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LabVIEW スタートアップガイド Real-Time モジュール このドキュメントでは、LabVIEW Real-Time モジュールを紹介する演習が提供されて います。これらの演習を通して、リアルタイムアプリケーションの検証、変更、デプ ロイを実⾏します。リアルタイムオペレーティングシステムのプログラミング⽅法と 概念についても学習します。 目次 主要概念 ..............................................................................................................................................................2 Real-Time モジュールをインストールおよび構成する...............................................................3 Real-Time モジュールをインストールする .............................................................................3 RT ターゲットを構成する .................................................................................................................3 RT ターゲットソフトウェアのインストール...........................................................................4 マルチ CPU サポートをインストールする.....................................................................4 Real-Time プロジェクトを起動する......................................................................................................4 RT ターゲット上で VI を参照...........................................................................................................5 データ転送コンポーネントの初期化.................................................................................6 タイミングループでデータを集録......................................................................................7 While ループでネットワークを介してデータを転送................................................7 データ転送コンポーネントを閉じる.................................................................................8 ホストコンピュータ上で VI を参照 .............................................................................................9 ネットワークストリームに接続 ..........................................................................................9 ネットワークストリームから読み取り............................................................................11 ネットワークストリームから接続解除............................................................................11 アプリケーションをビルドおよびデプロイする............................................................................12 RT ターゲットプロパティを構成する .........................................................................................12 ビルド仕様を RT ターゲットにデプロイする .........................................................................12 RT ターゲット VI およびスタンドアロンアプリケーションをデバッグする....................13 RT ターゲット VI をデバッグする.................................................................................................13 スタンドアロンリアルタイムアプリケーションをデバッグする ................................13 その他の情報 ....................................................................................................................................................14 LabVIEW ヘルプ ....................................................................................................................................14 LabVIEW Real-Time モジュールリリースおよびアップグレードノート..................15

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LabVIEW スタートアップガイド Real-Timeモジュールこのドキュメントでは、LabVIEW Real-Timeモジュールを紹介する演習が提供されています。これらの演習を通して、リアルタイムアプリケーションの検証、変更、デプロイを実⾏します。リアルタイムオペレーティングシステムのプログラミング⽅法と概念についても学習します。

目次主要概念 ..............................................................................................................................................................2Real-Timeモジュールをインストールおよび構成する ...............................................................3

Real-Timeモジュールをインストールする .............................................................................3RTターゲットを構成する .................................................................................................................3RTターゲットソフトウェアのインストール...........................................................................4

マルチ CPUサポートをインストールする .....................................................................4Real-Timeプロジェクトを起動する......................................................................................................4

RTターゲット上で VIを参照...........................................................................................................5データ転送コンポーネントの初期化.................................................................................6タイミングループでデータを集録......................................................................................7Whileループでネットワークを介してデータを転送 ................................................7データ転送コンポーネントを閉じる.................................................................................8

ホストコンピュータ上で VIを参照 .............................................................................................9ネットワークストリームに接続 ..........................................................................................9ネットワークストリームから読み取り ............................................................................11ネットワークストリームから接続解除 ............................................................................11

アプリケーションをビルドおよびデプロイする ............................................................................12RTターゲットプロパティを構成する .........................................................................................12ビルド仕様を RTターゲットにデプロイする .........................................................................12

RTターゲット VIおよびスタンドアロンアプリケーションをデバッグする....................13RTターゲット VIをデバッグする .................................................................................................13スタンドアロンリアルタイムアプリケーションをデバッグする ................................13

その他の情報 ....................................................................................................................................................14LabVIEWヘルプ ....................................................................................................................................14LabVIEW Real-Timeモジュールリリースおよびアップグレードノート ..................15

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2 | ni.com/jp | LabVIEWスタートアップガイド Real-Timeモジュール

主要概念以下の主要な概念は、Real-Timeモジュールを使用するために必要な基本的な情報を提供しています。• Real-time(RT)アプリケーション —安定した実⾏と正確なタイミング用に設計

