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2013年3月 北海道 (受託者 公益財団法人 北海道科学技術総合振興センター 一般財団法人 旭川産業創造プラザ) 平成24年度 「食用かぼちゃの地域ブランド化基盤形成事業」 報告書

「食用かぼちゃの地域ブランド化基盤形成 ... · ・ペポカボチャ種子について下記の規格を提案する。 色:濃緑色、100 粒重:15g以上、水

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2013年3月

北海道

(受託者 公益財団法人 北海道科学技術総合振興センター 一般財団法人 旭川産業創造プラザ)

平成24年度

「食用かぼちゃの地域ブランド化基盤形成事業」

報告書

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目 次

Ⅰ 事業の概要

1 目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

2 事業全体の流れと実施概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

Ⅱ 事業の実施内容

1 需要ニーズ調査及び課題抽出、設定価格の検討 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6

2 種子の品質基準(規格)の検討 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11

3 ペポカボチャを活用した試作品の開発 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20

4 流通形態の検討 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21

5 ペポカボチャ・プロジェクトプロモーションの実施 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25

Ⅲ 終わりに

1 来年度以降の推進体制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28

2 事業を振り返って ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29

参考資料

(1) アンケート調査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30

(2)ヒアリング調査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 47

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(3)規格書 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 61

(4)レシピ集 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 62

(5)パネル ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 76

(6)チラシ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 77

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Ⅰ 事業の概要

1 目的

「食クラスターかみかわ・ペポカボチャ・プロジェクト」では、生産者や試験研究機関、行政等

が連携して、種子に硬い皮が無く従来種より格段に収量の多い食用かぼちゃ(ペポカボチャ)の

安定生産や品質確保、機能性成分の研究等に取り組んでいるところであり、専門的な知見・ノウ

ハウを有する機関において、食用カボチャ(種子・実)の特性を活かした試作品の開発、需要ニー

ズの把握等や課題を整理するとともに、売るための仕組みづくりを検討することで、地域ブランド

化の推進、さらには、プロジェクトの加速・発展・拡大につなげる。

2 事業全体の流れと実施概要

●需要ニーズ、設定価格

需要ニーズ調査として、製菓業者、健康食品業者、ホテルなどを対象としたアンケートとヒアリ

ング調査を実施し、課題を抽出した。

中国産カボチャ種子との置き換えによる販路開拓を目指す場合、業者のニーズは安全性が高

く、品質の良い国産(北海道産)品を求めているが、原料コストへの配慮から 2つに大別される。

① 商品の原料コストを抑えるため、安価な中国産種子しか使えない事業者。

② 種子の原料コストが多少高くても、利益が出る商材(菓子のトッピング、高級菓子など)を

扱っている事業者。

北海道産ペポカボチャの設定価格は、中国産を上回ることは必至であることから、当面は後者

を販売ターゲットとすることになる。しかし、中長期的には、中国産の現地相場の上昇、あるいは

円安の進行により、前者においても価格競争力が生まれる可能性もある。

中国産種子を用いた既存商品の単なる置き換えに止まらず、商品開発をおこなうことで販路

開拓の可能性が広がる。ペポカボチャ種子は、中国産にくらべ大きく、緑色が濃いため、新たな

商品開発を要する場合がある。販路の拡大には、種子を販売する事業者が、試作品を用いてメ

ニュー・用途提案を積極的に行い、購入事業者の商品開発のアイデアを誘起する努力が大切で

ある。合わせて、北海道産を印象付ける商品名やパッケージデザインを工夫し、購買意欲を刺

激することにより販路は開けると予想する。

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以下に本事業での得られた調査結果をもとに、今後の事業展開の方向性について提言する。

・中国産カボチャ種子を主とする商品(おつまみなど)において、置き換えをねらった参入には、

生産者や販売者のコスト削減が必要となる。

北海道産ペポカボチャ種子のブランド化が達成できたとしても、中国産種子(1,000 円/kg

程度)との価格差が大きければ、購入事業者としては商品の原料コストを引き上げることに

なり、置き換えを躊躇する。少なくとも、アンケート調査で得られた希望購入価格の下限

1,500円/kgに近づけるようコスト意識をもって事業を進める必要がある。

・配合率が低い商品(御菓子のトッピングなど)、ならびに高級ブランド商品を扱う事業者には、優

先的に販売ターゲットとしてあたっていくことが効果的である。

配合率が低い商品は、原料コストに占める種子の比率が低いため、中国産より高価でも

よい。百貨店向けの高級品や北海道産ブランドを扱う事業者は、多少高くても安心安全な

北海道産を優先的に購入する。ただし、アンケート調査結果に見られるように、上限価格は、

2,500 円/kg である。また、上記のような商品は、需要として大きくない。需要を拡大していく

には、後述の通り、メニューや用途提案により、料理などにも使用されていくような活動が必

要となる。

・北海道(和寒町)産であることをアピールポイントとした販売手法は有効である。

ペポカボチャに関心をもつ理由、あるいは使用する際に重視する点は、国産(北海道産)

である。中国産種子の安全性と品質への懐疑心が背景としてあり、国産(北海道産)を欲して

いる。国産(北海道産)は、他の作物と同様に安心安全という潜在イメージが影響しているよ

うである。

・ナッツ類との置き換えで参入チャンスがある。

需要ニーズ調査では、ペポカボチャ種子をナッツ類の代替品として検討したいとの回答

が多い。特に、カボチャ種子は、種実類には珍しい緑色食材であり、アピールポイントとなる。

緑色の種実類は、他にグリーンピスタチオくらいであり、置き換えをねらった販売促進活動

が有効と考えられる。さらに、本事業において示した、カボチャ種子がもつミネラル・アミノ酸

の豊富さを差別化ポイントとして提案できる。ナッツ類を扱う製菓業者や商品の色彩を重視

するレストランなどに販路が広がっている。

・販路拡大には、メニューと用途の提案が大切である。

ペポカボチャ種子は、中国産よりサイズが大きく、緑色が濃いため、中国産種子との単な

る置き換えには適さず、新商品の開発が必要となる場合がある。また、ペポカボチャは日本

人の食生活に根ざしておらず、需要を開拓しきれていない。販路拡大にあたっては、試作

品を用いて、売り先に商品開発のアイデアを提案することが大切となる。

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・小口購入者への販売は、卸売業者を通す方がよい。大口購入者とは、直接契約するのが望ま

しい。

ペポカボチャ種子で想定される購入者は、小口が多い。小口出荷の作業負担と労賃や

運賃を考えると、卸売業者を通す方が適している。一方、大口購入者とは直接契約により、

利益率を高める方が望ましい。

ヒアリング調査では、上川地域を中心とした製菓業者と製菓食材を扱う卸売業者には、ペ

ポカボチャ種子に関心を抱いているケースが多い。また、既にカボチャ種子を扱っている事

業者が多く、種子に対する理解はもとより、流通や製造方法に関するノウハウを有している。

まずは、上川地域で生産から商品化までをおこなう地産地消の形でブランド化を目指して

はいかがだろうか。

・種子抽出物などを健康食品として販売するには、効果・効能の科学的証明が必要である。

健康食品用途として販売することは、付加価値を高める最も効率的な方法である。排尿ト

ラブルに関係する健康食品素材は、主に(ペポ)カボチャ種子とノコギリヤシの比較的ニッチ

な市場であり、新規参入の機会は十分にある。ただし、参入条件として臨床試験など効果・

効能の科学的証明を要求されることが多いため、研究機関との共同により、まずは証明の取

得を優先すべきである。

科学的証明の時間と費用を抑えるためには、北海道フード・コンプレックス国際戦略総合

特区の食品機能性表示制度を利用する、あるいは証明まで実施してくれる売り先を見つけ

ることなどが考えられる。

健康食品業界には守秘義務の傾向が強いため、本事業の調査では種子抽出物の需要

の大きさや卸価格について、十分な情報を得られなかった。参考として、ヨーロッパからの

輸入価格は、乾燥エキスが 6ユーロ(約 700円)/kg、油は 3,600円/kgである。消費者へ販

小売価格は、1,680円/278 g程度(種子換算で、2,100~2,400円/kg)である。多くは安価な

原材料を優先して使用する意向だが、国産(北海道産)の安全性と品質の安定性に対する

ニーズも存在する。販売促進にあたっては、多くの事業者に提案し、ニーズを発掘すること

が大切である。

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●品質基準(規格)

・ペポカボチャ種子について下記の規格を提案する。

色:濃緑色、100粒重:15g以上、水分:9%以下、未熟粒・被害粒:5%以下

なお、本規格では、成熟種子のほとんどが規格内となる。

・油臭の指標と重金属類は適正であった。

ペポカボチャ種子の規格分析の結果、油臭の指標となる酸価と過酸化物価は規準に適

合するレベルであった。また、食品衛生上問題となる重金属類は検出されなかった。

・加熱処理後に摂取するのが望ましい。

微生物数は高めであったため、調理時の加熱を十分におこなうことが望ましい。

・ペポカボチャは、ミネラルとアミノ酸が豊富である。

ペポカボチャおよび中国産種子は、他のナッツ類よりもミネラルとアミノ酸が豊富である。

ナッツ類との置き換え需要を目指す際、差別化できる点となる。

●試作品

・事業者の協力を得て 16品を試作開発した。

・試作品のレシピ集を作成し、メニュー・用途の提案をおこなった。

・ロワジールホテル旭川のペポカボチャ・ジュース(果肉使用)は、食クラ・フェスタでの試飲による

関係者からの高評価を背景に商品化を決定している。

●流通形態

・採種を担当する事業者により、4通りの案を提唱する。

事業当初は、既存の企業主体と農家主体の 2 つの案が平行する。作業分担と処理量の

割り当てを綿密に取り決めることが大切と考える。

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●ペポカボチャ・プロジェクトのプロモーション

・下記 2回のプロモーションを実施した。 ① 産業クラスター事業化支援プロジェクトフォーラム

(京王プラザホテル札幌、平成 25年 1月 30日)

② 食クラ・フェスタ(札幌パークホテル、平成 25年 2月 15日)

・試作品の展示は有効であった。

試作品を多く展示したことにより、ペポカボチャを知らない来場者の興味を引くことができ、

施策紹介および用途提案を効果的に実施できた。特に、試食をおこなった試作品は、食味

に関する来場者の評価も得られ普及啓発効果に加えて、商品化に向けた消費者としての

意見を得ることができた。

・展示会等におけるプロモーションの継続が望ましい。

スーパーマーケットトレードショー(東京ビックサイト、平成25年2月13~15日)において、

株式会社わっさむファクトリーが実施した、ペポカボチャ種子と果肉およびワタの試作品の

出展にあわせ、協力支援をおこなった。国内においては類似商品がないことや北海道産と

いうブランド力で多くのバイヤー等の興味を引いたことから、全国展開に向けては北海道ど

さんこプラザ有楽町店など首都圏でのプロモーションを継続的におこなうのが望ましい。

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Ⅱ 事業の実施内容

1 需要ニーズ調査及び課題抽出、設定価格の検討

(1)概要

・現在国内に流通するカボチャ種子は、ほとんど中国産である。 ・中国からの輸入商社は、1社がきわだつ寡占状態である。 ・輸入、流通をへて卸売業者から国内製菓業者等への販売価格は 1,000円/kg程度である。

・中国産の輸入量は 210 ㌧強で、輸入額としては 1 億円程度、卸売業者の販売額として 2 億円

程度の市場と予想される。

・種子を主とする商品を製造・販売する事業者は、中国産と同等価格(1,000 円/kg 程度)でなけ

れば購入しない。

・種子の配合率が低い商品と高級品を製造・販売する事業者、あるいは国内産で品質と安全性

を求める事業者は、中国産より高価でも購入する。ただし、上限は 2,500円/kgである。

・健康食品向けの種子抽出物は、ヨーロッパからの輸入品が主である。

・輸入商社の国内販売先は、通信販売会社と加工メーカーに大別される。

(2)目的

カボチャ種子を取り扱う大手商社、製菓業者、および健康食品業者などへのアンケートとヒアリ

ング調査により、市場の動向を把握すると共に、生産や流通における現状の課題を抽出する。

(3)アンケートとヒアリング調査による需要ニーズ動向の把握

需要ニーズ調査として、製菓業者、健康食品業者、ホテルなどを対象としたアンケートとヒアリ

ング調査を実施した(「参考資料」参照)。

アンケート調査結果では、6 割がペポカボチャを既に扱っているか、関心を示した。ペポカボ

チャが市場に流通していないこと考慮すると、高い関心度である。しかし、関心の高さが、必ずし

も種子の価格の高さには直結しないことも明らかとなった。主要な要因は、比較的安価に流通し

ている中国産種子(1,000 円/kg 程)にある。ヒアリング調査では、種子を主とする商品(おつまみ

など)でペポカボチャに置き換える際、中国産より高価なら商品の原料コストを押し上げ、現実的

には使用できないとの意見が多くあった。一方、商品への配合率が低い商品(菓子のトッピング

など)と高級ブランド品は、中国産より高価でも検討対象となるとの意見があった。アンケート調査

では、希望購入価格として 1,500 円~2,500 円/kgが 6 割近くを占めた。したがって、北海道(和

寒町)産のペポカボチャ種子が、中国産と同じ俎上で評価されるためには、上限 2,500 円/kgを

目標に、生産と加工体制の効率化をはかることが肝要である。

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ペポカボチャに関心をもつ理由は、国産(北海道産)であることが最多で回答者の 8 割を占め

た。また、使用する際に重視する点も、産地(国産)が最多の 5 割を占めた。ヒアリング調査から

は、中国産種子の安全性に漠然とではあるが疑念を抱いていたり、品質が予告なく変更され困

惑した経験から、国産(北海道産)を欲していることがうかがい知れた。したがって、北海道(和寒

町)産であることをアピールポイントとした販売手法は有効であり、中国産との差別化をはかる上

でも重要と考える。

品質規準(規格)として重視している点は、食味、品質(加工適正)、色などであった。特に、色

については、緑色を呈する種実類がカボチャ種子とグリーンピスタチオくらいであり、菓子の彩り

として重視されることが多い。また、アンケート結果では、ナッツ類の代替品として検討したいとの

意向が 4 割近くを占める。したがって、中国産カボチャ種子との置き換えだけではなく、ナッツ類

を扱う製菓業者、さらに商品の色彩を重視するレストランなどに販路は拡大できるものと予想す

る。

中国産種子の用途としては、焼き菓子を主とした製菓・製パン原料、健康食品向けの搾油原

料である。ペポカボチャ種子についても、想定される使用法は同様であるが、中国産よりもサイズ

が大きく、緑色が濃いため、既存商品において単に中国産と置き換えるには適さないケースもあ

る(写真参照)。したがって、ペポカボチャの販路拡大にあたっては、購入者が新たな商品開発

のアイデアを得られるよう、試作品やレシピ集を用いて用途提案することも重要となる。

中国産種子の流通経路は、商社により輸入され、卸売業者を通して販売されている。ペポカ

ボチャ種子で想定される年間使用量は、調査対象の 4割が 100 kg未満、1割が 100 kg以上と

小口が多い。種子の加工業者が小口取引きする際の作業負担、労賃、運賃、販売促進費用は、

大きいと予想される。したがって、当面の流通は、中国産種子と同様、卸売業者を通す方が賢明

と考える。ただし、大口購入者との直接契約、あるいは直売店での販売などにより、中間マージ

ンを減らす努力も平行して実施すべきである。利益率を高めることができる、あるいは単価を下

げることができ、結果として、設備投資など生産体制の拡充や販路拡大が見込める。

種子油などの抽出物を健康食品として販売することは、付加価値を高める最も効率的な方法で

ある。ペポカボチャ種子の摂取と排尿トラブルの抑制については、しばしばマスコミ等で紹介され

ているが、ヒアリング調査では比較的ニッチな市場であることがうかがえた。これは新規参入の機

会が十分にあることを示している。一方、参入条件として臨床試験など効果・効能の科学的証明

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が必要となることも明らかとなった。

国内で流通する健康食品向け抽出物は、ヨーロッパからの輸入品が占める。健康食品業者に

は、国内産種子を使用したいとのニーズはあるものの、ヨーロッパ産は医薬品原料となっている

品種を原料としたり、国内業者が独自に臨床試験を実施しているなど、科学的証明を既に付帯

しており、すぐに置き換えできるものではない。したがって、北海道(和寒町)産を健康食品用途

として展開するには、試験研究機関と共同で科学的証明を得ることが第一歩となる。さらに、消費

拡大のためには、効果・効能についての啓蒙活動を合法的に行い、認知される努力も必要とな

る。

科学的証明の時間と費用を抑えるためには、北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区

の食品機能性表示制度を利用する、あるいは証明まで実施してくれる売り先を見つけるなどの方

法が考えられる。

一方、種子油を単に食用油として販売する際は、科学的証明の付帯は必要ないが、国内にお

ける用途は限られており嗜好品の域を出ない。要因は、日本人の食生活に根ざした食素材では

ないことにある。例えばゴマ油のように、日本人が好む料理に多用される素材であれば、販路は

自ずと開ける。したがって、カボチャ種子油の風味ならびに緑色の色彩を活かし、日本人が好む

メニューや用途の提案が大切となる。ちなみに後述する試作品開発では、種子を使ったジェノベ

ーゼ風ソースを、ローストビーフとサラダに用いている。種子油においても、このような用途提案

が販路を作る上で大切となる。

(4)流通経路と販売価格

(ⅰ)製菓・製パン業界における種子の流通状況

調査した限りでは、現在国内に流通するカボチャ種子は、全て中国産であった。以前はメキシ

コ産もあったとのヒアリング情報もあったが、調査対象とした事業者では扱いがなかった。調査か

ら判明した輸入商社は 3 社で、寡占状態と思われる(図参照)。カボチャ種子のみの輸入統計は

存在しないが、輸入商社から得た情報では、1 社が輸入の 9 割を占めると思われる(不確定情

報)。流通経路は、主に 2 通りあり、①輸入商社が卸売りを兼ねている場合、②輸入商社から卸

売業者に売り渡される場合で、各経路から、製菓・製パン業者に販売されている。3 社以上を経

由するケースはなく、比較的シンプルな流通経路である。北海道内では、取扱量が突出した業

者はなく、商社と地域の卸売業者によりシェアが分担されているようである。

製菓・製パン業者が購入する際の単価は、800~1,000 円/kg である。ヒアリング調査において、

輸入商社の輸入単価は 500 円台/kg、商社から卸売業者へは 800~900 円/kg 程度との結果を

鑑みると、流通過程で 3割程度の中間マージンが生じていると推察される。

中国産の輸入量は、シェア 1位の商社で 210㌧/年であった。輸入額として 1~1.2億円/年

(500~600 円/kg×210 ㌧/年)、販売額として 1.7~1.9 億円/年(800~900 円/kg×210 ㌧/年)

