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「ぽ~れぽ~れ」通巻.398 2013 9 25 日発行 第3種郵便物認可 1 ふれあい・おおさか 「ゆっくり」「やさしく」「おだやかに」 pole poleスワヒリ語 《今月号の主な記事》 要支援の介護保険外しは約束違反……P2 つどいの案内 …………………………P3 ターミナルケア講座のお知らせ ………P3 8月のつどい報告 ………… ………P4 つくしの会の案内と報告……… ………P5 介護の自己負担2割を検討……… …P6 介護体験記① ………………………… 7 介護体験記②…… ……………………P8 介護体験記③……………………………P9 体にうれしい野菜の話(えだまめ)…P10 2013 9 月号

ふれあい・おおさか講座として位置づけられています。 お知り合いの方をお誘いください。 【第280回つどい】 と き: 平成25年12月6日(金)

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Page 1: ふれあい・おおさか講座として位置づけられています。 お知り合いの方をお誘いください。 【第280回つどい】 と き: 平成25年12月6日(金)

「ぽ~れぽ~れ」通巻.398 号 2013 年 9 月 25 日発行 第3種郵便物認可

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ふれあい・おおさか

「ゆっくり」「やさしく」「おだやかに」 pole pole=スワヒリ語

・pole

《今月号の主な記事》

要支援の介護保険外しは約束違反……P2 つどいの案内 …………………………P3

ターミナルケア講座のお知らせ ………P3 8月のつどい報告 ………… ………P4

つくしの会の案内と報告……… ………P5 介護の自己負担2割を検討……… …P6

介護体験記① ………………………… P7 介護体験記②…… ……………………P8

介護体験記③……………………………P9 体にうれしい野菜の話(えだまめ)…P10

2013 年 9 月号

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「ぽ~れぽ~れ」通巻.398 号 2013 年 9 月 25 日発行 第3種郵便物認可