されたアプリケーション。• 確定性 —外部イベントに対するアプリケーションの応答または⼀定時間内での

処理の実⾏の⼀貫性を表すリアルタイムアプリケーションの特性。リアルタイムアプリケーションを設計する際に、確定性の最大化が優先事項となることがよくあります。

• ジッタ —アプリケーションの⼀番速い実⾏と⼀番遅い実⾏の時間差。リアルタイムアプリケーションを設計する際に、ジッタの最⼩化が優先事項となることがよくあります。

• リアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)—向上した確定性と減少したジッタを持つアプリケーションを実⾏するように設計されたオペレーティングシステム。Microsoft Windowsのような汎用オペレーティングシステムは、予期できないタイミングで操作を完了します。対照的に、RTOSが実⾏する各操作は既知の最大完了時間があります。アプリケーションを RTOS用に設計することで、アプリケーションを確定的に実⾏できます。

• RTターゲット —RTOSを動作する NI PXI-8108または NI cRIO-9012などのコントローラ。

• スタンドアロン RTアプリケーション —RTターゲットの電源をオンにした際に自動的に実⾏される RTアプリケーション。

• デバイスドライバソフトウェア —LabVIEWから特定の RTターゲットおよびインストールされた I/Oデバイスに適切な形式にコマンドを変換するソフトウェアコンポーネント。RTターゲットを構成する⼀部として適切なデバイスドライバソフトウェアをインストールします。

• ホストコンピュータ —リアルタイムアプリケーションの設計に使用するコンピュータ。リアルタイムアプリケーションをホストコンピュータから RTターゲットにデプロイします。ホストコンピュータ上で実⾏されるユーザインタフェースを介して RTターゲットと通信することもできます。

• NI Measurement & Automation Explorer (MAX)—RTターゲットの構成に使用するソフトウェア。ホストコンピュータ上に Real-Timeモジュールをインストールした後に、MAXを使用して Real-Timeモジュール、RTOS、およびデバイスドライバソフトウェアを RTターゲットにインストールできます。

• サブネット —TCP/IPプロトコルを使用してデバイスが通信可能なネットワークの⼀部。MAXは自動的にホストコンピュータと同じサブネットに接続された RTターゲットを検出します。

• シェア変数 —データを読み書きできるメモリ領域。単⼀プロセスのシェア変数を使用して 1つのコンピュータで、またはネットワークで共有されたシェア変数を使用して複数のコンピュータで、シェア変数の読み書きが実⾏できます。シェア変数は、データセットの最新値のみを 1つまたは複数のコンピュータとネットワーク上で共有する場合に使用します。

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LabVIEWスタートアップガイド Real-Timeモジュール | © National Instruments | 3

• RT FIFO—サイズが固定されたキューのような役目を果たし、FIFOキューに最初に書き込まれた値は FIFOキューから最初に読み取られる値になります。RT FIFO関数は、共有データにサイズ制限を課し、データ用にメモリをあらかじめ割り当てることで確定性を保証します。RT FIFO関数を使用して RTターゲットで実⾏される VIまたは並列ループ間でデータを共有します。

• ネットワークストリーム —書き込みエンドポイントと読み取りエンドポイントで構成されるロスレスで単⽅向の 1対 1通信チャンネル。ネットワークストリームを使用してネットワーク上で無損失のデータストリーミングを実⾏します。

Real-Timeモジュールをインストールおよび構成するリアルタイムアプリケーションを開発する前に、以下のタスクを実⾏する必要があります。1. ホストコンピュータに Real-Timeモジュールをインストール2. RTターゲットを構成3. RTターゲットに RTOSおよびデバイスドライバソフトウェアをインストール

Real-TimeモジュールをインストールするReal-Timeモジュールおよびデバイスドライバのインストール⼿順については、ソフトウェアキットに付属する、または ni.com/manualsからアクセス可能な『LabVIEW Real-Timeモジュールリリースおよびアップグレードノート』を参照してください。

RTターゲットを構成するホストコンピュータに Real-Timeモジュールをインストールした後に、MAXを使用してターゲットの⼀般設定を構成してください。

メモ 初期構成を実⾏するには、ネットワークに接続した RTターゲットをMAXを起動するホストコンピュータと同じサブネットに接続する必要があります。

RTターゲットの構成の詳細については、MAXでヘルプ→MAXヘルプを選択して表⽰される『Measurement & Automation Explorerヘルプ』で、目次タブの「リモートシステムヘルプ」ブックを参照してください。

