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中谷 務 (名古屋国際会議場 館長)
指定管理者としての施設管理・運営 ~名古屋国際会議場の取組み~
平成28年7月14日
文教施設における公共施設等運営権の導入に関する検討会(第3回)
■ 名古屋国際会議場の概要
■ 4つの取組み
①収益の向上
②サービスの向上
③地域との連携 “にぎわい”づくり
④名古屋国際会議場の“ブランド”づくり
■ 指定管理者としての課題
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名古屋国際会議場の概要
◆来場者数 (2015年度 実績)
◆催事件数 (2015年度 実績)
917,861人 ⇒ 年間 約90~100万人が来場
1,614件
◆開設年月日
1990年4月28日 ⇒ 今年、26年目の施設
◆総建設費
392億円 (第1期 200億円 第2期 192億円)
国際交流の推進並びに産業、学術及び文化の向上に資するため
◆設置目的
◆所在地
名古屋市熱田区熱田西町1番1号
・名古屋の中心街から約4.5㎞
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名古屋国際会議場の概要
敷 地
1号館 地上7階・地下2階 42,588㎡
2号館 地上3階 9,193㎡
3号館 地上3階・地下1階 4,093㎡
4号館 地上3階・地下1階 9,334㎡
第4駐車場 地上1階・地下1階 6,957㎡
72,165㎡
センチュリーホール 2,360㎡ 3,012人
イベントホール 1,920㎡ 1,480人
白鳥ホール 1,250㎡ 1,280人
レセプションホール 670㎡ 720人
国際会議室 500㎡ 336人
展示室 2室 455㎡ 420人
会議室 22室 3,335㎡ 2,764人
合 計(29室) 10,490㎡ 10,012人
建 物
98,168㎡
規 模
合 計
ホール会議室
施 設内 容
◆施 設
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名古屋国際会議場の概要
◆管理運営
【指定管理】 (期間 4年間)
2006年~2009年 公益財団法人名古屋観光コンベンションビューロー
2010年~2013年 株式会社コ ン グ レ
2014年~2017年 コングレ・名古屋観光コンベンションビューローコンソーシアム
■2010年度から指定管理料は受けず、主に利用料収入で管理運営。
■その上で、納付金として以下の額を名古屋市に納入。
2010年度~2013年度 2.7億円
2014年度~2017年度 3.5億円
MICE 企業等が行う会議(Meeting)、報奨・研修旅行(Incentive Travel)、および国際機関・団体、学会等が行う国際会議( Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字で、ビジネスイベンツの総称。
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4つの取組み ① 収益の向上
ホール関係(規模大)は70%以上の稼働率を維持している
◆稼働率を高める
2010年度 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度
センチュリーホール 73.6% 78.5% 77.6% 74.2% 81.9% 87.1%
イベントホール 69.8% 73.0% 74.1% 69.3% 76.5% 79.9%
白鳥ホール 71.9% 69.6% 70.1% 69.7% 76.9% 78.4%
レセプションホール 78.3% 73.9% 68.5% 70.1% 75.5% 83.3%
国際会議室 24.0% 24.3% 18.3% 19.1% 27.7% 34.7%
展示室(2室) 68.6% 70.2% 65.0% 65.6% 67.7% 75.5%
会議室(22室) 68.0% 71.6% 62.6% 66.5% 64.7% 74.9%
平 均 67.2% 70.2% 62.6% 65.9% 65.4% 74.5%5
◆高い稼働率を維持する
■戦略的な攻めの営業 (民間事業者は営業)
・大型学術会議の誘致 ・コンサート等 大型催事の誘致 ・海外のMICE展示会への出展など国際会議の誘致
■柔軟な運営体制 (主催者に対してのメリットとして)
・24時間対応 ・休館日も要望にあわせて開館
■リピーターの確保 ・誘致した案件の定着化を推進 (コンベンションは全国で持ち回り開催が多い)
⇒ 利用者満足度調査 99%以上が“満足”、“ほぼ満足”と回答!
◆その他
・コストの縮減 ・貸室以外の収入を確保
4つの取組み ① 収益の向上
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◆施設機能の向上
■名古屋の観光・文化の発信拠点
4つの取組み ② サービスの向上
地元大学の研究室と連携し、現状のサイン等の調査・評価を行い デザインや設計、施工を実施
■初回の来場者・外国人にも分かりやすい館内サイン ・館内の動線が分かりづらいとの声が多かった
・日本人、外国人問わず、直感的に把握しやすいサインに
・観光パンフレットやイベントのチラシなど配布数が約2倍に増加
・施設のデザイン性を高まる (薄暗かった情報コーナーが明るく!)
