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北海道教育委員会 地域学校協働活動推進員 地域コーディネーター

地域学校協働活動推進 員 地域コーディネータ ー...地域学校協働本部と学校運営協議会の双方が両輪となり、多くの関係 者間でビジョンや目標を共有し、幅広い地域住民の参画により学校運営

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Page 1: 地域学校協働活動推進 員 地域コーディネータ ー...地域学校協働本部と学校運営協議会の双方が両輪となり、多くの関係 者間でビジョンや目標を共有し、幅広い地域住民の参画により学校運営

北海道教育委員会

地域学校協働活動推進員 地域コーディネーター

手 引

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目 次 第1章 地域学校協働活動、コミュニティ・スクールとは

1 地域学校協働活動が目指すもの · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 1

2 コミュニティ・スクールとの関係 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 2

3 学校との良好な関係を築くポイント · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 3

第2章 地域学校協働活動推進員・地域コーディネーターとは

1 地域学校協働活動推進員・地域コーディネーターの仕事 · · · · · · 5

2 コーディネートの進め方 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 9

3 推進員・コーディネーターの心得 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 11

4 学校運営協議会を活用した熟議 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 13

第3章 コーディネート機能の充実を目指して

1 要求(ニーズ)の把握と掘り起こし · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 15

2 ボランティアの探し方 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 16

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■ 地域学校協働活動には、次のような活動があり、地域の実情に応じ

て、活動内容を選択して実施されます。

① 学校支援活動(地域学校協働基盤活動) ② 土曜日等の教育支援活動

③ 放課後子供教室 ④ 家庭教育支援活動

⑤ 地域社会における地域活動 ⑥ 学びによるまちづくり

1 地域学校協働活動が目指すもの

※2

検索

これまでの学校支援地域本部等による活動との大きな

違いは、

◆「支援」から「連携・協働」

◆「個別」から「総合化・ネットワーク化」

で、より多くの幅広い層の地域住民、団体等が参画し、緩

やかなネットワークを形成し、活動を継続できる仕組みが

必要です。

そのため、地域の実情を踏まえた地域学校協働本部の

設置や地域学校協働活動推進員の委嘱により、

①地域と学校をつなぐコーディネート機能の強化

②より多くの地域住民の参画による多様な活動の実施

③地域学校協働活動の継続的・安定的な実施

を進めていくことが重要となります。 ※2

【参 考】※1 文部科学省「地域学校協働活動の推進に向けたガイドライン参考の手引」(P6~7)

※2 〃 (P10~11)

■地域学校協働活動については 地域学校協働活動ガイドライン で

地域全体で未来を担う子供たちの成長を支える仕組み(活動概念図) 地域学校協働活動は、地

域の幅広い方々の参画を得

て、①地域全体で子どもた

ちの学びや成長を支え、②

「学校を核とした地域づく

り」を目指し、地域と学校

が相互にパートナーとし

て、連携・協働しながら行

う様々な活動です。※1

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■ 地域学校協働本部と学校運営協議会の双方が両輪となり、多くの関係

者間でビジョンや目標を共有し、幅広い地域住民の参画により学校運営

への支援や地域における活動を活性化することができます。

2 コミュニティ・スクールとの関係 コミュニティ・スクールとは、保護者や地域住民が学校運営に参

画する学校運営協議会制度を導

入した学校で、地域と学校が「子

育ての目標を共有し、地域総掛か

りで、協力して子どもを育てまし

ょう」という仕組みです。 コミュニティ・スクール 学校運営協議会を設置した学校 = 学校運営協議会の委員として、地域学校協働活動

推進員(地域コーディネーター)等の学校運営に資

する活動を行う者が任命されます。

委員となった推進員は、学校運営協議会と地域学

校協働活動をつなぐ役割が求められます。

検索

地域学校協働活動推進員

※教育委員会が委嘱します。 地域学校協働活動に係る連携協力体制 (地域学校協働本部等)

※地域の実情を踏まえた体制を作ります。 放課後の学習活動 (放課後子供教室) (社教法第5条 13号)

【参 考】 文部科学省「地域学校協働活動パンフレット」(P4)

■地域学校協働活動パンフレットについては、文部科学省 地域と学校でつくる学びの未来 で

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(1) 学校の教育目標や教育計画を確認しましょう!

(2) 子どもの安全を第一に考えましょう!

(3) 子どものプライバシーや秘密を守りましょう!

