32
NDIS 意見受付 NDIS3433 原案作成委員会 このNDISは「日本非破壊検査協会規格(NDIS)制定等に関する規則」に基づき関係者に NDISの制定前の意見提出期間を設けるために掲載するものです。 意見は規格原案決定の際の参考として取り扱いさせていただきます。 掲載されているNDISについての意見提出は下記メールアドレスまでお願いいたします。 意見受付締切日:2017 7 7 日(金) 意見提出先:Email:[email protected] Pubcome 20170707迄

このNDISは「日本非破壊検査協会規格(NDIS)制定等に ...JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水 JIS P 3801 ろ紙(化学分析用) JIS Z 2300 非破壊試験用語

  • Upload
    others

  • View
    2

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

  • NDIS 意見受付

    NDIS3433 原案作成委員会

    このNDISは「日本非破壊検査協会規格(NDIS)制定等に関する規則」に基づき関係者に NDISの制定前の意見提出期間を設けるために掲載するものです。 意見は規格原案決定の際の参考として取り扱いさせていただきます。 掲載されているNDISについての意見提出は下記メールアドレスまでお願いいたします。 意見受付締切日:2017 年 7 月 7 日(金) 意見提出先:Email:[email protected]

    Pubc

    ome 20

    1707

    07迄

  • 日本非破壊検査協会規格 NDIS 3433:0000

    硬化コンクリート中の塩化物イオン量の簡易試験方法 Simplified test method for cloride ion content in hardened concrete

    序文

    この規格は,ドリル削孔粉,コア試料などを用いてコンクリート構造物中の塩化物イオン量を従来の方

    法と比べて簡易に測定するための方法について規定する。

    1 適用範囲

    この規格は,コンクリート構造物から採取した粗骨材最大寸法 40 mm 以下のコンクリート中の塩化物イ

    オン量について,ドリル削孔粉,コア試料などを用いて,試料採取による構造物への影響を軽減し,迅速

    に試験を行うための,試料採取方法,試料の調整方法及び塩化物イオン量の測定方法について規定する。

    なお,この規格における試料採取の方法,試料の調整,塩化物イオンの抽出,塩化物イオン量の測定に

    おいては,JIS A 1154 及び附属書に規定される方法によってもよいものとする。

    2 引用規格

    次に揚げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の一部を構成する。この引用規格は,

    その最新版(追補を含む)を適用する。 JIS A 0203 コンクリート用語

    JIS A 1154 硬化コンクリート中に含まれる塩化物イオンの試験方法

    JIS K 0050 化学分析方法通則

    JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水

    JIS P 3801 ろ紙(化学分析用)

    JIS Z 2300 非破壊試験用語

    JIS Z 8801-1 試験用ふるい-第 1 部:金属製網ふるい

    NDIS 1401 コンクリート構造物の放射線透過試験方法

    NDIS 3413 非破壊試験技術者の視力,色覚及び聴力の試験方法

    NDIS 3419 ドリル削孔粉を用いたコンクリート構造物の中性化深さ試験方法

    NDIS 3429 電磁波レーダ法によるコンクリート構造物中の鉄筋探査方法

    NDIS 3430 電磁誘導法によるコンクリート構造物中の鉄筋探査方法

    3 用語及び定義

    この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS A 0203,JIS A 1154,JIS K 0050,JIS Z 2300,NDIS 3419,