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と推測される。なお、輸入はUSドル建てにて決済され、ヒアリング時(平成 24年 10月)の為替は

1 ドル 79 円ほどであった。平成 25 年 3 月に追加ヒアリングを実施した際は、輸入単価が 25%上

昇(625~749 円/kg)しており、原因は円安と現地相場の値上がりによるものであった。現地相場

の値上がりは、天候不順や利益率の高い農作物への転作による減産が原因である。特に後者

は、経済発展の著しい中国では今後も増えると予想され、輸入単価は上昇する可能性が高い。

結果的に、国産(北海道産)種子との価格差が小さくなり、販路が開けるチャンスは大きい。

<輸入量推定の試み>

カボチャ種子は統計品目「採油用の種及び果実、各種の種及び果実、工業用又は医薬用の

植物並びにわら及び飼料用植物」の「その他のもの」(統計番号 1212.99.990)に含まれ、他の生

産品と一緒にされている。正確な輸入数量は、分からないのが現状である。

カボチャ種子は平成21年3月の改正により、現在の統計番号に組み入れられたため、改正前

後の月、並びに前後 1年間の輸入量の比較により、カボチャ種子単体の輸入量の推定を試みた。

結果は、前後の月で 560㌧増、前後 1年間で 27㌧増となった。2者に矛盾がある事、前後 1年

間の増加量がシェア 1位の商社の輸入量 210㌧/年を下回っていることから、推定は成立しなか

った。したがって、カボチャ種子の輸入量は、現在の統計番号全体の数量約6千㌧/年において、

メインとなる数量ではないことが推定される。

製菓・製パン業界における種子の流通経路

産地 商社 卸売業者 製菓・製パン業者

D社(旭川市) 1,000円/kg

1.2t/年 →

800円台/kg 1,100円位/kg

→ →

900円弱/kg F社(旭川市)

→ 0.8~0.9t/年

850円/kg(選別)

600円/kg(無選別)

H社(函館市)0.2t/年

→ I社(北見市)↘

820円/kg

→ L社(札幌市)

1,000円/kg

道内一円

500円台/kg

E社(旭川市)

中国(雲南省、貴州省) C社(兵庫県)

B社(東京都)

K社(八戸市) N社(札幌市)→

道北地域

J社(札幌市)

稚内、岩見沢、北見、広尾など

札幌と近郊市町

G社(旭川市)1.5t/年

道内10件→

M社(札幌市)

中国(吉林省、雲南省)

中国

A社(東京都)210t/年

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(ⅱ)健康食品業界における種子抽出物の流通状況

健康食品業界は秘密保持性が強く、アンケートやヒアリング調査では十分な情報を収集できな

かった。よって、得られた範囲での流通状況を述べる。

健康食品向けの種子抽出物は、ヨーロッパから輸入されており、商社は主に 3 社である(図参

照)。商社の販売先は、通信販売会社と加工メーカーに大別される。ただし、通信販売会社が加

工メーカーへ外部委託して製造しているケースもあり、流通経路は多少複雑と推測される。

種子油は、通信販売により消費者へ販売される額が 1,680円/278 g(種子に換算して、2,100~

2,400円/kg)である。輸入商社へのヒアリング調査では、輸入単価がオリーブオイルの3倍程度と

の情報があり、3,600 円/kg 程度と推測される。一方、乾燥エキスの輸入価格は、6 ユーロ/kg で

ある(約 624円/kg程度、ヒアリング時の為替 1ユーロ=104円として算出)。

健康食品業界における種子抽出物の流通経路

原料メーカー 商社 健康食品業者等

→ G社(関東圏)

→ H社(関東圏)

カプセルメーカーI社(中部圏)J社(中部圏)

油脂取扱い会社K社(関東圏)L社(中部圏)M社(中部圏)

1,680円/300mL ネット直販→ 消費者

F社(関東圏)1t/年(油)

健康食品メーカー、加工メーカー、専門ディーラー(商社)等

B社(ドイツ)E社(中部圏)

1t/年(油)

3,600円/kg程度

C社(イタリア) →

A社(スイス)D社(関東圏)

数百㌧/年(乾燥エキス)6ユーロ/kg程度

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2 種子の品質基準(規格)の検討

(1)概要

成熟粒を規格品とし、等級は設けない事とする。未熟粒と被害粒は規格外とする。その他の規

格はについては下記を提案する。本規格では、成熟種子のほとんどが規格内になると予想され

る。

色:濃緑色、100粒重:15g以上、水分:9%以下、未熟粒・被害粒:5%以下

(2)目的

種子の色、重さ、水分などは、土壌環境、栽培方法、加工方法などの違いにより、生産者間や

産地間での差異を生じる。品質基準(規格)を設けることにより、品質の安定した製品とし、ブラン

ド化の基盤とする。

(3)品質規準(規格)の策定

上川農業試験場の栽培試験結果、既存中国産種子の規格、ヒアリング調査を基盤とし、加工・

販売者(株式会社わっさむファクトリー)、和寒町農業活性化センター、北ひびき農業協同組合、

生産者、北海道農業研究センターとの協議、ならびにノーステック財団アドバイザーの意見・提

案を踏まえ、規格を策定した。

ネット検索および商社の規格書により、中国産カボチャ種子の規格について調査し、規格策

定の参考とした(図参照)。概して、規格の項目数は少なく、数値も極端に厳格なものはない。ま

た、食品衛生上問題となる微生物数の規格はない。ヒアリング調査においても、焼き菓子などは

加熱するので、微生物数は気にしていないケースが多い。

ペポカボチャの品質基準(規格)としては、このうち最低限必要な水分と未熟粒・被害粒につ

いてのみ策定した。将来的には、生産技術の向上に合わせて、他の項目を付加していくのが好

ましい。

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中国産カボチャ種子の規格値

―:引用元に表記なし

引用元

商品 A:http://japanese.alibaba.com/product-gs/shine-skin-pumpkin-seeds-kernel-grade-a-aa-aaa-2012-crop-256379902.html

商品 B:http://www.jetro.go.jp/ttpp/JAN.CR07_JAN?id=1132783

商品C:http://www.driedfruits.com.cn/Pumpkin/Pumpkin-Kernels.html

商品 D:http://www.driedfruits.com.cn/Pumpkin/Pumpkin-Seeds.html

商品 E:http://www.alibaba.co.jp/pdetail-gs/513057303.htm

商品 F:商社から入手した規格書

ペポカボチャ種子の規格を、下図の通り提唱する。本規格は、加工業者や農業協同組合が他

社に販売する際に適用する。ペポカボチャは、種子の色と粒の大きさにより中国産とは差別化で

きることから、中国産規格にはない、色形質と 100粒重を規格として設けた。

ペポカボチャ種子の規格

a) 色:標準として色見本を設ける

b) 被害粒:損傷を受けた粒(割れ、欠け、種皮はがれ、出芽など)

(ⅰ)色

規格品を濃緑色とする。標準として色見本を設ける(例:■)。

◇根拠

菓子業者がカボチャ種子を使用する理由の一つは緑色食材にあることから、色の規格を

設ける。色見本を標準として、選別者と選別時期での差異を少なくする。色見本は、規格品

の種子、あるいは市販の色見本帳、簡易的にはプリンターを用いたカラー印刷物を用いる。

商品 等級

Grade

サイズ

Size

純度

Purity

水分

Moisture

破砕粒

Broken

Kernels

異物・

夾雑物

Admixture

未熟粒率 酸価 過酸化

物価

A ― ― 99.9%以上 7.5%以下 5%以下 ― ― ― ―

B A, AA ― 99.95%以上 8%以下 7%以下 ― ― ― ―

C A, AA ― 99.95%以上 6%以下 3%以下 ― ― ― ―

D ―

10.5mm, 11mm, 12

mm, 13 mm,

14 mm, 15 mm

― 9%以下 ― 0.5%以下 ― ― ―

E ― 9 mm-13 mm 9%以下 0.5%以下 3%以下 ― ―

F ― ― ― ― ― ― ― 3.0以下 30.0以下

項目

形質 最低限度 最高限度

色 a) 100粒重 (g) 水分 (%) 未熟粒・被害粒 b) (%)

規格品 濃緑 15 9 5

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(ⅱ)100粒重※

※種子 100粒当たりの重量を示す。重量当たりの粒数を知ることができる。また、粒の大きさと

重量は、ほぼ比例関係にあることから、粒の大小を表現する際にも用いられる。

種子の大きさ、ならびに重量当たりの粒数の指標として、100粒重を用いる。規格品の最低

限度を 15 g(15 g以上)とする。尚、当規格では、成熟種子のほとんどが規格品になると考え

られる。

◇根拠

菓子業者によっては、種子の大きさと製品中の粒数を重視するため、規格として 100粒

重を設ける。平成 24年度の収量調査結果※では、正常種子(成熟種子)の 100粒重は、平

均 19.2 g(最低 14.7 g~最高 22.5 gの試験区間差)であった。したがって、最低値を参考に

し、最低限度 15 gを規格とする。

※上川農業試験場、和寒町農業活性化センター:「道北地域における食用かぼちゃ種子

の安定生産体制の確立」中間検討会資料 2ページ、平成 24年 12月 4日

(ⅲ)水分

規格品の水分を最高限度 9%(9%以下)とする。

◇根拠

上川農業試験場にて栽培・収穫したペポカボチャ種子の水分は 5.8%である※。また、中

国産種子の規格は 6~9%の範囲内である。中国産種子の規格に準じ、最高限度 9%を提

唱する。

※藤女子大学:「道北地域における食用かぼちゃ種子の安定生産体制の確立」中間検

討会資料 8ページ、平成 24年 12月 4日

(ⅳ)未熟粒・被害粒

規格品の未熟粒・被害粒率を最高限度 5%(5%以下)とする。

◇根拠

菓子のデコレーション用途に使用する場合、外観、風味、食感の良さを求められるた

め、未熟粒・被害粒は敬遠される。また、未熟粒・被害粒が 5%より多く混入すると、色の

規格から外れる。つまり、未熟粒は薄緑色を呈し、被害粒は種子の損傷により内部の乳

白色が露出し、全体像が薄緑色となる。

尚、平成23年度収量調査結果(上川農業試験場:未公表データ)では、下記の通りで

あった。未熟粒・被害粒率 6.1%であり、規格の 5%は達成可能な数値である。

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未熟粒・被害粒率 6.1%

未熟粒率 3.5%

被害粒率 2.6%(割れ・欠け率 0.2% + 出芽率 0.9% + 種皮はがれ率 0.5%

+ その他の被害粒率 1.0%)

本事業では、加工業者や農業協同組合が、農家から果実を買い取る際の品質基準(規格)に

ついても検討したが、栽培試験データの不足から結論に至らなかった。検討の概要を下記に述

べる。

重い果実が良品の種子を含むとは限らないので、規準作りが必要である(例えば、ビートでは

糖度が規準)。今後、果実の規格(果皮の色、開花後日数など)と種子の品質の関係を調べ、果

実を割らずとも種子の品質を予想できる規準作りを目指すべきである。当面は、生産者と加工業

者との信頼関係により、果実の重量単位で購入するのがよいであろう。

(4)品質基準(規格)づくりのための基盤

将来、種子の品質基準(規格)を厳格化する際の基盤データとして、食品衛生上問題となる細

菌類と重金属類の検査、油臭の原因となる酸化度合いの検査、文部科学省が定める日本食品

標準成分表に準拠した栄養成分の分析を実施した。本事業では品質基準(規格)として定めるも

のではないが、現段階では、種子の安全性、食味、栄養価を担保する際の基準として用いること

ができる。つまり、基準外の粗悪品の流通を防ぐ目的には、有効と考える。

果実(果肉)においては、商品化の際に最低限必要となる基礎成分の分析を実施した。

(ⅰ)種子の成分分析

ペポカボチャ種子の規格分析の結果(図参照)、油臭の指標となる酸価(0.38)と過酸化物価

(8.8)は、中国産種子の規格値(各々3.0 以下、30.0 以下)の範囲内であった。また、食品衛生上

問題となる重金属類は検出されなかった。

一方、微生物については一般細菌数が 1.1×106/g と比較的多く、大腸菌群(大腸菌あるいは

大腸菌に性質の似た菌)は陽性であった。この結果からは必ずしも不衛生とはいえないが、少なく

とも調理時に加熱することが望ましい。さらに加工工程の改善により菌数を少なく抑える努力、製

品ロットごとの大腸菌検査をおこなうことが望ましい。なお、種子には消化酵素を阻害するたんぱく

質が含まれており、それを変性させ無害にする上でも加熱は必要である。

栄養分析の結果、産地間(和寒町と比布町)の基礎成分に大差はなかったことから、産地間の品

質基準(規格)に差異を設ける必要はないと考えられる。ペポカボチャと中国産カボチャの栄養成

分に大きな差はみられなかった。ビタミン類は全般にペポカボチャで高い傾向にあるが、中国産種

子は焙煎処理されており、加熱によるビタミンの熱分解が考えられる。

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両カボチャ種子は他のナッツ類に比べ、ミネラルとアミノ酸が豊富であった。図では(ペポ)カボ

チャ種子に最も多い成分を、黄色で記した。亜鉛は不足すると、味覚障害や肌荒れ、脱毛、発育不

良などを引き起こす。また、鉄不足は貧血を招くうえ、筋力低下の原因にもなる。アミノ酸は主に骨

や血液、筋肉や髪などを構成するために必要となるタンパク質成分である。特に体内で生成するこ

とができない9種類のアミノ酸(イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオ

ニン、トリプトファン、バリン、ヒスチジン)は「必須アミノ酸」と呼ばれ、食餌にによる摂取が必要不可

欠な重要栄養素である。これらの栄養素を豊富に含むことをアピールポイントとして、他のナッツ類

との差別化をはかることは、販路拡大に有効と考えられる。

(ⅱ)果実(果肉)の成分分析

ペポカボチャ果実(果肉)の基礎成分を分析し、結果を他のカボチャと比較した(図参照)。西洋

カボチャと日本カボチャに比べ、水分含量は多く、その他の成分は少ないことが分かった。全体的

な成分含量は、そうめんカボチャとよく類似していた。

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ペポカボチャ種子とナッツ類の栄養成分比較

kcal

ペポカボチャ種、乾(和寒町)a) 554 5.8 28.7 48.5 11.9 5.1

ペポカボチャ種、乾(比布町)a) 577 5.8 30.2 44.5 14.0 5.5

かぼちゃ種、煎り、塩味(中国産)b) 574 4.5 26.5 51.8 12.0 5.2

かぼちゃ種、乾(中国産)c) 541 6.9 24.5 45.9 17.8 4.9

アーモンド、乾b) 598 4.6 18.6 54.2 19.7 2.9

くるみ、煎りb) 674 3.1 14.6 68.8 11.7 1.8

ピスタチオ、煎り、塩味b) 615 2.2 17.4 56.1 20.9 3.4

ピーナッツ、乾b) 562 6.0 25.4 47.5 18.8 2.3

 ―:未測定

 a)財団法人日本食品分析センターにて分析

 b)日本食品標準成分表より引用

 c)商品規格書より引用

ペポカボチャ種、乾燥(和寒町)a) 0 918 46 537 1220 7.6 9.3

ペポカボチャ種、乾燥(比布町)a) ― ― ― ― ― 9.3 9.5

かぼちゃ種、煎り、塩味(中国産)b) 47 840 44 530 1100 6.5 7.7

かぼちゃ種、乾(中国産)c) 18 ― ― ― ― ― ―

アーモンド、乾b) 4 770 230 310 500 4.7 4.0

くるみ、煎りb) 4 540 85 150 280 2.6 2.6

ピスタチオ、煎り、塩味b) 270 970 120 120 440 3.0 2.5

ピーナッツ、乾b) 2 740 50 170 380 1.6 2.3

ペポカボチャ種、乾燥(和寒町)a) 1.41 4.69 0 0 0 0

ペポカボチャ種、乾燥(比布町)a) ― ― ― 0 ― ―

かぼちゃ種、煎り、塩味(中国産)b) 1.26 4.39 0 5 13 42

かぼちゃ種、乾(中国産)c) ― ― ― ― ― ―

アーモンド、乾b) 1.35 2.63 ― ― ― ―

くるみ、煎りb) 1.21 3.44 ― ― ― ―

ピスタチオ、煎り、塩味b) 1.15 ― ― ― ― ―

ピーナッツ、乾b) 0.59 1.56 1 20 4 88

食品名

可食部100g当たり

可食部100g当たり

食品名

亜鉛

可食部100g当たり

無機質

無機質

(・・・・mg・・・・)

(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・mg・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

銅マンガ

ンヨウ素 セレン クロム

モリブデン

(・・・・・・・・・・・μ g・・・・・・・・・・・)

