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1 1. インドにおける M&A 1. はじめに 12 億の国民ときれいな三角形の人口ピラミッドをもつインドは、1991 年の経済開放以降、成長市場として 魅力を一気に開花させた。M&A 活動も活発に行われ、外国企業によるインド企業への M&A(インバウンド取 引)のみならず、インド企業による国内 M&A や外国企業への M&A(アウトバウンド取引)が盛んに行われてき たが、ここ数年はかつての活況ぶりは影を潜めている。 今回は、グラント・ソントン・インディアの「Grant Thornton Dealtracker Annual Edition 2013」を基にインド M&A の 2013 年を概観し、2014 年を展望したい。また、インド企業との M&A の留意点を、主にガバナンスや 組織統合の視点から紹介する。加えて、昨年 8 月に成立したインド新会社法の M&A に関する改正点のポイ ントを指摘したい。 2. 2013 年インド M&A (1) 概況 2013 年のインド企業による M&A は全体で 500 件、金額にして 280 億米ドル規模に留まった (2011 年: 644 件 450 億米ドル、2012 年:598 件 350 億米ドル。なおピーク時の 2007 年で 676 件 511 億米ドル)。2013 年は最後の数日で十億ドル規模の取引が数件があり、それが数字の回復には寄与したものの、最終的 には従来水準までの回復には至らなかった。2014 年は下院総選挙の年であり、特にインバウンド取引は 選挙後の新政権の政策を待ってから動き出そうという雰囲気であった。グローバル企業がインド拠点への 出資を増やしたケースもいくつか見られた。 May 30, 2014 1. インドにおける M&A 2. インドネシア~投資法・会社法・労働法におけるペナルティー 3. 政治・経済・産業トピックス 4. 主要国の経済指標

May 30, 2014野は、2012年の11億米ドル規模から9億米ドル規模にまで減少した。取引としては、Ultra Tech Cement 社のJaypee Cement社買収が590百万米ドルと最大の取引だった。銀行・金融サービス・保険分野では、

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Page 1: May 30, 2014野は、2012年の11億米ドル規模から9億米ドル規模にまで減少した。取引としては、Ultra Tech Cement 社のJaypee Cement社買収が590百万米ドルと最大の取引だった。銀行・金融サービス・保険分野では、

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1. インドにおける M&A

1. はじめに

12 億の国民ときれいな三角形の人口ピラミッドをもつインドは、1991 年の経済開放以降、成長市場として

魅力を一気に開花させた。M&A 活動も活発に行われ、外国企業によるインド企業への M&A(インバウンド取

引)のみならず、インド企業による国内 M&A や外国企業への M&A(アウトバウンド取引)が盛んに行われてき

たが、ここ数年はかつての活況ぶりは影を潜めている。

今回は、グラント・ソントン・インディアの「Grant Thornton Dealtracker Annual Edition 2013」を基にインド

M&A の 2013 年を概観し、2014 年を展望したい。また、インド企業との M&A の留意点を、主にガバナンスや

組織統合の視点から紹介する。加えて、昨年 8 月に成立したインド新会社法の M&A に関する改正点のポイ

ントを指摘したい。

2. 2013 年インド M&A

(1) 概況

2013 年のインド企業による M&A は全体で 500 件、金額にして 280 億米ドル規模に留まった (2011 年:

644 件 450 億米ドル、2012 年:598 件 350 億米ドル。なおピーク時の 2007 年で 676 件 511 億米ドル)。2013

年は 後の数日で十億ドル規模の取引が数件があり、それが数字の回復には寄与したものの、 終的

には従来水準までの回復には至らなかった。2014 年は下院総選挙の年であり、特にインバウンド取引は

選挙後の新政権の政策を待ってから動き出そうという雰囲気であった。グローバル企業がインド拠点への

出資を増やしたケースもいくつか見られた。

May 30, 2014

1. インドにおける M&A

2. インドネシア~投資法・会社法・労働法におけるペナルティー

3. 政治・経済・産業トピックス

4. 主要国の経済指標

Page 2: May 30, 2014野は、2012年の11億米ドル規模から9億米ドル規模にまで減少した。取引としては、Ultra Tech Cement 社のJaypee Cement社買収が590百万米ドルと最大の取引だった。銀行・金融サービス・保険分野では、

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【インドにおけるM&A:2009年~2013年のM&Aの状況】

(出典:Grant Thornton Dealtracker Annual Edition 2013)

6.7

18.3

5.0

20.9

10.39.0

6.0

3.9

28.7

8.6

1.4

22.5

10.88.6

9.2

174

373356

336

279

74 91

142 140 139

82

198

146122

82

-

50

100

150

200

250

300

350

400

2009 2010 2011 2012 2013 2009 2010 2011 2012 2013 2009 2010 2011 2012 2013

国内取引 インバウンド取引 アウトバウンド取引

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

取引額(USD 十億):右軸

取引件数:左軸(グループ内M&Aを含む)