    NDIS 3429 及び NDIS 3430 によるほか,次による。

    Pubc

    ome 20

    1707

    07迄

  • 2

    X XXXX:0000

    3.1

    塩化物イオン量の簡易試験方法

    試料採取による構造物への影響の軽減、試験の迅速化などを目的として実施する塩化物イオン量の試験

    方法。

    3.2

    ドリル削孔粉

    硬化コンクリートから,塩化物イオン量測定用試料として直径 10 mm から 30 mm 程度のドリルビット

    を用いて採取した粉末。

    3.3

    小径コア

    硬化コンクリートから塩化物イオン量測定用試料として採取した直径 25 mm 以上 60 mm 未満のコア供

    試体。

    3.4

    全塩化物イオン量

    硬化コンクリートの粉末試料から,酸 1)又は炭酸塩 2)で溶解することによって抽出される塩化物イオン

    の量。

    注 1) 溶解に使用する酸は,硝酸,酒石酸,スルファミン酸などの弱酸も用いることができる。

    注 2) 溶解に使用する炭酸塩は,炭酸水素ナトリウムなどを用いることができる。

    3.5

    可溶性塩化物イオン量

    硬化コンクリートの粉末試料から,水又は温水によって抽出される塩化物イオンの量。

    3.6

    塩化物イオン濃度について,JIS K 0557 に規定する種別 A1 と同等以上の質をもつ水 3)。

    注 3) 市販されている精製水などでもよい。

    3.7

    塩分含有量測定器

    コンクリート中の塩化物イオン量を簡易的に測定するための測定器。

    注記 簡易測定の方法には,硝酸銀滴定法(モール法含む),電流電極法,電量滴定法,イオン電極法

    などの方法があり,第三者によって精度が確認されている測定器を用いることが望ましい。

    4 試験技術者

    この規格を適用して塩化物イオン量の試験を行う者は,鉄筋コンクリート構造,コンクリート及び化学

    分析に関する知識を十分にもつ者でなければならない。

    5 試料採取

    5.1 事前調査

    5.1.1 必ず調査すべき事項

    試料採取箇所の選定の前に,次の事項を調査する。

    a) 鋼材位置 試料採取位置周辺のコンクリート中の鋼材の位置及びかぶり厚さ 4)。

    Pubc

    ome 20

    1707

    07迄

  • 3

    X XXXX:0000

    注 4) 鋼材位置及びかぶり厚さの調査方法は,NDIS 3429,NDIS 3430 などのほか,適切な方法によ

    る。

    b) コンクリート 仕上材の有無

    5.1.2 必要に応じて調査すべき事項

    試料採取箇所の選定の前に,必要に応じて次の事項を調査する。

    a) 試験対象構造物の概要 所在地,竣工年,構造物の規模,用途,補修履歴,既往の調査結果,方位,

    海岸からの距離,雨ががりの有無,凍結防止剤の散布状況など

    b) コンクリート 仕上材の厚さ,セメントの種類,配(調)合,使用骨材など

    5.2 試料採取箇所及び採取深さの決定

    5.2.1 試料採取箇所

    試料の採取箇所は依頼者と協議のうえ決定する。特に定めのない場合は,調査の対象となる構造物,部

    材,部位などを代表する箇所で,かつ構造物への損傷による影響が少ない箇所とし,鋼材位置及び試料採

    取が困難な箇所を避ける。

    5.2.2 試料採取の深さ

    試料は,試験の目的に応じて必要な深さまで採取する。また,深さ方向の試料採取の間隔 5)を事前に決

    定する。

    注 5) 塩化物イオン量の深さ方向分布を求める場合は,10 mm~20 mm 幅などの適切な間隔により試

    料を採取する。

    5.3 試料採取の方法

    試料採取の方法は,次による。

    a) ドリル削孔による場合 附属書 A(参考)ドリル削孔粉の採取方法による。

    b) 小径コアによる場合 附属書 B(参考)小径コア試料の採取方法による。

    5.4 試料採取の量

    試料採取の量は,1 回の測定につき必要な量を採取する。1 回の測定に必要な量は,測定方法及び必要な

    精度のほか,試料の採取径,厚さ,個数などによって決定する 6)。

    注 6) 測定に必要な量は,9.1 に示す測定方法に応じて 1 回の測定につき少なくとも 2 回の試験を行う

    ことができる量とする。1 回の試験に必要な試料のはかりとり量は,5.0 g~10.0 g を標準とし,

    計量装置の精度及び塩化物イオンの濃度を考慮して決定する。また,必要量の採取は,近傍の

    複数箇所の試料を混合する方法,1 箇所の試料の削孔径,試料採取の深さ方向の間隔を調整す

    る考え方など,試験の目的に応じて決定する。

    6 試料の調整

    6.1 ドリル削孔粉の調整

    ドリル削孔粉は,採取時に得られた小片又は粒状の試料が目視で確認できない場合は,そのまま試験に

    供してよい。ただし,小片又は粒状の試料がある場合は,それらがなくなるまで乳鉢,振動ミルなどを用

    いて微粉砕する。

    6.2 小径コア試料の調整

    小径コア試料の調整は次のとおりとする。

    a) コア試料をスライスして測定用試料とする場合,コンクリート片の厚さ及び間隔は目的に応じて定め

    る。

    Pubc

    ome 20

    1707

    07迄

  • 4

    X XXXX:0000

    b) コア試料をコンクリートカッター7)を用いて規定の厚さに切り出す。

    注 7) コンクリートカッターは湿式又は乾式のどちらを用いてもよい。また,カッターの刃の厚さは,

    できる限り薄いものを選択するとよい。

    c) コンクリート片は,十分に乾燥させた後,粗骨材も含めて約 5 mm 以下まで全量粉砕しデシケータな

    どで保管する。

    注記 試料の乾燥を行う場合,全塩化物イオン量を測定する場合には 105 ℃の絶乾としてもよい。可

    溶性塩化物イオン量を測定する場合には不安定な塩類が変化するおそれがあるので自然乾燥

    とする。

    d) c)によって得られた試料から,測定に必要な量をはかりとり,振動ミル,乳鉢などを用いて微粉砕す

    る。微粉砕の程度は,小片又は粒状の試料が目視で確認できなくなるまでとする。

    6.3 試料の保存

    試料は吸湿しないようにデシケータに保存し,調整後はできる限り早く塩化物イオンの抽出を行う。

    7 全塩化物イオンの抽出

    7.1 有機酸を用いる方法

    7.1.1 抽出方法の概要

    試料に水と有機酸とを加えて振とうし,全塩化物イオンを抽出した溶液を必要に応じてろ過したろ液を

    試験に供する。

    7.1.2 試料のはかりとり

    試料は 5 g を標準として 0.1 g の単位まではかりとる。

    7.1.3 試料の希釈及び塩化物イオンの抽出

    水 20 g と有機酸 8)とを適量はかりとり,7.1.2 ではかりとった試料とともに密封できる容器に入れる。

    容器内で十分に反応させた後 9)pH を確認し,pH が 7 以下になるまで有機酸を投入する。反応が終わるま

    で静置した後,pH が 7 付近になるまで中和剤 10)を投入する。試料の量が標準と異なる場合には,試料の

    量に対する水及び有機酸の量の割合を一定とする。

    注 8) 有機酸として,酒石酸,スルファミン酸などの弱酸を用いることができる。

    注 9) 撹拌時間は少なくとも 10 分間とする。

    注 10) 中和剤は,炭酸カルシウム,水酸化ナトリウムなど,塩化物を含まないものを用いる。

    7.1.4 試料のろ過

    9.1 の測定方法により必要に応じて,混濁液をろ紙 11)を用いてろ過し,得られた溶液を試験液とする。

    注 11) 使用するろ紙は,JIS P 3801 に規定される 5 種 B もしくは 5 種 C を用いるとよい。

    7.1.5 試料の保存

    得られた試料は,試料の変質を避けるためできる限り早く測定に供する。

    7.2 炭酸塩を用いる方法

    7.2.1 抽出方法の概要

    試料に温水と炭酸塩とを加えたものを振とうし,全塩化物イオンを抽出した溶液を試験に供する。

    7.2.2 試料のはかりとり

    試料は 10 g を標準として 0.1 g の単位まではかりとる。

    7.2.3 試料の希釈

    80 ℃以上の水 50 g 程度を 0.1 g の単位まではかりとる。7.2.2 ではかりとった試料とともに密封できる容

    Pubc

    ome 20

    1707

    07迄

  • 5

    X XXXX:0000

    器に入れ,これに炭酸塩 2 g を投入する。

    7.2.4 塩化物イオンの抽出

    7.2.3 の試料を入れた容器にふたをして撹拌,振とうする。混合は懸濁状態になるように 1 分ごとに 5 回

    程度振るものとし,10 分間行う。その後 50 ℃程度以下となるまで放冷する。上澄み液を採取し試料溶液

    とする。試料溶液のはかりとり量は箇条 9 の塩分含有量測定器の取扱説明に従う。

    8 可溶性塩化物イオンの抽出

    8.1 抽出方法の概要

    試料に水を加えて振とう又は撹拌し塩化物イオンを抽出した溶液を試験に供する。

    8.2 試料のはかりとり

    試料は 5.0 g を標準として,0.1 g の単位まではかりとる。

    注記 試料のはかりとり量は箇条 9 の塩分含有量測定器の取扱説明に従って決定してよい。

    8.3 試料の希釈

    水 25 g をはかりとり,これと 8.2 ではかりとった試料を振とうができる容器に入れる。このときの試料

    及び水の温度は,定めた温度となるようにあらかじめ調整しておく。試料の量が標準と異なる場合には,

    試料の量に対する水の量の割合を一定とする。

    8.4 塩化物イオンの抽出

    試料を入れた容器を振とうさせ塩化物イオンを抽出する。抽出時間,抽出温度及び抽出方法は,あらか

    じめその条件での全塩化物イオン量に対する可溶性塩化物イオン量の割合を求めておく。

    注記 箇条 9 の測定方法に電量滴定法の装置を用いる場合は,7.2.4 の抽出方法にあわせるとよい。

    9 塩化物イオン量の測定

    9.1 測定方法の概要

    箇条7又は箇条8において抽出された塩化物イオンを含む溶液を,塩分含有量測定器によって測定する。

    9.2 測定方法

    測定は,塩分含有量測定器の取扱説明に従って行う。塩化物イオンの抽出方法,試料の量などが測定器

    の適用範囲と異なる使用条件とする場合は,あらかじめその条件において測定される値と装置の適用範囲

    で使用した場合に得られる値との関係を確認しておき,必要に応じて補正を行う。

    10 計算

    10.1 計算

    塩化物イオン濃度及び塩化物イオン量の計算は,次による。ただし,箇条 9 において JIS A 1154 に従っ

    て測定した場合は,硬化コンクリートの塩化物イオン濃度の計算は,JIS A 1154 による。

    10.2 塩化物イオン濃度の計算

    使用した塩分含有量測定器の取扱説明に従い抽出した溶液の塩化物イオン濃度(%)を測定し,(1)式

    により硬化コンクリートの塩化物イオン濃度(%)を算出し,四捨五入して小数点以下 3 けたに丸めて表

    す。

    Pubc

    ome 20

    1707

    07迄

  • 6

    X XXXX:0000

    c

    wwc W

    ClVCl ·································································································· (1)

    ここに, Clc :硬化コンクリートの塩化物イオン濃度(%)

    Vw :水の量(g)

    Wc :試料質量(g)

    Clw :溶液の塩化物イオン濃度(%)

    10.3 塩化物イオン量の計算

    算出された硬化コンクリートの塩化物イオン濃度から,単位容積当たりの塩化物イオン量(kg/m3)を求

    める場合には(2)式によって算出し,四捨五入して小数点以下 2 けたに丸めて表す。

    100unitc

    unitWClCl ······························································································ (2)

    ここに, Clunit :単位容積当たりの硬化コンクリートの塩化物イオン量(kg/m3)

    Clc :試料中の塩化物イオンの濃度(%)

    Wunit :コンクリートの単位容積質量(kg/m3)12)

    注 12) コンクリートの単位容積質量が不明な場合は,普通コンクリートの場合は 2,300 (kg/m3)を標

    準としてよい。

    11 報告

    11.1 必ず報告する事項

    a) 測定対象構造物(名称,場所など)

    b) 測定年月日(年月日・時間・天候・気温)

    c) 測定者(氏名,所属,資格など)

    d) 測定箇所及びその状態(仕上材の有無)

    e) 試料採取の方法,その大きさ及び深さ

    f) 試料の調整方法

    g) 塩化物イオンの抽出方法

    h) 塩化物イオン量の測定方法(使用した塩分含有量測定器)

    i) 塩化物イオン量

    j) 単位容積当たりの塩化物イオン量及び計算に用いた単位容積質量

    11.2 必要に応じて報告する事項

    a) 測定対象構造物の概要(建設年,周辺環境,海岸からの距離など)

    b) 測定対象のコンクリートの概要(セメント種類,骨材種類,調(配)合など)

    c) 測定中の気づいた点,留意事項

    Pubc

    ome 20

    1707

    07迄

  • 7

    X XXXX:0000

    附属書A

    (参考)

    ドリル削孔粉の採取方法

    序文

    この附属書(参考)は,ドリル削孔粉を硬化コンクリート中の塩化物イオン量測定用試料とする際のド

    リル削孔粉の標準的な採取方法を示し,本体を補足するもので,規定の一部ではない。

    A.1 適用範囲

    この方法は,コンクリート中の塩化物イオン測定用試料として,コンクリート構造物及びそれらから採

    取したコンクリートコア,コンクリート塊などから,コンクリート粉をドリルで削孔した時に発生する粉

    を用いる場合における削孔粉の採取方法を規定したものである。 削孔粉全量を採取することが重要であるので,降雨又は降雪により作業の過程で削孔粉が濡れるおそれ

    がある場合,強風により削孔粉の一部が飛散するおそれがある場合は適用できない。

    A.2 使用機器・器具 a) 振動ドリル 回転出力スピンドル機構により軸方向の衝撃運動を与える衝撃装置を内蔵しているド

    リル。

    b) ドリルビット(ドリル刃) コンクリート用ビット(コンクリート削孔専用のもの)で,直径 10 mm

    から 30 mm のもの。

    c) 削孔粉全量採取のための器具 削孔箇所より噴出した削孔粉が飛散することを防ぎ,削孔粉全量を採

    取 1)するための器具。

    注 1) 削孔粉の一部が飛散し失われると,セメントペーストと骨材の構成比が変化するので,ここ

    での採取は全量でなければならない。一般にセメントペーストの比率が大きくなると,塩化物

    イオン量が過大評価される。

    d) ノギス JIS B 7507 に規定されるもの,若しくはそれと同様の精度を有し,デプスバーをもつもの。

    A.3 採取箇所の準備

    採取箇所にモルタル,タイルなどの仕上材がある場合は,原則としてあらかじめそれらを剥がし,コン

    クリート面を露出させる。

    A.4 採取方法

    所定の径のドリルビット,ドリルカバーを装着した振動ドリルにより,所定の深さの層を削孔する。こ

    の時,削孔粉全量採取のための器具により,削孔粉が飛散することなくその全量が採取できるように十分

    な注意を払う。 なお,削孔数は,塩化物イオン量の測定に必要な量からあらかじめ決めておく。

    Pubc

    ome 20

    1707

    07迄

  • 8

    X XXXX:0000

    A.5 試料採取深さの測定

    試料採取深さを明確にするため,削孔した深さをノギスのデプスバーにより測定する。

    A.6 修復

    必要に応じて,削孔を無収縮モルタルなどにより充てんする。仕上材を現状回復する必要がある場合に

    は,仕上材ごとに定められた手順に従って補修する。

    Pubc

    ome 20

    1707

    07迄

  • 9

    X XXXX:0000

    附属書 B (参考)

