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ライフサイエンス研究用試薬と機器 数年前から, メタボリックシンドローム という言葉を耳にすることが多くなりました。 厚生労働省は, 40 ~ 74 歳の内, 男性で 2 人に 1 人, 女性で 5 人に 1 人がメタボリックシンドロームあるいは予備群であると推定して います。 また, 古川ら (京都大学 経済研究所) によると, 男性では体重が 64.2kgから83.8kg になると糖尿 病医療費は2.5 倍に, 高血圧医療費は1.3 倍に増加し, 女性では体重が 59.1kgから70.9kg になると同様 な医療費の増加が生じるそうです。 このように国と家庭の医療費に大きな負担を強いるメタボリックシンドロー ムですが, google で検索すると 234 万件がヒットし, 関心の高さが伺えます。 そこで本紙では, メタボリックシンドロームの疾患モデルを幾つか紹介いたします。メタボリックシンドロームに 関連する機能性食品の市場は, 今後拡大していくことが予想されますので, この情報が皆様方の研究開発のご 参考になれば, 幸いです。 食品機能研究ニューズ 07 年 9 月号 (第 24 号:2007 年 9 月 25 日発行) 出典 株式会社メルシャンクリンテック 環境検査部 Metabolic syndrome and disease model SUBJECT 「メタボリックシンドロームと疾患モデル」 フナコシ・レビュー No.1

「メタボリックシンドロームと疾患モデル」...蛋白質として報告されました (Zhang Y et al. 1994 ) 。レプチン は単鎖の 16kDa の蛋白質であり,

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  • ライフサイエンス研究用試薬と機器

     数年前から, メタボリックシンドロームという言葉を耳にすることが多くなりました。 厚生労働省は, 40 ~ 74

    歳の内, 男性で 2 人に 1 人, 女性で 5 人に 1 人がメタボリックシンドロームあるいは予備群であると推定して

    います。 また, 古川ら (京都大学 経済研究所) によると, 男性では体重が 64.2kg から 83.8kg になると糖尿

    病医療費は 2.5 倍に, 高血圧医療費は 1.3 倍に増加し, 女性では体重が 59.1kg から 70.9kg になると同様

    な医療費の増加が生じるそうです。 このように国と家庭の医療費に大きな負担を強いるメタボリックシンドロー

    ムですが, google で検索すると 234 万件がヒットし, 関心の高さが伺えます。

     そこで本紙では, メタボリックシンドロームの疾患モデルを幾つか紹介いたします。 メタボリックシンドロームに

    関連する機能性食品の市場は, 今後拡大していくことが予想されますので, この情報が皆様方の研究開発のご

    参考になれば, 幸いです。

    食品機能研究ニューズ 07 年 9 月号 (第 24 号: 2007 年 9 月 25 日発行) 出典 株式会社メルシャンクリンテック 環境検査部

    Metabolic syndrome and disease model

    SUBJECT

    「メタボリックシンドロームと疾患モデル」

    フナコシ・レビュー No.1

  • 1. はじめに

    1.1 メタボリックシンドロームとは

     メタボリックシンドロームとは肥満, 高血圧, 高脂血症および糖

    尿病 (インスリン抵抗性) が重複する病態であり, 最終的には動

    脈硬化を引き起こし, 心筋梗塞や脳梗塞などの心血管疾患により

    死に至ります。 このようなリスクファクターが集積する原因として,

    注目されているのが内臓脂肪です。 脂肪組織は白色脂肪組織と

    褐色脂肪組織に大別され, さらに白色脂肪組織は内臓脂肪組織

    と皮下脂肪組織に分けられます。

     内臓脂肪組織の脂肪細胞の肥大や増加による肥満がリンゴ型

    肥満や上半身型肥満といわれる肥満のタイプであり, 皮下脂肪組

    織の場合は洋ナシ型肥満や下半身型肥満といわれる肥満のタイ

    プです。 リンゴ型肥満は洋ナシ型肥満に比べて血中トリグリセライ

    ド値と血糖値が高いことが報告されていたため ( Kissebah AH et

    al. 1982 ) , 内臓脂肪とメタボリックシンドロームを特徴付ける複

    数のリスクファクターとの関係に関心がもたれていました。 舟橋ら

    が脂肪細胞は, 単に余剰エネルギーを蓄積するだけではなく内分

    泌細胞としても機能していることを報告 ( Funahashi T et al.

