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医薬品研究および開発のための 精製、純度分析、不純物分析ソリューション セレクションガイド

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医薬品研究および開発のための 精製、純度分析、不純物分析ソリューション

セレクションガイド

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目次

1. はじめに ...........................................................04

2. 精製 ...................................................................062.1 フラッシュクロマトグラフィー ...........................062.2 小規模精製 ..............................................................072.3 大規模精製 ..............................................................07

3. 純度分析 ..........................................................093.1 創薬および医薬品開発のワークフロー ...........093.2 製造 QA/QC のワークフロー ............................. 103.3 極性化合物 .............................................................. 103.4 キラル化合物 .......................................................... 11

4. 不純物分析 ....................................................124.1 有機不純物 .............................................................. 124.2 重金属不純物 .......................................................... 134.3 残留溶媒 ................................................................... 14

5. インフォマティクス、消耗品、サービス....165.1 インフォマティクス ................................................ 165.2 カラム、キャピラリー、消耗品 ........................... 175.3 サービスおよびサポート...................................... 18

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製造業界では常に生産性を向上させようとする動きがあり、特許の失効、新規化学成分 (New Chemical Entity; NCE) 開発における高い失敗率、高プロファイル薬剤の回収などが増加する医薬品業界では、これは特にあてはまります。医薬品の品質管理においてもますます高い感度、確度、および精度が求められており、医薬品業界は規制対応プロセスの向上を強いられています。化合物精製、純度分析、および不純物分析の分野は、生産性を向上し、変化を続ける規制要件へのコンプライアンスを確保することによって創薬および医薬品開発で成功をおさめるために不可欠です。後発医薬品業界や医薬品開発業務受託機関および医薬品製造受託機関 (CRO および CMO) は NCE の開発を行いませんが、類似の方法や技術を使用しているため、このような機関にとっても、化合物精製、純度分析、および不純物分析は共通の課題となります。アジレントは、医薬品業界のあらゆる分野の多様な要件に対応するために、創薬から医薬品開発および製造まで、有効なソリューションを豊富に用意しています。

合成化合物の精製は、創薬において最もよく知られた、最も困難な課題の 1 つであり、やり直しを最小限に抑えてヒット化合物から新薬候補物質に正しく到達するためには不可欠の要件です。近年バイオアッセイの実施前に精製を必要とする NCE の数が徐々に増えています。これは、主に、不純物が含まれる化合物をスクリーニングに用いると偽陽性になることがあり、貴

1 はじめに

重なリソースが無駄になることが頻繁にあるからです。創薬および医薬品開発のニーズに対応するために、高いスループットで少量 (ミリグラム単位) の化合物を精製する必要がある一方で、プロセス化学分野では、少数の化合物を大量 (グラムからキログラム単位) に精製する必要があります。創薬から医薬品 開発および製造まで、あらゆる精製のニーズを満たす幅広い柔軟 なソリューションを提供することによって、アジレントは分取液体クロマトグラフィー (LC) の業界スタンダートとなっています。

化合物の純度を分析し、評価することは、創薬および医薬品開発のすべての段階で不可欠です。純度分析のニーズは、創薬、医薬品開発、および製造の各段階で大きく異なります。医薬品開発分野の化学者は、化合物ライブラリのハイスループットのスクリーニングを実施するため、迅速で汎用的な分析メソッドを必要としています。プロセス化学や製剤分野の分析化学者は、少数の標的化合物に適した、再現性が高く、規制に準拠した分析メソッドの開発に注目しています。製造段階では、分析化学者は高速処理が可能な高度に規制された環境で作業を行い、完全に特性解析された 1 つの化合物のための適切で堅牢な QA/QC 分析メソッドを必要としています。このようにさまざまに異なる純度分析の要件に対応するために、アジレントは、幅広い液体クロマトグラフィーおよびガスクロマトグラフィーソリューションを質量分析 (MS) システムと組み合わせ、適切な分取分析技術を適切な価格で提供しています。

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リード化合物の同定

創薬 開発 上市

標的化合物の選択

標的化合物のバリデーション

リード化合物の最適化 前臨床開発 臨床開発 規制機関による

承認/製造

精製ソリューション : フラッシュ、分取 HPLC

残留溶媒分析 : GC、GC/MS

重金属不純物分析 : ICP-MS、ICP-OES

有機不純物プロファイリングソリューション : LC、LC/MS、CE、SFC

精製、純度分析、不純物分析

純度分析ソリューション : LC、GC、LC/MS、CE、SFC

おそらく製薬分野の科学者にとって最も新しく、最も厳しい課題の 1 つとして、医薬品原料と最終剤形に含まれる不純物に関する規制の増加があります。これらの規制は、主に有機不純物、重金属不純物、残留溶媒の 3 つの分野を対象にしています。たとえば、医薬品規制調和国際会議 (ICH) の「Guidance for Industry: Q3B (R2) Impurities in New Drug Products (業界向けガイダンス: 新薬製剤中の不純物)」では、有機不純物には新たな規制対象となる分解生成物が含まれています。これらの規制では、個々の同定済みおよび未同定の分解生成物に加えて、分解生成物全体を明らかにする必要があります。わずかな量だけ含まれる不純物であっても、同定し、プロファイリング (定量) する必要があります。

さらに、新規の USP 手順 <233> では、必要とされる固有の機器メソッドが大幅に増え、重金属不純物も重視されるようになりました。残留溶媒の USP ガイドラインも改訂され (General Chapter <467> 「Residual Solvents (残留溶媒)」)、新しいテスト要件は大幅に包括的なものとなりました。アジレントは、有機不純物向けの HPLC、LC/MS、CE、SFC、重金属向けの ICP-MS および ICP-OES、残留溶媒向けの GC および GC/MS という、3 種類のすべての不純物分析に対応する幅広いソリューションを独自に提供しています。

このセレクションガイドでは、製薬分野での創薬および医薬品開発プロセス全体の精製、純度分析、および不純物分析の課題に対応するためのアジレントのソリューションについて概説します。

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創薬および医薬品開発の各段階で、適切な純度レベルの候補化合物を得ることは、高い生産性と高い成功率を保証するためには不可欠です。医薬品分野の化学者 (創薬) とプロセス化学分野の化学者 (開発および製造) のニーズを満たすために、精製の課題は段階に応じて異なります。

