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日本の海氷・降雪・積雪と日本の海氷・降雪・積雪と日本の海氷 降雪 積雪と日本の海氷 降雪 積雪と温暖化温暖化温暖温暖
高野高野 清治清治高野高野 清治清治
気象庁地球環境・海洋部気象庁地球環境・海洋部
気候情報課気候情報課気候情報課気候情報課
内容内容内容内容
本 降雪 積雪 変化本 降雪 積雪 変化•• 日本の降雪、積雪の変化日本の降雪、積雪の変化
•• オホーツク海の海氷の変化オホーツク海の海氷の変化オホ ツク海の海氷の変化オホ ツク海の海氷の変化
•• 北極振動と日本の気温、降雪量北極振動と日本の気温、降雪量
•• 降雪、積雪、オホーツク海、海氷の温暖化予降雪、積雪、オホーツク海、海氷の温暖化予測測測測
上越市高田の最深積雪と冬平均気温の推移
2.0
4.0
6.0
300
350
400 年最深積雪
5年移動平均
冬(12-2月)平均気温
5年移動平均
-4.0
-2.0
0.0
平均
気温
(℃
)
150
200
250
年最
深積
雪 月最深積雪の記録
(cm)
(1 / / )
10 0
-8.0
-6.0
4.0
冬平
0
50
100
150 年
377 (1945/ 2/26)
375 (1927/ 2/ 9)
374 (1945/ 1/24)
328 (1945/ 3/ 1)-10.0
1962
1967
1972
1977
1982
1987
1992
1997
2002
2007
0 328 (1945/ 3/ 1)
324 (1986/ 2/ 6)
積雪の経年変化積雪の経年変化((北海道日本海側北海道日本海側))積雪の経年変化積雪の経年変化((北海道日本海側北海道日本海側))
北海道日本海側 寒候年最深積雪平年比
200
300%
200
300%
0
100
1960/61 65/66 70/71 75/76 80/81 85/86 90/91 95/96 00/01 05/06
0
100
北海道日本海側 冬(12~2月)平均気温平年差
3
℃
3
℃
-1
0
1
2
-1
0
1
2
-3
-2
60/61 65/66 70/71 75/76 80/81 85/86 90/91 95/96 00/01 05/06 10/11
-3
-2
最深積雪の減少はあるがわずか最深積雪の減少はあるがわずか
積雪の経年変化積雪の経年変化((北陸地方北陸地方))積雪の経年変化積雪の経年変化((北陸地方北陸地方))
北陸地方 寒候年最深積雪平年比
200
300%
200
300%
0
100
1960/61 65/66 70/71 75/76 80/81 85/86 90/91 95/96 00/01 05/06
0
100
北陸地方 冬(12~2月)平均気温平年差
3
℃
3
℃
-1
0
1
2
-1
0
1
2
-3
-2
60/61 65/66 70/71 75/76 80/81 85/86 90/91 95/96 00/01 05/06 10/11
-3
-2
最深積雪は大きく減少
降雪の経年変化降雪の経年変化((北海道日本海側北海道日本海側))降雪の経年変化降雪の経年変化((北海道日本海側北海道日本海側))
北海道日本海側 (12~2月)降雪量平年比
200
300%
200
300%
0
100
1960/61 65/66 70/71 75/76 80/81 85/86 90/91 95/96 00/01 05/06
0
100
北海道日本海側 冬(12~2月)平均気温平年差
3
℃
3
℃
-1
0
1
2
-1
0
1
2
-3
-2
60/61 65/66 70/71 75/76 80/81 85/86 90/91 95/96 00/01 05/06 10/11
-3
-2
降雪量の減少もあるがわずか