    小径コア試料の採取方法

    序文

    この附属書は,硬化コンクリート中の塩化物イオン量を測定するための小径コア試料の採取方法につい

    て示し,本体に関連する事項を補足するもので,規定の一部ではない。

    B.1 適用範囲

    この附属書は,小径コア試料により硬化コンクリート中の塩化物イオン量を簡易的に測定する場合の小

    径コア試料の採取方法について示す。

    B.2 使用機器

    コア採取で使用する機器・装置は,次の項目に従って選定する。

    a) コア採取機

    1) 回転削孔機能をもち,削孔時に絶えず冷却水を供給できる機構をもつものとする。

    2) 削孔時に機械振動や削孔用ビットにぶれが生じない十分な剛性をもち,据え付け時に安定する機構

    をもつものとする。

    注記 コア採取機の回転速度は,削孔後のコア形状を確保するため,無負荷回転数で 1 000 rpm 以上の

    ものを選定するとよい。

    b) コアビット

    1) 所定のコア寸法が採取できるものとする。

    2) ダイヤモンド砥粒と結合剤で固結したダイヤモンドセグメントを取り付けたダイヤモンドビットと

    する。

    c) 真空吸着盤

    真空ポンプによる減圧後,コンクリート表面部と真空吸着盤により構成される空間内が所定の減圧状態

    を保持できる構造をもつものとする。

    B.3 コア採取位置

    コア採取位置は,次の項目に従って選定する。 a) 調査目的を満足できる範囲において,コア採取機を堅固に固定でき,部材内部の鉄筋と干渉しない位

    置とする。

    b) 採取時のコア破損を防止するため,ひび割れ割れなどの損傷がない位置とする。 注記 コア採取位置において,NDIS 3429,NDIS 3430 若しくは NDIS 1401 などに従い鉄筋探査を行

    い,部材内部の配筋状態を調査する。この際,事前に設計図書などから,コンクリートのかぶ

    り厚さ及び配筋状態を調査しておくとよい。 B.4 コア採取

    Pubc

    ome 20

    1707

    07迄

  • 10

    X XXXX:0000

    コア採取は,次の手順で行う。

    a) 所定の位置でコア採取できるようコア採取機をメーカーが定める方法に従い適切に保持・固定する。

    塩化物イオン量の深さ方向の分布を確認する場合には,採取面に対してコア採取角度が適切であるか

    確認する。

    b) コア採取機の固定は,アンカーボルト固定式又は真空吸着盤式で行う。真空吸着盤式で固定する場合

    には,吸着圧力がメーカーが定める所定の範囲であることを確認する。

    注記 既設構造物の損傷を軽減するため,真空吸着盤を可能な限り用いるとよい。

    c) コア採取用ドリルの給水弁を開け,水道水を用いてコア抜きを行う。コア削孔速度は,2 cm/min~3

    cm/min とする。

    d) 削孔深さが試料採取深さに達した後,コアを傷つけないようビットを回転させながら,ドリルを抜き

    出す。

    e) 削孔したコア外周部の隙間に楔状のものなどを挿入し,コアを採取する。

    注記 コア採取時に鉄筋との干渉が起きた場合は,削孔をただちに取りやめ鉄筋位置を再調査し新た

    なコア採取位置を選定する。

    B.5 コアの確認

    採取したコアが,測定目的に応じた必要な長さが確保されていること,コンクリート表面からの深さが

    明確であることなど測定用コアとして適切であることを確認する。

    B.6 コアの保管

    採取したコアは,水分の出入りがないよう養生し保管する。コアを輸送する場合,破損しないように布,

    緩衝材などで十分に保護する。

    B.7 コア採取箇所の補修

    コア採取後,採取箇所を清掃し,採取孔に無収縮モルタルなどを充てんする。仕上材を現状回復する必

    要がある場合には,仕上材ごとに定められた手順に従って補修する。

    Pubc

    ome 20

    1707

    07迄

  • 1

    -NDIS 3433:201X

    硬化コンクリート中の塩化物イオン量の簡易試験方法 解 説 (案)

    この解説は,本文に規定した事項,参考に記載した事項及びこれらの関連した事項を解説するもので,規格

    の一部ではない。 この解説は,(一社)日本非破壊検査協会が編集・発行するものであり,この解説に関する問合せは,(一社)

    日本非破壊検査協会へお願いします。 1 制定の趣旨 コンクリート中の塩化物イオンは,その量が多く含まれる場合には内部の鋼材の腐食を引き起こす要因とな

    る。したがって,鉄筋コンクリート構造物の耐久性の評価においては,コンクリート内部の塩化物イオン量や

    その分布を測定することが重要である。コンクリート中の塩化物イオン量の測定方法としては,2003 年に JIS A 1154(硬化コンクリート中に含まれる塩化物イオンの試験方法)が制定されたが,この規格では,測定のための試料は,原則として粗骨材の最大寸法の 3 倍以上の直径のコア試料となっているため,試料採取の際の構造物への影響が問題となる。また,試験室に持ち帰ってからの試料の調整や測定作業に時間を要すことから,調

    査現場で直ちに結果を得ることができないという問題がある。 そのような背景から,この規格では,試料採取による構造物への影響の軽減,試験の迅速化を図るため,ド

    リル削孔粉及び小径コア試料を用いた硬化コンクリート中の塩化物イオン量の微破壊試験について標準化する

    ことを目的とした。また,この規格に準じて測定を行うことによって,前述の JIS A 1154 に準拠して採取した試料を用いて簡易的な測定を行う場合や,試料調整,塩化物イオンの抽出,測定などの一部のみを JIS A 1154に準拠するような方法による場合にも,迅速に結果が得られるよう,この規格を制定した。

    2 制定の経緯

    (一社)日本非破壊検査協会では,これまでにも鉄筋コンクリート構造物の非破壊試験及び微破壊試験に関

    する規格を制定しており,これらは鉄筋コンクリート構造物の調査・診断の実務においても広く普及している。

    この規格も,これらと同様に鉄筋コンクリート構造物の調査・診断のための試験方法として制定するため,2011年 9 月から 2013 年 3 月までの期間において,標準化委員会 RC 専門別委員会の下に NDIS 原案作成準備 WGを設置し,規格原案の基礎資料となる検討を行った。その成果を踏まえて,2014 年 10 月より「ドリル削孔粉及び小径コアを用いたコンクリート構造物中の塩化物イオン量の試験方法」原案作成委員会を設置し,規格原

    案を作成した。 3 審議中に問題となった事項 a) 規格名称及び対象とする試験方法 この規格で取り扱う試験方法の範囲及び試験方法の名称が問題とされた。この規格は,JIS A 1154 による方

    法(以下,JIS 法という)と比較して,試料採取による構造物への影響が小さいこと,迅速に実施できることを特徴としている。試料の採取方法については,ドリル削孔や小径コアの採取などを前提とした,いわゆる微破

    Pubc

    ome 20

    1707

    07迄

  • 2

    壊試験として扱われるものであるが,試料採取だけでなく,試料調整,塩化物イオンの抽出ならびに分析方法

    等を含めて,構造物への影響の軽減や試験の迅速化を意図したこれらの方法を簡易試験方法と位置付け,塩化

    物イオン量の簡易試験方法という規格名称を用いた。 また,塩化物イオン量の測定方法には,近年,蛍光 X 線を用いた方法や近赤外分光を用いた方法なども提案

    されており,それらを含めた規格とするかが議論されたが,現時点では実績が少ないことなどから,この規格

    では試験方法の対象とはしていない。ただし,将来的には,これらを含めた試験方法とすることも考慮し,規

    格名称は試験方法や試料の採取方法を限定しない名称とした。 b) 試料の採取方法 この規格における試料の採取方法は,構造物への影響を考慮してドリル削孔粉と小径コアを想定しているが,

    JIS A 1154 に規定された大きさの試料(粗骨材最大寸法の 3 倍以上の直径のコンクリートコア試料)とした場合でも,簡易的な測定方法で塩化物イオン量を測定することによって迅速に試験結果を得ようとする目的にも

    対してこの規格を適用できることとした。 c) 測定精度 測定精度については,JIS 法と比較して試料の必要量を少なくするために試料の採取量及び測定におけるはかりとり量を少なくしたこと,温水及び有機酸による塩化物の抽出方法を規定したこと,レディーミクストコン

    クリートの塩化物イオン量の測定に用いられる簡易的な測定方法を規定したことなどから,JIS 法と比較すると測定精度は低下すると考えられる。ただし,簡易的な方法であっても試験方法として一定の精度は確保する必

    要があることから,この規格で規定している方法に準じて測定した場合の測定精度について,共通試験を実施

    してその精度を検証し,一定の精度を有することを確認した。 4 適用範囲(本体の箇条 1) この規格は,コンクリート構造物中の塩化物イオン量の測定について,構造物への損傷をできるだけ小さく

    し,また迅速に試験結果を得ることを目的として規定した試験方法である。JIS 法では,構造物から採取する試料は,粗骨材の最大寸法の 3 倍以上の直径のコンクリートコア試料が標準とされているが,この規格ではそれより損傷の少ないドリル削孔粉や小径コアを用いることを原則としている。ドリル削孔粉による場合は,ドリ

    ル削孔径は10~30mm程度であり,コア試料の場合は粗骨材の最大寸法が20mmの場合には直径60mm未満,最大寸法が 25mm の場合には直径 75mm 未満のコア試料についても適用が可能である。規格本文では,小径コアの定義として直径 25mm 以上,60mm 未満としているが,これは粗骨材最大寸法を 20mm と想定した場合であり,一方,粗骨材最大寸法が 25mm の場合には 75mm 未満のコアも対象としてよい。解説表 1 にこの規格,JIS A 1107(コンクリートからのコアの採取方法及び圧縮強度試験方法)及び JIS A 1154 で対象としている試料の寸法等の規定について示す。 なお,JIS A 1107 に準じて採取されたコア試料を用いる場合のように,試料採取,試料調整,塩化物イオン

