Upload
others
View
1
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
地域防災教育のためのVR技術に基づく水害疑似体験システムの構築
樫山和男 中央大学宮地英生 東京都市大学緒方正剛 (一財)先端建設技術センター
研究目的
しかし、⼀般住⺠の防災に対する意識はそれ程向上しているとは⾔えない.⇒ハザードマップから災害をイメージできない.
近年の未曾有の⼤災害を発端として,各⾃治体ではソフト対策に⼀層の⼒を⼊れており,そのソフト対策の主軸は,ハザードマップの公開と防災教育である.
ソフト対策の主軸防災教育の様子(黒潮町)ハザードマップ(札幌市)
佐藤慎司(2014)より
研究目的
本研究は,防災教育ためのツールとして,今後発⽣が予想される津波や集中豪⾬による洪⽔等の⽔害現象に対して,⾼精度な地形モデルおよび物理シミュレーション⼿法を適⽤し、その結果を仮想現実(Virtual Reality:VR)を⽤いて災害現象を⾼品質に再現・提⽰するシステムの構築を⾏うものである.
スマートフォンを⽤いたヘッドマウントディスプレイ(HMD)等の各種VR装置の利⽤を可能とする
システム概要
本研究は、⼤きく以下の3つの構成要素からなる.1. デジタル都市・地域の空間構築:都市・地域のモデリング
には、GISデータ,3Dモデリングソフト,ドローンによる空撮画像等、様々なデータを利⽤する.⇒⽔害解析および可視化に使⽤する.
2.⽔害シミュレーション⼿法:迅速かつ⾼精度に浸⽔状況と被害予測を⾏うことが可能となる⽔害シミュレーション⼿法には、任意形状への適合性に優れる有限要素法を⽤いる。
3. VR技術を活⽤した可視化システムの開発:動的なシミュレーション結果を⽴体表⽰するシステムをUnityを⽤いて開発する.⇒スマートフォンを⽤いたヘッドマウントディスプレイ等の各種VR装置の利⽤を可能とする.
デジタル都市・地域の空間構築
5
⾼精度かつデータの軽量化を図るために、モデリング対象に応じて作成を⾏う●低解像度(⼤領域)
公開されているデータを⽤いて,地形モデルに空中写真を貼り付けて作成する.(ex.数値標⾼5mメッシュ・衛星写真等)
●中解像度(中領域)UAVで撮影し,SfM(Structurefrom Motion)/MVS(Multi View Stereo)処理により3次元形状を復元する.
●⾼解像度(⼩領域)構造物を図⾯・写真を元に3DCADにより作成する.
デジタル都市・地域の空間構築
デジタル都市・地域の空間構築
実際のモデル
都市・地域モデル
デジタル都市・地域の空間構築
0)()(
0)(
2
2
hhxU
xg
xUU
tU
Uhxt
sb
j
iH
ij
ij
i
ii
ij
i
ij
ij
i
i
i
fxu
xp
xuu
tu
xu
2
21
0
Navier-Stokes方程式(非圧縮性粘性流体)
浅水長波方程式
水害シミュレーション手法(支配方程式)
水位上昇量 断面平均流速・静水圧近似
・断面平均流速 の導入
31 dxu
hU
h ii
津波シミュレーション手法
離散化手法:有限要素法(任意地形、形状への適合性に優れる)
津波シミュレーション手法
津波シミュレーション手法
VR技術を活用したビューアの開発
システム統合環境として,ゲームエンジンのunityを利⽤
津波解析結果をUnityに導⼊可能なFBX形式データに変換し,Unity上で表⽰するために1秒毎の遡上域データとして導⼊.データを連続的に表⽰することで津波の遡上を再現.
ゲームエンジンに取り込むことで,可視化⽅法の幅が広がるとともに,リアリティの⾼い表現が可能となる.
VR技術を活用した災害疑似体験システムスマートフォン+VRゴーグルを使⽤〇津波シミュレーション体験動画
QRコードをスマートフォンで読込むことにより,ブラウザが立ち上がり360度全天球型動画が再生できる.
VR技術を活用した災害疑似体験システム
⽴体視モードによる可視化
16
結論
地域防災教育のためのVR技術に基づく⽔害疑似体験システムの構築研究を⾏った。デジタル都市・地域の空間構築・GIS/CIM/ドローンにより取得したデータを⽤いて⾼精度な3次元都市・地域モデルを作成する⼿法を構築した。⽔害シミュレーション・任意形状の適合性に優れる有限要素法を採⽤した。VR技術を活⽤した可視化システムの開発・都市モデル/数値解析結果をUnityを⽤いて可視化を⾏うシステムを構築した。
住⺠の災害に対する理解度の向上,防災教育等に有⽤なツールとなることが期待できる.