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ど う な る 介 護 保 険

認知症の人と家族の会 副代表理事 勝 田 登 志 子 さんに聞く

要支援の介護保険外しは約束違反

「市町村まかせ」は無謀 政府がねらう介護保険「改革」について、認知症の人と家族の会の勝田登志子副代表理事(=社会

保障審議会介護保険部会委員)に聞きました。

政府は来年の介護保険法改定で、「要支援」と認定された人を保険給付の枠組みから外そ

うとしています。これは、約束違反ではないかと思います。

〈受け皿何もない〉

私たちは長いこと、「家族介護から社会介護へ」という声をあげてきました。

そうした声を受けて、公的保険の一つとして介護保険が誕生したはずです。

それなのに、国の「公的」責任をどんどん消していく。要支援の人については市町村に事

業としてやりなさいと責任をかぶせる。

その市町村に受け皿は何もありません。無謀な話です。

私たち「認知症の人と家族の会」富山県支部は、県内の全市町村の首長と議員に申し入

れを行っています。中身は「要支援者への給付は今まで通り保険で行うこと」という一項

目です。「利用者も困るけれども、事業を担わせる市町村も困るでしょう」と話すと、「そ

うだ」という答えが返ってきます。

150 万人を超す要支援の人たちが介護保険から外されたらどうなるか。市町村が本当に

やれるか。「とんでもない」という感触です。NPO(非営利団体)やボランティアを活用する

といいますが、どこにそんな人がいるのでしょう。

認知症の場合は、初期とか早期が一番大変です。本人も混乱するけど、家族もものすご

く混乱する時期だからです。その混乱を最小限にするように、訓練された専門職の人たち

がケアにたずさわっています。「ボランティアでもできる」「『軽度』だから簡単だ」と思わ

れたら大間違いです。ボランティアが悪いとは言いません。けれどもあくまでボランティ

アです。公的介護を切り捨てて、ボランティアでやりなさい、というのは無責任です。

〈早期ケアが大事〉

「重度」の人に給付を「重点化」するのだといわれています。でも、初期に手当てしな

ければ、認知症は一気に悪くなります。「重度」の人が増え、逆にお金がかかります。

厚労省自身、「オレンジプラン」では認知症の「早期発見・早期ケア」をうたっています。

法改定では、日帰りで利用できるデイサービスについても「重度化予防に効果のある」

サービスに「重点化」するとされています。しかし、リハビリだけが予防に役立つのでは

ありません。高齢者にとってはデイサービスに通うこと自体が重度化予防なのです。

そこに通えなくなれば、家に閉じこもって状態が悪化してしまいます。

施設に入りたくても入れず、支える家族も限界にきているのですから、

家族共倒れになってしまいます。

生活援助やデイサービスなどの在宅介護を使いにくくしていくのでは、

高齢者の尊厳ある生活は守れません。

(富山県支部報 2013 年 8 月号より)

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「ぽ~れぽ~れ」通巻.398 号 2013 年 9 月 25 日発行 第3種郵便物認可

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☆☆ つどいのご案内 ☆☆

【第 279 回つどい】

と き:平成 25 年 10月5日(土) 午後 1 時 30 分~4時

ところ:エルおおさか 5階 視聴覚室 (地下鉄谷町線・京阪電車天満橋駅 下車 西へ徒歩5分)

テーマ:軽度認知障害・認知症初期の理解と対応 ~みんなが豊かに過ごせるように~

講 師:片かた

山やま

禎さだ

夫お

先生

・川崎医科大学神経内科特任准教授、

・公益社団法人認知症の人と家族の会本部理事

・家族の会 国際交流委員会委員長 若年・本人支援専門委員

・家族の心がわかる医師として、全国の会員から高い信頼を得

ています。6 月 15 日のNHK・Eテレのチョイスで「認知症とわかったら」の専門

家として解説されました。

参加費:無 料 (ただし会員でない方は500円戴きます)

後 援:厚生労働省

協 賛:エーザイ、ファイザー、ヤンセンファーマ、第一三共、小野薬品、ノバティスファーマ、

日本イーライリリー

✰ 世界アルツハイマーデー記念講演会として開催します。また、認知症サポーター養成

講座として位置づけられています。 お知り合いの方をお誘いください。

【第 280 回つどい】

と き: 平成 25 年 12 月 6 日(金) 午後 1 時 30 分~4 時

ところ: 大阪市立阿倍野市民学習センター 3 階研修室

テーマ: 講師などはただ今検討中です。(次号でお知らせします)

参加費: 無 料 (ただし会員でない方は 500 円戴きます)

杉山孝博 Dr.の「介護・看護専門職のためのターミナルケア」研修講座

日時:平成 26 年 3 月 30 日(日) 10 時~16 時 会場:エルおおさか

定員:100 名 参加費:一般 5,000 円、 「家族の会」会員 4,000 円 講師プロフィール:「家族の会」副代表理事、川崎幸クリニック院長

講座内容:高齢者ターミナルケアの特徴/在宅あるいは施設におけるターミナルケアの意味と

条件/告知/尊厳死/緩和ケア/在宅ターミナルケアの実際と工夫/訪問看護と訪問介護

の役割分担/死後のケア

主に介護職や看護職を対象にして、現場で役立つターミナルケアの知識を杉山 Dr.が分かりや

すく語ります。

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【8月つどいの報告】 2013年8月2日 大阪府介護支援課 田中主査

