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パキスタン家庭教育プログラム パキスタン・イスラム共和国シンド州タッタ県 プログラム経過報告 2014 7 -2015 4 支援者:茅ヶ崎中央ロータリークラブ :認定特定非営利活動法人アムダ 実施者:National Rural Support Programme (パキスタン)

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パキスタン家庭教育プログラム

パキスタン・イスラム共和国シンド州タッタ県

プログラム経過報告

2014年 7月-2015年 4月

支援者:茅ヶ崎中央ロータリークラブ

:認定特定非営利活動法人アムダ

実施者:National Rural Support Programme (パキスタン)

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目次

報告概要 ...................................................................................................................................................... 2

プログラム概要........................................................................................................................................... 3

成果 .............................................................................................................................................................. 4

プログラムスタッフの雇用 ................................................................................................................... 4

レディーヘルスワーカー・コミュニティヘルスワーカーの選考 ................................................... 4

現状調査 .................................................................................................................................................. 4

17歳から 22歳の未婚女性の選定 ........................................................................................................ 5

教材の開発............................................................................................................................................... 5

進捗状況共有ミーティング ................................................................................................................... 5

講師養成 .................................................................................................................................................. 6

未婚女性に対する講義 ........................................................................................................................... 7

現地訪問 ...................................................................................................................................................... 8

進捗状況 ...................................................................................................................................................... 8

他のプロジェクトとの相乗効果 ............................................................................................................... 8

課題と教訓................................................................................................................................................... 9

今後の計画................................................................................................................................................... 9

会計報告 .................................................................................................................................................... 10

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報告概要

パキスタン家庭教育プログラムは、女性の行動が制限される傾向にあるイスラム社会におい

て、社会から取り残されやすい未婚女性たちが一般的な疾病から自分や家族を守るための知識

を身につけることを目的としています。研修に参加した女性が学んだ知識を家族や近所の人々

に広げていくことを想定しています。また、研修の講師であるレディーヘルスワーカー

(LHWs)やコミュニティヘルスワーカー(CHWs)の医療に関する知識の向上や技術強化にも

つながります。

AMDAと NRSP(ナショナル・ルーラル・サポート・プログラムの略)はパキスタンでの災害

緊急救援で一緒に活動した協力団体です。パキスタン家庭教育プログラムは、NRSPが行って

きた健康の意識向上を目的とした事業の分析を基に、プログラム対象者を未婚女性に限定して

行われているプログラムです。茅ヶ崎中央ロータリークラブと AMDAの子どもへの予防接種や

地方に住む女性の生活向上に対する関心の高さも当プログラムを行うきっかけとなりました。

茅ヶ崎中央ロータリークラブ、NRSPと AMDAの 3者がパキスタン家庭教育プログラム実施に

対して、必要な技術面、人材面など全ての側面においてお互いが協力していくことを確認しま

した。茅ヶ崎中央ロータリークラブは主に資金面に対する支援、AMDAは茅ヶ崎中央ロータリ

ークラブと NRSPのコミュニケーションを円滑に行えるようサポートし、NRSPは現場でのプ

ログラム実施を主に担当しています。また NRSPが並行して行っているプロジェクトは、当プ

ログラムにとって知識を補完する役割を果たしており、プログラム実施地域の住民に恩恵をも

たらしています。

2014年 7月から 2015年 5月までの当報告の対象期間に行ったことは、多岐にわたります。現

状調査の実施とその報告の共有を行い、結果を基に研修内容を見直しました。また、受講者で

ある 17歳から 22歳の未婚女性のリストを作成、研修のために受講生をグループ分けしまし

た。選定された講師は、2日間に渡る訓練を受け、2015年 3月からはフィールドで未婚女性に

対する研修を行っています。2か月で 6つのグループに対して研修を行い、124名の受講者のう

ち 104名が研修後に行われるテストに合格しました。

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プログラム概要:

協力団体:茅ヶ崎中央ロータリークラブ、The Association of Medical Doctors of Asia (AMDA)

実施団体:National Rural Support Programme (NRSP)