    の抽出,塩化物イオン量の測定などの手順の一部を JIS 法の規定に従って行ってもよいこととし,本規格と JIS法の組み合わせによる場合も,本規格を適用したものとして取り扱うことができる。解説図 1 に本規格およびJIS 法による試験手順の概要を示す。 試料の採取方法と調整方法については,それぞれに規定される方法があるが,塩化物イオンの抽出以降の手

    順について,本規格ではいずれの組み合わせでもよいものとした。例えば,構造物への影響を小さく,調査現

    場で試験結果を得るためには,すべて本規格の手順によるとよい。また,調査現場において結果は得られなく

    とも,構造物への影響を小さくしたい場合などは,塩化物イオンの抽出や塩化物イオン量の測定を JIS 法によることなどもできる。また,JIS 法によって試料を採取した場合についても,迅速に試験結果を得たい場合や分

    Pubc

    ome 20

    1707

    07迄

  • 3

    析機器を保有していない場合などには,塩化物イオンの抽出および測定を本規格によるとよい。これらのいず

    れの手順の組み合わせによる場合についても,本規格の適用範囲として取り扱うこととした。

    解説表1 本規格,JIS A 1107及びJIS A 1154におけるコンクリート試料の寸法

    規格 試料 直径(削孔径) 削孔深さ(高さ) 本規格

    (NDIS 3433) ドリル削孔粉 直径 10mm から 30mm 程度 試験の目的に応じて必要な深さま

    で試料を採取する 小径コア 直径 25mm 以上 60mm 未満

    JIS A 1107 コア

    粗骨材の最大寸法の 3 倍を標準とする

    高さと直径との比は1.90~2.10を原則としどのような場合にも 1.00を下回ってはならない(強度試験

    を行う場合)

    JIS A 1154 附属書A コア 粗骨材の最大寸法の 3 倍以上を原則とする

    塩化物イオンの浸透深さ,練混ぜ

    時の塩化物イオンを求められるよ

    うな長さを採取する JIS A 1154 附属書A

    (簡易な分析の場合) コア及びドリ

    ル削孔粉

    簡易な分析を行う場合には,粗骨

    材の最大寸法の 2 倍以下のコア又はコンクリート用ドリルで粉

    末試料を採取してもよい

    解説図1 本規格およびJIS法による試験手順の組み合わせ

    5 規定項目の内容 5.1 用語及び定義(本体の箇条3) この規格で定義した主な用語のうち,特に留意すべき点について解説する。 a) 塩化物イオン量の簡易試験方法 本規格の目的である,試料採取による構造物への損傷の軽減,試験の迅速化などを目的として実施する試験

    として,新たに用語を定義した。なお,本規格の試験の手順は,比較的簡易な方法を採用しているが,JIS 法に

    本規格

    JIS A 1154

    試料採取

    ドリル削孔

    小径コア採取

    コア採取

    ドリル削孔

    (参考値)

    試料調整

    そのまま、もしくは小片や粒状試

    料がなくなるまで粉砕

    必要に応じてスライス*1後、小片や

    粒状試料がなくなるまで粉砕

    必要に応じてスライス*2後、150μmのふるいを全通するまで微粉砕

    150μmのふるいを全通するまで微粉砕

    塩化物イオンの抽出

    全塩化物イオン:

    有機酸による方法

    全塩化物イオン:

    炭酸塩による方法

    可溶性塩化物イオン:

    水(温水)による抽出

    可溶性塩化物イオン:

    50度温水による抽出

    全塩化物イオン:

    硝酸による分解・煮沸

    塩化物イオン量の測定

    塩分含有量測定器に

    よる方法

    電位差滴定法

    吸光光度法

    硝酸銀滴定法

    イオンクロマトグラフ法

    ※1 乾式カッター・湿式カッター使用可

    ※2 乾式カッターのみ使用可

    :試験室でのみ実施可能

    :調査現場および試験室のいずれでも実施可能

    試験規格

    Pubc

    ome 20

    1707

    07迄

  • 4

    よって得られる値との整合性については,共通試験によって確認している。 b) 全塩化物イオン 全塩化物イオンは硬化コンクリート中に含まれる塩化物イオン量の全量で示したもので,この規格では,有

    機酸または炭酸塩を用いて抽出された塩化物イオン,及び JIS A 1154 に準じて硝酸を用いて抽出された塩化物イオンを全塩化物イオンとした。 c) 可溶性塩化物イオン 可溶性塩化物イオンは,硬化コンクリートもしくは硬化モルタル中の水分の移動によって動きやすい塩化物

    イオンを示す。 この規格では,ある条件下で水または温水に溶け出した塩化物イオンを可溶性塩化物イオンとし,温度条件

    および抽出条件については自ら定めてよいものとした。ただし,定めた条件について,試験を行う前に,あら

    かじめ塩化物イオンの抽出割合を求めておく。 d) 水 この規格では, JIS K 0557(用水・排水の試験に用いる水)に規定する種別A1 と同等以上の質を有する水を用いることとしとし,簡便性を考慮して,市販されている精製水などの使用も可とした。ただし,塩化物イ

    オン量の測定において,JIS A 1154 に規定されるイオンクロマトグラフ法などを適用する場合には,使用する水の質が問題になる場合があるので注意を要する。 なお,試験の際は,塩素消毒されている上水道水や塩化物イオン含有量の既定がない市販のミネラルウォー

    ターなどは使用しないこととし,塩化物イオンを含まない水を使用する。 5.2 試料採取 5.2.1 附属書A(ドリル削孔粉) ドリル削孔による試料粉末の採取は,コンクリート構造物のほか,コンクリート構造物から採取されたコン

    クリートコアやコンクリート塊についても適用が可能である。以下に,附属書の規定について解説する。 a) 振動ドリル 振動ドリルは,コンクリート,石材,その他のこれに類する材料に穴をあけるように特に設計されたドリル

    である。振動ドリルは,外見と構造は属,プラスチック,木材,その他様々な材料に穴をあけるように特に設

    計された「ドリル」に似ているが,回転出力スピンドルに軸方向の衝撃運動を与える衝撃装置を内蔵している。

    振動ドリルは,普通のドリルとして使用できるように衝撃装置を作動不能にするための装置をもつことがある

    が,本方法適用時には,これを解除して,衝撃装置の作動を有効にして使う必要がある。 b) ドリルビット(ドリル刃) コンクリートは,木材用,金属用ビットでは削孔が不可能であるので,コンクリート削孔専用ビットを用い

    る必要がある。 解説図 2 は,塩化物イオン量測定値に及ぼすビット径の影響を示したものである。φ30mm~φ10mm で

    110%程度であり,φ6mm では 117%であるという報告 1)がある。そこで,附属書A では,ビットの径を 10mmから 30mm のものとした。 c) 削孔粉全量採取のための器具 削孔粉全量採取のための器具には,以下のものなどがある。

    ①ドリルカバー

    ②ドリル付属集塵器

    ③サイクロン式集塵器

    Pubc

    ome 20

    1707

    07迄

  • これらの

    骨材の構成

    きるかの十

    ①ドリルカ

    バー,受け

    の噴出及び

    カバーの脱

    に残った粉

    30mm 程度している。

    ②ドリル

    する。

    ③サイクロ

    を使用する

    5.2.2 附属a) コア採取コア採取

    しないと,

    粉化や折損

    コア採取の

    アが乾式で

    解説図

    の器具を用いる

    成比が変化し,

    十分な検証が望

    カバーを用いる

    け皿(大),受

    び風などにより

    脱着時にコンク

    粉をふでによっ

    度),ふでは,

    ル付属集塵器で

    ロン式集塵機で

    る。

    属書B(小径コ取機 取機には,乾式

    湿式に比べて

    損が生じ,測定

    の簡便性も考慮

    で採取可能と確

    2 100㎜コア

    る目的は,本

    塩化物イオ

    望まれる。 る方法として

    受け皿(小),

    り削孔粉が飛

    クリートとカ

    って採取する

    削孔内に残っ

    では,集塵器

    では,フィル

    コア)

    式と湿式があ

    て削孔時にコ

    定の目的に応

    慮をしてコア

    確認された場合

    アとドリル削

    本文にあるよう

    オン量が過大評

    ,文献2)では

    はけ,ふでな

    飛散することを

    バーの隙間か

    ため,はけは

    った粉を採取す

    器内のフィルタ

    ルター等により

    ある。乾式によ

    アに与える負

    応じた所要長さ

    ア採取機は湿式

    合には,乾式

    5

    削孔粉の全塩化

    うに,削孔粉

    評価されるこ

    は,解説図3に

    などを用いる方

    を防ぎ,削孔粉

    から落下した

    は,ドリルビッ

    するため用い

    ターや管内に

    り採取粉が残存

    よるコア採取

    負荷が大きい

    さやコンクリ

    式を用いるこ

    式でコア採取し

    化物イオン量の

    の一部が飛散

    とを防ぐため

    に示す器具によ

    方法で,ドリ

    粉を全量採取

    削孔粉を捕集

    ット及びカバー

    いている。これ

    ,前の採取に

    存しないもの

    は,高圧エア

    ことが考えら

    ート表面から

    とを標準とし

    してもよい。

    の関係(ビッ

    散し失われると

    めにあるので,

    よる方法が提案

    リルカバーは,

    取するため,受

    集するため,受

    ー内の削孔粉

    れによって全量

    における粉が残

    のを使用し,適

    アによるビッ

    られる。これは

    らの深さが不明

    した。ただし,

    ト径)1)

    と,セメント

    使用には,

    提案されている

    コンクリー

    受け皿(小)

    受け皿(小)

