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国土交通省のCALS/EC現状とこれから 国土交通省大臣官房 技術調査課長 望月 常好

国土交通省のCALS/ECの 現状とこれから · 2010. 4. 16. · cals/ecアクションプログラム ()内は空港施設calsにおける年次 地方公共団体 を含め、ほと

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国土交通省のCALS/ECの現状とこれから

国土交通省大臣官房

技術調査課長

望月 常好

お話しする事項

日本の公共事業とCALS/EC港湾施設情報システム

CADデータ交換標準SXF電子入札

海外交流

今後の新たな展開(案)

日本の公共事業とCALS/EC

公共事業の概況、CALS/EC導入検討経緯

国内総支出: 513.7 兆円

資料)国土交通省総合政策局より

※上記の企業の 99% は資本金1億円未満の規模

就業者人口: 638 万人建設業許可業者数: 約58.6万社 (※2001年3月末)

建設業

出資額

消費:374.9兆円 (73.0%) 投資: 131.8兆円

(25.7%)

輸出: 55.7兆円

(10.8%)

輸入: –48.8 兆円

(–9.5%)

建設投資: 70.4 兆円 (13.7%)

民間住宅: 39.2兆円

建設投資費に対する55.7%

政府建設投資: 31.2兆円

建設投資費に対する44.3%

機械等:61.5兆円 在庫:-0.1 兆円

(2000年度)

国内総支出と建設投資

資料)各省ホームページより

国土交通省

農林水産省ほか

(国家予算: 83 兆円)

2.1兆円

7.3兆円総計: 9.4兆円

日本の公共事業のための国家予算日本の公共事業のための国家予算 2002001年度当初1年度当初

日本の公共事業

重要港湾

直轄国道

直轄河川

<凡例>

国土交通省が所管する主な公共施設

CALS/ECの定義CALS の名称の変遷と EC

Computer-Aided Logistic Support

:コンピューターによる兵たん業務の支援

Computer-Aided Logistic Support

:コンピューターによる兵たん業務の支援

Computer-Aided Acquisition and Logistic Support

:コンピューターによる調達と兵たん業務の支援

Computer-Aided Acquisition and Logistic Support

:コンピューターによる調達と兵たん業務の支援

Continuous Acquisition and Life-cycle Support:継続的な調達とライフサイクルの支援

Continuous Acquisition and Life-cycle Support:継続的な調達とライフサイクルの支援

米国国防総省主導

米国国防総省主導

産業界主導産業界主導 Electoronic Commerce:電子商取引(電子経済)

Electoronic Commerce:電子商取引(電子経済)

+

情報化の観点から見た公共事業の特徴

– 多くの主体間の頻繁な情報交換

発注者、設計者、施工者、資材供給者等

– 交換される情報が多様で量も多い文書、図面、写真、計算書等

– 長期の維持管理期間にわたる情報保持が必要

情報化の観点から見た公共事業の特徴

– 多くの主体間の頻繁な情報交換

発注者、設計者、施工者、資材供給者等

– 交換される情報が多様で量も多い文書、図面、写真、計算書等

– 長期の維持管理期間にわたる情報保持が必要

CALS/EC導入の効果が高いCALS/EC導入の効果が高い

CALS/ECを公共事業に導入する意義

CALS/ECアクションプログラム

( )内は空港施設CALSにおける年次

地方公共団体を含め、ほとんどの公共発注機関においてCALS/ECを実現

~2010年度

・直轄事業において空港施設CALSの実用化

・統合データベースシステムの構築

・空港施設CALSグランドデザインの策定

・モデル事業の開始

空港施設

CALS

・統合データベースシステムの構築

・電子調達システム導入に向けての体制の確立

・港湾CALS環境整備・モデル事業の開始港湾

CALS

・直轄事業においてCALS/ECを実現

・一部の工事等に電子調達システムを導入

・成果品の電子納品を開始

・全職員のパソコン、インターネット利用環境の整備

・実証実験の開始

建設CALS/EC

2002~2004年度(2003~2004年度)

1999~2001年度(2000~2002年度)

1996~1998年度(1996~1999年度)

