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三手法の塗抹標本における 骨髄細胞形態の比較 10回形態学勉強会

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  • 三手法の塗抹標本における骨髄細胞形態の比較

    第10回形態学勉強会

  • 目的

    骨髄塗抹標本作製の方法である

    サイトスピン法、ウェッジ法、スピナー法

    による骨髄細胞の形態学的比較を行なう。

  • 方法

    1.使用動物

    ラット:Crlj:CD(SD)9週齢(雄) 3匹大腿骨

    2.塗抹方法

    ①サイトスピン法(最適条件:4000倍希釈の100μL分注を選択)

    ②スピナー法

    ③ウェッジ法

    3.乾燥方法

    ①強制乾燥 作製から30分②自然乾燥

  • 4.染色方法

    メイ・ギムザ染色(ドーゼ法)

    ①メイグリュンワルド液(用手法用)武藤化学

    ② 1/150molリン酸緩衝液 pH 6.4③ギムザ原液(用手法用)武藤化学

    ④日本薬局方精製水

    (1) ① 3分

    (2) ②:①の1:1混合液 2分

    (3) ④水洗 30秒

    (4) ②:③の10:1混合液 20分

    (5) ④水洗 1分

  • 細胞の分布

    サイトスピン法遠心塗抹の特性で場所により細胞数に違いがある

    スピナー法 均一に広がっている

    ウェッジ法引き始めと終わりでは細胞数に違いがある

  • サイトスピン法全体像ナノズーマー 浜松ホトニクス社

    自然乾燥強制乾燥

  • サイトスピン法

    強制乾燥

    自然乾燥

  • スピナー法全体像ナノズーマー 浜松ホトニクス社

    強制乾燥

    自然乾燥

  • スピナー法

    強制乾燥

    自然乾燥

  • ウェッジ法全体像ナノズーマー 浜松ホトニクス社

    ←引き終わり 引きはじめ→

    強制乾燥

    自然乾燥

  • ウェッジ法引きはじめ→←引き終わり

    強制乾燥

    自然乾燥

  • 形態学的比較

    サイトスピン法

    細胞が全体的に広がった見え方になる。

    多染性赤芽球の細胞質が他方と比べ違いがある。

    乾燥法による違いは、見られなかった。

    スピナー法強制乾燥においてウェッジ法と見え方が似ていた。

    自然乾燥において特にリンパ球と多染性赤芽球の核が萎縮し分類が困難であった。

    ウェッジ法自然乾燥において特にリンパ球と多染性赤芽球、成熟好中球と単球の核が萎縮し分類が困難であった。

  • リンパ球

    サイトスピン スピナー ウェッジ

    強制乾燥

    自然乾燥

  • 多染性赤芽球

    サイトスピン スピナー ウェッジ

    強制乾燥

    自然乾燥

  • 成熟好中球

    サイトスピン スピナー ウェッジ

    強制乾燥

    自然乾燥

  • 前赤芽球

    サイトスピン スピナー ウェッジ

    強制乾燥

    自然乾燥

  • 好塩基性赤芽球

    サイトスピン スピナー ウェッジ

    強制乾燥

    自然乾燥

  • 骨髄芽球

    サイトスピン スピナー ウェッジ

    強制乾燥

    自然乾燥

  • 前骨髄球

    サイトスピン スピナー ウェッジ

    強制乾燥

    自然乾燥

  • 骨髄球

    サイトスピン スピナー ウェッジ

    強制乾燥

    自然乾燥

  • 後骨髄球

    サイトスピン スピナー ウェッジ

    強制乾燥

    自然乾燥

  • 好酸球

    サイトスピン スピナー ウェッジ

    強制乾燥

    自然乾燥

  • 単球

    サイトスピン スピナー ウェッジ

    強制乾燥

    自然乾燥

  • まとめ• 強制乾燥において三法による見え方の差はあるが、細胞を観察・分類するための細胞固有の情報は得ることができ、三法すべて観察・分類は可能である。

    • スピナー、ウェッジ法は、速やかに強制乾燥させないと萎縮して分類が困難な細胞がある。

    • 骨髄塗抹標本は、手法によって見え方に差があるので、勉強会等で別施設の標本を観察、比較する場合、作製された手法が何であるかを知ることが大切である。

  • サイトスピン観察者の感想

    • 観察はじめは、スピナー、ウェッジ法ともに分類しづらいと感じたが、観察しているうちに違和感なく目が慣れた。