    粉を集め採取す

    量削孔粉の採

    残存する可能

    適当な寸法・

    ト冷却などの

    は,採取時に

    明確になる。

    測定の目的

    ペーストと

    全量採取で

    る。ドリルカ

    ート表面から

    は,ドリル

    は,削孔内

    するため(幅

    採取が可能と

    能性には留意

    容量のもの

    の処置を併用

    に小径コアの

    そのため,

    的に応じたコ

    Pubc

    ome 20

    1707

    07迄

  • b) コア採取 解説図 4ず同等の精

    25mm 程度また,解

    を超えると

    に及ぼす影

    小さくなる

    なるが,現

    孔速度以下

    準とした。

    c) コアの確 コンクリ

    ト表面から

    明確である

    に破損し位

    イオン量を

    か否かを目

    まれにある

    取 4 にコアの直精度が得られて

    度以上のコアを

    解説図 5 に示すとコア強度が低

    影響を示したも

    ることがわかる

    現在市販されて

    下であれば特に

    確認 リート構造物中

    らの塩化物イオ

    ること,及び分

    位置関係が不明

    を測定すると,

    目視により確認

    るので,このよ

    解説図

    直径が塩化物イ

    ているが,直

    を用いること

    すようにコア

    低下すること

    ものである。

    る。削孔速度

    ているコア採

    にコアに損傷

    中の見かけの

    オン量の分布

    分布を把握す

    明確であった

    正確な情報

    認することと

    ような場合は

    図3 削孔粉

    イオン量の測定

    直径が小さいコ

    とした。 削孔速度が速

    が確認されて

    これらから,

    度が過度に大き

    取機は,最大

    を与えること

    の塩化物イオン

    布を測定するこ

    するために必要

    たり,必要なコ

    報を得ることが

    した。なお,

    再度コア採取

    6

    を全量採取す

    定値に及ぼす

    コアではコア

    速くなると削孔

    ている。また,

    ビットの周速

    きいと,コア

    大削孔速度が約

    とは少ない 3),4

    ン拡散係数と表

    ことがある。

    要なコア長さ

    コア長さが確保

    ができない。

    採取したコ

    取を行うことが

    するための器具

    す影響を示す。

    の採取が困難

    孔トルクが増

    解説図 6 は速が速いほど

    に与える負荷

    約 3cm/min 程4)。そのため,

    表面塩化物イ

    そのため,採

    が確保されて

    保されていな

    そのため,コ

    アに,粗骨材

    が望ましい。

    具の例

    この結果か

    難になるため,

    増大し,トルク

    は,ビットの周

    ど,また削孔速

    荷も大きくなる

    程度のものがほ

    コア削孔速度

    イオン量を把握

    採取したコアの

    ていることが重

    ないなど不適切

    コア採取後に測

    材が全断面にわ

    らは,コアの

    本規格にお

    クが 14.7N・m周速と削孔速

    速度が遅いほ

    るためコア損

    ほとんどであ

    度は,2~3cm

    握するため,

    の深さ方向の

    重要である。

    切なコアを用

    測定用のコア

    わたって介在

    の直径に寄ら

    おいては直径

    m(1.5kgf・m)速度がトルク

    ほどトルクが

    損傷の原因と

    あり,この削

    m/min を標

    コンクリー

    の位置関係が

    コア採取時

    用いて塩化物

    アとして適切

    在することが

    Pubc

    ome 20

    1707

    07迄

  • 5.2.3 試料

    試料採取

    溶液噴霧法

    けるコンク

    解説図5

    料採取の深さ

    取の深さを定め

    法を利用するこ

    クリート中の全

    削孔トルクが

    解説図4 コ

    めるにあたり

    ことができる

    全塩化物イオ

    がコア供試体

    アの直径が塩

    ,塩化物イオ

    。なお,同方

    ン分布の測定

    体の強度に及ぼ

    7

    塩化物イオン量

    オンのおおよ

    方法に関する記

    定方法(案)」

    ぼす影響3)

    量の測定値に

    その浸透状況

    記述は,土木

    や JIS A 117

    解説図 6

    に及ぼす影響1

    況を確認するよ

    木学会規準 JSC

    1「ポリマーセ

    ビットの周速

    及ぼす影響

    1)

    ような場合に

    CE-G573「実

    セメントモル

    速と削孔速さ

    3)

    には,硝酸銀

    実構造物にお

    ルタルの試験

    さがトルクにPu

    bcom

    e 20

    1707

    07迄

  • 方法」,及び

    法」附属書

    業に関する

    解説図 7採取された

    標準的であ

    塩化物イオ

    色の塩化銀

    は褐色の酸

    の境界(変

    用すれば,

    作業の流

    溶液を噴霧

    確認し,溶液

    ①割裂面

    ②噴霧面

    ③現れた

    る。この場

    ④中性化

    る。この無

    以上の作

    る。既往の

    しかし,変

    置における

    深い位置に

    定めるので

    現場にお

    酸銀溶液を

    ているので

    5.2 の参考文1) 湯浅昇

    ンポジ

    2) 湯浅昇コンク

    3) 毛見虎コンク

    4) 大木崇コア強

    5) 青木優

    びNDIS 3424

    書 E にも記載

    る詳細は記され

    7 は,塩害環境たコアの割裂面

    ある 5))を噴霧

    オンが浸透して

    銀沈殿領域が現

    酸化銀沈殿が現

    変色境界)は,

    コア中に一定

    流れは,1)対象

    霧し,3)現れる

    液の取扱いや

    面と乾式のカッ

    面が乾燥してい

    た変色境界が,

    場合,変色境界

    化した領域に硝

    無色の領域を白

    作業を行った場

    の研究では,可

    変色境界位置は

    る塩化物イオン

    に,ある程度の

    であれば,変色

    おいては,コア

    を混合すること

    で参考にすると

    文献 昇:塩化物イオ

    ジウムコンク

    昇・笠井芳夫・

    クリート工学年

    虎雄,平賀友晃

    クリート,No崇輔,中田善久

    強度に及ぼす影

    優介,澤本武博

    「ボス供試体

    されている。

    れていない。

    境下にあった

    面に硝酸銀溶液

    霧した状況で

    ていると考え

    現れており,

    現れている。

    一定量以上

    定量以上の塩化

    象となるコアを

    る変色境界の位

    や保護具の使用

    ッターによる切

    いると,硝酸銀

    溶液噴霧直後

    界の位置を定

    硝酸銀溶液を

    白色(鉛色)

    場合に最も重

    可溶性塩化物

    は試料の状態な

    ン量を明確に

    の塩化物イオ

    色境界位置よ

    ア採取ではな

    とで,その変

    とよい 8)。

    オン量測定結

    リート構造物

    松井勇:ドリル年次論文報告

    晃,倉林清,

    o.373,1978 久,大塚秀三

    影響,コンク

    博,嶋野慶次

    体の作製方法及

    ただし,それ

    たコンクリート

    液(濃度は 0

    である。ある濃

    えられる暴露面

    それよりも深

    すなわち,双

    上の塩化物イオ

    化物イオンが

    を割裂または

    位置を確認す

    用について理解

    切断面とで現

    銀溶液を噴霧

    後から数十分

    める時間に注

    を噴霧しても,

    になった領域

    重要なのは,変

    イオン濃度で

    など複数の要

    に定めることは

    オンが存在する

    りも確実に深

    なくドリル削孔

    変色状況を確認

    結果に及ぼす採

    物の非破壊検査

    ル削孔粉を用

    告集,Vol.21,No荒巻哲生:コ

    三,毛見虎雄

    リート工学年

    次:硝酸銀溶液

    8

    及び試験方

    れらには作

    ト部材から

    0.1mol/L が

    濃度以上の

    面側には白

    深い領域に

    双方の領域

    オンが浸透し

    が浸透している

    は乾式カッター

    する,というも

    解しておく。作

    現れる変色境界

    霧しても白色

    分以内に深さ方

    注意しなければ

    塩化物イオ

    域と誤認しない

    変色境界位置

    でセメント質量

    要因によって変

    は難しいと考

    ると考えられ

    深くすべきであ

    孔による試料採

    認し,塩化物イ

    採取コア径及

    査論文集,Vo用いたコンクリ

    o.2, pp.1303-コンクリート

    :コア採取位

    年次論文集,V液噴霧法によ

    ている深さを

    る深さを手早

    ーで切断し,2

    ものである。な

    作業に際して

    界の位置は変

    (鉛色)の塩

    方向に数 mm

    ばならない。

    ンが存在しな

    いようにする

    におけるコン

    量の 0.15%程

    変化するとの報

    えられる。た

    るので,この

    ある。

    採取を行う場

    イオンの浸透

    及び採取ドリル

    ol.4,pp.363-リート中の塩化

    1308,1999.構造物のコア

    位置および採取

    Vol.30,No.1る塩化物イオ

    解説図7

    を表していると

    く目視確認す

    2)割裂面または

    なお,事前に

    は,以下のこ

    わらない。

    化銀沈殿が現

    から数十 mm

    なければ,その

    ンクリート中の

    程度が境界であ

    報告もあり 7)