食品名 ナトリウム

カリウム

エネルギー

水分たんぱ

く質脂質

炭水化物

灰分

(・・・・・・・・・・・・・・・g・・・・・・・・・・・・・・・)

カルシウム

マグネシウム

リン 鉄

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ペポカボチャ種子とナッツ類の栄養成分比較

α β

ペポカボチャ種、乾燥(和寒町)a) 35 608 0 626 52 0

ペポカボチャ種、乾燥(比布町)a) ― ― ― ― ― ―

かぼちゃ種、煎り、塩味(中国産)b) ― ― ― 43 4 0

かぼちゃ種、乾(中国産)c) ― ― ― ― ― ―

アーモンド、乾b) ― ― ― 8 1 0

くるみ、煎りb) ― ― ― 23 2 0

ピスタチオ、煎り、塩味b) 0 120 0 120 10 0

ピーナッツ、乾b) ― ― ― 6 1 0

 ―:未測定

 a)財団法人日本食品分析センターにて分析

 b)日本食品標準成分表より引用

 c)商品規格書より引用

α β γ δ

μ g

ペポカボチャ種、乾燥(和寒町)a) 4.0 0.3 20.8 0.3 11 0.62 0.16 4.7 0.22

ペポカボチャ種、乾燥(比布町)a) ― ― ― ― ― ― ― ― ―

かぼちゃ種、煎り、塩味(中国産)b) 0.6 0.1 15.1 0.5 2 0.21 0.19 4.4 0.16

かぼちゃ種、乾(中国産)c) ― ― ― ― ― ― ― ― ―

アーモンド、乾b) 31.0 0.4 0.7 0.0 0 0.24 0.92 3.5 0.10

くるみ、煎りb) 1.2 0.1 23.6 2.6 7 0.26 0.15 1.0 0.49

ピスタチオ、煎り、塩味b) 1.4 0 25.5 0.6 29 0.43 0.24 1.0 1.22

ピーナッツ、乾b) 10.1 0.4 6.0 0.3 0 0.85 0.10 17.0 0.46

mg μ g mg

ペポカボチャ種、乾燥(和寒町)a) 0 130 0.59 15.5 1

ペポカボチャ種、乾燥(比布町)a) ― ― ― ― ―

かぼちゃ種、煎り、塩味(中国産)b) 0 79 0.65 12.9 0

かぼちゃ種、乾(中国産)c) ― ― ― ― ―

アーモンド、乾b) 0 63 0.66 ― 0

くるみ、煎りb) 0 91 0.67 ― 0

ピスタチオ、煎り、塩味b) 0 59 1.06 ― 0

ピーナッツ、乾b) 0 76 2.56 92.3 0

DカロテンA

可食部100g当たりビタミン

β クリプトキ

サンチン

(・・・・・・・・・・・・・・・・・μ g・・・・・・・・・・・・・・・・・)

(・・・・・・・・・・・mg・・・・・・・・・・・)

B12 葉酸パントテン酸

ビオチン

C

(・・・・μ g・・・・)

ビタミン

可食部100g当たり

ビタミン

可食部100g当たり

(・・・・・・・・・・・mg・・・・・・・・・・・)

トコフェロールE

K B1 B2ナイアシン

B6

β カロテン当量

レチノール当量

食品名

食品名

食品名

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ペポカボチャ種子とナッツ類の栄養成分比較

g

ペポカボチャ種、乾燥(和寒町)a) 7.42 21.00 11.50 1.2 6.2 7.4 0

ペポカボチャ種、乾燥(比布町)a) ― ― ― ― ― ― ―

かぼちゃ種、煎り、塩味(中国産)b) ― ― ― 1.8 5.5 7.3 0.1

かぼちゃ種、乾(中国産)c) ― ― ― ― ― 3.9 0

アーモンド、乾b) 4.13 35.16 12.68 0.8 9.6 10.4 0

くるみ、煎りb) 6.87 10.26 50.28 0.6 6.9 7.5 0

ピスタチオ、煎り、塩味b) 6.15 30.92 16.42 0.9 8.3 9.2 0.7

ピーナッツ、乾b) 8.33 22.76 13.74 0.4 7.0 7.4 0

 ―:未測定

 a)財団法人日本食品分析センターにて分析

 b)日本食品標準成分表より引用

 c)商品規格書より引用

ペポカボチャ種、乾燥a) 1150 2210 1180 710 480 1600 1070 920 540

アーモンド、乾b) 800 1400 620 180 300 980 580 570 200

くるみ、煎りb) 620 1100 420 260 280 680 510 510 200

ピスタチオ、煎り、塩味b) 820 1400 970 280 340 930 510 600 270

ピーナッツ、乾b) 1000 1900 1000 310 510 1500 1100 750 270

 ―:未測定

 a)財団法人日本食品分析センターにて分析

 b)日本食品標準成分表より引用

ペポカボチャ種、乾燥a) 1470 800 4760 1430 2750 5930 1780 1190 1510

アーモンド、乾b) 920 530 2100 860 2100 5100 1300 880 780

くるみ、煎りb) 750 380 2200 640 1600 2900 720 580 750

ピスタチオ、煎り、塩味b) 1100 460 1700 780 1700 3800 830 770 1000

ピーナッツ、乾b) 1200 700 3200 1100 3400 5400 1500 1300 1300

可食部100g当たりアミノ酸

可食部100g当たりアミノ酸

(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・mg・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

スレオニン

トリプトファン

食品名

脂肪酸 食物繊維食塩相当量飽和

一価不飽和

多価不飽和

水溶性 不溶性

フェニルアラニン

チロシン

食品名バリン

ヒスチジン

アルギニン

アラニン

アスパラギン

グルタミン酸

(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・mg・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

グリシン

プロリン

セリン

食品名 イソロイシン

ロイシン

リジンメチオニン

シスチン

総量

(・・・・・・・・・・・・・・・・・・g・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

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ペポカボチャ種子の酸化度、重金属類、微生物

 ―:未測定

 a)財団法人日本食品分析センターにて分析

 b)商品規格書より引用した規格値

― ― ―かぼちゃ種、乾(中国産)b) 3.0以下

30.0以下

― ― ―

黄色ブドウ球

ペポカボチャ種、乾燥a) 0.388.8

meq/kg0 0 0

1.1×

106/g

陽性/0.01g

陰性/0.01g

食品名抽出油の酸価

抽出油の過酸化物価

鉛カドミウ

ム水銀

一般細菌数(生菌数)

大腸菌群

ペポカボチャとカボチャ類の果実の栄養成分比較

食品名 水分 たんぱく質 脂質 炭水化物 灰分 ナトリウム 食物繊維(・・・mg・・・) (・・・g・・・)

ペポカボチャ、果実、生a) 93.2 0.2 0 6.0 0.6 0 1.6

西洋かぼちゃ、果実、生b) 76.2 1.9 0.3 20.6 1.0 1 3.5

日本かぼちゃ、果実、生b) 86.7 1.6 0.1 10.9 0.7 1 2.8

そうめんかぼちゃ、果実、生b) 92.4 0.7 0.1 6.1 0.6 1 1.5

ペポカボチャ、果実、ゆでa) 92.4 0.2 0 6.9 0.5 ― ―

西洋かぼちゃ、果実、ゆでb) 75.7 1.6 0.3 21.3 1.1 1 4.1

日本かぼちゃ、果実、ゆでb) 84.0 1.9 0.1 13.3 0.7 1 3.6

 ―:未測定

 a)財団法人日本食品分析センター(ナトリウム、食物繊維)とノーステック財団過熱水蒸気ラボ(その他の成分)にて分析

 b)日本食品標準成分表より引用

可食部100g当たり

(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・g・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

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3 ペポカボチャを活用した試作品の開発

(1)概要

下記の通り、事業者の協力を得て 16品を試作した。

株式会社旭川食品 甘納豆(種)

株式会社ヤマサン澤田商店 粕漬(果肉)

共成製菓株式会社 砂糖がけ旭豆風(種)

ロワジールホテル ジュース(果肉)、ジェノベーゼ風ソース(種)

滝上産業株式会社 パウダー(果肉)、チーズケーキ(種)

旭川大学短期大学部 ポタージュ(果肉)、中華和え(果肉)、きんぴら(果肉)、

春巻(果肉)、トリュフ(種)、キャラメル(種)

我国煎餅店 せんべい(種)

創心 パン粉(種)、バター(種)

(2)目的

我が国では、西洋カボチャに比べ、ペポカボチャを食べる機会はほとんどなく、認知度も低い。

カボチャ種子にしても、用途は製菓分野が主で用途が限られている。本事業では、種子と果肉を

使用した試作品による新たなメニュー・用途の提案により、ペポカボチャの普及をはかる際の一

助となることを目的とした。

(3)種子と果肉を活用した試作品

試作品開発は、当初、株式会社わっさむファクトリーにおいて試作した試作品レシピのブラッ

シュアップを予定していたが、既に、商品としてスーパーマーケット・トレードショーにおいても一

定の評価を受けていることから、菓子・惣菜等の食品会社、レストランなどの料理人や大学教授

等の専門家の協力を得て、新たに試作を要請して実施した。

粕漬けやピクルスなどは、わっさむファクトリーの商品と重複しているが、今回試作したものの

レシピを掲載した。また、果肉のパウダーを試作し、これを用いたうどん・パン・饅頭などの試作・

レシピ作成も予定していたが、パウダーの試作が想定数量を大きく下回ったため、取り止めた。

試作協力機関・企業等(試作内容)

1.旭川大学短期大学部豊島教授(種入りチョコレート・トリュフ、種のキャラメル、果肉

のポタージュ・春巻き・中華和え・きんぴら) 2.ロワジールホテル旭川(種のジェノベーゼ風ソ

ース、果肉ジュース) 3.共成製菓(種の旭豆風) 4.旭川食品(種の甘納豆)

5.三葉製菓(種の焙煎) 6.澤田商店(未熟果肉による粕漬) 7.滝上産業(果肉パウダー、種

入りチーズケーキ) 8.我国煎餅店(種入り煎餅) 9.創心(種の粉末入りパン粉、種の砕粒入り

バター)

「参考資料」に試作品のレシピ集を掲載する。なお、レシピ集は、別冊としても取りまとめた。

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4 流通形態の検討

(1)概要

採種を担当する事業者により、4通りの案を提唱する。

案1:加工業者または合同会社が採種し、流通業者に販売する。

案2:農業協同組合が採種し、流通業者に販売する。

案3:農家が採種後、農業協同組合あるいは加工業者が規格分別と検査を行い、流通業者

に販売する。

案4:農家が採種用農業機械(輸入品)を用いて採種し、加工業者に販売する。

(2)目的

需要ニーズ調査とヒアリング調査に基づき、想定される流通形態の選択肢を提案する。農家、

農業協同組合、加工業者が、事業展開する際の方向性を示す。

(3)流通形態の提案

上川農業試験場、株式会社わっさむファクトリー、和寒町農業活性化センター、北ひびき農業

協同組合、生産者、北海道農業研究センターとの協議、製菓業者、健康食品業者、卸売業者か

らのヒアリング情報、ノーステック財団アドバイザーの意見・提案を踏まえ、流通形態案を作成し

た。

ペポカボチャの事業化において、初期の流通形態、特に採種をどの事業者が担当するかに

ついては、流通の基盤を成す。これを踏まえ、図の4案を提唱する。現時点では事業の方向性が

流動的であることから1つの案に絞ることは避け、当事者が今後の状況をみながら方向性を決め

る際の選択肢を提案するに留める。

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ペポカボチャ種子の流通形態案

※案1 ※案2 ※案3 ※案4

栽培、収穫

↓ ↓

果実の集荷 農家 農家

↓ 農家 農家

果実の保管 JA貯蔵施設 JA貯蔵施設

↓ ↓

採種 加工業者 JA工場

または ↓

規格分別、検査 合同会社 品質管理部門 JA、加工業者

 ↘  ↘ ↙ ↘ ↙  ↙ ↓

(規格品) (規格外品) (全規格)

↓  ↘ ↓

流通業者 卸売業者、JA 卸売業者、JA ↓

↓ ↓

加工業者 製菓、製パン 製油、健康食品 製油、健康食品

↓ ↓ ↓

流通業者 卸売業者 卸売業者 卸売業者

↓ ↓ ↓

↓ ↓

消費 消費者

流通工程流通経路

スーパー

百貨店

ドラッグストア

通信販売会社小売業者

農家

ドラッグストア

通信販売会社

※案1:加工業者または合同会社が採種し、流通業者に販売する。

※案2:農業協同組合(JA)が採種し、流通業者に販売する。

※案3:農家が採種後、農業協同組合(JA)あるいは加工業者が規格分別と検査を行い、流通業者に販売する。

※案4:農家が採種用農業機械(輸入品)を用いて採種し、加工業者に販売する。

商業生産開始の初年度(平成 25年度)から 2~3年間は生産量が少ないと予想されることから、

既存の事業者が各自の施設・設備を使用した「案 1」が適切と考えられる。和寒町のケースでは、

農家が栽培・収穫・集荷し、北ひびき農業協同組合にて保管、株式会社わっさむファクトリーが

採種・規格分別・検査を実施後、卸売業者に販売して流通過程に乗せる形となる。

事業開始 2~3年後に作付面積が増えた際は、「案 1」の各事業者が規模を拡大するのと並行

して、農家が新たに合同会社を設立し、採種・規格分別・検査を実施する。あるいは、農業協同

組合が主体となり「案 2」のように採種・規格分別・検査を実施する選択肢が考えられる。処理能

力が逼迫する場合は、事業者が協議し、所管内の生産・流通工程が円滑に進むよう、生産物の

割り当てを行うなど協力体制をとるのが望ましい。

一方、農家が独立に実施する「案 3」と「案 4」は、事業当初から共存可能である。「案 3」では、

農家が手作業、あるいは開発中の種ワタ分離機を用いて採種する。規格のばらつきを防ぐため、

規格分別・検査の最終工程は、農業協同組合または加工業者が実施することが望ましい。

「案 4」では、農家が採種用農業機械(輸入品)を購入し、採取までを圃場にて実施、規格の分

別をせず、製油や健康食品業者へ抽出原料として販売する。

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「案 3」と「案 4」では、農家が得る利益は多いと予想されるが、設備投資、作業労力を要する理

由から、着手するか否かは各農家の判断に任せる。

各案に対する利点と問題点は下記の通りと考えられる。

案 採種 利点 問題点

加工業者

または

合同会社

・農家は契約栽培により、安定収入が期待できる。合同会

社の場合、農家への利益還元率が比較的大きい。

・農家は、種綿分離機や乾燥機など設備投資の必要がな

い。

・農家が採種に労力をかける必要がないので、作付け規模

を拡大できる。

・加工を集約して行うことにより処理コストの低減が期待で

きる。

・製品の質が安定・向上する。

・加工・販売の集約化は、商品の安定供給に資し、価格の

安定化が図られる。

・採種後の果肉の利用が可能である。

・農家の販売単価が種や果肉の価格から、果実 1 個単位に

なる(商品価値が、西洋カボチャと同等かそれ以下として

扱われ、結果的に収入増に結びつかない可能性があ

る)。

・加工業者または合同会社は、冷凍・冷蔵施設、種綿分離

機、乾燥機などの設備投資が必要。

・果肉、綿などの残渣が産業廃棄物として出てくる。

・加工期間の長期化・通年化を図る保管技術の向上が求め

られる。

2 農業協同

組合

・農家側で販売価格の設定ができる。

・農家は、種綿分離機や乾燥機などの設備投資の必要が

ない。

・農家が採種に労力をかける必要がないので、作付け規模

を拡大できる。

・加工を集約して行うことにより処理コストの低減が期待で

きる。

・製品の質が安定・向上する。

・加工・販売の集約化は、商品の安定供給に資し、価格の

安定化が図られる。

・採種後の果肉の利用が可能である。

・農業協同組合は、冷凍・冷蔵施設、種綿分離機、乾燥機な

どの設備投資が必要。

・果肉、綿などの残渣が産業廃棄物として出てくる。

・加工期間の長期化・通年化を図る保管技術の向上が求め

られる。

農家(手

作業、ま

たは種綿

分離機を

使用)

・中間マージンを低く抑えられる。

・果肉・綿などの残渣を、堆肥化或いは畑への鋤きこみに

より、処理できる。

・種子の規格にバラつきが出るおそれがある。

・農家は、種綿分離機や乾燥機などを備える必要がある。

・種綿分離を手作業で行う場合、果実の腐敗や種の発芽の

問題から、収穫後に集中して作業を行う必要があるため、

他の作物の収穫期と重ならないような作付け計画を立てる

必要がある。

・採種後の果肉の利用は、冷凍・冷蔵施設を要するため、実

質的に不可能である。

農家(農

業機械を

使用)

・規格分けの労力をかけなくてすむ。

・農家は契約栽培により、安定収入が期待できる。

・農家は採取用農機具を用いるため、労力が比較的少な

く、作付け規模を拡大できる。

・農家は、採取用の農機具を備える必要がある。

・果肉は畑に散布するため、加工用としては利用できない。

・農家に販売を任せた場合、価格競争が生じる可能性があ

る。

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採種用農業機械については、例えばMOTY社(オーストリア)が製造・販売している(下記URL

参照)。

http://www.moty.at/

また、下記 URLでは、圃場で採種作業を行う動画が配信されている。

http://www.youtube.com/watch?NR=1&v=8idEg07ERIg&feature=endscreen

本事業の調査では、これら機械を輸入している日本商社を見つけることはできなかった。なお、

和寒町農業活性化センターの調べによると、仮に農業機械商社(札幌市)が輸入・販売した場合

の予想価格(平成 25年 2月時点)は下記のように試算された。

種子収穫機 310万円(ÖZKAN社、トルコ)