    1999 ) してから, 現在, 内臓脂肪細胞の産生する種々のアディポ

    カイン (アディポサイトカイン) を中心としたメタボリックシンドローム

    の理解が進んでいます。

    1.2 メタボリックシンドロームの診断基準

     日本では 2005 年に日本動脈硬化学会, 日本肥満学会, 日本

    糖尿病学会など 8 学会のメンバーで構成されたメタボリックシンド

    ローム診断基準検討委員会が日本内科学会総会で右記の基準

    を発表しました (表 1 ) 。

     一方, 海外でも同様な診断基準が発表されています。 たとえば,

    国際糖尿病連合会議 ( International Diabates Federation:IDF )

    は右記の基準をやはり 2005 年に発表しています (表 2 ) 。

    1.3 メタボリックシンドローム該当者数

     上記の基準に基づいて平成 17 年に実施した調査から厚生労

    働省は, 40 から 74 歳におけるメタボリックシンドローム該当者を

    約 920 万人, 予備群を 980 万人, 併せて約 1900 万人と推定し

    ました。 その内訳は, メタボリックシンドローム該当者:予備軍が男

    性= 25.5%:25.0% , 女性= 10.3%:9.5% となっており, 男性で

    2 人に 1 人, 女性で 5 人に 1 人がメタボリックシンドローム該当

    者あるいは予備群と推定しています。 この時の調査では,各年齢

    階級 ( 20-29, 30-39, 40-49, 50-59, 60-69, 70 歳以上) につ

    いて 20 年前 (昭和 60 年) と 10 年前 (平成 7 年) および現

    在 (平成 17 年) の肥満者 ( BMI*25 以上) の割合が示されて

    います。 それによると, この 20 年間で, 女性は 20-29, 40-69 歳

    で肥満者の割合が減少していますが ( 30-39 歳では平成 17 年

    の肥満者の割合が最も多い) , 男性では全ての年齢階級で肥満

    者の割合が増加しています (厚生労働省, 平成 17 年 国民健

    康・栄養調査結果の概要) 。

    *BMI: 体重 ( kg )/{身長 ( m )}2, BMI=22 が標準とされる。

    02

    FUNAKOSHI REVIEW

    表2. IDFのメタボリックシンドローム診断基準

    (The IDF consensus worldwide definition of the metabolic syndrome, 2006 より改変)

    必須項目 以下の内 2 つ以上該当する

    腹部周囲

    男性 94cm 以上

    女性 80cm 以上

    ただし日本人については

    男性 90cm 以上

    女性 80cm 以上

    高 TG 血症 : 150mg/dl 以上

    低 HDL 血症 : 男性 40mg/dl 未満 女性 50mg/dl 未満

    高血圧 : 収縮期 130mmHg 以上あるいは 拡張期 85mmHg 以上

    高血糖 : 空腹時血糖 100mg/dl 以上

    表1. 日本のメタボリックシンドローム診断基準

    (生活習慣病健診 ・ 保健指導の在り方に関する検討会, 2005 より改変)

    必須項目

    臍の高さでの腹部断面で

    内臓脂肪面積が

    100cm2 以上。

    腹部周囲で代用する場合。

    男性 85cm 以上

    女性 90cm 以上

    以下の内 2 つ以上該当する

    高血糖 : 空腹時血糖 110mg/dl 以上

    高血圧 : 収縮期 130mmHg 以上あるいは 拡張期 85mmHg 以上

    高脂血症 : TG 150mg/dl 以上あるいは HDL 40mg/dl 未満

  • 2. メタボリックシンドロームの理解

    2.1 アディポカイン (アディポサイトカイン)