    ただし,通常で

    の方法の結果に

    場合も少なくな

    透深さを確認す

    ル径の影響,

    366,2012.8 化物イオン量

    7 ア採取方法と強

    取方法の違いが

    1,pp423-428オン浸透深さ測

    コア割裂面へ

    といえる。こ

    することができ

    は切断面に即

    に硝酸銀溶液の

    とが確認され

    現れにくい。

    m ほど移動す

    の領域は無色

    の塩化物イオ

    あるとの報告

    ,現段階では

    であれば変色

    に基づき試料

    ない。ドリル

    する方法が近

    日本非破壊検

    8 量の現場試験方

    強度について

    が高強度コン

    8,2008 測定における

    への硝酸銀噴霧

    この現象を応

    きる。

    即座に硝酸銀

    の MSDS を

    れている 5)。

    することがあ

    色のままとな

    オン濃度であ6)もある。

    は変色境界位

    色境界よりも

    料採取深さを

    ル削孔粉と硝

    近年研究され

    検査協会,シ

    方法の提案,

    て,セメント

    ンクリートの

    るいくつかの

    霧後の様子

    Pubc

    ome 20

    1707

    07迄

  • 9

    経験的知見,コンクリート工学年次論文集,Nol.35,No.1,pp.1843-1848,2013.7 6) 大即信明:硝酸銀噴霧法によるセメント硬化体の塩化物イオンの意味,東京工業大学土木工学科研究報告,

    No.42,pp.11-18,1990.12 7) Fuqiang He. et al.: AgNO3-basec colorimetric methods for measurement of chloride penetration in

    concrete, Construction and Building Materials, Vol.26, pp.1-8, 2012 8) 澤本武博,青木優介,舌間孝一郎,地頭薗博:ドリル削孔粉を用いた硬化コンクリートの塩化物イオン浸

    透深さ簡易測定方法に及ぼす各種要因,コンクリート工学年次論文集,Vol.37,No.1,pp.1705-1710,2015.7 5.3 試料の調整 5.3.1 試料の微粉砕 この規格では,ドリル削孔粉及び小径コア試料から測定用試料を得るには,小片や粒状の試料が目視で確認

    できなくなる微粉砕することとしている。JIS 法では,振動ミルなどを使用して 0.15mm 以下になるまで微粉砕を行うが,この試料調整に時間を要することや実験室内での作業となるため,試験の迅速性を考慮して,本

    規定のとおりとした。 微粉砕の程度が試験結果に及ぼす影響については,この規格の原案作成準備 WG における検証結果として文献 1)に示されている。解説図 8 に乳鉢によって微粉砕した時間ごとの粉末試料の粒度分布,解説図 9 に全塩化物イオン量の測定結果,解説図 10 に可溶性塩化物イオン量の測定結果をそれぞれ示す。微粉砕する時間を長くすると試料の粒度は細かくなり,150μm ふるいを全通する試料の粒度分布に近づく。ただし,塩化物イオン量の測定値としては,全塩化物イオン量,可溶性塩化物イオン量とも大きな差は認められなかった。ただし,目視

    でわかる程度の粒や塊がある場合には試験結果に影響を及ぼすことも考えられるため,目視で確認できる程度

    の粒状の試料については乳鉢等を用いて粉砕することとした。 また,解説図 11 は,ドリルビット(ドリル刃)の直径 10mm で削孔したドリル削孔粉と日本コンクリート工

    学協会(制定当時)が定める試験方法(JCI-SC4)2)で得られたコンクリート試料(JCI 試料)を粒度分布とし

    て示したものである。

    図中の JCI 試料とは,コンクリート試料を「ジョークラッシャーまたは鉄乳鉢を用いて約 5mm 以下に粉砕し

    て風乾した後,振動ミルまたは鉄乳鉢を用いて JIS Z 8801(標準ふるい)の 149μm を全通させるように粉砕し

    たもの」である。一方, JIS A 1154 では,「約 5mm 以下に粉砕して乾かしたものから,全塩化物イオン又は温

    水抽出塩化物イオンのいずれか一方を測定する場合は約 50g,両者を分析する場合には約 100g はかりとり,振

    動ミル又は鉄乳鉢を用いて JIS Z 8801-1 の試験用ふるいの 150μm を全通されるように粉砕したもの」と規定さ

    れており,両方法によって作製された試料は同等と見なすことができる。

    解説図 11 に示すように,JIS A 1154 と同等の方法で作製された JCI 試料とドリル削孔粉とは,ほぼ同じ粒度分

    布を示しており,ドリル削孔粉を塩化物イオン量の測定に用いても問題ないと考えられる。

    この規格では,試料採取に用いるドリルビットの直径を 10mm から 30mm 程度と規定した。ドリルビットの

    直径が測定結果(塩化物量イオン量)に及ぼす影響については,多くの知見が得られているわけではないが,

    ドリルビットの直径を 10mm と 18mm として採取した試料(ドリル削孔粉)に対する塩化物イオン量を比較し

    た結果(解説図 12)を見る限り,その影響は小さいと判断される。

    Pubc

    ome 20

    1707

    07迄

  • 10

    解説図8 微粉砕時間ごとの粉末試

    料の粒度分布1)

    解説図9 微粉砕時間ごとの全塩化

    物イオン量の測定結果

    1)

    解説図 10 微粉砕時間ごとの可溶

    性塩化物イオン量の測

    定結果1)

    解説図11 コンクリート試料の粒度分布測定結果2)

    解説図12 ドリルビットの径が試験結果に及ぼす影響3)

    5.3.2 小径コア試料の調整 小径コア試料は,小径コアを目的に応じて定めた厚さのコンクリート片にスライスして作製する。直径 50mmの小径コアでコンクリート片の厚さを 20,15,10mm とした場合に得られる試料の量はそれぞれ約 90,67,45g,直径 25mm の小径コアでコンクリート片の厚さが 20,15,10mm の場合に得られる試料の量はそれぞれ

    0

    20

    40

    60

    80

    100

    1.2 0.6 0.3 0.15 0.075 R

    透過百分率(%

    )

    ふるい目(mm)

    0分3分5分7分10分0.15mm全通

    0.0

    0.5

    1.0

    1.5

    2.0

    2.5

    3.0

    全塩

    分量

    (kg/m

    3 )粉砕時間

    W/C:40% W/C:55% W/C:70%

    0.0

    0.5

    1.0

    1.5

    2.0

    2.5

    3.0

    温水

    抽出

    塩分

    量(kg/m

    3 )

    粉砕時間

    W/C:40% W/C:55% W/C:70%

    0

    2

    4

    6

    8

    10

    100 101 102

    ドリル削孔粉JCI試料

    粒度

    分布

    (体

    積%)

    粒径(μm)

    曝露面から70mmの試料

    試料 C

    0

    20

    40

    60

    80

    100

    100 101 102

    ドリル削孔粉JCI試料

    体積

    累積分

    布(%

    粒径(μm)

    曝露面から70mmの試料試料 C

    0.0

    0.1

    0.2

    0.3

    0.4

    0 20 40 60 80 100

    φ18mmφ10mm

    塩化

    物量(

    %)

    曝露面からの距離(mm)

    試料 C抽出水温 20℃抽出時間 1.0 hr.

    0.0

    0.1

    0.2

    0.3

    0.4

    0 20 40 60 80 100

    φ18mmφ10mm

    塩化

    物量

    (%

    曝露面からの距離(mm)

    試料 C抽出水温 20℃抽出時間 2.0 hr.

    Pubc

    ome 20

    1707

    07迄

  • 約 22,16,り,測定に

    径及びコン

    JIS A 11ーを用いて

    ターを用い

    る測定結果

    したコンク

    ど,またス

    100mm の積の比は同

    よる測定結

    から粉塵発

    ターは乾式

    ン量の設定

    果のほうが

    りも小さく

    ことや小径

    の厚さは 1 スライ

    料が目視で

    困難になる

    には,炭酸

    内で自然乾

    と同様に 1

    5.3.3 試料 微粉砕試

    し,できる

    ,11g となるに必要な試料の

    ンクリート片の

    154 附属書Aてスライスする

    いてスライスし

    果の差は小さか

    クリート片にお

    スライスに要す

    コアと比較し

    同じであり,ス

    結果の差が小さ

    発生の抑制や切

    式に限定せず,

    定が 5,10kg/mがわずかに小さ

    くすると,乾式

    径コアの深さ方

    10~20mm 程イスしたコンク

    で確認できなく

    ることもあるた

    酸化や自然界よ

    乾燥するのが望

    105℃で乾燥し

    料の保存 試料(特に可溶

    る限り早く塩化

    解説図13 ス

    。コアの直径

    の量(5~10gの厚さを適切

    では,スライ

    ることとされ

    した直径 100かったと報告

    おける塩化物

    する時間(ス

    して小径コアで

    スライスする

    さくなるもの

    切断時間の短

    湿式を用い

    m3と大きく,さい傾向にあ

    式と湿式で測

    方向における

    程度にするが望

    クリート片は

    くなるまで微粉

    ため,粗粉砕

    より高温とな

    望ましい。た

    してもよいこ

    溶性塩化物イ

    化物イオン量

    スライス方法

    径及びコンク

    g×2 回分)がに設定しなけ

    イス時における

    ている。一方

    0mm のコア試されている 4

    物イオンの流出

    スライス面と水

    では,コンク

    時間は短くな

    のであると考え

    短縮などといっ

    いてもよいこと

    コンクリー

    った 4)(解説

    測定結果に示し

    粗骨材の偏在

    望ましい。 ,十分に乾燥

    粉砕する。試

    前に試料を乾

    る人為的な乾

    だし,全塩化

    ととした。

    オン量の測定

    の測定に供す

    法の影響4)