アジレントは分取 LC の新しいスタンダードを打ち立て、柔軟性を持つ幅広い製品ポートフォリオによって研究開発から製造におよぶソリューションを提供します。フラッシュクロマトグラフィーから流速 1.2 L/min の分取精製まで、アジレントは、医薬品分野やプロセス化学分野の化学者の精製に関するニーズを満たす専門知識、優れた性能、卓越した世界規模のサポートを、創薬から開発までのプロセス全体で提供します。

2 精製

フラッシュクロマトグラフィー医薬品開発分野では、プロセスエンジニアやクロマトグラフィー専門家の支援を待たずに、合成中間生成物や新薬候補物質を自分の実験台で精製し、回収するための効率の高いフラッシュクロマトグラフィーシステムが必要とされています。合成化学者の使用を念頭に置いて設計されたアジレントフラッシュクロマトグ

アジレントのフラッシュクロマトグラフィーソリューション

フラッシュ 971-FP クロマトグラフィーシステム

• 起動から化合物の精製までを 6 回のマウスクリックで実行• 高度な自動化により無人運転が可能• Guide Me ソフトウェアによる容易な最適化と操作• 分取精製実行中のメソッド変更• 最大で 4 つの取り外し式カラムステーションによる化合物の確実な回収と高いスループット

SuperFlash カラム • Flash 971 システムに用いることで、化合物の精製時間を短縮し、化合物の回収率を向上させる完全な精製ソリューションを実現

• 未結合シリカ、C18、アルミナ、アミノプロプル、SCX などのカラムケミストリをさまざまな分離モードとサイズで用意 (「カラム」の項を参照)

OpenLAB 電子ラボノート (ELN) • 医薬品分野の化学者がすべての実験データとその他の関連情報を取得可能• チーム間の共同作業を促進し、IP 保護のためのサポートを提供 (「インフォマティクス」の項を参照)

971-FP フラッシュ精製システム

フラッシュクロマトグラフィー による合成化合物の精製

1260 Infinity 分取スケール LC/MS 精製システム

医薬品開発向け 小規模精製ソリューション

ハイスループット精製用 PrepStar SD-2 システム

プロセス化学向け 大規模精製ソリューション

精製ソリューション

ラフィー精製ソリューションは、最高の純度と最大の回収率をできる限り短時間で達成します。アジレントフラッシュ 971-FP システムは、創薬段階でのサンプル精製専用の高スループット、高回収率システムです。

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小規模精製医薬品開発分野では、ルーチンフラッシュクロマトグラフィーでは達成困難な純度レベルを得る場合、およびライブラリ合成のニーズを満たすための高いスループットが必要な場合に、

アジレントの小規模クロマトグラフィーソリューション

1260 Infinity 精製システム • サンプルや検出要件に合わせてカスタマイズ可能• 分析 (低 mg 範囲、最大流速 10 mL/min) から分取 (高 mg 範囲、最大流速 100 mL/min) まで、 ユーザーの幅広いニーズを満たすよう柔軟に拡張可能

• 従来の HPLC から UHPLC まで、最高のメソッド柔軟性を実現• 容易な操作で直感的なメソッド開発とスケールアップが可能• 最小限のディレイボリュームにより可能になる高い回収率と純度• 特許取得済みのフラクションディレイセンサによる標的化合物の高い回収率の実現• 高度な装置自己診断機能およびメンテナンスツールによる最高の信頼性• 強制排煙を使用した場所を問わない精製によるドラフトスペースの削減

充填済み分取カラムおよびバルク充填剤 • 逆相、順相、イオン交換精製• あらゆるアプリケーションに最大のキャパシティを提供する幅広いポアサイズ• 包括的なシリカおよびポリマ系カラムの種類 (「カラム」の項を参照)

6100 シリーズシングル四重極 LC/MS システム • 迅速でコストを抑えた構造確認• 紫外ダイオードアレイ検出 (UV-DAD) を補完する情報を提供• 優れた MS データ品質を使いやすく場所を取らないパッケージで提供

OpenLAB 電子ラボノート (ELN) および クロマトグラフィーデータシステム (CDS)、ChemStation エディション

• ELN (「インフォマティクス」の項を参照)• OpenLAB CDS ChemStation エディションは 1260 および 6100 シリーズシングル四重極 MS 精製 システムをサポート

• 一元管理機能、機器を一目で把握する機能、容易なレポート作成機能、 およびコンプライアンスを提供(「インフォマティクス」の項を参照)

小規模分取クロマトグラフィーが用いられます。Agilent 1260 Infinity LC システムは、最高レベルの回収率と純度を実現できるため、このようなアプリケーションに理想的です。

大規模精製プロセス化学分野では、後の開発段階のアプリケーションに向けに十分な量の標的化合物を精製するため、大規模クロマトグラフィーが用いられます。Agilent PrepStar システムは、使いや

アジレントの大規模クロマトグラフィーソリューション

Prep-Star LC • ラボでの使用から、グラムからキログラム単位のコスト効率の高いベンチトップでの製造用に 流速 1.2 L/min まで拡張可能

• ワークフローを重視した LCR ソフトウェアにより操作が容易• デュアル波長およびデュアル光路長の UV 検出による確実で柔軟性の高い収集• 確かな性能を持つ業界標準の SD-1 および SD-2 溶媒送液システム

ロード & ロック (L&L) カラム • ミリグラムからキログラムの単位で精製を行うためのベンチトップおよびプロセスカラム• 効率が高く操作が容易• 大規模精製プロセスの生産性を向上させ、コストを削減するための柔軟性の高いソリューション• あらゆる条件で使用できる幅広いシリカおよびポリマ系充填剤 (「カラム」の項を参照)

LC Responder (LCR) ソフトウェア • システム全体を制御し、サンプル注入、溶媒選択、グラジエント組成、フラクションコレクションなどの操作ドキュメントを作成

• GAMP 4.0 に基づき、cGMP、GLP、および 21 CFR Part 11 の要件を満たす設計

OpenLAB クロマトグラフィーデータシステム (CDS) • 柔軟性と拡張性が高い、マルチベンダクロマトグラフィーデータシステム (「インフォマティクス」の項を参照)

• ネットワーク対応• 単一で堅牢なインタフェースにより操作コストを削減し、トレーニング時間を短縮

すく信頼性が高い、ラボスケールからキログラム単位までの精製機能を提供する分取 LC 製品です。

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分析のタイプ 資料番号 資料名

フラッシュクロマトグラフィー 5990-7869JAJP Agilent フラッシュ精製システム

5990-7511EN Scale-up a Purification Automatically Using the IntelliFlash Software “Guide Me” Feature