(2) 国内取引

グループ内の合併や組織再編を除くインド国内 M&A は、57 億米ドルと、2012 年の 60 億米ドルとほぼ

同水準だった。製薬分野での取引が 9 億米ドルにのぼり、分野別では も金額が大きかった。不動産分

野は、2012 年の 11 億米ドル規模から 9 億米ドル規模にまで減少した。取引としては、Ultra Tech Cement

社の Jaypee Cement 社買収が 590 百万米ドルと 大の取引だった。銀行・金融サービス・保険分野では、

保険とノンバンクで取引数が増加し、電力・エネルギー分野では、再生可能エネルギー部門での取引が

みられた。

【インドにおけるM&A:トップ5セクター】

(単位:百万米ドル)

分野 2012年

製薬・ヘルスケア・バイオ 233 933 ↑

不動産 1,135 907 ↓

セメント 267 825 ↑

銀行・金融 458 743 ↑

電力・エネルギー 124 726 ↑

製薬・ヘルスケア・バイオ 1,416 2,451 ↑

通信 10 1,943 ↑

製造業 230 789 ↑

IT関連 430 753 ↑

電力・エネルギー 75 740 ↑

石油・ガス 1,098 5,649 ↑

自動車 164 1,166 ↑

製薬・ヘルスケア・バイオ 1,099 567 ↓

不動産 47 503 ↑

通信 6 365 ↑

(出典:Grant Thornton Dealtracker Annual Edition 2013)

2013年

国内取引

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【インドにおけるM&A:トップ5取引】

実施者 ターゲット 分野規模

(百万米ドル)取引タイプ 取得割合

Uniliever Plc * Hindustan Uniliever Ltd 日用品・食料・飲料 3,093 67.26%への追加取得 14.78%

Ultra Tech Cement Ltd Jaypee Cement's 5 mtpaGujarat facility

セメント 590 過半数取得 51%

NTPC Ltd Nabinagar Power GeneratingCompany Pvt Ltd

電力・エネルギー 413 戦略的取得 NA

Pfizer Wyeth Ltd 製薬・ヘルスケア・バイオ 367 合併 NA

Torrent Pharmaceuticals Ltd Elder Pharmaceuticals Ltd -Formulations

製薬・ヘルスケア・バイオ 322 取得 100%

Mylan Inc Aglia Specialities Pvt Ltd(Strides's injectable business)

製薬・ヘルスケア・バイオ 1,800 取得 100%

Vodafone International HoldingsB.V.

Vodafone India Limited 通信 1,641 100%への追加取得 36%

FPM Power Holdings Ltd GMR Energy (Singapore) Pte 電力・エネルギー 482 過半数取得 70%Emerson Group Virgo Valves & Controls Ltd 製造業 450 取得 100%Etihad Airways Jet Airways 航空 379 戦略的取得 24%ONGC Videsh Ltd Rovuma Area 1 Offshore Block 石油・ガス 2,640 少数持分取得 10%Oil India Ltd, ONGC Videsh Ltd Rovuma Area 1 Offshore Block 石油・ガス 2,475 少数持分取得 10%

ONGC Videsh Ltd Parque das Conchas, Brazilianoilfield

石油・ガス 529 27%への追加取得 12%

Cipla Ltd Cipla Medpro 製薬・ヘルスケア・バイオ 512 取得 100%

Lodha Group Canadian high commission'sbuilding in central London"McDonald House"

不動産 503 取得 100%

*Uniliever Plcの取引は、グループ内組織再編である。

(出典:Grant Thornton Dealtracker Annual Edition 2013)

国内取引

インバウンド

アウトバウンド

(3) インバウンド取引

クロスボーダー取引全体では、2012 年から 23%増の 180 億米ドル規模となったが、中でもインバウンド

取引は 43%の増加となった。特に製薬・ヘルスケア・バイオ分野は、2012 年に比べ金額で73%増となって

いる。上位 10 取引のうち 2 つが製薬分野で、米 Mylan 社による Agila Specialties 社の買収は 180 億米ド

ルと 大であった。Vodafone 社のインド法人の完全子会社化は 164 億米ドル規模にのぼり、通信分野の

取引額は分野別で第 2 位となった。なお、日本からのインバウンド取引は 584 百万米ドルで、国別ではア

メリカ(3,024 百万米ドル)、オランダ(1,652 百万米ドル)、フランス(594 百万米ドル)に次ぐ取引額であった。

(4) アウトバウンド取引

アウトバウンド取引は金額では 2012 年に比べ 8%増加の 92 億米ドルとなったものの、取引数は減少し

て 82 であった。石油・ガス分野は、20 億米ドル超の大型取引が 2 件含まれており、合計 57 億米ドルとア

ウトバウンド取引の過半を占めた。石油・ガス分野を除くと、取引額は 36 億米ドルと 2012 年の約半分にま

で落ち込み、インド企業の海外 M&A への慎重さが見て取れる。なお、アフリカへのアウトバウンド取引は

60 億米ドルと全体の約 65%を占め、インド企業のアフリカ進出の動きが明確になっている。日本へのアウ

トバウンド取引は、5 百万米ドルであった。

(5) 製薬・ヘルスケア部門

製薬・ヘルスケア部門は、2013 年の取引件数は 44 件で過去 2 年(2011 年 47 件、2012 年 42 件)とほぼ

同水準だったが、取引額は 39 億米ドルと 3 年連続で増加している(2011 年 20 億米ドル、2012 年 27 億米

ドル)。製薬分野は、外国直接投資(FDI)に外国投資促進委員会(FIPB)の承認が必要という環境にもかか

わらず、2013 年は米 Mylan 社による Agila Specialties 社の買収(180 億米ドル)等いくつか大型 M&A 取引

が見られた。今後は、国内中小企業に整理・統合のニーズがあること、FDI 投資規制を考えると国内取引

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の方が迅速に行えること、国内製薬会社とグローバル製薬企業の国内市場での競争が非常に激しくなっ

てきていることから、国内 M&A が増えてくるのではないかと考えられる。また、インドの大手製薬企業は、

引き続き海外での戦略的買収を進めるのではないかと考えられる。2014 年1月には、印 Aurobino Pharma

社が Actavis 社の西ヨーロッパ事業(事業規模 320 百万ユーロ)を買収すると発表している。

(6) インド企業の 2014 年の M&A は?