フェーズ3フェーズ2フェーズ1

CALS/ECの基本フロー

従来

企画会社

調達

設計会社

解析

製造会社

試験

維持会社

生産

情報の共有化

データベース

-通信ネットワークとデ-タベース-

データベース

データベース

-紙の流れ-

情報の電子化

電子媒体

通信ネットワークの利用

ネットワーク

-通信ネットワーク-

-電子媒体-

従来は、電子データで作成されていた資料も情報交換時に1度、紙に出力して受け渡しを行っている。

電子媒体により情報の交換を行う。

ネットワークを利用して電子データのやり取りを行う。

標準化

ネットワーク等インフラ整備

プロジェクトデータベースの整備

ブロードバンドネットワークの普及

ネットワークを通じて複数のデータベースを連携する事により仮想データベースを構築する。

標準化の意義

異なる組織(システム)間での情報交換にはn×(n-1)/2個のルールが必要となる

異なる組織(システム)間での情報交換には、n×(n-1)/2個のルールが必要となる

異なる組織(システム)間での情報交換には、n×(n-1)/2個のルールが必要となる 情報交換を実現できる

交換標準を作成すると、情報交換はn個のルールにより実現できる

交換標準を作成すると、情報交換はn個のルールにより実現できる

情報システムA

情報システムB

情報システムC

情報システムD

情報システムA

情報システムB

情報システムC

情報システムD

交換標準

情報の標準化

ネットワーク形態の進化

2005年

2000年

通信情報網の拡大

ユビキタス社会ユビキタス・ネットワーク社会 ネットワークの更なる高度化により、オフィスから家庭まで、いたるところにネットワークが張り巡らされ、誰もが、いつでも、どこでも、ネットワークを通じて情報のやり取りができる社会

ブロードバンド・ネットワーク 光ファイバー、CATV,xDSLによる500kbps以上の高速、大容量データを活用できる通信回線。ナローバンド・ネットワークにはない、映像、音声などの大容量データを用いた様々なサービスの可能性が眠っているとされる。

ナローバンド・ネットワーク 電話回線やISDN回線による128kbps以下の速度をもつ「低速な」通信回線。ADSLなどの普及によりブロードバンド接続への移行が進んでいる。

FTTH(Fiber To The Home)

VDSL回線

ADSL回線

1.5Mbps

128KbpsISDN回線

300bpsアナログ回線

広域化

高速化

大容量化ブロードバンド社会

ナローバンド社会

人間が、コンピューターに対して何かをする社会

人間の行動に従ってコンピューターが気を利かせる社会

100Mbps

伝送

速度

進化

ネッ

トワ

ーク

形態

の変

CALS/ECのゴール-共有統合データベース-

港湾施設情報システム

CALS/ECの代表事例

(3)システムの特徴

高解像度衛星画像高解像度衛星画像

表示情報を選択し、平面図に表示する情報を変更

できます。

(5)災害時における利用フロー被災情報伝達サブシステム

使用可否判定サブシステム

被災額算定サブシステム

応急工事支援サブシステム

港湾施設の被災写真等を登録、転送します。

現地調査結果に基づき重要施設の使用

可否を判定します。

現地調査結果に基づき被災額を算定します。

設計図面や二次災害危険施設の表示に

より応急工事全般を支援します。

復旧事例や類似断面の検索等により復旧

工事全般を支援します。

復旧工事支援サブシステム

CADデータ交換標準SXF

標準化の代表事例

現状の課題

●中間フォーマットを介したデータ交換

DXF out

A CAD

DXF in

B CAD

確立された標準が存在しない確立された標準が存在しない

不完全なデータ交換の可能性不完全なデータ交換の可能性

SXF開発の成果SXF開発の成果

特定CADソフトに依存しない図面情報の

交換・共有

⇒平成14年度からの電子納品に活用

従来の精度を上回る交換品質の達成

図面の再利用に伴うコスト縮減期待

CAD利用の普及・拡大

電子入札

従来の紙による入札と、制度的に同じことをインターネット上で行う

2001年11月13日初開札

e-BISCセンター:Electronic Bid Server Control センター

インターネット

入札参加希望者

国民入札情報サービス

情報取得

情報取得情報収集

認証書申請

確認

発行

認証書の有効性問合せ

情報収集・発注予定情報・入札公告等・入札結果等

電子入札施設管理センター

(e-BISCセンター)