RTターゲットの構成の詳細については、以下の追加リソースを参照してください。• LabVIEW Real-Timeターゲット構成チュートリアル —ネットワーク接続した RT

ターゲットを構成する⼿順のチュートリアルについては、『Measurement & Automation Explorerヘルプ』の「LabVIEW Real-Timeターゲット構成チュートリアル」トピックを参照してください。

• その他および上級設定 —RTターゲットの追加設定については、『LabVIEWヘルプ』の「RTターゲットを設定する」トピックを参照してください。

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4 | ni.com/jp | LabVIEWスタートアップガイド Real-Timeモジュール

• Real-Time (RT) Installation/Configuration Troubleshooter—ナショナルインスツルメンツのウェブサイト、ni.com/jp/infoにアクセスし、Info Codeにjp8nejを⼊⼒すると表⽰される「Real-Time (RT) Installation/Configuration Troubleshooter」を参照してください。このページには、RTターゲットのインストールおよび構成に役⽴つ学習リソースへのリンクがあります。

RTターゲットソフトウェアのインストールRTターゲットを構成した後に、MAXで LabVIEW Real-Timeソフトウェアウィザードを使用して、ソフトウェアおよびドライバをホストコンピュータから RTターゲットにインストールします。LabVIEW Real-Timeソフトウェアインストールウィザードを起動するには、以下の⼿順に従ってください。1. MAXを起動します。2. ターゲットを検索して、リモートシステムツリーで展開します。3. ソフトウェアを右クリックし、ソフトウェアの追加と削除を選択します。ソフトウェアの追加と削除を選択すると、MAXは LabVIEW Real-Timeソフトウェアウィザードを起動します。ここには、ホストコンピュータにインストールされている、選択した RTターゲットにインストール可能なすべてのナショナルインスツルメンツのソフトウェアおよびドライバが表⽰されます。4. LabVIEW Real-Timeの隣にあるアイコンをクリックします。5. 機能をインストールを選択します。

マルチ CPUサポートをインストールするRTターゲットにマルチコア CPUがある場合は、MAXの LabVIEW Real-Timeソフトウェアウィザードを使用して NI RT Extensions for SMP(SMP用 NI RT拡張機能)をインストールします。RTアプリケーションをマルチ CPUシステム用に最適化する⽅法については、『LabVIEWヘルプ』の目次タブで「リアルタイムアプリケーションをマルチコア CPUシステム用に最適化する」ブックを参照してください。

メモ NI RT Extensions for SMP(SMP用 NI RT拡張機能)はマルチコア CPUシステムにのみインストールしてください。複数の CPUを使用するシステム用に RTアプリケーションを最適化する⽅法の詳細については、ナショナルインスツルメンツのウェブサイト ni.com/jp/infoにアクセスして、Info Codeとして rtsmpと⼊⼒してください。

Real-Timeプロジェクトを起動するリアルタイムアプリケーションの作成と RTターゲットとの通信には、LabVIEWプロジェクトを使用する必要があります。LabVIEWプロジェクトを使用して、ファイルおよびスタンドアロンリアルタイムアプリケーションを RTターゲットにデプロイすることもできます。

このチュートリアルでは、Getting Startedプロジェクトを解析します。このプロジェクトには、RTターゲットでデータの収録と処理を実⾏し、そのデータをホスト

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LabVIEWスタートアップガイド Real-Timeモジュール | © National Instruments | 5

コンピュータ上に表⽰する VIが含まれています。以下の⼿順に従って、Getting Startedプロジェクトを開きます。1. LabVIEWを起動します。2. ヘルプ→サンプルを検索を選択してサンプルファインダを開きます。3. ツールキットとモジュール→ Real-Time→チュートリアルと移動します。4. Getting Started.lvprojをダブルクリックしてプロジェクトエクスプローラ