(4) 学校との打ち合わせの時間を工夫しましょう!

(5) 柔軟な対応を心がけましょう!

3 学校との良好な関係を築くポイント

■学校には「こんな子どもに育ってほしい」という願いを込めた教育目

標や目標を達成するための教育計画があります。これは、地域や子ど

もの実態を踏まえ、学校ごとに作られています。活動の前に目を通し

ておきたいものの1つです。

■学校には「子どもの安全確保」という大原則があります。学校関係者

以外の突然の来校者・訪問者については、たとえ善意の地域住民であ

っても必ず一人一人どのような人かを確認しています。ぜひ、地域ボ

ランティアにもこのような状況を理解してもらい、対応してもらいましょう。

■活動中に知り得た子どものプライバシーなどの秘密は守りましょう。

■学校や先生の批判は、子どもや保護者の前で絶対に言わないようにし

ましょう。

■活動を通して気付いたことは、遠慮せずに先生方(学校)に相談しま

しょう。

■学校は決められた時間の流れ(日課)があり、いつでも先生と話ができるわけではありません。あらかじめ、連絡の取りやすい時間を確認しましょう。

■メールや FAXなどを活用し、事前に伝えたい内容を送っておき、その

後電話や訪問で確認する方法も効果的・効率的です。

■子どもたちの状況や天候、突発的な出来事などにより、授業や活動が変更される場合があります。ゆとりのある計画と心構えが大切です。

特に、(2)、(3)は、重要です。

地域ボランティアの皆さんにも十分

理解してもらうようにしましょう!

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◆地域ボランティア専用の名札やリボンを用意し、

活動中は付けてもらうようにすると、先生たちや

子どもたちも一般の来校者と区別でき、早く顔や

名前を覚えて関わることができます。

子どもの安全確保について

◆地域学校協働活動に関わる地域ボランティアの方は、子

どもたちの健康情報や保護者の連絡先等の個人情報を取り扱うことも多くあります。そのため、地域学校協働本部では、教育委員会において定めた個人情報の管理に関するルール等に基づき、個人情報の取扱いについての「ルール」や「覚書」等を策定しておくことが重要です。

子どものプライバシーを守るために

◆市町村によっては、学校に地域学校協働活動推進員(地域コーディネ

ーター)を配置し、打合せの時間や場所の確保、効率的な実施等の

工夫を行っています。

◆釧路市では、地域コーディネーターが学校

の担当教職員と相談して勤務する日を決め

ています。地域コーディネーターが学校に

勤務することで、教職員の空き時間等を使

って打合せを行うことができ、地域コー

ディネーター・教職員双方の負担軽減につ

ながっています。(H29年度の事例)

