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1973 年に Xerox Computer Services として設立後、現在の「glovia G2」製品の原型とな る社内工場向け業務システムを Xerox 社向けに開発。1997 年 7 月、富士通株式会社 (以 下、富士通) とマクダネル ダグラス インフォーションシステムズ (英) との共同出資により現在の 社名となったグロービア インターナショナル。 30 年以上にわたるソフトウェア ベンダーとしての歩みを通じ、現在では全世界で 1,200 サイト、 500 社の顧客を抱える企業となっています。 1999 年 6 月には、日本国内でグロービア インターナショナル株式会社を設立し、さらに、2000 年 4 月には、日本の製 造 業へのフォーカス戦 略として富 士 通の出資 比 率を 1 0 0 % に。さらに 2001 年 4 月には、バックエンドと完全統合する B2B ソリューションの販売も開始しました。以 来、「 米国生まれ、日本育ちのE R Pソリューション」というキャッチ フレーズが示すように、日本国 内でも、多くの優良企業を顧客としてビジネスを展開しています。 同 社の主力製 品である「glovia G2 」は、自動車、電機/電子、産業機械の 3 業種に特化した E R P ソリューション。多様な管理形態の製造業向けに細かいテンプレートが用意され、マルチ通 貨や多言語対応、さらに、SOX 法対応機能 も備えています。経営管理とグローバル展開 する生産現場それぞれの生産状況の的確な 把握を支援します。 製 品 提 供を開 始して以 来 、長 期にわたる歴 史の中で各種の機能改善が加えられてきた glovia.com ですが、容 易に手を加えること ができなかった部 分がありました。それが、以 下の 2 つの対象領域です。 ● ユーザー インターフェイスの改善 ● SOA (Service - Oriented ロサンゼルスに本 社を構え、製 造 業を中 心とする企 業に向けた E R P システムを ワールドワイドで提供するグロービア インターナショナル(G l o v i a I n t e r n a t i o n a l, I n c.)。同社が提供する E R P ソリューション製品「glovia.com 」は、自動車、電機 / 電 子 、産 業 機 械の 3 業 種に特 化した機 能を提 供 。W e b ソリューションとして機 能を提 供する最 新 版「glovia G2 」では、操 作 性に優れた “リッチ” なユーザー イン ターフェイスを提 供していますが 、その高 度な機 能を短 期 間かつ低コストで実 現する 基 盤となったのは、マイクロソフトが 提 供するアプリケーション開 発プラットフォーム Silverlight と .NET Framework でした。 グロービア インターナショナル株式会社 Microsoft Silverlight を活用することで、既存資産を活か したまま、ERP ソリューションの使用感を一変させるリッチ なユーザー インターフェイスを構築し、業務の「見せる化」 を実現 ソリューション概要 ○お客様プロファイル 1973 年、ゼロックス社内工場向けの業務システム 開発をビジネスの第一歩としてスタート後、1997 年 7 月、富士通株式会社 (以下、富士通) との共同出 資により設立されたグロービア インターナショナル。日 本、アメリカ、イギリス、オランダ、ドイツ、シンガポール、 タイに拠点を構え、ワールドワイドで 約 200 名の社 員がビジネスを展開。「米国生まれ、日本育ちのERPソ リューション」である glovia.com/glovia G2 により製 造業の競争力向上に貢献しています。 ○ソフトウェアとサービス Microsoft ® Silverlight ® Microsoft ® .NET Framework ○メリット ・リッチで操作性に優れたアプリケーションを実現する 開発プラットフォーム ・高度な開発環境提供による高い開発生産性の 実現 ・サードパーティ−による各種コントロールの提供 ・開発者のモチベーションを最大化する魅力ある提供 機能 ○ユーザーコメント 「開発メンバーに Silverlight を使わせると皆『エキサ イティングだ!』と興奮していました。実現されるリッチな インターフェイスや開発生産性の高さにより、彼らは時 間を忘れてプロトタイプやプログラミングに没頭しまし た。新たな要望が発生しても、翌日には『できた。ちょっ とこれを見てくれ!』と言ってくるような状況でした。そし て、このような繰り返しが、当初は予想もしなかったよ うな、使いやすい UI の実現につながりました。20 年 来、こんな経験は初めてでした」 グロービア インターナショナル (Glovia International, Inc.) SVP Development & Support 後藤 彰一 氏 導入の背景とねらい 競合に打ち克ち、既存顧客にも多大なメリットも提供できる 新しい ERP システムを提供するために グロービア インターナショナル株式会社