5990-9149EN Flash Purification of δ-tocopherol & Subsequent HPLC Analysis for Sample Purity

スモールスケール ピュリフィケーション

5989-0055EN Development of a Compound Purification Strategy for a Medicinal Chemistry Group

5988-5747EN Isolation of Formononetin and Other Phytoestrogens from Red Clover with the Agilent 1100 Series Purification System

5989-4844EN Creating an Optimized Preparative Method Set Based on a Pre-Preparative Analytical Column

ラージスケール ピュリフィケーション

5990-6665EN Agilent LLRP Pilot-Scale Preparative Columns

精製に関するアジレントの技術資料 (抜粋)

資料は、www.agilent.com/chem/jp のライブラリの中の「資料ライブラリ」から資料番号で検索可能です。

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3 純度分析

創薬から医薬品の製造および保存まで十分な純度レベルを保証することは、医薬品製品の上市を効率的に行うためにはきわ

創薬および医薬品開発ワークフローの純度分析ソリューション

1200 Infinity シリーズ マルチメソッドソリューション

QA/QC ソリューション

コンプライアンスおよび 品質試験サービス

キラルおよび極性化合物の 純度分析

1260 Infinity 分析 SFC* および 7100 キャピラリー電気泳動システム

純度分析ソリューション

めて重要です。アジレントは、創薬、開発、および製造の各段階に対応する純度分析ソリューションを提供します。

創薬および医薬品開発ワークフロー向けのアジレント純度分析ソリューション

1220/1260/1290 Infinity シリーズ LC • 迅速な分析と結果解析• 高い分離能と感度による信頼性の高い純度分析• 広いパワーレンジ (流量 x 耐圧の範囲) と次世代の技術により実現する最高のクロマトグラフィー 性能およびユニバーサルな適用性

• 最大 8 本のカラムと 26 種の異なる溶媒を使用できる、迅速な純度確認のためのマルチメソッド開発ソリューション

• ISET (Intelligent System Emulation Technology) を使用した、アジレントと他社システムとの間の シームレスなメソッド変換

ZORBAX および Poroshell 120 LC カラム • メソッド開発のための複数のオプションによる機器機能の拡張• カラムケミストリと粒子サイズの幅広い選択により実現する柔軟性の高い純度分析機能• 優れた粒子強度と負荷量により高圧アプリケーションにも対応 (「カラム」の項を参照)

6000 シリーズ LC/MS システム • 特異性、感度、スループット、および予算に関するニーズを満たすシングル四重極、トリプル四重極、 および Q-TOF MS ソリューション

OpenLAB クロマトグラフィーデータシステム (CDS) • 最適なクロマトグラフィーシステム管理• GLP、GMP、および 21 CFR Part 11 ガイドラインに完全に準拠した統合型ソリューション

(「インフォマティクス」の項を参照)

創薬および医薬品開発のワークフロー化学化合物ライブラリの純度の評価は、創薬段階において重要になります。特にヒット化合物の同定およびリード化合物の最適化を行う場合には、潜在的な NCE の生物活性を評価する前に行う作業として非常に重要です。化合物ライブラリのスクリーニングは、生物学的クリーニングを行うには純度が不十分な化合物を取り除くために、迅速な汎用高スループットメソッドを使用して実施します。メソッド開発にかかる時間を短縮しつつ、信頼性の高い純度分析の結果を提供することが重要です。

プロセス化学と処方開発で品質基準を確実に満たすためには、開発段階で再現性が高い堅牢な純度分析メソッドが必要です。

化合物の数は限られていますが、以降の製造 QA/QC ラボで使用するため、規制要件を満たす十分に厳しいメソッドになるように広範囲の分析メソッド開発を行うことが重要です。Agilent 1200 Infinity シリーズ LC および 6000 シリーズ LC/MS システム、Bond Elut SPE、ZORBAX および Poroshell カラム、およびインフォマティクス製品は、創薬から医薬品開発まで、すべての純度分析のニーズを満たす迅速なメソッド開発機能、信頼性、選択性、および感度を提供します。

*日本での発売未定 (2012 年 4 月時点)

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極性化合物医薬品として標的化合物の一部は極性が高く、従来の HPLC メソッドを使用した分析は困難な物質もあります。創薬段階では、カルボン酸、アミン、アミノ酸、またその他の極性基を含む中間生成物や最終化合物がこれに該当します。水溶性を上げるた

アジレントの QA/QC 純度分析ソリューション

1200 Infinity シリーズ LC • 50 を超える LC モジュールから選択できQA/QC のニーズを満たす• 最大 8 本のカラムと 26 種の異なる溶媒を選択できるため、迅速なメソッド開発が可能• ISET (Intelligent System Emulation Technology)を使用した、アジレントと他社システムとの間の シームレスなメソッド変換

• 低ノイズのダイオードアレイ検出器による卓越した UV 感度

ZORBAX および Poroshell 120 カラム • Poroshell カラムによりサブ 2 µmカラムより低い背圧で高い分離能と速度を提供• 2.7 µm の原料で構成される Poroshell カラムを使用することで、USP ガイドラインに準拠しながら 高い分離能と感度を実現

• ZORBAX カラムには同じケミストリのさまざまな粒子サイズ (サブ 2 µmまで) があるため、 信頼性の高い拡張性と世界中のラボへのメソッド変換が可能 (「カラム」の項を参照)

コンプライアンスおよび機能検証サービス • アジレントは、独立した機関による調査でコンプライアンス部門の 1 位を 15 年間獲得し、ISO 17025 または GLP/GMP 品質イニシアティブに必要なキャリブレーションまたはシステム適格性を保証

• エンタープライズエディション適格性評価サービスの利用により、アジレントおよび他社システムの すべてについて一貫性のある調和したレポートを取得可能 (「インフォマティクス」の項を参照)

OpenLAB ECM • GLP および 21 CFR Part 11 へのコンプライアンスをサポート• OpenLAB CDS により収集されたデータについて共有や長期間のアーカイブ保存をサポート

(「インフォマティクス」の項を参照)

アジレントの極性化合物分析ソリューション

7100 CE システム • イオンや非常に極性の高い化合物の分析に理想的• メインピークの 0.05 % までの不純物を検出する、卓越した HPLC 類似の感度• 異性体を含む幅広い化合物に対し非常に高い分離能• LC とは異なり、LC の補完となる分離の原理• 廃液が少ないグリーンな技術

