをクリアします。

clear ip cgmp [interface-typeinterface-number]

例:

Device# clear ip cgmp

ステップ 6

レイヤ 2 スイッチドイーサネットネットワークでの IP マルチキャストの設定

RGMPを使用してレイヤ 2スイッチドイーサネットネットワークで IPマルチキャストを設定するには、この作業を実行します。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S86

スイッチドイーサネットネットワークでの IP マルチキャストの抑制レイヤ 2 スイッチドイーサネットネットワークでの IP マルチキャストの設定

Page 95: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

手順の概要

1. enable2. configure terminal3. interface type number4. ip rgmp5. end6. debug ip rgmp7. show ip igmp interface

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

特権 EXECモードをイネーブルにします。enable

例:

Device> enable

ステップ 1

•パスワードを入力します(要求された場合)。

グローバルコンフィギュレーションモードを開始します。configure terminal

例:

Device# configure terminal

ステップ 2

ホストに接続されているインターフェイスを選択します。interface type number

例:

Device(config)# interface ethernet1

ステップ 3

イーサネットインターフェイス、ファストイーサネット

インターフェイス、およびギガビットイーサネットイン

ターフェイスで、RGMPをイネーブルにします。

ip rgmp

例:

Device(config-if)# ip rgmp

ステップ 4

現在のコンフィギュレーションセッションを終了して、

EXECモードに戻ります。end

例:

Device(config-if)# end

ステップ 5

(任意)RGMP対応デバイスによって送信されたデバッグメッセージを記録します。

debug ip rgmp

例:

Device# debug ip rgmp

ステップ 6

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 87

スイッチドイーサネットネットワークでの IP マルチキャストの抑制レイヤ 2 スイッチドイーサネットネットワークでの IP マルチキャストの設定

Page 96: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

目的コマンドまたはアクション

(任意)インターフェイスに関するマルチキャスト関連情

報を表示します。

show ip igmp interface

例:

Device# show ip igmp interface

ステップ 7

スイッチドイーサネットネットワークで IP マルチキャストを抑制する設定例

例:CGMP の設定次の例は、マルチキャストソースとマルチキャストレシーバが同じ VLANにある基本的なネットワーク環境向けです。目的とする動作は、スイッチ上でのマルチキャストの転送を、そのマル

チキャストストリームを要求しているポート宛てに限定することです。

4908G-L3ルータは、VLAN 50のポート 3/1で Catalyst 4003に接続されます。次の設定は、GigabitEthernet1インターフェイスに適用されます。ルータがインターフェイスでマルチキャストトラフィックをルーティングしないため、ip multicast-routingコマンドが設定されないことに注意してください。

interface GigabitEthernet1ip address 192.168.50.11 255.255.255.0ip pim dense-modeip cgmp

RGMP の設定例次に、ルータ上で RGMPを設定する方法の例を示します。

ip multicast-routingip pim sparse-modeinterface ethernet 0ip rgmp

その他の関連資料ここでは、スイッチドイーサネットネットワークでの IPマルチキャストの抑制に関連する参考資料を示します。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S88

スイッチドイーサネットネットワークでの IP マルチキャストの抑制スイッチドイーサネットネットワークで IP マルチキャストを抑制する設定例

Page 97: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

関連資料

マニュアルタイトル関連項目

『Cisco IOSMaster Commands List, All Releases』Cisco IOSコマンド

『Cisco IOS IP Multicast Command Reference』Cisco IOS IP SLAコマンド

『IP Multicast: IGMP Configuration Guide』の「IGMP Snooping」モジュール

IGMPスヌーピング

『IP Multicast: IGMP Configuration Guide』の「Configuring Router-Port Group ManagementProtocol」モジュール

RGMP

MIB

MIB のリンクMIB

選択したプラットフォーム、Cisco IOSリリース、およびフィーチャセットに関するMIBを探してダウンロードするには、次の URLにある Cisco MIB Locatorを使用します。

http://www.cisco.com/go/mibs

なし

シスコのテクニカルサポート

リンク説明

http://www.cisco.com/public/support/tac/home.shtmlTACのホームページでは、製品、テクノロジー、ソリューション、技術的なヒント、およ

びツールへのリンクなどの、3万ページに及ぶ技術情報が検索可能です。 Cisco.comに登録済みのユーザは、このページから詳細情報にアク

セスできます。

スイッチドイーサネットネットワークで IP マルチキャストを抑制する機能に関する情報

次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。この表は、ソフト

ウェアリリーストレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェアリリースだけを

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 89

スイッチドイーサネットネットワークでの IP マルチキャストの抑制スイッチドイーサネットネットワークで IP マルチキャストを抑制する機能に関する情報

Page 98: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェアリリースでも

サポートされます。

プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索

するには、Cisco Feature Navigatorを使用します。 Cisco Feature Navigatorにアクセスするには、www.cisco.com/go/cfnに移動します。 Cisco.comのアカウントは必要ありません。

表 7:スイッチドイーサネットネットワークで IP マルチキャストを抑制する機能に関する情報

機能の設定情報リリース機能名

Cisco IOSソフトウェアの機能サポートに関する情報について

は、Cisco Feature Navigatorを使用してください。

--Cisco IOS

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S90

スイッチドイーサネットネットワークでの IP マルチキャストの抑制スイッチドイーサネットネットワークで IP マルチキャストを抑制する機能に関する情報

Page 99: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

第 6 章

Router-Port Group Management Protocol(RGMP)の設定

Router-Port GroupManagement Protocol(RGMP)は、スイッチドネットワークで IPマルチキャストを制限するシスコのプロトコルです。 RGMPは、ルータがスイッチ(またはレイヤ 2スイッチとして動作しているネットワーキングデバイス)に対して、そのルータがトラフィックを受

信または転送するマルチキャストグループを伝送できるようにする、レイヤ2プロトコルです。RGMPは、RGMP対応ルータのインターフェイスに接続されている、RGMP対応スイッチのポートで、マルチキャストトラフィックを制限します。

• 機能情報の確認, 91 ページ

• RGMPの前提条件, 92 ページ

• RGMPについて, 92 ページ

• RGMPの設定方法, 96 ページ

• RGMPの設定例, 99 ページ

• その他の関連資料, 100 ページ

• Router-Port Group Management Protocol(RGMP)の機能情報, 102 ページ

機能情報の確認ご使用のソフトウェアリリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされ

ているとは限りません。最新の機能情報および警告については、使用するプラットフォームおよ

びソフトウェアリリースの Bug Search Toolおよびリリースノートを参照してください。このモジュールに記載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリスト

