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Mix/Mastering中級3
第3回 MS-Mix/Mastering 第1回目の「MSマイクセッティング」p.5で説明した「Middle信号」「Side信号」成分を
独立して調整し、再度LR状態に戻してMix/Masteringを施す方法です。 通常では2mix音源に対してMS分離を行います。また、応用的には後述するStemMixにも
用いられます。「Middle信号」「Side信号」成分の特色を理解した上で、各々の調整を行うのは非常に高度な技術を要しますが、適切な処置を施すと劇的な効果が得られます。特に音圧部分に関して言うとLR-Mixでは到達できない超高音圧を実現させることが出来ます。
Middle信号とSide信号 通常のLR音源から「Direction Mixer」を通じてMSに分離できます。この時、L=Middle
信号、R=Side信号となります。 通常のLR-Mix/Mastering処理した音源と、MS分離後の音源を見比べてみると、Side信
号にはまだマージンが残されていることがわかります。
通常のLR信号
このページの全ての内容、文章、画像は著作権によって保護されています。 権利者の許可なく引用、転載、その他販売などの二次利用することを固く禁じます。 Copyright © 2016 特定非営利活動法人ミュージックプランツ All Rights Reserved 13
MS-モード
Middle Side
Side信号のこの部分が空いている→有効活用可
通常LR-モード
L R
これ以上音圧を上げる余地はない
1
MS-モード
Middle Side
Side信号のこの部分が空いている→有効活用可
通常LR-モード
L R
これ以上音圧を上げる余地はない
十分な音圧が得られて いるようにみえる
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Mix/Mastering中級3
MS信号
LR信号とMS信号の比較
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MS-モード
Middle Side
Side信号のこの部分が空いている→有効活用可
通常LR-モード
L R
これ以上音圧を上げる余地はない
十分な音圧が得られて いるようにみえる
1
MS-モード
Middle Side
Side信号のこの部分が空いている→有効活用可
通常LR-モード
L R
これ以上音圧を上げる余地はない
十分な音圧が得られて いるようにみえる
LR-信号 MS-信号
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Mix/Mastering中級3
LogicProXのミキサーでMS-Mix処理を行う 外部サードパーティ社製マスタリングプラグインなどを使わずに、LogicProXミキサー内
でのBus応用操作によりMS-Mixを実現させることが出来ます。
ワークフローは以下のとおりです。
1. 元のオーディオトラックから「Mid信号用」と「Side信号用」のAuxチャンネルストリップへ、各々Sendにて0dBで送る。
2. 元のオーディオトラックは出力をOFFにする。
3. 「Mid信号用」→Direction MixerをMSモード、Panを真左、OutをBusに設定(Bus-aとする)
4. 「Side信号用」→Direction MixerをMSモード、Panを真右、OutをBus-aに設定
5. Bus-a→Gainを挿入:+6dBに設定、Direction MixerをMSモード、これで通常のLR信号に戻る
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Mix/Mastering中級3
1. 元のオーディオトラックから「Mid信号用」と「Side信号用」のAuxチャンネルストリップへ、各々Sendにて0dBで送る。
2~4 元のオーディオトラックは出力をOFFにする。 「Mid信号用」→Direction MixerをMSモード、Panを真左、OutをBusに設定(Bus-aとする) 「Side信号用」→Direction MixerをMSモード、Panを真右、OutをBus-aに設定
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1
左右に振る
出力なし
1
MS-モード
Middle Side
Side信号のこの部分が空いている→有効活用可
通常LR-モード
L R
これ以上音圧を上げる余地はない
十分な音圧が得られて いるようにみえる
LR-信号 MS-信号MS-モード
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Mix/Mastering中級3
5. Bus-a→Gainを挿入:+6dBに設定、Direction MixerをMSモード、これで通常のLR信号に戻る
「Gain」を挿入して6dBに設定する理由 MiddleチャンネルとSideチャンネルが左右目いっぱいに振られているために、聴感補正
で-3dB減衰されています。それをもとに戻すためにGainにて+6.0dBに増幅する必要があります。
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左右に振る
出力なし
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Mix/Mastering中級3
MS-Mixの特色 MS-Mixは、LR信号ではコントロールが難しいSide信号の直接処理ができます。よってス
テレオイメージを最大限活かしたMixが可能になります。また、Side信号のマージンを有効活用することでLR-Mixでは得られない音圧を稼ぐことが出来ます。これらの特色を活かすためにはMiddle信号とSide信号、各々の特徴をつかむことが重要です。
Middle信号の特徴 リズム隊の中心音域成分(低域~中低域)と、ソロ・ボーカルパート等メインパートが集
まる。空間系エフェクト、特に残響成分は少ない。ビートのボディ感を活かしたコンプが有効。
Side成分の特徴 コード隊からString/Brass系、FX系などパートが左右に散らされている成分が多い。
特に金物やNoise成分、空間系、Modulation系などの中域~高域成分が主体。ビートのアタック感を活かしたコンプが有効。時々必要となる超低域成分をSideに散らすことでMiddle成分の圧迫を軽減させることが出来る。
Mix方法のジャンル別対応の一般論として アンプラグド・アコースティック系~通常のポップスなど、ナチュラルイメージのジャ
ンルに関してはLR-Mixを用いたほうが良い結果が得られることが多いです。MS-Mixが特にその効果を発揮するのはハードロック・ヘヴィメタル系、エレクトロ系全般など、アーティフィシャルなサウンドイメージのときです。
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