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Oracle Server X5-8 システム・アーキテクチャ Oracleホワイト・ペーパー | 20157

Oracle Server X5-8システム・アーキテクチャ...3 | Oracle Server X5-8システム・アーキテクチャ 録となるベンチマーク結果を達成しました。オラクルの包括的でオープンな標準ベースのx86システムは、

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Oracle Server X5-8 システム・アーキテクチャ

Oracleホワイト・ペーパー | 2015年7月

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Oracle Server X5-8システム・アーキテクチャ

目次

目次 はじめに1 ................................................................. 0

はじめに ......................................................................... 1

製品概要 ......................................................................... 1

Oracleソフトウェアにとって最適なシステム .......................................... 2

Oracle Linux .................................................................. 3

Oracle DatabaseのOracle Multitenantオプション .................................. 3

Oracle Database In-Memoryオプション ............................................ 4

オラクル独自のNVMe設計とDatabase Smart Flash Cache ................................ 4

スケールアップ・エンタープライズ・アプリケーションに最適 .......................... 5

卓越したCPUパフォーマンス ..................................................... 5

非常に大きなメモリ・フットプリント ............................................. 6

グルーレス・アーキテクチャ .................................................... 6

Oracle Server X5-8による弾力性のあるコンピューティング ............................ 6

システム設計 ..................................................................... 8

単一画面での管理 ................................................................ 10

結論 ............................................................................ 10

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1 | Oracle Server X5-8システム・アーキテクチャ

はじめに オラクルの新しい8ソケットx86サーバーであるOracle Server X5-8は、Oracleソフトウェアの実行

に最適なシステムとして設計されたOracle x86サーバー・ファミリの製品です。Oracle Server X5-8

は、メモリと演算能力を大量に必要とするデータベースやエンタープライズのワークロード用に最

適化されたスケールアップ・サーバーです。このホワイト・ペーパーでは、Oracle Server X5-8シ

ステムのアーキテクチャについて説明します。

製品概要

Oracle Server X5-8にはインテルXeon E7-8895 v3プロセッサが最大で8基搭載されており、それぞ

れに2.6GHz、45MBのレベル3(L3)キャッシュで動作する18個のコアが含まれています。各CPUモジュー

ルには、インテルXeon E7-8895 v3プロセッサと24デュアル・インライン・メモリ・モジュール(DIMM)