    11

    リート片の厚

    が得られなく

    ければならない

    る塩化物イオ

    方,9 つの試験試料の塩化物

    4)(解説図 13出の影響は,試

    水の接触時間

    リート片の厚

    なると考えられ

    えられる。こ

    った実務上の利

    ととした。た

    ト片の厚さが

    説図 14 参照)。したような差

    在の影響が大

    燥させた後に,

    試料に水分が多

    乾燥させるとよ

    乾燥による塩類

    化物イオン量の

    定の場合)は

    するようにする

    厚さを小さくす

    なる場合があ

    い。 オンの流出を避

    験所で実施され

    物イオン量の比

    3 参照)。湿式試料の体積に

    間)が長いほ

    厚さが同じであ

    れるため,ど

    のことと合わ

    利点を考慮し

    だし,前述し

    が 5mm と薄いこのように

    が生じうると

    きくなること

    約 5mm 以下多く含まれて

    よい。可溶性

    類の化学的な

    の測定に用い

    ,吸湿や炭酸

    る。

    解説図14 コ

    すると,得られ

    あるため,測定

    避けるため,乾

    れた,乾式及び

    比較実験では,

    式のコンクリー

    に対する切断面

    ど大きくなる

    あれば試料の体

    どちらかといえ

    わせて,簡易試

    して,この規格

    した比較実験に

    い場合には,乾

    ,コンクリー

    とともに,スラ

    となどを考慮す

    下まで粗砕し,

    いると粉砕容

    塩化物イオン

    変化を避ける

    る場合には,

    酸化による影響

    コンクリート片

    れる試料の量

    定方法に応じ

    乾式コンクリ

    び湿式コンク

    ,乾式と湿式

    ートカッター

    面の面積の比

    ると考えられ

    体積に対する

    えば乾式と湿

    試験方法とい

    格ではコンク

    においては,

    乾式よりも湿

    ート片の厚さを

    ライス作業が

    すると,コン

    ,さらに小片

    容器に付着して

    ン量の測定に用

    るために,デシ

    JIS A 1154

    響が生じない

    片の厚さの影

    量が少なくな

    じてコアの直

    ートカッタ

    リートカッ

    式の違いによ

    ーでスライス

    比が大きいほ

    れるが,直径

    る切断面の面

    湿式の違いに

    いう位置づけ

    リートカッ

    塩化物イオ

    湿式の測定結

    を 10mm よが困難になる

    ンクリート片

    片や粒状の試

    て微粉砕が

    用いる場合

    シケーター

    の附属書A

    いように保管

    影響4)

    Pubc

    ome 20

    1707

    07迄

  • 12

    5.3 の参考文献 1) 濱崎仁,湯浅昇,太田達見,森濱和正:塩化物イオン量試験におけるドリル削孔試料の採取および調整方法

    の影響,平成 25 年度日本非破壊検査協会春季講演大会梗概集,pp.23-26,2013.6 2) 日本コンクリート工学協会:コンクリート構造物の腐食・防食に関する試験方法ならびに規準(案),1987

    3) 太田達見,黒田泰弘,田中博一:コンクリート中の塩化物量管理測定法に関する実験的研究,コンクリート

    工学年次論文集,Vol.23,No.1,pp.535-540,2001

    4) 田中秀和,田中敦,後藤年芳:硬化コンクリートの塩化物イオン量に及ぼす切断方法等の影響,土木学会第66 回年次学術講演会講演梗概集,V-308,pp.615-616,2011

    5.4 全塩化物イオンの抽出

    全塩化物イオンの抽出は,JIS A 1154 では,試料粉末を硝酸溶液に入れて煮沸することによってセメント硬化体中の塩分をすべて抽出している。この規格では,JIS A 1154 による方法のほか,硝酸による煮沸は,調査現場などでは適用できないことも多いため,調査現場でも適用が可能な方法として,有機酸を用いる方法およ

    び炭酸塩を用いる方法について規定した。 5.4.1 有機酸を用いる方法(本体の箇条7.1)

    有機酸を用いてコンクリート試料の全塩化物イオン量を測定する方法は,建設省総合技術プロジェクト「コ

    ンクリートの耐久性向上技術の開発」報告書<第1編>2.3「塩分量の簡易測定技術の開発」で報告されており,この中で各種有機酸による方法が検討されている。 このうち,酒石酸とスルファミン酸について,この規格の原案作成委員会で共通試験を行った。JIS A1154 付属書A に従ってコアを採取し粉砕した試料(微粉砕試料)とドリル削孔粉を,JIS A1154 に従い溶解抽出し電位差滴定法で測定した結果と 2 種類の有機酸で溶解抽出し電位差滴定法で測定した結果を比較したところ,試料の採取方法及び溶解抽出方法(硝酸,スルファミン酸,

    酒石酸)の影響は少なく,同様の測定結果となった(解説図 15)1)。また,有機酸の使用量については,一般的なコンクリートであれば 2~3g でよいが,酸と反応するコンクリートの組成(単位セメント量が大きいもの,石灰石骨材使用したものなど)が影響するため,有機酸の使用量を調整する必要がある。その際,有機酸で分

    解された混濁液の pH が酸性であること(セメント水和物が分解されていること)を確認することが重要である。有機酸は弱酸であるため,撹拌時間(反応時間)が短いと全塩化物イオン量の抽出量が小さくなる(共通試験

    では,撹拌時間 3 分では約 86%抽出量であった)ため,最低でも撹拌時間 10 分を厳守する必要がある。なお,撹拌時間を 20 分としても測定結果に影響はなかった(解説図 16)1)。試料量が多いとろ液を採取することが難しくなるため,水と試料の質量比は 1:2~4 程度が望ましい。今回の共通試験において,ろ過した試験液を存置した

    0

    1

    2

    3

    4

    5

    6

    0.3kg/m 1.2kg/m 5.0kg/m 0.3kg/m 1.2kg/m 5.0kg/m塩化

    物イオン量(kg/m

    3 )

    ドリル粉試料 コア試料

    酒石酸

    スルファミン酸

    硝酸

    蛍光X線

    3 3 3 3 3 3N N N 0

    1

    2

    3

    4

    5

    6

    0.3kg/m 1.2kg/m 5.0kg/m

    塩化

    物イオン量(kg/m

    3 )

    ドリル粉試料

    酒石酸 3分酒石酸 10分酒石酸 20分

    3 3 3N N

    解説図15 全塩化物イオンの抽出方法による比較 解説図16 酒石酸における撹拌後の

    静置時間に関する比較

    Pubc

    ome 20

    1707

    07迄

  • 13

    ところ,試験液がゲル状になり,一部の試料で塩化物イオン量測定装置での測定ができなかった。したがって,

    ろ過後の試験液に対する測定は迅速に行うことが望ましい。 有機酸としてスルファミン酸を用いて溶解し,得られた試験液をイオンクロマトグラフ法で測定する場合,

    一般陰イオン分析用のカラムを使用すると,塩化物イオンのピークがスルファミン酸のピークと分離せず,定

    量できないおそれがあるため,交換容量が高いカラムを使用したほうがよい。 5.4.2 炭酸塩を用いる方法(本体の箇条 7.2) 炭酸塩を用いて短時間で試料を炭酸化し,フリーデル氏塩を分解できるか否かを確認するとともに,炭酸塩

    の添加量の概略値を得る目的でコアによる測定用試料用いた検討が行われている 2)。この検討では,炭酸塩の添

    加の効果を確認するために,4つの実験が実施された。温水(80℃以上に加熱した水)を添加する前に炭酸塩粉末を所定量はかりとり,ポリプロピレン(PP)製の広口ビンなどの測定用容器に入れ,温水を加えて抽出させる方法で塩化物イオン濃度を測定し,結果を比較する方法を基本としている。 以上の実験から得られた結果を概説すると以下のようになる。 1) 測定用試料 10g に対して炭酸塩粉末を 0.5~2g 添加することにより,全塩化物イオン量に近い測定値が得

    られる(解説図 173))。 2) 温水を添加した後,10 分以降の変化は小さい。(解説図 183)) 3) 水温が 20℃,50℃および 80℃の場合,炭酸塩を添加しても測定値が全塩化物イオン量に比較して小さくな

    り,同等の値を得るには水温を 80℃以上にする必要がある(解説図 193))。 4) 水温が低い場合には,試料や炭酸塩を入れた測定用容器ごと十分に加熱することで炭酸塩添加の効果が得ら

    れる(解説図 203))。

    解説図17 測定値に及ぼす炭酸塩添加量への影響 23)

    全塩化物イオン濃度:12.96kg/m3試料

    0

    2

    4

    6

    8

    10

    12

    14

    0 0.5 1 1.5 2 2.5

    炭酸塩A添加量(g)

    塩化

    物イオン濃

    度(kg/

    m3)

    0

    2

    4

    6

    8

    10

    12

    14

    0 10 20 30 40 50 60 70

    時間(分)

    塩化物イオン濃度(kg/m

    3)

    No.2炭酸塩なし No.2炭酸塩A1gNo.2炭酸塩B1g No.3炭酸塩なしNo.3炭酸塩A1g No.3炭酸塩B1g

    No.3全塩分

    解説図18 炭酸塩添加時の測定値の経時変化 23)

    解説図19 水温の測定値に及ぼす水温の影響 23)

    0

    2

    4

    6

    8

    10

    12

    1.0g-20℃ 1.0g-50℃ 1.0g->80℃ 0g-80℃

    測定条件

    塩化

    物イオン濃度(kg/m

    3)

    5分後

    10分後

    20分後

    全塩分:9.97kg/m3

    解説図20 抽出時の加熱時間の影響 3)

    0

    1

    2

    3

    4

    5

    6

    7

    8

    室温混合直後 加熱1分 加熱3分

    塩化物

    イオン濃

    度(kg/m

    3 )

    全塩化物イオン濃度:7.08

    Pubc

    ome 20

    1707

    07迄

  • 5.4 の参考文1) 原田七瀬

    試験方法

    2016.102) 後藤年芳

    リート工

    3) 後藤年芳リート工

    5.5 可溶性5.5.1 温水 可溶性塩

    水に抽出さ

    れに準じた

    ため,必ず

    求めておく

    る実験結果

    試料と水

    の規格にお

    解説図 2抽出時間 1解説図 2

    に対して 5きくなって

    め,特に抽

    文献 瀬,濱崎仁,

    法に関する適

    0 芳,五寶光基

    工学協会,コ

    芳,近藤英彦

    工学協会,コ

    性塩化物イオ

    水抽出による方

    塩化物イオンの

    させる方法が一

    た方法も適用可

    ずしもこの条件

    く必要がある。

    果 1)などがある

    水の質量の比に

    おいても,試料

    22 に抽出時間10 分の場合で23 に抽出温度50℃で約 60%ている。また,

    抽出水温は十分

    長井義徳,湯

    適用性の検証,

    基,野島昭二:

