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1
木材製品に関する統計資料及び関連情報の収集分析-3
平成16年度
輸入製材の用途別出荷量を推計する
(財)日本木材総合情報センター
2
発表の構成
○ 研究の目的
○ 3年間に収集した主な資料• 材料関連
• 製品関連
• 建築・社会関連
○ 収集した資料から導かれたこと• 輸入製材の用途別出荷量
• トラックやバスに使用される木材量
• 建築物への製材使用量
• 移入・輸入木材の木材炭素量の推移
○ まとめ
3
研究の目的
○ 小課題番号:301木材製品に関する統計資料および関連情報の分析• 木材製品中の木材炭素蓄積量の絶対量あるいは変動量を定量的に
評価するため、透明性が高い統計資料および関連情報の収集分析を行う
わが国の木材製品中の炭素量の調査手法の開発
わが国にどのくらいの量の木材製品が存在するのか?
木材製品の廃棄の現状は?投入された木材資源が木材
製品に変わるまでのフローは?
4
主な収集資料 材料関連
○ 丸太や製材の需給• 国産材:「木材需給報告書」(農林水産省)
外材: 「貿易統計」(財務省)
○ 木材の容積密度• 主な統計資料は容積ベースなので、容積から木材炭素ストック量の
換算に用いる
○ 木質材料の製造量や輸入量• 合板の製造量・出荷量・輸出入量
• 合板の用途別製造・出荷割合(アンケート調査)
• パーティクルボード、繊維板の用途別出荷量・輸入量
• 集成材の用途別製造量・輸入量
○ 非木質材料の製造量• 鉄鋼、セメント、アルミニウム、プラスチックなどの製造・販売・在庫量
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主な収集資料 製品関連
○ 紙パルプの製造量・輸出入量
○ 木材製品の製造量・輸入量など• パレット製造量
• 家具の製造・出荷・在庫量
• 家具・建具製造業の出荷額・原材料使用額等
• 木製楽器の製造・販売・在庫量
• 枕木・電柱の製造量
• 木製包装資材の販売量
• 木材製品関連の出荷額
• その他木材製品輸入量
6
主な収集資料 建築・社会関連
○ 廃棄物• 木くず・紙くずの埋め立て量
• 産業廃棄物の量
○ 建築・土木分野• 建築物の数・床面積・滅失量
• 原単位(建築物の床面積あたりの木材使用量)
• 土木部門への投資額および原単位(工事金額あたりの木材使用量)
○ 人口や資産• 人口と世帯
• 固定資産
• 図書館の蔵書数・受入図書数
7
輸入製材の用途別出荷量を推計する
○ 国内挽き製材は用途別出荷量が把握できる• 用途: 建築/家具・建具/梱包・パレット/土木/その他
○ 輸入製材は用途別出荷量が把握できない• 貿易統計で把握できるのは樹種別輸入量(m3)
○ このため、輸入製材は国内挽き製材と同じ割合で出荷されたと仮定することが多いが、今回は2001年
のデータに基づき、輸入製材について用途別出荷量の推計を行った
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単位:千m3
計 建築 その他へ (再掲)業者へ
木材市売市場
木材センター
木材販売業者
総合商社
需要者の入荷量
製材工場から計 17,008 3,056 603 5,126 970 4,231 268 36 720 141 1,856 7,252国産材 8,095 2,571 281 1,815 372 1,938 139 12 241 106 621 3,057外材 8,913 486 322 3,312 598 2,293 129 24 479 35 1,235 4,195 うち現地挽き製材 852 52 19 269 29 301 8 0 29 1 144 483木材市売市場・木材センターから計 5,092 159 165 3,628 11 398 416 14 257 16 28 1,129国産材 3,309 120 137 2,173 10 307 377 14 133 12 26 869外材 1,783 39 29 1,455 2 91 38 1 124 4 2 260 うち現地挽き製材 696 20 12 545 1 23 19 - 75 0 1 118木材販売業者から計 21,225 483 387 6,452 274 8,476 2,078 99 1,001 341 1,633 13,628国産材 6,340 253 80 1,411 59 3,280 338 6 176 41 696 4,537外材 14,886 230 306 5,042 215 5,196 1,740 94 825 301 937 9,093 うち現地挽き製材 8,968 146 209 3,277 118 2,408 1,281 93 598 256 582 5,218全体 計 43,325 3,698 1,155 15,206 1,255 13,105 2,762 149 1,978 498 3,517 22,009