6000 シリーズ LC/MS システム • 微調整が不要なプラグアンドプレイサンプル導入システム• 独自設計の MS 注入口により、 CE分離条件が MS 動作条件に依存しない

OpenLAB CDS ChemStation エディション • 起動およびトレーニング時間を最小化• アジレントの GC および LC システムを動作させる、これらのシステムと同様の業界標準を持つ データ取り込みソフトウェアを提供

• パッケージの一部としてコンプライアンスツールを含む• パワフルで柔軟性の高いレポート作成ツールを提供 (「インフォマティクス」の項を参照)

キット、キャピラリー、カラム • CE 用超純水、緩衝液、キャピラリー、コンディショニング溶液、テスト用標準物質、定義済み分析条件など、CE 分析を開始するために必要なものを含んだキットを用意

• 未修飾フューズドシリカ、架橋および結合 µSIL、バルク µSIL-DB、拡張光路、PVA コーティング、 CEC キャピラリー等を用意

製造 QA/QC のワークフローQA/QC の純度分析は規制対象のプロセスであるため、特に重要です。多くの国内および国際規制では、分析機器の適格性評価とシステムのバリデーションが求められています。適格性評価は、機器の稼働時間を増やし、規格外の状況を回避するためにも役立ちます。USP Chapter <1058>「Analytical Instrument Qualification (分析機器の適格性評価)」は、この分野の権威あるガイドです。分析メソッドのバリデーションも、米国 FDA のガイドラインなど、ラボに影響を与えるほとんどの規制や品質基

準で求められています。アジレントは、高品質の機器とカラムに加えて、コンプライアンスサポートサービス、インフォマティクス、コンプライアンスの確保に役立つ資料など、QA/QC の純度分析のための総合的なソリューションを提供しています。アジレントでは、機器の適格性評価、システムのバリデーション、およびメソッドのバリデーションに対応する、コンプライアンスの専門家、Ludwig Huber 博士による 2 つの入門書を用意しています (この項の最後にある資料リストを参照)。

めにプロセス開発時に PEG 化された疎水性化合物も純度分析を困難にします。アジレントは、この純度分析の課題に理想的なソリューションであるキャピラリー電気泳動 (CE) システムを提供しています。

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キラル化合物超臨界流体クロマトグラフィー (SFC) は、キラル化合物分離用の分析技術として確立されており、特に創薬や医薬品開発分野では、アキラル化合物の分析用としてもますます注目を集めています。Agilent 1260 Infinity SFC ソリューション* を使用すると、

アジレントのキラル化合物分析ソリューション

1260 Infinity 分析 SFC システム* • 業界で最大のパワーレンジ (流量 x 耐圧の範囲) を持つ、最高感度の堅牢な SFC システム• キラル化合物のための独自の卓越した選択性• 最小の所有コストを実現する SFC 機器• 優れた日内および日間再現性• 分析時間とカラムの再平衡化を標準 HPLC の約 3~5 分の 1 に短縮• 環境に優しく (アセトニトリル不使用)、溶媒の使用量を削減• 同じ機器でキラルとアキラルの両方の化合物を分析

7100 CE システム • 高い分離能またはキラル添加物の使用によるアイソフォームおよびキラル化合物の分離• 少量の緩衝液に少量のキラル添加物を使用するため、低コストで環境に優しい

キャピラリー • 未修飾フューズドシリカ、架橋および結合 µSIL、バルク µSIL-DB、拡張光路、PVA コーティング、 CEC キャピラリー等を用意

ChemStation ソフトウェア、 OpenLAB CDS ChemStation エディション

• 機器制御、適格性評価、診断機能• 起動およびトレーニング時間を最小化• パワフルで柔軟性の高いレポート作成ツールによりクロマトグラフィーの管理を向上• GLP、GMP、および 21 CFR Part 11 ガイドラインに完全に準拠した統合型ソリューションを提供

(「インフォマティクス」の項を参照)

効率的で環境に優しいキラル純度分析と鏡像体過剰率の測定が可能になります。SFC ソリューションに加えて、アジレントは、キラル添加物を使用したキラル化合物分離用の CE も提供しています。

分析のタイプ 資料番号 資料名

医薬品開発、QA/QC 5990-4994EN High speed separation of anesthetics on the Agilent 1290 Infinity LC system with different columns

5990-4781EN Analytical instrument qualification and system validation according to USP Chapter <1058> for the Agilent 1290 Infinity LC system

5989-9339JAJP Agilent 1200 シリーズ LC メソッド開発ソリューションによるメトプロロール錠の分解生成物の分析メソッド開発

5990-3288EN Analytical Instrument Qualification and System Validation Primer (L. Huber)

5990-5140JAJP 分析メソッドのバリデーション (L. Huber)

極性化合物 5990-5244EN Ion Analysis with Agilent CE system Application Compendium

5990-3517EN Capillary electrophoresis of heparin and related impurities using highly concentrated buffers in a 25 µm bubble cell capillary

キラル 5990-6412EN Fast and ultra-fast SFC analysis using the Agilent Analytical SFC System with the Aurora SFC-Fusion A5

5990-6413EN Sensitive determination of impurities in achiral pharmaceuticals by supercritical fluid chromatography using the Agilent 1260 Infinity Analytical SFC System

5990-5969EN Chiral impurity analysis and enantiomeric excess determination with the Agilent 1260 analytical system

5988-4305EN Chiral Analysis with the Agilent Capillary Electrophoresis System

純度分析に関するアジレントの技術資料 (抜粋)

資料は、www.agilent.com/chem/jp のライブラリの中の「資料ライブラリ」から資料番号で検索可能です。

*日本での発売未定 (2012 年 4 月時点)

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4 不純物分析

不純物の検出や同定に関する規制強化により、化学成分中の不純物の分析に新たな注目が集まっています。薬物の合成、精製、製剤、包装、および保管の各プロセスにおいて、対象の不純物