を確認する場合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。

プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索

するには、Cisco Feature Navigatorを使用します。 Cisco Feature Navigatorにアクセスするには、www.cisco.com/go/cfnに移動します。 Cisco.comのアカウントは必要ありません。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 91

Page 100: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

RGMP の前提条件RGMPをイネーブルにする前に、次の機能がルータでイネーブルになっていることを確認してください。

• IPルーティング

• IPマルチキャスト

•スパースモード、スパース-デンスモード、SourceSpecificMode、または双方向モードのPIM

ルータが双方向グループに含まれている場合、指定フォワーダ(DF)として動作しないインターフェイス上でだけ RGMPをイネーブルにしてください。 DFとして動作するインターフェイス上で RGMPをイネーブルにすると、インターフェイスはランデブーポイント(RP)に双方向共有ツリーの上に向かうマルチキャストパケットを転送しません。

スイッチで、次の機能をイネーブルにしておく必要があります。

• IPマルチキャスト

• IGMPスヌーピング

RGMPスイッチ設定作業とコマンド情報については、Catalystスイッチのソフトウェアマニュアルを参照してください。

(注)

RGMP について

IP マルチキャストルーティングの概要ソフトウェアでは、IPマルチキャストルーティングを実装するため、次のプロトコルがサポートされています。

•インターネットグループ管理プロトコル(IGMP)は、ホストがメンバになっているマルチキャストグループを追跡するためにLAN上のホストとLAN上のルータ間で使用されます。

•プロトコル独立マルチキャスト(PIM)は、相互に転送されるマルチキャストパケット、および直接接続されている LANに転送されるマルチキャストパケットを追跡するためにルータ間で使用されます。

• Ciscoグループ管理プロトコル(CGMP)は、IGMPによって実行される作業と同様の作業を実行するために、Catalystスイッチに接続されたルータ上で使用されるプロトコルです。

• RGMPは、IPマルチキャストトラフィックを制限するために、Catalystスイッチまたはレイヤ 2スイッチとして機能するネットワーキングデバイスに接続されたルータ上で使用される

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S92

Router-Port Group Management Protocol(RGMP)の設定RGMP の前提条件

Page 101: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

プロトコルです。具体的には、ルータがスイッチに対して、そのルータがトラフィックを受

信または転送する IPマルチキャストグループを伝達できるようにします。

次の図に、これらのプロトコルが IPマルチキャスト環境内のどの部分で動作するかを示します。

図 2:IP マルチキャストルーティングプロトコル

CGMPと RGMPは、同じスイッチドネットワークで相互運用できません。 RGMPがスイッチまたはルータインターフェイスでイネーブルになると、CGMPはそのスイッチまたはルータインターフェイスで自動的にディセーブルになります。CGMPがスイッチまたはルータインターフェイスでイネーブルになると、RGMPがそのスイッチまたはルータインターフェイスで自動的にディセーブルになります。

(注)

RGMP の概要RGMPは、ルータがスイッチに対して、そのルータがトラフィックを受信または転送する IPマルチキャストグループを伝達できるようにします。 RGMPは、PIMスパースモード(PIM-SM)またはスパース-デンスモードで稼働するスイッチドイーサネットバックボーンネットワーク向けに設計されています。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 93

Router-Port Group Management Protocol(RGMP)の設定RGMP の概要

Page 102: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

スイッチドネットワークの RGMP対応スイッチおよびルータのインターフェイスは、マルチキャストトラフィックを受信する、直接接続されたマルチキャスト対応ホストをサポートし

ます。スイッチドネットワークの RGMP対応スイッチおよびルータのインターフェイスは、マルチキャストトラフィックを送信する、直接接続されたマルチキャスト対応ホストをサポー

トしません。マルチキャスト対応ホストには、PC、ワークステーション、またはルータで動作するマルチキャストアプリケーションなどがあります。

(注)

図は、スパースモードの PIM、RGMPおよび IGMPスヌーピングを実行するスイッチドイーサネットバックボーンネットワークを示します。

図 3:スイッチドネットワークの RGMP

この図では、2個の異なるマルチキャストグループ(グループ Aのソースとグループ Bのソース)が、同じスイッチドネットワークにトラフィックを送信します。RGMPがない場合、ソースAからのトラフィックが、スイッチ Aからスイッチ Bに、次にルータ Bとルータ Dに、不必要にフラッディングされます。また、ソースBからのトラフィックが、スイッチBからスイッチAに、次にルータAとルータCに、不必要にフラッディングされます。このネットワークのすべてのルータおよびスイッチでRGMPがイネーブルの場合、ソースAからのトラフィックはルータBおよびルータ Dにはフラッディングされません。また、ソース BからのトラフィックはルータAとルータ Cにフラッディングされません。どちらのソースからのトラフィックも、スイッチ AとスイッチBの間のリンクにフラッディングされます。RGMPによって、接続されているルータがある、他のRGMP対応スイッチへのリンクでのトラフィックは、制限されないため、このリンクを介したフラッディングは、発生し続けます。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S94

Router-Port Group Management Protocol(RGMP)の設定RGMP の概要

Page 103: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

スイッチドネットワークで不要なマルチキャストトラフィックを制限することによって、RGMPでは、ネットワークの他のすべてのマルチキャストトラフィックで使用可能な帯域幅が増え、

ルータの処理リソースが節約されます。

次の図に、RGMP対応ルータと RGMP対応スイッチの間で送信される RGMPメッセージを示します。

図 4:RGMP メッセージ

ルータはスイッチに、PIM hello(または、PIMバージョン 1が設定されている場合は PIMクエリーメッセージ)と RGMP helloメッセージを同時に送信します。 PIM helloメッセージは、隣接する PIMルータを探すために使用されます。 RGMP helloメッセージは、スイッチが RGMP helloメッセージを受信したインターフェイスで、すべてのマルチキャストトラフィックを制限するよ