    ンクリート工

    彦,野島昭二:

    ンクリート工

    ンの抽出 方法(本文の

    の抽出方法は

    一般的であり

    可能であるが

    件によらない

    。抽出条件と

    るので参考にす

    については,解

    料と水の質量

    間と抽出率の関

    でも 60 分の場度と抽出率の関

    %,20℃で約 3保温しない

    分に管理し,抽

    湯浅昇,川俣孝

    日本非破壊検

    硬化コンク

    工学年次論文集

    硬化コンク

    工学年次論文集

    の箇条 8) ,JIS A 115,その条件で

    ,調査現場で

    い場合がある。

    抽出率の関係

    するとよい。

    解説図 21 にの比は 1:5関係を示す。抽

    場合の 90%以上関係を示す。抽

    30%となる。い場合には,振

    抽出率との関

    14

    孝治,久冨真

    検査協会 平成

    リート中の塩

    集,Vol.31,リート中の全

    集,Vol.32,

    4 附属書B にでは全塩化物量

    では必ずしも

    そのような場

    係については

    に示すように,

    を標準として

    抽出時間が 30上が抽出され

    抽出温度によ

    また,塩化物

    振とう中に水温

    関係をあらかじ

    真悟:硬化コン

    成 28 年秋季

    塩化物含有量の

    No.1,pp.20全塩化物イオン

    No.1,pp.78

    に規定された,

    量の 50~70%50�の温水抽場合には,抽

    ,建設省土木

    1:5 より大ている。 0 分以上にな

    れている。 よって最終的な

    物イオン量が多

    温が低下する

    じめ求めてお

    ンクリート中の

    講演大会講演

    の現場迅速測定

    95-2100,20ン濃度迅速測定

    5-790,2010

    50℃の温水%程度が抽出さ抽出ができない

    抽出条件と抽出

    木研究所(当時

    大きい範囲では

    ると抽出率は

    な抽出率が異な

    多いほど温度差

    るため抽出率も

    くことが重要

    の塩化物イオ

    演概要集,pp1

    定法の検討,

    009.7 定法の開発,

    0.7

    水中で 30 分間される。この

    いことや試験

    出率の関係を

    時)により確

    は一定となっ

    はほぼ一定とな

    なり,全塩化

    差による抽出

    も異なってく

    要である。

    オン量の簡易

    129-pp132,

    日本コンク

    日本コンク

    間振とうし温

    の規格ではこ

    験の迅速化の

    をあらかじめ

    確認されてい

    っており,こ

    なる。また,

    化物イオン量

    出率の差が大

    る。そのた

    Pubc

    ome 20

    1707

    07迄

  • 解説図22

    5.5.2 電量 以下,電

    オン濃度を

    1) ドリル

    容器に

    2) はかり

    する。

    3) 容器の

    出させ

    4) 測定用

    5) 上澄み

    6) 解説式

    C

    ここに,

    抽出時間と抽

    量滴定法による

    電量滴定法によ

    を測定する。 ル削孔粉(Ws)

    に入れる。

    とったドリル

    の蓋を確実に閉

    せる。

    用容器が手で触

    み液を採取し,

    式(1)により

    S

    W

    WSW

    100

    WW : 加熱し

    WS : 試料の

    抽出率の関係

    る方法 よる測定手順

    )を 0.1g 単位

    ル削孔粉に 80

    閉じて振とうす

    触れて熱くない

    電量滴定法に

    可溶性塩化物

    c

    した水の質量(g)

    のはかりとり量

    解説図21 抽

    を解説図 24 に

    位で 10g はか

    0℃以上に加熱

    する。懸濁状

    い程度(50℃

    による塩化物

    物イオン量(C

    解説式

    )

    量(g)

    15

    抽出水量と抽

    に示す。この

    りとり,ポリ

    熱した水を 50

    状態になるよう

    ℃以下)まで放

    物イオン量測定

    C:kg/m3)を

    式(1)

    出率との関係

    解説図23 抽出

    の方法では,以

    プロピレン製

    0g 加え,合計

    う 1 分ごとに

    放置冷却する。

    定装置で塩素イ

    を算出する。

    出温度と抽出

    以下に示した手

    製のビン(容量

    計質量(Ws+W

    5 回程度振と

    イオン量(S)

    出率の関係

    手順で可溶性

    容量 100ml)な

    Ww)を 0.1g

    とうし,その後

    )を測定する

    電気ポッ

    性の塩化物イ

    などの測定用

    単位で記録

    後 10 分間抽

    計量カッ

    Pubc

    ome 20

    1707

    07迄

  • 16

    S :上澄み液の塩素イオン(Cl-)濃度(%)

    ρc :コンクリートの単位容積質量(=2300kg/m3) 5.5 の参考文献 1) 建設省土木研究所:コンクリート中塩分の定量および形態に関する研究,土研資料第 1987 号,1983.1 5.6 塩化物イオン量の測定 塩化物イオン量の測定は,JIS A 1154 では,塩化物イオン電極を用いた電位差滴定法,チオシアン酸水銀(II)吸光光度法及び硝酸銀滴定法及びサプレッサ方式のイオンクロマトグラフ法の 4 種類の定量方法が規定されている。この規格の全塩化物イオンの測定方法では,調査現場で簡便かつ迅速に塩化物イオン量を測定する方法

    として JIS による方法のほかに,塩分含有量測定器による簡易測定方法を規定した。 5.6.1 簡易測定方法

    この規格においては,塩化物イオン量の測定に市販の塩分含有量測定器(以下,簡易測定器と記す)を適用

    することを想定している。しかしながら,簡易測定器はフレッシュコンクリート中の塩化物イオン量を測定す

    るための測定器であること,抽出溶液として酸溶液などを用いていることから,その適用性について原案作成

    委員会において検証実験を行った。

    簡易測定器は,フレッシュコンクリート中の塩化物イオン量の測定に用いられている財団法人国土開発技術

    研究センター(当時)でコンクリート中の塩化物量測定器の技術評価を受けて精度が確認されている機器1)を

    用いた。その中で,現在(2016 年 10 月時点で)販売されている電極電流測定法,電量滴定法,硝酸銀滴定法を用いた検知管・検知紙の 3 つの方法 5 メーカーの測定器による共通試験で検証を行った。

    8.1 に規定される簡易温水抽出(希釈倍率 1 倍)を想定した塩化ナトリウム水溶液を各簡易測定器で測定したところ,解説図 25 に示す結果が得られ,約 10%の精度で測定できることが確認された 2)。ドリル削孔粉を 2種類の有機酸で溶解抽出した各試料を簡易測定器と JIS のイオンクロマトグラフ法で測定した結果と比較したところ(解説図 26),塩化物イオン量が 1.2kg/m3以上であれば,本試験において概ね簡易測定器を使用できることが確認された 2)。ただし,以下の点について注意が必要である。 1) JIS 法は希釈倍率が高いため,コンクリート中の単位塩化物イオン量が少ないと試験溶液の塩化物イオン濃

    度がきわめて低くなるため簡易測定器では正しく測定できない場合がある(解説図 26)2),試験溶液の塩化

    ※測定装置の写真を差替え予定

    解説図24 可溶性塩化物イオン量の電量滴定法の概要

    可溶性塩化物イオン濃度(C)算定

    電池式電子天秤

    Pubc

    ome 20

    1707

    07迄

  • 17

    物イオン濃度が約 0.005%未満の場合には,コンクリート試料中の塩化物イオン量が,有機酸を用いる方法(希釈倍率 4 倍)では約 0.5 kg/m3未満,8.1 に規定される簡易温水抽出法(希釈倍率 5 倍)では約 0.6 kg/m3

    未満,JIS 法(希釈倍率 20 倍)では約 2.3 kg/m3未満となる。 2) 電量滴定法及び硝酸銀滴定法を用いた機器では試験溶液量が少量(数 mL)で測定できるが,電極電流測定

    法の機器は専用のろ紙を用いることから試験溶液が 10mL 以上必要となる。なお,専用ろ紙は試験溶液 10ml対して 3 枚必要となる。

    解説図25 各簡易測定器でのNaCl水溶液測定結果2)

    解説図26 各種簡易測定法とイオンクロマトグラフ法の測定結果2)

    5.6 の参考文献 1) 長瀧重義,友澤史紀:付表 5.5 コンクリートの塩化物量測定器市販メーカー一覧,生コン工場 品質管理ガ

    イドブック,pp.564,2008 2) 原田七瀬,濱崎仁,長井義徳,湯浅昇,川俣孝治,久冨真悟:硬化コンクリート中の塩化物イオン量の簡易

    試験方法に関する適用性の検証,日本非破壊検査協会 平成 28 年秋季講演大会講演概要集,pp129-132,2016 5.7 計算 9.までに得られた塩化物イオン量は,コンクリート中の塩化物イオン量に変換するが,この際にコンクリー

    トの単位容積質量を乗じることになる。コンクリートの単位容積質量は,塩化物イオン量に比べて大きな数値

    であるため,その値はできる限り当該コンクリートから正確に求めておくことが望ましい。

    例えば,(1)式で得られた Clc を小数点以下 3 けた表示で 0.200%とし,コンクリートの単位容積質量が

    2200kg/m3とすると,(2)