スロットが搭載されています。インテルXeon E7-8895 v3プロセッサは、さまざまなモードで機能し

ます。前世代の8ソケット・サーバーでの順応性のあるコンピューティングを引き継ぐOracle Server

X5-8は、アクティブ・コア数とインテル・ターボ・ブーストの最大周波数の調整機能を備えた業界

最高性能の8ソケットx86サーバーです。また、高帯域幅低レイテンシのNVM Express(NVMe)テクノ

ロジーを使用して、最大12.8TBという過去に例のないフラッシュ容量を提供します。

Oracle Server X5-8にはDDR3低電圧DIMMを192個まで装着でき、メモリを6TBまで拡張できます。ま

た、中規模から大規模のデータベース全体をインメモリで実行するのに最適です。

業界をリードする5Uのシステム・エンクロージャには、16個のPCIe 3.0スロット(16レーン・スロッ

トと8レーン・スロットが各8個)、8台の2.5インチ・ドライブ・ベイ、および4個のUSBポート(前

面、内部に各2個)が搭載されています。最大8台のSAS-2ハード・ディスク・ドライブ(HDD)また

はソリッド・ステート・ドライブ(SSD)を装着でき、HDDの場合は最大9.6TB、SSDの場合は最大3.2TB

まで内部ストレージを拡張できます。また、8枚のOracle Flash Accelerator F160 PCIeカードを使っ

て、12.8TBのフラッシュを追加できます。

図1および図2に、Oracle Server X5-8のシャーシを示します。

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図1.シャーシ前面

図2.シャーシ背面

Oracle Server X5-8は、エンタープライズ・クラスの可用性機能によって、アップタイムを最大化

できるように設計されています。I/Oモジュールとディスクはすべてホットスワップ対応で、RAID 0、

1、6、10、50、および60をサポートしています。電源とファンもホットスワップ対応で冗長化され

ているため、いずれかのコンポーネントの1つで障害が発生しても稼働中のシステムに影響が及ぶこ

とはありません。システムには4個の電源が搭載されており、電源の冗長性はN+Nです。

デュアルPCIeカード・キャリア(DPCC)は電気機械的なサブアセンブリで、業界標準のロープロファ

イルPCIeカードに対するホット・プラグ対応のI/Oサポートが可能です。各DPCCには8レーンと16レー

ンのPCIe Gen 3スロットが1個ずつ搭載されており、I/Oのホット・プラグ機能を実行するためのボ

タンとインジケータも付いています。多数のI/Oオプション・カードがサポートされており、Oracle

Server X5-8にEthernet、ファイバ・チャネル、InfiniBand、SAS、フラッシュを接続できます。

各システムには、ハードウェア・トラブルの早期検出と初期設定の簡易化により運用コストを削減

するエンタープライズ管理ツールが組み込まれています。Oracle Integrated Lights Out Manager

(Oracle ILOM)と呼ばれるこのツールを使用することで、リモート電源管理、KVM(仮想キーボード、

ビデオ、マウス)機能、詳細な状態監視、リモート・サーバー構成が可能になります。また、Oracle

Server X5-8にはOracle System Assistantが付属しています。これはウィザードスタイルの組込み

ツールで、オラクルからのファームウェア更新のチェック、ファームウェアとドライバの更新、RAID

とOracle ILOMの構成、オペレーティング・システムの効率的なインストールなど、システム展開の

各ステップをガイドに沿って実行できるようになっています。

Oracleソフトウェアにとって最適なシステム

Oracle x86システムは、Oracleソフトウェアに最適なx86プラットフォームです。最適化されたハー

ドウェアおよびソフトウェア・スタックには、各種オペレーティング・システム、仮想化ソフトウェ

ア、クラウド管理ツールが付属していますが、これらにはいっさい追加費用がかかりません。この

ようなことができるのはオラクルだけです。オラクルの最適化されたハードウェアおよびソフト

ウェア・スタックはオラクルのエンジニアド・システムのパフォーマンスを10倍向上させ、世界記

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録となるベンチマーク結果を達成しました。オラクルの包括的でオープンな標準ベースのx86システムは、