うに、スイッチに指示します。

RGMPメッセージは、ルータからスイッチに IPマルチキャストトラフィックを送信するためにインターネット割り当て番号局(IANA)によって予約されているローカルリンクマルチキャストアドレスである、マルチキャストアドレス224.0.0.25に送信されます。RGMPがルータとスイッチの両方でイネーブルになっていない場合、スイッチは自動的に、PIMハローメッセージを受信したインターフェイスからすべてのマルチキャストトラフィックを転送します。

(注)

ルータが特定のマルチキャストグループのトラフィックを受信する場合は、スイッチに RGMPjoin <G>メッセージを送信します(Gはマルチキャストグループアドレス)。 RGMP joinメッセージは、グループ <G>のマルチキャストトラフィックを、RGMP helloメッセージを受信したインターフェイスから転送するように、スイッチに指示します。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 95

Router-Port Group Management Protocol(RGMP)の設定RGMP の概要

Page 104: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

ルータによって、マルチキャストグループに対するトラフィックがスイッチドネットワーク

に転送されるのみの場合でも、ルータによって、マルチキャストグループに対するRGMPjoin<G>メッセージがスイッチに送信されます。特定のマルチキャストグループに加入することによって、ルータでは、別のルータによって、マルチキャストグループに対するトラフィッ

クが同じスイッチドネットワークにも転送されるかどうかを特定できます。 2台のルータが同じスイッチドネットワークに特定のマルチキャストグループ宛てのトラフィックを転送す

ると、この2台のルータはPIMアサートメカニズムを使用して、どちらのルータがネットワークへのマルチキャストトラフィックの転送を継続するかを決定します。

(注)

ルータが特定のマルチキャストグループのトラフィックの受信を停止する場合は、スイッチに

RGMP leave <G>メッセージを送信します。 RGMP leaveメッセージによって、PIM helloメッセージと RGMP helloメッセージを受信したスイッチからのポートでマルチキャストトラフィックの転送を停止するよう、スイッチに指示が出されます。

RGMP対応ルータは、ルータが特定のマルチキャストグループのどのソースからもトラフィックを受信または転送しなくなるまで、RGMP leave <G>メッセージを送信できません(複数のソースが特定のマルチキャストグループに存在する場合)。

(注)

ルータはルータ上で RGMPがディセーブルにされると、スイッチに RGMP byeメッセージを送信します。スイッチのポート上で PIM helloメッセージを受信し続ける限り、RGMP byeメッセージによって、PIM helloメッセージと RGMP helloメッセージを受信したスイッチからのポート上のすべての IPマルチキャストトラフィックをルータに転送するよう、スイッチに指示が出されます。

RGMP の設定方法

RGMP のイネーブル化RGMPをイネーブルにするには、グローバルコンフィギュレーションモード開始時に、ネットワーク内のすべてのルータで次のコマンドを使用します。

CGMPと RGMPは、同じスイッチドネットワークで相互運用できません。 RGMPがスイッチまたはルータインターフェイスでイネーブルになると、CGMPはそのスイッチまたはルータインターフェイスで自動的にディセーブルになります。CGMPがスイッチまたはルータインターフェイスでイネーブルになると、RGMPがそのスイッチまたはルータインターフェイスで自動的にディセーブルになります。

(注)

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S96

Router-Port Group Management Protocol(RGMP)の設定RGMP の設定方法

Page 105: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

手順の概要

1. interface type number2. ip rgmp

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

RGMPを設定するルータインターフェイスを指定し、インターフェイスコンフィギュレーションモードを開始します。

interface type numberステップ 1

指定されたインターフェイス上で RGMPをイネーブルにします。

ip rgmpステップ 2

次の作業

RGMPを設定する方法の例については、「RGMP_Configuration_Example」の項を参照してください。

RGMP 設定の確認RGMPが正しいインターフェイスでイネーブルになっていることを確認するには、show ip igmpinterfaceコマンドを使用します。

Router> show ip igmp interfacegigabitethernet1/0 is up, line protocol is upInternet address is 10.0.0.0/24IGMP is enabled on interface

Current IGMP version is 2RGMP is enabled

IGMP query interval is 60 secondsIGMP querier timeout is 120 secondsIGMP max query response time is 10 secondsLast member query response interval is 1000 msInbound IGMP access group is not setIGMP activity: 1 joins, 0 leavesMulticast routing is enabled on interfaceMulticast TTL threshold is 0Multicast designated router (DR) is 10.0.0.0 (this system)IGMP querying router is 10.0.0.0 (this system)Multicast groups joined (number of users):

224.0.1.40(1)

インターフェイス上でRGMPがイネーブルになっていない場合、そのインターフェイスのshowip igmp interfaceコマンド出力で、RGMPの情報が表示されません。

(注)

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 97

Router-Port Group Management Protocol(RGMP)の設定RGMP 設定の確認

Page 106: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

RGMP のモニタリングおよびメンテナンスRGMPデバッグをイネーブルにするには、特権 EXECモードで次のコマンドを使用します。

目的コマンド

RGMP対応ルータによって送信されたデバッグメッセージを記録します。

引数なしでコマンドを使用すると、ルータに設

定されているすべてのマルチキャストグループ

のRGMP Join <G>およびRGMPLeave <G>メッセージが記録されます。引数を指定してコマン

ドを使用すると、指定したグループの RGMPjoin <G>および RGMP leave <G>メッセージが記録されます。

Router# debug ip rgmp

次の図に、ルータが RGMP join <G>および RGMP leave <G>メッセージを RGMP対応スイッチに送信したときに RGMP対応ルータで記録されるデバッグメッセージを示します。

図 5:RGMP デバッグメッセージ

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S98

Router-Port Group Management Protocol(RGMP)の設定RGMP のモニタリングおよびメンテナンス

Page 107: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

RGMP の設定例

RGMP の設定例この項では、図に示すルータおよびスイッチの設定を示す RGMPの設定例を示します。

図 6:RGMP の設定例

ルータ A の設定

ip routingip multicast-routing distributedinterface gigabitethernet 1/0/0ip address 10.0.0.1 255.0.0.0ip pim sparse-dense-modeno shutdown

interface gigabitethernet 1/1/0ip address 10.1.0.1 255.0.0.0ip pim sparse-dense-modeip rgmpno shutdown

ルータ B の設定

ip routingip multicast-routing distributedinterface gigabitethernet 1/0/0ip address 10.2.0.1 255.0.0.0ip pim sparse-dense-modeno shutdown

