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今後の育種改良 初期管理

今後の育種改良 と 初期管理...日齢 44.50 → 44.03 -0.47日 要求率 1.769 → 1.728 -0.041pt *ハンドブック(旧称:飼養管理マニュアル)も 更新されます

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今後の育種改良と

初期管理

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テーマ

1. 新成績目標

2. 育種改良

3. 餌付け管理

4. 光線管理

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2014年版成績目標を公表しています

前回成績目標は2012年版

今回も世界各国の上位4分の1の成績と育種改良を加味した数値になっています。

現在、発行に向けて印刷中です。

弊社ホームページには掲載しておりますので、ダウンロードしてお使いになれます。

弊社ホームページ: http://www.chunky.co.jp/tech/

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参考:無鑑別成績

日齢2014年版

体重 飼料要求率

7 189 0.877

14 480 1.118

21 929 1.270

28 1,501 1.409

35 2,144 1.548

42 2,809 1.687

49 3,457 1.827

56 4,061 1.967

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+4+7

+13

+22

+31

+41

+50

+59

100

600

1,100

1,600

2,100

2,600

3,100

3,600

4,100

4,600

7 14 21 28 35 42 49 56日齢

2012年 2014年

2014年版 無鑑別体重推移

• 全週齢において増体は改善• 飼育後半での増体改善が目立つ

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2014年版 無鑑別要求率推移

-0.016

-0.018

-0.021

-0.025

-0.028

-0.032

-0.034

-0.037

0.800

0.900

1.000

1.100

1.200

1.300

1.400

1.500

1.600

1.700

1.800

1.900

2.000

2.100

7 14 21 28 35 42 49 56日齢

2012年 2014年

• どの週齢においても改善• 飼育後半での改善幅が大きい

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2014年版 目標体重到達時の成績

3kg目標出荷体重

2012年 2014年 差異

日齢 44.50 → 44.03 -0.47日

要求率 1.769 → 1.728 -0.041pt

*ハンドブック(旧称:飼養管理マニュアル)も更新されます

• 写真を多用• ストックマンシップ、経済性についてのセクションを新たに追加

• 追記と情報の更新は、ほぼ全てのセクションにて実施

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1957 年 1977年 2005年

Source: Renema et al, 2006

(2)育種改良

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脚異常の目視検査 X線装置による検査

出典:Aviagen社

骨強度向上

引続き強化に注力

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従来の単体飼育に群飼育(野外想定)も追加

出典:Aviagen社

飼料要求率改善

改善スピードアップ

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要求率 過去10年間推移

1.85

1.88

1.90

1.93

1.95

1.98

2.00

2.03

2.05

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

2008~2013年

-0.105の改善

2003~2008年

-0.029の改善

2008~2013年までの年改善は

0.021/年

*日本チャンキー協会調べ:全国実績調査無鑑別飼育成績より

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日増体 過去10年間推移

54.0

55.0

56.0

57.0

58.0

59.0

60.0

61.0

62.0

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

2008~2013年

4.5gの改善

2003~2008年

1.1gの改善

2008~2013年までの年改善は

0.9g/年

*日本チャンキー協会調べ:全国実績調査無鑑別飼育成績より

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•オキシメーター

•血中飽和酸素

•心拍数

•感受性を低減

•腹水症

•突然死症候群

→斃死率減

出典:Aviagen社

心肺機能向上

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劣悪環境下でも良成績を残せる家系を見つける

抗生物質フリー ぎりぎりの栄養 旧来の鶏舎 光線不足 高収容密度 高温 ぎりぎりの換気 過度のワクチン接種 古床使用 細菌やコクシの攻撃

様々な環境での選抜兄弟試験の環境

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GATGGCTCTTTGGAAGACGATGACTATCATGCCACAACCGAG

GATGGCTCTTTGGAAGATGATGACTATCATGCCACAACCGAG

DNA

遺伝子レベルの情報

表現形レベルの情報種鶏

選抜候補鶏

良好な精度

最高の精度

遺伝的改良の予測

すべての情報の組み合わせ

良好環境ブロイラー

劣悪環境ブロイラー

処理場形質

出典:Aviagen社

最高精度の選抜へ:ゲノム導入

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エビアジェン社の研究開発業界として初めて 1989

歩留の選抜精度を上げるために超音波の応用

1991心肺機能改善のため血中酸素濃度測定用オキシメーター応用

1999 野外環境で成績改善するための家系選抜実施

2004専用技術を用いた生涯FCR検定開始

2005異なる世界市場を目標とした特別の選抜環境導入

2007ブロイラー選抜にコクシ攻撃開始

2012 商業的育種プログラムでゲノム選抜実施

1989非臨床的TD検査にX線技術導入

出典:第97回技術ゼミ Aviagen社の講演より

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(3)餌付け管理

① 温度

② 湿度

③ 給餌&給水

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①温度管理①温度管理温風育雛 スポット育雛

日齢 温度℃*温度℃

ブルーダーの端(A)

ブルーダーの端から2m(B)

餌付時 30 32 293 28 30 276 27 28 259 26 27 2512 25 26 2515 24 25 2418 23 24 24

床面温度は28~30℃を目標に!(触って暖かく感じる程度)

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給水器の水で濡れたヒナ

ヒナA ヒナB

直腸温度を比べると・・・

直腸温度の低下は危険です!