プログラム期間: 2014年 7月から 2017年 12月まで

実施場所:パキスタン、シンド州タッタ県ミールプルサクロテシル(Mir Pur Sakro Teshil)サク

プール(Sukhpur)地区

プログラム内容:

パキスタン家庭教育プログラムは、パキスタン、シンド州タッタ県ミールプルサクロテシ

ル、サクプール地区という僻地で実施している試験的なプログラムです。17歳から 22歳の未

婚女性を対象としており、自分や家族の健康を守るための知識を身につけることを目的として

います。さらに、研修に参加した女性が学んだ知識を家族や近所の人々に広げていくことを想

定しています。また、研修の講師であるレディーヘルスワーカー(LHWs)やコミュニティヘ

ルスワーカー(CHWs)の医療に関する知識の向上や技術強化にもつながります。

パキスタンでは、出産年齢にある既婚女性を対象とした多くの取り組みが行われてきました。

パキスタン人口保健調査によると、パキスタンではリプロダクティブヘルス(性と生殖に関す

る健康)に関する情報が、必要なときに必要な人に届かず、何年も遅れて情報を得るという状

況があります。需要との隔たりを感じた NRSPは、貧富に関わらず出産年齢にある未婚女性を

プログラムの対象とすることにしました。対象となっているサクプール地区に居住する未婚女

性のうち当プログラムの対象となる女性は 20%を占める計算になります。このプログラムは対

象の女性たちは自由に学べる環境にある結婚前に知識を増やし、将来的に両親、義父母、夫と

相談した上で的確な決断を下すことができるようになることを期待しています。その地域に住

むプログラムの対象とならない女性たちも、受講者が得た知識を伝えることで間接的に役立つ

情報を得ることができます。長期的に見て、地域全体にとって意義のあるプログラムと考えま

す。

このプログラムは茅ヶ崎中央ロータリークラブと AMDAの協力により実施されています。2014

年 6月には、パキスタン家庭教育プログラムの調印式も行われ、茅ヶ崎中央ロータリークラ

ブ、NRSP、AMDAの三者がどのように協力していくかについて確認しました。

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成果

報告期間である 2014年 7月から 2015年 5月の間に達成した項目です。

プログラムスタッフの雇用

LHW/CHWの選考

現状調査票の作成、実施、報告

対象地域に居住する 17歳から 22歳の未婚

女性を選定

研修で使用する教材の開発

進捗状況共有ミーティング

講師(LHW/CHW)養成

選定した未婚女性のグループ分けと講義

プログラムスタッフの雇用

調印式の後、NRSPはタッタ事務所にプロジェクト経験豊富な女性スタッフを 2014年 7月から

雇用しました。NRSP本部の担当者と共に現状調査、教材開発など準備段階から当プログラム

に携わっています。

LHW/CHWの選考

講師の基準が決定し、選考試験を行いました。NRSPは対象地域において、既に LHWとして働

いている人を優先的に講師として雇用しました。それは長期的に見ると、当プログラムを通じ

て講師として働く LHWと地域とのつながりが強化され、LHWが予防医療を通じて地域を支援

するようになることが期待できます。同時に、講師自身の知識が向上し、自信につながるとい

う利点もあります。当プログラムでは 25名の講師を選定し、NRSP本部からのスタッフが指導

しました。指導後、25名のうち 21名が当プログラムの指導者として認定されました。

現状調査

現状調査はプログラム対象地域において、以下の目的で実施されました。

-プログラム実施地域で未婚女性を教育するにあたり、現時点での健康に関する知識、それ