データセンター環境向けに信頼性を強化した、Oracleソフトウェアの実行に最適なプラットフォームで

す。

Oracle Linux

Oracle Server X5-8とオラクルのクラス最高のオペレーティング・システムの1つを組み合わせるこ

とで、信頼性とパフォーマンスが非常に高いデータベース・アプリケーションとエンタープライズ・

アプリケーションの組合せを実現できます。オラクルは、Oracle Linuxと呼ばれる独自のエンター

プライズ・バージョンのLinuxを提供しています。Oracle Linuxは、すべてのレベル(オラクルの

Unbreakable Enterprise Kernelとして知られるカーネルを含む)での機能強化により、Oracleハー

ドウェアでもっとも快適に動作するように最適化されています。

特に、Oracle Linuxは大規模なCPU構成とメモリ構成に拡張できるように設計されています。また、

Oracle Server X5-8の多数のプロセッサ・コアとメモリ・フットプリントを処理できるよう設計さ

れ、徹底的にテストされています。さらに、10GbEの最適化とI/Oおよびブロック・レイヤーの機能

強化によって改良されているため、アプリケーションの信頼性とパフォーマンスが向上しています。

Oracle DatabaseのOracle Multitenantオプション

Oracle Database 12cは、Oracle Multitenantと呼ばれる新しいオプションを提供しています。従来、

ITアーキテクトはサーバー・レベルの仮想化を使用して、複数のデータベース・インスタンスを実

行する小規模の2ソケット・サーバーを、より少ない物理サーバーに集約し、各データベース・イン

スタンスをゲスト・オペレーティング・システムで実行していました。この手法は、システム管理

者レベルではCapExとOpExが削減されましたが、データベース管理者に対しては、同じ物理サーバー

上に複数のテナントが存在することで複雑になるため、まったく逆効果になっていました。このア

プローチでもっとも顕著になるのは、複数テナント間にセキュリティと適切な独立性を確保すると

いう問題です。また、ユーザーの要望に応じてデータベース・インスタンスを拡張することができ

ないという課題もあります。Oracle Multitenantは、複数データベース・インスタンスを単一コン

テナ内のプラガブル・インスタンスとしてホストするための、セキュアかつスケーラブルで費用効

果の高いソリューションを提供します。図3に示すとおり、データベース管理者は運用環境を完全な

制御下に置き、安全かつ単純な方法で単一データベース・インスタンスを管理して、スケーラビリ

ティ、パッチ適用、バックアップとディザスタ・リカバリに対するデータ保護を実現できるように

なります。

Oracle Server X5-8でOracle Multitenantを実行することによるビジネスへのメリットは、管理と

パッチ適用の対象となる物理サーバーの数が減ることだけでなく、全体的なインフラストラクチャ

使用率が大幅に向上することにあります。複数のゲスト・オペレーティング・システムと複数の

Oracleデータベースを実行するために必要なメモリを割り当てる代わりに、物理的なメモリ・フッ

トプリントをビジネス・データの格納に使用できるようになります。これにより、インフラストラ

クチャ内の集約密度が高くなり、CapExを削減できます。

Oracle Server X5-8のメモリ・フットプリントは大容量であるため、それぞれのプラガブル・デー

タベース・インスタンスが、ゲスト・オペレーティング・システムの制約を受けることなく、要求

に応じてより大きいメモリ・チャンクを柔軟に消費できます。また、個々のプラガブル・データベー

スに対してメモリを管理することで、各プラガブル・データベースの要求に応じたパフォーマンス・

スケーリングが可能になります。個々のプラガブル・データベース・レベルだけでなく、コンテナ・

レベルで構成を設定し管理できるため、簡単に高可用性構成をプロビジョニング、管理できます。

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図3.Oracle Multitenantベースのアーキテクチャの利点