電子認証システム

認証局

公共発注機関

電子入札システム 

PPI

電子入札システムの基本フロー

競争性の確保、受注機会の拡大–インターネットを通じて、参加条件を満たす者が誰でも容易に入札に参加可能

建設コストの縮減–入札に参加するための移動回数が大幅に減少

事務の効率化–書類の作成、送付業務が電子化

競争性の確保、受注機会の拡大–インターネットを通じて、参加条件を満たす者が誰でも容易に入札に参加可能

建設コストの縮減–入札に参加するための移動回数が大幅に減少

事務の効率化–書類の作成、送付業務が電子化

国交省:約260億、全国:約3000億円(受注者の移動と書類作成の費用のみの年額)

国交省:約260億、全国:約3000億円(受注者の移動と書類作成の費用のみの年額)

電子入札導入による効果

・直轄事業(工事+建設コンサルタント業務)の全案件

約44,0002004年度

一年前倒し約10,0002003年度

・工事は公募型(2億円)以上の全案件

・建設コンサルタント業務は簡易公募型(5千万円)以上の全案件

約2,0002002年度

・全国で実施

・企業のIT化の現状をふまえ、大規模直轄事業(工事+建設コンサルタント業務)から選定

約1002001年度

10月から

基本方針入札案件年度

国土交通省の電子入札拡大計画

地方展開の目標年次

CALS/EC実証実験開始

CALS/EC準備開始

CALS/EC一部本運用 

CALS/EC一部本運用 

CALS/EC準備開始

CALS/EC実証実験開始

CALS/EC一部本運用 

電子

自治体

電子政府

CALS/EC準備開始

国土交通省

市町村

主要

地方都市

CALS/EC地方展開アクションプログラム(全国版)

策定

都道府県・

政令指定都市

2001年度 2002年度 2003年度 2004年度 2005年度 2006年度2007年度

2008年度

2009年度

2010年度

総合行政ネットワークの構築(都道府県、政令指定都市)

順次適用範囲拡大

「ミレニアム・プロジェクト」超高速インターネット&

コンピューティンク環境を創造

「e-JAPAN戦略」世界最先端のIT国家を目指す

「ミレニアム・プロジェクト」電子政府の基盤を構築

CALS/EC実証実験開始

順次適用範囲拡大

順次適用範囲拡大

電子入札開始

電子入札開始

電子入札開始

電子入札開始

順次適用範囲拡大

地方版CALS/EC推進協議会設立

地方展開アクションプログラム(地方ブ

ロック毎)策定

総合行政ネットワークの構築(市中村)

電子入札1年前倒し

電子入札システム標準化の必要性

各公共発注機関がそれぞれに電子入札システムを開発

高額高額な開発費な開発費

受注者の受注者の混乱!混乱!