     肥満がインスリン抵抗性 (Ⅱ型糖尿病) を基盤としてメタボリッ

    クシンドロームを引き起こす機構は, 現在, 脂肪細胞が産生分泌す

    るアディポカインの働きに基づく理解が進んでいます。 インスリン

    抵抗性を惹起する分泌物としては TNF-α, IL-6, FFA ( free fatty

    acids ) およびレジスチンなどが知られています。

     TNF-α はインスリン抵抗性を惹起するアディポカインとして最

    初に同定されたものです。 TNF-α などによって活性化される

    JNK ( c-Jun amino-terminal kinases ) の内, JNK1 がインス

    リン抵抗性に関与していると考えられています。 また, TNF-α は

    アディポネクチンの発現を抑制し, IL-6 の発現を促進することでも

    インスリン抵抗性を惹起していると考えられています。 IL-6 は

    Socs-3 ( inducing-suppressor of cytokine signaling-3 ) の

    発現を促進させ, この Socs-3 がインスリンとレプチンのシグナリン

    グを抑制することでインスリン抵抗性の惹起に関与していると考え

    られています。

     FFA はインスリンの標的器官である骨格筋や肝臓で中性脂肪

    に代謝され, この中性脂肪と代謝産物が PKCθ ( protein kinase

    C θ ) と IKKβ ( IκB kinase β ) を活性化し, IRS-1 ( insulin

    receptor substrate 1 ) のセリンリン酸化を誘導します。 インスリ

    ンのシグナリングには IRS-1 のチロシンリン酸化が必須ですが, こ

    のセリンリン酸化によりチロシンリン酸化が阻害されます。 結果とし

    てインスリンのシグナリングが阻害されます。

     レジスチンは齧歯類の実験モデルでは肥満により産生量が増加

    することが示されました。 レコンビナントのレジスチンを投与された

    マウスはインスリン抵抗性と耐糖能低下を示すようになりました。 さ

    らに, レジスチンの中和抗体がインスリン抵抗性を減弱させることが

    示され, レジスチン欠損マウスは良好なインスリン感受性を示しまし

    た。 ただし, ヒトにおいてはレジスチンと肥満やインスリン抵抗性と

    の間に明瞭な関係が見られていないことから現在も研究が続いて

    います (山内 2006, Anghel SI et al. 2007 ) 。

    2.2 アディポネクチン

     アディポネクチンはヒト脂肪組織ライブラリーに最も頻回に出現

    する未知の遺伝子がコードする蛋白質として発見されました

    ( Maeda K et al. 1996 ) 。 アディポネクチンはコラーゲン様の

    fibrous domain と補体 C1q 様の globular domain から成り, 血

    中では 3 量体や 3 量体が会合した 6 量体, 9 量体および 12 量

    体などの多量体で存在すると考えられています。 血中濃度は 5~

    10μg/ml にも達し (舟橋 2002 ) , 脂肪組織特異的に発現して

    いるにもかかわらず, 内臓脂肪量と逆相関を示します ( Arita Y et

    al. 1999 ) 。 アディポネクチンの作用としては抗動脈硬化作用や

    インスリン抵抗性の改善作用が知られています。 アディポネクチン

    の抗動脈硬化作用の機序として, ① NF-κB の核内移行を抑制

    することで, 接着分子 ( E-selectin, VCAM-1, ICAM-1 など) の

    発現を抑制し単球の接着を阻害する。 ②血管平滑筋細胞増殖

    抑制作用。 ③マクロファージのスカベンジャー受容体や TNF-α

    の発現および泡沫化を抑制する。 以上のような働きの結果として,

    アディポネクチンは抗動脈硬化作用を示すと考えられています (舟

    橋 2002 )。 また, アディポネクチンのインスリン抵抗性の改善に

    関しては, アディポネクチンの globular domain が食後の FAA ,

    血糖および TG 上昇を抑制するという報告 ( Fruebis J et al.