上記でも触れたとおり、インド企業の M&A 取引は国内取引、アウトバウンド M&A 取引ともにここ数年低

迷している。世界的な不況、昨年の歴史的ルピー安、GDP 成長率が 2 年連続して 5%を下回りインド経済

が失速していることもその傾向を後押ししているだろう。しかし、将来について悲観的な見方だけに頼るの

はまだ早いかもしれない。

まずは、これまでのインドの活発な M&A を支えてきた様々な要因を振り返ってみたい。1991 年の経済

開放により、インド市場に「競争」が持ち込まれた。特にインド人は価格感度が高いため、効率性を高める

ことによる収益性の改善がインド企業の大きな課題となり、その克服が求められた。外国機関投資家の参

入により、投資家を意識し、株主価値の向上に貢献する企業経営を迫られるようになった。外国機関投資

家の増加は、インド企業に国際的会計基準の採用を促し、経済開放後の 1990 年台前半には米国会計基

準による決算発表をするインド企業が増え始めている。1990 年代前半は資本調達ブームが起こり、多くの

企業がグローバル預託証券 (GDR) スキームを利用して無闇矢鱈に資本を増強したが、その後過剰資本

に苦しめられ、1990 年代終盤にインド経済は苦境に陥った。しかし、これによってインド企業は緩んだベル

トを締め直し、コストカットを進め、海外市場に自社製品を売り込むことを模索し始めた。品質管理の面に

おいては、ほとんどのインド主要企業が ISO の取得に積極的であるという事実がある。1998 年にインド企

業で初の、そして、日系企業以外で初のデミング賞実施賞をインドのSundaram Clayton社が獲得したのを

はじめ、これまでに 16 のインド企業がデミング賞を獲得していることは、インドのリーディングカンパニーの

持つ高い品質管理力の証左である。インド企業のグローバル展開は、IT 産業セクターが牽引してきた。優

れたパフォーマンスを発揮してインド発のグローバルブランドへと成長し、インド IT 企業がグローバル市場

に参入したことは、その他の産業セクターのインド企業に自信を与えてきた。また、グローバル経営という

観点では、多様性を認め合うインドの文化が、様々な国、地域の人々と一緒に働く際に、インド企業の大

きな長所として作用している。ここに挙げた、インド企業の活発な M&A を支えてきたポイントは、現在でも

インド企業に当てはまるものであり、これらが消え失せてしまったわけではない。

インド企業の国際的 M&A は、限られた一部の産業セクターの話ではなく、どの産業セクターも 低 1 つ

は国際的な M&A を実施しており、大企業や主要産業だけではなく、中小企業も同様にグローバルな買収

活動を行ってきているといえる。依然インド企業には海外 M&A による成長を図ろうという要求が強く、

IT/ITES 産業セクターは、今後も引き続き海外買収の牽引役となるだろう。欧州はオーナー経営企業が多

いというインドビジネスとの共通性や歴史的つながりもあり、依然インド企業への高い関心を持っている。

グラント・ソントン・インディアによる 2013 年のインターナショナル・ビジネス・レポートによれば、インド企

業の 2014 年業績見通しについて、多くのインド企業が自社の成長に楽観的であり、今年の経済状況に関

してもポジティブな見通しを持っていることが分かった。2013 年 10~12 月期(Q4)では、69%が 2014 年の

見通しについて楽観的であり、2013年7月~9月期(Q3)の57%と比べても楽観論が広がりを見せている。

ラグラム・ラジャン氏のインド準備銀行総裁就任による今後の経済安定への期待感や、政権交代による

変化への期待等の外部要因も楽観論の一因となっているだろう。しかし、多くのインド企業が現在の低迷

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が長く続くと感じていないということは、今後のビジネス成長投資としての M&A を促すと思われる。

2014 年がここ数年のインド企業の M&A 低迷からの転換点になると期待したい。

(7) プライベートエクイティ(PE)の活発化

これまではインド企業による M&A を紹介してきたが、インドでの PE による企業買収は活発になっている。

インド企業による M&A の減少を埋めるように、2011 年:373 件 88 億米ドル、2012 年:401 件 74 億米ドル、

2013 年:450 件 104 億米ドルと推移しており、件数は 5 年連続の増加で過去 高となった。2006~2008

年のブーム時の高いバリュエーションでの投資は依然期待リターンは得られておらず、市場売却による出

口も取りづらい状況下で PE 取引が減少しなかったのは、やはりポジティブな先行き見通しが投資の継続

と増加に結びついているためと考えられる。

3. インド特有の M&A 留意点とは?