は、主として有機不純物、重金属、残留溶媒の 3 つに分類されます。アジレントは、これらの 3 つの不純物分析の分野を網羅的に提供することができます。

1200 Infinity シリーズ LC と 6500 シリーズ Accurate-Mass Q-TOF LC/MS システム

有機不純物分析

7700 シリーズ ICP-MS システム

重金属不純物分析

7697A ヘッドスペースサンプラ付き 7890 GC システムと

5975C GC/MSD システム

残留溶媒分析

不純物分析ソリューション

有機不純物有機不純物は、医薬品原料 (API) の製造および保管時に生成されます。API の合成に使用する出発物質、副生成物および中間生成物、分解物、および精製時に使用する配位子などから生じます。有機不純物の原因となる化学的メカニズムには、核生成、加水分解、酸化、脱水、環化、光分解など、さまざまなものがあります。このように多種多様な少量の有機不純物の検出は、非常に困難であり、創薬および医薬品開発のニーズを満たすためには検出、分離、定量、および構造解析技術の総合的なソリューションが必要となります。

有機不純物分析は、主にプロセス開発および製造段階での QA/QC にて行います。有機不純物分析では、UV 検出器を用い

た HPLC (LC/UV) を多く使用します。これは、迅速なメソッド開発、検出、単離 (分離)、遺伝毒性物質を含む不純物の定量には十分な性能を発揮します。有機不純物を HPLC で容易に分離できない場合や、SFC でキラル不純物の検出が必要な場合には、キャピラリー電気泳動 (CE) および超臨界液体クロマトグラフィー (SFC) も使用します。構造情報を収集するには、一般に質量分析法を HPLC とともに使用して、少量の不純物を同定し、定量します。フーリエ変換赤外 (FT-IR) や核磁気共鳴 (NMR) も、有機不純物の構造解析のための有効なツールです。アジレントは、有機不純物の検出、単離、構造解析、および定量に対応するシステム (LC/UV、LC/MS、FT-IR、NMR) の製品群をトータルに取り揃えています。

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アジレントの有機不純物分析ソリューション

有機不純物分析の技術または分野 アジレントのシステムとソリューション

不純物の検出と迅速なメソッドスカウティング/開発 • 1200 Infinity シリーズ LC + ダイオードアレイ検出器 SL

HPLC では分離が困難な不純物の検出 • 7100 CE システム

キラル不純物の検出 • 1260 Infinity 分析 SFC システム (2012 年 4 月時点日本での発売未定)

不純物の単離 • 1260 Infinity 分取スケール精製システム + カラム

不純物の構造の特定 • 1200 Infinity シリーズ LC• 600-IR シリーズ FT-IR• 400 MHz NMR• 6100 シリーズシングル四重極または 6200 シリーズ Accurate-Mass TOF または 6500 シリーズ Accurate-Mass Q-TOF LC/MS システム (きわめて少量の不明不純物の特性解析に重要)

遺伝毒性不純物の定量 • 1200 Infinity シリーズ LC + 6400 シリーズトリプル四重極 LC/MS システム

OpenLAB ECM へのデータの保存 • LC/MS MassHunter ソフトウェア (「インフォマティクス」の項を参照)

重金属不純物医薬品製品に含まれる重金属の毒性は、薬物の安定性や保存期間にも影響を与えます。重金属不純物のレベルを規制機関が設定した限界値以下に確実に抑えるためには、プロセス開発から製造 QA/QC まで、これらの元素を慎重に監視する必要があります。重金属による汚染は、API の合成に使用する原材料、合成時に使用する触媒、添加物 (安定剤、賦形剤、結合剤、剥離剤、香料、色素、コーティングなど)、パッケージ原料、製造装置、その他の物質 (リアクタ、パイプ、フィルタ、界面活性剤、潤滑油など) のように幅広い原因から生じます。

医薬品と原料に含まれる重金属の限界値を定義した USP <232> と、これらの元素のテストに使用する手順を定義した USP <233> の 2 つの新しい USP ガイドラインが提案されました。USP <232> では、標的化合物と、毒性データに基づくその限界値を定義しています。また、以前に使用されていたグループテスト、USP <231>、「Heavy Metals Limit Test (重金属限界値テスト)」とは異なり、このガイドラインでは個々の金属濃度の測定を求めています。

欧州医薬品庁 (EMA) リストに基づく標的化合物には、ヒ素 (As)、カドミウム (Cd)、水銀 (Hg)、鉛 (Pb) という高い毒性を持つ 4 つの元素が含まれています。これらはすべて、基本的に医薬品原料に含まれていてはなりません。さらに、クラス 2 の 12 種類の元素は薬物や添加物では制限が求められ、製造段階で添加する場合は測定が必要です (残留触媒の Pt および Pd など)。

新規の重金属テスト (USP<233>) では、機器に基づくメソッドを使用して元素不純物を測定すること、また、標準メソッドは、密閉容器マイクロ波分解を使用する誘導結合プラズマ質量分析法 (ICP-MS) または誘導結合プラズマ発光分光分析法 (ICP-OES) に基づいていることが求められます。この結果、以前の比色分析法の特徴であった特異性の問題が排除され、サンプル灰化手順における対象化合物の損失に関する大きな制限がなくなり、検出下限を大幅に下げることが可能になりました。アジレントは新しい厳格な規制の要求を満たし、業界をリードする、ICP-MS と ICP-OES の両システムを提供しています。

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アジレントの重金属不純物分析ソリューション

7700 シリーズ ICP-MS • 研究およびルーチン、ハイスループット、および高マトリクスアプリケーション向けの パワフルな高感度システム

• 高い希釈倍率においても、新規の USP <233> のレベル以下で、16 種類のすべての 規制元素の信頼性の高い (干渉のない) 分析を提供

• 7700x では、ヘリウム (He) セルモードにより独自のスクリーニング機能を提供し、 サンプルマトリックスにかかわらず、すべての対象化合物から多原子干渉を独自に除外。 また、解釈が容易なスペクトルと包括的な元素組成を 1 回の迅速なスキャンで提供

700 シリーズ ICP-OES • 最高の検出下限を必要としない USP<232> の基本要件に対応• 予算に制限があるユーザーやこれら規制に対応する性能を求めるユーザーなど、 あらゆるユーザーのニーズに対応

• 優れた安定性、速度、適応性を実現• 規制対象のすべての元素において ppb レベルの検出を実現• すべてのモデルが広いダイナミックレンジと堅牢なプラズマを備え、大量、少量、 および微量元素を 1 つのビューと 1 回のステップで測定