ウィンドウを開きます。図 1は、Getting Started.lvprojのプロジェクトエクスプローラウィンドウを⽰します。

図 1. プロジェクトエクスプローラウィンドウ

RTターゲット上で VIを参照RTターゲット上で実⾏される VIを参照します。プロジェクトエクスプローラウィンドウで Real-Time Main.viをダブルクリックして VIを開きます。

図 2. 「Real-Time Main」VI

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「Real-Time Main」VIは、シミュレートされたデータ集録デバイスからシングルポイントデータの⽣成およびストリーミングを実⾏します。以下のセクションでは、⼀般的な RTプログラミング⽅法を明らかにするこの VIの側⾯について説明します。「Real-Time Main」VIでサブ VIをダブルクリックして設計を解析します。

「Real-Time Main」VIは以下のタスクを実⾏します。• データ転送コンポーネントの初期化• タイミングループでデータを集録• Whileループでネットワークを介してデータを転送• データ転送コンポーネントを閉じる

データ転送コンポーネントの初期化図 3. データ転送コンポーネントを初期化する

1. アプリケーションの開始時にシェア変数が間違った値を読み取ることを回避するために、Active?シェア変数は TRUEの値で初期化されます。

2. 「RT FIFO作成」関数は RT FIFOを作成し、タイプ⼊⼒は RT FIFOが保存するデータのタイプを指定します。この例では RT FIFOのサイズを指定しないため、「RT FIFO作成」関数はデフォルトの 10要素を使用します。ナショナルインスツルメンツは、アプリケーションを設計する際に RT FIFO要素の数を定義することを推奨します。RT FIFOで要素数を指定することで、データロギングエラーを回避できます。RT FIFOで要素数とサイズを定義する詳細については、『LabVIEWヘルプ』を参照してください。

3. 「Update Real-Time Stream」サブ VIの Connectケースは、ネットワークストリームの書き込みエンドポイントの RTAcqDataを作成します。

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LabVIEWスタートアップガイド Real-Timeモジュール | © National Instruments | 7

タイミングループでデータを集録図 4. タイミングループでデータを集録する

1. ⼊⼒ノードとして知られるこの構成ツールは、タイミングループのカスタマイズ用に端⼦を表⽰します。⼊⼒ノードをダブルクリックし、追加のタイミングループ設定を構成できるタイミングループを構成ダイアログボックスを表⽰します。たとえば、このタイミングループは 250 msの周期を使用します。

メモ タイミングループ周期を残りのアプリケーションと⼀致させることで、書き込みレートと読み取りレートが均⼀化されます。すべてのデータが読み取られるように、アプリケーションの読み取りレートはアプリケーションの書き込みレート以上である必要があります。

2. 「RT FIFO書き込み」関数は、「乱数 (0-1)」関数からデータ集録をシミューレートして RT FIFOに単⼀の要素を書き込みます。

3. エラーの発⽣時や、ホストコンピュータで実⾏している VIのフロントパネルでアプリケーションを停⽌ボタンをクリックした場合、「Stop Loop?」サブ VIはWhileループを停⽌します。

Whileループでネットワークを介してデータを転送図 5. Whileループでネットワークを介してデータを転送する

1. 「RT FIFO読み取り」関数は RT FIFOで⼀番古い要素を読み取り、それを「Update Real-Time Stream」サブ VIが含まれるケースストラクチャに送信します。

2. RT FIFOに要素が含まれる場合、このケースストラクチャは FALSEケースを実⾏します。「Update Real-Time Stream」サブ VIの Streamケースは、要素を

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「RT FIFO読み取り」関数から RTAcqDataネットワークストリームに書き込みます。RT FIFOが空の場合、このケースストラクチャは空⽩の TRUEケースを実⾏し、RTAcqDataネットワークストリームに⼊⼒されるデータはありません。

図 6. TRUEケース

3. エラーの発⽣時や、ホストコンピュータで実⾏している VIのフロントパネルでアプリケーションを停⽌ボタンをクリックした場合、「Stop Loop?」サブ VIはWhileループを停⽌します。