降雪の経年変化降雪の経年変化((北陸地方北陸地方))降雪の経年変化降雪の経年変化((北陸地方北陸地方))
北陸地方 (12~2月)降雪量平年比
200
300%
200
300%
0
100
1960/61 65/66 70/71 75/76 80/81 85/86 90/91 95/96 00/01 05/06
0
100
北陸地方 冬(12~2月)平均気温平年差
3
℃
3
℃
-1
0
1
2
-1
0
1
2
-3
-2
60/61 65/66 70/71 75/76 80/81 85/86 90/91 95/96 00/01 05/06 10/11
-3
-2
降雪量も大きく減少
まとめ
降雪量 トレンド(%/year) 95%有意 99%有意
降雪量、年最深積雪のトレンド(1962年以降)
北海道日本海側 -0.21 × ×
東北日本海側 -0.75 ○ ○
北陸地方 -1.74 ○ ○
近畿日本海側 -1.27 ○ ×
山陰 -2.21 ○ ○
最深積雪 トレンド(%/year) 95%有意 99%有意
北海道日本海側 -0.4 ○ ×
東北日本海側 -0.5 × ×
北陸地方 -1.6 ○ ○
近畿日本海側 -0.7 × ×
山陰 -1.5 ○ ○
本州以南では積雪 降雪共に減少が顕著本州以南では積雪、降雪共に減少が顕著
オホーツク海の海氷の変動オホーツク海の海氷の変動オホーツク海の海氷の変動オホーツク海の海氷の変動
•• 気象庁の海氷観測気象庁の海氷観測•• 気象庁の海氷観測気象庁の海氷観測
明治時代から明治時代から観測所における観測観測所における観測観測所における観測観測所における観測船、航空機による観測船、航空機による観測
19701970年代以降従来の観測に加えて年代以降従来の観測に加えて19701970年代以降従来の観測に加えて年代以降従来の観測に加えて衛星観測(可視、赤外、近赤外、マイクロ波(合成開口レーダーを含む))衛星観測(可視、赤外、近赤外、マイクロ波(合成開口レーダーを含む))
・官署による観測データ・官署による観測データ・オホーツク海の海氷面積・オホーツク海の海氷面積
全般海氷情報全般海氷情報全般海氷情報全般海氷情報
海氷面積の推移海氷面積の推移海氷面積の推移海氷面積の推移
95%の危険率でぎりぎり有意
網走の流氷初日 終日のトレンド網走の流氷初日 終日のトレンド網走の流氷初日、終日のトレンド網走の流氷初日、終日のトレンド
2008/20092008/2009の海氷分布の海氷分布2008/20092008/2009の海氷分布の海氷分布
12月31日 月12月31日 2月28日 4月30日 6月30日
2008/20092008/2009年のオホーツク海の海氷の勢力年のオホーツク海の海氷の勢力2008/20092008/2009年のオホ ツク海の海氷の勢力年のオホ ツク海の海氷の勢力
海氷域面積 積算海氷域面積
海氷の勢力をあらわす積算海氷域面積が、海氷の勢力をあらわす積算海氷域面積が、19711971年の統計開始以来年の統計開始以来22番目に小さい値を記録。番目に小さい値を記録。19711971年の統計開始以来年の統計開始以来22番目に小さい値を記録。番目に小さい値を記録。(過去最小の(過去最小の20062006年とほぼ同じ値。平年比年とほぼ同じ値。平年比64.464.4%。)%。)
オホーツク海の海氷オホーツク海の海氷オホーツク海の海氷オホーツク海の海氷
減少 ドが られるが年 変動も大き減少 ドが られるが年 変動も大き•• 減少トレンドが見られるが年々変動も大きい減少トレンドが見られるが年々変動も大きい
((19721972年以降年以降))((19721972年以降年以降))
北極振動と日本の気温、降雪量北極振動と日本の気温、降雪量気気の関係の関係
19801980年代後半以降昇温、少雪化が急速年代後半以降昇温、少雪化が急速に進んだのは何故か?に進んだのは何故か?