電子入札システムの乱立

コアシステムを利用した電子入札システムを開発

各公共発注機関ごとに共通コアをカスタマイズ

安価安価な開発費な開発費

受注者の受注者の混乱回避混乱回避

信頼性

安全性改善・機能追加

•各発注機関の多様な要求に対応•今後のインターネット環境の変化

および技術革新へ対応

中央省庁入札システム仕様

<物品調達用>

国土交通省版電子入札システム

<公共事業用>

各省庁要件公団/事業団要件

地方自治体要件

<入札システムのスタンダード>

電子入札コアシステム

<汎用>

電子入札電子入札コアシステムコアシステム

<汎用><汎用>

電子入札コアシステムの開発

マルチプラットフォーム

対応

電子入札コアシステム開発コンソーシアムのメンバー構成

正会員(10社)– 電子入札システムを開発する能力を有する企業

賛助会員(50社)– 電子入札コアシステムに関する情報を必要とする企業

特別会員(93団体)– 電子入札システムの導入に意欲的な公共発注機関

– 国土交通省、農林水産省、郵政事業庁、防衛施設庁、– 日本道路公団、日本鉄道建設公団、阪神高速道路公団、

首都高速道路公団、水資源開発公団、新東京国際空港公団ほか

– 46/47都道府県、12/12政令指定都市、その他

※1月22日現在の参加状況

海外交流

国際的な協調にむけて

非ODA及びODAの公的資金による包括的協力策

・知的貢献(相談アドバイザーなど派遣)・人造り(人材育成)・情報通信基盤の整備・ネットワーク化支援・援助におけるIT利用の促進

2000年7月 九州・沖縄サミット

国際的な情報格差問題に対する国際的な情報格差問題に対する日本の包括的協力策日本の包括的協力策

今後5年間で150億ドルの援助

ITソフトを氷山にたとえると

By Mr. TAKEYA, PCI

システムアーキテクチャーの標準化

データ構造の標準化

分野ごとの運用ガイドライン

分野ごとのデータ整備ガイドライン

人材育成プログラムと実践

スパイラルに更新=短期的価値

システムを支える要素技術

通信インフラ社会のITマチュリティ

Market Mechanism

DATAは財産

=長期的価値

人材は長期的価値

E-Government

法整備

アプリケーションとそれを支えるアーキテクチャー

By Mr. TAKEYA, PCI

海外調査

建設ITの情報交流ベトナム、台湾、シンガポール

2001.10

標準化活動米国2001. 6電子調達先進事例米国・カナダ2001. 6

米国東海岸2001. 1全国展開先進事例韓国2000. 9

米国西海岸2000. 7主なテーマ対象地

定期的な情報交流の重要性

CALS/EC国際シンポジウム

今後の新たな展開

第3フェーズのポイントとその後の将来計画

公共事業分野のIT施策として定着(地方への確実な展

開)

建設業界におけるITに対する意識改革に大きく寄与

関係者の情報リテラシー向上のインセンティブとなる

電子入札,電子納品等のツール整備により、受発注者双方でメリット享受

事業のライフサイクルをサポートするまでには未到達

フェーズ間をまたぐデータの受け渡し等の改善の必要性

生産プロセス以外の分野での電子データの有効活用

現段階でのCALS/ECの評価

ミッション

ビジョン

公正さを保ちつつ、良質な施設を、低廉かつタイムリーに

より質の高い行政サービスを、より低コストにより早く

公正さを保ちつつ、良質な施設を、低廉かつタイムリーに

より質の高い行政サービスを、より低コストにより早く

①国土管理システムとの連携による高度なサービスの提供

②発注者が一体となった広域的な連携システムの構築

③電子政府関連の他のシステムとの連携による統合的整備・運用

④データの有効活用による民間IT・サービス関連新市場の創出

⑤ITを活用した業務プロセスの改革

①国土管理システムとの連携による高度なサービスの提供

②発注者が一体となった広域的な連携システムの構築

③電子政府関連の他のシステムとの連携による統合的整備・運用

④データの有効活用による民間IT・サービス関連新市場の創出

⑤ITを活用した業務プロセスの改革

新たな計画

電子納品 情報共有

測量会社 地質調査会社 設計会社 建設コンサルタント 施工会社 維持補修会社

一般国民

民間企業 研究機関等

新たな市場創出

受注者

バックオフィス改革

調査・契約

入札・契約

設計・積算

維持管理

工事施工

既存業務処理システム

既存の情報資源としての各種業務処理システム等との連携による仕事のやり方の見直しを促進

フェーズ内でのデータ再利用とフェーズ間をまたぐデータの受け渡しを実現することによるライフサイクルのフルサポート実現

国土管理サービス

国土管理サービス分野へのデータ提供による電子データの有効活用

・防災・環境保全・ITS

・コスト縮減・品質の確保・向上・透明性の確保

・物品調達  ・工事台帳、等

他機関関連システム

システム連携によるシステム開発コストの縮減と品質の向上

システム連携

広く一般に電子データを提供することによる新たな市場創出のための環境整備

発注者間連携

インターネット

市 町 村霞ヶ関WAN

LGWAN

ネットワークを活用し発注者間連携を図ることによる技術支援やシステム環境整備のコスト縮減を実現

:将来計画で新規着手 :将来計画により高度化 :現計画で完成

電子入札電子契約

県 国

将来計画で目指す最終イメージ(案)

END

国土交通省http://www.mlit.go.jp/english