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日本のワイナリーに行こう 全国日本ワインの現場 日本ワインとは 日本の現状 全国のワイナリーを訪ねよう 石井 もと子

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日本のワイナリーに行こう 全国日本ワインの現場

日本ワインとは

日本の現状

全国のワイナリーを訪ねよう

石井 もと子

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国産ワイン&日本ワイン

国産ワイン(国内産ワイン):

日本国内でボトリングされたワイン

日本ワイン:

国内で育まれたぶどうから造られたワイン

共存可能:原料を明確に 産地表示 の明確化 ➡法制化

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日本ワイン生産量を探る

ブドウ総栽培面積 2012年 18,500ha (17,400ha 収穫面積) 内 加工使用 : 1,076.3ha ぶどう破砕量 :

加工用(ワイン用)品種 5,435t 生食または兼用品種 8,386t 計 13,821t

ワイン生産量 おおよそ10,400Kl

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統計と現場の差異

ワイン専用種栽培面積(2012)

ワイン専用種統計外の面積例

静岡:O ➡ 6ha 九州:9.8ha ➡ 17ha

兼用種が卸業者を通じ県外に販売される場合:

醸造統計から抜ける場合がある

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日本のワイン市場 (2014 国税局)

371,200Kℓ

輸入ワイン 259,000Kℓ

国産ワイン 112,200Kℓ ( 約30%)

2012年度の醸造量 10,400 +αKℓ

統計外,年度差等を考慮すると

日本ワインは全体のわずか3%強

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訪ねてみよう、 日本全国注目の産地

産地とは?

複数のワイナリー

ワイン専用種の栽培面積

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主要ワイン用品種栽培面積 2012

品種 面積 ha 都道府県別Top.2

NO.1 ha NO.2 ha シャルドネ 145.6 長野 57.8 山形 25.7 メルロ 118.3 長野 52.3 山形 15.5 カベルネ・ソーヴィニヨン 67.0 長野 19.0 山梨 16.2 ケルナー 57.4 北海道 55.4 長野 1.3 セイベル赤 57.2 北海道 55.0 ツバイゲルトレーベ 48.1 北海道 41.9 セイベル白 45.3 北海道 33.9 ピノ・ノワール 38.3 北海道 23.8 青森 5.1

加工用品種 総計 1,076.3 北海道 400.1 長野 173.5

山梨:280ha(ワイン品種+甲州+マスカット・ベーリーA)

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北海道 ワイン専用種の供給地 革新的なワイナリーの存在

中核産地 余 市(+仁木町) 空 知 (浦臼、三笠、 岩見沢) 専用種の栽培面積:400ha

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余市 道内外へのブドウ供給地

ワイン専用種 約120ha + 生食用品種

温暖な気候: 北海道のフルーツ王国

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1981-2 農家7軒がワイン専用種の栽培に着手

→ 7人のサムライ

80年代半ば- 道内ワイナリーとの契約栽培広がる

2000年代 道外ワイナリーに供給始まる

2010年代 新規ワイナリーの誕生

複数社に販売する農家も登場

栽培面積10ha超の専業農家も登場

2代目の存在と新規就農者

北海道ワイン

ココファーム 栃木

十勝ワイン

天橋立 京都府

サッポロワイン山梨

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余市のワイナリー

ドメーヌ(自社畑に特化、栽培醸造を一貫して行う)型 ドメーヌ・タカヒコ 登醸造 ➡新規就農者 ビジターも重視型 (充実した売店、飲食店併設) 余市ワイン OCHIGABI

1,2年内に数社増 ➡ 特区制度/研修制度の利用 外部資本の参入 (カルディコーヒー) 北海道ワイン:国内最大 契約農家数最大

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空知 個性派ワイナリーの牙城

1970 年代後半 北海道ワインが鶴沼ブドウ園開発

2003 山崎ワイナリーが初ヴィンテージ(02)から脚光を浴びる。

➡ 空知がワイン産地として着目される。

ナカザワ・ヴィンヤード KONDOヴィンヤード

宝水ワイナリー 滝沢ワイナリー

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10Rワイナリー:インキュベーターワイナリー 醸造コンサルタント付き設備のレンタル・ワイナリー

醸造技術を身に着けながら生産量を増やしやがて独立

上幌ワイン

KONDOヴィンヤード

ナカザワヴィンヤード

多田農園

東川町ワイン

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長 野 急速に各所で産地化がすすむ

緯度&標高(300-900m) 栽培品種、個性の多様化 休耕/荒廃農地の再開発 桑畑・リンゴ畑 ➡ブドウ畑

農地を集約し 大規模ブドウ畑へ ワイン専用種栽培面積 173.5ha+

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塩 尻 ワイン専用種の先駆地

1970年台後半メルロの栽培本格化

2010年~ 自社畑の拡大➡契約農家の減少

2010以降 アルプス 25ha+奈良井川対岸20ha取得、目標100ha

井 筒 10ha+岩垂今井地区4ha+2ha(2015開発)

林 農 園 標高800mを超える柿沢に5ha

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千曲川流域 プレミアムワイナリー/ヴィンヤードが点在

ヴィラ・デスト

+アルカン・ヴィーニユ (栽培醸造家の育成)

リュード・ヴァン

ファンキー・シャトー

マンズ小諸ワイナリー

マリコヴィンヤード

塩田平東山

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高山村 ブドウ産地からワイン産地へ

ブドウ畑標高 400-800強 年間雨量:850mm

西に緩やかに傾く扇状地

2006 角藤農園開園 8.5he

高山村ワインぶどう研究会発足 会員 30名➡80名強

2015 総ブドウ畑面積:26.6ha+8ha ➡村外、県外のワイナリーへ

ワイン専門職員雇用 栽培農家の指導、ワイナリー創立支援

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九州 シャルドネのトライアングル

安心院葡萄酒工房

自社畑の拡大、新たな品種に期待

熊本ワイン

菊鹿町で契約栽培

第2ワイナリー建設予定

都農ワイン

キャンベルアーリーと2枚看板

トロピカルな存在感

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単独で光を放つワイナリー

ココ・フファーム

セイズ・ファーム

フェルミエ

奥出雲葡萄園

中伊豆ワイナリー

存在感ある産地

山形県

山梨県

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新設ワイナリー

2010-2014年 5年間で 31社創立

2015 10社近くが創立予定 日本のワイナリーに行こう 掲載ワイナリー数: 初版 2005 82社 2015年版(2014刊) 185社 2017年版 ?

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躍進の背景

醸造免許取得の緩和

自治体の支援 (ワイン特区の取得 /研修生制度)

農地の流動化(農地の荒廃化)

ワイン専用種に取り組む栽培農家の登場

幼少期からワインが身近に 外部の優秀な人材がワイン造りを目指す

栽培醸造の技術普及 (海外研修)

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かっての常識

銘醸地は動かない → ニューワールドの台頭

日本ではワイン用品種の栽培は難しい → メルロ、シャルドネの成功 カベルネ、ピノ・ノワールへの挑戦

垣根栽培はできない → 全国に垣根栽培のぶどう畑が存在

棚栽培も改良されている

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ティム・アトキン マスター・オブ・ワイン↓

↑ ジム・クレーデネン オー・ボン・クリマ

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ドミニク・ラフォン↑ (ドメーヌ・コント・ド・ラフォン

↑ラリー・ストーン マスター・ソムリエ

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日本ワインはこの20年で各日に質を上げた。 だが、まだまだ、すべきことがある。

まだ発展途上にある。

日本ワインを飲みながら その変化を見守りたい。