    2001 ) や, 全長のアディポネクチンがインスリン抵抗性を改善す

    る ( Berg AH et al. 2001 ) と報告されています。

    2.3 レプチン

     レプチンは遺伝性肥満 ob/ob マウスの責任遺伝子がコードする

    蛋白質として報告されました (Zhang Y et al. 1994 ) 。レプチン

    は単鎖の 16kDa の蛋白質であり, ギリシア語の痩せているを意味

    する「 leptos 」から命名されたといわれています ( Meier U &

    Gressner AM 2004 ) 。 脂肪組織の他, 胃, 骨格筋および肝臓

    などからも産生され, 視床下部に働きかけ強力な摂食抑制やエネ

    ルギー消化亢進を誘導します。 当然, レプチンの作用不全は肥満

    につながると考えられ, 事実, ヒトにおいてもレプチン遺伝子やレプ

    チン受容体遺伝子異常を有する家系が見つかっており, これらの

    家系は著しい肥満を示すことが知られています (中尾 2003 ) 。

     一方, 肥満者はしばしば高い血中レプチン濃度を示すことが知ら

    れており, レプチン抵抗性に肥満者が陥っていると考えられています。

    レプチン抵抗性には, ①レプチン受容体を介したシグナル伝達の

    03

    FUNAKOSHI REVIEW

  • 異常と, ②肥満者では血中レプチン濃度に比べて髄液中レプチン

    濃度が低いことや, レプチン抵抗性に陥ったマウスでも髄液中にレ

    プチンを投与するとレプチンの作用が見られるようになることからレ

    プチンの脳―血管関門の移行障害が考えられています ( Meier

    U & Gressner AM 2004, Ei-Haschimi K et al. 2000 ) 。

    3. メタボリックシンドローム関連

    疾患モデル動物

    3.1 多彩な疾患モデル動物

     メタボリックシンドロームに関しては多彩な疾患動物モデルが知

    られていますが, 「肥満」あるいは「Ⅱ型糖尿病」に注目した場合,

    大きく①症状誘発用の飼料によりメタボリックシンドローム様の症

    状を誘発させるモデルと②遺伝的要因のみでメタボリックシンドロー

    ム様の症状を発症するモデル (通常の飼料を摂取させていても発

    症するモデル) の 2 つに分けられます。 動物モデルにはサルやウ

    サギのモデルも知られていますが, 実験操作が比較的容易である

    ことから以下, マウスとラットのモデルについて紹介します。

     飼料により誘発させるモデルとしては, C57BL/6J や B6D2F1

    系マウスに高脂肪飼料を給餌するモデルが知られています。 また,

    SD 系ラットに 60% 果糖飼料を給餌するモデルも知られています。

    このモデルでは, 4 週間後に 60% 果糖飼料を給餌されたラッ

    トは対照飼料を給餌されたラットと比べて, 有意に重い体重と,

    高い血圧, および高い尿酸濃度とインスリン濃度を示しました

    ( Nakagawa T et al. 2006 ) 。

     遺伝的要因のみで発症するモデルとしては, ob/ob マウス,

    db/db マウス, KK-Ay マウス, ZDF ラット, SHHF ラット, SHROB

    ラット, OLETF ラット, TSOD ラットなど数多くの系統が知られてい

    ます。 なお, 一般的に, これらのモデルのメタボリックシンドローム

    様症状の発症程度は飼育条件の影響を受けることが知られていま

    す。 従って, 実験に使用する際には予備飼育で発症程度を確認し

    ておくことが必要であると思われます。

     ob/ob マウスは, 肥満, インスリン抵抗性および高血糖などを発

    症するマウスです。 前述しましたように責任遺伝子である ob の

    変異により変異レプチンを産生あるいはレプチンが欠損することで,

    メタボリックシンドローム様症状を発症します。 db/db マウスも,

    ob/ob マウスと同様な症状を発症するマウスです。 しかし, db/db

    マウスの場合はレプチンではなくレプチン受容体に変異があるた

    めにメタボリックシンドローム様症状が発症します。 OLETF ラット

    ( Otsuka Long Evans Tokushima Fatty ラット) は, 大塚製薬

    で Long-Evans 系のラットから選抜開発されたラットです。

    OLETF ラットは肥満, 高インスリン血症, 高血糖などのメタボリック

    シンドローム様症状のほかに皮下脂肪と比べて内臓脂肪が顕著

    に多く, 冠状動脈にも障害が現れるといったヒトのメタボリックシン

    ドロームと類似した特徴を示します ( Kawano K et al. 1994 ) 。