1
1.5
2
0
0.5
1
1 5
-1
-0.5 日本平均気温
5年移動平均
線形 (日本平均気温)
-2.5
-2
-1.5
-3.5
-3
年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年
1899年
1906年
1913年
1920年
1927年
1934年
1941年
1948年
1955年
1962年
1969年
1976年
1983年
1990年
1997年
2004年
北極振動北極振動
北極振動(ほっきょくしんどう, Arctic Oscillation; AO)北極と北半球中緯度地域の気圧が逆の傾向で変動する現象北極と北半球中緯度地域の気圧が逆の傾向で変動する現象
いろいろな定義の仕方があるがここでは500hPa高度場の第一主成分として定義する
500hPa高度場の第一主成分
地上気圧の回帰図 850hPa気温の回帰図
北極振動は年々変動するが、10年スケール変動もする。
2009年12月12日から2010年1月日の 日平均気温平年偏差10日の30日平均気温平年偏差
(上)と同期間の500hPa高度場と同偏差と同偏差
日本の冬の気温と北極振動の関係日本の冬の気温と北極振動の関係日本の冬の気温と北極振動の関係日本の冬の気温と北極振動の関係
3
4
日本気温
5年移動平均
2
北極振動指数
5年移動平均
1
気温
、指
数
-1
0
61/62
63/64
65/66
67/68
69/70
71/72
73/74
75/76
77/78
79/80
81/82
83/84
85/86
87/88
89/90
91/92
93/94
95/96
97/98
99/00
01/02
03/04
05/06
07/08
気
相関0.51
-2
-3
北極振動が負の年1985/86年冬(500hPa高度場)
北極振動が正の年1988/89年冬(500hPa高度場)
地点名地点名1212--22月最月最深積雪深積雪
1212--22月月平均気温平均気温 地点名地点名
1212--22月最月最深積雪(c深積雪(c
1212--22月月平均気温平均気温北極振動のパターン
地点名地点名 深積雪深積雪(cm)(cm)
平均気温平均気温((℃℃))
輪島輪島 7878 2.12.1
相川相川 2828 2.52.5
新潟新潟
地点名地点名 深積雪(c深積雪(cm)m)
平均気温平均気温((℃℃))
輪島輪島 44 4.94.9
相川相川 44 5.25.2
新潟新潟 88 4 84 8
振動
新潟新潟 5252 1.71.7
金沢金沢 113113 2.42.4
伏木伏木 9494 1.61.6
富山富山 117117 1.51.5
新潟新潟 88 4.84.8
金沢金沢 2424 5.55.5
伏木伏木 3131 4.94.9
富山富山 2929 4.84.8
高田高田 324324 1.31.3
福井福井 127127 1.81.8
敦賀敦賀 9090 3.23.2
高田高田 1515 4.64.6
福井福井 2626 5.35.3
敦賀敦賀 1010 6.76.7
1988/89冬 1989/90冬 1990/91冬1988/89冬 1989/90冬 1990/91冬
5年にわたりよく似た天気図
のパタ ン(正の北極振動)のパターン(正の北極振動)が現れた
暖冬 少雪が続いた
1991/92冬 1992/93冬
暖冬、少雪が続いた
北陸の降雪量と北極振動指数北陸の降雪量と北極振動指数北陸の降雪量と北極振動指数北陸の降雪量と北極振動指数
250 -3
-2
北陸地方降雪量
北極振動指数
5年移動平均(AO)
5年移動平均(雪)
200-1
0
5年移動平均(雪)
100
150
降雪
量
1
2
北極
振動
指数
50
100
3
4
北
相関0.57
0
2 4 6 8 0 2 4 6 8 0 2 4 6 8 0 2 4 6 8 0 2 4 6 8
5
6
196
196
196
196
197
197
197
197
197
198
198
198
198
198
199
199
199
199
199
200
200
200
200
200
オホーツク海の海氷と北極振動指数オホーツク海の海氷と北極振動指数オホーツク海の海氷と北極振動指数オホーツク海の海氷と北極振動指数
3500
4000 -3
-2
オホーツク海積算海氷面積
北極振動指数
5年移動平均
5年移動平均(海氷)
(AO)
2500
3000
積
-1
0
数
5年移動平均(海氷)
1500
2000
積算
海氷
面積
1
2
北極
振動
指
1000
1500
3
4
相関0.30
0
500
196
2
196
4
196
6
196
8
197
0
197
2
197
4
197
6
197
8
198
0
198
2
198
4
198
6
198
8
199
0
199
2
199
4
199
6
199
8
200
0
200
2
200
4
200
6
200
8
5
6
有意でない
1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2
AOAOのの1010年規模変動をもたらす要因年規模変動をもたらす要因AOAOのの1010年規模変動をもたらす要因年規模変動をもたらす要因
大気自身 憶 ごく短大気自身 憶 ごく短•• 大気自身の記憶はごく短い!大気自身の記憶はごく短い!