来場者の休憩場所としても利用され、空間に賑わい創出
新しいコンセプトで生まれ変わった 観光・文化コーナー
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◆コンベンションサポートサービス
・看板製作、映像・音響機器の手配や設営など幅広く
・ワンストップサービスだから手間がかからない
・初回利用のお客様も安心
◆コンベンションの助成金・開催支援(グローバルMICE戦略資金)
・コンベンション誘致のため、助成金制度(行政機関にはない柔軟なもの)
を独自に創設、活用 ・託児室設置助成やシャトルバス助成も用意
4つの取組み ② サービスの向上
■コンベンション専門の会社だから“できること”
国際会議の誘致に成功 8
4つの取組み ③ 地域との連携 “にぎわい”づくり
◆独自の自主事業によるネットワーク・交流の場づくり
■市民に最も関心の高いテーマ 「健康セミナー シリーズ」
・医学界の各分野における専門家を講師に迎えて、 年に2回実施(毎回、約300名以上の市民が参加)
・会場設営、集客(チラシ製作・配架、DM)、当日運営
■独自のコンベンションをつくりあげる 「愛知・名古屋の環境を考えるシンポジウム」 ・愛知、名古屋は“環境”の取組みの先進地 ・広く市民に環境を考える機会づくりを
・環境に関連した自治体、大学、NPO、メディアを集めて 講演、討論、ポスター発表を実施
<セミナー・シンポジウム>
オリジナル企画を自主運営
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◆独自の自主事業によるネットワーク・交流の場づくり
■東日本復興支援チャリティーコンサート ・東日本復興のため有名アーティストや地元オーケストラが出演
・当日は3,000名収容のセンチュリーホールが満員に
・コンサートで集まった義捐金を復興支援のため東北へ ・以後3年間、継続して「チャリティーコンサート」を実施
■市民と手づくりの「ゴスペルコンサート」 ・地元ゴスペルグループと公募で集まった市民によるコンサート
・学生から高齢者まで幅広い層の市民(240名)が参画した事業
・4回のレッスンを経て、3,000名の来場者の前で披露
■避難訓練コンサート ・地域防災力強化の取組みとして実施 ・400名の市民参加者を集め、地元自治体や大学とも連携
■夢いっぱいの特等席 福祉コンサート ・名古屋フィルハーモニー交響楽団との共催事業
・障がい者にクラシック音楽を鑑賞する機会を提供
4つの取組み ③ 地域との連携 “にぎわい”づくり
<コンサート>
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◆大学との連携事業
■MICEおよびグローバル人材育成
・地元大学(2大学)と連携し、大学生を対象にMICEの講義を実施(大学のカリキュラムとして)
・参加学生は、学会・国際会議を現場見学や運営スタッフ体験を通して学ぶ
4つの取組み ③ 地域との連携 “にぎわい”づくり
■地元大学にCOC(地<知>の拠点整備事業)ラウンジを開放 ・学生の学びの場、地域交流の場として ロビーエリアを提供 ・COCラウンジにて連携事業を実施 (減災福祉、歴史観光、地域商業)
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自治体、地域の大学、NPO、地域住民と連携・協力して事業を実施
地元のお祭りに参加 地域防災の向上 市民向けセミナー 教育への貢献
・年間90万人の来場者に対し、地域(名古屋市、熱田区)の情報を発信
・「交流」、「情報発信」、「実践教育」の場として地域の活性化の一躍を担う
・地域とのコミュニケーションを深め、市民に愛される施設へ
・地域を象徴する施設として、名古屋の“都市格”の向上の一助に
情報発信の拠点
4つの取組み ③ 地域との連携 “にぎわい”づくり
国際会議場に“新しい価値”を 12
4つの取組み ④ 名古屋国際会議場の“ブランド”づくり
◆吹奏楽の甲子園(全国の中高生のあごがれの“聖地”)
・2012年より全日本吹奏楽コンクールを誘致 ・TV番組により全国に情報発信 ・吹奏楽関連のイベントが増加(稼働率アップにも貢献)
◆“環境”コンベンション
・名古屋国際会議場で開催した環境関連のコンベンション
生物多様性条約第10回締約国会議(COP10) (2010年) 持続可能な開発のための教育(ESD)に関するユネスコ世界会議 (2015年)
国際影響評価学会(IAIA) (2016年) 等
・国際会議の内容を一過性のものに終わらぬよう 自主事業を実施し市民に対して環境への意識を啓発
◆デザイン
・“デザイン都市”宣言をしている名古屋市 ・世界デザイン博覧会、世界デザイン会議の開催地 ⇒ 施設のデザイン性を高める
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指定管理者としての課題
◆指定管理期間による制限
長期ビジョンを持った運営・管理、人材育成 ・4年という管理期間を超えた問題に対して ・管理期間を超えて営業や維持管理計画は進めなければならない ⇒ 利用者への責任
◆自治体との関係性
前例がないから「やってみる」の限界? ・目的外使用 ・条例による利用料金の限界 ・施設の機能強化として「展示会場」の増床 ・大規模修繕 ⇒ PFIの検討 ・提案事業(費用はすべて指定管理者負担)
◆リスク分担
“誰”がリスクを担うのか? ・施設の経年劣化による潜在的な機器の故障リスク 等
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