650万円(SEMAKSAN社、トルコ)

2,030万円(Debreceni Mechanikai Müvek Kft.社、ハンガリー)

洗浄機 230万円(Debreceni Mechanikai Müvek Kft.社、ハンガリー)

乾燥機 170万円(Debreceni Mechanikai Müvek Kft.社、ハンガリー)

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5 ペポカボチャ・プロジェクトプロモーションの実施

(1)概要

下記 2回のプロモーションを実施した。 ① 産業クラスター事業化支援プロジェクトフォーラム

(京王プラザホテル札幌、平成 25年 1月 30日)

② 食クラ・フェスタ(札幌パークホテル、平成 25年 2月 15日)

(2)目的

ペポカボチャ・プロジェクトの施策紹介、ならびにペポカボチャの認知度を高めることを目的と

した。

(3) 実施内容

(ⅰ)産業クラスター事業化支援プロジェクトフォーラム

京王プラザホテル札幌、平成 25 年1月 30 日

事業紹介パネルを掲示してパンフレットの配布を行った他、ペポカボチャの試作品の中から、

甘納豆(旭川食品)、砂糖がけ(共成製菓)、ジュース(ロワジールホテル旭川)、粕漬(澤田商店)、

ピクルス(旭川産業創造プラザ)を出展し試食に提供した(写真参照)。

ペポカボチャの認知度は低く、プロジェクトや事業のパネル掲示とスタッフによる説明により、

参加者に知ってもらうことができた。特に、ペポカボチャの機能性に関心を示す方が多く、中には

「機能性を調べてそれを前面に出すべき」との意見もあった。

ペポカボチャの試作品は全体的に高評価を受けた。各々の感想を以下に示す。

『甘納豆』

「不思議な味だが美味しい。」「このような種も甘納豆にできるとは驚いた。」の他、「種の青

臭さがあるが気にならない。」

『砂糖がけ』

「美味しい。」「香ばしい味がする。」「これらなら商品になる。但し価格が問題だが。」

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『粕漬』

「かぼちゃのイメージと違い、漬物に合う感じ。」「食感は他になく、京漬けに近い。」「北海道

の漬物は白菜や大根、キャベツをつけたものが大半であり、これは珍しく話題性もある。」

「季節物として期間限定販売として検討したい。」

『ジュース』

「すっきりした飲み心地で飲みやすい。」「人参くささがないし、かぼちゃ臭さもなく美味し

い。」「体によさそう。」

(ⅱ)2013 食クラ・フェスタ

札幌パークホテル、、平成 25 年 2 月 15 日

ペポカボチャ・プロジェクトの事業紹介パネルを掲示し、パンフレットの配布とスタッフによる説明

を行って、フェスタ来場者への事業紹介に努めた(写真参照)。また、試作品の中でも最も商品化

に近いと思われる果肉を利用したジュースについて、関係者からの生の意見を聞くため、ロワジー

ルホテル旭川の総料理長、副総料理長および担当部長も参加した。

本フェスタにおいてもペポカボチャの認知度は低く、流通している種が中国産と知らない人が多

かった。

ペポカボチャの試作品は、これまで試作開発された作品の中から、砂糖がけ(共成製菓)、甘納

豆(旭川食品)、トリュフ、キャラメル、ポタージュ、中華和え、きんぴら(旭川大学短期大学部豊島教

授)、ジェノベーゼ風ソース(彩美牛ローストビーフ、温製野菜サラダ)、ジュース(ロワジールホテル

旭川)、チーズケーキ、パウダー(滝上産業)、せんべい(我国煎餅店)、種子入りのパン粉とバター

(創心)、粕漬(澤田商店)、ピクルス(旭川産業創造プラザ)の16点を展示した。また、(試食希望者

に限定して)ジュース、砂糖がけを提供した。

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試食の感想は、産業クラスター事業化支援プロジェクトフォーラムと同じく、砂糖がけ・ジュースと

も美味しい、飲みやすいとの評価を受けた。ジュースについては、試飲したほぼすべての方が高

評価であったことから、商品化することとなった。なお、年間 200 kgの果肉を使用予定である。

(ⅲ)パネルとチラシによるプロモーション

プロモーションに当たっては、ペポカボチャ・プロジェクトの内容を来場者により詳しく理解しても

らうため、「参考資料」に掲載したパネルとチラシを掲示・配布した。

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Ⅲ 終わりに

1 来年度以降の推進体制

食クラスターの重点プロジェクトとして、和寒地域における安定生産体制等の推進をかみかわコー

ディネートチームが中心となり実施するとともに、他地域への波及やブランド化・販路拡大を食クラ

スター連携協議体事務局が、かみかわコーディネートチームと連携して推進する。

・食クラスターの重点プロジェクトとして「ペポカボチャの普及・利用促進プロジェクト」が指定されて

おり、下記の目標設定をしている。

① 短期的(2~3年)には、省力化を図りながら安定的な生産量の増大に向けた研究を

上川農業試験場で実施し、その研究成果を普及させるとともに、種子の品質基準(規格)の検

討、試作品の開発など、生産量の増大と販路開拓に向けた取組を進める。

② 中期的な目標(5年程度)として、ペポカボチャ栽培ほ場を拡大するとともに、菓子メーカー等の

中国産食用カボチャ種子購入者への販拡を行い、中国産食用カボチャ種子からの置き換えを

進め、ペポカボチャ種子の流通量の拡大を図る。

③ 長期的な目標(10年程度)として、上川地域以外でのペポカボチャ生産拡大を推進するととも

に、機能性に着目した健康食品の拡大など販路拡大を推進。

・「かみかわコーディネートチーム」については、下記メンバーにより構成されている。

行政 ・・・ 上川総合振興局

生産者 ・・・ 和寒町農業活性化センター

試験研究機関 ・・・ 北海道農業研究センター

(独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構)

上川農業試験場(地方独立行政法人北海道立総合研究機構)

販売者 ・・・ 株式会社わっさむファクトリー

種わた分離機メーカー ・・・ 株式会社ヒロシ工業 ほか

・「食クラスター連携協議体」の事務局は下記のとおりである。

北海道経済連合会、北海道農業協同組合中央会、北海道経済産業局、

農林水産省北海道農政事務所、北海道

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2.事業を振り返って

本事業の目的は売るための仕組みづくりを検討することであったが、事業を進める中でもう一つ

意識したことは、実際に「売れる」につながる道筋をつけることであった。

需要ニーズ調査では、アンケートの回収率を高めるべく発送先 300 件に電話対応し、50 件の事

業者にヒアリングを実施した。関心を示した調査対象者にはサンプルを提供し、希望者には上川地

域の事業者を紹介した。これらの活動は、調査の精度を高めるためであるとともに、ペポカボチャの

認知度を高めること、ならびに売り手と買い手を結びつけることを意識したものである。

「売れる」を実現するためには、実際に地元の方が美味しく食べている食材でなければ、地域ブ

ランドとして発信できない。今回の試作品開発では、主に上川地域の食品会社、ホテル、大学など

に協力をお願いし、地域の人々の発想と技術を活用したメニューを提案することができたと思う。メ

ニューは別冊のレシピ集にまとめたので、ぜひ地元の方々に活用いただき、地域の食材として広が

りを期待したい。

平成 25 年度には、和寒町において 5 万粒が播種される他、十勝地域でも 2 万粒が栽培される

予定である。このように全道的な広がりの兆しが見られる中で、売るための方法を考えることは、全

ての事業者が直面している課題であろう。「商品の規格や価格をどこに設定したらよいのか?」、あ

るいは「売り先としてどの方面にあたればよいのか?」などの課題に応えるべく、本書では調査結果

に基づいた提案をおこない、また調査データと声も多く掲載した。これらが、課題を乗り越える上で

一助となることを願ってやまない。

最後に、本事業を実施するにあたり、アンケートとヒアリングならびに試作品開発にご協力いただ

いた事業者の皆様に厚く御礼を申し上げる。

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<参考資料>

(1)アンケート調査

(ⅰ)調査の概要

①目的

菓子業界等におけるカボチャの使用実態とペポカボチャに対するニーズを探る。

②調査対象

菓子製造業、販売業、ホテル、健康食品販売業、食用カボチャ取扱事業者

③調査方法

郵送法(往復とも)

④回収状況

発送数 369件

回収数 111件

回収率 30.1%

⑤回答事業所の所在地と業種

※業種別のクロス集計に関しては、「菓子製造・販売」以外の業種のサンプル数が少ないため、「食

品・その他」としてひとつにまとめた。

札幌圏

27.0%

函館圏

22.5%日胆圏

11.7%

旭川圏

25.2%

北見・帯

広圏

8.1%

本州

5.4%

事業所所在地全体

(n=111)

菓子製造・

販売

82.9%

ホテル

3.6%

健康食品

販売

3.6%

食用カボ

チャ取扱

事業者

9.9%

業種全体

(n=111)

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(ⅱ)調査結果のまとめ

以下は、調査結果の中からポイントとなる部分を整理したものである。設問ごとの詳細については

「(ⅲ) 調査結果の詳細」を参照。

①カボチャの使用実態

■カボチャを使った製品をつくっているところは 6 割

■使用している部位は「果肉」が 6 割、「種子」は 16%

■種子を使った製品の種類は「焼き菓子」が最も多い

今回の対象者の中でカボチャを使った製品を「現在取り扱

っている」ところは 6 割を占める。これに「過去に取り扱ってい

た」ところを合わせると 7割以上にのぼる。

両者を合わせた 82 事業所がつくっているカボチャを使っ

た製品 146 アイテムについて、使用しているカボチャの部位

は「果肉」が6割を占め最も多い。「種子」は16%と2割に満た

ない。

種子を使った製品としては「焼き菓子」が最も多い。他の種

類はそれぞれ1~3アイテムと少ない。これは今回の回答者

の業種が 8割強菓子製造・販売業というためでもある。

ここからみると、カボチャの種子の利用はあまり多種類には

わたっていないようである。

18

31 1 1 1 1

02468

101214161820

焼き菓子

油 パン

餡・饅頭・生菓子

ケーキ・パイ

プリン・ゼリー・冷菓等

その他

カボチャの種子を使った製品の種類

注)「種子と果肉」という回答を含む

過去に

取り

扱って

いた

13.5%

現在取

り扱って

いる

60.4%

一度も

取り扱

いなし

26.1%

カボチャの取り扱い状況 全体

(n=111)

果肉

59.6%種子

15.8%

果肉・種

2.1%

無回答

22.6%

カボチャの部位 アイテム数

(n=146)

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②ペポカボチャのニーズ

■ペポカボチャへの関心度は 6 割、関心のある部位は「種子」が「果肉」を上回っている

■ペポカボチャの使用方法は、「焼き菓子」「菓子のトッピング」など“菓子”をあげる意見が多い

■関心を持った理由は

「国産(北海道産)」が

第 1 位、「機能性」は 3

割と少ない

■重視点でも「機能性」

をあげる意見は少な

ペポカボチャに関心があるといっても、

「国産(北海道産)」という理由が中心で、

「機能性」をあげる割合はそれほど高くない。

重視点でも同様の傾向がみられる。

これは、ペポカボチャの種子の機能性が

あまり知られていないからではなかろうか。

したがって今後は機能性の理解を高めるよ

うな取り組みが必要である。

【課題】

①ペポカボチャの種子の機能性の PR

② 菓子だけでなく幅広い食品への展開

③機能性を有効に使える健康食品への

応用

焼き菓子

21.0%

菓子の

トッピング

21.0%菓子原料

として

24.2%料理素材

3.2%

健康食品

6.5%

その他

4.8%

無回答

19.4%

ペポカボチャの使用方法 ペポカボチャを使

用中および関心が

ある(n=62)

80.6

29.0 29.0

12.9

85.4

27.1 27.1

12.5

0%

20%

40%

60%

80%

100%

国産(北海道産)だか

機能性が高い(と思

う)から

食味が良いと(思う)

から

珍しいから

関心をもった理由全体(n=62) Q6関心のある部位「種子」(N=48)

すでに取

り扱って

いる

7.2%

非常に関

心がある

17.1%

やや関心

がある

31.5%どちらとも

言えない

18.9%

あまり関

心がない

14.4%

全く関心

がない

7.2%

無回答

3.6%

ペポカボチャへの関心度 全体

(n=111)

77.4

53.2

0%

20%

40%

60%

80%

100%

種子

果肉

関心のあるペポカボチャの部位

ペポカボチャを使

用中および関心が

ある(n=62)

54.850.0

40.3

29.0

14.5

58.352.1

45.8

25.0

16.7

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

産地(国産)

食味

価格

品質(加工適

正)

機能性・栄養

成分

重視点全体(n=62) Q6関心のある部位「種子」(N=48)

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④ペポカボチャの PR 課題

下図はカボチャの『種子』を使った製品をつくっている事業所名と製品名をマップに落としたもので

ある。空知~旭川にかけて多く分布している。カボチャの種子を使った製品をつくっている事業所で

あれば、PRの際、『ペポカボチャの種子』に対する理解も早いと思われる。

次ページは、カボチャの『果肉』を使った製品をつくっている事業所である。こちらは道央や道南に

多く分布している。道央や道南では、『果肉』を使っているところが多い割に、『種子』を使った製品は

あまり出されていない。『果肉』だけでなく『種子』の利用を促進することが課題である。

一方道東は空白地帯である。これらの地域は、『種子』の前に「ペポカボチャ」自体の知名度をあげ

ることから始める必要がある。

【『ペポカボチャの種』PR 地域別の課題】

①和寒~旭川~空知の菓子製造業者を開拓し、種のユーザーの裾野を広げる

②事業所の多い札幌圏は健康食品メーカーの開拓など的を絞った展開を行う

③道東では、まず「ペポカボチャ」の知名度を高めることが課題

カボチャの種を使った

製品マップ(北海道)

Page 37: 「食用かぼちゃの地域ブランド化基盤形成 ... · ・ペポカボチャ種子について下記の規格を提案する。 色:濃緑色、100 粒重:15g以上、水

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下図は、カボチャの『果肉』を使った製品をつくっている事業所である。道央や道南に多く分布して

いることがわかる。

参考)地域別回収率

マップを見て道東地域の事業所が少ないのは、調査対象となる事業所が少なかったからではない

かと疑問をもたれるかもしれない。下表は対象となった菓子工業会会員について発送数、回収数、回

収率を地域別に集計したものである。北見・帯広圏は発送数 57 と、札幌圏とほぼ同数である。ところ

が回収率は 15.8%と札幌圏の半分以下である。回収率の低さはひとつにはカボチャあるいはペポカ

ボチャに対する関心の低さが関

係しているのではないかと推測さ

れる。

そこで、「道東ではまず知名度

を高めること」(前ページ)という課

題を提案した。

■菓子工業会 地域別発送数と回収率

合計 札幌圏 函館圏 日胆圏 旭川圏北見・帯

広圏

発送数 273 63 59 25 69 57

回収数 91 23 22 12 25 9

回収率 33.3% 36.5% 37.3% 48.0% 36.2% 15.8%

※製品名を入れると煩雑になるため、事業所名だけを表示した

カボチャの果肉を使った製品

をつくっている事業所マップ

(北海道)

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35

(ⅲ)調査結果の詳細

①カボチャの取り扱い状況

●取り扱い状況

Q1.貴社では現在カボチャを使った商品や料理等のお取り扱いがありますか。

カボチャの取り扱い状況については、「現在取り扱っている」ところが 6 割を占め最も多い。これに

「過去に取り扱っていた」1割強を合わせた 7割強が取り扱い経験のある事業所である。

サンプル数が少ないため有意な差ではないが、所在地別にみると「過去に取り扱っていた」は日胆

圏が最も高い。

13.5

6.7

12.0

38.5

17.9

0.0

0.0

13.0

15.8

60.4

66.7

60.0

38.5

50.0

77.8

100.0

58.7

68.4

26.1

26.7

28.0

23.1

32.1

22.2

0.0

28.3

15.8

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体(n=111)

札幌圏(n=30)

函館圏(n=25)

日胆圏(n=13)

旭川圏(n=28)

北見・帯広圏(n=9)

本州(n=6)

菓子製造・販売(n=92)

食品・その他(n=19)

カボチャの取り扱い状況

過去に取り扱っていた 現在取り扱っている 一度も取り扱いなし

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36

●取り扱いを止めた理由

Q2.(過去にお取り扱いがあったが、現在は取り扱っていない方のみご回答ください)

お取り扱いを止めた理由をお答えください。

Q1で「過去に取り扱っていた」と答えたところが取り扱いを止めた理由としては、「(カボチャを使っ

た)商品が売れない」という回答が 15件中 5件を占め最も多い。他に、「求めるカボチャの安定的な数

量の確保が難しい」「仕入れたカボチャの価格が高い」といった回答が 2件ずつあげられている。

(カボチャ

を使った)

商品が売

れない, 5

件, 31.3%

求めるカボ

チャの安定

的な数量

の確保が

難しい, 2

件, 12.5%

仕入れたカ

ボチャの価

格が高い,

2件, 12.5%

良い品質

のカボチャ

が仕入られ

ない, 1件,

6.3%

その他, 6

件, 37.5%

カボチャの取り扱いを中止した理由

過去に使用経験があるが

止めた(n=15)

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37

●カボチャの品種名、産地、部位、使用量

(Q3~Q4は、現在または過去にお取り扱いがある方のみご回答ください)