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 99

Router-Port Group Management Protocol(RGMP)の設定RGMP の設定例

Page 108: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

interface gigabitethernet 1/1/0ip address 10.3.0.1 255.0.0.0ip pim sparse-dense-modeip rgmpno shutdown

ルータ C の設定

ip routingip multicast-routing distributedinterface gigabitethernet 1/0/0ip address 10.4.0.1 255.0.0.0ip pim sparse-dense-modeno shutdown

interface gigabitethernet 1/1/0ip address 10.5.0.1 255.0.0.0ip pim sparse-dense-modeip rgmpno shutdown

ルータ D の設定

ip routingip multicast-routing distributedinterface gigabitethernet 1/0/0ip address 10.6.0.1 255.0.0.0ip pim sparse-dense-modeno shutdown

interface gigabitethernet 1/1/0ip address 10.7.0.1 255.0.0.0ip pim sparse-dense-modeip rgmpno shutdown

スイッチ A の設定

Switch> (enable) set igmp enableSwitch> (enable) set rgmp enable

スイッチ B の設定

Switch> (enable) set igmp enableSwitch> (enable) set rgmp enable

その他の関連資料ここでは、RGMPの関連資料について説明します。

関連資料

マニュアルタイトル関連項目

「Configuring Basic IP Multicast」モジュールPIM-SMと SSMの概念と設定例

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S100

Router-Port Group Management Protocol(RGMP)の設定その他の関連資料

Page 109: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

マニュアルタイトル関連項目

『Cisco IOS IP Multicast Command Reference』IPマルチキャストコマンド:コマンド構文の詳細、コマンドモード、デフォルト設定、コマ

ンド履歴、使用に関する注意事項、および例

標準

タイトル標準

--この機能でサポートされる新規の標準または変

更された標準はありません。また、既存の標準

のサポートは変更されていません。

MIB

MIB のリンクMIB

選択したプラットフォーム、Cisco IOS XERelease、およびフィーチャセットのMIBを検索してダウンロードするには、次の URLにある Cisco MIB Locatorを使用します。

http://www.cisco.com/go/mibs

なし

RFC

タイトルRFC

--この機能がサポートする新しい RFCまたは変更された RFCはありません。また、この機能は既存の規格に対するサポートに影響を及ぼし

ません。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 101

Router-Port Group Management Protocol(RGMP)の設定その他の関連資料

Page 110: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

シスコのテクニカルサポート

リンク説明

http://www.cisco.com/en/US/support/index.htmlシスコのサポートWebサイトでは、シスコの製品やテクノロジーに関するトラブルシュー

ティングにお役立ていただけるように、マニュ

アルやツールをはじめとする豊富なオンライン

リソースを提供しています。

お使いの製品のセキュリティ情報や技術情報を

入手するために、CiscoNotificationService(FieldNoticeからアクセス)、Cisco Technical ServicesNewsletter、Really Simple Syndication(RSS)フィードなどの各種サービスに加入できます。

シスコのサポートWebサイトのツールにアクセスする際は、Cisco.comのユーザ IDおよびパスワードが必要です。

Router-Port Group Management Protocol(RGMP)の機能情報

次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。この表は、ソフト

ウェアリリーストレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェアリリースだけを

示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェアリリースでも

サポートされます。

プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索

するには、Cisco Feature Navigatorを使用します。 Cisco Feature Navigatorにアクセスするには、www.cisco.com/go/cfnに移動します。 Cisco.comのアカウントは必要ありません。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S102

Router-Port Group Management Protocol(RGMP)の設定Router-Port Group Management Protocol(RGMP)の機能情報

Page 111: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

表 8:Router-Port Group Management Protocol(RGMP)の機能情報

機能情報リリース機能名

Router-Port Group ManagementProtocol(RGMP)は、スイッチドネットワークで IPマルチキャストを制限するシスコのプ

ロトコルです。RGMPは、ルータがスイッチ(またはレイヤ 2スイッチとして動作している

ネットワーキングデバイス)

に対して、そのルータがトラ

フィックを受信または転送する

マルチキャストグループを伝

送できるようにする、レイヤ 2プロトコルです。 RGMPは、RGMP対応ルータのインターフェイスに接続されている

RGMP対応スイッチのポートで、マルチキャストトラフィッ

クを制限します。

Cisco IOS XE Release 2.1Router-Port Group ManagementProtocol

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 103

Router-Port Group Management Protocol(RGMP)の設定Router-Port Group Management Protocol(RGMP)の機能情報

Page 112: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S104

Router-Port Group Management Protocol(RGMP)の設定Router-Port Group Management Protocol(RGMP)の機能情報

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第 7 章

単方向リンクを経由する IP マルチキャストの設定

IPマルチキャストは双方向通信を必要としますが、一部のネットワークには、単方向であるブロードキャスト衛星リンクが含まれています。 UniDirectional Link Routing(UDLR)では、物理的単一方向インターフェイス(ブロードキャスト衛星リンクなど)を介してユニキャストパケッ

トおよびマルチキャストパケットのルーティングを可能にするためルータが双方向リンクをエ

ミュレートする 3つのメカニズムが提供されます。このメカニズムとは、UDLRトンネル、インターネットグループ管理プロトコル(IGMP)UDLR、および IGMPプロキシです。このマニュアルではUDLRトンネルおよび IGMPUDLRについて説明します。 IGMPプロキシについては、「Customizing IGMP」モジュールで説明します。 3つのメカニズムは、別々に使用されることも、組み合わせて使用されることもあります。

• 機能情報の確認, 105 ページ

• UDLRの前提条件, 106 ページ

• UDLRの概要, 106 ページ

• 単方向リンクを経由する IPマルチキャストをルーティングする方法, 108 ページ

• UDLRの設定例, 114 ページ

• その他の関連資料, 120 ページ

• 単方向リンクを経由する IPマルチキャストの機能情報, 121 ページ

機能情報の確認ご使用のソフトウェアリリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされ

ているとは限りません。最新の機能情報および警告については、使用するプラットフォームおよ

びソフトウェアリリースの Bug Search Toolおよびリリースノートを参照してください。このモジュールに記載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリスト

を確認する場合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 105

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プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索

