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Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE 日独バイオマスデー 「バイオガスによる 地域活性化と温暖化防止の可能性」 日本におけるバイオガス利用の課題とチャンス 2014117富士通総研 経済研究所 加藤 望

日本におけるバイオガス利用の課題とチャンス - Fujitsu...Title 日独バイオマスデー2014 Author 株式会社富士通総研(FRI) Created Date 11/10/2014

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日独バイオマスデー

「バイオガスによる

地域活性化と温暖化防止の可能性」

日本におけるバイオガス利用の課題とチャンス

2014年11月7日

富士通総研

経済研究所

加藤 望

Page 2: 日本におけるバイオガス利用の課題とチャンス - Fujitsu...Title 日独バイオマスデー2014 Author 株式会社富士通総研(FRI) Created Date 11/10/2014

目次

シンポジウムの趣旨・目的

バイオガス利用の位置付け

現状と課題

普及拡大に向けて

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シンポジウムの趣旨・目的

バイオマスエネルギー分野での日独間の協力・連携を目指し、双方の状況について理解を深める。

昨年の「木質バイオマスのエネルギー利用」に続き、今年はバイオガスをテーマとした第二回目の日独シンポジウム。

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ドイツ:全国各地で普及、一つの産業として確立。仕組みづくり、技術、現場ノウハウが蓄積。

日本:試行錯誤段階、未開拓の市場。普及のための基盤が未整備。

(出所) ドイツ再生可能エネルギー統計2012

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バイオガス利用の位置付け

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バイオガス利用の位置づけ

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地域活性化

温暖化対策

調整電源 発電以外の形態での利用

期待される役割

設置容量

方向性・趣旨を定めにくい

地域にとってのメリット

⇒ 公共事業の性格が強い

⇒ 自立性、持続可能性重視

廃棄物の適切な処理 エネルギー事業からの経済的利益

日本

ドイツ

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軸とすべき視点

「地域の資産としてのバイオガス利用」

「Waste to Energy」

マイナスをプラスに、という視点でのエネルギー事業構築

⇒ 環境・社会面でのメリット

+ 自立的・持続可能な運用と利益創出

地域特性に応じた普及のための基盤整備

⇒ 地域ごとに留意点・ポイントを整理し、共有

地域産業との連携

⇒ 付加価値向上を目指した関係者間での検討

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現状と課題

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プラント設置状況

2000年前半に増加 ⇒その後停滞。

FIT導入から2年間で、31件が新規導入(設置容量計6,274kW)。 Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE

データなし

2012-2014 ・・・

(件)

’90年代末~2000年 家畜糞尿や食品廃棄物等に関する各種法規が制定 2012年7月

固定価格買取制度(FIT)導入

(出所)日本有機資源協会、地球環境資源センター、NEDOのデータより富士通総研作成

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プラント設置状況

設置場所

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2009年までの設置プラントの場所(n=185) FIT以降の設置プラントの場所(n=31)

(出所):資源エネルギー庁データより富士通総研作成 (出所):日本有機資源協会、地球環境資源センター、NEDOデータより富士通総研作成

FIT導入によって経済性の見通しがつき設置数が伸びるも、場所は北海道が中心(好条件の場所以外では導入が進んでいない)。

⇒ まだ認知度が低く、普及に向けた課題も残っている。 8

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主な課題

プラントコストの高さ

kWあたり約400万円

実態に沿わない事業・運用計画

適正な量を大きく下回る原料インプット

膨らむO&Mコストによる利益減少

発電以外の価値実現の難しさ

消化液の利用

熱利用 等

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制度および現場レベルで何が課題の背景にあるのか? どのような対策が取られて(取られようとして)いるのか?普及への貢献の可能性、さらなる課題は?

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プラントコスト

制度、条件

耐震等の規制の厳しさ

補助金で進んできたプラント設置

未成熟な市場

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現場レベル

プラント供給側による仕様の決定

浄化設備を伴うプラント

ドイツからの設備導入と国内技術の組み合わせ

⇒ 運用段階・メンテナンスにおいて過大な負担は発生しない か?

地域や原料に特化したプラント開発

⇒ 全国各地に普及させるためには?

課題の背景

対策

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プラニング・運用

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制度、条件

(FIT導入前)発電による利益創出へのインセンティブ不在

外部からの原料調達に必要な許認可の得にくさ

現場レベル

プラント供給側への仕様決定やO&Mの一任

オペレーションノウハウを習得するための仕組み・情報不足

計画段階からの現場オペレーターの積極的な参加

オペレーター育成講座の実施

⇒ 地域でオペレーションノウハウを共有できる仕組みをどう構 築するか?

課題の背景

対策

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消化液および熱利用

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課題の背景

対策

制度、条件

消化液散布に関する基準等の未整備

小規模熱供給の実施に必要な許認可の得にくさ

現場レベル

消化液に対する低い受容

消化液利用のためのインフラや体制整備が困難

既存の熱供給設備との競合

熱需要の特定

消化液利用:利用推進協議会を設け、関係者間の連携により利用を推進。

熱利用:実験的な敷地内での熱利用。

⇒ 利用の普及・拡大を実現するには?

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普及拡大に向けて

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地域の資産としてのバイオガス事業構築

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地方自治体

研究機関 業界団体

発電事業者

液肥利用者 熱利用者

原料供給者

・ 情報整備 ・ 規制緩和

・ 地域全体におけるポテンシャルの特定 ・ 関係者間の協議会 ・ ノウハウ共有の場 等による検討・体制整備

設備供給者

情報提供

支援

等による事業促進

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日独連携の可能性

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制度・仕組み

プラント導入

運用・利用

企業 業界団体

研究機関 地方自治体 発電事業者

政府 地方自治体 研究機関

再エネ政策 バイオマスエネルギー推進政策 消化液散布のコントロール 原料収集に関する制度 等における知見・経験の共有

技術やノウハウの補完 双方にメリットのあるビジネスモデル構築

データ・情報の整備 地域での現場支援の体制構築 付加価値実現の事例 等における知見・経験の共有

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シンポジウムの構成

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制度・仕組み

プラント導入

運用・利用

セッション3 日本でのビジネス展開(三嶋氏、ファンデアトル氏)

セッション2 独エネルギーシステムにおけるバイオガスの役割 (ラウ氏) 日独の地域の取り組み(土肥氏、ロース氏) セッション3 日本における利用の概要(岡庭氏) 独の多様化する原料への対応(リーベトラウ氏)

セッション1 独の再エネ・バイオマスエネルギー推進政策 (ナイツェル氏、ケスラー氏) 日本のバイオマス政策(谷村氏) セッション2 独の近年の状況変化に応じた研究開発・法規制 (シュッセラー氏)

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