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餌付け時直腸温度の影響

調査羽数 ①餌付け1時間後の平均直腸温度

②餌付け12時間後の平均直腸温度

③餌付け24時間後のクロップフィル調査

A群:35羽 36.2℃ 37.0℃ 7/35(20%)

B群:50羽 41.2℃ 41.3℃ 47/50(94%)

【ヒナの水濡れによる影響調査】調査日 :2014年1月24日対象群 :A群-餌付け後、給水器の水で濡れたヒナ

B群-正常に餌付けされたヒナ調査項目:①餌付け1時間後の平均直腸温度

②餌付け12時間後の平均直腸温度③餌付け24時間後のクロップフィル調査

• 一度直腸温度が下がると、すぐには温度戻らない• このようなヒナは餌食いも悪い• 直腸温度の低下により、卵黄吸収等の代謝機能が低下• よって良いスタートを切る事ができない

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②湿度管理②湿度管理• 相対湿度60~70%(最初の3日間)• 脱水が進んだヒナ、小さいヒナでは特に重要• 順送ファンで舎内空気を撹拌すると、温度と湿度が早く安定する

• 相対湿度60~70%(最初の3日間)• 脱水が進んだヒナ、小さいヒナでは特に重要• 順送ファンで舎内空気を撹拌すると、温度と湿度が早く安定する

50%以下の場合• ヒナの脱水が進む• 気管にダメージ(雑菌の侵入)

→乾燥によるひび割れ→繊毛運動の低下

• 肺にダメージ→酸素と二酸化炭素の交換効率低下

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10

15

20

25

30

35

40

0 5 10 15 20 25 30

乾球温度(C)

日齢

60% RH 40% RH 80% RH

湿度の違いによる、必要となる環境温度(温度を与える為に必要な乾球温度に対する相対湿度の影響)

• 体感温度を意識し、トリを観て判断すること!

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③給餌&給水③給餌&給水入雛前準備

• 敷紙:広い範囲 水平

• 補助給餌器と補助ドリンカー

• 給餌皿にも餌が見える様に準備

入雛前準備

• 敷紙:広い範囲 水平

• 補助給餌器と補助ドリンカー

• 給餌皿にも餌が見える様に準備

• 全てのヒナが直ぐ、餌/水に容易にアクセスできる配置が重要• いかに飲みやすく食べやすい、高さと量にするかも重要• 最初にヒナがついばむ物が餌/水であるべきです

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• 刺激を与えることを意識した餌撒き• 給餌回数で刺激(初日5回給餌等)• ヒナ到着前は多目に(3g以上/羽)• 刺激を与えた後は、採食に専念出来ているか確認• 夜間に餌が切れない様に注意!

給餌方法

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2日齢 そ嚢と腸発育

満腹そ嚢

空のそ嚢

出典:Aviagen社出典:Aviagen社

生理的発育-消化器官(腸)• 腸の最高成長率は3-8日齢、14/15日齢からは遅くなるが、2日齢でも差が見られる

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エサと水量を増やした野外例7日齢体重185g→200gへ改善

Before After

• 初期7日齢まで、エサがヒナに見やすい状態に• 初期数日間は、ニップル先端に水滴を付けて、カップにも水を溜める

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スタータークランブルの長期使用

• 初期の摂取量は少ないため (7日齢で35g程度/羽)、品質とバランスの良い飼料給餌が必要

• 急速な骨の形成(4-18日齢時)と骨の鉱化(4-11日齢)が初期に起こり、同時期に急速な臓器の発育と増体も起こる

• 野外では初期クランブルを800g程度与えることにより、初期体重が大きい鶏群が多い

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(4)光線管理(4)光線管理

8日齢以降:

• 徐々に暗く• 照度は5-10ルクス• 要求率と増体改善が目的

①照度コントロール

餌付け~7日齢:• 影なく均一な明るさ• 目標照度は60ルクス• 食欲立ち上げ促進が目的

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• 目的は、消灯して暗期を作成し、消灯期間前後で採食を促し、休ませる

• 結果的に、無駄なエネルギー活動が減少し、効率の良い要求率と日増体となる

• 突然死/腹水症/骨異常の減少に繋がる可能性も

②消灯管理

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基本的消灯プログラム日齢 点灯時間 暗期時間

0-7 23時間点灯 1

8-出荷3日前

18~20時間点灯 4~6

出荷の最終3日間

23時間点灯 1

注)生鳥2.5Kg以上の場合

注意点:以下の十分な条件で管理すること

給餌スペース 最低45羽/パン

給水スペース 125羽/ラウンド、9-12羽/ニップル

消灯 タイマーで毎回同じ時刻に消灯

配餌 鶏舎奥まで短時間配餌と、餌詰まりトラブルが少ない

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消灯プログラムの応用例と注意点

野外例:35日齢適切な管理では騒がない

16:0017:0018:0019:0020:0021:0022:0023:00 0:00 1:00 2:00 3:00 4:00 5:00 6:00 7:00

2時間消灯

• 2~3時間を1ブロックとする• 冬季には最も舎内温度の低下する午前3時以降は消灯しない• 夏季は夜間に昼間の採食を補ってもらう為、合計4時間暗期に留める

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まとめ

育種改良スピードは上がっている

性能発揮の為には初期管理が重要

消灯管理は大きな可能性あり