Q3.貴社の製品名と使用されているカボチャの品種名、産地、使用している部位、年間使用量を

お答えください。

カボチャを使った製品

をカテゴリーに分けて集

計したところ、第 1 位「焼

き菓子」5 割弱、2 位「ケ

ーキ・パイ」3 割強、「餡・

饅頭・生菓子」3 割弱が

上位となっている。

以下の集計は、製品

としてあげられたアイテム

数(N=146)を母数にして

集計した。

使用している

カボチャの品種

は「みやこ」や

「えびす」の名前

があげられてい

る。産地は「北海

道」が 6 割強を

占め、使用して

いる部位は「果

肉」が 6割である。

「種子」は 2割弱

と少ない。年間

使用量は“100kg

以下”が約半数

を占める。

48.8

32.9 28.0

19.5 15.9

11.0

3.7 2.4 3.7

12.2

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

焼き菓子

ケーキ・パイ

餡・饅頭・生菓子

料理素材

プリン・ゼリー・冷菓等

パン

油 ディップ

その他

無回答

使用している製品名 カボチャの取り扱い

がある(n=82)

みやこ

26.0%

えびす

6.2%

雪化粧

2.7%

くりりん

2.1%その他

8.9%特定無し

2.7%

無回答

51.4%

カボチャの品種アイテム数

(n=146)

北海道

61.6%

本州

2.7%

海外

16.4%

無回答

19.2%

カボチャの産地アイテム数

(n=146)

果肉

59.6%種子

15.8%

果肉・種

2.1%

無回答

22.6%

カボチャの部位 アイテム数

(n=146)3㎏以下

9.6%

4~30㎏

19.2%

31~100

19.9%

101~

300㎏

13.7%

300㎏以

15.1%

無回答

22.6%

カボチャの年間使用量 アイテム数

(n=146)

Page 41: 「食用かぼちゃの地域ブランド化基盤形成 ... · ・ペポカボチャ種子について下記の規格を提案する。 色:濃緑色、100 粒重:15g以上、水

38

下図は Q3 であげられたカボチャの種子を使った製品のアイテム数とカボチャの果肉を使った製品

のアイテム数を集計したものである。

種子を使った製品としては「焼き菓子」が 18 件と最も多く、次いで「油」が 3 件となっている。他の項

目はいずれも 1件ずつである。

果肉を使った製品としては、「ケーキ・パイ」20件、「餡・饅頭・生菓子」18件、「焼き菓子」16件」、「料

理素材」12件など回答はばらついている。

つまり、カボチャの果肉は幅広く応用されているが、種子の方は「焼き菓子」に偏っている。

※これは今回の調査対象は菓子製造業が多数を占めていることとも関係している。

20

1816

129

53 2 2

0

5

10

15

20

25

ケーキ・パイ

餡・饅頭・生菓子

焼き菓子

料理素材

プリン・ゼリー・冷菓等

パン

不明

ディップ

その他

カボチャの果肉を使った製品の種類

18

31 1 1 1 1

02468

101214161820

焼き菓子

油 パン

餡・饅頭・生菓子

ケーキ・パイ

プリン・ゼリー・冷菓等

その他

カボチャの種子を使った製品の種類

注)「種子と果肉」という回答を含む

Page 42: 「食用かぼちゃの地域ブランド化基盤形成 ... · ・ペポカボチャ種子について下記の規格を提案する。 色:濃緑色、100 粒重:15g以上、水

39

●カボチャの仕入れ品の製品名、業種、所在地

(Q3~Q4は、現在または過去にお取り扱いがある方のみご回答ください)

Q4. 使用されているカボチャの仕入品の製品名、業種、所在地をお答えください。

使用しているカボチャの仕入品の製品名は「果肉ペースト」が 3 割以上を占め最も多く、次いで「種

子」「丸ごと」「パウダー」「餡」が 1割以上となっている。

仕入先の業種は

「卸売業」が4割強で

最も多い。

仕入先の所在地は

「北海道」が 7割弱を

占め最も多い。

34.1

20.7

15.9 12.2 11.0

8.5 8.5

3.7 1.2

13.4

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

40%

果肉ペースト

種子

丸ごと

パウダー

餡 果肉・スライス

加工品

オイル

種子ペースト

無回答

カボチャの仕入品の製品名 カボチャの取り扱

いがある(n=82)

卸売業

43.4%

製造業

15.1%

小売業

6.6%

農業協同

組合

5.7%

生産者

8.5%

無回答

20.8%

仕入先の業種製品数

(n=106)

北海道

66.0%本州

13.2%

海外

1.9%

無回答

18.9%

仕入先の所在地 製品数

(n=106)

Page 43: 「食用かぼちゃの地域ブランド化基盤形成 ... · ・ペポカボチャ種子について下記の規格を提案する。 色:濃緑色、100 粒重:15g以上、水

40

下表は仕入品の種類別に仕入先業種と仕入先所在地を集計したものである。

ここで「種子」に着目すると、仕入先は「卸売業」が 17件中 12件と多数を占める。ところが「果肉ペー

スト」の方は「卸売業」が多いものの、「製造業」や「農業協同組合」という回答もあげられており、また

「丸ごと」は「生産者」をはじめ様々なところから仕入れている。つまり、果肉部分は仕入先の多様化が

みられるが、「種子」は卸売業に偏っている。それだけ、取り扱っている業者が少ないからであろう。

仕入先の所在地は、「種子」では「北海道」と「本州」が同数となっている。これに対して「果肉ペース

ト」や「パウダー」は「北海道」が多数を占める。

■仕入品の種類別の仕入先業種 (製品数)

卸売業 製造業 小売業農業協同

組合生産者 不明

果肉ペースト 28 12 5 1 3 2 5丸ごと 13 2 2 1 2 4 2種子 17 12 0 2 0 0 3パウダー 10 5 2 0 1 0 2果肉・スライス 7 3 1 1 0 0 2オイル 3 1 2 0 0 0 0種子ペースト 1 1 0 0 0 0 0餡 9 4 2 0 0 0 3加工品 7 5 1 0 0 1 0不明 11 1 1 2 0 2 5総計 106 46 16 7 6 9 22

仕入先業種総計カボチャの種類

■仕入品の種類別の仕入先所在地 (製品数)

北海道 本州 海外 不明果肉ペースト 28 21 2 0 5丸ごと 13 6 4 0 3種子 17 7 7 1 2パウダー 10 10 0 0 0果肉・スライス 7 5 0 0 2オイル 3 1 1 1 0種子ペースト 1 1 0 0 0餡 9 7 0 0 2加工品 7 7 0 0 0不明 11 5 0 0 6総計 106 70 14 2 20

仕入先所在地総計カボチャの種類

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41

②ペポカボチャに対する関心

●関心度

Q5.貴社でペポカボチャを使った商品や料理等を取り扱うことに対して関心がありますか。

ペポカボチャへの関心度は、「すでに取り扱っている」「非常に関心がある」「やや関心がある」の 3

者を合わせた“関心がある”が 55.9%と過半数を占める。

所在地別にみると、有意な差ではないが、札幌圏や函館圏の関心が高い。

業種別にみても

大きな違いはみら

れない。

Q1 カボチャの取

り扱い経験別にみ

ると、「過去に取り

扱っていた」また

は「現在取り扱っ

ている」事業所が、

「一度も取り扱いな

し」の事業所と比

べて、ペポカボチ

ャへの関心が高

い。

7.2

6.7

8.0

7.7

3.6

0.0

33.3

7.6

5.3

6.7

10.4

0.0

17.1

23.3

12.0

7.7

21.4

22.2

0.0

16.3

21.1

26.7

17.9

10.3

31.5

30.0

40.0

30.8

28.6

22.2

33.3

31.5

31.6

33.3

37.3

17.2

18.9

13.3

16.0

30.8

10.7

44.4

33.3

18.5

21.1

20.0

16.4

24.1

14.4

16.7

20.0

0.0

21.4

0.0

0.0

14.1

15.8

0.0

13.4

24.1

7.2

6.7

4.0

23.1

7.1

0.0

0.0

8.7

0.0

6.7

1.5

20.7

3.6

3.3

0.0

0.0

7.1

11.1

0.0

3.3

5.3

6.7

3.0

3.4

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体(n=111)

札幌圏(n=30)

函館圏(n=25)

日胆圏(n=13)

旭川圏(n=28)

北見・帯広圏(n=9)

本州(n=6)

菓子製造・販売(n=92)

食品・その他(n=19)

過去に取り扱っていた

(n=15)

現在取り扱っている

(n=67)

一度も取り扱いなし

(n=29)

ペポカボチャへの関心度

すでに取り扱っている 非常に関心がある やや関心がある どちらとも言えない

あまり関心がない 全く関心がない 無回答

使用中+関心がある:55.9% 関心がない:21.6%

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42

●関心のあるペポカボチャの部位

(Q6~Q9は、Q5 で1~3と回答した方のみご回答ください)

Q6.お取り扱いしている、又は関心のあるペポカボチャの部位をお答え下さい。想定されている使

用方法(例:菓子のトッピング)と年間使用量(例:100kg)についてもお答えください。

ペポカボチャに関心があると答えた事業所に関心のある部位を聞いたところ、「種子」が 8 割強を占

め最も高いが、「果肉」という回答も 5割強みられ、いずれも 5割を超えている。

ペポカボチャの使用方法

は、「焼き菓子」「菓子のトッ

ピング」「菓子原料として」

がいずれも 2 割強で意見

が分かれている。これに対

して「料理素材」や「健康食

品等」という回答は数%と

低い。これは菓子製造業の

回答者が多いためでもあ

る。

年間使用量は無回答が 4

割弱で最も多い。回答の中

では“100kg以下”が 4割、

“100kg 以上”が

1割強と、“100kg

以下”というとこ

ろが多い。

77.4

53.2

0.0 0.0 6.5

1.6

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

種子

果肉

綿 皮 その他

無回答

関心のあるペポカボチャの部位 ペポカボチャを使用中およ

び関心がある(n=62)

焼き菓子

21.0%

菓子の

トッピング

21.0%菓子原料

として

24.2%料理素材

3.2%

健康食品

6.5%

その他

4.8%

無回答

19.4%

ペポカボチャの使用方法 ペポカボチャを使

用中および関心が

ある(n=62)

10kg以下

21.0%

10~100

21.0%100㎏以

12.9%

未定

6.5%

無回答

38.7%

ペポカボチャの年間使用量

ペポカボチャを使

用中および関心が

ある(n=62)

Page 46: 「食用かぼちゃの地域ブランド化基盤形成 ... · ・ペポカボチャ種子について下記の規格を提案する。 色:濃緑色、100 粒重:15g以上、水

43

●関心のある理由

Q7.お取り扱いしている、又は関心をもった理由をお答えください。

ペポカボチャに関心を持った理由は、「国産(北海道産)だから」という意見が 8 割を占め最も多い。

次いで「機能性が高い(と思う)から」「食味が良いと(思う)から」が 3割で続いている。

ペポカボチャで関心のある部位が「種子」と答えた人の意見をみても、全体と大きな違いがみられな

い。つまり、ペポカボチャの種に興味をもっていても、必ずしも機能性がその理由というわけではない

ことになる。機能性について、あまり知られていないことも一因かもしれない。

80.6

29.0 29.0

12.9

1.64.8

85.4

27.1 27.1

12.5

2.16.3

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

国産(北海道産)だから

機能性が高い(と思う)

から

食味が良いと(思う)から

珍しいから

形状・大きさが良いから

その他

関心をもった理由

全体(n=62) Q6関心のある部位「種子」(N=48)

Page 47: 「食用かぼちゃの地域ブランド化基盤形成 ... · ・ペポカボチャ種子について下記の規格を提案する。 色:濃緑色、100 粒重:15g以上、水

44

●重視点

Q8.ペポカボチャを使用する際に重視する事を2つまでお答えください。

ペポカボチャを利用する際の重視点は、第 1位「産地(国産)」、2位「食味」、3位「価格」が上位とな

っている。次いで「品質(加工適正)」と続き、「機能性・栄養成分」は 1割強と低い。こちらも関心のある

部位が種子と答えた人の意見を比べてみたが、全体と大きな違いはみられない。

●希望購入価格

Q9.貴社が北海道産のペポカボチャ種子を取り扱うとした場合、適切と思われる購入価格をお答え

ください。

北海道産ペポカボチャ種子の希望価格は、1kg

当たり「1500円~2000未満」4割弱が最も多い。こ

れに「2000 円~2500 円未満」2 割を合わせた

“1500円~2500円未満”が 6割弱を占める。

「1500 円~2000 未満」→1750 円、「2000 円~

2500 円未満」→2250 円、「2500 円~3000 円」→

2750 円、「3000 円以上」→3500 円として平均を求

めると 2078 円となる。ただし、「その他」の回答の

中には「1000 円以下」との回答が多数あげられて

いたことを加味すると、実質的には値頃感としては

1500円~2000円程度と思われる。

54.850.0

40.3

29.0

14.59.7

4.8 3.2 1.6 1.6

58.3

52.1

45.8

25.0

16.7

10.4

4.2 2.1 2.1 0.00%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

産地(国産)

食味

価格

品質(加工適正)

機能性・栄養成分

色 数量

形状・大きさ

入手できる月

その他

重視点

全体(n=62) Q6関心のある部位「種子」(N=48)

1,500円~

2,000円未

満/㎏

37.5%

2,000円~

2,500円未

満/㎏

20.8%

2,500円~

3,000円未

満/㎏

4.2%

3,000円以

上/㎏

4.2%

その他

22.9%

不明

10.4%

ペポカボチャの種子の希望購入価格

Q6関心のある部

位「種」(n=48)

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45

●ナッツ類の代替品としての検討意向

Q10.ナッツのような食感を特徴とするペポカボチャの種子について、ナッツ類の代替品として検討

したいですか。

ナッツ類の代替品としての検討意向については、「検討したい」4 割弱が「検討しない」2 割弱を上回

っている。

所在地別にみると、有意な差ではないが北見・帯広圏での検討意向が高い。

業種別にみると、菓子製造・販売業の意向が高い。

Q1 カボチャの取り扱い経験別にみると、「過去に取り扱っていた」あるいは「現在も取り扱っている」

ところが、「一度も取り扱いなし」と比べて検討意向が高い。

37.8

43.3

36.0

38.5

28.6

66.7

16.7

39.1

31.6

53.3

40.3

24.1

17.1

10.0

12.0

15.4

28.6

11.1

33.3

18.5

10.5

13.3

17.9

17.2

30.6

33.3

44.0

30.8

25.0

11.1

16.7

28.3

42.1

13.3

23.9

55.2

14.4

13.3

8.0

15.4

17.9

11.1

33.3

14.1

15.8

20.0

17.9

3.4

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体(n=111)

札幌圏(n=30)

函館圏(n=25)

日胆圏(n=13)

旭川圏(n=28)

北見・帯広圏(n=9)

本州(n=6)

菓子製造・販売(n=92)

食品・その他(n=19)

過去に取り扱っていた

(n=15)

現在取り扱っている(n=67)

一度も取り扱いなし(n=29)

ナッツ類の代替品としての検討意向

代替品として検討したい 代替品として検討しない ナッツ類を扱っていない 無回答

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46

③意見・要望

●菓子製造・販売業

・原材料として油脂(種子)を利用する場合、輸入品との価格差は少ない方が良い。 ・今までずっと国産が欲しかった。ただし他商品との価格バランス(競合商品)と弊社は流通卸が

メインの為、量販店での販売が多く、原料があまりに高いと値頃から大きくはずれてしまう。

・産地だけでは付加価値が認められていない現状がある。特に弊社は直産原料の使用を推進し

ているが、高く売れない。

・当社ではフリーズドライ加工品を考えている。果肉でも種子でも面白いと思う。委託加工でも加

工協力した事がある。

・㎏単位でのペースト状態で出荷してもらえると、使用領域はぐっと広がると思います。

・種子の粉末も考えて下さい。チップも(例→アーモンドプードルみたいに)

・国産のカボチャの種を探しているので一日も早い流通をお願いします。

・少量からでも入手出来る様な流通経路を確立して欲しい。(菓子原料卸店から入手出来る様に

する等)

・ペースト状に加工している製菓材料としては活用できる。但し加糖して通年安定供給。

・カボチャそのものを販売されても当社では使用しない。

・加工が大変だと聞くが、なるべく価格をおさえてほしい。

・種子は、フランス焼き菓子(フロランタン、ガレット等)に、果肉はヨーグルトと合わせて相性が良

いか試作をしてみたい。

・果肉の食感は糸ウリの様だと伺ったので、シャキシャキ感は濃厚なヨーグルトに合わせれば面

白い製品になると考えています。

・スライスアーモンド 1k 1,300円、レーズン 1k 436円、丸アーモンド 1k 990円(それらと比べると

充分高価)。

・現在使用の中国産より粒が大きいので、使用方法については今後研究しなければならない。

最終的には価格の問題も大きな要因になるかと思います。

・種子の圧搾オイルなら、取扱いの可能性はゼロではないかもしれません。が、種のみの取扱い

は現状では難しいと思われます。

●食品・その他

・機能性データ、もっと加工した物(フライ、塩まぶし、チョココーティング)が見たい。

・現在、バジルペーストにナッツ類を3種類使用しています。いずれも道産ではないので、ペポカ

ボチャの種子はとても趣味がありますし、実(果肉)もペーストに面白いと思います。他の生産

者仲間にも紹介したいと思いますので(乳製品/菓子)もう少し詳しい内容が知りたい。

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47

(2)ヒアリング調査

(ⅰ)調査の概要

①目的

菓子業界等におけるカボチャの使用実態とペポカボチャに対するニーズを探る。

②調査対象

56件

製菓関連(32件)

健康食品関連(12件)

かぼちゃ生産関連(6件)

その他(6件)