M&A は時間を買う取引と言われるとおり、M&A によるインド進出はインドのローカル企業の持つ販売網や

人脈等を一気に手にすることができるメリットがある一方、デューデリジェンス等の M&A 取引それ自体のマ

ネジメントに起因するリスクや、組織統合の困難性といった M&A 固有のリスクがあり、それはインド企業との

M&A に限らず、あらゆる M&A には付きもののリスクである。では、インド企業との M&A 特有の留意点とは何

だろうか。

まず、デューデリジェンスにおいては、事業面・数字面の把握はもちろんのこと、企業のガバナンス体制の

把握が重要である。インド企業は家族経営が多く、プロモーター(創業者)が非常に強い決定権を持っている

場合が多い。また、組織としての内部統制機構が脆弱であるケースもある。しかし、だからといって、一概に

不正リスクが高いかと言えば、強い権限のオーナーによる監視が行き届いている場合には従業員不正は発

生しにくくなっている可能性がある。その場合、大きな問題があるとすれば経営者層であるオーナーファミリ

ーに起因している。また、ローカルの個人会計事務所が会計監査人となっている場合には、オーナーと親密

な関係であることが多く、公私共にかなり深い部分にもアドバイスしていることがあり、監査の独立性が担保

されていない可能性もある(それがルール違反ではないケースもありうる)。そのため、オーナー経営者との

面談には、日本側からもできる限りトップが出席して実際に会い、人となりを評価し、一族の構成や役職、出

資関係等を把握しておくとともに、会計監査人にも面会を要望することが望ましい。もちろん、M&A 後にオー

ナーの直接監視に代わる適切な内部統制を導入することについて、専門家の助言を得ながら検討を進める

必要がある。

組織統合については、M&A 後もインド人従業員にとってはオーナーファミリーやインド人経営者は大きな

存在であり続けることが多く、その意向が経営に大きく影響することがある。そのため、事前にインド側企業

のオーナーや経営者と M&A 後の経営方針や事業のビジョンを正確に共有することが重要である。その際に

は、例えばこれまでインドでの販売代理店であったなど旧知のインド企業との M&A の場合でも、M&A に際し

ては改めて相手側と確認しておく必要があるだろう。また、インド側の管理部門のトップや現場責任者とのコ

ミュニケーションも重要である。オーナーや経営者の権限が強い場合には、その下の層が管理者として育っ

ていない可能性がある。M&A 後の会社に日本人管理職を置くことももちろん重要だが、インド人をマネージ

するという点では、信頼できるインド人管理職は、特に初期段階では大きな存在である。また人事・労務上の

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問題では、インド人の発想に合わせた対応が問題の早期解決につながることがある。

日本人とは異なるインド人のメンタリティを理解することも重要である。例えば、インド人は一般に計画や予

算の作成が苦手である。それは、インド人にとって、将来のことは考えてもどうなるか分からないので、その

場その場で適切に対処することが重要だ、という基本的な考え方に由来すると思われる。しかし、日本流ビ

ジネスでは、事業計画や予算は致命的に重要であり、それがないことにはビジネスは一歩も進まないという

考え方が強い。M&A 後にインド側がなかなか日本側の思うように動いてくれない、ということもあるだろう。し

かし、インドはグローバル経済から見れば新興国ではあるが、古代文明に始まる独自の文化をもち、1991 年

の経済開放以前から必要なものは自前で作れる力と技術を持っている大国であって、日本流をそのまま持

ち込むことに無理があるという発想を常に持ち合わすことが重要ではないかと考える。インド流を尊重すべき

は尊重し、正すべきは正すという柔軟さが問題を軽減・解決する場面は多いのではないだろうか。上述の計

画・予算の話で言えば、なぜそれが重要なのかを共有するところから始める必要がある一方で、もし想定外

のことが発生した場合のインド人の瞬発力と対処力には逆に日本人が感嘆し学ぶことになるだろうと思う。

4. 新会社法の M&A 手続への影響

2013 年 8 月に大統領署名を経て新会社法 (The Companies Act, 2013) が成立した。M&A に関する規制に

も改正が入っており、今後の M&A 取引の際は留意が必要である。主な改正点は以下のとおりであり、新会

社法の該当条文は、例えば 3 条 4 項は(3(4))と記載している。なお、新会社法はインド企業省の通達により順

次部分的に施行され、大半が 2014 年 4 月 1 日に施行されているが、以下の M&A に関する条文は 2014 年

3 月 27 日時点で未施行であり、施行時期は不明である。また、今後施行規則が公表され、詳細な手続内容

等が明らかになると思われる。

(1) M&A 承認総会等の招集通知

M&A 承認のための株主総会や債権者集会にあたり、新会社法は中央政府、所得税局、インド準備銀行

(RBI)、インド証券取引委員会(SEBI)、企業登記局、関連する証券取引所、公共清算人(Official Liquidator)、

公正取引委員会(必要な場合)等の規制機関にも招集通知を提出するよう求めている(232(1), 230(5))。旧

会社法では裁判所への書類提出のみであったのに比べて複数の役所が関与することになり、手数が増し

煩雑になる可能性がある。手続に要する時間が増える可能性もあるので、事前のスケジュールにこの手

続を織り込んでおくことが必要だろう。

(2) 専門家によるバリュエーションレポートの開示

旧会社法は、バリュエーションレポートの株主への開示を強制しておらず、実務的には株主開示資料の

中に含まれていたり、裁判所による評価手続の一環として裁判所には提出されていた。新会社法では、

勅許会計士等の専門家(Expert)によるバリュエーションレポートを M&A 承認総会等の招集通知添付書類

とすることを規定している(232(2)(d))。

(3) 会計監査人による会計基準準拠性証明

新会社法は、公開会社、非公開会社に関わらず、会社法審判所によるアレンジメント・スキーム(債務整

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理計画書)の認可には、会社の会計監査人による会計基準への準拠性に関する証明が必要としている