4. 「次の倍数まで待機」VIはWhileループの周期を 250 msに変更します。ネットワーク上のデータ転送など、タイミングループよりも低い確定性が必要な場合は、関数の実⾏レートを制御するために「次の倍数まで待機」VIでWhileループを使用します。

データ転送コンポーネントを閉じる図 7. データ転送コンポーネントを閉じる

1. 1つのループでエラーが発⽣した場合、「Stop All If Error」サブ VIは他のループを停⽌します。ナショナルインスツルメンツは、すべての複数ループアプリケーションで同様の機能を実装することを推奨します。

2. 「Update Real-Time Stream」サブ VIの Destroyケースは、RTAcqDataネットワークストリームのエンドポイントを破棄します。ネットワークの読み取りおよび書き込みエンドポイントの両⽅を破棄することで、ストリームに割り当てられたメモリが解放されます。

3. 「RT FIFO削除」関数は、RT FIFOリファレンスを閉じて FIFOに割り当てられたメモリを解放します。

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ホストコンピュータ上で VIを参照「Real-Time Main」VIを検証した後に、プロジェクトエクスプローラウィンドウでWindows Main.viをダブルクリックしてホストコンピュータで実⾏される VIを開きます。

図 8. 「Windows Main」VI

「Windows Main」VIは RTターゲットからデータストリーミングを読み取り、それを波形チャートに表⽰します。以下のセクションでは、⼀般的な RTプログラミング⽅法を明らかにするこの VIの側⾯について説明します。「Windows Main」VIでサブ VIをダブルクリックして設計を解析します。

「Windows Main」VIは以下のタスクを実⾏します。• ネットワークストリームに接続• ネットワークストリームから読み取り• ネットワークストリームから接続解除

ネットワークストリームに接続図 9. ネットワークストリームに接続する

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図 10に⽰されているように、「Update Windows Stream」サブ VIにある Connectケースは「ネットワークストリーム読み取りエンドポイントを作成」関数を使用して、「Real-Time Main」VIのネットワークストリーム書き込みエンドポイントに読み取りエンドポイントを作成します。

図 10. 「Update Windows Stream」サブ VIの Connectケース

図 11に⽰されているように、「Build Reader URL」サブ VIは「⽂字列連結」関数を使用して、⽂字列をネットワークストリームの書き込み URLに結合します。

図 11. 「Build Reader URL」サブ VI

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ネットワークストリームから読み取り図 12. ネットワークストリームから読み取る

1. 「Update Windows Stream」サブ VIにある Streamケースは「ストリームから単⼀要素を読み取る」関数を使用して、ネットワーク上で RTターゲットがストリーミングするデータを読み取ります。「Update Windows Stream」サブ VIをダブルクリックして Streamケースを選択し、この関数を表⽰します。

2. RTターゲットからのデータは「Windows Main」VIのフロントパネル上の波形チャートに表⽰されます。

ネットワークストリームから接続解除図 13. ネットワークストリームから接続解除する

1. 「Update Windows Stream」サブ VIにある Destroyケースは「ストリームエンドポイントを破棄」関数を使用して、ネットワークストリームへのリファレンスを閉じます。ネットワークの読み取りおよび書き込みエンドポイントの両⽅を破棄することで、ストリームに割り当てられたメモリが解放されます。「Update Windows Stream」サブ VIをダブルクリックして Destroyケースを選択し、この関数を表⽰します。

メモ 必要でないネットワークストリームリファレンスを常に閉じます。

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アプリケーションをビルドおよびデプロイするGetting Startedプロジェクトを検証したので、スタンドアロンリアルタイムアプリケーションをビルドし、それを RTターゲットにデプロイすることができます。

RTターゲットプロパティを構成するRTターゲットプロパティダイアログボックスを使用して、RTターゲットのプロジェクト設定を構成します。

以下の⼿順に従って、プロジェクトエクスプローラウィンドウに RTターゲットの IPアドレスを⼊⼒します。1. RTターゲットを右クリックしてプロパティを選択し、RTターゲットプロパティ