    ZDF ラット ( Zucker Diabetic Fatty ラット) は db/db マウスと同

    様にレプチン受容体の異常などによりメタボリックシンドローム様

    症状を発症するラットです。 (株)メルシャンクリンテックでは現在

    ZDF ラットに通常の飼料を与えてどのような症状が発症するのか

    観察しています。

    3.2 ZDFラット

     6 週齢の ZDF ラット (以下 Fatty:8 匹) とヘテロ (以下

    Lean:5 匹) に通常飼料 ( MF: オリエンタル酵母工業) を自由

    摂取させ, 体重, 血糖値, ヘモグロビン A1c 濃度 ( HbA1c ) ,

    血中総コレステロール ( T-CHO ) 濃度および血中トリグリセライ

    ド ( TG ) 濃度について測定しました。

     Fatty は 7 週齢以降, Lean より有意に重い体重を示し, 両者

    の差は 12 週齢で最大となり, Fatty は Lean より 2 割以上重い

    体重を示しました ( Fig. 1A ) 。 血糖値, ヘモグロビン A1c , T-

    CHO および TG についても Fatty は 7~11 週齢以降, Lean と

    比較して有意に高い値を示し ( Fig. 1B, C, D, E ) , ヒトのメタボ

    リックシンドロームと類似した病態に陥っていることが示唆されました。

    このような ZDF ラットは既に幾つかの食品素材の評価にも使用さ

    れています。 森永乳業(株)は, 日本肥満学会 ( 2006 ) でアロエ

    ベラの植物ステロールが ZDF ラットの血糖値, ヘモグロビン A1c

    および内臓脂肪重量の増加を抑制すると報告しています。 また,

    Prasad は亜麻の抗酸化物質であるセコイソラリシジノール・ジグリ

    コシドが ZDF ラットのⅡ型糖尿病の発症を抑制すると報告していま

    す ( Prasad K 2001 ) 。 このように ZDF ラットを用いた評価系

    04

    FUNAKOSHI REVIEW

  • は, メタボリックシンドロームの改善効果を示す機能性食品や医薬

    品の有効性成分の探索と評価などに役立つ試験方法だと思われ

    ます。

    05

    FUNAKOSHI REVIEW

    Metabolic syndrome

    and disease model

    Fig.1 ZDF ラットの体重、血糖および血中脂肪

    B800mg/dl

    700

    600

    500

    400

    300

    200

    100

    0週齢 9 11 13 16

    血糖値(非絶食時)

    11 13 16

    ■ Lean ■ Fatty** ***

    :p<0.01 :p<0.001

    **

    ***

    ***

    ***

    A450g

    400

    350

    300

    250

    200

    1506 8 10 12 14 16 週齢

    体重

    Lean Fatty

    ** ***

    :p<0.01 :p<0.001

    ***

    ***

    ***

    **

    ***

    **

    ***

    C14%

    12

    10

    8

    6

    4

    2

    0週齢 11 13 16

    ヘモグロビンA1c (HbA1c)

    ■ Lean ■ Fatty** :p<0.01

    ** **

    **

    D300

    250

    200

    150

    100

    50

    0

    mg/dl

    週齢 7 11 13 16

    血漿総コレステロール (T-CHO)

    7 11 13 16

    ■ Lean ■ Fatty*

    *** :p<0.05 :p<0.001

    ***

    E1400

    1200

    1000

    800

    600

    400

    200

    0

    mg/dl 血漿中性脂肪(TG)

    週齢 7 11 13 16

    ■ Lean ■ Fatty** ***

    :p<0.01 :p<0.001

    **

    ***

    **

    **

  • 06

    FUNAKOSHI REVIEW

    4. 参考文献

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    山内敏正, 門脇 孝 (2006): 糖尿病とメタボリックシンドロー

    ム, 日薬理誌 128 : 133-140.