(232(3)但書)。これは、これまで証券取引委員会により上場会社にのみ求められていたものだが、新会社

法はこれを法制度として導入した。アレンジメント・スキームを規制当局に提出する前に、会計監査人と当

該証明について協議することが必要である。

(4) アレンジメント・スキームへの反対表明

旧会社法では、不利益を被る株主、債権者、関連のある者であれば、アレンジメント・スキームについて

裁判で反対することができたが、新会社法では持ち株比率 10%以上の株主と直近の監査済財務諸表の

負債の 5%以上の債権者に限定している。少数株主や小額債権者による訴訟や反対の濫発を回避する

ための制限である。

(5) 外国企業によるインド企業の吸収合併

旧会社法では、外国企業によるインド企業の吸収合併は規定されていなかったため、合併会社はインド

企業でなければならないとされてきた。新会社法は、中央政府の通知する一定の外国法管轄内の外国企

業によるインド企業の吸収合併を認めた(234(1))。これには、インド準備銀行による事前の承認が必要で

ある(234(2))。ただし、日本の会社法は外国会社との合併を規定しておらず、外国会社との合併登記は受

理されないことから、日本企業がインド会社を吸収合併することはできない。

(6) 非上場企業による上場企業の吸収合併

新会社法は、非上場企業による上場企業の吸収合併のケースでは、当該非上場合併会社は非上場会

社形態のままとなることを規定している。また、当該上場被合併会社の株主に対して、払い戻し請求等の

出口オプションを認めなければならない(232(3)(h))。

(7) 簡易合併

旧会社法は、全ての M&A について裁判所の承認を必要としていたが、新会社法は小規模企業間の

M&A や持ち株会社による完全子会社の M&A など一定の場合については、会社法審判所の承認は不要

となった(233(1)) 。なお、新会社法より承認機関が裁判所から会社法審判所に変更されている。この場合

でも、企業登記局と公共清算人への通知は必要とされている(233(1)(a))。反対や提案は株主総会で検討

され、少なくとも全体の 90%の株主、債権者(債権額)の出席をもって合併を承認しなければならない

(233(1)(b)(d))。承認された場合は、中央政府、企業登記局、公共清算人に通知しなければならない

(233(2))。現時点では、簡易合併に際してはインド準備銀行や所得税局への通知、バリュエーションレポー

トの提出、会計監査人による会計基準準拠性証明は必要ないと解されるが、今後何らかの新たな通知が

出される可能性もあるため、引き続き留意が必要である。

(8) スクイーズアウト

新会社法は、少数株主からの株式買取について規定している。すなわち、買収者(共同買収者を含む)

が会社の払込資本の 90%以上を保有することになる場合や、個人やグループが払込資本の 90%以上を

保有することになる場合、買収者や個人等は残りの株式を買い取るかどうかを会社に通知しなければな

らないとされた(236(1))。これにより、M&A による完全子会社化が容易になると考えられる。買取価格は、

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登録鑑定人(Registered valuer)の評価に基づき決定する(同条(2))。また、少数株主は買収者に対して株

式の買い取りを請求することができる(同条(3))。

記事提供:グラント・ソントン・インディア

ジャパンデスク ディレクター、公認会計士(日本) 花輪大資

グラント・ソントン・インディア:グラント・ソントン・インターナショナル加盟事務所。

1,500 名超の専門家とインド国内 10 か所の事務所を有し、監査、税務、アドバイザリ

ー業務を提供。

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2. インドネシア~投資法・会社法・労働法におけるペナルティー

