ITIL 、アジャイル、そしてクラウドconf.itsmf-japan.org/conf10/dlpage/con/B2-3.pdfITIL®、アジャイル、そしてクラウド～開発とITSMの関係：実際のところOpsDevじゃないかと考えてみる～

ITIL®、アジャイル、そしてクラウド～開発とITSMの関係：実際のところOpsDevじゃないかと考えてみる～

2013年11月28日

株式会社シグマクシス

小澤一友

ITIL® is a Registered Trade Mark of the Cabinet Office.

Agenda

• 開発方法論とITサービスマネジメント

• DevOpsとITIL®

• クラウドとサービスライフサイクル

• クラウド時代のOps

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開発方法論とITサービスマネジメント

CMMI

• 従来ウォータフォール型の開発プロセスの成熟度の尺度とされてきたCMMIがシステム稼働後のサービス・プロセスへと対象を広げた


CMMI-ACQ

CMMI

-SVC

CMMI

-DEV

コアプロセス

領域

共有プロセス

領域固有プロセス

領域

調達のためのCMMI

サービスのためのCMMI

開発のためのCMMI

※従来のCMMI

CMMI-SVCのプロセス領域とITIL®

• とりわけ固有プロセスがITIL®に合致• プロセスに対して成熟度レベルを分類しているのが特徴的


カテゴリ* 成熟度レベル

略称共有プロセス領域* ITIL®の関連領域

2 SD 固有サービスデリバリサービスオペレーション全般(サービスデスク、いわゆる運用保守)

3 IRP 固有インシデントの解決と防止インシデント管理、問題管理3 SSD 固有サービスシステムの展開リリース管理および展開管理3 SST 固有サービスシステムの移行サービストランジション全般

3 STSM 固有戦略的サービス管理サービスポートフォリオ管理、需要管理、サービスレベル管理

2 CM コア構成管理サービス資産管理および構成管理2 MA コア測定と分析 7ステップの改善、サービスレベル管理、など

2 PPQA コアプロセスと成果物の品質保証7ステップの改善、継続的サービス改善モデル、サービスの妥当性確認およびテスト

3 DAR コア決定分析と解決サービスストラテジ策定、変更管理、問題管理、など5 CAR コア原因分析と解決 7ステップの改善、問題管理2 REQM コア要件管理サービスレベル管理2 SAM 共有供給者合意管理サプライヤ管理2 WMC コア作業の監視と制御 7ステップの改善、継続的サービス改善モデル、など2 WP コア作業計画策定継続的サービス改善モデル3 CAM 固有キャパシティと可用性の管理キャパシティ管理、可用性管理3 IWM コア統合作業管理継続的サービス改善モデル3 RSKM コアリスク管理情報セキュリティ管理、可用性管理3 SCON 固有サービス継続性 ITサービス継続性管理4 QWM コア定量的作業管理 7ステップの改善、サービスレベル管理、など3 OPD コア組織プロセス定義継続的サービス改善モデル3 OPF コア組織プロセス重視継続的サービス改善モデル3 OT コア組織トレーニング継続的サービス改善モデル4 OPP コア組織プロセス実績継続的サービス改善モデル5 OPM コア組織実績管理継続的サービス改善モデル

サービスの確立とデリバリ

支援

プロジェクトと作業の管理

プロセス管理

* 筆者訳

共通フレーム2013

• SLCP ISO/IEC12207をベースにした日本の「ITシステム開発の作業規定」


右記より転載： SEC BOOKS 「共通フレーム2013」図2-12 共通フレームの基本構成（p.43）

共通フレーム2013とITSM

• 共通フレーム2013改訂の要点から：

• サービス重視のライフサイクル：「業務システムは，取得しただけでは何の価値も生まない。システムを運用し，業務で利用されて初めて価値を生む。」

• 運用を重視した開発：「運用・サービスプロセスを充実させ，運用を重視した開発が可能となるようタスクやガイドの一部を更新。」

• ITSM規格との整合：「ISO/IEC 20000（JIS Q20000）を既に導入している企業が共通フレームとの整合を図れるようにISO/IEC 20000（JIS Q20000）のプロセスとのインタフェースとなるサービスマネジメントプロセスを新設。」


「」内を右記より引用：共通フレーム2013概説 http://sec.ipa.go.jp/seminar/2013/20130802.html

EUP(エンタープライズ統一プロセス)