③調査方法

訪問、電話

(ⅱ)ヒアリング内容<詳細>

●製菓・製パン業

A社 ・中国産は品質が悪く(割れ、虫と卵、大腸菌、一般細菌の混入)、ペポカボチャに関心あり。

ただし、中国産 1,000円/kgを超える価格ではコスト面で取扱い難。

B社

流通ルートは本州が主、需要は多くないため、受注生産。

・種子は中国の光板種を使用。規格は AA と AAA だが、詳細は分からない(ネット調査では、

サイズ、水分、破砕粒、異物・夾雑物、未成熟率などで規格分けしているようだが、統一規格

があるのか調査継続中)。

・ヒマワリの種に比べ油やけしにくい。

・ピスタチオに比べてカビ毒(アフラトキシン)の心配が少ない。

・かぼちゃ種子は、以前よりカビが少なくなった。明るい緑色の方が、見栄えが良い。

・和寒産は暗い緑が気になる。

・かなり昔(年代は覚えていない)はメキシコ産があり価格も 400円台/kgと安かったが、現在は

ない。

・コーティングに用いるかぼちゃ粉末は 1,500~2,000 円/kg。価格が高いので多くは使えな

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48

い。

・ペポカボチャ果肉粉末との置き換えについては、粉末の状態によりコーティングがうまくいか

ない場合もあるので試作が必要だが、小スケールではできない。

・取引先から北海道食材を使用した製品を要望されるが、現状は大豆製品のみのため、和寒

産ペポカボチャに関心あり。価格は 1,000円/kgでも採用は難。

C社

100kg/年を卸問屋より購入。購入したものを自社で選別し、20 kg 単位の紙包装として販

売。

・以前の無選別品より品質向上。取引き先の値引き要請により、年々利益率が下がる一方で、

種子が高くては扱えない。

・国産でも 2,000円/kgが限度。

・試作をしてみたいとのことで、種子 300gの分譲をわっさむファクトリーに依頼。

D社

中国産カボチャ種子 400 kg/年を煎餅用途に使用。

・使用の理由は、種子の風味が美味しいからで、色彩を良くするためだけではない。

・地元の問屋から購入しているが会社は固定していない。

・12.5 kgの真空包装、価格は 950円/kg。

・以前購入していた製品は濃緑色であったが、理由なく薄緑色になったので中国産に不安を

抱いている。

・国産種子をずっと欲していたとの事だが、和寒産の価格が中国産の 2 倍程と伝えたところ、

全く使える値段ではないとの回答。

E社

・現在はかぼちゃペーストをより 30 kg/年購入して使用。ペポカボチャの果肉もパイなど工夫

次第では利用可能と思われるが、パウダーの方が他の粉物と混ぜやすく使い勝手がよい。

・かぼちゃ種子は使用していないが、一昨年の震災後、お客様から食材の産地を尋ねられる

ことがあり、ナッツの代替品として道内産ペポカボチャ種子に興味を持っている。

・使用に際しては価格を重視するが、トッピング程度なら多少高くても使える。例として、グリー

ンピスタチオ 2 粒をトッピングとしたケーキを販売。ピスタチオは 1,800 円/500g 程で購入。

ペポカボチャが中国産の 2倍(2000円)程度なら検討対象となり得る。

・ペポカボチャ種子を使って試作してみたい。果肉も和寒産で統一したい。

F社

・フランスパンに中国産種子を丸まま入れ焼き上げている。種子は、より 800 円/500g で購入。

和寒産を使用する条件は、風味と食感が良く、価格が中国産と同等なこと。

・規格は気にしていない。細菌数についても、パンを焼くときに死滅するので、気にしたことは

ない。

・和寒産を使うならハロウィン用としたい。試作は 8 月頃に始めるので、それまで種子がもつな

らサンプルをほしい。

G社

・ドラムドライヤーは、全道 3か所、滝上、JA佐呂間及び幕別にある。

・試作の見通しとして、種は乾煎りしたほうがいい(同社に大豆の焙煎機があり転用可能)。

・果肉のフライは味が無いことから難しい。

・大量に処理したいのなら惣菜屋が適当と思う。

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(後日社長とも面談)

・水分が多くフライヤーにかけれないため、果肉は加工できない。。

・果肉に何か特別な魅力があれば別だが、用途は難しいのでは。

・種については、加工したいが、今は忙しいので直ぐにはとりかかれない。

H社

・種の生産を待望していたことから、新たな商品の開発を要請

・果肉は使えないが、種は全部引き受けたい。

I社

・カボチャの種を使用した商品は、中国産を使ったものを他社に依頼され、砂糖がけしたこと

があるが、中国産では引き合いが無いのか、ここ半年作っていない。

・北海道産であれば受け入れられると思う。原料が中国産では、百貨店からは相手にされな

い。

・国内産を探したが、全然見つからなかったので、今回のアンケートで上川産のものが栽培さ

れると知って手に入れたいと思った。

・機能性があるということであればなお魅力的な素材と思うが、特保の認定や機能性の証明に

ついては、当社単独ではできないし、販売力も弱いので、どこかで機能性の証明や特保食

品の販売、産地化の取組をしてもらえると助かる。

・納入単価 1,000円/㎏はチョコレート並みで高いと思う。

・ペポ種による試作は、少量であればフライパンでも出来る。なお、機械による焙煎には最低

15㎏必要。

J社

・種は以前使用していたが今は使用していない。

・道外の百貨店に出たことがあるが、やはり道産品は付加価値があり、特に地元の産品は使用

したい。

・種は、ただトッピングするだけでなく、砕いてクッキーに入れることも良い。

・有料でも試供品を入手したい。

・果肉についても試してみたいと考えている。取引先の製餡所に委託してカボチャ餡を試作し

たい。

・なお、種の購入価格は、1,500円から 2,000円の間を希望。

K社

・カボチャの種は使用していない。(以前は使っていた。)

・種については、このままでは色が濃すぎる。

・カボチャの商品はいくつかあり、現在も、美瑛産のカボチャを使った新商品開発を要望され

ている。

・果肉の提供と種子の入手方法を紹介したが関心は薄い。

L社

・カボチャ種子は中国産を使用。年間約 150㎏。価格は1,185円(税抜き)/㎏。箱単位で購入

していて、無くなったら追加している。

・国産はあまり意識していない。客がどう受け止めるかが問題と考えている。

・現在、カボチャの種子は、焼き菓子にトッピングする形で使用している。現状、1枚の焼き菓

子に 24個程度の種子(2g強)と多く使われているお菓子であることから、種子の購入価格が

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高くなると原価に影響する。そのため、現在の価格の 2倍まで行くと厳しい(アンケートでは

1500円~2000円だが、希望価格は 1500円に近い金額との印象)

・カボチャの種子を使った焼き菓子は、昭和 60年ころから販売しているロングラン商品だが、

現在はピーク時の半分程度であり、種子が道産だからと言って価格を上げた場合、消費者

に受け入れられる自信はない。そのため、原材料費が上昇した分は、自社で吸収(収益減)

せざるを得ないかもしれない。

M社

・現在種の取り扱いは無い。菓子材料は、問屋などから仕入れている。主力は羊羹とのことで、

市内のスーパーから仕入れたカボチャを自社内で加工している。

・主な販売先は、道の駅の物産館や温泉の売店。

・アンケートで、果肉に興味があるとされていたので、冷凍の果肉を提供。

・新製品開発に意欲的であるが、ペポカボチャが地元産ではないことから、直ちに試作に取り

掛かるような前向きな回答は得られなかった。

N社

・米粉を使ったドーナッツの製造・販売が主。

・カボチャの種子は、問屋を通じて購入。年間1~2㎏。トッピングに使用。

・地元の食材に拘って商品作りをしている。地元のものだけを使いたい、無ければ道産品とい

う考え。

・カボチャは地元の農家から購入。冷凍保存して冬の間に加工している。年間 1.5t程度。

・種子の価格は 2,000円台で。

・冷凍果肉をサンプルとして提供。

O社

・カボチャの種は焼き菓子に使用している。年間約 15㎏で、㎏当たり 1,600円で購入してい

る。

・時期はハロウィンの時で、果肉のペーストも使用している。

・希望価格は、1,500円から 2,000円の間。

・原料は、地元・日本のものの方が訴え方として良い。

P社

・ペポについては果肉に注目していて、ヨーグルト入れてみたい。見本がもらえないか。とのこ

とであったので、ストックしていた冷凍果肉を提供。

・剣淵の農家が栽培したいと言っている。栽培指導してもらえるか。

Q社

・ペポは種を使う種類。種をすり潰して料理に使うと良い。

・種の価格は 1,500円から 2,000円の範囲でなければ使えないと思う。

・実に興味があるが、西洋カボチャの増量に使うとしても、㎏当たり 100円以下でないと扱えな

い。

・果肉は水分量が多く餡にならないと思う。

R社

・かぼちゃ種子を 2粒のせたスフレを以前販売していたが、売れないため製造中止。

・中国産種子を 1,000円前後で、2 kg/年を購入。仕入れ先は卸売業者だが、会社名は覚えて

いない。

・ペポカボチャ種子については、ラジオを通じて頻尿によいことを知っており、機能性に関心が

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ある。

・代替品として検討したいが、ナッツ類ではなく、中国産種子の代替。

・価格は 1,500~2,000円/kg位が妥当。

S社

・商品に中国産種子と冷凍かぼちゃ果肉を使用。

・ペポカボチャ種子のサンプルを煎って食べ、美味しかった。

・サイズが大きいので、中国産の代替ではなく、新商品の開発が必要。商品によっては、割っ

たり、砕いたりして使うことも可。具体的な開発案は、上がっていない。

・種子は、明るい色の方がよい。ペポカボチャは色が濃く、黒っぽく見える(自然のものだから

しょうがないが・・・)。

・価格は 1,000~1,500円/kgが妥当。高すぎると使えない。商品に 2~3粒のせるなら可。

・健康を謳った商品開発をしたことはあるが、薬事法上効能が明記できず難しい。健康食品メ

ーカーが宣伝して、認知度が高まると売りやすい。

T社

・中国産種子をバターでローストして塩味をつけ、クッキーに配合し焼き上げている。年間 5 kg

を使用。

・中国産は、品質に変動が多く、農薬も心配なので、国産種子を探していた。国産で安全な種

子であれば、中国産の 2倍以内(3,000円程度)なら買う。サンプルを希望。

U社

・中国産種子 80~100 kg/年を 970円~1,000円/kgで購入し、煎餅に使用。かぼちゃペース

トと昆布を練り込み、種子をトッピング。

・ペポカボチャ種子の大きさ、色、品質などに問題はないが、中国産と同等価格でないと代替

品として検討する気にはならない。

●健康食品

A社

・子会社が、排尿機能改善用の健康飲料(ペポカボチャを使ったお茶)をネット販売。

・原料は、種子の油搾りカス粉末。オーストリアより輸入し、日本で小袋包装。オーストリアでは、

種子粉末をスナック、シリアル、パン、ソーセージの原料として使用。

・油を絞る工程で塩を添加するため、残留塩分が一定以下になるよう品質管理。

・細菌数は少なく、問題なし。

・油搾りカス粉末は他社でも取扱いあり。

・水抽出物をカプセルにいれた健康補助食品を発売予定。

・ペポカボチャの他に排尿機能改善作用をもつ健康補助食品として、ボタンボウフウ(九州南

部から沖縄の海岸沿いに自生するセリ科の多年草、沖縄では長命草とも呼ばれる)を使っ

た機能性食品素材を発売予定。

B社

・ペポカボチャ種子抽出物を使用した健康食品を企画、委託製造後、ネット販売。OEM生産も

受託。

・ペポカボチャ種子抽出物と大豆胚芽抽出物を配合した健康食品(自社製品、他社 OEM 品)

の売り上げが、10億円/年(10万本/年)。年 10%増の売り上げ見込み。

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・女性の頻尿対策を目的に 15 年ほど前から販売。カボチャ種子の健康食品では先駆的な会

社。近年、排尿トラブルへの認知度が高まり売り上げ増。

・原料となる抽出物は薬品会社が輸入した品を購入(輸入品の 9 割を購入)。製造元はスイス

の会社で、オーストリア産かぼちゃ種子の油搾りカスより抽出。効能にロット差が出ないよう

効用成分(リグナン)を指標として品質管理。

・種子そのものの製品は扱っていない。

・和寒産で抽出物の製品ができたとしても、排尿トラブルに関する科学的エビデンスが揃わな

い限り、置き換えの検討対象とはならない。エビデンスのある抽出物は、20,000 円/kg が適

当な価格。なお、1kg の抽出物を得るのに使用する種子の量が不明のため、種子の価格と

比較はできない。

C社

・同社で取り扱っているパンプキンシードオイルは、オーストリア産やスロベニア産で生産され

たカボチャを同国で圧搾しオイルを取り出し、ドイツの油脂製造業者でろ過したもの製品と

して輸入している。ドラム缶で輸入したオイルを同社でろ過し、一斗缶に詰めなおして、油

脂販売会社やソフトカプセル製造会社に卸している。油脂販売会社やソフトカプセル製造

会社から健康食品販売会社に流通し、そこで小売りされ消費者に渡っていると思うが、同社

が卸した先の企業から後のことは良く把握できていない。

・パンプキンシードオイルは、95%は健康食品として利用されており、料理用オイルとしての需

要はほとんどない。

・同社でネット販売しているパンプキンシードオイルは、300mlで1,680円の価格であるが、これ

は、原材料を直接輸入し、同社でろ過・ビン詰めまでを全てやっているのでこの価格だが、

他の販売店ではもっと高価になっていると思う。ただし、同社での主力商品ではないのでそ

れほど売れないが、最近個人客から問い合わせが多くなっている(問い合わせが増えたタイ

ミングから和寒の取組がNHKで放映されたことが影響していると推察)

・ドイツから輸入しているオイルの購入価格は企業秘密のため教えられないが、オリーブオイ

ルの3倍はする。取扱量は年間約 1 トン。

・オリーブオイルのように、パンプキンシードオイルを料理用オイルとして販売しようと、スーパ

ーマーケットの商品棚に置いたこともあったが、売れないのでスーパーでの小売りはやめ

た。

・売れない理由は、未開封なら賞味期限は 1 年半だが、開封すると酸化が進みやすいので 1

か月程度で使い切るよう勧めていることから、賞味期限が来る前に使い切れず無駄にする

ケースが多いことや、料理で使う幅が狭く需要が少ないことなどである。

・オーストリアでのカボチャの生産状況や種子の取り出し、圧搾の方法については、同社はド

イツの会社からオイルを購入しているため詳細は不明。消費者が気にするのでカボチャの

生産段階で農薬を使っていないかどうかを尋ねると、使っていないという回答だが証拠書類

等はない。

・健康食品としては、オーストリアやドイツという産地は日本の消費者に支持されるので、生産

国にはこだわっている。

・健康食品の世界では東南ヨーロッパはブランド力が高い。特にドイツでは、かぼちゃの種は

泌尿器科系の疾患に好影響があるとのことで医療分野でも使われていることから信頼性が

高い。

・ただし、産地での状況が見えないのが不安要素としてあるため、国産のペポカボチャが生産

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されるのであれば、かぼちゃの栽培から健康食品として商品化されるまでのすべての生産