Microsoft Silverlight を活用することで、既存資産を活か した …download.microsoft.com/download/0/B/7/0B775D9A-4E32-4AC2...ERP ソリューション。多様な管理形態の製造業向けに細かいテンプレートが用意され、マルチ通

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1973 年に Xerox Computer Services として設立後、現在の「glovia G2」製品の原型とな

る社内工場向け業務システムを Xerox 社向けに開発。1997 年 7 月、富士通株式会社 (以

下、富士通) とマクダネル ダグラス インフォーションシステムズ (英) との共同出資により現在の

社名となったグロービア インターナショナル。

30 年以上にわたるソフトウェア ベンダーとしての歩みを通じ、現在では全世界で 1,200 サイト、

500 社の顧客を抱える企業となっています。

1999 年 6 月には、日本国内でグロービア インターナショナル株式会社を設立し、さらに、2000

年 4 月には、日本の製造業へのフォーカス戦略として富士通の出資比率を 100% に。さらに

2001 年 4 月には、バックエンドと完全統合する B2B ソリューションの販売も開始しました。以

来、「米国生まれ、日本育ちのERPソリューション」というキャッチ フレーズが示すように、日本国

内でも、多くの優良企業を顧客としてビジネスを展開しています。

同社の主力製品である「glovia G2」は、自動車、電機/電子、産業機械の 3 業種に特化した

ERP ソリューション。多様な管理形態の製造業向けに細かいテンプレートが用意され、マルチ通

貨や多言語対応、さらに、SOX 法対応機能

も備えています。経営管理とグローバル展開

する生産現場それぞれの生産状況の的確な

把握を支援します。

製品提供を開始して以来、長期にわたる歴

史の中で各種の機能改善が加えられてきた

glovia.com ですが、容易に手を加えること

ができなかった部分がありました。それが、以

下の 2 つの対象領域です。

● ユーザー インターフェイスの改善

● S O A ( S e r v i c e - O r i e n t e d

ロサンゼルスに本社を構え、製造業を中心とする企業に向けた E R P システムをワールドワイドで提供するグロービア インターナショナル(Glov ia In te rna t iona l, I nc.)。同社が提供する ERP ソリューション製品「glov ia .com」は、自動車、電機/電子、産業機械の 3 業種に特化した機能を提供。Web ソリューションとして機能を提供する最新版「glov ia G2」では、操作性に優れた “リッチ” なユーザー インターフェイスを提供していますが、その高度な機能を短期間かつ低コストで実現する基盤となったのは、マイクロソフトが提供するアプリケーション開発プラットフォーム Silverlight と .NET Framework でした。

グロービア インターナショナル株式会社

Microsoft Silverlight を活用することで、既存資産を活かしたまま、ERP ソリューションの使用感を一変させるリッチなユーザー インターフェイスを構築し、業務の「見せる化」を実現

ソリューション概要

○お客様プロファイル1973 年、ゼロックス社内工場向けの業務システム開発をビジネスの第一歩としてスタート後、1997 年 7 月、富士通株式会社 (以下、富士通) との共同出資により設立されたグロービア インターナショナル。日本、アメリカ、イギリス、オランダ、ドイツ、シンガポール、タイに拠点を構え、ワールドワイドで 約 200 名の社員がビジネスを展開。「米国生まれ、日本育ちのERPソリューション」である glovia.com/glovia G2 により製造業の競争力向上に貢献しています。

○ソフトウェアとサービスMicrosoft® Silverlight®

Microsoft® .NET Framework

○メリット・リッチで操作性に優れたアプリケーションを実現する

開発プラットフォーム・高度な開発環境提供による高い開発生産性の 実現・サードパーティ−による各種コントロールの提供・開発者のモチベーションを最大化する魅力ある提供

機能

○ユーザーコメント 「開発メンバーに Silverlight を使わせると皆『エキサイティングだ!』と興奮していました。実現されるリッチなインターフェイスや開発生産性の高さにより、彼らは時間を忘れてプロトタイプやプログラミングに没頭しました。新たな要望が発生しても、翌日には『できた。ちょっとこれを見てくれ!』と言ってくるような状況でした。そして、このような繰り返しが、当初は予想もしなかったような、使いやすい UI の実現につながりました。20 年来、こんな経験は初めてでした」