するには、Cisco Feature Navigatorを使用します。 Cisco Feature Navigatorにアクセスするには、www.cisco.com/go/cfnに移動します。 Cisco.comのアカウントは必要ありません。

UDLR の前提条件•「IP Multicast Technology Overview」モジュールの概念を理解していること。

•ネットワークで IPマルチキャストを設定していること。「Configuring Basic IP Multicast」モジュールを参照してください。

UDLR の概要

UDLR の概要ユニキャストルーティングプロトコルとマルチキャストルーティングプロトコルはどちらも、

ルーティング制御情報を受信したインターフェイスのデータを転送します。このモデルには、双

方向リンクが必要です。ただし、一部のネットワークリンクは単方向です。単方向のネットワー

ク(ブロードキャスト衛星リンクなど)では、制御情報が単方向環境で動作するような通信方法

が必要です。(IGMPはルーティングプロトコルではないことに注意してください)。

具体的には、ユニキャストルーティングでは、ルータがインターフェイスでプレフィックスの

アップデートメッセージを受信すると、そのプレフィックスと一致する宛先のデータを同じイン

ターフェイスから転送します。これは、ディスタンスベクトルルーティングプロトコルで多く

発生します。同様に、マルチキャストルーティングでは、ルータがインターフェイスでマルチ

キャストグループへの Joinメッセージを受信すると、そのグループ宛てのデータのコピーを同じインターフェイスから転送します。これらの原則に基づくと、ユニキャストルーティングプロ

トコルおよびマルチキャストルーティングプロトコルは、UDLRを使用しなければ単方向リンク(UDL)の経由のルーティングをサポートできません。UDLRは、ルーティングプロトコル自体を変更せずに、UDLを経由したルーティングプロトコルが機能できるように設計されています。

UDLRでは、UDLを経由した IP機能のための双方向リンクの動作をルータがエミュレートできます。次のセクションで説明するように、UDLRには双方向リンクのエミュレーション用に 3個の補足機能が含まれています。

• UDLRトンネル:ユニキャストおよびマルチキャストトラフィックをルーティングするためのメカニズム。

•インターネットグループ管理プロトコル(IGMP)UDLR:マルチキャストトラフィックをルーティングするためのメカ二ズム。この方式は、多くのブロードキャスト衛星リンクに対

応して適切に拡張できます。

• IGMPプロキシ:マルチキャストトラフィックをルーティングするためのメカニズム。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S106

単方向リンクを経由する IP マルチキャストの設定UDLR の前提条件

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これらのメカニズムは個別に、または他と組み合わせて使用できます。 IGMPプロキシについては、「Customizing IGMP」モジュールで説明します。

UDLR トンネルUDLRトンネルメカニズムにより、IPと、それに関連付けられているユニキャストおよびマルチキャストルーティングプロトコルが論理的に双方向として単方向リンク(UDL)を処理できるようになります。受信専用インターフェイスを宛先とするパケットは UDLRトンネルメカニズムによって選別され、Generic Routing Encapsulation(GRE)トンネルを使用してアップストリームルータに送信されます。制御トラフィックはユーザデータフローの反対方向に流れます。アッ

プストリームルータがこのパケットを受信するときに、UDLRトンネルメカニズムが、パケットが UDLの送信専用インターフェイスで受信されたかのようにします。

単方向 GREトンネルの目的は、制御パケットをダウンストリームノードからアップストリームノードに移動することです。単方向のトンネルは単方向のインターフェイスにマッピングされま

す(反対方向で入力)。マッピングはリンク層で行われるため、単方向のインターフェイスが双

方向のように現れます。アップストリームノードがトンネルを経由したパケットを受信したとき

は、パケットが送信可能なUDLで受信されたかのように上位層プロトコルを機能させる必要があります。

UDLRトンネルでは、次の機能がサポートされます。

• UDLを通じたアドレス解決プロトコル(ARP)およびNext Hop Resolution Protocol(NHRP)

•すべての IPトラフィックに対する双方向リンクのエミュレーション(制御専用ブロードキャスト/マルチキャストトラフィックだけに対して)。

•受信専用トンネルにおける IP GREマルチポイントのサポート

UDLルータは、多くのルーティングピア(たとえば、ブロードキャスト衛星リンクを経由して相互接続されたルータなど)を持てます。双方向リンクの場合と同様に、処理する必要が

あるルーティング更新のボリュームを制限するには、1台のルータが持つピアルータの数を比較的小さく維持する必要があります。マルチキャスト動作の場合、20を超えるルータを相互接続する場合は IGMP UDLRメカニズムの使用を推奨します。

(注)

IGMP UDLRUDLRトンネルに加えて、UDLを経由したマルチキャストルーティングプロトコルのサポートをイネーブルにするもう 1つのメカニズムは、UDLRに対応する IGMPでの IPマルチキャストルーティングの使用です。このメカニズムは、多くのブロードキャスト衛星リンクに対応して適

切に拡張できます。

IGMP UDLRにより、アップストリームルータは UDLのメンバに定期クエリーを送信します。クエリーには、単方向インターフェイスのユニキャストアドレスではないルータのユニキャスト

アドレスが含まれます。ダウンストリームルータは、直接接続されたメンバから(IGMPレポー

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 107

単方向リンクを経由する IP マルチキャストの設定UDLR トンネル

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トをヘルパー転送するように設定されたインターフェイスで)受信した IGMPレポートをアップストリームルータに転送します。アップストリームルータは単方向インターフェイスを (*, G)発信インターフェイスリストに追加します。これによって UDLの下方向にマルチキャストパケットを転送できるようになります。

大規模な企業ネットワークでは、衛星を介して IPマルチキャストトラフィックを受信し、ネットワーク中にトラフィックを転送することができません。この制限が存在するのは、受信ホストが

ダウンストリームルータに直接接続される必要があるためです。ただし、この制限を克服するた

めに、IGMPプロキシメカニズムを使用できます。このメカニズムの詳細については、「CustomizingIGMP」モジュールを参照してください。

単方向リンクを経由する IP マルチキャストをルーティングする方法

ここでは、次の手順について説明します。ネットワークでいずれか、または両方を実行できま

す。

UDLR トンネルの設定UDLRトンネルを設定するには、この項の手順を実行します。トンネルモードのデフォルトはGREです。 IPアドレスをトンネルに割り当てる必要はありません(ip addressコマンドまたは ipunnumberedコマンドを使用する必要はありません)。トンネルエンドポイントアドレスを設定する必要があります。