1200 Infinity シリーズ LC + 7700 シリーズ ICP-MS • 規制対象の特定の元素 (As および Hg) のスペシエーションを提供• 同じ機器を研究アプリケーションにも使用可能

OpenLAB ECM • IQ/OQ サービスなど、21 CFR Part 11 で求められるすべての要件を 1 つのシステムで 完全にサポート (「インフォマティクス」の項を参照)

• 700 シリーズ ICP-OES 向けにスタンドアロンのコンプライアンス製品を用意

ICP-MS および ICP-OES 用消耗品 • アジレント純正のコーン、ネブライザ、チューブ、およびトーチにより 最適で信頼性の高い機器性能を保証

残留溶媒残留溶媒は、製造プロセスの後に API、添加物、および医薬品中に残る、またはパッケージおよび保管時に生成される微量の化学残留物です。改訂後の USP General Chapter <467>、「Residual Solvents (残留溶媒)」の新しい要求項目が以前よりも広範囲になり、対象となる残留溶媒の成分数が 4 から 57 に増加しました。溶媒は、リスクの可能性に応じて 3 つのクラスに分類されます。クラス 1 の溶媒は回避しなければならず、クラス 2 の溶媒は制限する必要があり、クラス 3 の溶媒は毒性リスクが低いものと見なされます。より低い汚染レベルを設定する傾向があるため、感度と精度の高い分析メソッドが必要となります。

残留溶媒の分析は、通常はヘッドスペースガスクロマトグラフィー (HS GC) を使用します。ただし、HS GC を使用しているラボは、HS GC 分析の面積精度が周囲の圧力変動により低下すること、ベンゼンなどの一部の低濃度対象化合物では感度が低くなること、溶出の遅い不純物や高沸点溶媒によりサンプルの分析時間が長くなることなど、いくつかの問題点があります。アジレントは、USP 用標準サンプルや分析用カラムを準備しており、最適化された残留溶媒システムを提供しています。構成は、水素炎イオン化検出器 (FID)、デュアル FID、質量選択検出器 (MSD) などがあります。工場出荷時に、残留溶媒標準サンプル (USP 限界濃度水溶液) を用いて、あらゆるシステム性能証明が行われ、取り付け時にも、USP 要件へのコンプライアンスを確認するために再度実施されます。

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アジレントの残留溶媒分析ソリューション

7890A GC システム • 第 5 世代のニューマティクス• 既設機器からの容易なメソッド変換• 高沸点溶媒のバックフラッシュ• バックフラッシュによるサイクルタイムの短縮と生産性の向上• 面積およびリテンションタイムの精度/感度の大幅な向上• 新しいキャピラリ・フロー・テクノロジー• シングルまたはデュアル FID または 5975 MSD の構成• 最先端のエレクトロニクス

7820A GC システム • Agilent 7697A ヘッドスペースサンプラ 12 バイアル仕様に使用可能• スループット不要のラボに最適なサイズ• 111 バイアルバージョンにアップグレード可能

ChemStation ソフトウェア • 機器制御、適格性評価、診断を提供• 習熟時間を最小限に抑え、コンプライアンスツールを提供

7967A ヘッドスペースサンプラ • 7820A GC および 7890A GC に接続可能• 111 本のバイアル容量• 最適化されたサンプルのオーバラップ機能により、最大で 12 本のバイアルでサンプルを加熱• 自動バイアルリークチェックなどの完全なエレクトロニックニューマティックコントロール• アジレントのデータシステムに統合された包括的な制御ソフトウェア

Agilent J&W ウルトライナート GC カラム • 業界で実証済みの DB-624、VF-624ms、DB-WAX、および HP-INNOWAX カラムは 残留溶媒分析に最適

• 低熱容量 (LTM) GC へのアップグレードにより、分析時間を 75 % 短縮• アジレントウルトライナートカラムの不活性度と卓越した低ブリードにより 最高標準で業界をリード (「カラム」の項を参照)

5975C イナート MS • 同定に高い信頼性を提供• きわめて微量の汚染物質を検出し、定量• SIM/スキャンデータモードで不明物質を検索• 優れた生産性を提供

GC/MSD ChemStation、MassHunter、 OpenLAB CDS ChemStation ソフトウェア

• 最適な機器制御に加えてデータの分析と保存を提供 (「インフォマティクス」の項を参照)

不純物分析に関するアジレントの技術資料 (抜粋)不純物の種類 資料番号 資料名有機物 5990-5732EN Analysis of Potential Genotoxic Arylamine and Aminopyridine Impurities in Active Pharmaceutical

Ingredients by UHPLC and UHPLC-MS/MS using the Agilent 1290 Infinity LC system and the Agilent 6460A Triple Quadrupole MS system

5990-7492EN Fast Analysis of Cefepime and Related Impurities on Poroshell 120 EC-C185990-4980EN RRLC impurity profiling to detect non-UV absorbing compounds using diode array detection, single

quadrupole MS and evaporative light scattering detection 5990-4460JAJP Agilent 1200 シリーズ RRLC および 6410B トリプル四重極 LC/MS システムを用いた

LC/ESI/MS/MS によるアテノロール中の遺伝毒性「不純物 D」の定量5989-7925EN Direct analysis by LC/MS speeds up determination of potential genotoxins in Pharmaceutical drug

candidates: AZ success story5989-5620EN Impurity profiling with the Agilent 1200 series LC system: Part 4 method validation of a fast LC method5990-3981JAJP Agilent 1290 Infinity LC システムによる塩酸メトクロプラミド製剤中不純物分析の生産性向上5990-5819EN Application Compendium: Analysis of pharmaceuticals and drug related impurities using Agilent

instrumentation重金属 5989-6160EN Handbook of Hyphenated ICP-MS Applications

5990-5427EN Pharmaceutical Analysis by ICP-MS: New USP test for elemental impurities to provide better indication of potentially toxic contaminants

残留溶媒 5990-7625JAJP Agilent 7697A ヘッドスペースサンプラによる再現性に優れた USP <467> 残留溶媒分析

5989-8085EN Simultaneous dual capillary column headspace GC with flame ionization confirmation and quantification according to USP <467>

5989-9726JAJP 静的ヘッドスペース GC-FID/MS を用いた医薬品残留溶媒分析の汎用メソッド

5990-5094JAJP Agilent 7890A GC と Low Thermal Mass (LTM : 低熱質量) システムを用いた USP 467 残留溶媒の高速分析