《大阪府の認知症施策(オレンジプラン)について》

2012年の認知症の人は 462万人と推計され、高齢者の 15%が認知症であると厚労省研究

班から報道されました。

厚労省の示すオレンジプランがどのような施策なのか、大阪府も施策の実施に向けた今後 5

年間の取り組みについて説明がありました。

今年は、5カ年計画の初年度であり、プランを実行していく市町村への研修と、実施計画

の支援に取り組んでいくとの話でした。しかし、府としての何をどのようにしていくかの

実効性のある話は聞かれませんでした。

府のオレンジプランの施策に対する出席者からの質問・要望・提案

・認知症初期集中支援チームは府ではどのように進んでいるか。

・認知症疾患医療センターが少ない。予約してから検査待ちが長すぎる。

・毎日介護の戦場にいる家族から見たら、行政の施策に危機感が感じられない。絵に描い

た餅のようである。府として腹を据えて考えてほしい。

・ケアパスでいう早期発見・早期治療で認知症は治らないし、介護費用は決して安くなら

ないと思う。府として狙いと効果を予測し、地についた案を出してほしい。

・オレンジプランの前に現在のケアマネージャーの質を向上させるべきである。また、施

設に所属しない独立したケアマネ制度が働いていない。事業所の抱え込みになっていて

利用者のたらい回しである。

国のメッセンジャーでなく、大阪府らしい施策を実行してほしい。

・ケアハウスで見ているが、だんだん認知症が進んできているのに、医者は「なんともな

い」と診断している。医者はもっと認知症の研修をしてほしい。

・サービス付き高齢者住宅が増えてきているが、独立した老健等の利用者が減ってきて、

経営的に苦しいようである。サ高住への行政の指導等立ち入りはできないのか。

・介護保険制度は制度的に市町村の管轄なので、府に実施のための予算も権限もないのは

わかる。しかし各市町村の実践事例や情報を集め(どのようにしているか・どう変えよ

うとしているのか)我々の知らないことを教えてほしい。来年度はその報告を期待して

いる。

【グループワークA】

・認知症サロンには小さい売店があり子供が出入りできる成功しているサロンがある。

・早期発見・早期治療より早期発見・早期覚悟も必要ではないか

・認知症の人の偏食や食べない時は、無理強いはしない方がよい。

・高齢者の7人に 1 人が認知症の現在、介護する人・介護される人がいる社会は優しい

社会になっていくのではないか。等々でした。

【グループワークB】

・要介護度2の妻、毎日一緒にいるのが疲れる。しんどい。

・夫の物忘れがひどい。私も一緒にもの忘れ外来に行って「長谷川式」のテストをした。

持病の糖尿病があるのに、勝手にコンビニへ行って糖尿病に悪いものを買って食べてる。

・紙パンツを履いてくれるのは良いが、布のパンツの上に履いている。

【つどいには大同生命厚生事業団・大阪コミュニティ財団からの助成で開催しています】

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セブンイレブン

東京堂宝飾店 整骨院

散髪屋

梅の湯煙突

至堺(ちんちん電車)

大阪府支部は

ここです

タカラブネ

☆☆☆ つくしの会のご案内 ☆☆☆ 介護者の方の悲しみをわかちあう会です

平成 25 年 10 月 11 日(金) 午後 1 時~3 時 【第 26 回】

講 師 西 川 勝 さん

大阪大学コミュニケーションデザイン・センター特任教授

場 所 (地図をご参照ください)

大阪市阿倍野区共立通1-6-13

地域交流スペース『NAKA』2階

お問合せ

認知症の人と家族の会大阪府支部

電話 06-6626-4936

【つくしの会は日本社会福祉弘済会から助成を受けて開催しています。】

《報告》 7 月のつくしの会 平成 25 年7月 12 日(金)