•• 北大西洋の海洋変動とのカップリング北大西洋の海洋変動とのカップリング北大西洋の海洋変動とのカップリング北大西洋の海洋変動とのカップリング
•• ユーラシアの積雪の影響(?)ユーラシアの積雪の影響(?)
NAO(AONAO(AOの大西洋部分)と大西洋トライポールとのの大西洋部分)と大西洋トライポールとの正のフィードバック正のフィードバック正のフィ ド ック正のフィ ド ック
(Watanabe and Kimoto 2000, Czaja and Freankignoul 2002)(Watanabe and Kimoto 2000, Czaja and Freankignoul 2002)
海面水温の強制(associating with SST-> NAO pattern) 11-1月の500hPa高
度場と7-9月の海面
40N付近の正の海面水温偏差(周りは負偏差) 度場と 月の海面
水温のラグ相関(周りは負偏差)がNAOパターンの強制には最も効果的
海面水温の反応海面水温の反応(associating with NAO pattern -> SST)
NAOに対する海面水温の応答は大西洋トライポールパタ ンに似てルパターンに似ている
ユーラシアのユーラシアの99--1111月の積雪と月の積雪と1212--22月の北極振動の負相関月の北極振動の負相関ラシアのラシアの99 1111月の積雪と月の積雪と1212 22月の北極振動の負相関月の北極振動の負相関(from Watanabe and Nitta 1999)(from Watanabe and Nitta 1999)
L l ti b t
Di i i
Lag correlation between snow coverage anomalies during SON in the division-2 and Z500 anomalies during the subsequent DJF (1972-1991)Division the subsequent DJF (1972 1991)
2: Eastern Eurasia -
+ -
-
降雪、積雪、オホーツク海の海氷の降雪、積雪、オホーツク海の海氷の温暖化予測温暖化予測温暖化予測温暖化予測
GCM20 AK/AJラン GCM20 AN/AMラン
何種類かの数値シミュ
レーションによる平均気温の将来変化予気温の将来変化予測(冬季)
21世紀末と20世紀末の平均気温の差(℃)平均気温の差(℃)
有意水準10%で有意RCM20 CRCM
有意水準10%で有意
な変化を示す地域に点描している
GCM20 AK/AJラン GCM20 AN/AMラン
何種類かの数値シミュレーションによる
降雪量 将来変化降雪量の将来変化予測(冬季)
21世紀末と20世紀末の21世紀末と20世紀末の降雪量の差(降水換算mm/日)
RCM20 CRCM有意水準10%で有意
な変化を示す地域に点描描している
オホーツク海の海氷面積の将来変化オホーツク海の海氷面積の将来変化予測(予測(2121世紀末)世紀末)
温暖化予測モデルの海氷の再現性
温暖化時の北極振動温暖化時の北極振動温暖化時の北極振動温暖化時の北極振動
正の北極振動が現れやすくなるという予測だが10年スケールの変動が大きいので区別ができるのは21世紀後半以降の変動が大きいので区別ができるのは21世紀後半以降
まとめまとめまとめまとめ
本海側 積雪 降雪量共 本州 は減少本海側 積雪 降雪量共 本州 は減少•• 日本海側の積雪・降雪量共に本州では減少日本海側の積雪・降雪量共に本州では減少傾向が見られる傾向が見られる
•• オホーツク海の海氷面積も減少が見られるオホーツク海の海氷面積も減少が見られる
•• いずれも年々変動、いずれも年々変動、1010年スケールの変動も大年スケールの変動も大いずれも年々変動、いずれも年々変動、1010年スケ ルの変動も大年スケ ルの変動も大きく、きく、より長期間の観測・監視が重要より長期間の観測・監視が重要
地球規模の海氷 雪氷は気候の変動のメモ地球規模の海氷 雪氷は気候の変動のメモ•• 地球規模の海氷、雪氷は気候の変動のメモ地球規模の海氷、雪氷は気候の変動のメモリーの役割を果たす可能性があるリーの役割を果たす可能性がある
•• 温暖化時には日本海側の降雪量、オホーツ温暖化時には日本海側の降雪量、オホーツク海の海氷の減少が予測されているク海の海氷の減少が予測されている