木材市売り市場 木材販売業者流通業者へ 工場へ
製材工場合単板工場
プレカット工場
集成材工場
輸入製材の用途 ①建築
○ 製材の出荷先別出荷量(2001年)• 木材流通構造調査報告書(農林水産省)
需要者への入荷量5,819千m3建築業者への入荷量 2,732千m3
輸入製材 建築用途割合 = 2,732 / 5,819×100 = 46.9%
9
輸入製材の用途 ①建築
○ 流通構造調査では、メーカーなどが直接輸入した製材が反映されない• 流通構造調査における需要者への入荷量 5,819千m3
• 貿易統計の製材輸入量 8,980千m3
○ 直接輸入分も流通構造調査と同じ割合で出荷されたと仮定する
○ 製材輸入量8,980千m3(2001年)のうち46.9%が
建築用8,980千m3 × 0.469 = 4,212千m3
輸入製材 建築用途出荷量 = 4,212千m3
この差が直接輸入分
10
輸入製材の用途 ①建築
○ 製材の出荷量に占める建築用途の比率• 輸入製材:木材流通構造調査報告書(農林水産省)
• その他:木材需給報告書(農林水産省)
○ 輸入製材は、建築用途に出荷される割合が低い
81.278.075.476.7国内挽き全製材
78.074.872.774.4国内挽き外材製材
46.960.361.189.5輸入製材
2001199119841980単位:%
11
輸入製材の用途 ②家具・建具
○ 木製家具原料仕入量(2001年)2,123千m3
このうち製材の割合は58.9%なので→ 1,250千m3
• 「木材産業環境情報提供調査事業報告書」(平成15年3月 (財)日本木材総合情報センター)
○ 木製建具は木製家具の28%と仮定1,250×0.28 = 350千m3
• 建具製造業の家具製造業に対する「原材料使用額等」「製造品出荷額等」の割合が平均28%程度
• 「工業統計(産業編) 経済産業省」
製材1,250千m3
(58.9%)
加工木材873千m3
(41.1%)
木製家具の原料仕入量2,123千m3
12
輸入製材の用途 ②家具・建具
○ 国内挽き製材の家具・建具向け出荷量(2001年)313千m3
• 木材需給報告書(農林水産省)
○ 輸入製材の家具・建具用出荷量 (2001年) 家具・建具用の全製材から国内挽き分を差し引く(1,250 + 350) - 313 = 1,287 千m3
○ 製材輸入量(2001年) 8,980千m3
• 貿易統計(財務省)
家具 建具 国内挽き
輸入製材 家具・建具用途出荷量 1,287千m3 割合 14.3%
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輸入製材の用途 ③梱包・パレット
○ 木製パレット木製パレット生産枚数(2001年) 46,697千枚パレット1枚当たりの木材使用量 0.06m3
46,697×0.06 = 2,802千m3
• (社)日本パレット協会調べ
○ 木製梱包資材・容器出荷量(2001年) 1,759千m3
需要量 梱包用木材:梱包用合板 = 87:131,759×0.87 = 1,530千m3
• 「包装技術」 ((社)日本包装技術協会)
• 「輸出梱包企業の資材調達と梱包実態 関東・東海・近畿平成11(1999年)版」 (レンゴー調査株式会社)
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輸入製材の用途 ③梱包・パレット
○ 国内挽き製材の梱包・パレット向け出荷量(2001年)1,588千m3
• 木材需給報告書(農林水産省)
○ 輸入製材の梱包・パレット用出荷量(2001年) 梱包・パレット用の全製材から国内挽き分を差し引く(2,802 + 1,530) - 1,588 = 2,744千m3
○ 製材輸入量(2001年) 8,980千m3
• 貿易統計(財務省)
パレット 梱包 国内挽き
輸入製材 梱包・パレット用途出荷量 2,744千m3 割合 30.6%
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輸入製材の用途 ④土木、その他
○ ここまでの推計で建築用+家具・建具用+梱包用 91.8%⇒ 土木用+その他用 8.2%
○ 国内挽き製材出荷量(2001年)• 土木建設用材 613千m3
• その他用材 395千m3
○ 土木、その他用途には、推計を行う手がかりがないので、上記の割合で残りの8.2%を振り分ける
輸入製材 土木用途出荷量 448千m3
割合 5.0%
輸入製材 その他用途出荷量 289千m3
割合 3.2%
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製材の用途別出荷量推計のまとめ
○ 輸入製材は国内挽き製材と比較して、建築用途が少なく、家具・建具用途、梱包・パレット用途が多い