Oracle Database In-Memoryオプション

Oracle Databaseは、Oracleハードウェアで実行した場合に、速度と信頼性が高くなります。Oracle

Server X5-8は、ハードウェアとファームウェアの最適化によって、Oracle Databaseをもっとも快

適に実行できるように設計されています。特に、ストレージ・コントローラ、BIOS、およびネット

ワーク・インタフェース・カード(NIC)のファームウェアがOracle Database用に最適化されてい

ます。また、キャッシュ・リカバリ、パス・フェイルオーバー、デバイス障害検出、I/O処理、SCSI

リカバリ、およびディスク障害とリカバリに関する数百もの機能強化が組み込まれています。

サンフランシスコで開催されたOracle OpenWorld 2013で、オラクルはデータベースに基づくビジネ

ス上の意思決定を迅速化する、Oracle Database In-Memoryオプションを近々提供することを発表し

ました。Oracle Databaseのインメモリ・オプションでは、特定のワークロードやアプリケーション

に限定される特殊なアプローチとは違い、新しいインメモリの列格納形式を活用して、分析、デー

タウェアハウス、ワークロードのレポート、およびオンライン・トランザクション処理(OLTP)の

ワークロードを高速化するという独自のアプローチを取っています。

あらゆる規模の、あらゆるアプリケーションを実行する組織のすべてのワークロードで、リアルタイ

ム分析のパフォーマンスと高速化によるメリットを享受できます。実際、Oracle Databaseの新しいイ

ンメモリ機能を利用するだけで、Oracle Database上で実行されるすべての既存アプリケーションの速

度が大幅に向上します。Oracle Server X5-8は最大6TBのメモリをサポートしており、メモリ内でのデー

タベースの実行量を増やし、Oracle Databaseの新しいインメモリ機能を利用するのに最適です。

オラクル独自のNVMe設計とDatabase Smart Flash Cache

図4と図5に示すとおり、NVMeベースのOracleフラッシュ・カードは、12Gb/秒で接続された従来の

SAS-3 SSDとは対照的に、総帯域幅32Gb/秒でPCIe Gen 3カードの4つのレーンにドライブが直接接続

されているため、標準のSAS-3ドライブよりも大幅に低いレイテンシと高い帯域幅を実現します。ま

た、NVMeフラッシュ・テクノロジーは、Database Smart Flash Cacheと呼ばれるOracle Database機

能を使ってOracleデータベースを高速化するために最適化されています。

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図4.従来のSAS-3 SSDアーキテクチャ

図5.オラクルのNVMe SSDアーキテクチャ

Oracle Server X5-8は、最大8枚のOracle Flash Accelerator F160 PCIeカードを構成することで、

最大で12.8TBの高帯域幅・低レイテンシ・フラッシュをサポートできます。

フラッシュ・テクノロジーは温度の影響を受けやすいため、大半の高性能フラッシュ・ドライブは

温度が上がると、フラッシュの損傷を防ぐためにI/O速度を低下させます。対照的に、オラクルの実

装では、複数の温度センサーがOracle Server X5-8システムのOracle ILOMサービス・プロセッサ(SP)