アップストリームルータおよびダウンストリームルータの両方を次の条件に適合するように設定

する必要があります。

• UDLが送信だけできるアップストリームルータで、受信するようにトンネルを設定します。トンネルでパケットが受信されると、上位層プロトコルは、単一方向送信専用インターフェ

イスで受信されたかのようにパケットを処理します。

• UDLが受信だけできるダウンストリームルータで、送信するようにトンネルを設定します。パケットがインターフェイスを通じて上位層プロトコルで送信されるときに、この GREトンネルを通じてリダイレクトおよび送信されます。

はじめる前に

UDLRトンネルを設定する前に、UDL上のすべてのルータで、同じサブネットアドレスがあることを確認します。 UDL上のすべてのルータで、同じサブネットアドレスを持つことができない場合、アップストリームルータは、ダウンストリームルータが接続されているすべてのサブネッ

トに一致するセカンダリアドレスで設定される必要があります。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S108

単方向リンクを経由する IP マルチキャストの設定単方向リンクを経由する IP マルチキャストをルーティングする方法

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手順の概要

1. enable2. configure terminal3. interface type number4. interface tunnel number5. tunnel udlr receive-only type number6. tunnel source {ip-address | type number}7. tunnel destination {hostname| ip-address}8. ダウンストリームルータに移動します。9. enable10. configure terminal11. interface type number12. interface tunnel number13. tunnel udlr send-only type number14. tunnel source {ip-address | type number}15. tunnel destination {hostname| ip-address}16. tunnel udlr address-resolution

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

特権 EXECモードをイネーブルにします。enable

例:

Router> enable

ステップ 1

•パスワードを入力します(要求された場合)。

•アップストリームルータでこのステップを実行します。

グローバルコンフィギュレーションモードを開始

します。

configure terminal

例:

Router# configure terminal

ステップ 2

単方向送信専用インターフェイスを設定します。interface type number

例:

Router(config)# interface gigabitethernet0/0/0

ステップ 3

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 109

単方向リンクを経由する IP マルチキャストの設定UDLR トンネルの設定

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目的コマンドまたはアクション

受信専用トンネルインターフェイスを設定します。interface tunnel number

例:

Router(config-if)# interface tunnel 0

ステップ 4

UDLRトンネルを設定します。tunnel udlr receive-only type number

例:

Router(config-if)# tunnel udlr receive-onlyfastethernet 0/0/0

ステップ 5

• typeおよび numberの値には、ステップ 3のinterface type numberコマンドで指定した単方向送信専用インターフェイスの typeおよびnumberの値と同じ値を使用します。

トンネル送信元を設定します。tunnel source {ip-address | type number}

例:

Router(config-if)# tunnel source 10.3.4.5

ステップ 6

トンネル宛先を設定します。tunnel destination {hostname| ip-address}

例:

Router(config-if)# tunnel destination10.8.2.3

ステップ 7

--ダウンストリームルータに移動します。ステップ 8

特権 EXECモードをイネーブルにします。enable

例:

Router> enable

ステップ 9

•パスワードを入力します(要求された場合)。

グローバルコンフィギュレーションモードを開始

します。

configure terminal

例:

Router# configure terminal

ステップ 10

単一方向受信専用インターフェイスを設定します。interface type number

例:

Router(config)# interface gigabitethernet0/0/0

ステップ 11

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S110

単方向リンクを経由する IP マルチキャストの設定UDLR トンネルの設定

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目的コマンドまたはアクション

送信専用トンネルインターフェイスを設定します。interface tunnel number

例:

Router(config-if)# interface tunnel 0

ステップ 12

UDLRトンネルを設定します。tunnel udlr send-only type number

例:

Router(config-if)# tunnel udlr send-onlyethernet 0

ステップ 13

• typeおよび numberの値には、ステップ 3のinterface type numberコマンドで指定した単方向受信専用インターフェイスの typeおよびnumberの値と同じ値を使用します。

トンネル送信元を設定します。tunnel source {ip-address | type number}

例:

Router(config-if)# tunnel source 11.8.2.3

ステップ 14

トンネル宛先を設定します。tunnel destination {hostname| ip-address}

例:

Router(config-if)# tunnel destination10.3.4.5

ステップ 15

ARPおよび NHRPの転送をイネーブルにします。tunnel udlr address-resolution

例:

Router(config-if)# tunnel udlraddress-resolution

ステップ 16

IGMP UDLR の設定IGMPUDLを設定するには、アップストリームルータおよびダウンストリームルータの両方を設定します。方向が送信か受信かを指定する必要はありません。IGMPは、物理接続の性質によって方向を学習します。

ダウンストリームルータは、IGMPレポートをホストから受信すると、ip igmp helper-addressコマンドで指定されたUDLインターフェイスに関連付けられている IGMPクエリアにレポートを送信します。

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 111

単方向リンクを経由する IP マルチキャストの設定IGMP UDLR の設定

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はじめる前に

• UDL上のすべてのルータに、同じサブネットアドレスがあること。 UDL上のすべてのルータで、同じサブネットアドレスを持つことができない場合、アップストリームルータは、

ダウンストリームルータが接続されているすべてのサブネットに一致するセカンダリアド

レスで設定される必要があります。

•マルチキャストレシーバはダウンストリームルータに直接接続されます。

手順の概要

1. enable2. configure terminal3. interface type number4. ip igmp unidirectional-link5. ダウンストリームルータに移動します。6. enable7. configure terminal8. ip multicast default-rpf-distance distance9. interface type number10. ip igmp unidirectional-link11. ip igmp helper-address udl type number12. exit13. show ip igmp udlr [group-name| group-address | type number]

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

特権 EXECモードをイネーブルにします。enable

例:

Router> enable

ステップ 1

•パスワードを入力します(要求された場合)。

•アップストリームルータで開始します。

グローバルコンフィギュレーションモードを開始します。configure terminal

例:

Router# configure terminal

ステップ 2

インターフェイスを設定します。interface type number

例:

Router(config)# interfacegigabitethernet 0/1/1

ステップ 3

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S112

単方向リンクを経由する IP マルチキャストの設定IGMP UDLR の設定

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目的コマンドまたはアクション

単方向になるインターフェイスで IGMPを設定します。ip igmp unidirectional-link

例:

