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IPv4とIP6の共存技術 理工学部情報工学科 渡邊研究室所属 150441161 4渡邉 悠雅 1

IPv4とIPv6 - 名城大学 · 2019-12-28 · •IPv4枯渇問題の長期解決策としてIPv6 •IPv4からIPv6への移行が進まない →共存技術としてトンネリング、デュアルスタック、トランスレータの三方式

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Page 1: IPv4とIPv6 - 名城大学 · 2019-12-28 · •IPv4枯渇問題の長期解決策としてIPv6 •IPv4からIPv6への移行が進まない →共存技術としてトンネリング、デュアルスタック、トランスレータの三方式

IPv4とIPv6の共存技術

理工学部情報工学科

渡邊研究室所属

150441161

4年 渡邉悠雅

1

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IPv4アドレスの枯渇

• IPv4アドレスは32ビット

2の32乗個

・・・43億個

世界人口

・・・76億人

LACNIC IANA

ARIN

RIPENCC

APNIC

在庫が枯渇!!

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IPv4アドレスの枯渇

• IPv4アドレスの細分化割り振り済みのIPv4アドレスを再分配

*何らかの組織に配布された分などを回収

• プライベートアドレスによる解決組織内で自由に使えるアドレス

<NAT越え問題>

外部から組織内のコンピュータにアクセスして通信を開始できない

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長期解決策としてのIPv6アドレス

• IPv6アドレスは128ビット

2の128乗個

・・・340澗個

およそIPv4×43億×43億×43億

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その他IPv6のメリットの例

• エンド端末自体にサーバ機能を持たせられる

プロバイダのサーバ介さず直接通信可能

• セキュリティ機能向上

認証、暗号化機能であるIPsecが実装

• フラグメントが発生しない

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IPv6アドレス移行に関する障害

• IPv4とIPv6の互換性がない

• IPv4のサービス・コンテンツは多く、IPv6は充実してない

• NATの技術の成功が枯渇問題への意識を希薄化させた

• IPv4の利用者が多い

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IPv4アドレスとIPv6アドレスの共存技術

• デュアルスタック方式

一つの機器にIPv4とIPv6の両方を割り当て

• トンネリング方式

IPv6をIPv4でカプセル化

• トランスレータ方式

IPv4とIPv6の間に中継機器

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デュアルスタック方式

•一つの機器にIPv4とIPv6の両方を割り当て

デュアルスタックネットワーク

デュアルスタックノード

IPv6ノード

IPv4ノード

IPv4パケット

IPv6パケット8

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デュアルスタック方式

•一つの機器にIPv4とIPv6の両方を割り当て

◎ IPv4しか動作しないアプリケーションへ対応できる

× 2つのプロトコル動作による通信機器への負担

×経路制御装置がIPv4とIPv6の両方に作用

→CPU、メモリへの負担

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トンネリング方式

• IPv6をIPv4パケットでカプセリングすることで接続する方法

トンネルルータ

トンネルルータ

IPv6ノード

IPv6ノード

IPv6ネットワーク IPv4ネットワーク IPv6ネットワーク

IPv6データ IPv6データIPv6データ IPv4

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トンネリング方式

• IPv6をIPv4パケットでカプセリングすることで接続する方法

◎既存IPv4に影響を与えることなく導入することが可能

×機器の性能低下やトラフィック増加を伴う

×パケットサイズ制限でPath MTU Discoveryの問題を起こすことも

×トンネルルータの性能によってはパフォーマンスの低下

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Path MTU Discovery

•通信元と通信先の組合せ毎に、フラグメンテーションを必要としない最大のMSS値を把握

ICMPが届かない場合に通信が届かなくなってしまう(ブラックホール問題)

• MTU

1回のデータ転送で送信可能なIPデータの最大値

• MSS

TCPヘッダにおける、TCPヘッダを含まない最大のバイト数

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トランスレータ方式

• IPv4とIPv6の間をトランスレータが中継

IPv4ホスト

IPv6ホスト

トランスレータ

IPv4パケット IPv6パケット

IPv4ネットワーク IPv6ネットワーク

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トランスレータ方式

• IPv4とIPv6の間をトランスレータが中継

◎ IPv4対応機器、IPv6対応機器にプロトコルの違いを意識させない

◎ IPv4で使っているネットワーク機器やサーバー、PCにほとんど手を加えることない

→短期間でIPv6に対応させられる技術

×変換できないプロトコルが存在

*IPsecやSIPなど

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トランスレータ方式

• プロキシ型

トランスレータがアプリケーション毎に送信元の代理になって通信

IPv4ホスト

IPv6ホスト

トランスレータ

デュアルスタックのプロキシとして

動作IPv4ネットワーク IPv6ネットワーク

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トランスレータ方式

• NAT-PT型

プロトコルのアドレスやポート番号を変換、IPv4とIPv6間を相互通信

IPv4ホスト トランス

レータ

IPv6ホスト

NATのように、プロトコルのヘッダ部分を変換

IPv4ネットワーク IPv6ネットワーク

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トランスレータ方式

• TRT型

トランスポート層でセッションを横取りし、TCPやUDP間を通信

IPv4ホスト トランス

レータ

IPv6ホスト

IPv4ネットワーク IPv6ネットワーク

TCPやUDPの通信を横取り

代理となって各ネットワークの送信先へ通信

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各方式の比較

共存技術 長所 短所

デュアルスタック方式 ・IPv4にしか動作しないアプリケーションへ対応しやすい

・CPU、メモリ、通信機器への負担

トンネリング方式 ・既存IPv4に影響与えず導入可能 ・カプセリング処理による、機器の性能低下やトラフィック増加

・トンネルルータの性能によってはパフォーマンス低下・Path MTU Discovery問題可能性

トランスレータ方式 ・IPv4で使っているネットワーク機器やサーバー、PCにほとんど手を加えない・短期間でIPv6に対応させられる

・変換できないプロトコルが存在

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まとめ

• IPv4枯渇問題の長期解決策としてIPv6

• IPv4からIPv6への移行が進まない→共存技術としてトンネリング、デュアルスタック、トランスレータの三方式

• トンネリング方式IPv6をIPv4でカプセル化したトンネリング技術

• デュアルスタック方式機器にIPv4とIPv6の両方のプロトコルを対応させる

• トランスレータ方式IPv4とIPv6のネットワークを中継する機器を設置

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参考文献

• Path MTU Discovery 1

http://www.infraexpert.com/info/5.2adsl.htm

• ASCII

http://ascii.jp/elem/000/000/585/585075/index-2.html

• 日本ネットワークインフォメーションセンター

https://www.nic.ad.jp/ja/newsletter/No37/0800.html

• IPv6普及・高度推進協議会

https://www.v6pc.jp/jp/upload/pdf/IPv6ServiceDeployment_Guideline.pdf#search=%27IPv4+IPV6+proxy%27

• キーマンズネット

http://www.keyman.or.jp/at/30004436/

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