5989-6079JAJP 残留溶媒分析におけるリテンションタイム、ピーク面積再現性および感度の向上5989-3196JAJP Agilent G1888 ヘッドスペース/6890N GC/5975 inert MSD システムを使用した

医薬品残留溶媒の定量

資料は、www.agilent.com/chem/jp のライブラリの中の「資料ライブラリ」から資料番号で検索可能です。

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OpenLAB クロマトグラフィーデータシステム

• 市場をリードする Agilent ChemStation および EZChrom Elite は、制御、データ取り込み、および解析の機能を広げ、すべての機器の価値を最大限に引き出します。

• パワフルで柔軟性の高いレポート作成ツール、スマートフォンからの接続、安全なデータ保存、ラボおよび企業全体で ECM を使用してデータを検索し、共有する機能、包括的なマルチベンダ機器制御、およびスタンドアロンワークステーションから分散システムまで拡張可能なソフトウェアを提供する 2 つのエディションがあります。

OpenLAB エンタープライズコンテンツマネージャ

• 使い慣れた検索ツールを使用してラボのすべての情報をすばやく検索、取得できるため、意思決定が迅速になります。

• ワークグループから企業全体への導入など、ビジネスの成長に合わせてシステムを拡張できます。

• 直感的な Web ベースのユーザーインタフェースにより実装およびトレーニングコストを削減します。

• システムセキュリティを容易に構成しながら規制要件を満たします。

• OpenLAB ECM Intelligent Reporter によりトレンドを把握し、レポートを作成することができます。

インフォマティクス今日の分析研究および品質管理ラボでは、ソフトウェアが生産性向上のための主要なツールとなっています。ソフトウェアがなければ、分析者はラボでのサンプル分析よりも多くの時間をラボデータの確認、解析、処理に費やすことになります。最高のインフォマティクスソリューションは、サンプル分析のための時間を増やし、データの確認と解析に費やす時間を短縮します。Agilent OpenLAB ラボソフトウェア製品群は、これらの課題に対応するための有効なソフトウェアソリューションを提供します。

5 インフォマティクス、消耗品、サービス

OpenLAB CDS ChemStation エディション

OpenLAB CDS EZChrom エディション

• 現在の ChemStation の ワークフローとの互換性

• 現在の EZChrom Elite または OpenLAB ICM のワークフローとの互換性

• 共通のユーザーインタフェースとデータ形式で LC、LC/MS、GC、SFC、および CE をサポートする 唯一のクロマトグラフィーデータシステム

• 新しい OpenLAB 共有サービス コントロールパネルによって ユーザー、プロジェクト、および機器を管理

• 21 CFR Part 11 のサポートなど (OpenLAB ECM が必要)、規制の対象とならない、または高度に 規制されたワークフローへのシームレスな統合

• 構成可能なコンプライアンスにより GLP および 21 CFR Part 11 のニーズに対応

• 容易なデータのアーカイブや 共有に加えてマスタメソッド ワークフローを可能にする 新しい結果パッケージ機能OpenLAB は、お客様中心のアーキテクチャの上に構築された

機能豊富な統合型ソフトウェア製品群です。OpenLAB は、データの収集および解析から解釈および管理にいたるまで、科学データのライフサイクルのあらゆる段階でのより高い価値、オープンシステムの統合、投資の保護を提供します。OpenLAB では、公開された規格を遵守しながら、OpenLAB 製品群内だけでなく、サードパーティ製のソフトウェア製品との相互運用やデータ交換を可能にするオープンシステムに取り組んでいます。つまり、OpenLAB は、生産性を向上できるようラボデータの可能性を切り拓きます。

医薬品環境において、OpenLAB には、クロマトグラフィーデータシステム (CDS)、エンタープライズコンテンツマネージャ (ECM)、および電子ラボノート (ELN) といった、精製、純度分析、不純物分析のワークフローにわたってデータを管理し、コンプライアンスを確保する 3 つのモジュールがあります。

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OpenLAB 電子ラボノート

• 使いやすい Web インタフェースによりデータ採取を効率化します。

• データの検索と取得を簡略化、加速化します。

• 冗長なデータ入力を排除し、不要な実験の繰り返しを削減します。

• 堅牢性のあるチーム間の共同作業やデータの共有を促進します。

• 知的財産を保護し、記録のトレーサビリティを維持します。

• インストールと展開に簡単な Web ベースのソリューションを使用できます。

カラム、キャピラリー、消耗品アジレントは 40 年以上にわたって GC および LC カラムを設計および製造し、再現性のある結果をもたらすために厳しい品質管理を続けてきました。徹底したテストを少なくとも 7 回実施し、ラボでの高い信頼性を確保できるまでは、カラムが販売されることはありません。

LC カラムチームは、不要物除去および標的化合物の検出から、QA/QC 分析および大規模製造まで、精製、純度および不純物分析をサポートする独自のシリカ系およびポリマ系カラム、また 2000 を超えるさまざまなカラム構成を製造しています。Agilent J&W GC カラムは、最小のブリードレベルと、酸性/塩基性官能基化合物やこれらの官能基が混在した化合物に対する最高の不活性度、また最も厳密なカラム間再現性を提供します。純度および不純物分析のニーズを満たす CE 分析向けの幅広いキャピラリーとキットも用意しています。

生産性の高い小規模および大規模精製

• フラッシュクロマトグラフィー向けの SuperFlash カラムには、未結合シリカ、アルミナ、アミノプロピル、C18、SCX などがあり、すべてが幅広い相と粒子サイズで提供されています。また、過剰な未使用容量を最小限に抑えるために 16 のカラムサイズを用意しています。

• アジレントの分取カラムおよびバルク充填剤には、PrepStar システム用のロード & ロックカラムなど、ラボスケールおよび大規模精製向けの幅広いオプションがあります。

• 幅広い用途に対応するストック用充填剤やカスタム充填剤、液相合成および精製用の高分子担持試薬については、アジレントのカスタム充填剤技術のスペシャリストにご相談ください。シニア R&D マネージャや科学者からなる多職種チームが、国内および国際コンプライアンスに基づいてすべてのプロジェクトを監視しています。サポートは、ニーズの特定から、グラムから数キログラムのアプリケーションのためのカスタム充填剤ソリューションの開発およびプロジェクト管理まで、広範囲にわたります。金属、トリフルオロ酢酸 (TFA)、その他の反応物質を直ちに取り除く除去剤セットも用意されています。