によって監視されており、フラッシュ・デバイスは最適な動作温度を維持できます。Oracle ILOMは

ファン速度を調整することで、最大のシステム・パフォーマンスを実現するために十分な冷却を常

に提供します。この設計の利点は、システム構成に関係なく、サーバーの動作温度範囲全体で、常

にシステムが最大性能で動作できる点にあります。

スケールアップ・エンタープライズ・アプリケーションに最適

多くの組織はWebや仮想化の層にスケールアウト・アーキテクチャを使用していますが、特定のエン

タープライズ・アプリケーションで非常に高いパフォーマンスを必要とする組織にとって、大規模

なスケールアップ・アーキテクチャは最適な選択肢です。Oracle Server X5-8は数百ものスレッド

と業界をリードするメモリ密度を提供するため、シングル・インスタンスのオペレーティング・シ

ステムで大量のメモリとI/O実行を必要とするスケールアップ・アプリケーションに最適なx86プ

ラットフォームです。

卓越したCPUパフォーマンス

インテルXeon E7-8895 v3プロセッサを8基搭載したOracle Server X5-8は、5Uのエンクロージャで

最大144の合計コアを提供できます。インテル・プロセッサの中でコア数が最多であるだけでなく、

各プロセッサに45MBの共有L3キャッシュが含まれています。これもインテル・プロセッサの中で最

高です。また、インテルXeon E7-8895 v3プロセッサにはPCIe3.0とインテル・ターボ・ブースト2.0

テクノロジーが内蔵されているため、性能と拡張性が非常に優れています。

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非常に大きなメモリ・フットプリント

Oracle Server X5-8には最大6TBのメモリを搭載できるため、コアあたりの平均メモリ容量が51GBを

超えます。このため、アプリケーションは大量のメモリやメモリ帯域幅にアクセスできます。シス

テムのメモリ・フットプリントと帯域幅が大きいため、金融取引アプリケーションなどのメモリ負

荷の高いアプリケーション、バッチ処理ワークロード、および大量のシミュレーションや計算を必

要とするアプリケーションの実行に適しています。

グルーレス・アーキテクチャ

Oracle Server X5-8は"グルーレス"アーキテクチャ(図6を参照)で設計されています。このアーキテ

クチャでは、プロセッサ間のホップ数が最大で2です。一方、"グルー"アプローチによる設計ではホッ

プ数が3になります(図7を参照)。グルーレス設計ではスポーク&ホイールの接続パターンが使用され

ており、データベース・アプリケーションとエンタープライズ・アプリケーションのパフォーマンス

を最大限に上げることができます。これは、共有メモリ・アクセスのレイテンシが最小限になるため

です。

図6.グルーレス・アーキテクチャ 図7. グルー・アーキテクチャ

また、グルーレス・アーキテクチャではノード・コントローラが不要です。ノード・コントローラ

がないと、消費電力が減り、信頼性が向上します。プロセッサのインターコネクトに必要なコンポー

ネント数が減ると、消費電力を削減できます。また、プロセッサ間の通信パスでインテルのコンポー

ネントのみを使用することで、信頼性が向上しています。

ノード・コントローラは通常、プロセッサ世代間での変更が必要です。これは、コヒーレンシ・リ

ンク・プロトコルの変更や、その他のプロセッサ間通信の変更のためです。オラクルは、ノード・

コントローラをなくすことで、インテルの3つのプロセッサ・リリースをサポートする、将来的にも

利用可能なシャーシを提供します。

Oracle Server X5-8によるエラスティック・コンピューティング

Oracle Server X5-8では、運用コストを大幅に削減できる新しいエラスティック・コンピューティ

ング機能を提供しています。インテルは幅広いプロセッサSKUを提供していますが、SKUごとにコア

数、動作周波数、消費電力の組合せが決まっていました。このため、特定のプロセッサSKUの選択に

あたってトレードオフの必要があり、特定のワークロードについて事前に把握した上で選択を行う

必要がありました。

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7 | Oracle Server X5-8システム・アーキテクチャ

オラクルとインテルは、新しいプロセッサSKUであるXeon E7-8895 v3プロセッサを共同で定義しま

した。このプロセッサには独自の特性があり、3種類のXeonプロセッサSKUの機能を、1つのプロセッ

サSKUに効率的に統合できます(図8を参照)。Oracle Server X5-8には、このプロセッサSKUだけが

提供されています。

図8.1つのプロセッサSKUによるエラスティック・コンピューティング

Xeon E7-8895 v3プロセッサは、図8の左側に表示されている3つのプロセッサSKUのパフォーマンス

特性に対応できるように設計されています。オラクルのシステム設計エンジニアは、オペレーティ

ング・システムの開発チームと緊密に連携して、システム・レベルの再起動なしで、Xeon E7-8895 v3

プロセッサのコア数と動作周波数を時間によって変えられる機能を実現しました。これにより、シ

ステム構成の決定プロセスが簡素化され、購入プロセスが合理化され、共通資産の用途を動的に変

更することでシステム管理のオーバーヘッドを減らすことができます。また、CPU利用率を最大限に

することで、電力消費を削減できます。

新しいプロセッサSKUに合わせて、システムBIOS、Oracle Solaris、Oracle Linuxの機能も強化され

ています。これにより、コアが機能しなくなるとシステム内のプロセッサ速度が動的に向上し、残

りのアクティブなコアのターボ周波数が最大になります。

インテルのターボ・ブースト・テクノロジーに基づいて構築されたOracle Server X5-4システムと

Oracle Server X5-8システムには、アクティブなコア数とターボ・ブーストの最大周波数を調整する

機能があります。そのため、コア数を減らして高い周波数で実行するか、コア数を増やして低い周波

数で実行するかをユーザーが選択でき、どちらの場合でも同じ電力プロファイルのままで実行できま

す。

この1つのプロセッサSKUによって、ワークロードのランタイム構成に基づき、さまざまなワークロー

ドの要件に対応できます。たとえば、プロセッサを構成して、1時間は高速でトランザクション処理

を行い、その後1時間は多数のコアに切り替えてコンピューティング・スループットを上げることが

できます。

図9に、インテルXeon E7-8890 v3プロセッサとインテルXeon E7-8895 v3プロセッサの比較を示します。

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8 | Oracle Server X5-8システム・アーキテクチャ