毎回参加されている要介護度 2 のKさん(ご本人)。得意のハーモニカの独演がオープニングと

なりました。酷暑が続く毎日でしたが、皆さんお元気に明るくつどわれました。

認知症になっても、前向きに元気に過ごせば、こんな病気はなんということはない

・Kさんご本人の言葉です。

「松本一生」先生に診てもらっておられ、「好きなことをさせなさい」と言われたとのことです

・Tさんご夫婦も毎回参加されています。

つくしの会で、Kさんご夫婦とTさんご夫婦が毎回会うことで、双方が元気を得、認知症という病

気に前向きに進んでいこうと、励ましあいながら頑張っておられます。

Tさんは、「何かできることがあればお手伝いをしたい。私は掃除が得意です」と話され、30 分ほ

ど早く来ていただいて、椅子を並べたり会場の設営をお願いすることにしました。

デイから帰りたいという人には…

初参加のAさんは、デイサービス事業の管理者です。将来、グループホームもやりたい

とのことです。利用者の中に「帰る帰る」という人があって困っていますが、良い方法が

ありませんか。

☞ 帰りたいというのは行きたくないからです。行きたければ帰るとは言いません。個々

に楽しさは違い、それぞれ違うところをどれだけ合わすかということです。認知症ケアは

最初が肝心で、初期投資に徹底的にお金をかけること。最初丁寧に対応すると 1 週間くら

いで落ち着くでしょう。

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介護の自己負担 2 割

対象は年収 300万円超 厚労省が検討

厚生労働省は 24 日、現在一律 1 割負担となっている高齢者介護サービス利用の自己負担

割合を、夫婦の年収が300数十万円を超える世帯で2割に引き上げる方向で検討に入った。

介護保険法改正案を来年の通常国会に提出し、2015 年度からの実施を目指す。単身世帯は

年収 250 万円~300 万円程度を基準に検討する。対象は合わせて数十万人になる見通し。

介護保険の総費用は 2011 年度に 8 兆円を突破。2000 年度の制度開始時の 2.3 倍に膨ら

んでおり、利用者の自己負担増で給付財源を確保する狙いだ。

有識者による社会保障制度改革国民会議が今月まとめた報告書で「一定以上の所得のあ

る利用者の負担は引き上げるべきだ」と提言したのに沿って、見直しに着手する。

介護の自己負担割合引き上げは初めて。より具体的な年収基準は、28 日に再開される社

会保障審議会の介護保険部会で詰め、年内に決定する。

厚労省によると、会社員OBの夫(平均的な給与で 40 年間勤務)と、専業主婦の世帯で

は、年金収入が年 277 万円,高齢夫婦世帯の平均的な消費支出は年 286 万円。こうした家

計の実態を考慮し、負担増となる対象者の範囲を定める考えだ。

(2013 年 8 月 25 日の新聞報道より)

★ 利用料 2 割負担へ引き上げ、要支援を介護保険から切り捨て、消費税の引き上げは

社会の弱者に 3 重苦をおしつけるもの。介護難民が増え、介護貧困になります。

「認知症男性、線路に入り死亡

電車遅れで遺族に賠償命令」

次のような判決が出たとの報道がありました。

―2013年8月10日

日本経済新聞―

認知症の男性(

当時91)

が線路内に立ち入り電車と接触し

た死亡事故で、家族らの対応が不十分だったとして,JR東海

が遺族らに列車が遅れたことに関する損害賠償を求めた訴訟

の判決で、名古屋地裁(上田哲裁判長)は9日、男性の妻と長

男に請求全額にあたる約720万円を支払うよう命じた。

判決によると、男性は2007年12月、愛知県大府市のJ

R共和駅の線路に入り、東海道本線の列車と衝突して死亡。

男性は同年2月に「常に介護が必要」とされる「認知症高齢者

自立度4」と診断されていた。

上田裁判長は、同居していた妻が目を離した隙に男性が外出

し、事故が発生したとして「妻には見守りを怠った過失がある」

と認定。別居している長男についても「事実上の監督者」とし、

「徘徊を防止する適切な措置を講じていなかった」とした。

男性の家族らは、妻は事故当時85歳で、常時監視すること

が不可能だったなどと主張。しかし上田裁判長は、介護ヘルパ

ーを依頼するなどの措置を取らなかったと指摘。「男性の介護

体制は、介護者が常に目を離さないことが前提となっており、

過失の責任は免れない」とした。

この判決について皆さんはどのように

思われますか!