概要

税務問題や通関問題においては、よくペナルティーが科されることを耳にします。税法や関税法のように

常にペナルティーと背中合わせの法律がある一方、投資法や会社法のようにペナルティーが規定されてい

ない法律もあります。今回と次回の 2 回にわたり諸法律に規定されたペナルティーを検証します。

税務問題や通関問題においては、よくペナルティーが科されることを耳にします。われわれが日ごろ接して

いる法律には、税法や関税法のように常にペナルティーと背中合わせの法律がある一方、投資法や会社法

のようにペナルティーが規定されていない法律もあります。今回と次回の 2 回にわたりどの法律にどの程度

のペナルティーリスクが存在しているかを検証してみます。

まず、投資法(2007 年 25 号法律、2007 年 4 月 26 日付)や会社法(2007 年 40 号法律、2007 年 8 月 16

日付)においては、特別に規定されているペナルティー項目はないものと理解しています。

会社法 第 IX 章 会社に対する検査 第 138 条には下記の通り規定されています。

(1) 下記の件が疑われる場合において、それを検証する目的において会社に対する検査が行われる。

a 会社が株主もしくは第三者に対して損害を与える法律に違反する行為を行った場合

b 取締役会もしくはコミサリス会のメンバーが、会社もしくは株主および第三者に対して損害を与

える法律に違反する行為を行った場合

(2) 上記検査請求は、会社所在地を管轄する地方裁判所に対して申請され実施される。

すなわち会社法では、同法で定める諸規定・手順の実行がなされなくても、具体的に株主や第三者に対し

て損失を与え、訴訟問題が起こったときに初めて法律通り実行されたかどうかが問われることになるものと

理解しています。

一方、労働法(2003 年 13 号法律、2003 年 3 月 25 日付)には、第 16 章にペナルティー項目がかなり詳細

に規定されています。

労働法 第 16 章 刑事処分と行政処分

第 1 部 刑事処分

第 183 条-1 第 74 条(子どもに対する労働条件)違反は、2 年以上 5 年以下の禁錮、および/あるいは 2

億ルピア以上 5 億ルピア以下の罰金

Page 10: May 30, 2014野は、2012年の11億米ドル規模から9億米ドル規模にまで減少した。取引としては、Ultra Tech Cement 社のJaypee Cement社買収が590百万米ドルと最大の取引だった。銀行・金融サービス・保険分野では、

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第 184 条-1 第 167-5(定年退職者の退職金/年金)違反は、1 年以上 4 年以下の禁錮、および/ある

いは 1 億ルピア以上 5 億ルピア以下の罰金

第 185 条-1 第 42 条-1~2(外国人労働者の雇用)、第 68 条(子どもの雇用)、第 69 条-2(子どもの雇

用の例外条件)、第80条(宗教に基づく祈りを行う機会を与える義務)、第82条(女性の産前

産後、流産の休暇に関する権利を与える義務)、第 90 条-1(法定 低賃金)、第 143 条(労

働者・労働組合の合法的ストライキ実施権利妨害に関する規定)、第 160 条-4 と 7(解雇に

関する規定)に違反する者は、1 年以上 4 年以下の禁錮、および/あるいは 1 億ルピア以上

4 億ルピア以下の罰金

第 186 条-1 第 35 条-2~3(労働者の保護・福祉・安全・健康に関する規定)、第 93 条-2(賃金支給に

関する規定)、第 137 条(労働ストライキに関する規定)、第 138 条-1(労働ストライキ参加に

関する規定)に違反する者は、1 カ月以上 4 年以下の禁錮、および/あるいは 1,000 万ルピ

ア以上 4 億ルピア以下の罰金

第 187 条-1 第 37 条-2(労働者派遣サービスに関する規定)、第 44 条-1(外国人労働者の能力・役職

に関する規定)、第 45 条-1(外国人労働者の技術移転および対応するインドネシア人教育

訓練に関する規定)、第67条-1(身体障がい者保護義務規定)、第71条-2(子どもが就労

する場合の条件規定)、第 76 条(女性の夜間勤務に関する規定)、第 78 条-2(時間外就労

に関する残業手当支給)、第 79 条-1~2(休暇・休憩時間に関する規定)、第 85 条-3(国

民の休日に就労した場合の時間外手当支給)、および第 144 条(労働ストライキ中の措置に

関する規定)に違反する者は、1 カ月以上 12 カ月以下の禁錮、および/あるいは 1,000 万ル

ピア以上 1 億ルピア以下の罰金

第 188 条-1 第 14 条-2(民間職業訓練機関登録認可)、第 38 条-2(労働者派遣に係る費用徴収)、第

63 条-1(口頭による雇用契約に関する規定)、第 78 条-1(時間外就労に関する規定)、第

108 条-1(従業員就労規則に関する規定)、第 111 条-3(従業員就労規則の更新に関する

規定)、第 114 条(従業員就労規則の通知、説明に関する規定)、および第 148 条(会社のロ

ックアウトに関する規定)に違反する者は、500 万ルピア以上 5,000 万ルピア以下の罰金

第 189 条 禁錮、罰金の場合にも、雇用者は労働者に対して労働者が権利を持つ金額等を支払う義務

を有する

第 2 部 行政処分

第 190 条-1 本法律第 5 条(労働者の機会均等)、第 6 条(労働者の平等)、第 15 条(職業訓練)、第 25

条(インドネシア国外での実習)、第 38 条-2(労働者派遣に係る費用徴収)、第 45 条-1(外

国人労働者の技術移転および対応するインドネシア人教育訓練に関する規定)、第 47 条-

1(外国人労働者の就労費用負担に関する規定)、第48条(外国人労働者を就労後に帰国さ

せる義務)、第 87 条(労働安全衛生マネジメント義務)、第 106 条(経営側・労働側の 2 者協

力機関設置義務)、第 126 条-3(従業員就労規則の冊子を労働者全員に配布する義務)お

Page 11: May 30, 2014野は、2012年の11億米ドル規模から9億米ドル規模にまで減少した。取引としては、Ultra Tech Cement 社のJaypee Cement社買収が590百万米ドルと最大の取引だった。銀行・金融サービス・保険分野では、

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よび第 160 条-1~2(労働者が拘束された場合の家族に対する支援金支給)およびその実