段階が明らかになるので、油脂の構成成分と価格次第ではあるが、十分ヨーロッパ産に対

抗できるのではないか。

・ヨーロッパ産のオイルは、1 リットル搾油するのに、35個のカボチャを使用する。1個のカボチ

ャから約 70gの種が取れ、その種を圧搾すると 35~40%の油がとれる計算。

・種の絞りかすや果肉については、どのように扱われているか不明であるが、かつて取引先で

絞りかすも輸入しようと考えた業者がいたが、輸送コストがかかり断念した経緯がある。外国

産は輸送コストを考えるとオイルとして輸入するのが良い。泌尿器系疾患に効果がある成分

がはっきりわかれば、その成分のみを抽出し更にカサを小さくして輸送コストを下げることが

できれば理想ではあるが、現状ではオイル状での輸入がベター。

・同社は、北海道でペポカボチャに興味があるものの種子のままでは受け入れることができな

いので圧搾しオイルとなったものでないと取り扱えない。油を搾る会社が数社知っているの

で必要なら紹介する。ただし、小ロットで受けてくれるかどうかは不明である。

・同社で取り扱うパンプキンシードオイルは、産地のほかに色を気にする。その時の生産状況

により、多少オイルの色も変化する(成分に影響はない)が、納入先によっては色を非常に

気にするところもあり、一度薄い色のオイルしか輸入できない年があって、ある会社との取引

が前年の 2割まで落ち込んだこともあった。

・オイルに関しては、通年で輸入が可能であるし、季節的な価格変動もなく安定して取り扱うこ

とができている。

・北海道産のペポカボチャのオイルができたら是非成分を教えてほしい。成分表があれば、ヨ

ーロッパ産と比較して取引先に興味の有無を聞いてみることもできる。

D社

・健康食品用途(種子オイル)としての可能性についてヒアリング。

・データを取り、パテントで守るというステップが必要だが、非常にニッチなマーケットであり成

功することは困難。

・薬用植物から有効成分を抽出して健康食品向け原料として提供。

・オーストリアの契約農場からペポカボチャ種子をイタリアの工場に持ち込んで脂肪酸を抽出

し油脂として輸入(1t/年。10年間微増)。

・健康食品をメインとして一部を化粧品の原材料として排尿障害の人向けに販売。

(メインは男性向けだが、女性の過敏膀胱にも効くとの文献ありとのこと)。

・欧州ではカボチャ種子を粉砕して乾燥して販売している会社もあるとのこと。

・種子油は非常にニッチなマーケット。機能性については、データを取らないと話にならない。

余程の付加価値やブランドが無いと既存マーケットに入れない。

・仮にマーケットが大きくなれば、中国はあっという間にマネしてくる。今は小さいマーケットだ

から入ってこないだけ。パテントで守ることがベター。

・同社は抽出技術の特許を持っている。

・顔のテカリを抑える効果があり、海外化粧品で入れているところある。パテントも取っている。

ただし、量としてはクリームの 0.1%。

・ノコギリヤシと配合して販売しているケースが多い。

・健康食品メーカー、専門ディーラー(商社)、加工メーカー等へ販売。販売の流れはいろんな

パターンがあり複雑。

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E社

・健康食品会社にとって既存品種から別な品種に変更することは大きなコスト負担が必要とな

るので、上川産ペポカボチャの参入は困難とのコメント。

・上川産のストライプペポより、オーストリア産種子(シュタイヤーマルクの鞘なしカボチャ)の方

が 1.5倍大きい(「オーストリアの種子を使った方が良いのでは」と示唆)。生産量も多く、契約

栽培はしていない。

・パウダー状で数百トンの取扱いあり(ごく一部はオイル)。

・特に等級のようなものは定めていない。

・仮に上川産を扱うことにする場合、取扱品種を変えることになるが、品種を変えるには臨床デ

ータの取直しや宣伝方法の見直しが必要になるなど、難しい。アレルギー反応がでたりする

と大変なことになる。

・価格的にも仮に 2,500円/kgで考えているなら、検討の俎上に乗らない。

・日本人には種子油を摂取する習慣が無く、市場は無いに等しい。

・健康食品市場を考えているなら諦めた方が良い。既存の取扱品種を変えるには、既存品種

に対して成分的に余程大きな効能がないと無理。

・むしろ既存の西洋カボチャの種子を捨てているならば、それを利活用する方が可能性があ

る。

F社

・ペポカボチャ関連の取扱い経験はなし。

・以前、北海道産ペポカボチャがないか、本州企業から問い合わせあったが、対応できず(企

業名は失念)。アンケートで回答した価格(2000~2500 円)は、自分の感覚に基づくもので

根拠なし。

・自社としても健康食品・化粧品の原料として検討したい。

●商社・卸売業者

A社

・1年間は価格を変えない(収穫期に決めた仕入れ値で1年間購入するため、販売価格も変え

ない)。

⇒(参考)仮に和寒産を中国産と同様の価格帯で販売すると、農家の 1反(約 10アール)当

たりの収入は 5 万円ほどで、作付け動機の最低ライン 10 万円/反には及ばない。付加価値

づけやブランド化で単価を上げることが必要。

・中国全域の生産量は、10万トン(東北部 5万トン、西北部・甘粛省 3~4万トン、雲南省 3000

~4000トン)。栽培品種は果実が細長く、硬い皮が有る。皮をむくのは手作業(内職が多い)、

あるいは機械(回転するプロペラの上から種子を落として皮をむく)。中国にも種に堅い皮の

無い品種はあるが、色合いと味は皮の有る品種より劣るため栽培されない。

・自社系列工場を東北部(吉林省)に所有。カボチャの生産は契約栽培もあるが、主に一般農

家から購入。種子の採取を中国企業に委託し、自社系列工場では種子原料の乾燥から包

装までを行い輸出。

・日本国内での種子用かぼちゃの生産は、おそらくない(聞いたことがない)。

・輸入量は 210 トン/年を占める。年 5%の輸入増を見込むが、確実に伸びる要素はなし。

⇒仮に輸入原価500円/kgとすると、輸入量210トン/年は輸入額1億5百万円/年に相当。

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・中国の自社系列工場からは、日本以外にヨーロッパ向けとして 1,000 トン/年を輸出。日本向

けは異物混入があり、生菌数も多い(購入者が処理するので問題なし)。ヨーロッパ向けは

品質基準が厳しいため、蒸気殺菌。

・販売先は、大口向けが主で 100 トン/年。都道府県別の販売量は分からない。

・使用用途はグラノーラとシリアルが 60 トン/年、スナック(リパックしてサンフラワーシードなどと

混合)が 40 トン/年。

・栄養価よりも緑色食材として選ばれる。他の緑色食材であるグリーンピスタチオに比べ、安価

なのが使用の一因。健康食品向けは扱っていない。

・規格として重視されるのは、油の酸化度。酸化すると油臭が強くなる。ローストすると酸化が

早い。流通は冷蔵。商品規格書を入手。⇒和寒産の規格作りの際、酸化度を設ける必要あ

り。

・販売先を教えると先方が迷惑と考える可能性があり、会社の信用上難しい。⇒販売先をアン

ケート・ヒアリング対象とする計画であったが、他の方法(菓子組合への紹介依頼など)への

転換が必要。

・販売先に和寒産の種子サンプルを紹介し、反応を見ることは可能。将来的に製品として取扱

いたい意向もある。

B団体

将来、生産量が拡大する際の販路として、傘下の菓子問屋を紹介して頂く。

現状、ペポカボチャ種子の取扱いはない。

・25年度生産物から組合員に紹介。以下のステップが提示された。

① 種子のサンプル、規格書、説明ペーパー

② 見積書(①の提示後)

③ 団体から組合員に紹介。

・9月末の総会で新商品の紹介も可能。

C社

展示会で、わっさむファクトリー関係者と名刺交換し、ペポカボチャ種子を見ている。

・中国産カボチャ種子を取り扱っている。規格について、扱い品に等級はなく、1製品1規格の

み。

・北海道産を前面にして、百貨店に高価格路線で販売したい意向。

・3~4 トン単位で扱いたい意気込み。

・適正価格は 2,000~3,000円/kg と思う。

D社

・カボチャ種子を 2社から仕入れ、道内の菓子屋やパン屋に卸している。卸価格 820円。

・1 社の品は多少割高だが、先方は色味(機器測定)が良いことを強調する。ただし、目視では

分からない。

・ペポカボチャ種子サンプルを見た上ですぐにでも扱いたい様子。道内産であっても卸価格

1,000円が上限との予想。

E社

・製パン業者(トッピング)やホテル(宴食のトッピング、カフェのスイーツ)など 10軒に販売。

・店舗では、製パン業社や一般市民が購入。合計 200kg/年を販売し、今後も横ばいの予想。

・卸業者から12.5kgか8kg包装の製品(賞味期限1年)を購入し、自社で小分け(ビニール袋、

エイジレス有、真空包装なし、常温、賞味期限は卸と同じ日付)。

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・規格書は、卸業者の物を使用。自社で、成分分析や細菌検査はしていない。

・顧客から国産・道産の要望はなく、会社としても興味なし。

F社

・流通形態、種子規格及び選別機械などについて聴き取り。

・豆類の集荷は、主に農家が JAに持ち込むのが一般的。その後 JAが選別・等級分けして出

荷。

・主に JAから仕入れていて、クライアントからの要望品質や大きさに応えて、選別機械に掛け

納入。

・品質は、農産物規格に沿ったものが JAより納入されていると認識しており、独自の検査はし

ていない。求めがあれば、JAから製品規格を出してもらっていて規格書は作っていない。

・選別する機械については、比重で分ける機械、大きさを分ける篩、エアガンで被害粒や異色

粒を撃ち落とす機械などを所有。エアガンは高価であるのと扁平な種子に効果があるか不

明であり、篩はペポの種子のように扁平で縦長の種の場合は困難と思われた。

・種子を磨く機械については、いくつかあるようだが、扁平な種には向かないとの話であった。

なお、トウモロコシの芯を使った機械があるとの話もあったが、水を含ませるとのことで、ペポ

には向かないと思われる。

・流通に際しての包装は、小袋もあるが主に 30㎏詰、60㎏詰で、大口には 500㎏詰、900㎏

詰で出荷している。

・袋詰めの過程で金属探知機を使っているが、選別過程で金属片が混入する可能性があるこ

とからそれを除去するために使っている。

G社

・カボチャ種子の取り扱い状況について聴き取り。

・中国産(雲南省)の種を、輸入卸から購入、道北近郊の菓子店、パン屋に卸している。

・価格は㎏当たり 1,000円で、1箱 12.5㎏詰と 25㎏詰があるが、小口用には、1㎏袋×10袋

入りを販売している。保管は冷蔵保管。

・取引先は、道北を中心に菓子店・パン屋など約 200件。月間取扱量は概ね 100㎏。

・大手からは商品規格書の提出を求められるが、独自に作成しているのではなく、相手先それ

ぞれの書式に合わせて出している。

・等級分けについては必要ないとの認識。

菓子店などは種の色が一定であれば良く、未熟の種や割れた種の混入が防げれば、等級

は要らない。等級を下げ価格を下げても、使えない種を選り分けて、歩留まりが悪くなるので

あれば意味がない。

・北海道産の種子が出てくれば、需要はあると思う。

・価格については、幾らで生産農家が出せるかではないか。お菓子の製造原価は商品価格の

概ね 35%以下であれば良い。

・トッピングに使う原料価格は1円から 0.5 円の範囲なので、ピスタチオ並みの㎏当たり 5,000

円では難しいけれど、また、砕いて中に入れるなど使い方にもよるが、ある程度までは吸収

可能と思われる。

・農薬の表示は、求められる場合を想定して、ポジティブリストを用意しておけば、規格書に記

載する必要はない。

・道産品が出てくれば、中国産から切り替えると思われる。商品見本として 50粒置いてきた。

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H社

・カボチャ種子は、中国産(吉林省内モンゴル自治区)の種を輸入卸から購入、道北は稚内、

空知は岩見沢、道東は北見、十勝は広尾までの菓子店・パン屋に卸している。

・12.5㎏/箱単位で仕入れている。保証期間は仕入れから 1年。

・道産品は、中国産に比べて価値が認められ、価格も高くなるが、仕入れ価格の限界は 1,300

円弱で、これ以上になると販売が難しくなる。

・年間取扱量は概ね 1.5t

・商品規格書については、輸入卸の規格書(コピー)を頂いたが、一般成分の他はほとんど記

載がなく、販売先からも求められていない。

I社

・種は中国産を輸入卸から購入。道内の他支店を合わせて年 800㎏~900㎏。

・ペポカボチャへの対応については、市場の動きを見てから考える。

・市場に商品がどのように出てくるか、安定供給が求められるし、使い方としてコロッケの衣に

使用するなど、加工品の提案も必要だろう。

・価格は、パン屋は単価が取れないので、高いと厳しい。

・その他のカボチャ関連商品は、パウダーを佐呂間農協から購入・販売している。

J社

・種は輸入卸から購入し販売。当初はメキシコ産を使用していた。

・種は中国産と比べると、色も濃く大きいし平べったいが、平べったい方が菓子にはいいと思う。

味も良い。

・カボチャは、剣淵産のものを、四国でペースト加工したものを扱っている。

著名シェフにも利用頂いている。

・北海道ブランドを拡げるのであれば、ナラサキ産業に関わってもらうと良いと思う。

・同業者の組合に連絡を頂けることになった。

●その他

A社(農業協同組合)

・管内の農家が、以前より食用かぼちゃ種子の生産を始めたい旨を農業協同組合に相談。

・来年度の試験栽培用に、播種用種子の分譲を希望(→渡邊採種場を紹介)。

・管内のかぼちゃ生産者 30 件程にも配布したいとの事。製品化された際の販売は、直売所の

予定。

・札幌は和寒に比べ霜が遅いので、定植時期を遅くし、西洋かぼちゃの作業終了後にペポカ

ボチャを収穫する段取りが可能。

・手稲は砂地なので、特産の大浜みやこカボチャのホクホク感を出すには適しているが、ペポ

カボチャの場合は要試験。

・果実5 kgが重いなら、着果数を多くし 1果当たりの重さを減らす栽培法を試験する。例えば、

頂芽を芽止めし、側芽を増やす。

・種子の乾燥は、ハウス内で天日干しの予定。かぼちゃ関連機械の質問に対しては、栽培から

収穫は全て手作業。機械メーカーや輸入商社も知らない。

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C社

・西洋かぼちゃの果実丸まま、ペースト、スライス、煮た果肉を卸売業者などから購入。

・かぼちゃの産地について特にこだわりはなく、メキシコなど外国産も使用。利用者からの要望

もない。

・かぼちゃ種子の取扱い経験はないが、中国産でも 1,000 円程度は安すぎる印象。ペポカボ

チャ種子の適正価格は見当がつかない。

・料理長は創作意欲が強いので、果肉も含めペポカボチャの利用方法について聞いてみる。

D社

・イタリア料理専門。客の要望で和風料理も提供。

・中国産種子を、スープに浮かべたり、チーズのトッピングとして使用。(価格は失念、多分

1,000円/kg前後)

・種子は直ぐに使いきれず、厨房で室温保存することが多い。湿度が高いので心配なので、冷

凍保存のできるものが希望。

・ペポカボチャ種子やパセリを配合したバター(エスカルゴバター)を試作してみたいとのことで、

種子 200gの分譲をわっさむファクトリーに依頼。

E社

・かぼちゃ種子の取扱いはなし。以前、酪農学園大学 本多教授が作成した酵素処理ペポカ

ボチャ果肉を用いて、アイスクリームを作成したことがある。酵素処理すると繊維も糖化され

てペースト状になり、甘くて美味しい。

・生の果実だと自社工場では処理できないため、アイスには使用できない。(ロワジールホテル

が作成した)ジュースだとアイスに混合はできるが、味が薄いと予想され、試作する気になら

ない。少なくともペーストか粉末を希望。尚、アイス用途のカボチャは味の濃い方が向いて

いる。

F社

・漬物・佃煮工業における、カボチャ果肉の加工可能性について情報収集。

・水分が多くペーストは無理。

・種は北海道産を謳っての商品化が可能だが、果肉は難しい。

G社

・ペポ果肉による漬物の試作を要請。

・ピクルスを想定していたが、粕漬け、味噌漬けを試作。

H社

試作に前向きで、皮むき試験も含めると最低 6果(30kg)必要の要望あり。

・用途により熟果も未熟果も使用可能と予想するが、種子採取用の熟果の方を重点的に試作。

皮付き品も、皮むき品もニーズありと予想。

・カボチャに対する顧客の要望は2通り。①素材の味を大切にする。②自社の味付けにするの

で、カボチャの風味は必要ない。

・ペポカボチャについては、ダイス状にカットし、レトルト食品原料向けの試作を予定(特定の

顧客を想定している模様)。

・顧客の要望は、皮付きで煮くずれしないカボチャ。風味は香料で付ける。具体的な用途は企

業秘密。

・西洋カボチャの未熟果も煮くずれしないが、キューリの味がして不向き。

・事業化の条件として、安定供給。生産中止や不安定供給は顧客に迷惑をかける。

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・種子採取後のカット果実の納品でも衛生上問題ない。加熱処理を行う際に殺菌される。

・西洋カボチャ種子の引き合いもある(相手先は失念)。生産コストが高いため、お断りしてい

る。

・皮の有効利用として、乾燥粉末をアイスクリームやジャムに配合できる可能性もある。

(メロンの試験では、お茶の様な味になり不適)

I社

・ペポ果肉の飼料としての可能性について牛飼育農家に聴き取り。

・事前の聴き取りでは、ハロウィンのカボチャは食べなかったと聞いていたので、反応は期待し

ていなかったが、皮が付いたままの未熟果肉(青いものとやや黄色く色づいたもの)を、ポニ

ー、和牛に食べさせたところ、特に青い方を好んで食べる様子が見られた。牛は上あごに

歯が無いことから、小さくカットして食べさせた。

・牧場の人の話ではこの時期は生の牧草が無いため、生に近いものを好んだ可能性があると

のこと。

・なお、この牛は日頃カボチャを食べ慣れているため、そうでない牛や乳牛、豚が食べるかどう

かは不明。

J社

・カボチャ種子の商品について聴き取り。

・今は自社で甘納豆にしている。会社の方針が地元の食材を加工することなので、原料が中

国産ということもあって、HPにも出していないし販売もしていない。注文が入った時しか作ら

ないので現在は 1社からの依頼のみ。年間で 10キロ程度しか作っていない。

・カボチャの甘納豆の販売価格(販売会社は別)は、100グラム 300円。

・上川産食材であれば会社のコンセプトと合致するので是非原料として仕入れて製品化した

い。

・甘納豆にする場合は、製造過程で割れが生じるので、原料段階では、粒の大きさや割れは

気にしない。未熟の種が入って加工段階で味がかわるかどうか試してみたい。(規格として、

大きさや色、割れはあまり関係ないと思われた。試作の結果次第ではあるが、未熟が多少

混入していても問題ない可能性もある。

・原料としての仕入れ価格としては、中国産と比較してどの程度なら良いということは現時点で

は分からないが、生産者がある程度収益を上げて、良い品質のものを生産してもらうことが

重要だということは承知している。

・中国産と同様(700円代/kg)の金額をベースに生産者との協議でどの程度上乗せできるかを

話し合って値段を決めるような場面があればよい。

・現物(甘納豆)を試食したが、全体に小ぶりで割れているものもあった。種の加工方法は限ら

れているので、甘納豆の加工も面白いと思われた。

・ペポについては、「地元で栽培されるようになったら加工してみたい。」ということなので、発表

会及び食クラに向けて、試作を依頼した。併せて、西洋かぼちゃの甘納豆も製造しているこ

とから、ペポカボチャの果肉についても甘納豆の製品化が可能かどうか試作を依頼した。

K社

・中国産かぼちゃ種子をハロウィーン限定のトッピングとして使用。

・仕入れ先と価格は不明。野菜バーガーにかぼちゃ果肉を使用したこともあるが、売れないた

め終売。

・ペポカボチャ種子に関心はあるが、高すぎると使えない。2,000~3,000 円/kg でも、メニュー

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への使用量や販売価格などとの兼ね合いで検討しないと採用の判断はつかない。