100.0100.0100.0計 (%)2.62.33.2その他
4.04.35.0土木
10.212.630.6梱包・パレット
2.02.814.3家具・建具
81.278.046.9建築
国内挽き全製材
国内挽き外材製材
輸入製材用途
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トラックやバスに使用される木材
○ 床板、横根太、縦根太に分けて、1台当たりの標準的な
木材使用量をヒアリング
○ 自動車保有台数にかけてトラックやバスに使用される木材量を推計
貨物被けん引車
製材:92千m3
合板:0m3
貨物大型車
製材:251千m3
合板:0m3
貨物中型車
製材:305千m3
合板:326千m3
貨物小型車
製材:0m3
合板:864千m3
バス
製材:0m3
合板:81千m3
●2002年の木材使用量(推計)
長さ
幅
横根太縦根太
荷台
床板
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建築物への製材使用量
○ 建築物に使用された製材と、建築用に出荷された製材の量の比較を行った
○ 建築物の床面積の合計• 建築統計年報(国土交通省)
○ 面積原単位• 建設資材・労働力需要実態調査(国土交通省)
• 3年ごとの調査、建築延べ床面積10m2あたりの使用量(m3)
建築物への製材使用量(建築物の床面積と
面積原単位から算出)
製材品の建築用途への出荷量
(国内挽き製材)
???
床面積 × 面積原単位 = 建築物への使用量
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建築物への製材使用量
○ 使用量は国内挽き出荷量のうち約80%• 建築用として出荷されても、別の用途に使用されるものもある
• 端材などが存在する
建築用製材 出荷量と使用量の比較
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
35,000
40,000
1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005
体積
(千m
3 )
建築用に出荷された製材(国内挽き)
建築物に使用された製材
2000年は出荷量 13,813千m3
使用量 12,071千m3
20
移入・輸入木材の炭素重量の試算
○ 二大統計資料は容積ベース• 国産材:「木材需給報告書」(農林水産省)
外材: 「貿易統計」(財務省)
○ 樹種ごとの文献値に基づき、需給報告書・貿易統計の項目別に容積密度を決定
○ 木材炭素重量の試算• わが国の生活圏に投入された木材炭素量の推移(1970~2003)
• 木材容積から炭素蓄積量を概算する換算係数を提案
国内外の森林からわが国の生活圏に毎年どのくらいの木材炭素が投入されているか
※国内の森林から生活圏への木材の投入をここでは「移入」と定義した
21
わが国の生活圏に投入された木材炭素量の推移
2003年は
国産材と外材を合わせて7,395千ton
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
12,000
14,000
16,000
18,000
20,000
22,0001976
1978
1980
1982
1984
1986
1988
1990
1992
1994
1996
1998
2000
2002
木材
炭素
重量
(千
ton)
外材(針葉樹) 外材(広葉樹)
国産材(針葉樹) 国産材(広葉樹)
合計
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木材容積から炭素蓄積量を概算する
○ 移入・輸入木材の容積と炭素重量の関係を1976~2003の各年についてプロット
y = 0.2255x
R2 = 0.9841
y = 0.2014x
R2 = 0.9889
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
12,000
10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000
木材容積 (千m3)
木材
炭素
重量
(千
ton)
外材
国産材
外材
国産材
○ 木材容積から炭素重量への換算係数国産材:0.202外材:0.226
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まとめ
○ 素材、製材、木材チップの生産量や合板、集成材、木材製品等の製造量は統計データが存在する
○ 輸入製材の用途別出荷量を推計した結果、国内挽き製材と比較して、建築用途が少なく、家具・建具や梱包・パレット用途が多い
○ 生活圏へ投入された木材の容積とそれら木材中の炭素蓄積量には相関があり、容積から炭素蓄積量を概算できる