施規定に対する違反行為については行政処分

行政処分は下記の通り

a.注意 b.書面警告 c.事業活動制限 d.事業活動凍結

e.承認破棄 f.登録抹消 g.生産設備の一部・全部停止命令

h.許認可剥奪

私が知る限りにおいては、労働法のペナルティーを公式に科せられたケースはほとんどないように理解し

ています。しかし、インドネシアにおける労働局の調査は、時には厳しいこともあり、日ごろから労働法をよく

理解しておく必要があるものと思われます。

(2014 年 3 月 28 日作成)

記事提供:PT. JAPAN ASIA CONSULTANTS 取締役社長 吉田 隆

会計・税務の専門家。YKK 株式会社及び YKK インドネシア社(YKK インドネシアグルー

プ 4 社統括管理部長)での勤務を経て、1996 年、PT ASIA CONSULTANTS 社設立。

13 年を超えるインドネシアでの会社経営経験を通し、インドネシア事情を冷静な洞察力

と、深い愛情をもって解説することで定評がある。

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3. 政治・経済・産業トピックス

■ (タイ)- 8 年ぶりのクーデター。全土に夜間外出禁止令

5 月 20 日未明、タイ国軍は全土に戒厳令を発令。タクシン元首相派と反タクシン派が首都圏でデモを繰り

広げる中、治安の強化に乗り出した。21 日には、政府と反政府派代表による政治対話が開始された。

5 月 22 日夕方、タイ陸軍のプラユット司令官(※)は、クーデターを決行したと発表。憲法を停止し、軍と警

察による「国家平和秩序維持評議会」が全権を掌握。プラユット司令官は評議会の議長に就任した。タイに

おけるクーデターは、タクシン氏が失脚した 2006 年 9 月以来、8 年ぶりである。軍は、治安維持強化のため

に、夜間外出禁止令(午後 10 時から翌朝午前 5 時)を全土に発令。また、5 人以上の政治集会を禁じた。軍

は 24 日、上院を廃止した。

※プラユット氏…2010 年 10 月陸軍司令官に着任。タイ東北部ナコンラチャシマ出身。60 歳。2006 年の

クーデターで中心的な役割を果たした。

5 月 27 日、国家平和秩序維持評議会は、夜間外出禁止令の時間を、午前 0 時から午前 4 時までに短縮する

と発表。夜間外出禁止令は、観光産業などに影響が大きいとして、緩和を求める声がでていた。

プラユット氏は、滞っていた農家への政府によるコメ買取代金(900 億バーツ)の支払いや、認可待ちの投資

申請(7,000 億バーツ)の処理を進める方針と報じられている。

■ (インド)- モディ新政権発足。インフラ整備の期待高まる

5 月 26 日、総選挙で大勝したインド人民党(BJP)のナレンドラ・モディ氏が首相に就任した。モディ氏は、州首

相を務めたグジャラート州において、インフラ整備を進め、企業誘致に成功した実績がある。BJP は、「インドを

世界の製造ハブにし、海外投資を呼び込む」方針であり、今後の投資環境整備に、海外投資家の期待が高まっ

ている。

■ (バングラデシュ)- 日本が 大 1,209 億円の円借款を実施

5 月 26 日、東京において日・バングラデシュ首脳会談後、両国外務大臣間で、1,209 億 8,600 万円を限度

額とする円借款の文書が交換された。対象案件の概要は以下の通り。(1)小規模農家農業生産性向上・多

様化振興融資計画(99 億 3,000 万円)、(2)マタバリ超々臨界圧石炭火力発電計画(I)(414 億 9,800 万円)、

(3)包括的中核都市行政強化計画(Inclusive City Governance Project)(306 億 9,000 万円)、(4)ハオール地

域洪水対策・生計向上計画(152 億 7,000 万円)、(5)天然ガス効率化計画(Natural Gas Efficiency Project)

(235 億 9,800 万円)

(2014 年 5 月 28 日作成)

三菱東京 UFJ 銀行 国際業務部

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4. 主要国の経済指標

マレーシア 単位 2012 2013 2013/3Q 2013/4Q 2014/1Q Feb-14 Mar-14 Apr-14 備考

実質GDP成長率 % 5.6 4.7 5.0 5.1 6.2 前年(同期)比

インフレ率 % 1.7 2.1 2.2 3.0 3.5 3.5 3.5 3.4 消費者物価指数(CPI)、前年(同期)比貿易収支 百万米ドル 31,148 22,265 5,730 8,577 8,000 3,155 2,922経常収支 百万米ドル 18,640 11,732 3,038 5,054市場金利 % 3.21 3.32 3.21 3.32 3.33 3.31 3.33 3.38 銀行間(3カ月物)、期末値外国為替相場 対米ドル 3.0888 3.1507 3.2398 3.2089 3.2981 3.3081 3.2822 3.2555 期中平均株価 1,689.0 1,867.0 1,768.6 1,867.0 1,849.2 1,835.7 1,849.2 1,871.5 クアラルンプール総合指数、期末値(出所:三菱東京UFJ銀行経済調査室、マレーシア中銀など)