Router(config-if)# ip igmpunidirectional-link

ステップ 4

--ダウンストリームルータに移動しま

す。

ステップ 5

特権 EXECモードをイネーブルにします。enable

例:

Router> enable

ステップ 6

•パスワードを入力します(要求された場合)。

•アップストリームルータで開始します。

グローバルコンフィギュレーションモードを開始します。configure terminal

例:

Router# configure terminal

ステップ 7

(任意)デフォルトRPFインターフェイスの距離を設定します。

ipmulticast default-rpf-distance distance

例:

Router# ip multicastdefault-rpf-distance 10

ステップ 8

デフォルトでは、デフォルトのリバースパス転送(RPF)インターフェイスの距離は 15です。ルーティングプロトコルによって学習される明示的なソースは、その距離が ipmulticast default-rpf-distanceコマンドで設定された距離よりも小さいときに優先権を持ちます。いくつかのソースがテレ

ストリアルパスを使用するために RPFを使用して UDLRリンクなどにアクセスする場合、ダウンストリームルータでこ

のコマンドを使用します。

• IGMPに UDLを優先させる場合は、距離をユニキャストルーティングプロトコルの距離よりも小さくします。

• IGMPに非 UDLを優先させる場合は、距離をユニキャストルーティングプロトコルの距離よりも大きくしま

す。

インターフェイスを設定します。interface type number

例:

Router(config)# interfacegigabitethernet 0/0/0

ステップ 9

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 113

単方向リンクを経由する IP マルチキャストの設定IGMP UDLR の設定

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目的コマンドまたはアクション

単方向になるインターフェイスで IGMPを設定します。ip igmp unidirectional-link

例:

Router(config-if)# ip igmpunidirectional-link

ステップ 10

IGMPヘルパーになるインターフェイスを設定します。ip igmp helper-address udl type number

例:

Router(config-if)# ip igmphelper-address udl ethernet 0

ステップ 11

•このコマンドを使用して各ダウンストリームルータ、および各インターフェイスで、UDLインターフェイスを特定する type値および number値を指定します。

コンフィギュレーションモードを終了し、EXECモードに戻ります。

exit

例:

Router(config-if)# exit

ステップ 12

(任意)設定された UDLヘルパーアドレスがあるインターフェイス上で、マルチキャストグループに直接接続されてい

る UDLR情報を表示します。

show ip igmp udlr [group-name|group-address | type number]

例:

Router(config)# show ip igmp udlr

ステップ 13

UDLR の設定例

UDLR トンネルの例次に、UDLRトンネルを設定する例を示します。この例で、ルータ A(アップストリームルータ)は、Open Shortest Path First(OSPF)および PIMを使用するように設定されます。シリアルインターフェイス 0には送信専用機能があります。したがって、UDLRトンネルは受信専用として設定され、シリアル 0と接続されています。

ルータ B(ダウンストリームルータ)は OSPFおよび PIMに設定されています。シリアルインターフェイス 1には受信専用機能があります。したがって、UDLRトンネルは送信専用として設

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S114

単方向リンクを経由する IP マルチキャストの設定UDLR の設定例

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定され、シリアル 1と接続されています。 ARPおよび NHRPの転送はイネーブルです。以下の図に例を示します。

図 7:UDLR トンネルの例

ルータ A の設定

ip multicast-routing!! Serial0/0/0 has send-only capability!interface serial 0/0/0encapsulation hdlcip address 10.1.0.1 255.255.0.0ip pim sparse-dense-mode!! Configure tunnel as receive-only UDLR tunnel.!interface tunnel 0tunnel source 10.20.0.1tunnel destination 10.41.0.2tunnel udlr receive-only serial 0/0/0!! Configure OSPF.!router ospfnetwork 10.0.0.0 0.255.255.255 area 0

ルータ B の設定

ip multicast-routing!! Serial1 has receive-only capability!interface serial 1/0/0encapsulation hdlcip address 10.1.0.2 255.255.0.0ip pim sparse-dense-mode!! Configure tunnel as send-only UDLR tunnel.!interface tunnel 0tunnel source 10.41.0.2

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 115

単方向リンクを経由する IP マルチキャストの設定UDLR トンネルの例

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tunnel destination 10.20.0.1tunnel udlr send-only serial 1/0/0tunnel udlr address-resolution!! Configure OSPF.!router ospfnetwork 10.0.0.0 0.255.255.255 area 0

IGMP UDLR の例次の例では、IGMP UDLRを設定する方法を示します。この例で、uplink-rtrはローカルアップストリームルータで、downlink-rtrはダウンストリームルータです。

両方のルータがバックチャネル接続によって相互に接続されています。両方のルータとも、2つの IPアドレスを持ちます。つまり、UDL上のアドレスと、バックチャネルにつながるインターフェイス上のアドレスです。バックチャネルは、任意のリターンルートであり、任意の数のルー

タを持てます。

アップリンクルータおよびダウンリンクルータのバックチャネルインターフェイスの PIM設定はオプションです。

(注)

UDL上のすべてのルータに、同じサブネットアドレスがなければなりません。 UDL上のすべてのルータで、同じサブネットアドレスを持つことができない場合、アップストリームルータは、

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S116

単方向リンクを経由する IP マルチキャストの設定IGMP UDLR の例

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ダウンストリームルータが接続されているすべてのサブネットに一致するセカンダリアドレスで

設定される必要があります。

図 8:IGMP 単方向リンクルーティングの例

アップリンクルータ(uplink-rtr)の設定

ip multicast-routing!! Interface that source is attached to!interface gigabitethernet 0/0/0description Typical IP multicast enabled interfaceip address 12.0.0.1 255.0.0.0ip pim sparse-dense-mode!! Back channel!interface gigabitethernet 1/0/0description Back channel which has connectivity to downlink-rtrip address 11.0.0.1 255.0.0.0ip pim sparse-dense-mode!! Unidirectional link!interface serial 0/0/0description Unidirectional to downlink-rtrip address 10.0.0.1 255.0.0.0ip pim sparse-dense-modeip igmp unidirectional-linkno keepalive