に伴う行動レベルと必要と思われる新たな健康に関する知識の測定。

-健康に関する行動の決め手となる社会的要因を特定し、様々な医療サービスに対する利便

性など地域の傾向を把握 。

現状調査はプログラム対象地域であるパキスタンのシンド州タッタ県ミールプルサクロテシ

ル、サクプール地区にて、17-22歳の未婚女性を対象に標本数を計算し、サクプール地区の

34村から無作為に 304名の未婚女性を選定しました。調査の結果、手洗いに関しては、一般

的にある程度の知識がありましたが、石鹸を使用することの重要性までは誰も知りませんで

した。また回答者の 58%は 屋外での排便が病気の感染につながることを知っていました。

27%は下痢に関する知識がありますが、全回答者の内 5%のみ経口補水液の作り方を知ってい

ました。95%は予防接種やポリオワクチンに関する知識がありましたが、子供たちがどの予

防接種をどのタイミングで受けるかについて知っている回答者はいませんでした。25%は妊

産婦ケア、避妊、出産準備に関して知っていると回答しましたが、これらの項目に関する詳

しい情報や栄養に関する具体的な知識は不足していました。応急処置に関しては、知識があ

る人が 6%しかいない状況でした。

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17歳から 22歳の未婚女性の選定

プログラム関係者が現状調査を実施した際に、当プログラムの研修に参加できる未婚女性を選

定しました。調査実施後にも、地元の関係者やコミュニティの会合を通じて当プログラムの研

修に参加する未婚女性が選定されました。対象外である多くの女性たちも参加を希望しました

が、当プログラムの主旨に沿うため、選考基準である 17歳から 22歳の未婚女性に限定しまし

た。受講する未婚女性を 1グループ 20人に分けて、1か月 2グループ、計 40人に対して講習を

行いました。3年で合計 1440人の未婚女性が講習を受ける予定です。シンド州では識字レベル

が非常に低いため NRSPでは読み書きができる未婚女性だけではなく、できない未婚女性にも

講習を行っています。初等教育を受けた未婚女性は読み書きができるグループに入れていま

す。

教材の開発

現状調査を元にカリキュラムを検討して教材を開発しました。2015年 4月時点で NRSPは以下

の項目について講習を行っています。

個人の衛生観念

月経中の衛生管理

健康と栄養

予防接種

ポリオ

応急処置

妊産婦ケア

出産準備

母乳栄養

家族計画

教材は現地語であるシンド語で書かれています。各講師には、担当地域で講習を行うための教

材セットが配布されています。読み書きのできない女性用の教材として、挿絵が中心になって

いる冊子も開発されました。これらの教材は茅ヶ崎中央ロータリークラブ、AMDAにも参考資

料として保管されています。

進捗状況共有ミーティング

2015年 2月 22日、パキスタンを訪れた AMDAグループ代表の菅波医師と AMDA職員が NRSP

関係者とミーティングを行いました。会議はカラチで行われ、実際に事業地現場で活動してい

る NRSPスタッフも参加し意見交換を行いました。話した内容の要点と今後の対応策を以下に

まとめました。

対象地域に住む 17歳から 22歳の未婚女性の数が不足していることについて話し合いまし

た。初年度は対象となる未婚女性は十分にいますが、次年度から対象者が不足する見込み

であることから、対象地域である Sukhpur union councilに接している利便性のよい地域も対

象地域として含めることになりました。

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プログラム実施期間が 3年あることから、定期的なフォローアップをしないと研修受講生