グロービア インターナショナル(Glovia International, Inc.)SVP Development & Support後藤 彰一 氏

導入の背景とねらい

競合に打ち克ち、既存顧客にも多大なメリットも提供できる新しい ERP システムを提供するために

グロービア インターナショナル株式会社

Page 2: Microsoft Silverlight を活用することで、既存資産を活か した …download.microsoft.com/download/0/B/7/0B775D9A-4E32-4AC2...ERP ソリューション。多様な管理形態の製造業向けに細かいテンプレートが用意され、マルチ通

Architecture) によるシステム接続性および柔軟性の強化

グロービア インターナショナル ロサンゼルス本社の Sen i o r V i c e

President, Development & Support の後藤彰一氏は、その理由の 1

つが「開発言語にある」として、次のように振り返ります。

「その言語ベースで glovia.com を開発したのは 20 年ほど前の話です。

当時の最新技術であった 4GL でシステムを開発していましたが、時代の

経過と共にこの言語も古くなってしまいました。また、製品画面もテキスト

中心の非常に簡素なものとなっており、現在のお客様が求める表現力や

操作性を提供することが難しくなりました。そこで、ユーザー インターフェイ

スの刷新を考え、開発ツールを探しましたが、最初に検討を行った数年前

には、私たちの要件に合致する優れた開発ツールは存在しませんでした」

と振り返ります。

この時、グロービア インターナショナルが求めていた新製品は、「既存の

資産を活かせるもの」でした。開発言語が古くなっている以上、開発環境

を一新して、まったく違う「glovia.com」を開発することも当然の選択肢と

して挙げられます。しかし、既存のお客様に活用されている glovia.com

を捨て去って、まったく違う ERP ソリューションの導入を押し付けること

は、お客様の「コスト」と「利便性」から考えれば、「あり得ない」という同社

の判断がありました。

また後藤氏は、SOA 化の重要性について次のように説明します。

「お客様の既存システムとの接続性向上も、glovia.com の重要な改善

ポイントでした。以前は XML ベースでの API を提供し、個別の要件に

対応していましたが、実装までには多くの負荷と時間が費やされました。こ

のため、SOA 基盤を実現し、システムの接続性を高めたいと考えました」

高い目標と、適切な開発コスト、そして優れた開発生産性。glovia.com

の進化に求められたシステム開発環境に「ようやく出会えた」という感慨

を後藤氏が抱いたのが、2008 年のこと。目に留まったのは、登場してま

だ間もない Microsoft Silverlight でした。

2007 年に発表された、Silverlight は、glovia.com 製品改変プロジェ

クトの大きな追い風となりました。

後藤氏は、「ようやく望んだツールが出てきたなと直感しました。動的な

インターフェイスを実現する表現力の高さだけではなく、親会社である

富士通社内にも多くの実績およびノウハウのある Mic roso f t .NET

F ramewo rk との親和性が高いことも、大きなポイントでした。.NET

Framework が提供するさまざまな機能を活用してサーバー側アプリケー

ションとの連携を実現して、高度な SOA 基盤を構築できるからです」と

強調します。

この出会いによって、2008 年になって glov ia .com の RIA (R ich

Internet Applications) 化を行うプロジェクトが再開。複数の技術を検

討・評価が実施されました。

「比較の際には、さまざまなクライテリアで検討を加えました。開発生産性

に加え、リッチなユーザー インターフェイス、そして実行時のパフォーマン

スなどを評価しました。この結果、Silverlight が最も有効であることが分

かりました。特に、生産性の高さは特筆すべきものでした。

また、何千何万件というデータの処理でもパフォーマンスが劣化しな

い点は光っていました。さらに、同じマイクロソフト製品である .N E T

Framework との親和性の高さも開発における安心感につながりました」

(後藤氏)