打合せの時間の工夫

打合せの様子

学校との良好な関係を築くポイントの一つと

して、学校や教育委員会とも連携しながら進め

ていくことがあります。

学校・行政関係者との円滑な連携には、推進

員(地域コーディネーター)の役割が非常に重

要です。

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(1) 地域コーディネーターとは

【学校等とボランティアの連絡調整】

1 地域学校協働活動推進員・地域コーディネーターの仕事

学校や放課後子供教室などの事業担当者と地域(ボランティア)をつ

なぐパイプ役が地域コーディネーターです。

地域コーディネーターは、学校等の要望を把握し、求めに応じたボラ

ンティアを派遣する役割を担っています。

【地域コーディネーター】

学校や放課後子供教室などの事業担当者の要望とボラン

ティアの思いを考えながら、コーディネートする。

【学校・放課後子供教室など】

・こんな取組がしたい

・こんな人材がほしい

・一緒に活動してもらいたい

【地域(ボランティア)】

・こんなことを知っている

・こんなことができる

・何か役に立ちたい

関係者との連絡調整を通じて、一緒に活動を創り

上げていくことが大切です。

【根室市の放課後子供教室の取組】

根室市では、地域コーディネーターが

中心となり、地域ボランティアや関係団

体等と連絡調整を行い、「根室の自然」、

「北方領土」など、地域の教育資源を活

用したふるさと学習を実施しています。

地元企業と連携したバスツアーの様子

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(2) 地域学校協働活動推進員とは

【地域学校協働活動推進員に期待される役割】

◆地域や学校の実情に応じた地域学校協働活動の企画・立案

◆学校や地域住民、企業・団体・機関等の関係者との連絡・調整

◆地域ボランティアの募集・確保

◆地域学校協働本部の事務処理・経費処理

◆地域住民への情報提供・助言・活動促進 等

【地域学校協働活動推進員の候補となり得る人材】

◆これまでのコーディネーターやその経験者

◆地域と学校の連携・協働に関わる活動に地

域ボランティアとして活動している人

◆PTA関係者、PTA活動の経験者

◆退職した校長や教職員

◆自治会、青年会等の地域関係団体の関係者

◆地域や学校の特色や実情を理解する企業、

NPO、団体等の関係者

◆社会教育主事の有資格者 等

推進員として委嘱されることで、「地域

コーディネーター」が、法律に位置づけ

られた存在として、地域学校協働活動の

推進に関わることができるようになりま

す。また、役割や仕事の内容が明確にな

ります。

教育委員会が地域学校協働活動推進員に委嘱

「地域コーディネーター」や地域コーディネーター間の連絡・調整等

を行う「統括コーディネーター」などを「地域学校協働活動推進員」

(以下、推進員)として、教育委員会が委嘱することが可能になりま

した。

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(3) 統括的な地域学校協働活動推進員(統括コーディネーター)とは

【統括的な地域学校協働活動推進員の役割】

◆推進員のリーダー的な存在として、それぞれの推進員間の連絡調整

◆推進員への適切な助言・指導や事例紹介

◆地域住民の地域学校協働活動への理解の促進

◆推進員の育成、人材の発掘・確保

◆未実施地域において、新たに取組を開始する際の助言や先行事例の提供

【統括的な地域学校協働活動推進員の候補となり得る人材】

◆地域コーディネーターとして長年活躍した人

◆社会教育主事として活動した経験のある人

◆校長や教職員の経験者で、地域学校協働活動の

経験が豊富な人

◆PTA関係者、PTA活動経験者で地域学校協

働活動の経験が豊富な人

◆地域学校協働活動に関する業務や調整の経験を

有する人

◆地域活性化やまちづくり関係の地域の団体のリ

ーダー 等

より広域的な観点から、域内の地域学校協働活動の推進を支援します

地域や学校の

実情や特色を踏

まえ、役割が具

体化されます。

統括推進員の具体的な取組として、

□各本部の活動や体制づくり等へのアドバイス

を行う

□地域の様々な取組や団体、民間企業等の情報

を把握し、各推進員に提供する

□推進員同士のネットワークづくりを進める

などが考えられます。

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※釧路市の取組は、平成 29年度の取組です。

検索

【参 考】 文部科学省「地域学校協働活動推進員の委嘱のための参考手引」(P2~4)

■参考手引については、文部科学省 地域と学校でつくる学びの未来 で

◆釧路市では、コミュニティ・ス

クール導入校のうち、4校に地域コーディネーターを配置し、

教育委員会に統括コーディネー

ターを配置しています。

◆統括コーディネーターは、各校

の地域コーディネーターと連絡

調整を行い、取組の情報共有を行うほか地域コーディネーター

を対象とした研修会を実施して

います。 地域コーディネーター(推進員)交流会の様子

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(1) コーディネートの流れ

2 コーディネートの進め方

地域ボランティアとの関わり 学校・放課後子供教室等の事業との関わり

■活動の周知

■地域ボランティアの募集・登録

■地域ボランティアへの活動依頼

■学校(教職員)からの依頼

■事業担当者からの依頼

■事前打合せの実施 ・準備作業の確認

(コーディネーター(推進員)も参加) ・役割分担の確認

■地域ボランティアの紹介

(氏名・連絡先など)