タイ 単位 2012 2013 2013/3Q 2013/4Q 2014/1Q Feb-14 Mar-14 Apr-14 備考

実質GDP成長率 % 6.5 2.9 2.7 0.6 -0.6 前年(同期)比

インフレ率 % 3.0 2.2 1.7 1.7 2.0 2.0 2.1 2.4 消費者物価指数(CPI)、前年(同期)比貿易収支 百万米ドル 6,015 6,355 5,033 3,849 6,519 3,896 3,480経常収支 百万米ドル -1,470 -2,790 429 2,962 8,226 5,065 2,898政策金利 % 2.75 2.25 2.50 2.25 2.00 2.25 2.00 2.00 翌日物レポ金利、期末値外国為替相場 対米ドル 31.07 30.72 31.45 31.74 32.65 32.61 32.38 32.31 期中平均株価 1,391.9 1,298.7 1,383.2 1,298.7 1,376.3 1,325.3 1,376.3 1,414.9 SET指数、期末値(出所:三菱東京UFJ銀行経済調査室、タイ中央銀行、国家経済社会開発委員会など)

インドネシア 単位 2012 2013 2013/3Q 2013/4Q 2014/1Q Feb-14 Mar-14 Apr-14 備考

実質GDP成長率 % 6.3 5.8 5.6 5.7 5.2 前年(同期)比

インフレ率 % 4.0 6.4 8.0 8.0 7.8 7.7 7.3 7.3 消費者物価指数(CPI)、前年(同期)比貿易収支 百万米ドル -1,659 -4,077 -3,060 2,325 1,073 843 673経常収支 百万米ドル -24,418 -28,450 -8,529 -4,018政策金利 % 5.75 7.50 7.25 7.50 7.50 7.50 7.50 7.50 BI金利、期末値外国為替相場 対米ドル 9,388 10,449 10,671 11,618 11,835 11,922 11,422 11,440 期中平均株価 4,316.7 4,274.2 4,316.2 4,274.2 4,768.3 4,620.2 4,768.3 4,840.1 インドネシア総合指数、期末値(出所:三菱東京UFJ銀行経済調査室、インドネシア中央銀行など)

ベトナム 単位 2012 2013 2013/3Q 2013/4Q 2014/1Q Feb-14 Mar-14 Apr-14 備考

実質GDP成長率 % 5.3 5.4 5.5 6.0 5.0 前年(同期)比

インフレ率 % 9.1 6.6 7.0 5.9 4.8 4.7 4.4 4.4 消費者物価指数(CPI)、前年(同期)比貿易収支 百万米ドル 749 9 895 557 697 -550 -196 -400経常収支 百万米ドル 9,062政策金利 % 9.00 7.00 7.00 7.00 6.50 7.00 6.50 6.50 リファイナンスレート、期末値外国為替相場 対米ドル 20,873 21,030 21,158 21,108 21,094 21,097 21,099 21,097 期中平均株価 413.73 504.63 492.63 504.63 591.57 586.48 591.57 578.00 VN指数(ホーチミン)、期末値(出所:三菱東京UFJ銀行経済調査室、ベトナム統計局、中央銀行、IMFなど)

フィリピン 単位 2012 2013 2013/3Q 2013/4Q 2014/1Q Feb-14 Mar-14 Apr-14 備考

実質GDP成長率 % 6.8 7.2 6.9 6.5 前年(同期)比

インフレ率 % 3.2 3.0 2.4 3.5 4.1 4.1 3.9 4.1 消費者物価指数(CPI)、前年(同期)比貿易収支 百万米ドル -10,029 -5,712 -1,906 -1,570 -131経常収支 百万米ドル 6,951 9,424 1,860 3,697市場金利 % 0.20 0.00 0.87 0.00 1.00 1.46 1.00 1.44 TB、期末値外国為替相場 対米ドル 42.23 42.45 43.68 43.61 44.87 44.90 44.79 44.64 期中平均株価 5,812.7 5,889.8 6,191.8 5,889.8 6,428.7 6,425.0 6,428.7 6,707.9 フィリピン総合指数、期末値(出所:三菱東京UFJ銀行経済調査室、IMFなど)

インド 単位 2012年度 2013年度 2013/3Q 2013/4Q 2014/1Q Feb-14 Mar-14 Apr-14 備考

実質GDP成長率 % 4.5 4.8 4.7 前年(同期)比

インフレ率 % 7.4 5.9 6.6 7.1 5.2 4.7 5.7 卸売物価指数(WPI)、前年(同期)比貿易収支 百万米ドル -190,336 -139,616 -29,375 -30,715 -28,544 -8,284 -10,507経常収支 百万米ドル -87,843 -5,153 -4,223政策金利 % 7.50 8.00 7.50 7.75 8.00 8.00 8.00 8.00 レポレート、期末値外国為替相場 対米ドル 54.41 60.47 62.18 62.00 61.78 62.21 61.02 60.36 期中平均株価 18,836 22,386 19,380 21,171 22,386 21,120 22,386 22,418 ムンバイSENSEX指数、期末値(出所:三菱東京UFJ銀行経済調査室、RBI、中央統計局など) (作成日:2014年5月28日)

本資料は信頼できると思われる各種データに基づき作成しておりますが、当行はその信頼性、安全性を保証するものでは

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ーフィーの受入れ等を目的としたものではありません。投資・売買に関する 終決定はお客さまご自身でなされますよう、

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(編集・発行) 三菱東京 UFJ 銀行 国際業務部 情報室

(照会先) 北村 広明

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