である未婚女性と連絡が取れなくなる可能性があります。得た知識を忘れ、習得した内容

に対する関心がなくなることが懸念されます。研修受講後も未婚女性と関係性を保つた

め、講師とプログラムスタッフが 3か月ごとにフォローアップを行い、講習で習った項目

が実際に個人、家族、地域の各レベルで実行されているかの評価を行います。NRSP、茅ヶ

崎中央ロータリークラブと AMDAの三者でチェックリストを作成します。

講師の教育に関しては、講師養成研修を受講する時期と実際に講義を実施する時期の間が

空くことで、講師の再教育が必要になる可能性が懸念されます。そこで、最初の 3か月間

に全ての講師が一度は家庭教育プログラムの講義を行えるように、予定していた研修計画

を変更しました。当初は 1か月あたり未婚女性 2グループに対して講義を行う予定でした

が、最初の 3か月間は 1か月あたり 3グループに対して 6名の講師が講義を行うことにしま

した。毎月異なる講師が 6人ずつ講義を行い、合計 18名の講師が最初の 3か月間に講義を

行うことになります。それ以降は、当初の予定通り 4名の講師が 1か月間に 2グループに対

して講義を行うことにしています。

当日話されたほぼ全ての要件は既に対応しており、残りの点は今後対応していきたいと思

っています。

講師養成

2015年 2月には、2日間に渡る講師トレーニングがタッタ県ガルヒワ(Garhiwah)にある農業

事務所で行われました。まず、参加者全 25名が事前テストを受けました。研修は、当プログラ

ムの重要性や技術的な内容に加えて、未婚女性に対する講義のスケジュール、事前および事後

テストの実施方法が指導されました。

トレーニング内容

1日目:

事前テスト

個人の衛生観念

妊産婦ケア

出産準備/母乳栄養

家族計画

講義の模擬演習/グループワーク

2日目:

前日の復習

応急処置

栄養

ポリオ/予防接種

未婚女性に対する講義のスケジュールと計画

事後テスト

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事後テストの結果、2日間に渡る研修を受講した 25名のうち 21名が合格し、パキスタン家庭

教育プログラムの講師として認定されました。

未婚女性のグループ分けと講義

講師養成後、2015年 3月に未婚女性に対する講義を開始しました。担当するグループに対して

2人の講師が 2科目ずつ講義を行います。一か月で 2グループ計 40名の未婚女性が講義を受け

ます。講師が学んだ知識を講義ですぐ生かせるよう、またプログラムの遅れをカバーするた

め、最初の 3か月は 1か月に講義を受ける未婚女性を 1グループ 20名追加して 3グループにし

て講義を行うことにしました。2015年 4月末時点で、6グループ 124名に対する講義が終了

し、うち 104名が事後テストに合格しました。

受講した未婚女性に対して、講義の前と後で知識がどのくらい向上したかを計るための事前テ

ストと事後テストが行われました。読み書きができる未婚女性に対しては、読み、書き、口頭

試問の形で試験が行われました。読み書きができない未婚女性に対しては、視覚教材や寸劇に

よる講義を行ない、挿絵を使った口頭試問での試験が行われました。事後テストに合格した未

婚女性に対しては記念品と共に修了証を授与しました。事後テストの成績が良かった者に対し

ては当プログラムにおいて講師になる機会が与えられます。

講義は 1週間に 1日 1科目のペースで行われており、内容別に 4科目に分けて行われていま

す。

(当初のカリキュラム)

週 1週目

(60分)

2週目

(90分)

3週目

(60分)

4週目

(90分)

合計

(5時間)

項目 予防接種 (ポリ

オを含む)

衛生観念と栄養

について

(例: 手洗い, う

がい, きれいな

水の使用, 個人

の衛生観念と口

腔衛生)

応急処置 出産準備、母乳

栄養, 避妊、妊

産婦ケア

しかしながら、実際に講義を始めてみると、未婚女性がリプロダクティブヘルスに関連す

る学習にあまり積極的ではないことが判明しました。さらに、予防接種の講義が受講者に

とって理解するのが難しいことが分かりました。そこで、研修前半で講師が受講者である

未婚女性と信頼関係を構築し、研修後半で難しい題目の講義に積極的に参加してもらえる

ように、NRSPは講義内容の順番を入れ替えました。未婚女性にとって理解しやすい衛生

観念と栄養についての講義から始めることになりました。

(変更後のカリキュラム)

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週 1週目

(60分)

2週目

(90分))

3週目

(60分)

4週目

(90分)

合計

(5時間)

項目 衛生観念と栄養

について

(例: 手洗い、

うがい、きれい

な水の使用、個

人の衛生観念と

口腔衛生)

予防接種 (ポリ

オを含む)