■受入れ体制の整備

■活動上の配慮等の準備

■当日の活動 ・活動状況の確認 ・活動のふりかえり

・今後の要望の確認

■次の活動へ

・活動後のアドバイス 等

知らせる

つなぐ

育てる・支える

■地域ボランティアの可能な活

動の周知

■次の活動へ

・活動案の修正

・活動を一緒に創る

■活動結果の周知

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(2) コーディネートで期待される役割

学校等のニーズと地域ボランティアの希望や提案を調整し、活動に結び付け

ることです。つなぐ役割を果たす前提として、学校等と地域ボランティア双方

の思いをきちんと引き出さなければ上手く結びつけることができません。この

引き出し方も大切です。

「学校等は、今こんな地域ボランティアを求めている」というような、ニ

ーズや情報を伝えて地域ボランティアを募ることのほかに、地域ボランティ

アの考えていることや希望を学校などに伝えることなど、様々な方法で周知

します。地域学校協働活動を地域に広め、進めていくための広報活動も重要

です。

学校等のニーズに応じることのできる地域ボランティアを研修や実

践をとおして育てていくことが大切です。また教員を対象に、地域ボ

ランティアや地域のことについて研修する機会を提供することも大切

です。

学校等と地域ボランティアの思いは、必ずしも一致することばかり

ではありません。学校や事業担当者側が地域ボランティアの活動に不

安や不満をもったり、逆に地域ボランティアが学校や事業での受け入

れ態勢に不安や不満をもつことがあります。学校等と地域ボランティ

アの思いをうまくつなぎ合わせながら活動を支え、継続できるよう、

状況に合わせた対応の工夫をすることが必要です。

地域学校協働活動においては、学校や放課後子供教

室などの事業(以下、学校等)と地域ボランティアの

間に立って、両者を結び付けるだけでなく、両者の思

いやねらいを受け止め、「協働」という対等な関係で一

緒に活動を創り上げていくための調整をします。

コーディネートでは、以下の4つの役割が期待され

ています。

知らせる

つなぐ

育てる

支える

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ボランティア活動は一方通行ではありません。一緒に活動することを通して、お

互いに学ぶ双方向の活動です。思いを分かち合える活動になるように心がけましょ

う。 地域ボランティアと学校等が対等に議論し、活動を創り上げることで、はじめて

「協働」が生まれます。「一緒に活動」となるように工夫しましょう。 言葉かけをすることは推進員・地域コーディネーターとしての大切な役割です。

アドバイスとともに忘れずに励まし、勇気付けの言葉かけを大切にしましょう。 推進員・地域コーディネーターは地域ボランティアと学校等の両者の話を聞くこ

とができ、活動を進める上での問題点や課題に気付くことができます。よりよい活

動にするために、問題点や課題はきちんと両者に伝え、一緒に解決策を考えましょ

う。 推進員・地域コーディネーターに大切なのは、何を知っているかよりも、誰を知っ

ているか、広くつながっているかです。いろいろな人と知り合いになり、よい関係

をつくっていきましょう。

3 推進員・コーディネーターの心得 1 地域ボランティアと先生、子どもたちが同じ思いを分かち合える活動となるよう、心がけましょう。

2 地域ボランティアと学校等が対等に話し合えるよう に工夫しましょう。

3 次の活動につながるよう、活動後は必ず言葉かけを しましょう。

4 活動を通じて見えてきた問題は、地域ボランティア にも学校等にもきちんと伝えましょう。

5 知り合いを増やしましょう。

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様似町では、社会教育担当職員がコーディ ネーターの役割を担っており、学校・子ども ・ボランティアそれぞれに、有意義な活動と なるよう配慮することにより、学校とボラン ティアともに良好な関係が保たれています。 登録しているボランティアは、負担のない 範囲で参加し、学校支援ボランティアの活動 を通して、楽しさとやりがいを感じることが できています。

上士幌町では、CS(コミュニティ・スク ール)コーディネーターが校内で勤務し、地 域と協働した学習活動の企画・調整・運営を 実施しています。 CSレターきずな・CSカレンダーを月1 回発行し、毎月の広報誌に掲載しています。 CSコーディネーターの活動の報告、各学 校の協議会の様子、支援活動の様子、地域の 活動の紹介などの内容を取り上げることで、

町民全体への周知や情報共有とともに、CSコーディネーターの業務の

「見える化」を図っています。

活動開始前の打合せの様子

教育委員会社会教育担当職員の取組

CSコーディネーター:橘 大介 氏

CSコーディネーターの取組 一番重要なのは、コミュニケーションです。様似町では、学校やボランティアが、お互いに有意義な活動となるように、コーディネーターが調整を行っています。

また、上士幌町では、コーディネーターが学校や支援企業等に出向いて、やりとりした経過を記録・整理しておくことで、コーディネーター業務を「見える化」し、コーディネートの方法を周知・啓発しています。

【参 考】 北海道教育委員会「地域学校協働活動」実践事例集

■実践事例集については、道教委 地域学校協働活動実践事例集 で 検索

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学校と地域の人々(保護者・地域住民)が「熟議」(話合い)を行い、子 育てのビジョンや課題を共有し、活動の方向性を決めることができます。 地域によっては、学校運営協議会の場を活用して熟議を行ったりしています。 【熟議の例】