ダイアログボックスを開きます。2. IPアドレス / DNS名フィールドに RTターゲットの IPアドレスを⼊⼒して、OK

ボタンをクリックします。

設定を有効にするには、RTターゲットをデプロイする必要があります。RTターゲットを右クリックしてショートカットメニューからデプロイを選択し、設定をターゲットにデプロイします。

メモ RTターゲットをデプロイすると、RTターゲットプロパティダイアログボックスで指定した最新の設定でターゲット設定を上書きします。

ビルド仕様を RTターゲットにデプロイするGetting Startedプロジェクトには My Real-Time Applicationビルド仕様が含まれています。このビルド仕様を使用して、RTターゲットでスタンドアロンリアルタイムアプリケーションをビルドおよび実⾏します。RTターゲットに電源を投⼊した時にアプリケーションが起動することも設定します。

以下の⼿順に従って、スタンドアロンリアルタイムアプリケーションを RTターゲットでビルドおよび実⾏します。1. プロジェクトエクスプローラウィンドウで My Real-Time Applicationを右ク

リックし、ショートカットメニューからビルドを選択してスタンドアロンリアルタイムアプリケーションをビルドします。アプリケーションビルダは、ビルド仕様で定義した設定でスタンドアロンリアルタイムアプリケーションをビルドします。ビルドが完了したら、完了をクリックしてビルドステータスダイアログボックスを閉じます。

2. ビルド仕様を右クリックして、ショートカットメニューからスタートアップとして実⾏を選択します。スタートアップとして実⾏ショートカットメニュー項目を選択すると、アプリケーションがスタートアップアプリケーションとしてターゲットにデプロイされ、RTターゲットの再起動を促す画⾯が表⽰されます。ビルド仕様をスタートアップアプリケーションに設定すると、LabVIEWはプロジェクトエクスプローラのビルド仕様のアイコンの周りに緑の枠を表⽰します。ビルド仕様をスタートアップとして設定すると、ビルド仕様から⽣成されたアプリケーションが RTターゲットを起動すると自動的に起動します。

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LabVIEWスタートアップガイド Real-Timeモジュール | © National Instruments | 13

3. (オプション)ホスト VIを使用してアプリケーションを監視する場合、プロジェクトエクスプローラウィンドウで RTターゲットを右クリックし変数の自動デプロイを無効化を選択して、シェア変数が自動的にデプロイすることを回避します。変数の自動デプロイが有効な場合、ホスト VIを実⾏する際に LabVIEWはターゲットで実⾏中のスタンドアロンアプリケーションを⼀度閉じて、シェア変数の設定を再度デプロイします。

4. プロジェクトエクスプローラウィンドウから、マイ コンピュータの下でWindows Main.viを開きます。

5. RTターゲットの IPアドレスをターゲット URLテキストボックスに⼊⼒します。6. VIを実⾏して、スタンドアロンリアルタイムアプリケーションから集録および

送信されたデータの波形チャートを表⽰します。

RTターゲット VIおよびスタンドアロンアプリケーションをデバッグするLabVIEWツールおよびユーティリティを使用して、RTターゲット VIおよび RTターゲットのメモリにあるリアルタイムアプリケーションをデバッグすることができます。

RTターゲット VIをデバッグするRTターゲットへのフロントパネル接続を開き、LabVIEWのデバッグツールを使用して、ターゲットで実⾏している VIをデバッグすることができます。LabVIEWのデバッグツール(実⾏ハイライトまたはシングルステップなど)でLabVIEWコードのステップを検証するには、ホストコンピュータが RTターゲットに接続されていなければなりません。LabVIEWのデバッグツールを使用して VIをデバッグする⽅法の詳細は、『LabVIEWヘルプ』を参照してください。

スタンドアロンリアルタイムアプリケーションをデバッグするアプリケーションまたは共有ライブラリをデバッグダイアログボックスを使用して、RTターゲットで実⾏中のスタンドアロンリアルタイムアプリケーションをデバッグできます。アプリケーションまたは共有ライブラリをデバッグダイアログボックスを使用してアプリケーションに接続するには、スタンドアロンリアルタイムアプリケーションのデバッグを有効にする必要があります。以下の⼿順に従って、Getting Startedプロジェクトでスタンドアロンリアルタイムアプリケーション用にデバッグを有効にします。1. プロジェクトエクスプローラウィンドウで、RTターゲットのビルド仕様の下の