感想をお寄せください。

あまりにも酷な判決ではないでしょうか。

今後再検討を促していく判決だと思います。

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「ぽ~れぽ~れ」通巻.398 号 2013 年 9 月 25 日発行 第3種郵便物認可

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認知症と診断されるまで 谷村洋子

25 年間同居している 84 歳の姑が、2 年前アルツハイマー型認知症と診断されました。

姑は、独身の頃は小学校の教師をし、その後、商売をしていましたので几帳面でしっかり

者で元気な人でした。

80 歳になっても、2駅先に住む娘のところまで自転車で通ったりもしていました。

しかし、何度か帰り道に迷ったこともあります。また、近所で一人暮らしをしていた 10 歳

年上の姉のところへは毎週通い、話し相手になったり銀行などの手続きを手伝ったりもし

ていたようです。

ところが、そのお姉さんが亡くなられた頃から、姑は家に閉じこもりがちになりました。

そのうち、娘が「お母ちゃん、おかしいわぁ」と、言い出しました。

姉のお葬式の前夜、香典の金額について電話で話し合ったそうですが、話し合いが終わり、

電話を切って 10 分も経たないうちに再び電話がかかってきました。「なぁ、お香典いくら

つつもうか」と。

そうしたことから、以前通院していた町医者を訪ね受診しました。本人は病院に行くこ

とを強く拒否していました。実は、10 年以上前から血圧の薬をもらっていたのに、最近「も

う治ったから行かんでいい」と勝手に通院を止めたそうです。

町医者の院長は、市民病院の精神科で詳しく検査してもらうようにと紹介状を書いてくれ

ました。

市民病院の精神科では、物腰の優しい言い方をする若い先生が、家庭での様子を聞いた

りテストをしたりして、認知症と診断されました。進行を抑えるため飲み薬を出してくれ

ました。

実は受診するまでが大変で、私が心がけて対応したことが二つあります。一つは、本人

の「否定されたくない」という気持ちを大切にしたことです。「私は小学校の教師だったの

で何でもできる。体も悪いところはない」「だから病院には行かないし、忘れたりなんかし

ていない」の一点張りでした。本人が言う言葉に対して「それは違うでしょう」などと否

定しないように「そうですねぇ。忘れていませんよ。でもね、一度だけで良いから病院へ

行ってみましょうよ」などと促して対応したことです。

二つ目の心がけは、なるべく昨日と同じことをするようにしたことです。「おばあちゃんは

タクシーが嫌いでしょ。今日も娘さんが車で迎えに来てくれますよ。私も一緒に行きます

からね」と、促しました。

いつもと違う場所や違う人には不安な気持ちが生まれるようです。

なるべく日常と同じように過ごさせるように努めてきました。

以上のような心がけで対応して、やっと受診に結びつきました。

認知症の人と家族の会でのつどいでの学びが、

毎日の言動に活かされていることに感謝しています。

介 護 奮 闘 記

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「ぽ~れぽ~れ」通巻.398 号 2013 年 9 月 25 日発行 第3種郵便物認可

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認知症の夫と自然に暮らしている友人 その後 世話人 N.・J