応急処置 出産準備、母乳

栄養、避妊、妊

産婦ケア

現地訪問

NRSP本部スタッフはプログラムを円滑に進め

るめため定期的にプログラム実施地域に出向

き、現地スタッフや講師と面会をし、モニタリ

ングや指導を行っています。現地訪問は、講義

内容の微調整を行い、現地スタッフのやる気を

保持し、プログラムに関わる全ての事を計画に

沿って進めていくために必要です。現地訪問を

行うことにより当プログラムの質が保たれてい

ます。

進捗状況

項目 目標人数 進捗状況

プログラムスタッフの雇用 1 完了

LHW/CHWの選考 18 完了

現状調査 - 完了

教材の開発と印刷 - 完了

講師養成 20 完了

21名の講師を養成

未婚女性に対する講義

124名が受講

うち 104名が事後テ

ストに合格

開始

(3年で 1440名に対して

講義を行う)

他のプロジェクトとの相乗効果

当プログラム対象地域で NRSPが行う他のプロジェクトも当パキスタン家庭教育プログラムに

役立っています。

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他の支援団体と協力して行っている WASH(水・衛生)プロジェクトにおいて NRSPは地域住民を

動員し、清潔なトイレを建設することによって個人・家庭の衛生状況を改善しようと試みてい

ます。トイレを建設することによって、下痢やポリオなどの発症原因となりうる屋外での排泄

を減らし、トイレで排泄する習慣を地域に浸透させるのが目的です。

他の支援団体と協力して NRSPが行っているマラリア予防プログラムは、マラリア撲滅を目標

に活動しています。抗マラリア薬やマラリア対策備品を保健所で保管するための支援を行った

り、マラリア症状がある患者に適切な対応と処置ができるよう地域の医療関係者に対して教育

を行っています。また、蚊に刺されるのを防ぐため、政府の医療機関から支給される長時間効

果のある殺虫剤や蚊帳を使用するように地域の人々に呼びかけています。

また、NRSPは保健システム強化プロジェクトも行っています。0か月から 23か月の子どもと

その母親を登録し、サクプール地区を含むタッタ県に住む子どもたち全員に予防接種を行える

よう保健省に働きかけています。

ポリオ撲滅キャンペーンが行われる期間中は、保健省予防接種プログラム課を支援していま

す。これは、パキスタン家庭教育プログラムの活動の補完にもつながります。

課題

プログラムの実施にあたり以下の課題に直面しています。

現状調査票や教材を現地語であるシン語に訳すのに時間がかかり、未婚女性に対する講

義開始時期が遅れてしまいました。現在は遅れを取り戻し、プログラムは計画通りに進

んでいます。

地域の人たちは未婚女性の情報を共有することに対して消極的で、リプロダクティブヘ

ルスに関して学ぶことを恥ずかしがっていました。しかし、受講者も慣れてくると積極

的に参加し学んでいました。

当プログラムは対象者の年齢に重点を置いているため、目標人数に到達するには現在の

対象地域から近隣の地域まで対象を広げる必要があります。拡大する地域は今後決定し

ます。

今後の計画

最初の 3か月は遅れを取り戻すため、1か月に 3グループ 60人の未婚女性を対象に講義を

行います。

プログラムスタッフは活動地でフォローアップを行い、未婚女性に講習で学んだ知識が定

着しているかを確認し、その知識をどう活かしているかを評価する予定です。評価に使用

する評価表は NRSP、茅ヶ崎中央ロータリークラブと AMDAで作成予定です。

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会計報告

2015年 3月 31日時点で 361,047パキスタンルピー(PKR)の出費がありました。詳細は以下に記

しています。(6月 26日現在の OANDAレート:1PKR=1.21円)

項目 承認された予算

(PKR)

2015年 3

月 31日ま

での支出

(PKR)

支出比率

(%)

1

LHW/CHWのための教材と口頭試験用のカード

印刷 70,000 - 0%

2 未婚女性の受講者に配布する教材印刷

680,000

315,950 46%

3

講師/ LHW/CHWに対する講義にかかった費用

(講義の講師

90,000

39,597 44%

4 養成講座に参加した講師に対する謝礼金

240,000

- 0%

5 講師による未婚女性に対する講義

760,000

- 0%

6 講義を受けた未婚女性に対する日当

440,000

- 0%

7 テストに合格した未婚女性に対する奨励金

720,000

5,500 1%

8 プログラム支出合計

3,000,000

361,047 12%

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