ワークフローのすべての段階における迅速で正確な分析

• ZORBAX および Poroshell カラムは、ラボ間での拡張性を保証する幅広い相により、ワークフローのすべての段階で HPLC/UHPLC 分析者に最高の分離能と生産性を提供します。メソッド開発は ZORBAX Eclipse Plus から始めます。このカラムは、非常に広範囲にわたる対象化合物と条件で卓越したピーク形状を提供します。UHPLC 分析には ZORBAX ラピッドレゾリューション High Definition (RRHD)、1.8 µm を、高分離能、高速性能が必要な場合は、ラボのすべての機器に拡張できる Poroshell 120 カラムをお勧めします。

• Agilent DB-624 および VF-624ms カラムには様々な種類があります。また、低熱容量 (LTM) GC 技術にアップグレードし、昇温、分析時間、カラム冷却を高速化することで、分析時間を最大で 75 % まで短縮することもできます。

• Bond Elut Plexa SPE 製品は、サンプルマトリックス干渉を最小限に抑えると同時に、回収率を上げ、感度を向上し、クリーンで迅速なメソッド開発を提供します。

• Captiva フィルタ製品は、カラム寿命を延ばすことで機器のダウンタイムを短縮するため、事実上メソッド開発なしで容易に自動化することができます。

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LC、GC、および CE 用消耗品

アジレントの LC および GC 用消耗品は、ワークフロー全体を通して優れた品質とクリーンなクロマトグラフィーを保証し、最適な分析結果を得ることを可能にします。

• LC アプリケーションでは、MS 分析バイアル、超高圧フィッティング、インラインフィルタ、および柔軟性の高いステンレスキャピラリーにより、最高感度の分析と最高レベルの純度を提供します。

• GC 消耗品では、ウルトライナートライナと MS 分析用消耗品 (ゴールドシール、セプタム、ライナなど) により不純物を最小限に抑えます。

• CE 消耗品では、コーティング付き/なしのキャピラリーやパックドキャピラリーに加えて試薬や緩衝液など、あらゆる消耗品ラインを提供しています。

サービスおよびサポート医薬品分野においては、ラボ機器のダウンタイムは深刻な問題になりかねません。ダウンタイムが発生すれば、開発予定に遅れが生じ、製品の発売がずれ込むおそれがあります。アジレントは、修理・メンテナンスからコンプライアンス、ラボ全体の統合型機器サービスまで、予算に合わせてお選びいただけるサービスおよびサポートプランを幅広く提供しています。

メンテナンスおよび修理サービス

メンテナンスを行うことでラボの生産性が高まると同時に、機器やアクセサリの寿命を延ばすことができます。アジレントの調査によると、アジレントのメンテナンスサービスを継続して利用している場合は、故障率が全体で 25 % 低下することがわかっています。アジレントの修理サービスでは、電話による技術サポートまたはオンサイトの修理により、わずか 1 営業日内で動作状態に戻すことができます。

ソフトウェアおよびデータシステムサービス

アジレントのサービスとサポートの対象は機器だけではありません。ソフトウェアやデータシステムに対するサービスも同様に提供しています。アジレントは、お客様に必要な運用サポートや、ソフトウェアの更新と新機能についての最新情報の提供を行っています。

エンタープライズコンプライアンスサービス

アジレントは、自社はもちろん、他社装置メーカーの機器と互換性のある、完全に自動化されたペーパーレスプログラムによって、ラボまたは企業全体のコンプライアンスプロトコルを効率化します。アジレントエンタープライズエディションは、企業全体で利用できる堅牢性を備え、完全に調和した適格性評価アプローチを提供するように設計されています。特許申請中の Agilent Compliance Engine は、電子レポート、記録、署名を提供することにより、コンプライアンス確認のスピードアップに役立ちます。

ラボのリソース管理

アジレントのラボリソース管理は、ラボ全体を対象とする機器サービスを提供します。メンテナンスからコンプライアンスおよび修理サービスまで、信頼できるパートナーに任せることで全体的な効率を向上することができます。機器のサービス履歴やサービスレベル目標も可視化できるため、ラボの運用計画を策定し、投資収益率を最大化することができます。

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サービスプラン アドバンテージゴールド アドバンテージシルバー アドバンテージブロンズ 延長保証

契約レベルの優先対応 最優先 標準 標準 標準

電話によるハードウェアのサポート • • • •

電話によるソフトウェアのサポート • • •

無制限のオンサイト修理訪問 (移動および作業) • • • •

修理に必要な部品 • • • •

修理に必要な消耗品* • • •

1 年ごとのオンサイトメンテナンス • •

OQ の合格保証および割引 (コンプライアンスサービスとのバンドル時) オプション オプション

延長対応時間の割引 •

高度な診断およびレポート作成

アジレントリモートアドバイザ – アシスト** • • •

アジレントリモートアドバイザ – レポート** • •

アジレントリモートアドバイザ – アラート** • •*別途規定した部品交換規定に従います。**対象機器のみ。据付作業が必要になります。1 サイトに 5 システム以上の契約機器がある場合、必要な PC と据付調整費用は無料です。

コンサルティングサービス

新技術の統合、新しいメソッドの開発、ラボおよび機器性能の向上、製品の改善またはスタッフのトレーニングなどに支援が必要な場合は、アジレントのプロフェッショナルコンサルティングサービスにお任せください。お客様が日常的に使用している機器、ソフトウェア、およびプロセスを設計した専門家に直接相談することができます。

教育およびトレーニング

機器の操作、トラブルシューティング、メンテナンスについて、集合トレーニングとオンサイトトレーニングを提供しています。アジレントのトレーニングコースは理論と実技を組み合わせたものです。

アジレントアドバンテージサービスプラン

3 つのアドバンテージサービスプランでは、アジレントの最高のサービスと世界水準の専門知識をお客様のニーズと予算に合わせた提供するパッケージプランです。各プランには、リアルタイムでリモートモニタリングと診断を行うアジレントリモートアドバイザが含まれます。マウスを 1 回クリックするだけで、サービス要求を開始し、アジレントのエキスパートと直接やり取りすることができます。

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カストマコンタクトセンタ 0120-477-111

この資料は、研究目的で使用するためのものです。診断手順には使用しないでください。本文書に記載の情報、説明、製品仕様等は予告なしに変更されることがあります。

アジレント・テクノロジー株式会社 © Agilent Technologies, Inc., 2012 Published in Japan, April 30, 2012 5990-8620JAJP