灼熱の夏も過ぎようとしている。

ご無沙汰している友人に残暑お見舞いの電話をかけました。

☎ 最近どうですか。今も一日中寝ているの。

☎ ありがとう。4月から「紅葉の郷」のデイに、火曜・金曜と行っている。系列が運営

するケアハウスに母が入所しており、デイを覗いたらスイカ割りを上手にしていたよと、

言うけれど何だか複雑な気持ち・・・

☎ 介護保険をやっと利用したのね。

☎ 9 時 20 分から 4 時 15 分までね。送り出してから洗濯などいろいろしていると、直ぐ

に帰ってくるわ。京都まで行ってても慌ただしいのよ。

介護度 3 なら週 3 回利用できるし、遠くへ外出する時はヘルパーさんにお願いできるよ。

デイは嫌がりはしないけど、どうしているか分からないけど、連絡帳には「漢字が 100 点

…」と書いてある。…昔のことはよく覚えているのかなあ~。

「3 回はどう?」と聞いたら、「今で十分です」と言うのよ。我慢して行ってみたいだからい

いわ。

それに、デイから帰った時、私ではなく違う人だったらびっくりすると思うし…。

結構面白いねん。

☎ そうか~楽しかったらええやん。

☎ 彼は、17 年一緒に暮らしている「ゆうた」と言う猫と仲が良いのよ。

いつも一緒にいて「ゆうた・ゆうた」と呼ぶの。

ゆうたのことは分かっているみたいだけど、「私は誰かなあ?、

飯炊きばあさん?」と聞いても答えない。もう一度「私はだあれ?」

と聞くと、「神さんです」と。…カミさんか…

分かって言っているのかなあ。

デイの人が迎えに来て、出るときに「奥さんにバイバイして」と主人に言うけれど、キョ

トンとしているの。「あっ。ママと言わんとね」「ママにバイバイして」だと、私を見るの

よ。奥さんと言ってもわからないみたい。

千葉にいる息子が犬を連れて帰ってきた。散歩に一緒に行くと「散歩できてええなあ、

犬は」そうしたら息子は「犬をおいて行こか」と言ってくれたけど、「犬が可哀そうや。家

族から離れるから…」と言って断ったそうです。

「ゆうたに長生きしてもらわんとねえ。ゆうたの代わりはいないからねえ」

暑さも吹っ飛ぶ電話でした。 2013 年 8 月

あなたの介護体験をお寄せください 日頃、介護で悩んでおられる方への大きな励みとなります。

介護体験を書いて、介護されている方々への心の支援を!

体験記は支部事務所まで、手紙・メール・FAX等でお願

いします。 介護体験を社会の共有財産に!

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まさかの転倒・骨折…それでも在宅で… 大阪府支部副代表 木寺喜義

(要介護度 5、85歳の母親を在宅介護 8年目)