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 117

単方向リンクを経由する IP マルチキャストの設定IGMP UDLR の例

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ダウンリンクルータ(downlink-rtr)の設定

ip multicast-routing!! Interface that receiver is attached to, configure for IGMP reports to be! helpered for the unidirectional interface.!interface gigabitethernet 0/0/0description Typical IP multicast-enabled interfaceip address 14.0.0.2 255.0.0.0ip pim sparse-dense-modeip igmp helper-address udl serial 0/0/0!! Back channel!interface gigabitethernet 1/0/0description Back channel that has connectivity to downlink-rtrip address 13.0.0.2 255.0.0.0ip pim sparse-dense-mode!! Unidirectional link!interface serial 0/0/0description Unidirectional to uplink-rtrip address 10.0.0.2 255.0.0.0ip pim sparse-dense-modeip igmp unidirectional-linkno keepalive

統合された UDLR トンネル IGMP UDLR と IGMP プロキシの例次の例は、UDLを共有するアップストリームルータおよびダウンストリームルートの両方でのUDLRトンネル、IGMP UDLR、および IGMPプロキシの設定方法を示します。

アップストリームの設定

ip multicast-routing!interface Tunnel0ip address 9.1.89.97 255.255.255.252no ip directed-broadcasttunnel source 9.1.89.97tunnel mode gre multipointtunnel key 5tunnel udlr receive-only GigabitEthernet2/3/0

!interface GigabitEthernet2/0/0no ip addressshutdown

!! user networkinterface GigabitEthernet2/1/0ip address 9.1.89.1 255.255.255.240no ip directed-broadcastip pim dense-modeip cgmpfair-queue 64 256 128no cdp enableip rsvp bandwidth 1000 100

!interface GigabitEthernet2/2/0ip address 9.1.95.1 255.255.255.240no ip directed-broadcast

!! physical send-only interface

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S118

単方向リンクを経由する IP マルチキャストの設定統合された UDLR トンネル IGMP UDLR と IGMP プロキシの例

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interface GigabitEthernet2/3/0ip address 9.1.92.100 255.255.255.240no ip directed-broadcastip pim dense-modeip nhrp network-id 5ip nhrp server-onlyip igmp unidirectional-linkfair-queue 64 256 31ip rsvp bandwidth 1000 100

!router ospf 1network 9.1.92.96 0.0.0.15 area 1

!ip classlessip route 9.1.90.0 255.255.255.0 9.1.92.99

ダウンストリームの設定

ip multicast-routing!interface Loopback0ip address 9.1.90.161 255.255.255.252ip pim sparse-modeip igmp helper-address udl GigabitEthernet2/3/0ip igmp proxy-service

!interface Tunnel0ip address 9.1.90.97 255.255.255.252ip access-group 120 outno ip directed-broadcastno ip mroute-cachetunnel source 9.1.90.97tunnel destination 9.1.89.97tunnel key 5tunnel udlr send-only GigabitEthernet2/3/0tunnel udlr address-resolution

!interface GigabitEthernet2/0/0no ip addressno ip directed-broadcastshutdownno cdp enable

!! user networkinterface GigabitEthernet2/1/0ip address 9.1.90.1 255.255.255.240no ip directed-broadcastip pim sparse-modeip igmp mroute-proxy Loopback0no cdp enable

!! Backchannelinterface GigabitEthernet2/2/0ip address 9.1.95.3 255.255.255.240no ip directed-broadcastno cdp enable

!! physical receive-only interfaceinterface GigabitEthernet2/3/0ip address 9.1.92.99 255.255.255.240no ip directed-broadcastip pim sparse-modeip igmp unidirectional-linkno keepaliveno cdp enable

!router ospf 1network 9.1.90.0 0.0.0.255 area 1network 9.1.92.96 0.0.0.15 area 1

!ip classless

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 119

単方向リンクを経由する IP マルチキャストの設定統合された UDLR トンネル IGMP UDLR と IGMP プロキシの例

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ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 9.1.95.1! set rpf to be the physical receive-only interfaceip mroute 0.0.0.0 0.0.0.0 9.1.92.96ip pim rp-address 9.1.90.1!! permit ospf, ping and rsvp, deny othersaccess-list 120 permit icmp any anyaccess-list 120 permit 46 any anyaccess-list 120 permit ospf any any

その他の関連資料

関連資料

マニュアルタイトル関連項目

『Cisco IOS IP Multicast Command Reference』IPマルチキャストコマンド:コマンド構文の詳細、コマンドモード、コマンド履歴、デフォ

ルト設定、使用に関する注意事項、および例

「Implementing Tunnels」モジュールトンネルインターフェイス

「Customizing IGMP」モジュールIGMPおよび IGMPプロキシ

MIB

MIB のリンクMIB

選択したプラットフォーム、Cisco IOS XERelease、およびフィーチャセットのMIBを検索してダウンロードするには、次の URLにある Cisco MIB Locatorを使用します。

http://www.cisco.com/go/mibs

なし

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S120

単方向リンクを経由する IP マルチキャストの設定その他の関連資料

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単方向リンクを経由する IP マルチキャストの機能情報次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。この表は、ソフト

ウェアリリーストレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェアリリースだけを

示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェアリリースでも

サポートされます。

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表 9:単方向リンクを経由する IP マルチキャストの機能情報

機能の設定情報リリース機能名

この機能は、単方向リンクによ

る arpをイネーブルにし、ダウンストリームのマルチキャスト

レシーバを単方向リンクのダウ

ンストリームルータに直接接

続する必要があるという既存の

制限を克服します。

12.2(8)TUni-Directional Link Routing(UDLR)トンネルARPおよびIGMPプロキシ

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S 121

単方向リンクを経由する IP マルチキャストの設定単方向リンクを経由する IP マルチキャストの機能情報

Page 130: IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド …...IPマルチキャストトラフィックとレイヤ2スイッチ82 IPマルチキャスト用のCatalystスイッチのCGMP82

機能の設定情報リリース機能名

単方向リンクルーティングを

使用して、ルータが単方向リン

クで接続されている環境でルー

ティングプロトコルを機能さ

せます。単方向リンクのアッ

プストリーム側のルータにルー

ティング情報をトンネリングす

ることで、単方向リンクルー

ティングによるレイヤ3接続が可能になります。

12.2(2)T

12.2(17d)SXB1

UDLR

IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Release 3S122

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