4 学校運営協議会を活用した熟議

上記の例では、「地域としてどんな子どもを育てるの

か」、「課題を解決するためにどんな取組をおこなうのか」

について、熟議を行っています。

熟議では、話し合って検討しただけでなく、具体的に何

をするのか、行動につなげることが大切です。

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出された意見を4つに分類し、「地域としてど

んな子どもを育てるのか」を明確にし、子育ての

目標を共有しています。その結果、次の取組を実

施することとなりました。

基礎・基本の定着に向け、地域の方が

講師となった放課後の補充的な学習 子どもと地域住民の絆を深める 学校と地域会合同の防災訓練

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推進員・地域コーディネーターは、学校やボランティアとの打合せ時間などをうまく調整して、要求(ニーズ)を明確にしていくことが重要です。 推進員・地域コーディネーターは、適切なコミュニケーションを心がけ、教員や担当者、子どもの求めと地域住民の思いや提案を的確に把握し、時に

は上手に引き出しながら、それらをうまくつなぐことが求められます。 地域ボランティアを以下の4つのタイプに分けておくと、双方の要求に合った活動を組み立てやすくなります。

1 要求(ニーズ)の把握と掘り起こし 施設メンテナー型 専門性を発揮しながら、施設や設備の維持

管理を支援します。

施設の補修・塗装、飼育小屋づくり、刃物研ぎ、植木の選定、パソコン管理、ホームページの作成・更新 ほか

ゲストティーチャー型 子どもたちの学習の理解を深めるために、

直接、学習指導をします。

教科指導(地域学習、英会話、書道など)、茶道や華道の指導、ものづくり指導、伝統芸能の指導、部活動指導 ほか

環境サポーター型 安全で快適な学習環境を整えます。

学校内外パトロール、図書室運営、図書整理、花壇整備、校舎の窓ふき、教材・教具の整理

ほか

学習アシスタント型 学習活動を効率よく進めるために、教師の

指導などを手助けします。

本の読み聞かせ、校外学習の引率補助、ドリル学習の採点補助、放課後などの補充学習の補助 ほか

活動の特殊性(専門的知識・技術が必要)

活動の一般性(だれにでもできる)

環境支援

学習支援

地域によっては、人材バンクを設置したり、活用しやす

い工夫を加えたプログラムバンクを作成したりしていま

す。

地域の応援団として、個人だけでなく、サークルや企業

などにも登録してもらっている市町村もあります。

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【地域ボランティアを探すときに協力してもらえる団体等】

2 ボランティアの探し方 【募集して集める地域ボランティア】

学校や各種事業などの要求(ニーズ)に応じた地域ボランティアを探

す基本的な方法は公募です。教育委員会などと相談して、どんなボラン

ティアが必要なのかを明記し、学校や自治会を通じて、保護者や地域住

民に募集チラシを配布したり、広報やホームページを活用したりしてボ

ランティアを集めましょう。

【個別に依頼して集める地域ボランティア】

専門的な知識や技術を必要とする地域ボランティアを募集する場合は

個人に直接依頼しなければならないことがあります。その場合は、地域

の様々な団体や企業などから情報を収集したり、紹介してもらったりし

ましょう。

◆学校教職員

・教員OBなどの情報を得られます。

◆PTA役員(OB)、自治会役員

・地域の「人、もの、こと」をよく知っています。

◆教育委員会・公民館の職員

・ボランティアの情報や研修についての情報をもっています。

・地域のサークルなどの活動情報をもっています。

◆ボランティア団体・NPO

・ボランティア活動の実践者です。

◆社会教育関係団体(女性団体、青年団、子ども会役員、老人会など)

・まちづくりのリーダーとして活動しています。

◆保護者やおじいちゃん、おばあちゃん

・一番身近な存在です。

◆他の学校の推進員・地域コーディネーター

・お互いの情報を交換することで、地域ボランティアの情報が広がりま

す。

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参考文献 ◆文部科学省「地域学校協働活動の推進に向けたガイドライン参考の手引」 ◆文部科学省「地域学校協働活動パンフレット」 ◆文部科学省「地域学校協働活動推進員の委嘱のための参考手引」 ◆北海道教育委員会「地域学校協働活動」実践事例集

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地域学校協働活動推進員・地域コーディネーター 手引

平成 30年 12月発行

発行:北海道教育庁学校教育局

義務教育課子ども地域支援グループ

〒060-8544

札幌市中央区北3条西7丁目道庁別館8階

電話 011-204-5753 FAX 011-232-1072