〈えらいこっちゃ〉

去る 8月 5日の 22時 30分頃、入浴介助(シャワー浴)を終え浴室から出る時、繋いでいた手が

滑って転倒させてしまいました。

「あっ、頭打つ、死んでしまう」…しかし狭い風呂場どうすることもできません。

手が離れて倒れるまでの 1秒足らずの時間が非常に長く感じられました。かろうじて頭を打つこと

なく、大きなお尻から「ドスン」という大きな音とともに倒れました。

倒れた場所が 2~3センチ違えば頭を強打し即死だったでしょう。

その夜は何とか衣服を着せ、食事をさせて就寝させることができました。

翌6日はデイに行く日です。8時頃起こしトイレ介助に衣服交換。前夜からの「骨折ではなく単

なる打撲であってほしい」との祈るような願いで介助しますが、右足首が内側に 90度位向いており、

かつ「ブラブラ」の状態。リハビリパンツは膝までしか上げることができず、ズボンも履かせられ

なく裸に近い状態。近所の人を呼ぶわけにもいかず、1人ではどうすることもできません。1人介

護の限界を感じました。

デイサービスのある施設が車で 5分くらいの場所にあるので、施設に電話して助けを求め、服を着

せ救急車を呼び病院へ。豊能町内に大きな病院がないため近隣市の公立病院へ(約 30分)へ運ばれ

ました。診断の結果、右大腿骨転子部の骨折で、8日の日に手術を行いました。

〈リハビリができない〉

入院している病院は急性期病院なので、手術した個所が治れば、回復期病院のリハビリ専門病院

に転院して在宅復帰目指してリハビリをするように、この病院での入院期間は 2週間程度と言われ

ていました。手術から二日目には転院のためのリハビリが始まりました。

看護師に頼んでその様子を見せてもらいましたが、認知症が高度のため作業療法士らの指示が入り

ません。「立ってみましょうか」「この棒を握って下さい」「ここを掴んで下さい」と、懸命にリハビ

リに努められますが、その言葉が全く理解できません。

〈危うく転院させられる〉

いよいよ退院する日が近づいてきました。地域医療連携室のソーシャルワーカが中心になって、

転院先のリハビリ専門病院(下見に行った)とコンタクトをとり、その日取りまで決められました。

しかし「リハビリ病院に転院しても果たしてリハビリがちゃんと出来るだろうか」との悩みが尽き

ません。病院の薦めにのって「転院させるべきか」、それとも断って「家に連れて帰ったらどうなる

だろうか。介護できるだろうか」と、車を運転していてもご飯を食べていても寝ていてもこの悩み

が離れません。しかし時間がありません。決断する日が刻々と迫ってきています。

〈在宅で看ます〉

連れて帰って在宅で看ることに決心しました。その旨を主治医に話し、「23 日が大安なのでその

日に退院を」と申し出ました。主治医は一旦承諾したものの、翌日「あの状態で 1 人で看るのは無

理と思うのでもう一度考え直しませんか」と再考を促されました。「特養に入所も 1つの選択ですよ」

とつけ加えられました。

在宅で看ると言ったものの、本心は相当心細く不安一杯です。病院側からの「再考を」とのプレ

ッシャーで一層不安がつのります。

ケアマネからは「デイサービスやショートステイの受け入れは可能」

との判断もあったことから、転院を断り「退院を」押しきりました。

口に出して言ってませんが「俺には 8年近く介護してきた実績がある。

何とかなるだろう。今までどんな困難な時も 1人で対応してきたから」

との、自負的な思いもありました。

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〈認知度は相当低下〉

連れて帰ったものの、歩くことはもちろんのこと立つことさえできません。ひょっとすると一生

歩くことはできないかも… 家庭内での移動距離をなるべく少なくするよう、母親が寝るベッドの

場所を食事をしている場所に変更しました。

骨折・入院というアクシデントがあり、母親の認知度はかなり落ちました。「服を着る」という行

為がわからないようです。体を触ると極端におびえ、大声を上げるようになりました。

ベッドに横たわったままでの衣服交換は、私が慣れていないこともあり、また、寝返りができない

ことから大変です。右に寝かせ一旦起し、左に寝かせてを 2回繰り返して衣服交換しています。

難儀してズボンをやっと履かせられたと思ったら、前後逆だったりと汗だくで介助しています。

体にうれしい 野菜の話 『エダマメ』

「畑の肉」と呼ばれている、大豆が熟す前の未熟果であるエダマメ。

200 種類くらいの品種があります。

<夏の体にうれしい夏野菜>

大豆の未熟果でもあるエダマメは、大豆と同様、良質なタンパク質が豊富に含まれてい

ます。炭水化物をエネルギーに変えるときに必要なビタミン B1 を豊富に含むため、疲労回

復にも効果的です。また、脂質の代謝に必要なビタミン B2 も豊富に含まれ、ビタミン B1

と合わせてダイエット効果も期待できます。

大豆には含まれていないカロテンやビタミン C といった抗酸化ビタミンも豊富なため、

紫外線の量が多い時期には積極的にとりたいものです。造血ビタミンともいわれる葉酸も

多い上に鉄も豊富なため、貧血予防にも一役買ってくれる野菜です。

その他、カルシウムやカリウムといったミネラルや食物繊維も豊富なエダマメは、豆と

野菜の両者の栄養的特徴を併せ持っている野菜です。汗と一緒に流れ出るビタミンやミネ

ラルが豊富な点も、夏の体にうれしいところです。

<ビールとの相性抜群>

タンパク質に含まれるメチオニンにはビタミン B1、ビタミン C と共にアルコールの分

解を促し肝臓の負担を軽減し、二日酔いを防止する働きも期待できます。お酒のおつまみ

には炭水化物や揚げ物も多いため、それぞれの代謝を促進してくれるビタミン B1、B2を

豊富に含むエダマメはビールのおつまみに最適な食材です。

(野菜ソムリエ、管理栄養士=篠原絵里佳さんの記事 2013 年8月農業共済新聞より)

9 月後半から出てくるエダマメの「丹波黒大豆」という品種は、粒が大きく美味しくて人気の高

い種類です。「○○ずきん」などといった名前を付けて「地域ブランド」として売り出されている地

域が多くなりました。

体にうれしい…とはいうものの、食べ過ぎ・飲み過ぎにはご注意ください。

Page 11: ふれあい・おおさか講座として位置づけられています。 お知り合いの方をお誘いください。 【第280回つどい】 と き: 平成25年12月6日(金)