     株式会社メルシャンクリンテック

    では, 機能性食品素材の有効性を

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    詳細は, 最終ページをご覧下さい。

  • 07

    FUNAKOSHI REVIEW

    ◎ 糖負荷マウスに対する血糖値上昇抑制試験

    ◎ ストレプトゾトシン誘発糖尿病マウスに対する改善効果試験

    ◎ 自然発症糖尿病ラット ( GK ラット) に対する改善効果試験

    ◎ 自然発症糖尿病マウス ( db/db マウス) に対する改善効果試験

    ◎ 加齢マウスによる肥満モデル作製の条件検討試験

    ◎ 高脂肪食負荷肥満モデルマウスに対する肥満抑制効果試験

    ◎ 3T3-L1 細胞を用いた脂肪蓄積改善効果試験

    ◎ KO マウスの血漿分析試験 (脂質代謝, 肥満関連項目)

    ◎ ラットを用いた脂質酸化抑制試験

    ◎ ラットに対する高脂血症予防効果試験

    ◎ ラット高尿酸血症に対する改善効果試験

    ◎ ガラクトサミン誘発肝障害モデルの作製条件検討試験

    ◎ 消化酵素 (グルコシターゼ, アミラーゼ) 阻害活性

    ◎ キサンチンオキシダーゼ阻害活性試験

    ◎ 豚膵臓リパーゼ阻害活性試験

    株式会社メルシャンクリンテックは, メルシャン株式会社で培ってきた 高度なバイオ技術をもとに, 機能性食品素材の非臨床による 有効性/安全性評価試験, 実験小動物の病原微生物モニタリング, 微生物関連受託試験などを請け負っています。

    今回ご紹介いたしました 「メタボリックシンドロー

    ムと疾患モデル」 に関連して,以下のような受託

    試験の実績がございます。

    株式会社メルシャンクリンテックには様々

    な専門分野の経験者が集まっており, 左

    記以外にもお客様の多岐にわたるハイレ

    ベルなご要望に, トータルにお応えいたし

    ます。

    ■ 研究サポート ◎ 非臨床の機能性評価・   有効性評価受託試験 (次ページ参照)

    ◎ 実験動物の微生物学的モニタリング

    ◎ 微生物関連受託試験

    ■ 実験動物管理 ◎ 実験動物飼育管理受託業務

    ◎ 研究補助受託業務

    ■ バイオロジカル ・   エアセキュリティ ・ サービス ◎ 施設, 環境における微生物汚染度の   評価と同定

    ◎ 菌株同定, バイオバーデンなど

    ◎ 施設クリーンアップ   (洗浄 ・ 消毒 ・ 殺菌)

    ◎ ホルムアルデヒド燻蒸殺菌

    ◎ 空調エアフィルターの交換

    ◎ 浮遊, 落下, 付着菌検査 (同定)

    ◎ 風速, 風量, 気流, 温度湿度, 塵埃測定

    ◎ クリーンベンチ ・ 安全キャビネット点検

    ◎ クリーンルーム持込機器の殺菌消毒

    ◎ 防虫対策

  • サービスの流れ

    1.

    2.

    3.

    4.

    5.

    お客様訪問

    ・ 受託内容のご説明

    ・ お客様のニーズを打診

    ・ 秘密保持契約の締結 (必要により)

    詳細打ち合わせ

    試験研究の受託

    試験研究の実施

    試験結果の報告

    ・ 最終報告書の提出

    ・ 今後の展望のご提案

    NEWNEW 食品科学

    最適な試験を設計・実施します!