右記転載元資料に加筆： Scott W. Ambler http://www.ogis-ri.co.jp/otc/swec/process/eup-res/eup/

• アジャイル開発など反復型の開発プロセスRUPを、企業のITプロセス全般に拡大

RUP

EUPの作業分野とITIL®

• 運用及びサポート作業分野に限らず、エンタープライズ作業分野群にも関連


分類作業分野 ITIL®の関連プロセス

ビジネスモデリング -要求 -分析／設計 -実装 -テストサービスの妥当性確認およびテスト導入リリース管理および展開管理構成管理及び変更管理 - (開発物に対する管理)プロジェクト管理 -環境 -運用及びサポートサービスオペレーション全般、サービスレベル管理エンタープライズ・ビジネス・モデリング -ポートフォリオ管理サービス・ポートフォリオ管理エンタープライズ・アーキテクチャ -戦略的再利用ナレッジ管理人材管理 -エンタープライズ・アドミニストレーション変更管理、サービス資産管理および構成管理ソフトウェアプロセス改善 7ステップの改善プロセス(ソフトウェアに限定しない)

開発作業分野群

サポート作業分野群

エンタープライズ作業分野群

DevOps と ITIL®

DevOpsの要点とITIL®

• DevOpsの原典とされているFlickr社事例の要点

「10 deploys per day : Dev & ops cooperation at Flickr」・・・日常的リリース Ops‘job is NOT to keep the site stable and fast Ops‘job is to enable the business The business requires change Lowering risk of change through tools and culture


ITIL®には「日常的リリース」がなかったのか？

• 従来ITIL®は変更モデルの一つとして「標準的な変更」を提唱してきた


DevOpsに見られる変更リスクの担保

• 変更スコープの抑制、切り出し

• デプロイやテストの自動化・定型化

• 仮想技術による瞬時の切り戻し


クラウドとサービスライフサイクル

クラウド型のサービス

• 代表的なクラウド・サービスの種類


種類 XaaS 内容例

SaaS

Software インターネット経由のソフトウェアパッケージの提供。電子メール、グループウェア、CRMなど。

Salesforce CRM、Microsoft Online Services、Google Apps

PaaS

Platform インターネット経由のアプリケーション実行用のプラットフォームの提供。アプリケーションサーバやデータベースなど。ユーザーが自分のアプリケーションを配置して運用。

Force.com、Google App Engine、Windows Azure、Amazon S3

IaaS/HaaS

Infrastructure/Hardware

インターネット経由のハードウェアやインフラの提供。仮想化されたサーバーやデスクトップ、共有ディスクなど。ユーザーが自分でOSなどを含めてシステム導入・構築できる。

Amazon EC2

※ 国内でも多数のプロバイダが参入

参考： Wikipediaのクラウドコンピューティングの項などから筆者にて整理

クラウド利用によるライフサイクルの変化

• IaaSの利用だけでもインフラ調達が短縮、設計フェーズの短期化を促進


要件設計構築

方式設計

インフラ設計

アーキテクチャ策定

インフラ調達

モジュール実装

要件設計構築展開

方式設計

インフラ設計

アーキテクチャ策定

インフラ調達

モジュール実装

・・・

・・・

企業ITにとってはOpsDev？

• 初期開発はAcqで、以降Opsの中でDevを繰り返す


運用(Ops)運用(Ops) 保守開発/拡張開発(Dev)保守開発/拡張開発(Dev)

運用(Ops)運用(Ops)

要件設計構築展開運用最適化

サービスデザインサービス

トランジションサービス

オペレーション継続的

サービス改善

初期開発：調達(Acq)初期開発：調達(Acq) 運用(Ops)運用(Ops)

保守開発/拡張開発(Dev)保守開発/拡張開発(Dev)

利用者からのリクエスト

ビジネス要求ビジネス企画

クラウド時代のOps

Opsに求められる変化

• 開発との関わり

• Biz/Dev/Opsでの協働

• 運用は継続的なProgramとして断続的な開発Projectを管理

• OpsのDev的役割・機能の巻取り（一次保守開発、、、）

• 運用領域のフォーカス

• アプリ階層、サービス階層

• ダイナミックなパフォーマンス管理

• 全体最適、標準化


まとめ

Thank you.

Documents

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