図9.インテルXeon E7-8895 v3プロセッサとインテルXeon E7-8890 v3プロセッサの比較

システム設計

Oracle Server X5-8は完全なモジュラー・システムであり、簡単に保守できるように設計されてい

ます。パッシブ・ミッドプレーン経由で8個のソケットが接続されているため、可用性とソケット間

の帯域幅が最大になります。Oracle Server X5-8は4ソケット構成または8ソケット構成を選択でき、

各ソケットにDIMMを24枚まで装着できます。

各CPUモジュール(CMOD)には、1基のインテルXeon E7-8895 v3プロセッサと24個のDIMMスロットが

搭載されています。各CMOD内のプロセッサは、全部で4つのメモリ・バッファに接続されており、バッ

ファごとに6個のDIMMスロットがあります。CMODは前面ファンのすぐ後ろに配置されており、ファン

を取り外せば前面パネルからアクセスできます。

シャーシの背面にはシングル・システム・モジュール(SMOD)があり、周辺機器の制御ハブ機能、

Oracle ILOMサービス・プロセッサ、RAIDストレージをドライブ・ベイにHBA接続するためのPCIeス

ロットが収納されています。またSMODによって、シャーシの背面のVGAポート×1、管理ポート×1、

シリアル・ポート×1、USB 2.0ポート×2、およびGbEポート×2と接続できます。また背面には、8

個のホットスワップ対応のディスク・ドライブ・ベイがあります。

標準のロープロファイルPCIeカードが収納されているデュアルPCIeカード・キャリア(DPCC)には、

背面からアクセスできます。DPCCを挿入するとCMODのすぐ後ろに配置されて、8個のCMODがそれぞれ

8個のDPCCモジュールに対応します。

Oracle Server X5-8はシステムの前面にデュアル・カウンタ回転ファン・アセンブリが搭載されて

おり、前面から背面に向かって8段階の速度で冷却されます。

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9 | Oracle Server X5-8システム・アーキテクチャ

図10は、システム・ブロック図と、メモリ・バッファ経由での各CPUとDIMMの接続を示しています。各

CPUはグルーレス設計で接続されており、各プロセッサ間のホップ数が3以上になることはありません。

このためプロセッサが、別のプロセッサのメモリやI/Oに最小限のレイテンシでアクセスできます。

I/O接続は8基のプロセッサに分散されます。各CMODには、対応するPCIeスロット付きのDPCCがある

ため、各プロセッサを1つの16レーン、および1つの8レーンのPCIeスロットに直接接続できます。ま

たプロセッサ0(CPU0)は、SMODの8個のディスク・スロットに対応しています。

図11にシャーシの展開図を示します。

図10.Oracle Server X5-8のシステム・ブロック図

図11.シャーシ展開図

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単一画面での管理

Oracle Enterprise Manager 12cは総合的なシステム管理ツールで、Oracleスタック全体を単一画面

から管理できるソリューションです。このソリューションを使うと、ハードウェア・レイヤーから

システム上で実行するデータベースやアプリケーションにわたって、Oracle Server X5-8システム

全体を管理できます。

Oracle Enterprise Managerファミリに含まれるOracle Enterprise Manager Ops Center 12cはエン

タープライズ管理ツールで、ITスタッフはこのツールを使用してサーバーのあらゆる側面を管理で

きます。Oracle Enterprise Manager Ops Centerではハードウェアの詳細な監視とハードウェアの

問題に関するレポートの作成ができるほか、ベアメタル・システムにオペレーティング・システム

をプロビジョニングでき、仮想化の構成も可能です。

Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12cもOracle Enterprise Managerファミリの製品で、

Oracle Server X5-8システムへのプライベート・クラウドの実装に使用できます。Oracle Enterprise

Manager Cloud Controlは、アプリケーションからディスクまでを含むエンタープライズ・クラウド

環境と従来のOracle IT環境を迅速に設定、管理、サポートできる完全なクラウド・ライフ・サイク

ル管理ソリューションです。

結論

オラクルは、ITを簡素化して運用コストを削減するための製品を販売し続けています。Oracle Server

X5-8は、特定のOracleソフトウェアのワークロード向けに設計、最適化、事前テストされています。

Oracle Server X5-8の新しいエラスティック・コンピューティング機能はインテルと共同で設計し

たもので、オラクルのお客様に対して迅速にビジネス価値を提供します。Oracleオペレーティング・

システムやOracleデータベースと一緒にシステム設計を開発できるオラクルは、エラスティック・

コンピューティング向けの完全なソリューションを提供できる唯一のプロバイダです。またオラク

ルのx86サーバーは、市場で高い信頼性を誇る高性能x86サーバーであり、革新的な機能によって簡

便性も向上しています。

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Oracle Server X5-8システム・アーキテクチャ

2015年7月、バージョン1.0

著者:Subban Raghunathan