My Real-Time Applicationを右クリックしてプロパティを選択します。2. カテゴリリストから上級をクリックします。3. デバッグを許可チェックボックスをオンにして OKをクリックします。4. スタンドアロンリアルタイムアプリケーションをビルドするには、

My Real-Time Applicationを右クリックし、ショートカットメニューからビルドを選択します。

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14 | ni.com/jp | LabVIEWスタートアップガイド Real-Timeモジュール

以下の⼿順に従って、アプリケーションまたは共有ライブラリをデバッグダイアログボックスを使用してスタンドアロンリアルタイムアプリケーションをデバッグしてください。1. RTターゲットでアプリケーションを実⾏するには、My Real-Time

Applicationを右クリックし、ショートカットメニューからスタートアップとして実⾏を選択します。

2. プロジェクトエクスプローラウィンドウで操作→アプリケーションまたは共有ライブラリをデバッグを選択して、アプリケーションまたは共有ライブラリをデバッグダイアログボックスを開きます。

3. マシン名または IPアドレステキストボックスに RTターゲットの IPアドレスを⼊⼒し、更新ボタンをクリックして、RTターゲットのメモリにあるスタンドアロンリアルタイムアプリケーションの⼀覧を表⽰します。

4. アプリケーションまたは共有ライブラリプルダウンメニューからstartup.rtexeを選択し、接続ボタンをクリックして、RTターゲットのスタートアップアプリケーションに接続します。LabVIEWで、デバッグするスタートアップ VIのフロントパネルが開きます。ブロックダイアグラムにアクセスし、プローブ、ブレークポイント、およびその他の LabVIEWのデバッグ⽅法をブロックダイアグラムで使用して、アプリケーションでエラーを確認します。

5. スタートアップ VIとアプリケーションまたは共有ライブラリをデバッグダイアログボックスを閉じます。

6. RTターゲットの起動時にスタンドアロンリアルタイムアプリケーションを起動する設定を無効にし、ビルド仕様をデプロイして、スタートアッププロパティの変更を適用します。

その他の情報Real-Timeモジュールには、RTターゲットで実⾏する時間確定的アプリケーションを作成する上で役⽴つ包括的なドキュメントセットが含まれています。

LabVIEWヘルプLabVIEWでヘルプ→ LabVIEWヘルプと選択することで利用可能な『LabVIEWヘルプ』には、Real-Timeモジュール特有の以下の情報が含まれています。• Real-Timeモジュールでのベストプラクティス —Real-Timeモジュールでアプリ

ケーションを設計、開発、およびデプロイするベストプラクティスについての情報。

• Real-Timeモジュールの概念 —確定的なアプリケーションを作成する際に利用できるプログラミングの概念、アプリケーションのアーキテクチャ、そしてReal-Timeモジュールの機能に関する情報。

• Real-Timeモジュールの操作⼿順 —Real-Timeモジュールの機能の使用⼿順。• Real-Time VI—Real-Timeモジュールの VI、関数、およびエラーコードのリファ

レンス情報。

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LabVIEWスタートアップガイド Real-Timeモジュール | © National Instruments | 15

• サポートされていない LabVIEWの機能 —Real-Timeモジュールでサポートされていない LabVIEWの機能に関する情報。

• Real-Timeモジュールのエラーコード —Real-Timeモジュール固有のエラーコードに関する情報。

LabVIEW Real-Timeモジュールリリースおよびアップグレードノート『LabVIEW Real-Timeモジュールリリースおよびアップグレードノート』には、Real-Timeモジュールのインストールおよび構成に役⽴つ情報、そしてアップグレードの問題および新規機能が記載されています。このドキュメントを参照するには、以下の⼿順に従ってください。1. スタート→すべてのプログラム→ National Instruments→ LabVIEW→ LabVIEW

マニュアルを選択して、labview¥manualsディレクトリを開きます。2. JPN¥RT_Release_Upgrade_Notes.pdfをダブルクリックしてマニュアルを開

きます。

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