「ぽ~れぽ~れ」通巻.398 号 2013 年 9 月 25 日発行 第3種郵便物認可

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大阪府支部 7月・8月の活動記録

7 月 3 日 運営監視小委員会 代表

4 日 リフレッシュ交流会下見 4 名

12 日 つくしの会 13 名

23 日 支部報発送・世話人会 7 名

ぽ~れぽ~れ編集会議 代表

毎週 月・水・金 電話相談 述べ 12 名

随時 事務処理 述べ 10 名

8 月 2 日 つどい 29 名

7 日 大阪府共同募金会へ訪問 2 名

20 日 ぽ~れぽ~れ編集会議 代表

22 日 世話人連絡会 9 名

25 日 本部理事会 代表

26 日 アルツハイマーデー活動準備 4 名

28 日 アルツハイマーデー活動準備 6 名

29 日 ぽ~れぽ~れ編集委員会 代表

30 日 アルツハイマーデー宣伝物発送 8 名

毎週 月・水・金 電話相談 述べ 13 名

随時 事務処理 延べ 6 名

認知症の悩み 110番 ◇ 電話相談日 平日の 月 ・ 水 ・ 金 曜日

(祝日はお休みです) 11時~15時

◇ 秘密は厳守しています。電話 06-6626-4936

◇ 電話相談後「つどい」に来られ、介護相談で悩みを打ち明け、アドバイスを受けた

り、「つくしの会」に来られて、心を癒される方などおられます。

安心してお越し下さい。

◇ 利用できるサービスもお知らせしています。

編 集 後 記

今月号は編集作業をしながら、腹

立たしい思いをしました。介護保険

からの要支援者の切り捨て、利用料

の 2 割負担の検討。税と社会保障の

改革の名の下で消費税の引き上げ

と。考えれば考えるほど立腹します。

オリンピックの東京誘致成功、レ

スリングのオリンピック種目復活と

日本中が湧いています。アベノミク

スの 4 本目の矢は、オリンピックに

よる経済効果 3 兆円とか…

オリンピック効果で、消費税増税へ

の方程式が出来上がったのでは…。

介護保険改悪や消費税の増税議論

がオリンピック効果で消し去られて

しまいそうです。そうならないよう

よく見極め、声を上げ目配りする必

要があります。

介護貧困を生まないためにも。

ふれあいおおさかにご意見や感想

をお寄せください。

編集担当 木寺喜義

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【つどい】の会場 (大阪市立 阿倍野市民学習センター)

交通のご案内

地下鉄谷町線「阿倍野」駅⑦号出口より、

あべのベルタ地下 2 階通路を通って、エス

カレーターで3階へ。

JR地下鉄「天王寺」駅、近鉄「大阪阿部

野橋」駅より 500m。

阿倍野筋から北端事務所棟エレベーター

利用できます。

その他、西奥エレベーターも利用できま

す。

☆入会申し込み書、振込み用紙などありますので、事務局にご請求ください。

☆個人年会費 5000円 賛助会員年会費 1口1万円

☆会員には本部月刊誌『ぽ~れ ぽ~れ』と大阪府支部会誌『ふれあい・おおさか』を

郵送致します。

大阪府支部版は大阪府共同募金会から助成を頂いて発行しています

公益社団法人 認知症の人と家族の会 大阪府支部

〒545-0041 大阪市阿倍野区共立通1-1-9

TEL・FAX 06-6626-4936

E-mail [email protected] ホームページ http://alzosaka.wordpress.com/

入会のご案内

ご 寄 付 の お 願 い 皆様のご寄付をもとに、「家族の会」は認知症の人と家族が、励ましあい助け

合いながら、認知症になっても安心して暮らせる社会を目指し活動しています。

私達の活動の趣旨に、ご賛同いただける皆様のご寄付を御願いいたします。

公益社団法人 認知症の人と家族の会 大阪府支部

郵便振替口座 00960-3-163838