Silverl ight の選定を決定し、2009 年 4 月に開発を開始。10 月には

プレス リリースを発信し、その 3 か月後の 2010 年 1 月には製品出荷

という桁違いの速さで製品リリースへと繋がりました。

「当初、4 月の段階では、2 ~ 3 年はかかるプロジェクトと考えており、億

単位での投資も覚悟していました。ところが実際にスタートすると素晴らし

いスピードで開発が進みました。開発者 3 名が 2 か月足らずでプロトタ

イプを作成。これを日本や欧米の営業担当やマーケティング担当に見せ

たところ『これ、いいね』という反応があり、その後は毎週次々に要件を取

り入れていきました。この開発生産性の高さにより、2 年かかるどころか、

導入の経緯

Silverlight との出会いが新製品構築を現実化。.NET Framework により SOA 基盤確立が可能に

グロービア インターナショナル株式会社

Glovia International, Inc.SVP, Development & Support後藤 彰一 氏

グロービア インターナショナル株式会社副社長菊地 哲也 氏

グロービア インターナショナル株式会社プロダクトマーケティング本部ダイレクター花田 完(ゆたか)氏

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翌年 1 月にはリリース可能となったのです。Java によるコーディングや

他社の RIA ツールでは、こんな迅速な製品開発は不可能だったでしょう」

(後藤氏)

こうして誕生した新バージョン「 g l o v i a G 2 」は、既に稼動していた

「glov ia .com V9」をベースに、Silver l igh t による最先端でリッチな

ユーザー インターフェイス、たとえば、グリッドやタイル形式のスクリーン

などを備えた操作性の高いものになっています。さらに、システムの拡張

性という面では .NET Framework による「SOA」基盤を持つ高度なソ

リューション製品です。

Web ソリューションとなったことによる、利便性。そして、「必要な情報が

すぐに見つかる」グラフィカルかつ動的なインターフェイスに支えられた高

い操作性により、業務における「見える化」を強力に推進。現場のオペ

レーションを迅速化し、経営層/管理層に対し、その意思決定を支援する

リアルタイムな現場情報を提供します。お客様企業は、自社の生産形態

やビジネス モデル、さらに、保有するさまざまな情報システムの状況に応じ

た形で、ERP 基盤をグローバル レベルで構築することができます。

グロービア インターナショナル株式会社 副社長の菊地哲也氏は、「情

報をどのように見せるか、にとことんこだわった」として、次のように説明し

ます。

「“見える化” を実現できる機能は、競合他社製品も搭載していました。そ

の中で競争に打ち克つためには、優位性を際だたせる、製品の差別化が

必要です。 そこで私たちは“見える化”ではなく、“見せる化”―― つまり

ユーザーが情報を探さなくてもわかる仕組みが必要と考えました。

アラートが良い例で、コンピュータ−側がユーザーにメッセージをプッシュ

型で提示します。これにより現場でのアクションがより活性化します。

Silverlight により、該当データを対応する画面にリアル タイムに表示す

システム概要

リッチなユーザー インターフェイスと高度な拡張性を備えた「glovia G2」

glovia G2 ホーム画面 (イメージ) glovia G2 在庫参照画面 (イメージ)

glovia G2 ポータルRIA(Rich Internet Application) 

■ システム概念図

Embedded クライアント

glovia G2 API 開発言語:C# Microsoft ADO.NET 開発言語:C#

Silverlight コントロール

glovia G2 クライアントSOA (Service - Oriented Architecture) : Microsoft .NET Windows Communicatin Foundation

データベース

アドオン機能

Webアプリケーション

glovia G2 Super Layer業務ロジック

SOAコンポーネント

アドオン業務ロジック開発言語: C#, Javaなど

他の ERP や業務システム

glovia G2

glovia G2Virtual Machine G2タスク インターフェイス

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導入についてのお問い合わせ

4908-WI1

本ケーススタディは、インターネット上でも参照できます。http://www.microsoft.com/japan/showcase/本ケーススタディに記載された情報は製作当時(2010 年 6 月)のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。本ケーススタディは、情報提供のみを目的としています。Microsoft は、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。製品に関するお問い合わせは次のインフォメーションをご利用ください。■ インターネット ホームページ http://www.microsoft.com/japan/■ マイクロソフト カスタマー インフォメーションセンター 0120-41-6755(9:30 ~ 12:00、13:00 ~ 19:00 土日祝日、弊社指定休業日を除く)※電話番号のおかけ間違いにご注意ください。Microsoft、Silverlight、Visual Studio は米国 Microsoft Corporation および、またはその関連会社の商標です。その他記載されている、会社名、製品名、ロゴ等は、各社の登録商標または商標です。

ることが可能となり、”見せる化” が実現できました」

こうした利便性を新たに獲得しながらも、glovia G2 は既存の glovia.