    有効性評価試験受託サービス

     株式会社メルシャンクリンテックは, 食品素材のスクリーニングか

    ら非臨床試験と, それに付随する開発業務をトータルにお手伝いし

    ます。 お客様の目的, 被験物質の特長などにより, 最適な試験を設

    計いたします。

     近年, 生活習慣や環境変化により, 肥満 ・ 糖尿病 ・ 高血圧 ・ 高

    脂血症を併発するメタボリックシンドロームや花粉症 ・ アトピーな

    どのアレルギー疾患が増加傾向にあります。 食品素材にはこのよう

    な疾患を予防したり, 改善したりする機能が期待されています。

    ※ 本サービスは研究用です。 臨床用途には利用できません。

    特  長

    コンサルティングの重視  お客様の商品開発の一翼を担う認識のもとで, 試験方法の設定の段

    階よりコンサルティングを重視し, お客様と十分な協議を行っています。

    また, 試験結果の考察を十分に行い, 試験結果に基づく商品開発の展望

    をお客様にご提案しています。

    食品評価に合致した試験系作製  医薬品を対象とした病態モデルは食品評価に適していません。 本受

    託業務は食品評価に特価しているため, 食品の有効性を引き出しやす

    い病態モデルの作製を行っています。

    研究者の経験 ・ 質  メルシャン株式会社の研究所で食品および医薬品の探索ならびに薬

    効 (機能性) 評価を長年担当してきた研究者が受託研究業務に携わる

    ため, 経験が非常に豊富です。

    新技術分野への挑戦  学界の最先端の情報および技術を入手して, 食品評価に適した新し

    い試験系の構築を積極的に行っています。

    評価試験項目

    評価する機能 領 域

    炎症, 免疫, アレルギー 関連試験

    メタボリックシンドローム 関連試験

    循環器系関連試験

    抗腫瘍関連試験

    消化器系関連試験

    泌尿器系関連試験

    抗菌関連試験

    栄養学的試験

    疲労関連試験

    その他の試験

    抗酸化, 免疫賦活, 抗炎症, 関節炎改善, 花粉症 ・ アレルギー改善 など

    糖尿病改善, 抗肥満, 肝障害改善, 脂質代謝改善, 高尿酸血症改善 など

    高血圧改善, 血管弛緩, 強心作用, 動脈硬化改善 など

    抗腫瘍, 細胞増殖抑制, 血管新生阻害 など

    胃潰瘍改善, 大腸炎改善 など

    排尿障害改善 など

    抗菌, 感染防御 など

    吸収, 排泄 など

    眼精疲労改善 など

    貧血改善, 遺伝子発現, 各種生化学分析 など

    ※ 評価試験項目の詳細な内容は,株式会社メルシャンクリンテックホームページ (http://www.m-cleantec.com/) をご覧下さい。

    評価試験例 感染防御機序 (免疫系に対する) 検討試験

    目的

    材料

    群構成

    方法

    感染防御作用のある食品素材の作用機序を検討する

    被験物質, SD 系ラット( 1 群 10 匹)

    対照 被験物質 (低用量群) 被験物質 (高用量群)

    被験物質を 2 週間経口投与したラットから糞, 腹腔内マクロファージおよび脾臓の採取を行う。 糞は試薬で調製して IgA 濃度を ELISA で測定する。 また, 脾臓を調製してナチュラルキラー ( NK ) 細胞障害活性の測定を行う。 マクロファージは培養し, ラテックスビーズの貪食能を調べる。 さらに, 一部のマクロファージおよび脾細胞は LPS と共に培養し,サイトカイン産生, 転写因子の NF-κB 産生などを調べる。

    お問い合わせ先 : 受託・特注品業務担当 e-mail : [email protected]

    Tel. : 03-5684-1645 / Fax : 03-5684-6539

    〒113 - 0033 東京都文京区本郷 2 丁目 9 番 7 号http://www.funakoshi.co.jp/ e-mail:[email protected]試薬に関して: Tel. 03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e - mail:[email protected]受託に関して: Tel. 03-5684-1645 Fax 03-5684-6539 e - mail:[email protected]

    販売店

    フナコシのライフサイエンス研究用試薬と機器

    Z7-R02F-03(2008.02)