・生の果肉は水っぽいので使えない。粉末であれば、検討の余地はある。

L社

カボチャ果肉のパウダー加工について問い合わせ。

・委託加工は可能。通常の加工には 400㎏~500㎏必要だが、試作であれば 50㎏~60㎏あ

れば可能。

・今は戎カボチャの加工を行っていて直ちに処理できない。

・加工には果肉を冷凍保存する必要があるが、冷凍だけでは酵素が死滅せず悪い働きをする

ので、酵素を死滅させるための煮沸を行った後、冷凍保存しなければならない。

・ペポカボチャの水分量が多いことについては、水分量 95%のニンジンの加工も行っていて

問題ない。

・将来的な委託費用については、4t~4.5tの処理に 6時間必要で、戎カボチャの歩留まりから

想定して、1,000円/㎏で加工処理できる。

・加工は 11月末から 12月の初めに戎カボチャの加工が終了してから行う。

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(3)規格書

種子を販売する事業者が、商取引の際に使用する規格書を案として作成した。本案は現時点で

得られる情報をもとに作成したものであり、空欄が多い。各事業者が事業の進展に合わせ、適宜加

筆いただきたい。

   

内容

の個数  

製造・販売 電  話 ○○○○

住  所 〒○○○○ FAX ○○○○

  写真貼付のこと

ペポカボチャの種 100

       

100 賞味期限 ○年 保管

 【商品の特徴及び栄養的特徴】

項目 規格一般細菌数 ○個以下/g 標準寒天培地

大腸菌群 ○性/g ペトリフィルム法

 【調理方法及び取扱上の留意点】 カビ数 ○個以下/g

酵母数 ○個以下/g

○kg袋   

縦×横 ○×○ mm

ダンボール(5袋入)  

縦×横×高さ(mm) ○×○×○エネルギー 577 kcal パルミチン酸 12.1 % 重量 約○kg

水分 5.8 g ステアリン酸 5.2 %

たんぱく質 30.2 g オレイン酸 48.8 %

脂質 44.5 g リノール酸 33.1 %

炭水化物 14.0 g リノレン酸 0.2 %

灰分 5.5 g アラキドン酸 0.4 %

鉄   9.27 mg エイコセン酸 0.2 %

亜鉛   9.47 mg

セレン 0 mg

ホスファチジルコリン 53 mg

ホスファチジルエタノールアミン 0 mg 製造工程ホスファチジルイノシトール 50 mg 果実カット

ホスファチジルセリン 0 mg ↓

ブラシカステロール 0 mg 採種

カンペステロール 3 mg ↓

スティグマステロール 2 mg 未熟種子除去

7-エルゴステロール 0 mg ↓

イソフコステロール 3 mg 熱風乾燥 55℃、24時間

7-スティグマステロール 30 mg ↓

アベナステロール 50 mg 薄皮除去

β -シトステロール 0 mg ↓

目視選別

計量・充填

包装

↓箱詰め

↓出荷

株式会社○○平成 ○年 ○月 ○日

品  名 ペポカボチャの種  

規  格 規格品 ○入

株式会社○○

原材料名

○kg

原料配合(%)産地 備考

北海道○○町

北海道○○町○○

冷蔵

・アレルギー物質該当原材料不使用

総  量

・遺伝子組み換え原材料不使用

・食品添加物不使用

パンプキンシード特有の食感・風味を有する。 方法

合計(100%) ・牛由来原材料不使用

製品規格書(案)

製品形態

栄養成分(100g中)

ケーキやパンのトッピング、あるいは様々な食品素材に混ぜてお使いいただけます。加熱処理してお召し上がりください。冷蔵にて保存してください。

脂肪酸組成(%)

 【衛生規格】

PDA培地

PDA培地

・原料官能検査・製品官能検査

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(4)レシピ集

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ペポカボチャとは?

◆日本ではおもちゃカボチャとも呼ばれ、そうめんカボチャやズッキーニも同じ種に

含まれます。

(独)農研機構 北海道農業研究センター で 新品種を開発(*)し、「ストライプ

ペポ」の名称で平成 24 年度に品種登録済み。

主に種子を食用とするカボチャです。

*新品種の特徴・・・種子に硬い皮がなく、ナッツのような食感で、従来種より収量が多い。

カボチャの種子について

◆製菓、ナッツ、健康食品(泌尿器系)などの食品業界において需要があります。

しかし、現在国内で利用されている食用かぼちゃ種子のほとんどは中国産で

す。

ペポカボチャ・プロジェクトについて

◆安定生産体制の確立をはじめ、試作品開発、機能性・栄養性の解明、売る

ための仕組み作りの検討など、ペポカボチャの地域ブランド化につなげるため

のプロジェクトです。

食クラスター連携協議体が中心となり、上川地域(和寒町)の生産者、 農業試験

研究機関、 食品加工業者、 行政等が連携して取り組んでいます。

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 目 次 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

(種 子) (果 肉)

1 トリュフ 1 ポタージュ

2 キャラメル 2 中華和え

3 ジェノベーゼ風ソース 3 きんぴら

4 甘納豆 4 ミックスジュース

5 砂糖がけ 5 粕漬け

6 せんべい 6 ピクルス

7 バター

8 シード入り香り付けパン粉

ペポカボチャ料理の試作は、旭川大学短期大学部豊島教授をはじめ、ロワジールホテル旭川平野総料理長、同

菅原副総料理長、㈱澤田商店、共成製菓㈱、滝上産業㈱、我国煎餅店、創心、三葉製菓㈱、㈱旭川食品など多く

の方々にご協力を頂きました。レシピ集は、この試作の中から試作者の了解を得て抜粋しました。

このレシピ集は、食クラスター重点プロジェクト『食用かぼちゃの地域ブランド化基盤形成プロジェクト』を推進するため、北海道が実施する『食

用かぼちゃの地域ブランド化基盤形成事業』により作製されたものです。

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材 料 (約10個分) ○ ペポカボチャの種子 80g ○ ビターチョコ 90g

○ 生クリーム 45g ○ バター 5g

○ グラニュー糖 30g ○ 水 80g

作り方

① チョコレートは刻み、ボウルに入れる。

② 生クリームを鍋に入れて沸騰させ、①に入れ、1〜2分そのまま放置する。

③ バターを加え、よく混ぜる。

④ ③を一口大分に分け、冷やす。

⑤ ペポカボチャの種子を 160℃のオーブンで5分加熱する。

⑥ 砂糖に水を加え煮つめ、キャラメル状に糸をひいてきたら、火からおろしペポカボチャ

の種子を加えて全体を混ぜ、クッキングシートの上に広げる。

⑦ ④のチョコが乾いた状態になったら、⑥のペポカボチャの種子を少し刻んで直径 1.5cm

位にかたまりをつくり、④のチョコで包みまるめる。

⑧ 球型に成形し、最後に粉糖またはココアパウダーを全体に振るいかける。

ホームページ http://www.asahikawa-u.ac.jp/

試作 旭川大学短期大学部教授 豊島 琴恵(旭川市永山 3条 23丁目 1番 9号)

ペポカボチャ・トリュフ

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材 料 (5×5㎝ 10~12カット分) ○ ペポカボチャの種子 100g 〇 グラニュー糖 100g

○ バター 大さじ1(12g) ○ 水 45cc

○ バター(クッキングシート用)適量

作り方

① ペポカボチャの種子を 160℃のオーブンで5分くらい加熱し、香りを出す。

② 鍋に砂糖と水を加え煮つめ、ふつふつ沸騰し始めたら、濡らしたはけで糖化した鍋の側面

を溶かすようになぞる。

③ キャラメル状に糸をひいてきたら、バターを加えてしばらく加熱し、火からおろし①の種

を加えて全体を混ぜる。

④ クッキングシートに薄くバターをぬり、そこに③の生地を平に広げる。

⑤ 冷めたら、冷凍庫に入れて完全に冷やし固める。

⑥ 適当な大きさにカットする。

ホームページ http://www.asahikawa-u.ac.jp/

試作 旭川大学短期大学部教授 豊島 琴恵(旭川市永山3条23丁目1番9号)

ペポカボチャ・キャラメル

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材 料 ○ ペポカボチャの種子 50g ○ バジルの葉 80g

○ ニンニク 1かけ ○ オリーブオイル 200ml

○ 塩 小さじ1/2 ○ 胡椒 少々

作り方

① ペポカボチャの種子を乾煎りする。

② バジルは水洗いし、キッチンペーパーで水気をふき取る。

洗いすぎると香りが薄くなるので洗いすぎない。

③ ニンニクは縦半分に切り、芯を除いてつぶす。

④ バジル、ペポカボチャの種子、ニンニクにオリーブオイル約半分を加え、ミキサーにかけ

る。

⑤ ある程度混ざってから残りのオリーブオイルを加え更に混ぜる。

固ければオリーブオイルを足す。

⑥ 滑らかになったら塩・胡椒少々で味を調えて出来上がり。

ジェノベーゼ風ソース

ホームページ http://www.solarehotels.com/loisir/hotel-asahikawa/

試作 ロワジールホテル旭川(旭川市7条通6丁目)

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材 料 ○ ペポカボチャの種子 100g

○ 甜菜糖 300g

○ 水 適量

作り方

① ペポカボチャの種子を、5㎝被る程度の水で、約1時間煮る。

② 甜菜糖に約 200ccの水を加え糖蜜を作る。

③ 1時間煮た種子を、65℃の糖蜜に2時間程浸たす。

④ 浸した種を取り出し、軽く砂糖を振りかける。

⑤ 天日干し又は扇風機などで乾燥させる。(2日間)

材 料 ○ ペポカボチャの種子 100g

○ 甜菜糖 100g

作り方

① ペポカボチャの種子を、表面の色が変わるまで、フライパンで乾煎りする。

又は、オーブンで、160℃5分間加熱する。

② 乾煎りした種子を取り出して、フライパンに甜菜糖を入れ、焦げないように水分を飛ばし

て、アメ状になる手前で火を止める。

③ 火を止めたフライパンに、乾煎りした種子を入れ混ぜ合わせる。

水分がとんで、白く結晶化したら出来上がり。

ペポカボチャ・甘納豆

ホームページ http://amanattou.jp/company.html

試作 株式会社旭川食品(旭川市工業団地5条3丁目 798番地 13号)

ホームページ http://www14.plala.or.jp/kyosei/index.html

試作 旭豆総本舗 共成製菓株式会社(旭川市宮下通16丁目右1号)

ペポカボチャ・砂糖がけ

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材 料 (100枚分) ○ 道産小麦粉 1.2㎏ ○ 卵 500g

○ 上白糖 1㎏ ○ 重そう 0.1g

○ 塩 少々 ○ ペポカボチャの種子 100g

作り方

① まず、卵を泡立て器でほぐす。

② ほぐした卵に上白糖を入れ、木ベラでしっかり練る。水を少し入れる。

③ 小麦粉をふるって入れ、泡立て器で練り上げる。

④ 最後に重そうを水に溶かして加える。ホットケーキを焼く時のやわらかさにする。

⑤ ペポカボチャの種子に塩をふりかけておく。

⑥ 煎餅型が熱くなったら、④を盛ってその上にペポカボチャの種子(5・6粒)をのせて焼く、

約3分ぐらいで焼き上がる。

ペポカボチャ・種子のせんべい

E-mail [email protected]

試作 我国煎餅店(札幌市東区北28条東13丁目3-8)

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材 料 ○ バター 450g

○ パセリ 10g

○ ニンニク 20g

○ 胡椒 少々

○ 一味 少々

○ ペポカボチャの種子 100g

作り方

① ペポカボチャの種子を、軽く色が変わる程度に乾煎りしてからミキサー等で粉砕する。

② ①と全ての材料とともによく混ぜればできあがり。

材 料 ○ パン粉 100g

○ ドライパセリ 5g

○ ドライニンニク 5g

○ 塩、胡椒、一味 少々

○ ペポカボチャの種子 50g

作り方

① ペポカボチャの種子を、軽く色が変わる程度に乾煎りしてからミキサー等で粉砕する。

② ①と全ての材料とともによく混ぜればできあがり。

ペポカボチャ・バター

ペポカボチャ・シード入り香り付けパン粉

TEL (011)694-9343

試作 創心(札幌市手稲区手稲本町1-3 大雄ビル1F)

TEL (011)694-9343

試作 創心(札幌市手稲区手稲本町1-3 大雄ビル1F)

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材 料 (6人分) ○ ペポカボチャ果肉 550g ○ ペポカボチャの種子 18粒

○ 玉ねぎ 150g ○ じゃがいも 150g

○ バター 大さじ1 ○ チキンコンソメ 6g

○ 牛乳 200㏄ ○ 塩・胡椒 適宜

○ 水 適宜

作り方

① 玉ねぎは薄くスライスする。鍋にバターを溶かし、玉ねぎが透明にしんなりするまで炒め

る。

② ペポカボチャとじゃがいもを薄くスライスして、①に加えて軽く炒め、ひたひたの水を

加え、コンソメを入れて煮る

③ 野菜が柔らかくなったら、粗熱をとって、ミキサーにかけなめらかにする。

④ 鍋にもどして、牛乳を入れ、再び火にかける。

⑤ 塩、こしょうで味を調える。

⑥ 器によそって、乾煎りしておいたペポカボチャの種子(3粒)を散らす。

ペポカボチャ・ポタージュ

ホームページ http://www.asahikawa-u.ac.jp/

試作 旭川大学短期大学部教授 豊島 琴恵(旭川市永山3条23丁目1番9号)

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材 料 (4人分) ○ ペポカボチャ果肉 100g ○ 春雨(ゆで) 80g

○ ポン酢 大さじ2 ○ ごま油 大さじ2

○ 白ごま 適宜

作り方

① ペポカボチャは4〜5cmの長さに線切りにし、さっとゆがいておく。

② 春雨も茹でて、同じ長さに切り揃える。

③ ぽん酢とごま油を合わせ、①、②と和える。

④ ③に白ゴマをからめて盛り付ける。

ホームページ http://www.asahikawa-u.ac.jp/

試作 旭川大学短期大学部教授 豊島 琴恵(旭川市永山3条23丁目1番9号)

ペポカボチャ・中華和え

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材 料 (4人分) ○ ペポカボチャ果肉 400g ○ きび砂糖 小さじ1弱(2g)

○ みりん 小さじ1弱(4g) ○ 酒 大さじ1強(16g)

○ 醤油 大さじ2 ○ ごま油 大さじ2

○ 白ごま 適宜

作り方

① ペポカボチャは長さ4〜5cm、幅1cmに切り揃える。

② フライパンにごま油を熱し、カボチャを入れて炒める。

③ 油が全体にまわったら、調味料を全部合わせ、②に回し入れて軽く煮詰める。

④ 全体に味がなじんだら、ごまを全体にからめ、盛り付ける。

ホームページ http://www.asahikawa-u.ac.jp/

試作 旭川大学短期大学部教授 豊島 琴恵(旭川市永山3条23丁目1番9号)

ペポカボチャ・きんぴら

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材 料 ○ ペポカボチャ果肉 360g

○ ニンジン 360g

○ オレンジジュース 80㏄

(果汁 100%)

○ リンゴジュース 40㏄

(果汁 100%)

○ レモン汁 少々

作り方

① ペポカボチャ、ニンジンの皮をむいて、適当な大きさに切る。

② ジュースと①の野菜をミキサーで回し、仕上げにレモン汁で味を調える。

βカロテンたっぷりで美肌効果、動脈硬化予防呼応かが期待できるヘルシージュースです。

圧搾方式のジューサーなら、ミカンとリンゴもフレッシュなものを使えるので、

更にヘルシーです。

ペポカボチャ・ミックスジュース

コツ・ポイント!!

ホームページ http://www.solarehotels.com/loisir/hotel-asahikawa/

試作 ロワジールホテル旭川(旭川市7条通6丁目)

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材 料 ○ ペポカボチャ(未熟)果肉 10㎏ ○ 塩 500g(重さの5%)

○ 酒粕 2.5㎏ ○ 味噌 250g(色づけ程度)

○ キザラ 500g(少なめに)

作り方

(下漬け)

① 内綿部分を取り除き、5㎝幅にカットしてから皮を剥く。

② 皮は青い部分が無くなるよう厚く剥く。

③ ペポカボチャの重さの5%の塩をふり、2日間下漬けする。

④ 重石はペポカボチャの重さと同じくらい。

(本漬け)

① キザラを鍋に入れ水をひたひたにして煮とかし、味噌を入れて混ぜ合わせる。

② 冷めてから、酒粕を加え混ぜ合わせる。

③ 粕床を敷きペポカボチャを並べ粕床を掛ける、これを繰り返し重石をする。

④ 重石は、ペポカボチャの重さと同じぐらい。

ペポカボチャ・粕漬け

facebook https://www.facebook.com/ZhuShiHuiSheyamasanZeTianShangDian

試作 株式会社ヤマサン澤田商店(旭川市6条通6丁目27-1)

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材 料 ○ ペポカボチャ果肉 150g

(未熟果肉を使用)

○ 穀物酢 200㏄

○ 鰹・昆布だし 80㏄

○ 砂糖 50g

○ 塩 小さじ2

○ ローレル 1枚

○ 鷹の爪 1本

○ 粒ブラックペッパー 適量

○ ニンニク 一片

作り方

① 皮を剥いたペポカボチャを、幅2㎝、厚さ1~0.5㎝、長さ 15 ㎝の短冊状にカットし、

他の材料も同じようにカットする。ニンニクは縦に割って芯を取り除く。

鷹の爪の種子は取り除く。

② ペポカボチャを 65度のお湯に 30分間浸け、取りだして氷水に浸ける。

③ ペポカボチャ、鷹の爪、ニンニク以外のものを鍋に入れ、さっと煮たてて調味液を作る。

④ 調味液が冷めたら、瓶に材料を立てて入れ、上から液を注ぎ入れる。

1週間経てば食べられる。

ペポカボチャ・ピクルス

ペポカボチャの他に、大根、キュウリ、ニンジンを加えても良い。

ホームページ http://www.arc-net.or.jp/

試作 一般財団法人旭川産業創造プラザ(旭川市緑が丘東1条3丁目1番6号)

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(5)パネル

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(6)チラシ(表面)

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チラシ(裏面)