com ユーザーにとっても「最小限の手間とコストで導入できるように開発

されています」と菊地氏は強調します。

後藤氏は、「Silver l ight の生産性の高さと豊富な提供機能」が大きな

効果をもたらした、と前置きし「アメリカにいる開発者が『エキサイティング

だ!』って喜んでいたんですよ」と笑顔を見せます。

「開発メンバーに Silver l ight を使わせると皆興奮していました。彼らは

時間を忘れてプロトタイプやプログラミングに没頭しました。それだけ扱い

やすく、手応えもあったのでしょう」

こうしてチーム全体のモチベーションが高まる中、開発は予想以上にス

ピーディに進み、「当初は考えてもいなかったインターフェイスが出来上

がった」と後藤氏は続けます。

「動的なユーザー インターフェイスなんて、動かしてみなければ効果がわ

かりませんよね。しかし、プロトタイプがあっという間にできてしまうので、開

発会議もドンドンと進みました。作っては確認し、皆で『こんな風にも動く

のか』と言いながらフィードバックすると、新しいアイデアを盛り込んだプロ

トタイプがすぐに出てくる。日本からの新しい要望が出てきても、翌日には

『できた。ちょっとこれを見てくれ!』と返すような状況でした。これを繰り返

すことで、当初は予想もしなかったような自信作が出来上がりました。長年

IT に関わりながら過ごしたキャリアの中で、こんな経験は初めてでした」

開発に携わったメンバーは米国、タイも含めて約 30 人。そして実は、この

開発チームのほとんどのメンバーが「C# を使った経験を持っていませんで

したが、トレーニングを受けさせ、Visual Studio® を使わせるとどんどん開

発を進められました」と後藤氏は言います。

「C# を活用するからといって、C# 要員を増員するのではなく、Visual

Studio を使うだけですべてがスムーズに進められる。これは、開発コスト

の低減という意味で非常に大きなメリットでした」

そしてもう 1 つ、Silverlight を活用した開発において特筆すべきポイント

が、「サードパーティ−製のコントロールが活用できる」ということでした。

「米国のサードパーティ−が、Silverlight 用の各種コントロールを提供し

ています。これを活用することでプロトタイプのグリッドやカバー フロー、さ

らにタイル形式のスクリーン、お気に入りもたちどころに作成することがで

きました。Silverl ight の開発生産性をさらに加速する要因となっていま

す」(後藤氏)

“スピード開発”を支えるさまざまな環境が整えられていたことが、「販売戦

略上、非常に大きな意味を持っている」と菊地氏は説明します。

「私たち日本法人は、日本および ASEAN、中国にサービスとプロダクトを

提供する立場あります。今回は、最新の技術を適用することで、日本や海

外のお客様、特にグローバルにビジネスをしているお客様に新製品を素

早く提供できました。このスピード感が営業活動にとても貢献しています。

Silverlight がなかったら実現できなかったでしょう」

今後の展望についてグロービア インターナショナル株式会社 プロダク

トマーケティング本部ダイレクターの花田完氏は、次のように締めくくり

ます。

「テクノロジーの進化が、今も止まりません。今後は、お客様に提供する

サービスとして、『クラウド』の波が広がっていくことでしょう。

現時点では、まだ過渡期であるため、環境が整うまでクラウドの採用を控

えるお客様も多いと思います。肝心なことは、私たちが先回りして、対応

の準備を進めておくことです。

.NET Framework を活用した開発であれば、自社のオンプレミスでも、

クラウドでも、同様に開発を行うことができます。つまり、クラウドを巡る市

場の成長を待つことなく、現時点から Silverlight を使ってアプリケーショ

ンを開発し、クラウド化が進んだ段階で、これらのアプリケーションをその

まま活用することができるのです。glovia G2 は、Silverl ight と .NET

Framework のコンビネーションにより、現在のシステム環境だけでなく、

将来的なクラウド コンピューティングにも柔軟に対応することができます。

『コスト』、『機能』、『信頼性』などのすべての面において、今後も、お客様

にとって最適な ERP ソリューションを提供できるように私たちは取り組み

を続けていきます。今回の開発において、そうした将来構想にも続く、大き

な成果を得ることができたのではないかと思っています」

〒151-8583 東京都渋谷区代々木 2 丁目 2 番 1 号 小田急サザンタワー

グロービア インターナショナル株式会社

今後の展望

現状のシステム環境に加え、将来的なクラウド コンピューティングへの対応も視野に

導入効果

開発者が思わず「エキサイティング!」と漏らした、刺激的な開発環境